街へいこうよ どうぶつの森

【まちへいこうよ どうぶつのもり】

ジャンル コミュニケーションゲーム

対応機種 Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 2008年11月20日
定価 ソフト単品:5,800円
Wiiスピーク同梱:7,800円(共に税込)
判定 なし
ポイント 進歩に乏しい
全体的に手抜き
不愉快な住人もといテキスト
一応ミリオン達成
どうぶつの森シリーズリンク


概要

  • 2001年4月14日にニンテンドウ64で発売された第1作目『どうぶつの森』シリーズの第5作目でプロデューサーは江口勝也(任天堂勤務)、テキストディレクターは京極あや(任天堂勤務)。
  • N64版にはプレミア価格が付いたり、GC版の2作品は両方ともハード普及率のハンデをモノともしない国内50万を超えるセールス、DS版は国内300万を超えるロングセラーを記録、アニメ映画化もされ、映画のラストにはWii版の宣伝もあったので、本作にも当然のように期待が集まっていたが…。
  • 2014年5月20日のWi-Fiサービス終了に伴い、現在はWi-Fiを使う遊びは出来ない。

以下『おいでよ どうぶつの森』を前作と表記する。


評価点

  • 発売当時、シリーズでは最も綺麗なグラフィック。
  • 改良点・新要素
    • 家具などのアイテム数が大幅に増えた。WiiConnect24を利用して新規データを受信することもできるため、インテリアの幅が広がる。
    • 家の数が従来の一人一軒に戻り、DS版で削除された「地下室」が復活。ハッピールームアカデミーの評価に関わらないため、プライベート空間・または倉庫代わりに使うなどの楽しみ方が増えた。
    • 前作から帽子と服で分けてデザインできるようになったマイデザインが「PROデザイン」として進化し、前、後ろ、袖をそれぞれ個別に作成出来るようになった。
    • 道具の持ち替えが1ボタンで出来るようになった。
    • 住人の口癖や服装が不適切だった場合、役場で変えさせる事が出来る。
    • 自分のキャラクターを「特殊メイク」としてMiiの顔にする事が出来る。
    • たぬきちの店を、定期的に発生するイベントにより品揃え重視のデパート、バランス重視のスーパー、営業時間重視のコンビニに建て替えてもらう事が出来る。ただし、デパートの営業時間は前作よりも短縮された。
    • 博物館の内装がリアルに。特に、化石が展示されるスペースは、ティラノサウルスのポーズが家に置く場合とは変わったり、一部の恐竜が天井から吊り下げられる形になったり、2階が増設されたりと本格的に。
  • 前作での存在意義が不明だったキャラクター、「ホンマさん」の救済。
    • 前作では全く元が取れない保険を気に障る言葉で勧誘してくると言う、意図的に嫌われるようにしたのではないかというキャラクターであった。
    • 本作では長年勤めた会社を辞め、ハッピーホームアカデミーに転職。別人であるかのように性格が改善され、主人公にも的確なアドバイスをしてくれるようになった。
    • ただ前作での彼の挙動が酷すぎて、改善された本作でもいまだに彼を嫌うものも少なくない。
  • スクリーンショットの撮影が可能。SDカードに書き出してPCで取り扱える*1
    • ただしゲーム中で保存しておける画像は1枚ずつのため、手動でSDカードに保存しないと前の画像が上書きされてしまうのが残念。
  • Wi-FiコネクションでWiiスピークを使いボイスチャットが出来る。
  • 不評だったのかどうかは不明だが、外見が「オオクワガタ」とよく似ていて紛らわしい「ヒラタクワガタ」、捕獲対象としての「ゴキブリ」が削除された。
    • ただし「ゴキブリ」に関しては、相変わらず家を開けっ放しにしていると部屋の中に沸いてくる。

