ここでは、『ダブルドラゴンII ザ・リベンジ(アーケード)』とFC移植版を紹介する。



ダブルドラゴンII ザ・リベンジ

【だぶるどらごんつー ざ・りべんじ】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 テクノスジャパン
稼動開始日 1989年3月
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
配信(税8%込) アーケードアーカイブス
【PS4】2016年2月26日/823円
【Switch】2018年12月6日/823円
レーティング(アケアカ版) CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ダブルドラゴンシリーズ

概要

ダブルドラゴン』から2年後に発売された続編。
前作で助けた「マリアン」が早々オープニングデモで前作のラスボス「ウィリー」に殺害され、「リー兄弟」が復讐へ赴くストーリーとなっている。

前作からの変更点

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という業務用『熱血硬派くにおくん』方式に変化した(進行方向に向いている時はパンチ、逆方向に向いている時はバックキックが出る)。
    • 操作系の変更が行われた為、「前蹴り」や「ヘッドバット」は使えなくなった。
      代わりにジャンプ中に攻撃ボタンを押す事で新必殺技の「旋風脚(龍尾嵐風脚)」が放てるようになった。
    • 厳密に言えば「くにおくん」と異なる点もあり、プレイヤーの向きは移動した時点で即座に変わる。(「くにおくん」では敵が集まっている方向を向くので、向きを決められない)、その為、意図的に向きを変えやすくなっている。

評価点

  • 敵のアルゴリズムの強化
    • 「ウィリアムス」が側転で素早く移動したりジャンプしてナイフ投げをするなど、アクションが追加されている。
      • 「リンダ」が肘打ちをしたり、全てのザコがバックキックを使用するようになった。
  • 難易度調整
    • 前作の最終ステージでは「突然出てくる石柱に当たると体力がほとんど削られる」や「ボスのマシンガンで即死」といった尖った難易度調整がなされていたが、本作では同様の仕掛けは登場するもののダメージは抑えられており、ストレスは少なくなっている。
      • ただし、プレイヤーの投げ技が通用しない巨大な敵が増えたり、後述の「チン・タイメイ」等の強力な敵が多数追加されており、こちらで難易度の調整が図られている。
    • 前作で猛威を振るった「肘打ち」に調整が加えられており、全く使えないほどではないが肘打ち一本でラストまでいけるほど甘い作りにはなっていない。
      • 前作では敵は肘打ちにのみ反応せずに吸い込まれるように当たっていたが、本作では反応するようになり、避けられるばかりか逆にこちらが肘打ちをかまされる事すらある。
      • 代わりになる攻撃方法として「敵に背を向けてバックキック→敵のほうを振り向いてアッパー」があるが、敵のジャンプキックで潰される事もある為、「肘打ち」ほど万能ではない。
      • しかし、「バックキック」は判定が強く、確実に敵をひるませるので、様々なコンボの起点になる。
        慣れてくると「バックキック→髪つかみキック→背負い投げ」、「バックキック→まわし蹴り」等の連続技が面白いように決まる。
        正面パンチも前作より当てやすく調整され、バックキックと上手く使い分ける事によって連続技の自由度が増えた。
  • 操作性の向上。
    • 移動速度の上昇など、全体的に操作が快適になり、動かしやすくなっている。
      • 敵より早く動ける事が多く、ジャンプキックを見てから余裕でかわせるなど有利な位置取りがしやすく、爽快感の向上に繋がっている。
  • 演出とBGMはかなり良好。
    • ボイスが増加され、敵によってやられボイスが異なる。
  • 前作とはまた違う、世界観に関わりそうな新たな要素が追加された。
    • オカルト要素が含まれるようになった。倒されると断末魔の悲鳴とともに鎧を残して消滅し、消滅したかに見せかけて一度復活してくるものもいる敵キャラクター「ブルノフ」はその典型例。
    • さらに東洋的要素も含まれていて、FC版の前作のオリジナル敵キャラクター「チン・タイメイ」が棒術使いとしてアーケード版にも登場し、敵のアジトの門や最終ステージのデザインも中華風になっている。
      • 「チン・タイメイ」は攻撃力とリーチでプレイヤーを上回り、かつ巨体キャラクターなので投げも効かないという有様で、最終ステージでは一緒に出てくる前作の最強の中ボス格の「ジェフ」が箸休めに思えるほどの難敵である。

