クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!

【くらっしゅ ばんでぃくー ぶっとびさんだんもり】

ジャンル アクション



対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows(Steam)
Nintendo Switch
発売元 PS4 Sony Interactive Entertainment
One/Win Activision
Switch セガゲームス
開発元 PS4/One Vicarious Visions
Win Iron Galaxy
Switch Toys For Bob
発売日 PS4 2017年8月3日
One 2018年6月29日
Win 2018年6月30日
Switch 2018年10月18日
定価 5,292円(税8%込)
再販版 PS4 2018年8月2日
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
劣化ゲー
ポイント 初期3作を北米版準拠でリメイク
操作の快適性は低下
オリジナル声優はほぼ集結
『1』『2』にもタイムアタック追加
元作に反していい加減なローカライズ
リマスター目線で不評、新作目線なら良作
クラッシュ・バンディクーシリーズ


概要

初代PSの人気アクションゲーム『クラッシュ・バンディクー』『クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!』『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周』の3作品を一本にまとめたリメイク作。
ただし、ベースは北米版であり日本版独自の要素は無い*1だがパプパプの体力等、日本版から逆輸入された点もある。
また、欧州版にあったTNT箱などのカウントが早い仕様や、敵の数や一部の敵の仕様が違うという事も無い。
当初はリマスターとして開発されていたが、開発コードの関係上リメイクとして作り直すことになった。
ただあくまでリマスターであることを意識して「リマスタープラス」という名目で宣伝されている。

