ハイパーストリートファイターII

【はいぱーすとりーとふぁいたーつー】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(CPシステム2、NESiCAxLive)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 2004年10月
判定 良作
ポイント 『ストII』シリーズ総決算
異なるバージョン間での対戦がウリ
シリーズファンへのサービスの側面もある
ストリートファイターシリーズ


概要

『ストII』シリーズの総集編として、2004年に登場したバージョン。あくまでベースは『X』である。
個性豊かな16人のキャラクターから1人を選択し、CPU戦では四天王以外の12人のうち8人と四天王の面々(合計12人)を倒す事が目的。
2年ぶりのCPシステムII(『スーパー』以降使われていた)作品であり、またCPシステムII最後の作品でもある。


特徴・システム

  • 初代から『スパIIX』までのキャラクター性能を選択可能。通称で初代『ストII』は「Nキャラ」、『ストII’』は「Dキャラ」、『’TURBO』は「Tキャラ」、『スパII』は「Sキャラ」、『スパIIX』は「Xキャラ」と呼ばれる。
    • 顔グラフィックやボイス、モード決定音*1や技をヒットさせた時*2の効果音に至るまで、全て選択したバージョンのものが適用される。
      • 細かいところだと勝利ポーズも各バージョン準拠。S以降大きく変わったバルログやガイルは勿論、ガッツポーズ時の顔がやたらと粗いNリュウケンなどもきっちり再現される。
      • 技の攻撃力なども選択したバージョンによって異なる。調整傾向を俯瞰すると、基本的にNやDは単発火力が高く、Tは明らかに単発火力が低い、S以降はTよりは高いがNやDには及ばない…という感じ。
      • なお、当時プレイヤーが使用できなかったタイトルは選べない。すなわち初代『ストII』でCPU専用だったシャドルー四天王の「Nキャラ」や、『スパII』で新たに追加された4人の「N・D・Tキャラ」等は選択不可。豪鬼は「Xキャラ」のみ。
    • 試合中の画面上部の顔アイコン及び、画面下に表示されるバージョンごとのアイコンが異なる*3
    • Nガイルの真空投げやNダルシムのヨガキエール、Dダルシムの空中食らいといったバグは修正されている。
      ただしNガイルの「封印」*4は残っている。
    • 『X春麗とX本田で両キャラのスーパーコンボおよび本田の大銀杏投げのボタン受付時間が永続になる』『Xバルログのスカーレットテラーが溜め完了後レバー横でも溜め持続が可能』なバグも修正されているが、この3キャラは無修正版Xを使うことも可能。
    • 「Xで隠しコマンドを入れると使用できるSキャラ」(『スパIIX』の項目参照。今回は通常のSとの差別化のためにXS○○と呼ばれる)も使用可能。画面下のバージョンアイコンも通常のSとは異なり、『スパIIX』のロゴマークから採られている。
    • Tキャラはコマンド入力型必殺技の入力猶予時間が長い。これは『TURBO』でゲームスピードを高速したことに合わせて入力猶予を長くしたのがハイパーでもそのままになっているためとされている。
    • 投げ受け身は双方がXキャラである場合のみ可能。相手がXSの場合受け身をとれなくなった為注意が必要。
    • 当然ながらスーパーコンボはXキャラの専売特許。こちらは相手がどの仕様でも繰り出せる。
  • 性能的にはDとXのキャラが強く*5、D3X5(Dガイル・Dサガット・Dベガ・Xリュウ・X春麗・Xダルシム・Xバイソン・Xバルログ)と呼ばれるDとXの上位キャラがそのまま強豪になっている。
    • Nは通常技の判定こそ強いものの技数が乏しくリバーサルが出ない。Tは攻撃力が低く、SはTより攻撃力はあるものの、スタン力が乏しくスパコンがないので中途半端という理由で割を喰っている。
  • とはいっても、Dサガットに対してはDガイルよりもXガイルの方が有利に戦えたりする様に、意外な組み合わせもある。
  • BGMが早くなるタイミングが「あと1ラウンド取られたら負けになる側がピンチの時」のみとなった。
    • そこからビハインド側が逆転勝利した場合は、BGMが元に戻り最初から演奏される。
  • リュウステージの風林火山の立て札が復活、ベガステージで像を壊しても老人が怒らなくなった等、若干のオブジェクトの修正がある。
    スペインステージの金網もD・Tのバルログが使用できる為、再び意味を成すようになった。
  • 乱入するとステージがランダムに変わり、挑戦者が勝つとステージ1から再開。
  • 筐体設定で対戦数のラウンド数を1ラウンド先取~3ラウンド先取まで変えられる、対戦中は連勝数を表示するなどの現在の格ゲーなら必ず搭載されている要素がストIIでは初めて備わっている。
    • 対戦開始時、どちらが挑戦者でどちらが勝ち残り側かが表示され、勝ち数も出る。
  • 獲得得点表示での「ピロン」という音がなくなった。
    • 試合画面で本作とXを見分ける要素の一つでもある。
  • 「ダッシュ」以降では一人プレイ中画面右上に表示される「INSERT COIN」の代わりに「求む!対戦プレイ!」などの文章が表示できたのだが、そのバリエーションも追加された。
    • 「負ける要素なし」「頑張りましたね」といった現在プロゲーマーとして活躍している梅原大吾氏のネタも搭載されている。
  • 隠しボスの豪鬼は乱入条件が「サガット戦勝利まで1ラウンドも落とさない」に、やられボイスがバイソンと同じものに変更*6
    • ボス版の豪鬼に負けると再挑戦できなくなった。コンティニューすると代わりにベガとの対戦になる。
    • サガット戦後の勝利台詞の画面が暗転開始する時にスタートボタンを押しっぱなしにしておくことで、豪鬼の乱入を任意で拒否できるようになった。
  • 2014年10月9日にNeciCAxLive対応となった。
    • 対応作品中最古というわけではない(『スペースインベーダー』などがある)が、このゲームの人気・息の長さがうかがえる。
  • タイトルBGMやキャラクター選択時の曲は『スーパー』以前のものに戻った。

