Killing Floor 2

【きりんぐふろあ つー】

ジャンル CO-OPサバイバルホラーFPS


対応機種 Windows 7/8/8.1/10
プレイステーション4
Xbox One
発売・開発元 Tripwire Interactive
発売日 2016年11月18日
定価 【Win】2,980円(税8%込)
【PS4/One】39.99ドル
プレイ人数 1~6人
備考 日本未発売
判定 良作
Killing Floorシリーズ1 - 2


概要

仲間と協力して大量に襲ってくるクリーチャーから生き延びる名作FPS『Killing Floor』の続編。
2015年4月からSteamでアーリーアクセス版が配信され、1年以上アップデートを繰り返し2016年11月に正式リリース。
前作はWin版しか販売してなかったが、今作ではPS4/Oneでも販売された。

国内販売されていないがUK版とSteam版は設定を日本語に切り替えることで日本語でのプレイが可能。
音声も日本語が収録されている。Win版のみ「英語音声・日本語字幕」の組合わせでもプレイ可能。
舞台を前作のイギリスからパリへ変更しているが、前作同様ストーリーを気にする必要は全くない。


システム

基本システムは前作と同じ。
以下には主に前作からの変更点を述べる。

  • Perk
    • 前作のPerkに加え、新しいPerk『Gunslinger』『SWAT』『SURVIVALIST』が登場。
    • レベルが25まで上昇。5レベルごとにセットするスキルを選択し、Perkをカスタマイズできる。スキルは後からでも変更可能。
      • 経験値はPerkにあった行動の他にPerkに対応した武器で敵を倒すことで入るようにもなった*1
      • "マルチパーク武器"と言う概念があり、2つのPerkを足したような武器も多数存在する*2
    • Perk毎にグレネードの効果が異なるようになっている。単なる爆発物ではないので今まで以上に使い所も重要に。
+ Perk一覧
  • Berserker(バーサーカー)
    • 近接武器が得意なPerk。今作から近接武器装備時に「パリィ(防御)」が可能になったため、迫り来る敵を前線で受け止める「盾」としての役割も強くなった。
    • Clotなどプレイヤーを掴んでくる敵に掴まれなくなるという特性を持つ。
    • グレネードは敵の特殊攻撃を封じるEMP爆弾。
  • Commando(コマンドー)
    • アサルトライフルが得意なPerk。前作同様に透明な敵を視認できたり、敵のHPが表示されたりする。 主に雑魚敵の排除を担当するが、瞬間的な火力は他のPerkに劣るため、大型ZedはSharp Shooterなどに任せて、コマンドーは彼らの仕事がしやすいように雑魚掃除をするのが仕事。
    • グレネードは高威力の爆発攻撃。特にFleshPoundに効果的。
  • Support(サポート)
    • ショットガンと溶接が得意なPerk。
    • Supportが近くにいる時に1WAVEにつき1回弾薬の補給が受けられる。
    • グレネードは爆発+破片ダメージ。だが、CommandoほどFPには有効ではない。
  • Field Medic(メディック)
    • 回復に特化したPerk。代わりに火力が低め*3
    • メディックガンで味方をロックオンできるようになり、遠くからの援護がやりやすくなった。
    • グレネードは周囲の味方の回復、敵には毒ダメージを与えるガスのグレネード。
  • Demolitionist(デモリッショニスト)
    • 爆発物のスペシャリスト。撃ちすぎて弾切れと煙で仲間の視界を遮らないように注意。
    • Supportと同じように1WAVEにつき1回、グレネードの補給が受けられる。
    • グレネードは特に強力なダイナマイト。
  • Firebug(ファイヤーバグ)
    • 火炎放射器を使った攻撃が得意なPerk。雑魚殲滅力は高いが強敵は苦手*4
    • グレネードは定番の火炎瓶。火炎で自滅することもあるので注意*5
  • Sharp Shooter(シャープシューター)
    • ヘッドショットにダメージボーナスがつくPerk。強敵を素早く片付けることができるが正確なAIMが必要。
