魂斗羅ReBirth

【こんとらりばーす】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 Wii (Wiiウェア)
発売元 コナミ
開発元 M2
発売日 2009年5月12日
定価 1,000Wiiポイント
判定 良作
魂斗羅シリーズ関連作品リンク
KONAMI ReBirthシリーズ
GRADIUS ReBirth / 魂斗羅ReBirth / ドラキュラ伝説 ReBirth


概要

コナミがWiiウェアで展開した『ReBirthシリーズ』の1つ。
魂斗羅スピリッツ』を踏襲したシステムが特徴だが、トップビューステージの存在しない純粋な2D横スクロールアクションとなっている。
なお、英語での「魂斗羅」の綴りは「Contra」でお馴染みだが、今作の日本語版のみなぜか「KONTORA」となっている。


特徴

  • 前述の通りシステムは『スピリッツ』を踏襲しており、同時に二つの武器を装備して適宜切り替えたり、固定射撃が可能。
    • ただし、ボムや乱れ撃ちは存在しない。
    • Wiiリモコン横持ちでプレイ出来、この場合、武器チェンジはリモコンを振ることで行える。固定射撃は攻撃ボタン押しっぱなしで使用し、撃ちながらの移動には連射が必要となる。
      • クラシックコントローラーやGCコンを使用すれば『スピリッツ』同様の操作が可能。また、オプションでボタン配置を変更出来る。
    • プレイヤーはビルとヤギュー*1から選択可能で、二人協力プレイも出来る。
      • 難易度EASYとNORMALをクリアするとキャラクターが追加される。
  • 武器は以下の4種類。強化などの要素はない。
    • マシンガン - 初期装備。アイテムとしては登場せず、武器を失った時にしか使えない。
    • スプレッドガン - おなじみ5方向に攻撃できるショット。接近時の高威力は健在。
    • ホーミングガン - 敵を追尾するミサイルを発射する。雑魚掃討に向いている。
    • レーザーガン - 貫通レーザーを発射するが、他に比べて連射速度が遅い。
  • 全5ステージ構成で、1ステージはいくつかのエリアからなる。
    • 従来通りの一撃死制で、コンティニューは無制限。残機が残っていればその場復活だが、コンティニュー時はエリアの最初からとなる。
  • 難易度を3段階+αから選択可能。
    • 難易度ごとに敵の攻撃パターンや速度が変化する他、EASYでは残機を失っても武器はそのままだが、NORMAL以上では装備中の武器を失って初期のマシンガンになる。なお、コンティニュー時は難易度に関わらず初期化される。
    • 更にHARDをクリアすると隠し難易度のNIGHTMAREが追加。こちらでは敵を撃破する度に打ち返し弾が発生する様になる。

評価点

  • すさまじい物量による爽快感と硬派な難易度
    • 後半に行くにつれて凄まじい物量が襲ってくるため、それを薙ぎ倒していくド派手で爽快感満点なゲーム展開が魅力のひとつ。
    • 特にステージ5ラストは硬い虫型のエイリアンが大挙して押し寄せてくる。難易度と相まってクリアできるのかと不安になるほどの猛攻のため、クリア出来た時の達成感は非常に高い。
      • 他にもステージ3のラクダメカの大群、ステージ4の高速で落下する縦穴など印象的な場面も多く用意されている。
      • これだけド派手なエフェクトで物量がありながら処理落ちは皆無。ステージ数はやや少ないが、価格に見合ったボリュームと言える。
    • 魂斗羅シリーズらしく非常に硬派な難易度も特徴的。
      • 基本はラン・アンド・ガンで安全を確保しながら進めていく事になるが、前述の物量や強力なボスの存在により、難易度EASYでも何度もゲームオーバーを経験する事になるだろう。
      • しかし、EASYでは敵の配置数が少し減ったり、攻撃パターンも覚えやすいため、比較的クリアしやすくなっている。そこそこアクションが得意なら即日クリアも不可能ではない。
      • ゲームの難易度自体も初心者向けのEASYから超上級者向けのNIGHTMAREまで存在する事から間口自体も非常に広いと言えるだろう
    • クリアタイムによるボーナスもあり、無限湧きの敵を倒し続けてもスコアが入らないなどスコアアタックを重視した要素もあって、やりこみも熱い。
  • 小ネタが豊富
    • 過去作をリスペクトした演出の存在。
      特に『スピリッツ』を意識した演出が多く、見覚えのある場面が多数登場する。
      • 初代からおなじみの赤いコアを持つ要塞、ハシゴを登りながら戦う中ボス、ミサイルに乗って進む場面など、シリーズファンならニヤリとする場面が多く用意されている。
    • 過去作ネタの多さに加えて、魂斗羅シリーズのスタッフが制作した『サンセットライダーズ』の「死にたくなければ走れ!!」やアイレムの『海底大戦争』の3面等他社のゲームを彷彿とさせるシーンも多く元ネタ探しも楽しい。
  • アレンジされたBGM
    • 他のReBirthシリーズ同様、BGMは歴代シリーズから選び抜かれた楽曲を並木学氏がアレンジ。
    • タイトル画面やステージクリア、ゲームオーバーは初代のアレンジで統一されているが、それ以外は『スピリッツ』や『ハードコア』などから採用されている。中にはGB版日本未発売タイトルからという珍しい選曲も。
    • いずれの楽曲も原曲の良さを損ねない良質なアレンジで、気分を盛り上げてくれる。