実に『フェスティバル』から11年*2ぶりの新作であり、人気の高い初期作のリマスターとあって発売前から注目を浴びていた。

開発は『アドバンスシリーズ』や『ニトロカート』を手掛けたActivision傘下のVicarious Visions。


評価点

  • 『2』以降に登場したヒロインのココが3作品全てで操作可能になった。
    • ただし、一部の乗り物ステージやボスステージでは使用できない。
      • 例外としては『3』の飛行機ステージのみココでも「げきついおう オレンジバロン」と「くぐれ!クラッシュ」で操作可能。その後アップデートで逆に「コルテックスの ひこうせん」をクラッシュで操作できるようになった。
    • アクションはクラッシュと同じものだが、細かいモーションに違いがある。また、やられモーションにも違いがあり、クラッシュよりはマイルドで体がバラバラになったりはしない。
    • さくれつ!魔神パワー』でも使用可能だったが、可能なアクションがほぼクラッシュの劣化であったため、評価はあまり良くなかった。
    • なお『3』のタイム・ネジネジマシーンを使って『1』『2』の世界へ行ったという設定のためストーリー面での矛盾は無い。
  • 『1』『2』にもタイムアタックが実装された。
    • これに合わせて『2』のアクションにスピードシューズが追加。
    • 完全クリアはPS版同様ダイヤの獲得のみでOK。『3』とは違い完全におまけ要素である。
    • 『3』同様にスタッフ記録もある。
  • 『1』の様々な仕様が『2』『3』に合わせられた。
    • マップ画面で自由にセーブできるようになった。
      • インタフェース統一のためか全ての作品でL2ボタン(One版ではLT、Switch版ではZL)によるセーブとなっている。
    • 死亡しても壊した箱が復活せず、箱のカウントが0にリセットされなくなった。ただし、カラーダイヤを持つステージで獲得するには一度も死亡してはならない。
      • 『2』『3』同様、ゴール手前にパーフェクトダイヤの入った大きな透明の?箱が登場。カラーダイヤの場合、1度でも死亡するとデザインがブロックに変わってしまい、全部箱を壊していてもダイヤを出さなくなる。
      • ちなみに、ゴール後のパーフェクト演出は残っている。
    • ミスし続けるとC箱(チェックポイント)が増えたりアクアクが付いてくる。
    • ボーナスチャレンジの箱がカウントされるようになり、パーフェクトの条件の1つになった。
      • セーブ方式の変更によりボーナスチャレンジの存在意義が無くなったための変更と思われる。
      • 3枚プレートを集めると3枚目の近くにある足場が実体化し、そこに乗ることで行ける。失敗しても何度でも挑戦可能。
      • パーフェクトにはタウナステージだけでなく高難度のブリオ、コルテックスステージの箱も全て壊さなければならない。ボーナスステージでの死亡はカラーダイヤ取得に影響はないので安心を。
    • 『3』に合わせ、シマ箱を1回踏むとリンゴが2個出るようになり、ステータス表示やゴール前の透明?箱で箱の総数が表示されるようになった。これは『2』も同様。
    • 一直線だったマップだが、最初のステージと最後のステージの間をワープできるようになった。
    • 残機がセーブデータに保存されるようになった。
  • その他便利になった要素
    • 『2』『3』でも、ボーナスチャレンジの入口がチェックポイントになった。
    • !ブロック(緑)の仕様が『さくれつ!魔神パワー』と同じになり、現在地から遠くにあるニトロ箱の近くにある箱も爆風で壊してくれる。
    • 『2』の加速床には入りに印がつけられ、分かりやすくなった。
    • 追って来る大岩が箱を飛び越さずに壊してくれるようになった。ただし、道の端にある箱はスルーしてしまうことも。
    • 『2』でワープルーム1階の下に秘密のワープルームが設置され、いつでも行けるようになった。
  • リメイクとなったことでグラフィックはかなり綺麗、そしてリアルになった。
    • クラッシュがふさふさになっていたり、パワーストーンが激しく光を発していたり、パパぐまがリアルになって怖さが増していたりなど。
    • ただし、全体的に色がやや淡く、『さくれつ!魔神パワー』以降のPS2作品のようなデフォルメの効いたカートゥーン調になった為、PS作品のような描き込みや色使いの緻密さに基づく写実性とは方向性が異なる。
    • また、細かい動きの描写ができるようにもなっており、敵の動きもリアルになっている。
  • 声優は『さくれつ!魔神パワー』から度々変更があったが、エヌ・ジンを除き全てPS版と同じ人が担当している。
    • エヌ・ジンの侍口調やエヌ・トロピーのルー語口調もそのまま。
    • ただし、当時と比べてテンションが落ち着いたキャラが多い*3
      • 一応よりリアルな質感になったキャラ達に合わせて抑揚を抑えたとも取れる上、コルテックス役の飯塚昭三氏に至っては80歳を越えた御高齢の上での再演なのでやや仕方ない部分がある。一方で『2』のOPでの高笑いは健在であった。
  • DLCによるステージの追加
    • どちらも没ステージからの採用で難易度も高め。当初は有料だったが、現在は無料でダウンロード可能。ボーナスエディションでは初めから付属。
    • 「あらしのしろ」(Stormy Ascent)
      • PS版で収録されていた「あらしのこじょう」は製品化にあたり没となったステージを易化したもので、ただでさえ難しいステージの高難度版があったとして長い間幻のステージだった*4
    • 「きんみらいステージ」(Future Tense)
      • 初代で没となった滝を上るステージをベースに作成されたステージ。
      • ワープルームのボタンが31になっているが、『3』の2つの隠しステージは実はナンバリングされていない。
      • 動くビームフェンス、ミサイルを打ち続けるMTAT、無限湧きするメタルニックなど、敵や仕掛けに新しいパターンが登場。
      • 『2』のようにドクロコースにも箱がある。
  • 原作が初代PSとはいえ3作品のフルリメイクで約5,000円の価格はお得だろう。