評価点

  • 異作品間対戦
    • 各作品のキャラクターは見た目だけでなく性能や特性も違ってくるため、同じキャラクターとの対戦でも色々なバリエーションが出てくる。
      • これが、懐かしさを感じさせつつも単なるストIIのコレクションに留まらない魅力であった。
      • 各キャラクターの性能の種類も初代からの8人は5通り、四天王は4通り、スーパーからの追加4人は2通りと、当時のみならず現代として考えても非常に多い。
      • ガイルなどのボイスが変更されたキャラに対して違和感を覚えていた人も、N・D・Tを使用することで懐かしのキャラクターそのものでプレイができる。
      • スピードの仕様はX準拠であるため、『’TURBO』や『ストIIX』のように高速化して『初代』『’』『スーパー』のキャラを使用できる。そのため同バージョンにすれば疑似的にゲームスピードを変えた過去バージョンの対戦として楽しむこともできる。
      • これにより過去作バージョンキャラの研究されることで間接的に過去バージョンの攻略が再度掘り下げられた。当然、原作とゲームスピードや周りのキャラが違えばバランスも変わるため『初代』では最弱であったが本作では一定の評価を持つNザンギエフのようなキャラもいる。

賛否両論点

  • 試合の大味さ
    • 『ストII’』で猛威を振るったベガやサガット、そもそも対人戦バランスという概念が存在してない頃に作られた初代キャラなども当時そのままの性能で使えてしまうため、対戦バランスはかなりハチャメチャ。そのカオスぶりは本作のコンセプトと合わせてまさに「闇鍋」である。
      • そういったキャラの試合は『ストIIX』に比べると各々の強烈に尖った部分を押し付ける大味な展開になることが多い。格ゲーにキャラ差は付き物だが、バージョンごとの性能差が大きすぎるために「流石にこの組み合わせで対戦するのには無理があるだろう」となるカードがいくつも存在する。
    • 投げ受け身はXキャラ同士の対戦でないとできないため、当て投げがループするシリーズ初期のゲーム性に戻った展開になることも。
    • また、各バージョンを再現しているため仕方の無い事ではあるが、性能面で考えた場合一切使う意味のないバージョンのキャラクター(他バージョンの完全下位互換)も存在する。
      特に、XSキャラに対してSキャラはバージョンごと下位互換と化している*7。Xキャラも、バグの修正・無修正が変わるキャラならば、理論上バグがなくなると弱くなってしまう修正版をわざわざ使う意味がない*8
      • 一方でヘタに調整するよりもあくまで当時の再現に拘ったことを評価するプレイヤーもいる。
  • ラウンド数設定
    • シリーズで初めてラウンド数設定ができるようになったが、現在(NeciCAxLive配信台含め)全国ほとんどの筐体が3ラウンド先取設定になっている。
      • 『ストII』シリーズではこれまで2ラウンド設定を通してきたこともあり、「3ラウンドだと冗長すぎる」「疲れる」「『ストII』なら2ラウンドでないと」「『ストIIX』は2ラウンドなのに残念*9」という声も多い。
      • その一方で、「1クレジットで長くプレイさせるための苦肉の策ではないか?」などという擁護的意見も一部では見られる。
      • 特に豪鬼と戦うのがかなり困難になってしまった。2ラウンド先取より11ラウンドも多く、無敗で切り抜けなければならない。
      • ZEROシリーズ以降と違い*10、実際のプレイを見るまでラウンド数設定を確認する術が全くないのも問題*11。店員に聞くのが早いと思われるが、店員が理解していないこともあるかも知れない。

