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フィギュアヘッズエース

【ふぃぎゅあへっずえーす】

ジャンル ストラテジックシューター
(サードパーソンシューティング)
対応機種 アーケード
発売・開発元 スクウェア・エニックス
稼働開始日 2017年6月21日
OP価格 5,000円(筐体・サーバ使用料別)
判定 なし
ポイント 家庭用からルールをマイナーチェンジした移植作
新ブランド「師木島重工」の初出作
細かなゲームバランスは変化したものの、新鮮味は薄め
ゲーム性は評価されるも山積するゲーム性以前の問題で評価を落とす
備考 2018年8月31日サービス終了

※本記事は2018/01/11のアップデート「Ver1.08.00」を基準に執筆されています。



概要

スクウェア・エニックスの手がける、「『シューター』(TPS)と『ストラテジー』(RTS)の要素を融合させた新しいジャンル『ストラテジックシューター』」を自称するサードパーソンシューティング『フィギュアヘッズ』(以下、家庭版)のアーケード移植バージョン。
基本となるシステムは共通しているが、バトルのルールなど、細かな仕様が家庭版から変更されたアレンジ移植版となっている。

キャッチコピーは「キミとなら 負ける気がしない」


ゲームシステム

  • 基本的には家庭版を踏襲しているが、主にバトルのルールを中心に変更が加えられている。
    (家庭版から変更された要素は 赤文字 で表記する)