賛否両論点

  • 一作目で救出したヒロイン「マリアン」がいきなり一作目のラスボス「ウィリー」に射殺されるという衝撃のプロローグ。
    • しかし当時のグラフィックの限界か、撃たれたヒロインがかなりのマヌケ面を晒してしまっており、これはひょっとしてギャグなのか?とも思えてしまう。
  • 敵キャラクターのデザインが前作に比べやや色物じみている。ロン毛になった「アボボ」や眼帯ヒゲ親父になった「ローパー」、
    唯一の女ザコの「リンダ」に至っては何故かモヒカンヘアーになり、より世紀末な雰囲気を醸し出している。
    • 同様に2Pキャラクターの「ジミー・リー」は白ずくめの衣装になっている(FC版やPCE版では前作同様の赤いベストとズボンに戻っている)。
  • アーケード版で一作目から続投している敵キャラクターのうち、「ジェフ」と「ウィリー」は前作と色が違うだけ。
+ ラストのネタバレ
  • 「マリアン」を射殺した「ウィリー」を倒すと急に画面が暗くなり、不気味なBGMとともに「リー兄弟」の影から幻影があらわれる。
    幻影は兄弟の技のほか、気弾を飛ばしたり、不気味な笑みを浮かべながら影に入り込んで攻撃し兄弟を苦しめる。
    幻影を倒すと不気味な笑い声とともに消滅し、兄弟は開いた奥の扉へ進む。
    その後、「リー兄弟」と生きていた頃の「マリアン」の写真*1が表示され、写真の中の「マリアン」が涙を流して終了となる。
    直前に兄弟で殺し合いこそしたが無事に「マリアン」を救出してハッピーエンドとなった前作に比べると
    随分と後味の悪いものであり、その後の主人公達がどうなったかのフォローは一切ない
    今作では殺し合いは無くなったものの、後味の悪さでは前作を上回っている。
    当時としてもこのエンディングは賛否両論であったが、この後のシリーズはオカルト要素をさらに強めていくことになる……。

問題点

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という方式のため、技を出す際にはプレイヤーキャラクターの向いている方向に気を付けなければならない。
  • 「旋風脚」の使い勝手が微妙
    • 威力はそこそこあるものの、敵のジャンプキックやパンチであっさり潰されたり、出し終わるまで当たらない所で待ち伏せされる事*2が多く、うまく決める事が難しい。
      • また、出し方にも癖があり、ジャンプし始めてから頂点に到達するまでの僅かなタイミングで攻撃ボタンを押す必要がある。頂点に達してしまうと出なかったりとコツがいる。
  • アーケード版で追加された一部のボス格の敵は理不尽に強すぎる。
    • 特にステージ2のボスの某殺人アンドロイドと瓜二つな風貌の巨漢「アボレ」とステージ3のボスの「チン・タイメイ」は、前作の中ボス格である「アボボ」や「ジェフ」がマシに思えるくらい強い。
  • アーケード版のステージの構成は前作のステージを手直ししただけの代物。
    • 特にステージ2は、最初の場面以外は前作の同ステージのグラフィックを描き直しただけである。
    • その後もどこかで見た構成がゲームの最後まで続く。目新しい仕掛けはステージ3の耕運機とステージ4の爆発する鉄球ぐらいしか存在しない。
  • アーケード版では振り回し系の武器である「チェーンハンマー」「シャベル」を持ってしまうと、通常攻撃は進行方向に武器を振り回すだけになり、バックキックが使用できなくなる。
    • しかもザコ敵は「シャベル」を振り回すだけでなく投げつけて来るが、プレイヤー側は出来ない。ますます不利である。

総評

元々は海外で先行発売するために作られており、キャラクターやマップパターンなどは前作の使いまわしが大多数であった。
「肘打ち一本でクリア」、「最終面の尖った難易度」といった前作の粗は概ね修正されており、よく練られた敵のアルゴリズムをかいくぐって様々な技を決める、爽快感あふれるベルトアクションに仕上がっている。
しかし、最初のステージを除いてはほぼ全てが前作の流用なので手堅い作品ではあったが新鮮味に欠ける点は否めず、そのため国内では今ひとつマイナーな評価で終わってしまった。