問題点

  • 同速でのゲームスピードが『スパIIX』と違う
    • 細かい点ではあるが、X,XSのキャラクター同士で遊んだとしても微妙にプレイ感覚が異なってしまう。後述のXSの投げ受け身の仕様と合わせ、キャラを絞っても『スパIIX』の代替にならずに『スパIIX』は『スパIIX』として遊ばれ続ける一因だろう。
    • 『スパIIX』では処理の関係で、ステージによって微妙にゲームスピードが異なる現象があったが本作においては統一されている。
    • 『スパIIX』で最も速いステージと比べても、本作の方がゲームスピードが速い。『スパIIX』の3速設定に遊び慣れたプレイヤーは(本作の)「3速だと速すぎて2速だと遅い」と言われる。
  • Nキャラ同士では同キャラ対戦不可
    • たしかにアーケード版初代『ストII』の仕様そのままであり再現性にこだわったのかもしれないが、ユーザビリティを犠牲にしてまでこの不便な仕様をわざわざ再現すべきだったかと言われるとノーだろう。
      • Nキャラは初代『ストII』では1色だったキャラカラーが2色に増えているため、なおさら同キャラ対戦ができないのは腑に落ちない。
      • 大会などでも使用キャラクターが被った際、進行に支障をきたす点が指摘されている。そのため、メインキャラクターにNキャラを置くのはおすすめできない。
        後の2022年『カプコンファイティングコレクション』に収録されたバージョンでは、Nキャラ同士の対戦が可能となった。
  • バージョン間のバランス
    • 純粋に勝ちを求めるのであれば、DかXに行き着いてしまうキャラがほとんど。せっかくのバージョンが豊富なのに、D対XもしくはD・X同士が多くなる傾向がある。
    • キャラの性能というより各原作そのものの火力バランスやシステムの差がそのままDやXの性能での優位に出ているとも言える。以下バージョン毎の傾向をあげると…
      • 「N」:とにかく火力が高い。通常技のやられ判定があり得ないぐらい小さいことや、コンボ時の気絶値補正がないことから良くも悪くも「未完成」という印象を受ける。どのキャラも特定の技に尖った強みを持つが、全キャラ共通でリバサ不可などのシステム面での弱さが響くためDの方が安定するキャラが多い。
      • 「D」:Nと同様の火力の高さで、リバサ追加などで最低限システム面の不利を解消している。Nよりも技のやられ判定が拡大する等、マイルドになる弱体化は見られるが、このバージョン内での上位キャラ以外でも火力により積極的に使われるキャラが多い辺り、バージョンごと「強い」と言える。
      • 「T」:コマンド受付が長いため使いやすいが、火力が低いのがとにかく厳しい。Tでの追加必殺技はS以降の同技より独特で高性能な傾向がありそれを活かして何とか戦う戦法となる。ガイルと四天王*12は追加技が存在しないためDの完全下位互換となってるキャラも。ただしSやXでは技の気絶値が全体的に減少するため、相手を気絶させるパワーはDと同様であるという部分は魅力的であり、追加必殺技の有用性が比較的大きいケンやザンギエフは全体で見ても強いという意見は見られる。
      • 「S」「XS」:標準的な攻撃力で、一部は更に新技追加などで対応力もあるが、より技の多いXや火力の高いDに比べると特徴がないという評価をされがち。ただし次バージョンのXになって主力技の弱体化が著しいホーク、ケン、サガットといったキャラは追加技やスーパーコンボの有無を考慮してもSの方が評価が高いといったこともある。なお、前述の通り厳密には上位互換のXSが使われる。