機体(2foot)構築

  • プレイヤーと、随伴する僚機が操作するロボット 「2foot」 (ツーフット)は、骨格となり機体の兵種(後述)と装備可能な装甲・武器を決定する「フレーム」を中心に、機体の打たれ強さを左右する「装甲」、戦闘で使用する「武器」、そして機体に特殊能力を付与するAI「フィギュアヘッズ(FH)」で構成される。
    • 兵種毎に装備可能な装甲のカテゴリが「重量級」「中量級」「軽量級」に分かれており、『アーマード・コアシリーズ』や『ボーダーブレイク』のように、カテゴリをまたいで装甲を装備することはできない。
    • 装甲の防御力には「装甲値(実弾への耐性)」「耐熱値(爆発への耐性)」「耐光値(光学兵器への耐性)」の3種類があり、装甲値はパーツ名称が同じでも部位ごとに異なる値が設定されている*1が、耐熱値・耐光値はパーツ名称が同じなら各部位で同じ値となっている。
    • 企業によって各種防御力と重量のバランスに違いはあるものの、装甲カテゴリの傾向として「装甲値は重量級が高く軽量級が低い」「耐熱値は軽量級が高く重量級が低い」「耐光値は重量級が高く中量級が低い」という塩梅となっている。
    • フレームには「積載重量」が設定されており、積載重量の余裕を確保するほど「重量ボーナス」を得る事ができる。重量ボーナスを得るほど機体の移動速度や旋回速度にボーナスがかかる。
      逆に、重量ボーナスが低い(積載重量に余裕がない)ほど「安定性」を得ることができる。安定性が高いほど、射撃時の姿勢が安定して弾道が収束するようになり、照準がブレなくなる。
  • 兵種は6種類。装甲のカテゴリごとに二種類の兵種が用意されている。
+ 兵種一覧
  • アサルト (AS)
    • ゲーム開始時の初期機体に設定されている兵種。中量級。
    • 装備可能な武器が幅広く、中~近距離にまんべんなく対応できる汎用性が特徴。ホーミングミサイル・ロケットランチャーなど爆熱系武器を幅広く揃えるため、対重量級の役割も期待される兵種。
  • サポート (SP)
    • ゲーム開始時の僚機に設定されている兵種。中量級。
    • 特殊装備に「リペアキット」「サプライキット」を装備できる唯一の兵種。攻撃面では爆熱系武器が装備できず頼りないが、リペアキット・サプライキットで範囲内の味方の耐久値・装備弾薬を回復することができる。
    • 通常、援護拠点でしか回復できない耐久値・弾薬を前線で補充できるようにするという唯一無二の役割を持ち、前線の粘り強さに貢献する、文字通りチームの支援を担当する兵種。
  • ヘヴィアサルト (HV)
    • 重量級。
    • 「機動力を引いて火力を得たアサルト」といった立ち位置の機体で、専用武器のガトリングガン・ツインホーミングミサイルの火力はゲーム中でも屈指のレベル。射撃武器に対する耐性も強く、直接戦闘においては最強の兵種と言ってもいい。
    • しかし重量級装甲の「爆熱系に弱い」という特徴から、グレネードやロケットランチャーを受けると中量・軽量以上の大ダメージを受けてしまう。
    • 拠点争奪時のライン構築、ソルジャーの排除、コアシップへの攻撃と様々な役割を期待される兵種であり、アサルトに並んで重要度は高い。
  • ストライカー (ST)
    • 重量級。
    • 着弾地点を専用の画面で指定し、上空から砲撃を加えるストライカー固有のメイン武器・キャノン砲を最大の強みとする兵種。長距離から、遮蔽物を無視して相手のカバー裏や拠点に砲撃を叩き込めるため、相手を遠距離から一方的に撃破したり、サポートの設置した各種キットを破壊して相手の行動を妨げたりと、いやらしい動きが可能。
    • 反面、キャノン砲以外の武器は貧弱なハンドガン・サブマシンガン程度しか装備できず、直接戦闘は全兵種の中でも苦手な部類。良くも悪くも前線から一歩引いた立ち位置で真価を発揮する兵種。
  • エンジニア (EN)
    • 軽量級。
    • 特殊装備の「設置レーダー」により、味方のレーダーの索敵範囲を広げることができる。
    • 専用装備のレールガンは「静止・歩行中にチャージゲージが充填され、チャージゲージの残量によって威力が変動する」という特殊な武器。最大チャージ時には高い威力を発揮する他、コアシップのコアに対して専用の威力補正がかかり、大ダメージを期待できる。
    • また、「拠点の占拠速度が速い」という固有の特徴を持ち、この特徴と機動力を生かした「裏取り(バックドア)」戦術も強み。
    • しかしレールガンはチャージの一手間から直接戦闘には向かず、軽量級の宿命で打たれ弱いため直接戦闘は苦手。
  • スナイパー (SN)
    • 軽量級。
    • 長射程の固有武器・スナイパーライフルにより、相手の射程範囲外からの攻撃を可能とする兵種。スナイパーライフルは火力が高く、フレームやコアを射抜けば一撃で敵2footを瀕死に追い込める。
    • しかしスナイパーライフルは射撃属性故に重量級には通じにくく、加えて本作にはいわゆる「ヘッドショット」が存在しないため、一般的なFPS・TPSに比べて「一撃で相手を仕留められる」局面は意外に少ない。
    • さらにエンジニア同様に正面切っての戦闘は不得意なため、直接的に拠点争奪には参加しにくい。このため、漫然と使っていると「キル数でスコアは稼いだが、勝利にはほとんど貢献できなかった」という結果になることも。
    • 余談だが、兵種の名称こそ「スナイパー」ではあるが、ゲームにおいて求められる役割としては「狙撃手」というよりは「選抜射手(マークスマン)」に近い。
  • 装甲には「NORMAL」「SPORTS」の区分が、武器には「店売り」「迷彩」「ハイエンド」の区分がある(後者はプレイヤーからの俗称)。
    • 「NORMAL」は装甲は厚い傾向にあるが、重量が重くサイズが大きいためヒットボックスが大きくなりやすい。
      「SPORTS」はNORMALより装甲は薄いものの、重量は軽くサイズ小さめで、NORMALよりフレームを防護するような形状になっているものが多い。
      SPORTSの方が高価で入手難度が高く総合して高性能ではあるが、「NORMALの完全上位互換」というわけではない。
    • 「店売り」「迷彩」「ハイエンド」は、右に行くほどに性能は高く、入手難度は高くなる傾向にある。
    • 家庭版の「アップグレード」は廃止され 、すべての装甲・武器の性能は家庭版のGrade10(最大強化)と同一の性能となっている。
    • 装甲のパラメータをカスタマイズするパーツ「内部装甲」は実装されていない。
  • 機体の頭脳となるフィギュアヘッズは装備必須ではないが、装備することで機体を強化する「スキル」を4つ2footに付与することができる。
    • FHは戦闘で得たSPを消費して兵種毎に用意された汎用スキル「コモンスキル」を習得でき、3つを選んで装備できる。
      また各FHは固有の「ユニークスキル」をひとつ初期から持っており、ユニークスキルはコモンスキルよりも強力・個性的な能力を設定されている。
    • フィギュアヘッズは「機体の操作を補助する人工知能」という設定であり、戦闘中に戦況やプレイヤーの行動に応じて喋る。 キャラクターもそれぞれ個性的に設定されており、「任務に忠実な熱血の気がある軍人」「弱気な性格の清楚な少女」「強気なのじゃロリ」「下手な女性より女子力の高い『男の娘』」「主であるプレイヤーにさえ強気な態度を崩さないツンツン系」など、様々なキャラクターが実装されている。
  • 各パーツ・FHには製造した企業が設定されており、各企業の掲げるコンセプト毎に性能の傾向が決まっている。
    • GIW(ゴードンアイアンワークス) は打たれ強い装甲と、火力と装弾数・所持弾数に重点を置いた武器が多い。重量は総じてかさむ。FHのモチーフは「軍人」。
    • サリオ は武器・装甲ともに軽量なものが多い。反面装甲は打たれ弱く、武器は攻撃性能が低め。FHのモチーフは「アイドル」。
    • NNR(ネオニューロン) は武器・装甲ともにバランス重視で、ハイエンド武器は射撃の精度に特化したモデルが多い。FHのモチーフは「モータースポーツ」。
    • Z&S(ザンデルアンドサンズ) はGIW同様重量はかさむが、装甲ならば防御力、武器ならば攻撃力により特化した製品が多い。FHのモチーフは「ラテン文化」。
    • PO(パブリックオーダーズ) はサリオ同様軽量さを重視する傾向にあり、武器は連射性能や命中率に優れた扱いやすいモデルが揃う。FHのモチーフは「警察組織」。
    • カルテル は武器・装甲ともに尖った性能のモデルが多く、総じて「ハイリスク・ハイリターン」な、Z&S以上に癖の強いピーキーな性能が特徴。FHのモチーフは「裏社会」「マフィア」。
    • 師木島重工 は『エース』初出の新企業。「もとはサリオの下請けで、サリオの製品をライセンス生産していた」という設定からサリオ製品に近い性能。装甲は軽量ながら打たれ強くなったが、爆熱系への耐性は全企業ワーストレベルで低い。武器はNNR同様バランス重視の傾向があるが、NNRに比べると攻撃面を重視した性能のものが多い。FHのモチーフは「日本 の萌え 文化」。
    • バベル・コンストラクション は家庭版から登場する勢力のひとつ。「鹵獲した2footに独自のカスタムを施して戦力として運用している」という設定があり、既存の装甲のカラーリングと性能を変化させた「バベルブラック」と呼ばれる装甲を手掛ける。
      既存パーツの上位互換的な強力なパーツが揃うが、後述のACEコインか戦闘報酬でしか入手できず、ACEコインも大量に要求される。
  • 2footは一般的なFPS・TPSのようなヘッドショット判定が存在しない*2代わりに、装甲に覆われていないフレームを攻撃されると大きなダメージを受ける。また、背中に露出している「2footコア」を攻撃されると、フレームを攻撃された時以上の大ダメージを受けてしまう。
    • そのため、装甲を選ぶ際はスペックだけでなく、「フレームやコアをどれだけカバーしているか」も考える必要がある。
    • 近接武器を装備した状態で、相手の2footの背後から攻撃を仕掛けると専用のモーションとともに相手の2footのコアを一撃で破壊する「バックスタブ」が発動する。無条件で相手を一撃で倒せるが、専用のモーションを取っているときは全くの無防備になるため、基本的には魅せ技の部類を出ない。
  • フレーム・装甲・武器やFHは 戦闘で得られる「素材」と、各企業に対応した「製造書」を消費して製造する形式に変更された。 家庭版と違い、要求する素材と製造書は多いものの、SPORTS装甲、迷彩・ハイエンド武器も製造できる。
    • 家庭版における「ガチャ」要素であった「ガレージロット」は 「クレジットを消費して、戦闘を経由せずにランダムに素材や装甲、武器を入手できる」というシステムに変更されて続投しているが 、SPORTS装甲、迷彩・ハイエンド武器の入手ハードルが家庭版に比べて緩和されたため、家庭版と比較するとそこまで重要なシステムではなくなった。
    • 後に、素材や製造書とは別枠の交換用アイテム「ACEコイン」が実装された。ACEコインは「カスタマイズを経ないでマッチングに入る」「戦闘後の報酬を全て開封する」などの行動で獲得でき、ショップに並んでいない特殊な装甲・武器や、ペイントパターンと交換可能。