    • 得意武器は弾薬が少ないため、強敵に対して強い代わりに雑魚の殲滅力が低い。また、レベルアップしても耐久力が育たないので打たれ弱いので囲まれないよう注意する必要がある。
    • ボーナスがつくのはヘッドショットのみであり、胴体や腕などにはボーナスがつかない。
    • グレネードは敵を凍らせて足止めさせるフリーズグレネード。凍ったところにヘッドショットをお見舞いしよう。
  • Gunslinger(ガンスリンガー)
    • 新しく登場したPerk。2丁拳銃スタイルでハンドガンにダメージボーナスが付く。*6
    • スキルを絡めることで攻撃箇所によってよろけやノックダウンといった追加効果を与えることができる。
    • メイン武器がハンドガンなので弾切れを起こしやすく、狙う効果によって撃つ場所を的確に選ぶ必要があるなどSharp Shooterとはまた違った上級者向けPerk。
    • グレネードは爆発+破片ダメージのネイル(釘)グレネード。
  • SWAT(スワット)
    • 新しく登場したPerk。サブマシンガンとアーマーが得意なPerk。
    • Commando同様連射力の高い武器で雑魚を圧倒することができるが1発辺りの威力はCommandoより低い。その代わりアーマーの能力が高く生存力が高い。
    • グレネードはいかにもSwatらしい敵をスタンさせることができるフラッシュグレネード。
  • SURVIVALIST(サバイバリスト)
    • リリース版の直前に追加されたPerk。全てのPerkの武器にボーナスが付く万能職。
    • このPerkでスポーンするときはどの武器を持たされるかはランダムになっている。
    • どんな武器でも使える反面、特化職と比較すると能力が劣るため「どのように立ち回るか」を意識しながらスキルや武器を選ぶ必要がある。
  • 装備
    • 前作は「格闘武器」「プライマリ」「セカンダリ」「スペシャル」「注射器・溶接機」と5つのカテゴリがあったが「スペシャル」が「プライマリ」に統合され4つになった。
    • 近接武器装備中にマウスホイールクリックで「防御」ができるようになった。
    • 溶接機は扉の前以外では取り出せなくなった。
    • 移動中Shiftを押すことでダッシュができるように。
    • 近接武器を装備しなくてもVを押すと殴りができるようになった。Clotに掴まれた時に突き放すことができる。
  • Specimen(ZED)
    • 基本的には前作と種類が同じだが、上位種や下位種が追加されバリエーションが少し増えた。
    • プレイヤーが防御できるように、ZEDも防御してダメージを軽減したりする。
    • ヘッドショット以外でも部位によってダメージが異なり、敵によってはアーマーを装備している部位もある。
  • WAVEボス追加
    • Patriarch
      • 前作から引き続き登場*7した騒動の元凶。
    • Dr.Hans Volter
      • 新ボス。多彩な攻撃を仕掛けてくる上に、体力が少なくなるとプレイヤーを捕まえて体力を吸って回復してくる。
    • King Fleshpound
      • 強化されたFleshpound。こいつがボスのときはQuarterPoundというFleshpoundの廉価版が同時に大量に湧いてくるので非常にカオスなことになる。
    • Abomination
      • アーマーを着込んだデブボス。アーマーには体力とは別の耐久度が表示されている。
    • Boss WAVEでは上記のどれが出てくるかはランダム。ボスによって有効な武器*8が異なるのだが、登場するまでは誰になるかわからない。
  • ウィークリーイベント
    • その名の通り週で変わったイベントが行われる。
    • 死ぬ時に爆発して範囲ダメージを与えられたり、ダメージを与える毎に縮んでいって的に当てるのが困難になったりと一風変わったルールで遊べる。
  • VSサバイバルモード
    • 新しく用意されたPvPモード。人間側とZED側に分かれて対戦する。
    • ZEDはやられても一定期間後にリスポーンするが人間側はWAVE中には復活できない。