      • 「X」:最終バージョンというだけあって、追加技とスーパーコンボで対応力が最も高い。原作『スパIIX』の上位キャラで、特にスーパーコンボが強力なキャラが覇権を握る傾向がある。また前述の通り、特定のキャラは無修正版を使用することでバグを戦闘に組み込めるといった点で更にフィジカルは高くなる。原作で使い慣れているということもあり、それ以外のキャラも人気。
    • 他キャラクターと比べて突出した性能の豪鬼が何の制限もなく使えるのもそのまま。一応、XキャラなのでN・D辺りのキャラを使えば単発火力の高さで『スパIIX』よりは倒しやすくはなっているが。
  • 「XS」VS「X」にてXキャラ側の投げ受け身が取れない
    • 前述の通りXSキャラは「『スパIIX』で使用可能な強化されたSキャラ」というものだが、本作では『スパIIX』で可能だったXキャラ側の投げ受け身が不可能になっている。
    • これによりXSキャラの中でも『スパIIX』時代も猛威を振るったケン、サガット相手に不利を背負うXキャラは投げハメを筆頭に更に苦戦を強いられることとなった。
      • 前述の通りXSキャラがSキャラの完全上位互換という面から、この部分に関しては原作再現でもよかったのではないかという声は少なからず存在している*13
      • ただ、元々『スパIIX』ではXSキャラ側はXキャラ側の投げ受け身を取れないの投げ受け身を一方的に取られる不公平な仕様ではあったため、XSキャラ使いからは逆に公平性が増したという意見もある。
  • CPU戦
    • あくまで『スパIIX』がベースであるためか、CPUにはXキャラしか登場しない。ランダムでN以外の過去のシリーズの相手が出てきても良かったという意見は多い。
    • CPUの攻撃判定とレベルが過去作に比べ大幅に引き上げられており、1人目から容赦なく殺しにかかってくるため、初心者が対戦相手が見つからない店舗などで一人で遊ぶのは辛い。
    • 絶え間なく波動拳を連射し、ジャンプした瞬間昇龍拳で落とす上、攻めに回られるとジャンプ強キック+しゃがみ強キックの連続で一方的に体力を削ってくるリュウ。
    • 竜巻旋風脚でめくった直後に昇龍拳を叩き込んでくる他、こちらからは何を出しても問答無用で強昇龍拳で潰してくる上に、一度飛び込まれると体力の約7割を奪う即死コンボを決めてくるケン。
    • 無敵対空技を鷹爪脚で踏んでくる春麗。
    • レバーやボタンの入力時間を無視して必殺技を出してくる事など日常茶飯事で、特に中距離の敵をしゃがみ強キックで追い払い、近づけば強力な投げ技を決めてくるため、画面端に追い込まれるとあっさり詰むザンギエフ。
    • ソニックブームを連射し、飛び込んだ瞬間即サマーで落とすという全く隙のない待ち戦法に徹するガイル。
    • エアスラッシャー+しゃがみ強キックで簡単に鳥籠が成り立つばかりか、マシンガンアッパーだけで体力の半分を奪う火力を備える上、とにかく隙が小さいディージェイ。
    • サイコクラッシャーやスーパー頭突きにイズナドロップを決めるバルログ。
    • ホークは初心者キラーの筆頭。喰らい投げ、立ちタイフーンなど当たり前で、ジャンプレバー入力を認識しての先読みトマホークや、梅原大吾氏が言ったとされた(実際には言っていない*14)「小足見てから昇龍余裕でした」を平気でかましてくる。
    • 絞め技の判定も全体的に強く、特に速度3でE.本田やザンギエフ、ブランカなどは一度掴まれると体力の3分の1以上が無くなることもざら。