戦闘システム

  • 家庭版から大きくルールが変更された。
    • 参加人数は敵・味方合わせて6人。3人でチームを組み、プレイヤーは自機のほかに、AIが操作する僚機2機に指示を出して行動させることができる。
      • 18年1月のアップデートで、午前中などプレイヤーが少ない時間帯*3は敵・味方合わせて4人、2人チームで戦うルールが適用されるようになった。
    • 勝利条件は、敵陣から出現するガンシップ「コアシップ」を破壊すること。家庭版のPvE(対CPU)モード「対空戦」にPvP(対人)要素が加わったもの、と言えばわかりやすいだろうか。
    • コアシップは通常時はバリアを展開して一切の攻撃を無効化するが、各ステージの中央に設置された占拠地点「ポストトリガー」を制圧することでバリアが無効化され、ダメージを与えることができるようになる。同時にポストトリガーを制圧された側のチームのコアシップは前線に移動してくる。
    • コアシップの底部には弱点となる「コア」が存在し、一定のダメージを与えるとコアを攻撃できるようになる。コアを攻撃・破壊することで大ダメージを与えることができ、コアシップのコアを全て破壊するか、コアシップのHPをゼロにすると勝利。
    • コアシップは機銃で攻撃してくる他、コアを閉じるタイミングでマップごとに異なる強力な攻撃手段で反撃してくる。また、コアシップが前線にいても、相手チームがポストトリガーを奪回するとコアシップのバリアが再起動するため、ポストトリガーを奪取した後も占拠している側は奪われないように守り続けなければならない。
    • 制限時間内に互いにコアシップを破壊できなかった場合、その時点でコアシップのHPが多いチームが勝利する。
  • マップにはポストトリガー以外にもリスポーン地点を兼ねる「ピット」と援護拠点「リペアポイント」「サプライポイント」が存在し、援護拠点は制圧することで自軍の拠点として使えるようになる。
    • 拠点の上に立つことで、リペアポイントは機体の耐久力を、サプライポイントは所持弾薬を高速、かつ大量に補給してくれる。
    • ピットは耐久力・所持弾薬の両方を回復できる他、ピットの上でアクションボタンを長押しすると自機を編成画面で設定した予備機「リザーブ」に切り替えることができる。
    • 『エース』の追加要素として、 「ソルジャーゲージ」と「増援」がある。
    • ソルジャーゲージは各援護拠点のアイコンを囲むように配置された円状のゲージで、これが満タンになると増援となるCPU機体が拠点付近に出現すると同時に、増援のレベルが1上昇する(最大3)。増援はレベルが上昇する毎に強力となる。
    • Lv1では、アサルトライフルを持った2footが1体出現し、1拠点につき最大4体がステージに常駐する。拠点付近から全く動かないが、接近する敵機に対して反撃を行う。装備は貧弱だがエイムは正確で、スペック以上に攻撃力は高い。
    • Lv2では、キャノン砲とハンドガンを装備したストライカーが1体出現。1拠点につき最大2体がステージに常駐する。Lv1と同じく拠点付近から全く動かず、射程圏内に入った敵に対してキャノン砲で砲撃を行う。キャノン砲の精度は悪くダメージもそこまで高くはないが、中~軽量級は砲撃でよろける危険性がある他、各種キットが破壊されることもある。
    • 最大となるLv3では、特別仕様の重量級2foot「ソルジャー」が出現。ソルジャーは耐久力・装甲・火力の全てにおいてプレイヤー機を上回り、手にしたガトリングガンの射線に捉えられれば、重量級であろうと数秒でスクラップにされる。
      また、これ以前のAI機と違ってソルジャーはポストトリガーに向け進軍するロジックになっている。味方にとっては頼もしい増援に、敵にとっては厄介な壁となる。
    • マップによってはソルジャーゲージの存在しない援護拠点もあり、ゲージのない援護拠点からCPU機体は出現しない。
  • 戦闘終了後はリザルト画面に移行し、勝敗及び敵機撃破、コアシップ攻撃、拠点防衛などの戦闘中の行動に応じて算出された「スコア」に応じてエースポイントが増減。エースポイントが一定量を超える度にこのゲームにおけるプレイヤーランク「エースコード」が変動する。
    • エースコードB5以上になると、昇格するために「昇格戦」をこなす必要がある。「昇格戦」の期間中は「◯回以上順位◯位以上で勝利せよ」など昇格のための条件が課され、一定の試合数までにこの条件を満たすことでエースコードが昇格する。条件を達成できなければ昇格はできず一定のポイントを失い、再び昇格戦に挑むためにはエースポイントをまた集める必要がある。
    • 勝敗にかかわらず、戦闘後は10個のコンテナから5つを選んで素材、製造書などのアイテムを獲得可能。クレジットを消費することで全てのコンテナを開封することができる。

