うちの3姉妹DS2 ~3姉妹のお出かけ大作戦~

【うちのさんしまい でぃーえすつー さんしまいのおでかけだいさくせん】

ジャンル パーティーゲームコレクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード
発売元 カルチャーブレーン
開発元 ゆめのすけプロジェクト
発売日 2009年11月12日
定価 5,040円(税5%込)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント まさかの続編
なんだかんだで改善している
うちの3姉妹
1 / 2 / カラオケ歌合戦


概要

竹書房の雑誌『すくすくクラブ』にて連載されている『うちの3姉妹』は、デフォルメされたキャラクターで描き出す、両親と3女の5人家族の日常を描いた漫画作品である。

特徴

  • パーティゲームに寄った作風
    • 前作はミニゲーム集と写真撮影機能の2本立てだったが、本作はそれに加えて「ぼーどげーむ」を主軸としたパーティゲームを意識している。
    • ミニゲームは全体的に簡単なものであり、年齢が低い層のプレイを期待して作られた模様。
  • ファンアイテム要素は続投
  • 本編の日常を垣間見られる「おっぺけ劇場」、3姉妹を着せ替え様々な背景を使って作る「しゃしんさつえい」も、若干バージョンアップされた。
  • なお前作の問題点ともいえた、ニューゲームできないという特徴は解消されている。

ぼーどげーむ

  • ゲーム全体における立ち位置
    • 本作の新企画のひとつであり、ゲームを進めるためには、これをプレイする必要がある。
    • ぼーどげーむに登場したミニゲームはいつでも遊べるようになる。ニューゲーム時はミニゲームのコーナーを選択してもほとんど何も遊べないが、ぼーどげーむに登場したものから順次開放されていく仕組み。
    • またこのゲームで集めた、おでかけ(後述のおでかけチケットが必要)、特定のミニゲーム、写真撮影を盛り上げる素材を購入できる。
  • ルール
    • 最大4人までプレイ可能。ひとりでプレイしたときは残りがCPになる。それぞれが長女フー、次女スー、三女チー、そして母親にキャラ割振りされる。
    • 1~6までの目を持つさいころを振り、全員がゴールにたどり着くまで行われる。1つの盤のスタートからゴールまではおおむね50コマ。
    • ゲーム終了時(後述のフー賞、スー賞、チー賞も参照。)の「ポイント」がもっとも高かったプレイヤーの勝ち。
  • ミニゲーム
    • ミニゲームは誰かがゲームマスに止まると発生。
      • ミニゲームは止まった人以外全員を巻き込むパターンと、誰かひとりを巻き込んでマスに留まった人と対決するパターンとがある。前者は成績が1位のプレイヤーに(1位タイだった場合は複数に)+100ポイントとなる。後者も同様に勝者に+100点だが、参加しなかったプレイヤーは勝者を予想することができ、これを的中させると+40ポイント。
    • また、各盤には必ず1つSTOPマスがあり、ここに来るとサイコロの目に関係なく絶対に止まってミニゲームをしなくてはならない。
  • アイテム
    • ショップではポイント10から30程度を消費してアイテムを1つだけ購入できる。何がおいてあるかはランダムな模様。アイテムマスではポイントを消費することなく、ぼーどげーむ内で使えるアイテムをランダムで1つもらえる。
    • アイテムは基本的に使ってはじめて効果を発揮するが、持っているだけでよいものも存在する。
    • ミニゲームを強制的に開催するもの、ミニゲームで勝ったときのポイントを増やすもの、自分とかかわった他プレイヤーからポイントを奪い取るもの、サイコロの目の数を確定するものなどがある。
  • イベント
    • 季節を代表するマスにとまると、いつもより多めにポイントが増減したり季節特有のミニゲームが発生する。おっぺけマス(「お」で表記)にとまってもイベント発生、こちらもポイントがいつもより多めに変動する。
    • あがりのマスでも、出したサイコロの目に関係なく必ず止められる、それ以降はサイコロをふってもポイント微増マスにしか止まれず、アイテムを持っていない限りはゲームへの能動的な干渉ができなくなる。
  • フー賞、スー賞、チー賞
    • 全員がゴールマスにたどり着いた後に行われる点数調整。
    • アイテムの使い方、ミニゲームでの勝敗、ゴールにあがった順やミニゲーム勝利数(1位、ビリが表彰されるとは限らない)等、さらには特定の個人などが条件づけされてランダムで選ばれる。該当する人物はポイント200点プラスとなり、ミニゲームの腕に依存しない運要素となる。
    • これら要素を踏まえて、ポイントがもっとも高かったプレイヤーが優勝となる。
    • すごろく1盤を1位でクリアするごとに、1枚ずつおでかけチケットがもらえる。
      • 1位にならないと次の盤が開放されず、おでかけチケットももらえないが、ぼーどげーむで得たポイントはそのまま買い物のポイントとしてきちんと反映される。
  • おでかけ
    • 動物園、遊園地、縁日の屋台、スキー場の4つの場所に家族旅行できる。
    • 初回に限りすごろく1位になった景品のおでかけチケットが必要だが、一度行った旅行先はニューゲームしない限りは何度でもいける。
    • ここでもポイントを消費しておみやげ、おっぺけ劇場、おでかけ先ならではのミニゲームを購入できる。
  • 映画館要素
    • ぼーどげーむやお出かけ先で一度見たおっぺけ劇場を見返すことができる。前作とは異なり原則1度見た劇場はここを選んでみる必要がある。