    • プレイヤーには見えない筐体設定において難易度を1~8まで選択できるが、たとえ難易度が1であろうと全く容赦ない。
    • ただDガイルなど、CPU戦でも安定して戦えるキャラクターもいる。
  • ボーナスステージの不採用
    • 上記のCPU戦同様あくまで『スパIIX』がベースであるためか、ボーナスステージは復活していない。車壊しや樽壊し、ドラム缶壊しの復活を望んだファンも少なからずいたようである。
  • バグや調整ミスと見られる挙動、及び弱体化調整
    • 先述の通り「各キャラの各バージョンの性能をそのまま使える」のがウリのはずの本作だが、微妙に異なっている点があり、仕様なのかバグなのか悩ましいところがある。
    • 有名なところでは、S,XS,Xのサガットは生命線となる技の「グランドタイガーショット」の硬直が大きくなってしまっているため、本来の性能を引き出せていない。
      • 特に「元々隙が大きかったのに、さらに隙を大きくされてしまったXサガット」は不遇。サガットはS,XSの原作でも強キャラであったのだが、Dに流れてしまう結果となった。
      • これは再現ミスだったのか、後のPS2カプコレ版及びNESiCA版で修正された。
    • Dベガのサイコクラッシャーアタックも同様に、ダッシュ時代に比べて明らかに投げ返されやすい*15。しかし、これ以外はほとんど調整されておらず、結果として弱体化はわずかで済んでいたため、相変わらず全バージョンで見ても最強クラス。大会でも使用プレイヤーが多くみられる。
      • こちらは後期版でも修正は一切されていないため、不具合ではなく意図的に性能を落としていた可能性が高い。
    • 『スパIIX』でケン、サガット、ダルシムのスパコンがリバーサルで出ないバグは「バグありのX準拠性能」を選択しても出るように修正されている。不利なバグではあるものの、『スパIIX』の完全再現にはなっていない。
    • Nリュウ・Nケンの「弱脚払い連打」、Nガイルの「立ち弱P連打」も、威力とのけぞり性能が調整されている*16。これらはおそらく意図的な調整だと思われる。
    • Nダルシムが防御力が高いという初代『ストII』になかった長所がある。
    • S,XS,Xのリュウの波動拳、灼熱波動拳といった弱~強で硬直が異なる飛び道具の硬直の仕様が違う。
    • 他にも細かいところでは「Nザンギエフの地獄小脚払い*17ができない」「Nブランカの頭突きの認識範囲が狭い*18」などが挙げられる。それ以外の点もあるが、興味がある方は各自調査して頂きたい。
  • 原作から修正されていないバグ
    • D,Tサガットのリバーサル必殺技がガード不能になるバグは修正されていない。
    • S以降のダルシムのヨガテレポートをリバーサルで出した場合、最後に出した性能に固定されてしまうというバグは修正されていない。しかしラウンド開始時の固定テレポートは相手の真正面にワープする物であるため、実質的には画面端からのリバーサルテレポートでの脱出がなくなっている。これを理由に変幻自在な場所にヨガテレポートが可能なTダルシムは実質ストリートファイター至上最強のヨガテレポートを有していることとなる。
    • Nガイルがダメージを受けるとそれまでの溜めが消えてしまう「封印」バグは修正されていない。意図的に再現されたと見られるが、使用する上で不自由さが強い。
    • Nリュウがスタンした際、キャラモーションが前かがみの時に受けるコンボダメージが2倍になるバグ「通称:病気」は修正されず。