評価点

  • 家庭版から変わりない「ストラテジックシューター」の面白さ
    • TPSとリアルタイムストラテジーの要素を融合させた「ストラテジックシューター」の面白さは家庭版から据え置き。後述するように難易度は高いが、慣れれば他のロボット系TPSにない高い戦略性を味わえる。
    • AI僚機を使っての戦術は幅広く、「僚機と自機で二手に分かれ、多方向から拠点を攻める」「拠点の押し引きは僚機に任せて、自機は前線から一歩後ろで自由に立ち回る」「あらかじめ僚機をコアシップの進路上に待機させ、コアシップを捉え次第攻撃させる」など、ステージ次第で様々な動きを取ることが可能。
    • また、自機は必ずピットからリスポーンしなければいけないが、僚機は自機の周囲にリスポーンするというのもこのゲームのキモ。
      「僚機をあえて特攻させてデスさせ、敵拠点付近でリスポーンさせて長距離移動の手間を省く」などの他ゲーにない変わった戦術を取らせることもできる。
    • 僚機は判断力こそないがエイムは非常に正確なので、「エイムやキルが苦手」という人も僚機の装備を整え、適切な命令を下して「僚機を生かす」ことで勝利に貢献できる。
    • しかし、このゲームのキモと言える僚機関連の操作は公式からのフォローが薄すぎて、家庭版未経験の初心者がセオリーにたどり着くのは難しい。詳細は後述。
  • 高級装甲・武器の入手難易度緩和
    • 家庭版で強力な装備を手に入れるためには、課金要素であるガレージロットを避けて通ることはできなかったのだが、『エース』では素材と製造書さえ揃っていれば、家庭版では入手の難しかったSPORTS装甲・ハイエンド武器も簡単に入手できる。
    • 家庭版ではPvEモード「護衛戦」の報酬として、しかもかなりの低確率でしか入手できなかった高性能装甲「バベルブラック」系列も、ACEコインの必要数は非常に多いがコインさえあれば運に左右されず、必ず入手できる。
    • 総じて、家庭版に比べると 「理想の機体」を作るまでのハードルは下がっており 、「ガレージロットの引き運に恵まれず、理想の機体に手が届かない」という事態は起こりにくい。
    • アップグレードも廃止されたため、製造orドロップした装甲・武器は即実戦投入できる。
    • また、コラボイベントではイベント中の試合数に応じてコラボ作品の装甲や武器が手に入るため、勝ち運や製造書の引き運に恵まれなくともコラボ作品の装甲・武器は最低限入手できる。それらの装備によって初期装備のJUNK(意図的に性能を低く設定された装甲・武器)一式からは早期に脱出できる。
  • 個性豊かなフィギュアヘッズ
    • プレイヤーの相棒となるFHは個性豊かなメンツが揃う。
    • 忠犬のごとくプレイヤーに誠心誠意尽くす「フリーダ」「ニルデ」、当たりの強いクーデレ系「アイリーン」、弱気ながらも一生懸命頑張る姿勢を見せる「栞音」、高いテンションと陽気さでプレイヤーを盛り上げる「シンディ」など、企業によってその性格・ビジュアルは千差万別。
      中には敢えてユニークスキルを外し「キャラクター目当てでFHを選ぶ」という熱心なプレイヤーもおり、キャラクター人気は高い。
    • FHの多くは可愛らしい女性キャラだが、男性FHも個性的に仕上がっている。熱血な台詞が目立つ兄貴分「ロドリック」や陽気でノリのいいスピードバカ「テセウス」などが性能もあって人気。特にロドリックは、序盤に手に入る上にユニークスキルが「近接以外の攻撃でよろけなくなる」という汎用的かつ優秀なものであり、家庭版から通して多くのプレイヤーから「ロドニキ」と呼ばれ親しまれている。
    • コラボ作品から「旧時代のデータを復元した」という設定でゲスト参戦している『スクールガールストライカーズ』の「澄原サトカ」「夜木沼伊緒」、『LORD of VERMILION ARENA』の「ドゥクス・ティア」も原作のキャラを崩さずに作品に溶け込んでおり、原作ファンにも嬉しい仕様となっている。
    • 担当イラストレーターも多彩で、『ステラグロウ』のideolo、『閃乱カグラシリーズ』の八重樫南、『バルドシリーズ』などPCゲームブランド「戯画」の作品を多く手掛けた菊池政治、萌えゲーアワード2014受賞作『なないろリンカネーション』や人妻系アダルトゲームの数々を手がけたすめらぎ琥珀などの大御所がチラホラ。
    • 今作稼働とともにデビューした師木島重工のフィギュアヘッズも人気が高く、キービジュアルなどで看板娘を務める「神楽」「雅」は担当イラストレーターのNidy-2D-の 程よくムッチリしていてエロい 画風に加え、初期装備として入手できることもあって愛用者は多い。
    • 「神楽」「雅」に続いて実装された「伊吹」「澄香」も、それぞれ「下手な女性より女子力の高い『男の娘』」「ちょっとヤンデレの入った大和撫子」と個性的なキャラ付けで、特にシリーズ初の「男の娘」である伊吹はプレイヤーの人気をかっさらった。
  • また、家庭版ではFHを2footから外して違う兵種にセットするには、課金アイテム「兵種リセットチケット」が必要であったが、本作では無料でFHを2footから外して入れ替えることができる(それまでに得たスキルはリセットされ、SPに還元される)。家庭版ではできなかった「使用予定のFHをリザーブ機体に装備し、十分なSPを獲得したら装備したい2footに装備させて使う」という手法がとれるようになった。
  • 多種多様なコラボ
    • 本作でも家庭版の後追いで自社・他社問わずコラボイベントを多数行っており、家庭版で実装されているコラボ武器・装甲・FHを入手可能。
    • 自社作品だけでも『フロントミッションシリーズ』『ゼノギアス』『スクールガールストライカーズ』とのコラボを行っている。
      『フロントミッションシリーズ』『ゼノギアス』からは作中に登場するロボット「ヴァンツァー」「ギア」が参戦。両作品ともに2footの体格に寄せたデザインのアレンジはあるものの再現度は高く、素材・製造書を消費せずに手に入ることもあって稼働初期に人気を博した。
    • 後に、『ゼノギアス』からは主人公機ヴェルトールの最終形態である「ゼノギアス」と、原作後半におけるバルトの愛機「E・アンドヴァリ」が家庭版のコラボに連動して参戦。
      これまでのゼノギアスコラボ同様、ギアのデザイナーを務めた石垣純哉氏の監修により、原作の有機的なフォルムを再現しつつも2footの体格にフィットするように落とし込んでいる。
    • ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』とのコラボではアイアンフォスルの形状を模したガトリングガン・ホーミングミサイルが手に入ることに加え、期間中はコアシップがアイアンフォスルに変化し、プレイヤーの前に立ちふさがるというファンサービスも。
    • みんなでスペランカーZ』からはまさかのスペランカーの姿を模した装甲が実装
      スタイリッシュな2footたちに混じって赤い探検家姿の、簡素な顔のスペランカーが走り回る戦場はシュール以外の何物でもない。
    • ゲームではない『機動警察パトレイバー』『装甲騎兵ボトムズ』といったリアルロボットアニメとも積極的にコラボを行っており、こちらも多くのファンから歓迎された。
      • 装甲・武器の原作を意識した調整も好評。
        「装甲は薄いが、重量が軽い」という調整の「イングラム」「グリフォン」*4や、ローラーダッシュやパイルバンカー、アームパンチなど原作通りのギミックを搭載したボトムズコラボ装甲、「軽量級で打たれ弱くヒットボックスも大きい」という原作さながらの虚弱ぶりの「スペランカー風装甲」など。
    • ただし、2footの「背中にコアがむき出しになっている」デザイン上、ヴェルトールの巨大なバックパックやグリフォンのフライトユニット・アクアユニットなど、所謂「背負い物」は一切再現されていない。

