新次元ゲイム ネプテューヌVIIR

【しんじげんげいむ ねぷてゅーぬびくとりぃーつーりあらいず】

ジャンル バーチャルダイブストーリーRPG+ねぷねぷVRイベント

対応機種 プレイステーション4/プレイステーションVR対応
Windows(Steam)※対応VRデバイス:Oculus Rift/HTC Vive/Valve Index
発売・開発元 コンパイルハート
発売日 【PS4】 2017年8月24日
【Win】2018年10月23日
定価 【PS4】通常版:7,344円
Memorial Edition:10,476円
DL版:6,480円(全て税8%込)
【Win】3,090円(税込)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 劣化ゲー
バカゲー
ポイント VR部分は高評価(但し画質はお察し)
エンディングだけが減ったシナリオ
『VII』に輪を掛けて大味な戦闘に
非常に面倒くさいハクスラ
ネプテューヌシリーズ


概要

2015年に発売した『新次元ゲイム ネプテューヌVII』のリメイク作。
リメイク作ではあるものの、シナリオ的には「ゲーム開始時点でゲーム本編(『VII』部分)はあなた(=プレイヤー)の介入で既に復活エンド(トゥルーエンド)を迎えている」という世界観であり、ゲーム本編のシナリオは「当時の出来事をイストワールがゲームとしてまとめたものを遊ぶ」という回想シーン扱いとなっている。
VR対応だが、VRなしでもプレイ可能。なおゲーム中でVRデバイスを使用できるのは名前通りVRイベントのみである。

特徴・システム

プレイヤールーム

  • プレイヤーであるあなたの部屋であり、ここからゲーム本編、VRイベントなどに進むことができ、本編やVRの進行で部屋に設置できるオブジェクトが増えていく。

VRイベント

  • VR訪問
    • 選んだ女神がプレイヤールームに遊びに来る、現状はネプテューヌたち四女神のみが対象(キャラ追加予定なし)。初期では各キャラ3話だったが、現在は無料アップデートで各キャラ10話となっている。
      • なおゲーム途中からVR訪問が可能になるものの、設定上は本編終了後の四女神がやってくる
  • 本編VR
    • プレイヤールームではなくシナリオ進行で発生するイベントで、大人ネプテューヌ(+クロワール)がプレイヤールームにやってくる。こちらは本編の時間軸の大人ネプテューヌがやって来るという内容のため、事実上の回想シーン。

戦闘システム
基本はシリーズお馴染みのキャラ移動式ターン制RPGだが、仕様は『VII』と大分異なる。

  • AP
    • mk2同様に全ての行動にAPが必要となった、逆にAPが豊富にあれば1ターン内に何度も行動可能。
  • コンボスキル
    • 攻撃ごとにコンボを毎回入力するようになり、コンボ特性も削除された。
  • SP、SPスキル
    • 戦闘開始時のSP初期値が固定され、ターン毎に回復するようになった。また超必殺技にあたるエグゼドライブの区分がなくなり、SP消費量が多いスキルとなった。
  • ディフェンドスキル
    • ターンを終了するためには必ずディフェンドスキルを経由する必要があり、ここでガードやカウンターを使用する事でターンが終了する。なにもしない、というスキルもあるが、これもディフェンドスキルの1つとなっている。
  • アイテムスキル
    • キャラ事に使えるアイテムが決まっておりPP(ポケットポイント)というリソースが必要になった。またアイテムと特定の素材を同時に消費する事で、効果を上げる事も可能。
  • 戦闘後に全快するようになった。
  • キャラの行動順の調整
    • 誰が最初に動くかをあらかじめ決める事が可能になり、AGIが遅いキャラを真っ先に動かす事で敵撃破のチャレンジを狙うなどがやりやすくなった。
      • ただし最初に行動したキャラよりAGIが高いキャラは「初ターンを何もせずに過ごした」という扱いになるらしく、先制を取っていても敵に先に動かれてしまう。

ワールドマップ

  • アイテム関連
    • 装備品に「ランク」と「レア度」の概念の追加。所謂ハクスラ要素であり、同じ装備でもランクやレア度で性能やスキルが異なる。
      • なお一般的なハクスラであるアイテムドロップではなく、素材を集めて装備開発によってハクスラを行う。
    • また基本となる「ランク」は本編ではシナリオ進行で、クリア後はランクチャレンジで上げる事が可能。
  • バウンティ―
    • クエストの一種で通常のエネミーよりも強力なエネミーと戦う事ができる。
    • また後述のランクチャレンジ中にはそれ以上のハイリスクバウンティーと呼ばれるモンスターが出現する、こちらはクエストを受注できていても一定以上のランクでないと出現しないものが存在する。
  • 見聞者は1つのダンジョンに送れる人数が2人までとなり、見聞者を送っている時の経験値アップなどのバフ、デバフ効果はなくなった。
  • ルートビルド
    • 新たにショートカットが追加、ただしショートカットには特別な素材が必要であり、またショートカットできるポイントも決められている。