問題点

N64~GC版ではなく、携帯機に特化したDS版をベースにしたため、多くの不満が挙がる。

  • Wii用ソフトなのにロードが長い。
  • Wiiリモコンとヌンチャクによる操作体系。GCコントローラはおろかクラシックコントローラにも対応しておらず、画面にポインターを向けると上下のメニューが必ず出てしまうため、住人に話しかけるつもりが持ち物欄を開いたりなどと言った誤動作が多くなった他、持ち物欄のアイテム選択をポインター以外で操作できないマイデザイン・PROデザイン作成時のカーソル移動に十字ボタンやコントロールスティックを使えないなど、ポインター操作の強要が目立つ。
    • 一応Wiiリモコン単体での操作も可能。ただキャラクターの移動は、移動したい方向に画面をポイントするのみなので、ヌンチャクがあった方がよい。
    • これまでのシリーズはBボタンが走る&拾う動作、Zボタン(N64版)またはLボタン(GC版・DS版)が走る動作のみとなっており、下に置いてあるアイテムを拾わずに走りたい時などの使い分けが可能だったが、今作は走る操作と拾う操作のボタンが共有であるため、マイデザインを敷いた場所、自宅での移動が不便。
  • 改悪点
    • 水槽等、DS版では机の上に置けた物の一部が机の上に置けなくなった。
    • 過去にも家具に相当な値段が付けられていることがあったが、グレースのブランドショップや家具「ATM」の入手に必要な金額が非常に高額。
    • DS版で好評だった、住人の誕生日を祝うイベント、流れ星にお祈りするとアイテムが貰える要素、住人から貰える写真が削除。
  • 前作で不評だった花の水やり要素は継続(水を掛けても解らない欠点も据え置き)。
  • 様々な新要素も不評。
    • 「けもの道システム」とは、芝の生えている道を何度も歩くと少しずつ草が禿げ、そのうちに道が出来上がると言うシステムなのだが、一日に長い時間村を走り回るプレイヤーは草が全く生えてこない村での生活を強要させられることになる上、芝の生えている地面のみに雪が積もる冬では「ゆきだるま」を満足に作れなくなるという問題点がある。
    • タイトルにもなっている「街」も、ほぼ前作までに村に訪れていた動物を寄せ集めただけ。いつ村に訪問するかなどの楽しみが失われた他、イナリ家具のアイテムを買うには「しょうかいじょう」を書いてもらう必要があり、ハッケミィの占いも週に一度しかできないなど、いつでも会えるのに不便な点が目立つ。
    • DS版は二画面を生かすため上画面に空、下画面にメイン画面を表示しており、風船が飛んできたときや月の満ち欠けをすぐに確認することが出来たが、その仕様を一画面にまとめたため、十字ボタンの上を押さないと空を見ることが出来ず、急なイベントへの柔軟な対応が出来なくなった。
      • この仕様もあってジョニー家具の入手難易度が大幅に上昇。「自分のROMには入っていない」とまで言われる事も。
  • 住民の性格も悪くなっており、ハチに刺された主人公に「それ空気感染しませんか?」など、辛辣な言葉を浴びせられることが増えた。
    • N64版のアタイ系住人の強制手持ちアイテム交換イベントよりは実害がないため遥かにマシだが、これまでのシリーズにないテキストが多いため問題となっている。
    • アタシ系の住民がどういう事か呼び捨てになっており、驚いたプレイヤーも少なくはない。
      • それどころか、村の女性住民以外は全員呼び捨て対象。ただし女性プレイヤーは呼び捨て
      • 『おいでよ』までは、男女問わずまた村の住民も「○○ちゃん」で一律だった。
      • 『おいでよ』までは面倒見の良いお姉さんだったが、女王気質のナルシシストっぽくなっている。(ただ、『e+』などで自惚れる様な一面が多少あったが……)
      • ちなみに、当『街へいこうよ』以前に女性で呼び捨ては、どうぶつの島のあたしB(アネキ系)とわたしB(ふつう系)のみ。
    • お願い事をちょっと断っただけですぐ落ち込むと言うメンタルの弱さっぷりにイライラした人もいるだろう。
    • またある程度の時間を置かないと新しい話題にならない上、内容も以前に比べてワンパターンに感じられる場合が多い。
    • 住民以外も女性主人公へのかっぺいのセリフ、新キャラクターの噴水の女神のセリフも癖が強く、好みが分かれる所。
  • 通信関連
    • オークション機能はWiiConnect24で繋がっている人同士でしかできず、入札・落札までの時間が長い為、おでかけや手紙のやり取りで十分補えてしまう。
    • 海外版限定の家具は海外プレイヤーから貰う必要があるため、入手困難。
    • DimentioMsk HDLCと言う非公式改造アイテムが動物からのお礼や店に陳列される等で入手可能になってしまうバグ(?)が存在し、一度起こってしまうと村を作り直すかこちらも非公式の手段を用いてデータ内の該当箇所を削除してしまう以外に消すことは不可能。感染回避もWiiConnect24やフレンドコード登録などのネットプレイを最初から完全遮断するしか方法がない。

賛否両論点

  • DS版からの音楽の使いまわし。
  • 海外重視のイベントが多い。
    • 一部は『e+』のイベントの再録だが、半端に収録せず全て入れてしまった方が良かったのでは?
    • お花見、運動会などの復活しなかった国内向けイベントはどれも人気が高く、GC版までの雰囲気を好むファンから不満の声が上がった。

総評

  • 売れ行きは上々で、シリーズ初体験のユーザーには比較的好評だが、Wi-Fiコネクションに繋がないと起こらないイベントの多さ、個性の薄い新規住人、DS版から入ったユーザーの多さなどが重なったこともあり、過去シリーズの経験者や、前作で削除された要素の充分な復活や大きな変更を望んでいたユーザーからの評判は芳しくない。

余談

  • N64版とGC版のゲーム内にあったFCソフトがVCの影響で未収録。
    • DS版は容量の関係上収録は困難だったと思われるため仕方ないが、ハードのスペックが上がった今作での復活を期待したファンも多かった。
  • 今作の出来を「不服」としたユーザーが、署名運動を起こしたことがある。
    • しかし、同じく署名運動を起こされてしまった『テイルズ オブ ヴェスペリア』のように商法などに致命的な企業態度の問題があるわけでもなく、ゲームとしては普通に遊べるレベルなので、この署名活動は結局失敗に終わった模様。
  • アメリカABCニュースは、ミズーリ州のインターネット犯罪対策担当の話として「このゲームを所持している成人男性は子供に対する性的犯罪を意図している」との報道をおこなっている。ネット接続が可能なゲームが犯罪に利用される可能性を警告したかったらしいが、ゲーム内容を全く理解していないお粗末な報道となってしまったようだ。

その後の展開

  • 後に3DSで発売された『とびだせ どうぶつの森』では300万本売上、品切れ品薄と言う(但し、ROMが特殊な為、そちらにも基づく)ある意味社会的現象を叩き出した。今作(『街へいこうよ』)の不便な点もいくつか解消されている。
    • 詳細は該当記事を参照。
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最終更新:2020年09月26日 20:55

*1 『e+』でも可能だったが、通販専売のアダプタが必要だった。