賛否両論点

  • ゲームとしての難度の高さ
    • 先述のように、本作は家庭用の時点で「TPSとRTSの要素を融合させた『ストラテジックシューター』」というジャンルを自称していたが、自機をせわしなく操作するTPSと、戦場を俯瞰してCPUに適切な指示を下す必要のあるRTSの要素が融合したことで、かなり忙しいゲームになってしまっている。
    • 後述するが僚機は基本的に「判断力」を持っていないため、十全に生かすにはプレイヤーが戦況に応じて逐一指示を出す必要がある。しかし、指示を出すには専用の指示ボタンを押し、レティクル(視点)を動かして移動先を決めつつ、各種指示を出す必要がある。更に詳細な指示を出す場合はマップ画面を開かねばならず、当然その間は無防備となる。
    • 実際は無理に自機のアクションと僚機への指示を並立させる必要はなく、指定した命令を順番に行わせる「命令予約」というコマンドもあるのだが、それでも戦況に応じて僚機を操作しつつ自機もデスしないように立ち回るのはかなり難しい。特にアサルト・ヘヴィアサルトなどの前線がテリトリーで自機の操作が忙しい兵種や、砲撃と僚機指示を交互にこなさなければいけないストライカーは、兵種の中でも複雑な操作を要求される。
    • 「突発的な戦闘に巻き込まれて自機の操作に必死になっていたら、僚機の操作を忘れていた」 というのは、家庭版含めて初心者が必ず通るであろう道である。
      • 問題はゲーム自体の難解さに加えて公式側からのフォローが手薄いことで、初心者がこのゲームの楽しさにたどり着くための大きな障害になってしまっている。問題点については後述。
  • 間抜けな僚機
    • 「ゲームとしての難度の高さ」でも述べたが、基本的に僚機は判断力のない「指示待ち人間」状態であり、プレイヤーが適宜指示を出さなければその性能は生かせない。
    • 自主性はなく、基本的に受けた命令を大雑把にこなすことしかできない。デフォルトの命令「追従」では自機についてきてくれるが、それ以外の命令ではプレイヤーが指示した地点から一歩も動こうとしない。
    • 攻撃の回避も基本的にはせず、ソルジャーが目前にいようが頭上にストライカーの砲撃が迫ろうが石のように動かない。
      例外として、脚部に特殊装備「クイックスライド」が装備されている場合は、目視している敵のロケットランチャー・ホーミングミサイルなど弾速遅めの武器に関しては回避してくれるが、それもクイックスライドの残弾数がある間に限られる。
    • 「追従」時は手近のカバーポイントを利用するロジックになっているが、それも敵機と遭遇してからワンテンポ遅れての行動になるため、各種移動指示でカバーポイントを指定したほうが早い。
    • 攻撃面においてはCPUらしくエイムの精度は完璧で、キルに対する期待値は高い。しかし「各武器の装弾数がゼロになるまでカバーポイントに隠れない」というロジックになっているため、攻撃中は全くの無防備。弾切れのないガトリングガンの場合はオーバーヒートまで撃ち続けてしまう。生存率を上げたい場合はカスタマイズで「装弾数が少ない武器を持たせる」などのフォローをするか、戦闘中に武器変更コマンドで僚機の攻撃の手を緩めてやる必要がある。
    • 相手の装甲の特性なども考慮せず、重量級やソルジャーに対して効きもしない射撃を撃つこともしばしば。自分で武器を切り替えることもせず、武器を切り替えたい場合はプレイヤーが武器変更の指示を出さなければいけない。
    • 僚機がサポートなど設置可能な特殊装備を持つ機体の場合、「特殊設置」の命令でプレイヤーが指示した地点に寸分違わず装備を置こうとするため、その座標に他の2footなど、設置を妨げる要素があった場合、なかなか設置してくれないなど融通が利かないところも。
      • 稀にだが、移動指示の地点とタイミングによっては命令を処理できずにその場で棒立ちになったり、遮蔽物や壁に引っかかってしまう。
  • また、搭乗する2footの兵種によっては特徴を十分に生かせず、機能不全を起こしてしまう。
    • アサルト・ヘヴィアサルト・ストライカーで装備可能なホーミングミサイルを、頭上に障害物があっても確認せずに発射してしまう。
      開けた場所では全く問題ないが、一部のステージのトンネル状の通路など、ミサイルが機能しない場所で攻撃しないようにプレイヤーがいちいち指示を出さなければいけない。
    • エンジニアの場合、レールガンを半チャージでしか撃たない。そのため、フルチャージ時に最大の威力となるレールガンの性能を生かせない。「ノーチャージ状態の火力が高く、チャージすることに拘る必要がない」という特性を持つ「戦闘用レールガン」や、フルオート機能を持つ特殊なレールガン「アニラ」もわざわざチャージして撃ってしまう。
    • スナイパーの場合、エイム力の高さは有利に働くものの「必ず相手の胴体を狙う」ロジックになっているため、装甲の薄い頭部や、フレーム・コアを撃つなど臨機応変な対応はできない。
    • 僚機に任せると最も機能不全を起こすのがストライカー。
      僚機にストライカーを任せるとゲームの仕様で砲撃の精度が落ちる上に、移動しつつ選択されている武器で攻撃する「移動攻撃」の指示を出すと、何故かその場でキャノン砲の砲撃態勢に入って完全に足を止めてしまう。つまり、「移動攻撃」は武器を切り替えない限り遂行してくれない。
    • 砲撃に関しても「射程に入り次第近い敵から撃つ」というロジックで攻撃してしまう。「敵の密集地点を狙う」などの判断は全くしない。
    • …と、ストライカーに求められる役割をことごとく潰してしまうため、プレイヤーからは「僚機にストライカーを選ぶことは 利敵行為とイコール 」と言われるほど。
      このゲームの中でも明確なタブーとして知られており、一時期のネットワークランキングに「僚機にストライカーを選ぶな」というニュアンスのプレイヤーネームが並んでいたことからも察することができる。
  • このように「高性能なAI(フィギュアヘッズ)によって制御されている」という設定からかけ離れたアホさを見せる僚機ではあるが、こんなマヌケでも使いこなさねば勝利は難しいのがこのゲームの難しいところ。
    • 主にRTS・MOBAの経験者や家庭用からのプレイヤーからは「RTSならCPUが指示待ち人間なのは当たり前」「勝手に動かれて戦略を邪魔されるよりは指示待ちのほうがマシ」という声もあるが、いささか初心者には厳しい仕様なのは否めないだろう。
  • 兵種間のバランスの変化
    • 『エース』では、「一つしかないポストトリガーを押さえなければ勝てない」「援護拠点を押さえられると、それだけ相手に戦力(CPU機体)を与えてしまう」「強力なCPU機体・ソルジャーの援護」というルールの変化から拠点の争奪・防衛が家庭版に比べてより重要な要素となった。そのため兵種間のバランスも家庭版から変化しており、全体的に拠点争奪に参加しにくいストライカー、スナイパー、エンジニアが不遇気味な調整になっている。
    • アサルト・ヘヴィアサルトは家庭版においてもチームの主戦力となる最重要兵種であったが、『エース』では拠点争奪に重要な火力源であることに加え、重量級のソルジャーを爆熱武器で高速で処理できることから更に重要度が上がっている。
      • ヘヴィアサルトは直接戦闘においては最強でソルジャーの処理もしやすく、コアシップに対して最大のダメージソースとなるが、アサルトに対しては機動力で負けるので射角外からロケットランチャーで倒されてしまう。この相性の関係から、主力の2兵種の間に限っては絶妙にバランスが取れていると言える。
    • サポートはソルジャーに対して有効打がないことから若干地位を下げたが、前線にいながら耐久力・弾薬を回復できるという唯一無二の特徴は『エース』でも重宝されるため、「最低でもチームに一機は欲しい兵種」として扱われることが多かった。
    • ストライカーは先述のように環境にマッチしていない面はあるものの、マップが狭くなったことで相対的に砲撃可能な範囲が広がったのが追い風。不遇と言われつつもキャノン砲の「遮蔽のほとんどを無視して、長距離から攻撃できる」という優位性は健在で、前述の不遇な3兵種の中ではマシな立場。