みにげーむ

  • 全体的な傾向
    • 前作の要素を彷彿とさせるミニゲームもあるが、まったく前作と同じようなゲームは基本的になく、パーティゲーム用にルールがアレンジされているか、完全新規なものが続々登場している。
    • 難易度分けは廃止された。子供向けなのか、基本的に簡単なものが多い。
    • タッチでないと操作できないゲームと、ボタンでないと操作できないゲームとに二極化している。
    • またぼーどげーむ用に対戦プレイできるものと、一人専用のみにげーむもある。
    • 本作もミニゲームの種類は40。そのうちソフトを持っていない人との通信対戦で遊べるゲームは23。4人集める必要があるゲームも。
    • 以下に、全体的なゲームのジャンルとおおまかな操作方法を述べる。
  • アクションゲーム
    • 落ちてくる果物や洗濯物を時折ジャンプもしながら拾い集めるゲームや、危険な生き物をかいくぐりながら蛇口からジョウロに水をくみ花にやるゲーム等がある。
    • 2人1組を作って対戦するパターンもある。その場合は、物を射撃して落とす係と、落ちてきたものを拾い集める係とに役割分担することになる。
    • いずれも、危険で拾ってはいけないもの、地面に置いてあるバナナや生き物に触れると一時的にスタンする。
  • シューティングゲーム
    • 画面下で往復するカゴにうまく落ちるように、ヤシの実を打ち落とすゲーム等が収録されている。
    • 「ゆきがっせん」では、Aボタンで雪玉を作り、さらにAボタンで向いている方向に投げつける。防御側はXボタンでジャンプ回避、攻撃側はBボタンでフェイントをかけるといった駆け引きも可能。またゲーム画面に表示されているのは、フィールド全体のほんの一部なため画面外から予期せぬ攻撃が飛んでくることもある。
  • レーシングゲーム
    • 概してスクロール式にキャラが移動する。キャラをホールドすることで加速、ドラッグすることでレーン移動させることができる。
    • 障害物にぶつかると減速するため、レーン移動かジャンプでかわす必要がある。
    • 「パンくい競争」では逆に、道中につるされているパンにタイミングよくジャンプして食らいつくことでタイム短縮するというギミックもある。
  • クイズゲーム
    • 3姉妹が描かれたカードが複数提示され、そのうち特定の誰かが何人描かれているかを問う足し算問題。
    • 虫食いされた1文字を選んで、もとの3文字単語を完成させる問題。
      • 回答形式は、選択肢をタッチ、照準を合わせてAボタンで射撃/クレーンで回収、ドラムロール形式で数字を選ぶなど多様。
  • パズルゲーム
    • 操作方法はゲームに応じて多種多様。
    • 一定の法則のもとこちらから逃げ回るハムスターを、穴に落とさず上手に袋小路に追い込むゲーム、突進してくる羊の群れの動きを予測しながらうまくかわすゲームが収録された。
    • その他前作から「ブロックあそび」が続投している。
  • 運を試すゲーム
    • 椅子取りゲームが収録されている。おなじみのルール通り、曲が止まったらキャラを椅子めがけて十字ボタンで操作しAボタンで着席する。誰かと接戦になったときはAボタン連打で押し合う要素もある。
    • 「おしえて3姉妹」では、徐々に読み上げられていく文を表すイラストを、辞書のページをめくる要領で探し当てて答える。1つのイラストを選択できるのは1人だけで早い者勝ち。しかし、読み上げられる文は最後まで聞かないとイラストを決定できない場合も多々あるため、安牌となる行動が存在しない。