ダンジョン

  • ダッシュの追加
  • 隠し宝箱の条件が各ダンジョン一つのみになり、達成すれば全ての宝箱が見つかるようになった。ただし「敵に見つからずに〇〇回先制」などの面倒な条件は据え置き。
  • ランクチャレンジ
    • ダンジョンに入る時にランクを選択する事でそれに見合ったボスがダンジョンに出現する要素。この時現在のランクよりも上のランクを選択し、既定のボスを倒す事でランクをあげる事ができる。

その他

  • 序盤のイベントの一つにムービーが追加。
  • 通常セーブがなくなり、オートセーブのみになった。セーブは戦闘後やアイテム入手直後などかなり細かいため、ほぼ確実に前回のプレイの直前からプレイ可能。
  • ネプランカーなどの例外を除いてゲームオーバーがなくなり、敗北後即直前のデータで復帰するようになった。
  • スキルを習得するためには規定のレベルまで上げ、(前提スキルがある場合にはそれを習得した上で)資金を払う必要がある。(コンボ、SPスキルなどの種類は問わず)
  • 周回要素がなくなった。これに伴いダッシュ力、黄金の塔内のジャンプ力アップアイテムも削除。
  • フィールドマップ上のエンカウントが削除された。
  • BP
    • レベルアップ等で入手できるキャラ強化用のポイントで、自由に振り分ける事で任意の能力を強化できる。これに伴ってキャラクターチャレンジも特定のステータス上昇からBP入手へと置き換えられた。

評価点

  • VRイベント
    • 概要の通りの事情から四女神はプレイヤーに最初から好意的であり、仲間には明かさない内情を打ち明けるネプテューヌや、初対面のためやたらしおらしい態度のブランなど、見ていて非常に新鮮で楽しめる。
  • 装備の自由度
    • ランクの導入で見た目はいいが性能が低い、という装備を最終装備にする事も不可能ではなくなった。
  • BPの導入
    • これによりキャラの強化の自由度が高くなり、振り直しも自由のため、敵に合わせた強化も可能。
  • ネクストフォームの強化
    • APの導入により、1ターンで変身が可能になり、専用スキルで敵の特殊防御を貫けるようになったため、非常に使い勝手が良いまさに切り札と言える性能となった。
  • フォーメーション、カップリングスキル
    • 『VII』で演出がなかったスキル全てに演出が追加された。「ロ・リサイコウ」などは特に可愛らしいと好評。
      • ただし元の爆発だけだった演出に合わせる形のため、元から演出があったスキルに比べて演出は簡素。
  • 戦闘後に全快するようになったため、難易度が高かったノワール、ブランルート冒頭の難易度が下がり、詰むこともなくなった。
  • 『VII』のDLCの装備品がアップデートで追加
    • ただしあくまでアップデートのため、初期状態のゲームにはほぼ全て存在していなかった。

賛否両論点

  • カウンター格差
    • そもそもカウンター自体が「条件を満たした敵の攻撃を無効化し、特定の技で反撃」という強力なものなのだが、その中でもブラン、アイエフが突出しすぎている。
      • 大半のキャラは「近距離物理」or「遠距離魔法」カウンターしか持たないが(ネプテューヌなど両方持つキャラもいる)、ブランは近距離、遠距離、物理、魔法と細分化されているとはいえ全てに対応できる。アイエフに至っては「全属性カウンター」を持っている。一方でコンパ、ビーシャはカウンター自体を持たないと格差が大きい。
    • だが下記の問題のせいでカウンターの有無はあまり関係ないと感じるプレイヤーも多数存在する。

問題点

戦闘関連

  • コンボスキルの使い勝手の悪さ
    • 毎回内容を決めなければいけないため、テンポが絶望的に悪い。下記の通り各技習得に安くない金が必要であり、大体超次元編まで進めると1ターンでスキル一発分のSPを回復できるようになるため、それ以降はコンボ自体が産廃と言われていた程。
  • APがある限り行動できる、という事はAPさえあれば必殺技級でも連発できる上、戦闘後全快の関係でリソース管理も不要と、必殺技をぶっぱしているだけで本編クリアまでなら雑魚戦は楽勝なバランス。
    • 特にロム、ラムは必殺技の範囲が広い上、APに補正がかかる装備もあって必殺技2連発で雑魚を蹂躙できていた。
      • このため上記のカウンターは強力だったのに、それにAPを使うくらいなら殴った方が早い、と評価が微妙だった。
    • だがアプデでSPスキル全般のダメージにキャップがついて最大ダメージを大きく落とし、最終的に必殺技を使うよりもコンボスキルの方がダメージが出るようになり、今度は逆にSPスキル、特に追加効果がないものが産廃気味になってしまった。
  • 敵のバックアタックが強すぎる
    • 元々戦闘後全快のためか全体的に敵が強めのため、背後を取られたら確実に敗北とまで評される程にダメージが大きい。シンボルアタックの判定が微妙なため失敗する事も多く序盤の雑魚で全滅するプレイヤーが多数発生する事となった。
  • 巨大戦
    • コンボが使えない単調な戦闘や、意味不明なスキル選定などは一切調整なし。それどころか近距離物理カウンターでダーク女神を完封できるようになってしまった。