家庭用移植・リメイク

  • 本作はFC・PCE・MD・PS4・GB(日本未発売)に移植されている。
    • FC版は前作同様アレンジが加えられている。詳しくは下記を参照。
    • SUPER CDROM2専用ソフトとして発売されたPCE版は、基本FC版ベースの移植となっているが、キャラクターの頭身が高くなっている他、FC版でカットされたボスキャラクターが復活しているのが特徴的。また豪華声優陣によるボイス付きのビジュアルシーンも追加されている。
      ちなみに配役はビリーがPCE版『熱血物語』でくにおを演じた堀川亮(現:堀川りょう)氏でジミーがりきを演じた林延年(現:神奈延年)氏である*3
    • 海外GB版もAC移植ではなくオリジナルストーリーであり、日本の前年に発売した『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』をベースにキャラクターや背景・BGMを差し替えて発売している。難易度「かんたん」だとステージ4までしか遊べないのも日本版と同じ。
    • MD版は当時唯一AC基準の移植となっているものの、2面の構成が大きく異なる上、EDもモノクロでのボス紹介に変更されている。処理落ちが酷くほぼ常時起こっているレベルで、ゲーム開始早々マリアンが銃撃されるシーンですらカクカクとなっている。
    • 2016年2月26日にPS4で、2018年12月6日にSwitchで「アーケードアーカイブス」の一タイトルとして配信され、前作と同様にACの完全移植を手軽に楽しめるようになった。
    • スマホ及びPC向けに『ダブルドラゴントリロジー』の名目で3タイトルがセットになったものが配信されている。基本的にはゲーム部分はAC版のまま移植されているが、画面に表示されるライフやスコアなどの部分が高解像のものに差し替えられていて変更できないため、その点では完全移植でない。
    • Xbox360向けDLソフトとして本作のリメイク『ダブルドラゴンII ワンダーオブドラゴン』が配信されたが……

余談

  • 前作同様、ゲーム開始時はプレイヤーがガレージから出てくるシーンから始まるが、なぜかガレージに戦闘ヘリが収められており、デザインの特徴から『サンダーストーム』*4の自機である「LX-3」ではないか、という小ネタがある。*5

ダブルドラゴンII ザ・リベンジ(FC)

【だぶるどらごんつー ざ・りべんじ】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
販売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1989年12月22日
定価 5,900円
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 良作
ポイント アーケード版を大きく超えた良アレンジ

概要(FC)

前作『ダブルドラゴン』に引き続いてのFC移植だが、ほぼ一から作り直したと言える程変更点が多いアレンジ移植となっている。
しかし、前作ではオミットされた2人同時プレイが可能になったり、ステージ間の演出が加わるといった要素があり、大きなパワーアップを遂げた作品と言える。

アーケード版からの変更点(FC)

  • ストーリーが変更され、マリアンが殺されるという点は変わらないものの、ブラック・ウォリアーズの復讐ではなく、代々双截拳と戦い続けてきた宿敵によるものとなった。
    このため、AC版では中ボスだったウィリーとついでにジェフが削除され、代わりにクンフー使いの「右腕」、素早い動きや手裏剣を駆使する「忍者」、ラスボスである「謎の格闘家」が追加された。
    • 今までは主人公が使う拳法でしかなかった双截拳がストーリーに絡んでくるという思い切ったアレンジともいえる。
  • 前作のFC版とは異なり、最初から全ての技が使用可能、加えて2人同時プレイも可能となり、アーケード版に近い仕様となった。
    • 必殺技も龍尾嵐風脚に加え、「天殺龍神拳(ハイパーアッパー)」と「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」が追加された。かがんだ状態でタイミングよくコマンドを入れるものであり、ややコツがいる。
      • ダウン後の起き上がりも「かがみ状態」として扱われる為、反撃の一撃を与える事が出来る。
    • 肘打ちは立ち状態ではなく、髪つかみ状態から出すようになった。
    • かがみ状態の敵(ダウンからの起き上がり含む)にヒザ蹴りを出せるようになった。タイミングが難しいが当たればひるみ状態になるので、追い打ちで再度ダウンを奪える。
  • ステージが大幅に増加
    • AC版のステージも登場するが、全体的にステージが増加されており、4ステージから9ステージと二倍以上になった。
    • 中ではヘリコプターの中で戦う*6、複雑なギミックをかいくぐる塔など個性的なステージが追加された。
  • 演出が強化
    • ステージ間のデモはカットインとセリフで表現されるようになった。また、カットインのクオリティも高く、ストーリーへの没入感を高めてくれる。