評価点

  • グラフィックが美しく、ゴア要素がパワーアップ
    • 前作からかなり期間が空いたこともあり、グラフィックは当然とばかりに劇的に進化。
    • 本作目玉のゴア要素は特にパワーアップしており、ダメージによって破壊される箇所も異なり、22箇所に渡って四肢が分裂し、モーションも100以上という気合の入れっぷり。
    • WAVEが進むと辺り一面肉片と血まみれになっていく。
    • ゴアが強烈すぎてCEROの審査が通らず国内販売できない結果となった。上記の通り日本語には対応しているので自身で購入する分には問題ない。
    • ちなみにゴア要素も設定で変更可能*9
  • 籠城が有効ではなくなった
    • 前作経験者であれば扉を溶接し、廊下の奥まった所にメンバー全員で籠もるという戦略を取りがちになるが、今回はマンホールや天井からなど四方八方から湧いてくるため籠城は成功しにくくなってる。
    • また、扉の溶接もSupport以外では修理できなくなり、一旦壊されるとそのゲーム中は二度と溶接できなくなってしまった。
    • しかしながらメンバー個々がバラバラになっていては生存が難しいのは同じなので、ある程度固まって行動する必要性はある。
  • 変化のあるマップの登場
    • 一部マップのみだがWAVE毎に別マップへ移動するマップが登場。
    • また、WAVE毎にマップの一部を防衛するというサブ目標が追加されるマップも登場。防衛に成功すると報酬がもらえるが、失敗すると何ももらえない。
  • クロスヘア表示
    • デフォルトはオフだが、設定でオンにすることでクロスヘアを表示可能に。
  • 途中参戦のハードルが下がった
    • 前作では低レベルのうちはスタート時に9mmハンドガンとナイフしか持ってなかったが、今作では1レベルから各Perkにあったプライマリ武器を装備してスタートするためWAVE途中でも参戦しやすくなった。
    • また、参加するWAVEに応じて所持金もあがるため仲間からお金を貰わなくとも装備は整えやすくなった。
  • 練習モード実装
    • 前作は「習うより慣れろ」と言わんばかりに実戦で経験を積む必要があったが、初歩的なことはチュートリアルで説明してくれる。
    • 前作経験者は基本的にやる必要はないが実績もあるのでおさらいがてら一度やってみるのもいいかもしれない。
    • もっとも、仲間との連携やマップを覚えるといった大事なことは実戦あるのみなのは変わらないが。

賛否両論点

  • SURVIVALISTが器用貧乏
    • 万能職にありがちな欠点だが、専門職に比べてボーナスが少なすぎて何をするにも中途半端になっている。
    • メンバーのPerkを見て、自分や相手がどう立ち回るかが重要なゲームに置いて「何のロールを持っているか」がわかりにくいというのはマイナス要素になる。
      • SURVIVALISTがスナイパーライフル持っていたら「それならSharp Shooterに転職してよ」という感じになってしまう。
    • スポーン時に持つ武器がランダムなのもスキルを選択してPerkをビルドするシステムと相性が悪い。
    • とは言え、例えばDemolitionist武器のリロード高速化やメディックガンにダメージボーナスつけたりと本職にはない強みもあったりとカスタマイズとプレイヤーの腕次第でカバーできる所ではある。
  • チャットは日本語非対応
    • 外国人プレイヤーの方が多く、簡易チャットで十分意思疎通は可能。
  • トレーダーがいない
    • 正確に言うと今作では「ポッド」と呼ばれる無人販売機でインターバルに買い物をすることになる。
    • トレーダー本人は遠くにいて、無線でやり取りするのみ。
    • 前作では期間限定でトレーダーがコラボキャラに変わったりと遊び心があって人気だった為に前作経験者には残念がる人も。
  • 防御するZEDが出てくる
    • 賢くなってプレイに幅が出た一方で、ひたすらヘッドショットを決めまくる爽快感が減ってしまっている。
  • 暗いステージが多い
    • グラフィックがきれいになった分、暗いところはとことん暗いため視認性が悪く目が疲れやすい。