賛否両論点

  • タイムアタックの目標タイムは練り込まれているのだが、やや過剰であり、「プラチナレリック*5」の獲得が難しいステージが多い。これを「やり甲斐がある」ととるか、「いくら何でも厳し過ぎる」ととるかはプレイヤーによる。
    • PS版に存在したタイムを縮めるテクニックが軒並み削除されているのも難易度を上げている要因だろう。
    • 一方でPSNのプレイヤーランキングにはバグ技を利用した記録が蔓延しており問題化している(後述)。
    • 『1』のステージは待つことを要求される仕掛けが多く、早く進まなければならないタイムアタックとの相性が悪い。
  • BGM
    • BGMは概ねPS版を踏襲したアレンジとなっているが、それぞれ『2』のギターや『3』のバイオリンのアレンジが好評なネオコルテックス戦等に対して、明らかに原曲より音程が下がっている『3』のエヌ・ジン戦とアラビアステージの隠しコース等、曲によって評価の差が激しい。
    • 日本版『1』のコアラコング、ピンストライプ、ニトラス・ブリオ、ネオ・コルテックスの4体のボスのBGMは国内向けを考慮して新規に作曲されていたが、本作ではいずれも海外版BGMのアレンジとなっている。
      • ボーナスチャレンジ中に海外版BGMが用いられたブリオ、コルテックスと違いコアラコング、ピンストライプの海外版BGMは日本版では聴く機会がなかった為、『2』のタイトルBGMと合わせてある意味新鮮ではある。
  • 難化要素
    • 『1』の「カメカメジャンプ」は海外版に合わせて全コースの1/3ほど延長。後述の問題点と合わせかなりの高難易度になった。
    • 『1』のカラーダイヤ取得ステージでは、ボーナスチャレンジを失敗してもパーフェクトは満たせるが、通常コースで死ぬと再度ボーナスチャレンジもやり直さなければならなくなってしまう。
      • 特に「ビリビリけんきゅういん」はボーナスチャレンジのパーフェクトが難しいため、通常コース後半で死ぬと辛い思いをする。
      • 「とかげでだいジャンプ」と「ゆうやけのはいきょ」はカラーダイヤにもかかわらず、ブリオのボーナスチャレンジがある。通常コース終盤で死んでしまうと目も当てられない。
    • 敵や仕掛けには予備動作が無くなったり、高速化したり、反応が機敏になったものがある。
      • 例えば『2』の雪山の石柱は落ちる速度が速くなっており、氷床のところではかなり厄介な存在になる。

問題点

アクション面

  • シビアな当たり判定
    • グラフィックが綺麗になったことに合わせ、リアリティのある当たり判定になった。
    • これによって『3』のバイクステージでは、箱に対する当たり判定が小さくなった上に、パトカーの端にぶつかっても停止してしまうようになったりとかなり難易度が高くなった。
    • 足元の判定の仕様が細かくなっており、崖や箱の端の方に着地しようとすると滑り落ちてしまうことがある。また、踏みつけでしか倒せない敵を倒すのもややシビアになっており、ある程度真ん中を踏まないとダメージを受けることも。
    • プレイヤーの攻撃範囲が若干狭くなっている。スピンアタックは上下方向の範囲が狭くなっており、積みあがった箱を1度に壊すのが困難に。タイムアタックでは地味に厄介。
    • 一方で、吹っ飛ばした敵の当たり判定はかなり大きくなっており、近くにTNT箱やニトロ箱があるところで敵をスピン等で倒すと爆発に巻き込まれやすくなっている。
      • 『3』のココマリンでも、ジャンプで横回転すると当たり判定が大きくなり、空中のニトロ箱にぶつかる事故が起こりやすい。
  • ジャンプ力の低下
    • 落下速度が速くなっているため、旧作に慣れた人程違和感が激しい。
    • PS版時点でも難関であった『1』の吊り橋ステージ、特に「カメカメジャンプ」の難易度が跳ね上がっている。勢いをつけて端ギリギリでジャンプしてやっと届くところが見受けられる。更に上記の当たり判定によってPS版のように板一枚分の隙間をそのまま走り抜ける事が出来ず、ジャンプ台であるカメの腹を踏むときに位置によっては滑ってしまい上手くジャンプ出来ないこともある。デフォルト設定でオートセーブになっているのもあり、残機を溜め込んでいても当ステージでの全滅報告が続出している。
      • 勢いをつけて端から飛ばないと届かない地点は他にも『1』『2』で見受けられる。例えば『2』の「ぶっとびサーフィン」の隠しコース序盤の水上のシマ箱など。
    • 開発陣はこれを「難易度の差別化」だと明言しているが、一般に原作に対する忠実性が求められるリメイクに於いてこの開き直りは如何なものか。
  • 操作の慣性
    • PS版よりも操作に慣性がかかっており着地の制御が難しく、慣れないと箱を飛び越してそのまま落下、ということが起こりがち。
    • 乗り物も全体的に操作の慣性が強くなっており、オリジナルよりも融通が利きにくくなっている。元々慣性が強めだった『2』のジェットパックや『3』のスキューバはさらに強くなり、少しの入力でも移動する量が大きく、障害物へ接触しやすい。
    • 特に『3』のバイクステージのウィリー走行は曲がろうとしても最初はあまり曲がらず、段々大きく曲がっていくという独特な操作感になっており、ウィリー維持が難しくなっている。
      • ちなみに開発側も難しさを認識しているのか、プラチナレリックは「こうやのキメキメハイウェイ」以外ではウィリー走行があまりできてなくても取れたりする。
  • ニトロ箱がたまに高く跳ねるようになった。
    • この仕様はPS版では積み上げられたニトロ箱のみに適用されていたが、本作では飛び越える必要があるニトロ箱も高く跳ねるようになってしまった(一方で空中に浮かぶものは跳ねなくなった)。要するに運ゲー化している。
      • 連続で大きく跳ねることはほぼ無いので、大きく跳ねたのを確認してからすぐ飛び越すのが確実。もちろんタイムアタックではそんな事をやってるヒマはない。
  • アイテムに対する当たり判定
    • 無敵時は当たり判定が大きくなるが、体当たり攻撃に限られており、リンゴやプレート等のアイテムに対しては大きくならない。
    • スーパーボディプレスが『3』と違いアイテムに対しての判定がなくなっており、リンゴを集めるのに不便。