    • スナイパーは『エース』でのマップ面積の縮小で長射程が生かせなくなったことと、スナイパーライフルの通じにくい重量級が多い環境であることから家庭版に比べて不遇な立ち位置なのは否めないが、長射程かつ高火力の「BSR24ライフル」は何だかんだで優秀であり、「光学式狙撃銃 裂空」によるアンチ中量級という唯一無二の役割があるため最低限のメンツは保っている。
    • 『エース』のルール変更で最も割を食っているのがエンジニア。
      『エース』では前述のように拠点をCPU機体が守っているため安易な裏取りはできない上、レールガンのコア攻撃時の威力補正が家庭版に比べてかなり下がっているため、コア攻撃役としての価値も暴落。かなり危うい立場に置かれている。
    • 『スクスト』とのコラボ武器である戦闘用レールガン「メガキュート砲」の火力は高く、メガキュート砲の火力・即応性を活かした遊撃と設置レーダーによる偵察という独自性はあるのだが、「直接戦闘に弱く、コア攻撃にも適さない」というハンデは大きい。後の検証によりダメージ計算式の変化で実質レールガンの対コア補正が消滅していたのが発見されたこともあって、使用者は極端に少ない。
    • 前述の2vs2ルールは参加人数が少なくなり、最前線の一歩手前がテリトリーの不遇3兵種がますます不遇な環境になっている。この3兵種はゲームにおける最重要事項であるポストトリガー関連の攻防を直接的に左右する能力を持っていないため、通常のルールにまして不遇、かつ嫌われやすい。
    • これに関連して各武器種のバランスも偏ってしまっており、全体に爆熱属性が強く、実弾属性が不遇な調整になっている。
    • 爆熱属性はチームに必ずいると言っても過言ではないヘヴィアサルトや、どう足掻いても倒さなければいけないソルジャーへの対抗策として需要が高く、現環境ではアサルトの多くが主武器にロケットランチャーを選んでいる状況。爆熱に強い軽量級の2兵種が不遇な立ち位置で遭遇する機会が少ないこともあって、デファクトスタンダードと化してしまっている。
    • 逆に、アサルトライフルを筆頭にした実弾武器は、高火力のガトリングガンを除いて不遇気味。理由は爆熱の逆で、苦手とする重量級が幅を利かせているために射撃戦で撃ち負けやすいため。
      仮想敵である軽量級の使用率が低いことから、活躍する場面が限られてしまっている。
    • 光学属性はそもそも対応武器が少ないこともあって使用率は低いが、使用率の高い中量級に痛打を与えられるためサブウェポンとして「光学式誘導弾 鬼火」などを採用するプレイヤーは一定数いる。ただし重量級に対しては悲しいほど無力なため、主力武器にはなりえない。
  • 武器・装甲の優劣
    • 各種パーツのパラメータは「家庭版におけるGrade10時のステータス」「全武器の所持弾数が増えた」ということ以外は全て据え置き。
      なので、家庭版で強い装甲・武器は『エース』でも強く、逆もまた然り。
    • 「使うならこれ一択」と言えるほど凶悪な武器や装甲は存在しないものの、こうしたカスタマイズ要素のあるゲームの宿命として、どうしても上位になるほど選択肢に入る武器・装甲は限られてくるのが実情である。
    • 個性豊かなフィギュアヘッズもどうしても強弱があり、「リスポーン時間を短縮するが、同じ効果を持つサリーナ・リリカに比べて発動条件が限定的で扱いにくい栞音」「拠点制圧時に耐久力を全回復させるが、拠点の奪い合いの状況にならないとユニークが死にスキルになるモナ」「FHコアへの攻撃で敵を倒すと再出撃時のリスポーン時間を大幅短縮するが、発動条件が限定的すぎるモリィ」など、扱いにくいFHも多い。
+ 使用率の高かった装甲・武器
  • バベルブラック系装甲
    • 前述のとおり、バベル・コンストラクションが既存の装甲を改修したという設定のハイエンドモデル。ベースになった装甲だけでなく同重量帯の装甲殆どの上位互換と言える高性能を持つ、本作における最終装備の筆頭候補。
    • 例を挙げれば中量級の「ヴァラーボードBB」は中量装甲カテゴリ中最軽量、かつ原型のヴァラーボード以上の装甲・耐熱・対光というインチキにも程がある性能。
      重量級の「ブロケーオBB」も、重量装甲カテゴリ中最軽量ながらSPORTS上位クラスの装甲、耐熱も中堅クラスというとんでもない性能である。
    • さらに装甲特性*5はすべて「機体の耐久力をアップさせる」という単純にして強力な特性「デュラビリティ」。どのようなコンセプトの2footにも有用であり、装備する機体を選ばない。
    • 問題は、先述の通り重量帯の近い各種装甲を食ってしまっていること。高性能かつ汎用性が高いため、特にバランス重視の装甲が割りを食っている。家庭版では「バベルブラックは内部装甲を装備できない」という欠点を設けることでバランスを取ろうとしていたのだが、『エース』には内部装甲が存在しないため、よりバベルブラックの優位性が増してしまっている。
    • 唯一欠点があるとすれば、原型機から変更されていない装甲配置。中量の「オスクリダッドBB」以外は装甲の位置に不安がある*6
      またハイバランスとはいえ各用途に特化した装甲には負けるため、どの2footにおいてもバベルブラックが最適解になるわけではない。
    • 最大の欠点は、あまりに厳しすぎる入手難度。詳細は後述。
  • ライアットガン(ショットガン)
    • 『機動警察パトレイバー』とのコラボ武器。単発式のショットガン。
    • 特筆すべきは単発式ショットガン中最強の威力で、全弾命中させれば理論上重量級をわずか3射で撃破できる火力が持ち味。
      その分リロードや安定性など他の性能は犠牲になっているが、もともとショットガンはそこまで安定性を重視しない傾向がある至近距離用の銃なので、さほど問題視されていない。
    • 最大のネックは単発式ショットガン中最重量であること。アサルトライフルの平均的な重量程度なのでカテゴリを考えなければそこまで重くはないのだが、サブウェポンとして持つには若干重たい感がある。
    • その威力からアサルトやサポートの切り札として、またはアサルトのロケットランチャーでよろけを取った後の追撃用の武器として人気が高い。
  • ラブリーウェポンストーム(ロケットランチャー)
    • 『スクールガールストライカーズ』とのコラボ武器。
    • 性能は家庭版のサービス開始初期に猛威を奮ったロケットランチャー「アルムブラストTF4」に近いが、アルムブラストの扱いやすさはそのままに爆風の範囲が拡大しており、「当てるだけ」なら全武器中最高峰の性能を誇る。
    • 対重量級用、敵集団の地面付近に着弾させての削り、ミリ殺しと多用途な活躍が期待できる武器であり、ロケットランチャーというカテゴリの中でも高い人気を誇った。
    • しかし、『装甲騎兵ボトムズ』コラボで「ソリッドシューター」が実装され、後を追うように家庭版でも人気の高い「R19Gサラマンダー」が実装されたことで人気を落とし、サービス開始中期~末期においては姿を見かけることはなくなった。
  • ソリッドシューター(ロケットランチャー)
    • 『装甲騎兵ボトムズ』とのコラボ武器。通称「ソリシュ」。
    • ラブリーウェポンストームと違い単発式ゆえに連射は効かないものの、威力は現在『エース』で実装されているロケットランチャー中最大、リロードも一部のアサルトライフル並みに速く、爆発範囲も広く、さらに弾速も速いというハイスペックな一丁。
    • ラブリーウェポンストームと比べてミリ殺しの用途には向かなくなったものの、ラブリーウェポンストームと違い弾速の速さから命中への期待度が高く、いざとなれば直撃も狙える汎用性が魅力。
    • ハイスペックの代償に現在『エース』で実装されているロケットランチャー中2番目に重いという欠点はあるものの、逆に言えばそこをクリアするだけでいい。ラブリーウェポンストームに代わって、現状アサルトの主力装備となっている。