問題点

  • 日本語入力未対応
    • 日本語音声もあり、日本語表示も可能なのだが、なぜか日本語入力には対応していない
    • このためうっかり全角入力にしてしまうとスクリーンが最小化し、復帰するには面倒な手順が必要
    • チャットはもちろんオーバーレイ画面で実績名を検索する時もこれが起こる
    • 実績名は日本語表記なので、未解除の実績をゲーム中に探す際に不便
  • 扉の溶接が不要に
    • 前作では扉の溶接は立派な作戦だったが、今作ではMAPの作り込みが甘く、上手く機能していない。
    • 溶接する必要のない扉ばかりが目立ち、むしろ溶接しようものなら仲間の逃げ道を塞ぐ妨害行為と受け取られかねない。
  • 調整不足のVSサバイバルモード
    • 人間側とスペシメン側に分かれるのだが、前半は弱い個体ばかりでスペシメン側が不利、後半は強い個体やボスを使えるので人間側が不利とアンバランスな仕上がり。
    • 通常ゲーム同様にWAVEの合間にインターバルがあるが、スペシメン側は特に何もすることもないので1分間待つことしかできない。
    • 『Killing Floor』の持ち味である爽快感が足りなく、ゲームも面白みに欠けるためにプレイする人がどんどん減って過疎化してしまっている。

総評

ひたすら撃ちまくる脳死屠殺ゲームがパワーアップして帰ってきた。
Perkやスキルが増え、前作経験者でもやりごたえがある一方で未経験者でもとっつきやすくなって遊びやすくなっている。
FPSが好き、協力ゲームが好き、ゴア要素に抵抗がないというゲーマーなら是非手にとってもらいたい一作である。


余談

  • 最後に追加されたPerkは「SURVIVALIST」ではなく、元々「Martial artist(格闘家)」というPerkが配信される予定であった。
    • Martial artistの存在は公式で配布されていた壁紙にてその存在が確認できる。

その後の展開

  • 2023年8月23日にシリーズ最新作『Killing Floor 3』が発表された。対応機種はPS5/XSX/Winで、発売時期は未定。

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最終更新:2023年10月15日 23:57

*1 Beserkerのときにアサルトライフルを使うとCommandoに経験値が入る。ちなみに、初期装備の9mmピストルで敵を倒すと、現在選択しているPerkに経験値が入るようになっている。

*2 例えば、「FN FAL」と言う銃は、CommandoとSharp Shooterの両者のスキルに対応している。

*3 メディックガンには、ピストルやサブマシンガン、アサルトライフル等の複数の種類があり、それぞれの銃がそれぞれの専門職Perkに対応している。そのため、他のPerkであったとしても、使いやすいメディックガンを購入するという選択肢もありうる。回復性能は本家メディックには劣るものの、他職でもメディックガンの回復ダーツは使用可能。

*4 ただし火炎ダメージに独特の特性がある。直撃ダメージ、爆風ダメージ、引火した後の相手が受け続けるアフターバーン....等々。炎で視認性が悪化し、また炎効果でZedがパニック状態になりヘッドショットがやり難くなる為、小型以外をただ何も考えずに燃やすのは味方からの不評を買ってしまう可能性あり。

*5 レベルが上がるごとに火炎に対して耐性は追加されるようにはなっている。

*6 初期装備の9mmにもガンスリンガーのスキルが適用される。

*7 前作で重傷を負い、失った箇所を機械化したという設定。"髪が無くなった"とネタにされている。

*8 それぞれ武器ごとに少し複雑な"属性"等が設定されていて、"ピストル、ライフル等の武器弾薬ごとに違う「ダメージ属性」"と"斬撃、爆発、火炎、毒等の攻撃後の「追加効果」"がある。これらが全ての雑魚から最終bossも含めた敵Zedへのダメージに影響を及ぼす。例えば、Patriarchは全てのダメージに強い耐性を持つが、"近接攻撃武器"等にやや低い耐性を持つ。

*9 ただし設定でoffにしてしまうと、ヘッドショット判定が分かりにくくなる可能性があり、ヘッドショットを狙うことが前提のこのゲームでは致命的な事態になる可能性もある。