演出面

  • キャラのデザイン・モーション
    • ポーラやグリンといった愛嬌のあったキャラクターのデザインがリアル寄りに変更されており不評。
      • 特にベイビーTのデザインはもはや別物と化しており、鳴き声もリアリティのあるものになっており愛嬌が無くなった*6
      • 『3』のヨーロッパステージに登場するケロッパも肌の部分がリアルなカエルそのものなので、苦手な人にはとことん辛い。
    • クラッシュのモーションに「ステージ中で取得したパワーストーンやダイヤを口や耳から出す」といったものがあり、下品だと指摘がある。PS版には存在しなかったモーションのため違和感もある。
      • そもそもカービィでもないのに、尖った形をしたパワーストーンやダイヤを体内に入れること自体が不自然である。
    • ダイヤやレリックを取得した時に踊るダンスがPS版の時よりもテンポが速くダンスが一部変更されている。
    • 『1』にて残った箱がクラッシュ・ココに落ちて来る演出が、箱1個から海外版と同じく残った箱全部になった。
    • クラッシュがウツボやサーベル作業員の投げタイプの攻撃でやられた時にパンツを見せなくなったため(天使化するだけ)、面白みが減った。
      • 『1』ではやられモーションが増加するなど、面白みを増しており、またPS版のやられモーションを全て再現していながら、なぜかここだけ手を抜かれている。
    • ココが乗り物・ボスステージ除く全てのステージで使える関係上、クラッシュが受けたやられモーションをココも容赦なく食らう場面がある。クラッシュ以上に罪悪感を受けることもしばしば。また、製作期間不足だったのか、ココ自身のモデルが大きく変化するであろうやられモーションは殆ど天使化になっている。
      • サーベル作業員にやられても服は脱げない良心的な配慮には国内外問わず多くのユーザーが落胆安心したと思われるが、やられ方は天使化であるのに対しサーベル作業員のあざ笑うかのモーションはそのままなので、これでは猟奇殺人鬼にしか見えない。
      • 続編『とんでもマルチバース』では1つを除いてクラッシュとやられモーションが共通もしくは専用のものが用意され、国内外共に多くの意見が生まれたためか感電時にココの下着が見えるようになり、更には骸骨姿とはいえ下着状態のスキンまで登場した。
  • ステージのデザイン
    • 暗いステージの視認性が悪い。
      • そもそも足場の色が濃い色にされた箇所が多いため、暗めのステージだと見づらい。特に『1』の暗闇ステージは足場が非常に分かりにくい。
      • また、箱も背景の暗さに影響を受けるようになっている。
      • リアルになったことで背景のオブジェによる影が映るため、それが原因で足場等が見えにくいということも。
    • 一応建築当時にタイムスリップしてはいるものの、万里の長城やピラミッドはやたらテカテカしており、歴史的建造物らしさが薄れていてコレジャナイ感はある。
      • それに比べてアラビアステージは壁の各所がボロボロになっており、上記とは違って良い雰囲気を醸し出している。
  • 効果音
    • リアリティのあるデザインに合わせたのか、全体的にPS版より控え目になっており迫力に欠ける。
      • 特に顕著なのが『3』のエヌ・ジン戦。ヒット音がヒットしたのか分かりにくいレベルとなっており、爽快感が薄くなっている。
    • リンゴバズーカは爆発を起こさず、紫色の汁を撒き散らしながら「グチャッ」という効果音にされている。
    • 新しく追加されたSEがどことなく安っぽい。白熊のダッシュ時や、ピカールなど。
  • その他
    • スタッフロールのBGMが全て同じメドレーとなっている。
      • ゲームオーバー画面がウカウカが「ゲームオーバー」と言う、『3』のイメージのものに統一。初登場の『3』までは封印されていて仮面に魂を宿してはいないのだが…。ただし、一応シリーズの黒幕という設定に沿っており、『1』『2』では影がかかっていて仮面が見えにくくなっているように配慮はされている。
    • 大岩などの大きな障害物や、!ブロック(緑)は画面振動を起こすのだが、PS版よりも振動が控えめになっており迫力が薄くなってしまった。
    • スーパーボディプレスは波紋が表示されなくなったため、どの範囲まで潰せるか分かりにくい。
    • 『2』『3』で普通の移動用の足場が何故かボーナスチャレンジのデザインになっているところがある。