    • 隠しパラメータとして「相手をひるませにくい」という特性があり、このため「ロケランを当ててひるませ、サブウェポンでとどめを刺す」という戦法が取れなくなってしまっている欠点もあるが、そのデメリットを呑んでも装備する価値のある一丁。
  • フォース・オブ・ウィル(ガトリングガン)
  • SWオブリタレーター(ガトリングガン)
    • 前者は『スクールガールストライカーズ』とのコラボ武器。通称「FoW」。
    • FoWの強みはガトリングガン中最強の瞬間火力、という一文に集約される。軽量~中量カテゴリ相手なら数秒でスクラップにでき、ヘヴィアサルト同士の撃ち合いにも強い。
    • 反面精度と射程は劣悪で、中距離以遠での撃ち合いとなると他のガトリングガンに軍配が上がる。だがそのデメリットを差し引いても圧倒的な威力は魅力的で、家庭版、『エース』を問わず「名銃」の呼び声高い一丁。
    • 後者はFoW以上の単発火力を誇り、ヒート容量・冷却性能も上回るさらなる破壊力重視のガトリング。
      安定性はFoW以下になってしまったもののFoWとほぼ同等の超火力を長時間垂れ流せる強みは大きく、FoWと共に最強のガトリングガンの地位をほしいままにしている。
  • BSR24ライフル(スナイパーライフル)
    • スナイパーライフルの中でも瞬間火力の高さで人気を博す、フィギュアヘッズにおけるセミオートスナイパーライフルの開祖。
    • 「従来のボルト式と違い、スコープから視点を外さずに連射可能」「スナイパーライフル最多の装弾数10」「スナイパーライフル中最高の安定性と連射速度」という、今までのスナイパーライフルの常識を覆す武器。1発1発の威力は従来のスナイパーライフルに比べて低いものの、連続して当てた際のダメージは大きく、ワンマガジンで軽量~中量カテゴリ相手なら撃破できる。
    • 最大の長所は、この高火力を他の兵種では届かない遠距離から、スナイパーライフル特有の高精度で発揮できるということ。相手がカバーポイントから少しでもはみ出していれば撃ち抜けるし、コアシップ攻撃にも長距離から参加できる。
    • 「コモンスキル『エクステンド・レンジ』を装備しない場合、有効射程はアサルトライフル+α程度の長さしかない」「スナイパーライフル中最重量で、機動力を削ぐ」などの欠点はあるものの、長所はその欠点を持って余りある。家庭版でも愛用者は多く、『エース』におけるスナイパーライフルのニーズはBSR24と、光学属性で中量機を排除しやすく爆風により攻撃範囲も広い「光学式狙撃銃 裂空」が独占している状況にある。
      • 家庭版からのファンからは「そもそもボルト式自体がセミオート式に食われている」という厳しい声もある。
  • リボルバーカノン(ハンドガン)
    • ライアットガンと同じ『パトレイバー』とのコラボ武器。
    • 原作を再現して「装弾数は少ないが、威力は高い」という特性を持ち、瞬間火力は並のアサルトライフルを悠々と超える。
      装弾数ゆえにこれだけで相手を撃破することは難しいものの重量級相手でもまともなダメージを通せるため、サポート・ストライカーの護身用や確実にとどめを刺すための武器として人気が高い。
    • 威力だけならこれを上回るハンドガンはあるが、リボルバーカノンはそれら威力特化のハンドガンに比べて射程・安定性・連射速度など威力の犠牲になっているパラメータが少なく、数値通りの火力を発揮しやすい特徴を持つ。
    • オブラートに隠さず言えば、「デッドショットオペレーション」「H11ハンドガン」など威力重視系ハンドガンのほとんどを食ってしまっているほどの強さ。
      しかし、前述のように爆熱属性の使用人口が増えると、強力ではあるのだが使用率は下落。ストライカーの護身用武器としても、家庭版で最優秀と名高いサブマシンガン「M75デッドリーガン」や、家庭版でデッドリーガンの需要を脅かしつつある師木島重工のサブマシンガン「ショウトラSP」の実装に伴い使用率は全盛期に比べて大きく下がった。
  • 強力な武器・装甲・FHに限って入手が困難という問題もある。
    • 稼働当初は「コラボ武器が各兵種必須の強武器」という状況が続き、コラボイベントをプレイしたプレイヤーとそうでないプレイヤーとの間に格差が生まれてしまっていた。現在は様々な武器の追加と、一部のコラボ武器が製造に常駐するようになったことで稼働当初から緩和はされたが、それでもアサルト・ヘヴィアサルト・サポート・エンジニアには必須級のコラボ武器が1~2つ存在している状況*7。リボルバーカノン、メガキュート砲など代替の難しいコラボ武器も多く、プレイした時期によって機体の強さにはどうしても格差が生じてしまう。
    • また、家庭版で強力だった・使用率が高かった武器・装甲・FHは全体的に製造条件が厳しく設定されており、素材を製造書以外に要求しないコラボ武器と比べて入手難度は高い。
    • FHと、FH製造用の素材「FHコア」を例に挙げると、安価なFHが必要数40~100で済み、高価な部類のFHも200~300程度の必要数なのだが、家庭用でプレイヤーから高評価だった「ヨランダ」「イグナシオ」のコア必要数は600。この露骨にプレイヤーの足元を見るような製造条件には一部で批判の声が上がっていた。
    • 満を持して実装されたバベルブラック装甲も、一部位だけでも900という桁違いのコイン数を要求される。参考までに、ログインボーナスや戦闘報酬で入手できるコイン数が10~30枚程度、既存の交換対象装甲は一部位の必要数が40~60枚、高価な「シュヴァン」「アルマドゥーラSP」も部位ごとの必要数は250~300枚。
    • 『フロントミッション』『ゼノギアス』『ボトムズ』『スクスト』のイベントは復刻され、再入手のチャンスが巡ってきたものの、『パトレイバー』のイベント復刻が行われることはなかった。
  • PvEモードがない
    • 家庭版ではプレイヤー同士で協力して敵を倒す、所謂「PvE」系のモードが実装されているのだが、エースはメインとなる対人戦に特化した内容となっており、対戦を除くとゲームモードは「チュートリアル」と「対CPU戦」しかない。
    • 家庭版ではPvE要素に楽しみを見出しているプレイヤーも多かったため、「実装してほしかった」という声は多い。
    • 昨今の『ボーダーブレイク』や『ワンダーランドウォーズ』などのアーケードゲームと比較して「遊びの幅が狭い」のは否めず、「2017年のアーケードゲームでこれは寂しい」という新規ユーザーの声も。
  • 扱いにくいエースマニピュレーター
    • 2footの操作は照準と武器を操作する右手側のマウスと、筐体と一体化した左手側のコントローラー「エースマニピュレーター」で行うのだが、このエースマニピュレーターが曲者。
    • エースマニピュレーターは「親指側に自機を操作するアナログスティックと『マップ画面』『チャット』のボタン」「人差し指~小指側に僚機指示用のボタン×2」というボタン配置になっているのだが、スティック側にマップorチャットボタンがあるため移動しながらそれらの操作を並行して行うことができない。
    • チャットを打つだけでも足を止め、専用画面でチャットを選ぶ必要があり、利便性は高いとは言えない。「テストプレイで気づけなかったのか」という批判も少なくない。
    • 不評が多かったため、現在はキーコンフィグ機能が実装されある程度問題は解消された。
  • プレイ料金関係
    • 稼働初期から9月下旬までのプレイ料金は『1戦の制限時間10分で200円、カスタマイズ時間240秒、追加クレジット100円でコンティニュー1回』という強気な設定。
      手薄なチュートリアルとの相乗効果で、新規定着を阻む要因となってしまった。
      • 初心者応援キャンペーンが始まった9月28日からは『1戦の制限時間8分で100円、カスタマイズ時間150秒*8、ネシカ使用時初回プレイはチュートリアル無料』となった。