システム関連

  • 面倒なハクスラ
    • 本作の目玉要素のはずだが、クリア前には素材が集まらない&ランクを能動的にあげる手段がないため、クリア前にやる価値がほとんどない。
    • 装備を手に入れる、ではなく開発する方式*1のため、大量の素材が必要になるが、多量に必要な素材の入手法が見聞者が拾ってくるくらいしか存在しない。
    • ランクが上がると装備の基礎性能も上昇するため、最適な装備を作ろうと思うとランクが上がる度に制作をしなければならない。
      • 流石に少しランクが離れている程度ならば開発しなくても対処可能だが、本作のランクは4桁を超える(上限不明)ため、やりこめばやりこむ程開発に時間を取られる事に。
    • ランクで武器同様敵も強くなるが、武器には上限があるのに対して敵には存在しない。
  • ハイリスクバウンティー
    • チュートリアルで「選んだランクに見合ったボスが出現する」と言われるが、実際は「現在の自分のランク」のボスが出現する、そのためランクを上げ過ぎると気軽に挑む事もできなくなってしまうどころか、毒のスリップダメージなど特定の行動以外で倒すのが非常に困難になってしまう。
  • クリア前にできる追加要素が少ない
    • ランクチャレンジ、ハクスラ、バウンティーなどの追加要素はほぼ全てクリア後がメインであり、本編中にできる追加要素はVR訪問くらい。
  • スキル習得が面倒
    • 序盤~中盤までは安くない資金が必要であり、そのうえ手動で覚える必要があるため非常に手間がかかる。特に数が膨大なコンボスキルは覚えるだけで物凄い資金が飛んでいく。
  • ダッシュ関連
    • 移動速度があがったのはいいが、RPGにもかかわらずスタミナゲージ仕様であり、それでいて敵の速度はダッシュと同等のため、ゲージが切れるとバックアタックを取られる可能性が非常に高いとただ単にエンカウント回避が面倒になった。
      • このスタミナゲージを無限にするアイテムは高難易度であるネプランカー零のクリア特典のため、早くても終盤までゲージに苦しめられる事になる。
    • またネプランカー中はダッシュが使用できず、『VII』に存在した周回プレイの常時ダッシュアイテムがなくなったため、ネプランカーの救済要素がなくなってしまった。
  • ルートビルド
    • ショートカットが追加されたが、これを行うには終盤からクリア後でないと入手できない素材が必要であり非常に手間がかかる。それでいて超次元⇔心次元を繋ぐような劇的なショートカットはなく、せいぜいプラネテューヌ⇔ルウィー間が便利な程度。
      • そもそも本作ではワールドマップのエンカウントが廃止されたため、本作のマップシステム自体が移動が面倒なだけのシステム以上の価値がない。