ローカライズに関する問題点

  • 本作のローカライズは発売元のソニーではなく権利元のアクティビジョンが担当しており、そのためかPS版と違うところが非常に多い。
    • フォントが『アドバンスシリーズ』や『5』のような普通の角ゴシック体になっている。一方で英数字は世界観に合わせたものになっており、一緒に並べた時にかなり浮いている。
      • もっともPS版における日本語フォントは国内のデザイナーが英語版を参考に新規に書き下ろしたものであり、使えないのは仕方ない部分があるのだが。
    • ロード時のヒントの訳が全体的におかしい。翻訳機に突っ込んだだけとしか思えないレベル。
      • 固有名詞が意訳だったり直訳だったりとチグハグ。例えばドクロコースが「しのみち」、鉄ワク箱が「ロックされた箱」と訳されている。他にも『3』のスーパーボディプレス習得時の説明文ではタイトルに技名が書かれているにも拘らず「もっとつよいベリーフロップをおこなうには」と唐突に本編で聞いたことすらない単語が使われており、違和感が激しい*7
      • TNT箱をニトロ箱と訳してしまっているため、ニトロ箱が登場しない『1』では「ニトロ箱はスピンではなく乗って壊せ」という何もかもが滅茶苦茶なヒントが存在する。
    • ステージ名は変更がないがボスステージは肩書きが無くなっている。
    • 『1』の「あらしのこじょう」と「ゆうやけのはいきょ」の名前とステージが一致していない。
      • 日本PS版では難易度の配分調整の為に両ステージの配置を入れ替えていたが、本作では海外版準拠で収録された。しかし名前だけ入れ替わっており逆になってしまっている*8
    • DLCステージの日本語名がやっつけ仕事。
      • 「Stormy Ascent」は「あらしのしろ」となっている上、DLC販売タイトル名が「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり! あらしのこじょう」であり非常にややこしい。
      • 「Future Tense」は「きんみらいステージ」となっている。仮名としか思えない。
  • ボイスについて
    • ボイスは評価点に述べた通りだが、掛け声は海外版と同じでありかなり違和感がある。
      • 『5』でもプレイ中のコルテックスやボスなどの掛け声は海外版と同じだったため本作で始まった話ではない。
      • クラッシュの声も掛け声扱いなのか、山口勝平氏のボイスが一切無い。ただし『3』のタイトルコールは山口氏のクラッシュの声が聞ける。
    • PS版から仕様変更になったにもかかわらず、セリフがそのままになっているミスがある。
      • 『2』のパワーストーンのはまる位置はステージ入口の左側に変更されたが、コルテックスは上部と言ってしまう。
      • セーブ方式が変更になったにも拘らず『3』でアクアクが「セーブしたいならセーブスクリーンの前に立て」とPS版のまま言ってしまう*9
    • PS版で好評だったアクアクのフルボイスのヒントが海外版同様一切無い。一応、ロード画面にヒントが表示されるのだが、口調が淡々としており味気ない上に、HDD保存などロードが速い機種だと数秒しか表示されずまともに読めない。
      • 各ステージのカラーダイヤ関連や隠しルートのヒントは、そのステージに入るときに表示される。ただし、『3』の隠しステージに関するヒントはPS版同様無し。
    • セリフがPS版よりも少なくなっているキャラがいる。
      • 『1』のブリオの「近寄るな!」というボイスが無い。
      • 『2』『3』共にエヌ・ジンのセリフがPS版と比べるとやや削られている。