賛否両論点

  • 世界観、ストーリー
    • これまでのシリーズのような硬派な世界観ではなく、なぜかコナミネタまみれのバカゲー的世界観となっている。
      • 今作の敵となる軍勢の名前が「NEO沙羅曼蛇」。彼らが占拠したユカタン半島の遺跡の名前が「SHIZUOKA
      • 主人公ビルの言動がアホの子。台詞の大半がひらがなで自分の名前についても「きみがそういうならそうなんだろう」と主体性のない台詞で流す。
      • 同様に今回の戦いの依頼者である銀河大統領の言動も「ふんだ」「ざまあみろ」など子供っぽくてアホに見える。
      • なぜか一枚絵付きで民間人の女性に扮して活動するランス・ビーン。シリーズお馴染みの相棒キャラはプレイヤーキャラとしては使えない。ラスボス撃破後に女装したままヘリで月面まで迎えに来てくれる(窓を開けて姿を見せている)と最後に見せ場はあるものの、もはや突っ込みどころしか無い……。
      • 某お嬢様っぽいデザインの少女型ロボットが登場する萌え要素も。「彼女もまさしく魂斗羅であった」と言われ、隠しキャラとしても使用可能。
      • ゼノモーフがトカゲ型に、フェイスハガーがタコ型エイリアンとなり、初代・スーパーに含まれていた映画「エイリアン」関連の版権的に危ない要素は減った...と思いきや、露骨にそのまんまな形状のパワーローダーが登場したり、とあるキャラクターが唐突に「ニュート」を名乗ったり*2とよく見ると映画パロディは相変わらず多い。
      • 3面ボスは大型ミサイルが変形した機動メカなのだが、縦になって上下に運動しながらミサイルを乱射する。第2形態になると弾頭部分が分離してカメ(クモ?)型メカになるという別の意味で危ないデザイン。
    • ただし、『ネオコントラ』の設定を受け継いでいる節も見受けられ、ラストは含みを持たせた意味深な終わり方をする。
      • これを踏まえると上記のビルの言動や真魂斗羅』で死んだ筈のランスの存在なども「意味ありげなもの」と言える。
    • なお、OPやステージ間のデモシーンはスキップ可能なので、気に入らなければ飛ばせばOK。
  • NORMAL以上の難易度の高さ
    • NORMAL以上では敵の速度が高速化したり、ボスの攻撃パターンの変化や死亡時に武器がなくなるペナルティのために非常に難易度が高くなる。
      • 『スピリッツ』に存在したバリアやボムがないのも難易度を上げる要因と言える。
    • 無限コンティニューを使ってパターンを構築していくのが好きな人なら歯応えのあるゲームが楽しめるが、そうでなければ辛い部分も多い。

問題点

  • 武器種の減少
    • 魂斗羅シリーズは多彩な武器を切り替えながら進めるのも特徴だが、前述のように4種類しか武器が存在せず、据置機ながら携帯機のGB版と並んでシリーズ最低。
    • 使い勝手の関係で実質スプレッドとホーミングのみで進めることになりやすい。レーザーは一部のボスを速攻する際などに役立つが、出番はあまりない。
      • 3面中ボスや4面前半などホーミングが必須の場面も存在する。これらの場面ではホーミングが支給されるようになっているので、これで攻略しろと言わんばかり。
      • このため、どんなプレイヤーでも似たような攻略パターンになりやすい。
  • やや見づらいグラフィック
    • 敵や弾が背景に埋もれて見えにくくなる場面が序盤から存在するため、気付いたらやられていたという事になりやすい。
    • また、決してグラフィックの質が低いというわけではないが、オマージュ元である『スピリッツ』に比べると書き込みが足りないと言われやすい。

総評

『ReBirthシリーズ』らしく旧来の魂斗羅の要素をこれでもかと詰め込んだ良作アクション。
ストーリーパートで評価を下げてしまったものの、高難易度ながら整ったバランスで腕前の上達を実感できる昔ながらのゲームとなっている。
この手のゲームが好きなプレイヤーなら十分満足できるだろう。


余談

  • 日本語版では敵首領の想像図として謎のポーズを取った某チョビヒゲ似の男が登場するが、流石に英語版では修正された。
    • しかし某キューバの革命家に似た顔と構図の銀河大統領のほうは特に修正もされずそのままとなっている。

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最終更新:2022年04月30日 05:29

*1 『ネオコントラ』の柳生とは別人。

*2 しかもその後即座に別の名前で呼ぶことを要求してくる。こちらも同様に映画「ニューヨーク1997」のパロディネタであり、キャラ名も同じ