シナリオ、VR関連

  • シナリオ
    • 冒頭の通りクリア後の世界観のため、ゲーム冒頭にいきなり小サイズとはいえネタバレ含む画像が多数流れながら、世界を救った事に関する会話があると、完全にプレイヤー置いてけぼりの展開となっている。
      • 公式サイトのあらすじの後半部分でも「世界を救われ日常を取り戻した女神たちが~」と女神たちとの交流がクリア後だという事は理解できるが、ゲーム本編が回想扱いで、冒頭からクリア後の世界であることは一切触れられていない
    • 元々うずめがメインであり、ネプギアとユニがやたら活躍する一方で、うずめ同様主人公であるはずのネプテューヌやメインキャラのはずの四女神が特に後半の出番が少ないという問題があったが、四女神の活躍が増えるなどのテコ入れは一切されていない。このため本編で4女神以上に出番が多いネプギア、うずめ、ユニの3人にはVRで関わらないと中々に頓珍漢な事になっている。
      • 本作のOPはVRのOPと言える内容で四女神+大人ネプテューヌメインであり、本編でメインのうずめすら碌に映らないのだが、本編に変化がないため、OPと本編の差異が『VII』以上に広がっている。
    • 更に本編が回想扱いのため、復活エンド以外のエンディングが削除された
      • 元から評判が微妙な悪堕ちエンドはともかく、ノーマルエンドにあたる成仏エンドは評価が高かったが、見る事が出来なくなってしまった。これに伴ってイベントCGも削除。
    • エンディングを減らしている一方で本編で追加されたのは、上記の世界を救った事に関する会話*2と、序盤のイベント1つにムービー、イベント2つにCGがついただけ、つまりイベント自体は一つも増えていない。サブイベントの方も追加イベントがないため、シナリオ面に関しては純粋に劣化している。
+ ネタバレ注意
  • 本作のラスボスは元々悪になった経緯が非常に不幸であり、1キャラとしての評価も高く、救済が望まれていた。
    • だが本作のVRイベントにて「大人ネプテューヌが彼女を幾度となく説得していた」「彼女も大人ネプテューヌと過ごすのを悪くないと思っていた」という救済されそうな設定を追加したうえで、復讐心そのものだから、最初から説得しても無駄だったという誰も望んでいない設定が追加された。
    • 『VII』のシナリオでは「大人ネプテューヌは黒幕に従うフリをしつつ、黒幕とクロワールを欺いて味方を支援していたものの、バレて殺されかける」という流れなのだが、上記の通り本編はそのまま設定だけが追加された事で、黒幕の大人ネプテューヌに対する情は一切描写されないため*3、不要になったら無慈悲に消そうとしてるとしか見えず*4、更に騙しているはずのクロワールが傍にいる状態でプレイヤーに説得している話題を振るという矛盾だけが増えてしまっている。
      • そもそも説得されても今更止められない、ならともかく、情を覚えるくらいには心が残っているのに最初から説得しても無駄だった、というのも変な話である。
  • VRイベント
    • VR訪問の内容自体は好評なものの、本編の途中から見る事ができるにもかかわらず、四女神は「自分たちをハッピーエンドに導いてくれたプレイヤー」という体で接してくるため、違和感がある。
    • 本編VRは本編途中で必ず何度も差し込まれるため、ゲームが止まってしまいテンポを削いでくる。
    • VRイベントも本編VRも内容は決まっており、フリーモードの類が存在しないため、キャラを自由に眺めたりポーズを取らせるなどすることはできない。
    • プレイヤーがその場から動かない事を前提としているため(そもそもPSVRを使用しないと動けない)、各キャラは初期位置にいるプレイヤーに向かって話しかけてくる、つまり動いても目線がこちらを追ってくれたりしない。

その他

  • バグ
    • 強制終了がとにかく多発する、特に戦闘中やリザルトでの強制終了が多い。オートセーブのため被害は少なめだが…。
    • 他にもジャージワンピ装備中のみ「ねぷねぷコンビネーション」でネプテューヌが地面に沈む、本来強敵の八十禍津日神のHPがそこら辺の雑魚以下になっているなどのバグが存在する。
  • クリア後のオマケボイスやキャストコメントが削除された。
  • 周回プレイがない、イベント回想こそある分四女神オンラインよりはマシだが、周回する事でダンジョンに落ちている開発素材回収、といった事もできなくなってしまった。
  • 『VII』ではフレームレートは可変60fpsだったが、固定30fpsに変更された。新エンジンに移行したことが原因だが、明らかな劣化である。
  • DLC
    • 有料DLCの大半が四女神オンラインの武器。武器の種類を流用できる四女神(ブランは杖をハンマー扱いで使用)・ロムラム・大人ネプテューヌはDLC武器を使えるが、それ以外の仲間キャラ(16人中9人)には一つも配信されていない。
    • 『VII』の有料DLCだったメーカーキャラたち5人が未登場。2020年3月19日発売のswitch版『VII』には普通に配信されたため、本作での配信は今後もないと思われる。

総評

「リメイクなのにクリア後」という無茶過ぎる舞台設定のせいで、初見プレイヤーには「ゲーム開始時にいきなり世界を救った人扱いをされる」違和感があり、逆に『VII』クリア済みのプレイヤーにはゲームクリアまでの追加要素の少なさから「本編中に出来る事もシナリオも『VII』の劣化気味で飽きる」とかなりチグハグな作品。
VRこそ好評なもののそのVRを除けばシステム面は『VII』より優れているどころか面倒になった事が否めず、キャラゲーとしては『VII』よりも確実に劣化しているため、VRイベントに興味がなければ『VII』の方をプレイした方が現状はいいだろう。

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最終更新:2021年02月17日 19:18

*1 一応手に入れる手段もある

*2 厳密にはこれも本編に突入する前の会話だが

*3 悪くないと思っていた、というのは後日黒幕に関係深い人物から聞いたものを、大人ネプテューヌの口から又聞きするだけのため描写が存在しない

*4 VRの会話を聞く限り大人ネプテューヌにも同じように見えていた可能性が高い