その他の問題点

  • バグ
    • 横スクロールステージのトラップを裏世界を経由して丸々スルー出来たり、ステージによって内容が異なるが主にタイムアタック中に移動用の足場に乗ったタイミングでポーズ画面を開き「やりなおす」を選択し再度タイムアタックを開始する事で、爆弾や炎といった特定オブジェクト、あるいは全ての敵からの無敵状態や計測期間自体が短縮される等、該当ステージの上位タイムランキングはこれらを利用した記録で席巻されており大きな問題となっている。
      • 現時点で全く対策されていない。
    • タイムアタックに関わらない物でも足場と隣接したトラップで死亡しながらボーナスチャレンジに入る事で、復活後のステータス表示がおかしくなる等、全体的に移動の読み込み時に起きるバグが多い。
    • 乗り物ステージにて、操作が全く利かなくなることが稀に起こる。
    • タイムストップ箱を壊して時間停止が解除されるときのSEが稀に非常に大きくなることがある。イヤホンだと耳に悪い。
  • アップデート前の問題点
    • 起動時のデモがスキップできない。
      • 凝った演出で初見時は感動するが、何度も起動していると煩わしくなってくる。
    • ロードに時間がかかる。
      • PS版が短かったので余計に長く感じてしまう。タイムアタックのやり直し時などPS版に無かったタイミングでもロードが発生するため、かなり煩わしかった。
    • ↑ブロックでスピンすることで止まることができる技が使えない。『1』はこれありきのギミックもあったため、難易度が大幅に上昇していた。
    • ディンゴダイルの敗北時のセリフの不足。

総評

20年前の名3部作を比較的忠実にリメイクしたものなので、ゲームの出来は依然として高い。
ただし、操作性や(元が破格の丁寧さだったとはいえ)粗の多いローカライズといった劣化点は、長年ノーティドッグ制作の原作をやり込み、『クラッシュ』シリーズを愛したファン程違和感を抱くだろう。
一方で美麗化されたグラフィックや一部システム変更等の改善点、ココのプレイアブル化、タイムアタックといった追加要素等は少なからず原作ファンにも満足出来るだろう。
賛否両論こそあるものの、懐かしくてプレイしたい人・初めてプレイする人どちらにもおすすめ出来る一作となっている。