総評

『ストII』の集大成。長きに渡り愛されたシリーズは、別バージョン同士のドリームマッチという形で一つの完結を迎える事ができた。

これまで弱く使い辛かったキャラクターも、バージョン選択により活躍の場が見出せる。それを前に再びキャラクターの研究や再考が進む。
格闘ゲームブームを築いた名作は、これからもその輝きが失われる事はないだろう。


家庭用

プレイステーション2版

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション2
販売・開発元 カプコン
発売日 2003年12月18日
定価 3,800円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
廉価版 カプコレ
2007年1月25日/2,079円
判定 良作

概要

PS2に移植…では無く厳密にはAC稼働より前に発売されている。つまりAC版は逆移植に当たる。
その為、PS2版の初期版では後のAC版で修正された各キャラクター性能のミス、バグが存在する。
AC版より後発のカプコレ版ではAC版のバグを含めてほとんどが修正済みなので、今から買うならカプコレ版の方が良い。
アーケードで配信されたNESiCA版や、『カプコンファイティングコレクション』収録版もカプコレ版に準拠している。

特徴・システム

  • AC版にない要素としてはBGM音源をCPSI(初代『ストII』~『TURBO』)・CPSII(『スパII』以降)・ARRANGE(3DO版『ストIIX』で使われていたアレンジ音源。その他の家庭用作品でも使われている)から選択することができる他、アーケードでは店舗側しかできないゲームスピードの固定・可変(もちろん4速も可能)の調節やラウンド数の変更も可能。
    • ちなみにCPSIでも『スーパー』以降に追加された5人のステージBGMにも対応しており、前世代の音源で逆アレンジという大変珍しい現象が起こっている。
    • オプションで各音源・各曲のサウンドテストや、各作品のタイトルデモの視聴が可能。本作で唯一使われていない『ストIIX』のキャラクター選択BGMも聴ける。
  • 『’TURBO』ごとの速さがアーケード版と異なる。デフォルトの2速がアーケード版の3速に相当。
  • D~Tキャラの試合中の顔アイコンがNキャラのもの(服の色が違う春麗で顕著)など若干の違いもみられる。
  • 近年の家庭用作品で多く使われている「PPP」「KKK」(弱中強同時押し)の割り振りができるため、豪鬼も簡単に出すことができる。
    • 惜しむらくはメモリーカード非対応であるため、起動する度に上記オプションの設定を行わなければならない。
      初期のボタン配置がSFC版などと違うのが玉にキズ。
  • CPUがXキャラしか出ないのはアーケード版と同じ。
    • トレーニングモードがあるが、相手のタイプを「CPU操作」にすると強制的にXキャラを選択させられる。
  • おまけとして劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』が丸ごと収録されており、視聴することができる。
    • ただし、春麗のシャワーシーン*19と言ったレーティングに引っかかる箇所が一部カット・修正されている。

その他移植版(参考記述)

  • Xb版は2004年10月28日に『ストリートファイターアニバーサリーコレクション』のタイトルで、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』とのカップリングでリリース。
    • 両作とも通信対戦に対応していた。『ハパII』に関してはPS2版(カプコレ)とほぼ変わらないが、オマケのアニメ映画は日本版にはなく海外版では存在する*20
    • 北米及び韓国ではPS2版もオンライン機能を省いてこのカップリング仕様*21で発売されている。『ハイパーストリートファイターII』もメモリーカードのセーブに対応していて設定を保存可能となっている。
  • Switch/PS4/One/Win(Steam)で2022年6月24日発売のオムニバスソフト『カプコン ファイティング コレクション』にも収録。
    • こちらはオンライン対戦対応や、トレーニングモードなど各種機能が充実している他、AC版の一部の不具合が修正され、Nキャラ同士の同キャラ対戦が可能になっている。
  • Switch/PS4/One/Win(Steam)で2022年7月22日発売のオムニバスソフト『カプコンアーケード 2ndスタジアム』にも収録。
    • 上記と違い、AC版に忠実な移植となっている。プレイ巻き戻し機能が使用可能。
    • ※注意※ よって『カプコンアーケード 2ndスタジアム』に収録されているハイパーストリートファイターIIは最新基板ではないため、問題点にて前述してあるサガットのグランドタイガー硬直増大バグ、Nガイルのサマー大中小均一バグ、Nブランカのロッククラッシュ認識間合いが異なるバグは修正されていないバージョンなため注意が必要。現状完全修正版を遊ぶには 1.NECICA筐体 2.PS2のカプコレ版 3.カプコンファイティングコレクション のいずれかでプレイするのが最善。
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最終更新:2024年02月24日 07:16