評価点(FC)

  • アクションが痛快
    • 前作のFC版よりもキャラクターのサイズが大きくなり、描き込まれた為、迫力が増した。加えてアーケード版よりも処理落ちが少なく、操作性もよいためアクションの爽快感は高い。
    • 敵を吹き飛ばした際の音が『くにおくんシリーズ』でお馴染みの迫力のあるものであるのも大きい。次々と連打を決めてドカドカと敵を殴り飛ばすだけでも大きな爽快感が得られる。
    • 追加技の「天殺龍神拳(ハイパーアッパー)」と「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」の性能が非常に高く、アーケード版では難敵だった「アボレ」や「チン・タイメイ」ですら数発で沈めるという超威力を誇る他、技を当てると豪快に敵が吹き飛ぶため、リングアウトを狙いやすく、ゲームのテンポの良化にもつながっている。
      • ある程度コツが要る他、懐に入る必要があるので簡単には決まらないが決めた時の爽快感は別格。
      • 結果として、AC版以上に高性能となったプレイヤーキャラクターで並み居る敵をなぎ倒していくゲームスタイルとなった。
  • 親切設計
    • 前作ではコンティニューが不可だったが、本作では無限にコンティニューをする事が出来る。
      • 加えてアーケード版同様にその場復活に戻った為、前作FC版に見られた理不尽な点は解消され、遊びやすくなった。
    • 二人同時プレイでは互いの攻撃の当たり判定の有無も決める事ができる。
      • 設定B(当たり判定有り)にして、相方にトドメをさすと自分の残機が増える。瀕死になったらわざと相方に倒してもらうことで体力回復ができる。
    • 三段階の難易度にも対応している為、腕前に応じたプレイも出来、敷居が低くなった。
      • 低い難易度だと途中までしかプレイできないということはなく、EASYでも最後までプレイできる。ただし海外版では……(後述)
  • グラフィック及びBGMは高水準
    • ステージの追加に伴いBGMも多数追加されたが、ステージ4やラスボス戦など評判の高い良曲も多数追加されている。一部のBGMは続編や近年の作品にもアレンジされて使用されている。
  • アーケードの移植とみても健闘している
    • 概ねの敵キャラクターは登場しており、ステージの半分はAC版を意識したものとなっている為、大幅に変わったと言えどAC版の雰囲気は残っている。
    • 「ウィリアムス」の側転や「リンダ」の肘打ち等も再現されている。
  • AC版からの改善点
    • 「龍尾嵐風脚(回転旋風脚)」の使い勝手が向上、AC版ではほぼ使い物にならない技だったが、当てやすくなり、使う場面が増えた。
    • AC版における「シャベル」の代わりに登場する「鉄パイプ」を投げつける事が出来るようになった。AC版では「シャベル」を拾ってしまうと隙の大きい攻撃しかできなくなる為、かえって不利になるといった点があった。
+ ラスボスの追加。ネタバレ
  • ラスボスとして、マリアンを殺した「幻殺拳」の使い手である謎の格闘家が登場。
    • AC版のラスボスであった主人公の幻影は、この謎の格闘家が幻殺拳で作りだしたものとなっている。
    • ボスの登場、戦闘、撃破時の一連の流れの演出は当時としては突出した良好なものとなっている。
      • まずマリアンの幻影が登場し、主人公がそれに触れると消えて、背後に謎の格闘家が登場。
        戦闘ではまず謎の格闘家の幻影と戦うことになる。完全に透明になって攻撃してくるので非常に厄介。だが透明状態なら無敵というわけではなく、ちゃんとこちらの攻撃も当たる。
        幻影を撃破するとBGMや戦闘場所までも変わり、本物の謎の格闘家と戦うことになる。透明にこそならないものの、幻影との戦いで消耗しているとキツイ。
        謎の格闘家の体力が無くなった瞬間に画面が白くフラッシュし、スローモーションになる。そして謎の格闘家が地面に倒れ伏したタイミングで画面が切り替わり、撃破エフェクトとともにエンディングに突入する。
        大技でふっとばして倒した時は格好いいのだが、ただのパンチやキックで倒したときは非常にシュールな流れになるのはご愛敬。
  • 謎の格闘家を倒した後、格闘家が言い残した、古の言い伝えにより、マリアンが息を吹き返してハッピーエンドとなる。
    アーケード版が後味の悪いエンディングであった分、原理はともかく救いのある内容となった。
  • 余談となるが、この謎の格闘家は本当に名前が無く、戦いに入る際もビリーから「おれはまけるわけにはいかないんだ!かくごしろ!かくとうか!」と呼ばれている。
    • また、彼が腕を回転しながら放つ技は「横回転かまきりアタック」、ジャンプしながら放つ技は「ジャンプ横回転かまきりアタック」というずっこけネーミングであり、上記の格闘家呼びと合わせてネタにされる。プレイヤーの技は「龍尾嵐風脚」とか「爆魔龍神脚」なのにどうしてこうなった……
      • しかもこんな名前なのに本作最強の威力を誇り判定も強いのでラスボスにふさわしい強さを誇る。
    • 後作である『ダブルドラゴン アドバンス』では「幻殺拳」や「謎の格闘家」の設定を膨らませ、流派は「幻截拳」に格闘家にも「レイモンド」の名が与えられた。五虎将として4人の部下を従え、幻影や横回転かまきりアタックを使用し、戦闘BGMも本作の「双龍の雄叫び」をアレンジした「Fight of Fate」となっている。
      • さらに『ダブルドラゴンIV』では「タワーモード」で謎の格闘家が登場、倒す事で使用可能となっている。のだが、また名前を無くしてしまった。

