SIMPLE2000シリーズ Vol.26 THE ピンボール×3
【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむにじゅうろく ざ ぴんぼーる かけるさん】
ジャンル
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ピンボール
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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ヒューネックス
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発売日
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2003年4月24日
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定価
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2,000円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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39KB以上の空きが必要
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判定
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なし
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ポイント
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セミリアル路線ピンボール3台収録 あまりにも微妙すぎる出来
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SIMPLE2000シリーズ
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概要
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SIMPLEシリーズ全般におけるピンボールゲーム2作品の内の後発作品。プラットフォームがプレイステーション2に移行している。
主な収録台
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Attack The Dragon
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RPGなどのお約束「騎士の気分でドラゴンと戦う」という設定の、中世ファンタジーがモチーフの台。
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Operation Thunder Storm
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廃墟と化した街での戦争を舞台とした設定の、ミリタリーがモチーフの台。
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Love Songs -アイドルとピンボ~ル-
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本作の前にてPS2にリリースされた恋愛ゲーム『Love Songs アイドルがクラスメ~ト』がモチーフの台。
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発売元、開発元が全く同じという事情があり、ファンゲームと原作ソフトの販売促進の為に収録された説が濃厚。
主なルール
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『3D』同様、ピンボールとしてはありがちな操作系統、及びルールである。
本作もまた、コントローラーの操作変更はできない。
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こちらも各台はすべて一画面に表示される構造となっているが、従来のピンボールゲームよりは画面比率が広くなっているのが特徴。
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○ボタンでボール発射、L1/R1ボタンで左右フリッパーとなっている。
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方向キーの左(L2ボタン)/右(R2ボタン)/上/下のどちらかを入れる事により。その方向の台揺らしができる。
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今作の新操作として、左スティックにて台の視線変更ができる(アナログコントローラーのみ)。
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ボール発射後に即ロスしてしまうと、救済処置として「フリーズ」が発生し、ロスカウントなしでボールが自動発射される。
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あまりにも連続で台揺らしをしすぎると、プレイ中のボールが操作不能の強制ロスになるペナルティ「ティルト」が発生してしまう。
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ゲーム終了後に高スコアを記録すれば、ネームエントリーが可能でスコアランキングに登録される。
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主なゲームルールは2種類ある。
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ボールをすべてロスするまでのスコアを競う「ノーマル」と、制限時間以内にどれだけのスコアを競えるかの「スコアアタック」が用意されている。
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オプション項目で以下の設定などができる。
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各台の難易度を「Easy」「Normal」「Hard」から選択できる。
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難易度を上げる程にボールスピードが増す。また、「Easy」に関しては持ちボール5からのスタートとなる(他の難易度は持ちボール3)。
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「チュートリアル」を選ぶと各台の情報の詳細が聞ける。
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他にも、「スタッフクレジット表示」「セーブ/ロード」といった項目がある。
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本作にもセーブ機能に対応しており、スコアランキングなどの保存ができる。
問題点
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全体的に台のクオリティが微妙すぎる。
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グラフィック周りがとてもPS2のゲームとは思えぬ程にショボく、他のPS2のピンボールゲームと比べても目を覆いたくなるレベル。
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各台はすべてポリゴンによる描写がされているのだが、大して立体感が表現されている訳ではなく、ポリゴンである意味合いが皆無なやっつけぶりである。
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強いて意味合いがあるとすれば台の視線変更ができる事が挙げられるが、視線変更範囲が少ない上に特に攻略の役に立つ訳でもなく「だから何なんだ」程度のものでしかない。
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画面比率が広さで壮大さを描いたつもりだろうが、グラフィック周りがこぢんまり、かつ殺風景すぎて、本当ただっ広いだけで迫力がなくピンボールとしてのデザインセンスが悪い。
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しかもこの広さの代償として、「ボールの動きがもっさり気味に感じる」のと、「ボールの位置がどこにあるのかが把握し辛い」という問題点が増強されている有様。
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「Operation Thunder Storm」は全台中一番フィールドが広い分、ボールの位置把握の困難さが最も深刻である。
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「-アイドルとピンボ~ル-」は時間経過で台の色が変化する演出があるのだが、非常に変色の度合いが激しく、目が疲れるという問題がある。
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ギミックの仕掛けもSIMPLEシリーズという事情を考慮しても少なく、地味すぎて爽快感に欠け、他のピンボールゲーム以上に作業感倍増というオチも付く。
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はっきりいって『3D』の方がスピーディな分、こちらよりはだれにくい状態でプレイさせてくれる。
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ましてや、他のPS2ピンボールゲームと比べてもお話にならない酷さに達しているのが悲惨だ…。
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収録台のモチーフの趣旨が偏っている。
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「中世もの」「戦争もの」といった硬派な雰囲気の台と一緒に、ギャルゲーが元である「恋愛もの(-アイドルとピンボ~ル-)」が混ざっている様がなにやら異様である。
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台プレイ中にナレーションボイスが入る演出が少々うざい。
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これに関しては個々の感じ方もあるので一概には断定できないが、何かある事に喋るのは煩わしいところ。
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しかも、ゲームが盛り上がるような凝った言い回しではなく、原則棒読みなので尚更うざく感じる。
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「-アイドルとピンボ~ル-」は特にボイスが多い(本編のヒロインが喋る為)が、原作ファンも知らない人もこの程度のボイスで喜ぶものかといわれると激しく微妙である。
しかも、このヒロインボイスですら棒読みどころしかない有様。というか、原作ヒロインの多くはアイドルなのに棒読みとはどうなのか…。
評価点
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ボールが割と自然に動くようになった。
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これに関しては『3D』よりは改善されているといえる。とはいえ、問題点の方が多いのが実情だが…。
総評
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PSの『SIMPLE1500シリーズ Vol.11 THE ピンボール -3D-』からプラットフォームは格上げし、台の種類も増したが、台の作りが微妙すぎるという問題を抱える作品となってしまった。
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『3D』もピンボールとしての物足りなさはあるが、こっちはそれに加えて純粋に面白みが感じられないという新たな問題を持っている。
それが原因かは定かではないが、ヒューネックスには本作をもってピンボールゲームの開発には今現在関わっていない。
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とはいえ、流石にピンボールとしての体裁は保っており「壊滅的な酷さ」でもないので、遊べはできる内容ではある、2,000円分の価値があるかどうかは大きな疑問だが…。
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こちらも『3D』同様に捨て値で売られている事が多い。しかし、相当なSIMPLEシリーズファンやピンボーラーでもない限りはあまりお勧めできる代物ではないだろう。
余談
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「-アイドルとピンボ~ル-」はやけに優遇されている。ジャケットや説明書の表紙はこの台が一番大きく表示され、説明書内でもこの台だけが2ページ分の紹介がされている(他の2台は1ページの紹介のみ)。
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元が自社発売/開発のゲームなので目立たせたい気持ちは分からなくもないが…。
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しかし、そのメインであろう「-アイドルとピンボ~ル-」が特別面白いのかといわれるとそんな事はなく、ピンボールそのものがアレなだけにやっぱり微妙としかいい様がない。
最終更新:2022年10月19日 01:27