*1 カーソル選択音はX仕様のまま。

*2 ブランカの噛み付きやサイコクラッシャーアタック等一部を除く。

*3 それぞれのロゴマークから一部を使用。Xキャラの場合はスーパーコンボゲージ。

*4 ガイルが技を出しているときに攻撃を受けると必殺技が封印されてしまうバグ。何らかの技を出し切る(地上技を空振りするなど)と解除される。

*5 最後期で単純にゲームとして洗練されている上スパコンもあるX勢が最も人気。続いてちらほらと、一部強キャラの弱体化前かつ火力の高いD勢が上位に来ている。

*6 『ストIIX』ではリュウとダルシムのものだった。

*7 基本性能はほぼ同じだが、XSはSに比べ喰らい硬直が1フレーム短くなり、さらに一部キャラはキャンセル可能な通常技が増える。S側のメリットは無し。

*8 コマンド成立後の入力猶予が無限になるバグが基本となる。春麗の千烈脚、本田の鬼無双&大銀杏投げ、バルログの立ちクリムゾンテラー等が有名所。これらを利用することによって通常では不可能なはずの凶悪な連携が可能になる。

*9 上述の通り、『ストIIX』まではラウンド数設定という概念がなかった為、一律2ラウンド設定。また一部では『ハパII』よりも『ストIIX』の方が人気があることも踏まえる。

*10 『ZERO』以降は、獲得ラウンド数が「-」や「○」といった空白で表されており、その数で判断できる。

*11 ゲームスピードを確認できないのも『ストIIX』と同じ。

*12 Tでしゃがみ攻撃の攻撃判定にバリエーションができ、ターンパンチのレベル1&2の出だしに完全無敵が付いたバイソン、細かい所でいうとサガットのタイガーアッパーカットの足元に攻撃判定が付いたこと、バルログのイズナドロップの効果範囲がDよりも若干左右に広がった等独自のメリットが付与された部分はある。

*13 XSキャラがXキャラ相手に投げ受け身を取られるというシステムにした場合、XSキャラの完全下位互換となっているSキャラを使用する意味ができるため

*14 梅原氏自身も「無理」と発言している。

*15 「隙が増えた」と言われることがあるが実際はターボ以降のように硬直時間を空中判定ではなく地上判定に修正された。硬直時間自体はダッシュとターボで変更はない。

*16 初代『ストII』では根元からこれらの連打を当てると、威力が高い上に「気絶から気絶」へ持っていくことができ、一気に勝負を決めることができた。

*17 しゃがみ弱キックを出し、その後パンチボタンを連打することにより、何故か普通は連射できないしゃがみ弱キックを猛連射することができるテクニックのこと。

*18 これに関しては後期版で修正されている。

*19 『ストII MOVIE』において今も語り継がれる名シーン。シャワーを浴びる春麗の全裸がじっくりと見られる。しかも乳首と尻がしっかりと描写されている為、当時の小中学生にはこのシーンで性に目覚めた者も多かった。

*20 レーティングに引っかかる箇所はPS2版と同じでオマケのアニメ映画を見るには海外版の初代Xb本体が必要。

*21 韓国版では映画がカットされている代わりに言語の日英の切り替えが可能。