問題点(FC)

  • 爽快ではあるが「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」が超性能。
    • 先述の通り、最強の威力を誇り、かつ相手を遠くへ吹き飛ばすため、ひたすら打ち続けていれば簡単にクリアできてしまえる。
    • 『I』では肘が猛威を振るったが、本作では膝が猛威を振るう事になった。
      • ただし、この技は、3つの必殺技の中でも最も出しにくいため、自在に使いこなすには相当練習が必要。
      • 入力に慣れてしまえば、最初に空ジャンプを入れる必要がある事を除けば、連続で出し続ける事も可能。出し方は、しゃがみ中に出したい方向+AB同時押しであり、技の終わり際にしゃがみ状態になるため、そこから再び技を出す事ができる(最初に空ジャンプを入れるのは、ジャンプの着地時にしゃがみ状態になるため)。
  • 新武器「鉄パイプ」の性能がおかしい
    • 正面攻撃で振り回し攻撃ができるが、モーションが遅い上にパンチと同じ威力なので使い物にならない。
      • 一方で背面攻撃はモーションが速く、近距離で当てるとなぜか爆魔龍神脚の2倍ほどのダメージを与える。その後鉄パイプを投げてしまうが、投げられた鉄パイプにも攻撃判定があり(ダメージは天殺龍神拳並み)、壁などに当たれば再度拾って使えるので強力。
  • トラップが陰険な個所がある
    • ABボタン同時押しでジャンプをして、しかも自由に調整が利かないというプレイヤーのアクションに対して、足場が非常に少ないステージ5の水辺や一定時間ごとに消える足場、接触すると一発死の棘といった、いやらしいギミックが牙を剥く。
      • 難易度に応じてトラップも厳しくなる。ベルトコンベアの流れも速くなり、DIFFICULTでは逆らって歩けなくなる。EASYでは足場が消えなかったりと、さほど脅威ではない。
  • 奥行きのないステージがそれなりに多い
    • ベルトスクロールアクションの肝である軸のズレを利用した攻撃がやりづらくなる為、苦戦しやすい。
  • アーケード版ではほとんどなかった、ハシゴやツタを上り下りして移動する場面が多い。
    • 上下移動中は無防備であり(敵もだが)、相手の攻撃に対処できない。また、下に足場がない場所で攻撃されると、なすすべなく落下死することになる。
  • 敵の強さ
    • ジャンプキックが当たりにくい。出すと待っていたかのようにしゃがんでかわされてしまうことがよくある。
    • こちらがパンチを連打していても、割り込んで反撃してくることがある。
      • 特にボロ(アーケード版では「アボボ」)などの大型の敵は顕著。連打してもこちらが張り倒される。
    • 起き上がりに攻撃を重ねる、格ゲーで言うハメ技を、 あろうことか敵が使ってくる 。下手をすると、1ダウンから何もできないまま削り倒される。
      • しかも、 こちらがやろうとしても平然と反撃してくる
    • 新キャラクターの忍者は素早く動き回るうえに、近付くとパンチ1発でダウン。突進は爆魔龍神脚並みに吹っ飛ばされる。ジャンプキックもパンチや苦無で軽々と撃墜。さらに飛ばしてくる手裏剣はかなり見づらいうえに速く、回避はほぼ不可能。こっちの攻撃は返されるわ向こうの攻撃はガンガン喰らうわで、あっという間にボロボロにされる。
      • 実は龍尾嵐風脚をしゃがんでかわせないという弱点があり、突進攻撃に合わせれば簡単に倒せてしまえる。