余談

  • 本作は発売後約1年半で、全機種トータル1000万本もの販売を記録。何と当時の『クラッシュ』シリーズの売上記録を22年目にして更新してしまった。
  • パッケージ絵は海外版と同じ構図だが、クラッシュのデザインのみ日本版オリジナルとなっている。
    • ちなみにクラッシュの指の数は海外版は4本だが、日本版は親指に隠れていて分かりにくいが5本になっている*10
  • 『1』のステージ入れ替え以外にも、海外版準拠によるPS版との違いが存在。
    • 爆弾箱のデザインが爆弾アイコンではなく「TNT」になっていたり(ニトロ箱も「NITRO」表記)、『3』の巨人作業員が双頭になっている。
    • 箱の配置も同様で、アクアクのヒントがあった日本版では禁じ手だった、アクアク箱とTNT箱が隣接している場所がある。
    • PS版で設置されていた1upプレートが無いところがある。
  • ゲームを進めていくと一部のステージの背景にニセクラッシュが登場する。
  • 『2』のあるステージの通常ルート上空に見える赤ダイヤは、後に出現する隠しルートをクリアして入手するのだが、PS版では特定の裏技を用いる事で通常ルートからでも入手出来た。本作では隠しルートを通らないと入手出来ないよう赤ダイヤが高めの位置にされ、右の台に上らないと見えない。「裏技も再現して欲しかった」と残念がる声もある。
  • 長らくコルテックスの声優を務めた飯塚昭三氏は次回作の『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』には出演しておらず、 2023年2月15日に死去したため飯塚氏が演じるコルテックスが登場するのは本作で最後となった。

他機種版

  • PS4版の他にもOne/Switch/Win版(Steam)も発売。日本での発売元はSwitchがセガゲームス、One/Win版がActivision。発売元が機種によって大きく違うのは珍しい*11
    • 上記3機種版はアップデートパッチ&DLCステージ2つが適用済み。これに合わせて2018年8月2日にPS4版がボーナスエディションとして再販された。
    • Win版はSteamの販売ページでの記載は「字幕のみ日本語」となっているが、実際は音声も含めて全て日本語化されている。スペックさえ満たせば60fps化も可能。
      • さらに、非公式ではあるが有志の手によりPS1版風を再現したフォントや、前述の「あらしのこじょう」と「ゆうやけのはいきょ」の入れ替わりミス等を修正したMOD等も存在する。
  • PS4版限定で『2』のオープニングムービーで隕石にNaughty Dogのロゴマークがあり、ココのノートパソコンの画面に『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の映像が映っている。
    • 他機種版だとNaughty Dogのロゴマークは無く、ココのノートパソコン画面には『1』のオープニング映像が映っている。
    • また、セーブorロード画面でPS4版のみPSのメモリーカードのイラストが表示される。他機種版はクラッシュのアイコンが表示される。
  • Switch版ではスペックの問題なのか、一部ステージにある背景の氷やガラスが反射して映らないようになっている。この影響で、Switch版の『3』の「きんみらい ステージ」では箱の配置が他機種版と比べて1ヶ所だけ異なる。

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最終更新:2024年01月03日 01:26

*1 日本のPS版で使用されていたテーマ曲「クラッシュ万事休す」なども無し。

*2 海外でも『Mind over Mutant』から9年。

*3 キャストの変更があったエヌ・ジンは逆にテンション高めになっている。『がっちゃんこワールド』に近い。

*4 海外PS版では没データとして残っている。

*5 実績機能の「トロフィー」と被るからと言う理由により、「トロフィー」から「レリック」の名称に変更になった。ちなみに海外版は元から「Relic」の名称だった。

*6 PS版のベイビーTの鳴き声は日本版と海外版で異なっており、海外版の声に近い

*7 「ボディプレス」のオリジナル名が「ベリーフロップ (Belly Flop)」である。そのまま訳すなら「腹打ち飛び込み」といったところ。

*8 このミスのせいか、本作のPSテーマの一つが「サンセットビスタテーマ」と読みの名前で配信されている。

*9 このミスは海外版も同様。

*10 ちなみに余談だが、本物のミミナガバンディクートの前肢の指は3本づつであり、4本でもエヴォルヴォレイで指が増えたことになる。

*11 海外ではどの機種でもActivisionが発売元であるが、Activisionの日本法人がないため日本ではこのよう事になっている。