評価点

  • 没入感
    • キャラのボイス自体は前作同様豊富にそろえられている。
  • ポイントの使い道
    • ひたすらミニゲーム解放、衣装・写真背景購入につぎ込むようなワンパターンではなくなった。おみやげや記念撮影等、実際に3姉妹に何かプレゼントを買ってあげている雰囲気は前作よりも出ている。
    • キャラ同士のかけあいはミニゲーム前後の寸劇でしかなかったが、旅行先のやりとりも加わったことでリアリティは増している。
  • 前作からの大幅な改善
    • 前作はニューゲームできないうえに、ゲームの構造自体も、ミニゲームがひととおり並べられている状況*1だったが、本作はだいぶゲームらしいつくりにはなっている。
    • 似通ったルールのミニゲームもあるにはあるが、全体的なバリエーションは大幅に増えている。
      • すごろくと互いに干渉しあえるミニゲームを軸に、体裁を意識するようになったことも大きい。最低限DSでの通信機能が生きるゲームが増えた。
    • ゲームバランスもテコ入れが行われた。じゃんけんに参加しない人は勝つ人を予想して、ポイントを40もらえるなど全くもって単純なシステムではなくなったほか、ミニゲーム中の障害もなかなか上手に機能しゲーム展開が読めなくなったものもある。
    • シナリオ面もゲームの前後に一家庭の日常風景を描いた寸劇がある程度だったが、今回は定期的におでかけに行くというイベントが追加され、寸劇の世界観に場面や季節感といった奥行きが若干だが生まれた。

賛否両論点

  • 実力主義のボードゲーム
    • 問題点でも触れるが、ひとことで言うとミニゲームの腕で勝敗が大きく左右されるゲームバランス。得点減のうちミニゲームの結果が占めるウェイトが大きい。また2位以下はポイントがもらえないため、ゲームが得意な人が下位に対して差をつけるチャンスになる。
    • 運などの不確定要素に左右されないため、パーティゲームとして物足りない人もいれば安心してプレイできるという人もいるかもしれない。

問題点

  • ぼーどげーむがミニゲーム以外のギミックに乏しい
    • すごろくにありがちな1回休み、○マス進む・退く、ワープというマスもなく、基本的にポイントの差し引き、アイテム購入所、ミニゲーム所しかないため、ゲームの展開がかなりワンパターンになりやすい。
    • ミニゲームの頻度が高めなため、ポイントの主な収入源となっている。
    • 早くにゴールしてしまったプレイヤーもミニゲームには基本的に参加させられる上、ゲームの種類も自発的に選べるわけではないので、結局ミニゲームが全般的に強い人が有利。プレイヤーの腕が拮抗していれば展開が読めない面白いゲームになるかもしれないが。
    • アイテムもゲームバランスを覆す存在感がない。
    • ボードゲームのテンポを考えればこれが妥当なのかもしれないが、すごろく中に登場するおっぺけマスで用意されているイベントもイラスト一枚と10文字程度のテキストで済まされるような非常に淡白としたものになっている。
  • CPの強さがいびつ
    • ミニゲームによってCOMがやたら強かったり弱かったりする。非常に効率のいい動きをしてくることもあれば、何もせずにボーっとしていることもある(特にクイズ系のミニゲーム)。
  • ぼーどげーむのテンポ、マンネリ化
    • すごろくで選ばれるミニゲームは季節ごとに決まっており、その候補数も若干少ないためか同じミニゲームを繰り返されることもよくある。プレイヤーが能動的に選ぶことはできない。
    • さいころをふる、ミニゲームを選択するなどの一連の動作は、COMであっても一定のラグがあるので非常にゲームテンポがもっさりしている。
      • 自分以外のCOMプレイヤーの行動をAボタンでスキップできない。特にアイテム購入に必要なポイントを持っていないにもかかわらず、ショップのコマに止まったときに「かいものちゅう」と表示されるのはなかなかシュール。
  • 説明機能が不親切な部分
    • すごろくの分岐点を選択する際、この選択肢がループ設定されている。よって右に行きたいのに右の入力が1回余計だったため、左に行ってしまったなどのミスが起こりやすい。
    • タッチ操作を受け付ける場面・ボタン操作でなくてはならない場面、Aボタンで文章を送らなくてはならない場面・自動で文章が流れるためAボタンを押しても効果がない場面が混在するため、無意味な操作をしてしまいがち。
    • 「しゃしんさつえい」に使える衣装と背景は一度購入すると「購入済み」と通達されるが、複数購入できるおみやげ、一度購入しても遊べるお出かけ先のミニゲームにはこの通達がない。コレクションしたいときの障害となりうる。
    • おでかけ中のしゃしんさつえいは、一度選択してしまうと写真を撮らない限り元の画面に戻れない。また時折スーが暴れて、別の物体に変身することがある。したがって無駄にポイント(1回につき100ポイントと少な目ではあるが)を消費する可能性がそこそこ高い。
  • ボリューム
    • 決して単調ではないのだが、子供向けなところもありゲームそのもののボリュームはあまり高くない。
    • しゃしんさつえい等のコレクション要素の解放に特に関心をもたないプレイヤーにとっては、一通りゲームを遊びとおすまでの時間が短い。

総評

大勢が楽しむゲームとしての課題はまだまだ残されているが、前作の反省点に着手しなんとかゲームとしての体裁を保つことに成功したといえるだろう。
イベントやミニゲームのテイストでは演出面の改善が見られ、ひとつの『うちの3姉妹』らしさを楽しむことができる。

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  • 2009年

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最終更新:2024年03月22日 08:31

*1 写真撮影はあるが、これをゲームと言っていいのかは不明。