総評(FC)

前作の焼き直し感が強かったアーケード版に大幅にアレンジを加えた事により、アーケード版からの劣化を補うだけに留まらず大幅に改善し、追加を加えた良作となった。
完成度は非常に高く、当時のFCソフトから見ても頭一つ抜けた出来であるといえる。


余談(FC)

  • 「天殺龍神拳」「爆魔龍神脚」「龍尾嵐風脚」は『くにおくんシリーズ』のダブルドラゴン兄弟の必殺技としても採用され、
    そのまま定着し、くにおくんシリーズの必殺技としての知名度も持つ。
    • 本家でも『ダブルドラゴン アドバンス』にも採用されている。
    • 「天殺龍神拳」と「爆魔龍神脚」は現実世界でも再現しやすい技のため、昔これらを真似して遊んだ人も多くいた模様。
  • 2017年に配信された『ダブルドラゴンIV』は本作がベースになっている。

海外版(NES)

  • NES版は難易度が「PRACTICE(EASY)」「WARRIOR(NORMAL)」「SUPREME MASTER(DIFFICULT)」になっており、FC版と同じく親切設計でのプレイが可能だが、「PRACTICE(EASY)」ではステージ3をクリアした後に「WARRIOR(NORMAL)」だと主人公達の幻影を倒し、いよいよ謎の格闘家へと思いきや挑戦的なメッセージが表示され強制的にゲームを終わらされてしまう
    『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』や『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』のように低難易度では途中までしか遊べない仕様となっている。
    しかもコンティニューはゲームオーバー後にコマンド入力しないとできない。
    • PS4/Switch/XboxOneで発売された『くにおくんザ・ワールド クラシックコレクション』ではNES版が収録されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 1989年
  • ACT
  • AC
  • ベルトスクロールアクション
  • テクノスジャパン
  • ダブルドラゴン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月31日 14:10

*1 この時のジミーのベストの色は白から臙脂色に変更されている。

*2 他の技と同じく、見え見えの状態で放っても簡単に避けられてしまうし敵の起き上がり際を狙っても、モーションを止められるので全くの無意味である。

*3 林は映画版『ダブルドラゴン』ではビリーの吹き替えを担当していた。

*4 『ロードブラスター』同様、岸本氏がデータイースト在籍時に手がけたLDゲームのヒット作品

*5 前作ではガレージに収められている車が『ロードブラスター』のプレイヤーカーである「LX-5」という小ネタがあり、それを踏襲しているものと考えられる

*6 この時、一定の間隔でドアが開き、近くにいると振り落とされて敵味方関係なく即死する