問題点

  • 「新作」としての新鮮味の薄さ
    • 本作はルールこそ変化したものの、家庭版から装甲・武器・FHの性能はほぼ据え置きであり、各種コラボや期間限定パーツも家庭版で実装されているものを輸入したもの。
    • 稼働当初こそ師木島重工系の新規装甲・FHという独自性があったものの、程なくして師木島系のパーツは家庭版にも輸入されたため、その独自性もすぐに失われてしまっている。更に言うなら本作の看板娘FHである神楽・雅も性能は家庭版に実装されていたFH「メーヴC」「ハインラインC」のグラフィックが変わっただけであり、性能的な差異はない。
    • つまり、「家庭版になく、『エース』にしかない要素」は変更されたルールだけであり、家庭版のプレイヤーを引きつける要素としては弱いのが実情。
      逆に、家庭版に実装されていた装甲・武器や前述のPvEモードなど「『エース』で失われた要素」の方が目立ち、それを嫌って『エース』を見限った家庭版プレイヤーも少なくなかった。
    • 『エース』の新ルール自体は評価するプレイヤーもいるため、本作の評価は「どれだけ『エース』のルールに価値を見いだせるか」で変わってくるだろう。
  • 装甲・武器の実装ラインナップ
    • 『エース』にラインナップされている装甲・武器・FHは家庭版のパーツから選定されたものが順次実装される形式をとっており、そのため「家庭版では使えるが、『エース』では使えない」パーツが多数存在していた。
    • 稼働初期は特に実装パーツ数が少なく、カスタマイズの自由度は非常に低かった。17年冬を目安に後回しにされていたZ&S・カルテルの装甲を筆頭に多くのパーツが実装され、最終的には当時の家庭版で人気があったパーツや師木島系の武器なども実装、ラインナップは「家庭版より少し不自由だが、ガチ戦に必要な装甲・武器は概ね出揃った」という状況に落ち着いた。
    • 実装の順番も基準が不透明で、家庭版で実装間もないパーツが実装されたと思えば、『エース』稼働開始から半年以上前に実装された古めの武器・装甲がなかなか実装されないなど、プレイヤーをやきもきさせた。
    • また、何故かカルテル系各種製品は実装ペースが遅かった。稼働初期は「メイン・サブ武器が全カテゴリ通して6種のみ」「他企業のFHは4~5人実装されているのに対し、唯一3人しか実装されていない」など、明らかに実装を後回しにされていた。
    • 17年12月にはようやくNORMAL装甲が実装されたものの、何故か戦闘後の報酬でしか手に入らないレアアイテムの立場に据えられてしまった。2ヶ月後の18年2月に満を持してやけくそ気味に大量実装されたが、その矢先に多くのゲーセンが『エース』を見限り、撤去し始めてしまうという不幸に見舞われるなど、とことん不遇な扱いを受けている。
    • カルテル系の武器は非常に癖が強く、殆どの武器は「唯一無二ではあるが、実用性は低い」という評価が多く、需要そのものは他社の武器に比べて少ないのが救いではあるが、カルテル好きのプレイヤーからすれば堪ったものではないだろう。
    • 家庭版の後追いで行われているコラボイベントでも、『ゼノギアス』イベントでは家庭版には存在した同作の登場人物を再現した限定FHが未実装、『機動警察パトレイバー』イベントでも同じく主人公である泉野明が実装されずに終わった。
    • また、家庭版で行われた『天元突破グレンラガン』『太陽の牙ダグラム』『フレームアームズ』『初音ミク』とのコラボや、『GALLERIAシリーズ』『ダイバーシティ』など実在企業とのタイアップは、『エース』では行われないままサービス終了してしまった。そのため、それらのコラボ・タイアップで実装された武器・装甲・FHは当然実装されず、代替となるパーツも実装されなかった。
    • ドゥクス・ティアを除く他ゲームとのコラボFHやミクは「既存FHのグラフィック・ボイスが変わっただけのコンパチ」であるためゲームバランスに全く影響がないのが救いではあるが、上記のコラボ武器・装甲に関しては唯一無二の性能を持っているものもあったため、これらの未実装・代替装備の不在には不満の声も聞かれた。
  • ゲームの難解さに対して不親切なチュートリアル
    • 本作が「楽しむまでのハードルが高い」ことは前述のとおりだが、これに拍車をかけるのが、チュートリアルの内容の薄さ。本作の難しさに対して、チュートリアルの質が明らかに釣り合っていない。
    • ゲーム開始前のチュートリアルで解説されるのは、大まかに言うと「機体の操作方法と攻撃手段」「僚機指示の簡易な説明」「ポストトリガーを占拠するとコアシップが出現し、これを倒すと勝利するというルールの基礎」「援護拠点の種類と、占拠するとCPU僚機が出現すること」。たしかに基礎を一通りさらってはいるが、ハッキリ言って本作の内容を把握するには全く内容が不足している。
    • 機体の操作方法はいいが、解説される武器は初期機体のアサルト(師木島重工の「甲式四型」)が持っているアサルトライフル・ホーミングミサイル・近接武器のみ。各兵種の固有武器や、特殊装備に対する解説はない。
    • 一応、本作は家庭版と違い、プレイヤーは最初から全兵種に対応したJUNKパーツ一式の機体を持っているため各兵種の「お試し」は簡単にできるのだが、各兵種の操作感やセオリーは戦いの中でつかむしかない。
    • また、「甲式四型」は脚部に特殊装備「クイックスライド」を装備している関係でグレネードやオートリペアなどの特殊装備を使用できないのだが、それに関しても解説がなく、特に稼働初期は初心者が「特殊武器を装備したのに使用できない(効果が得られない)」と混乱する事態が多発した。
    • ゲームを進めればクイックスライド機能を持たないサリオの中量級装甲「フレイト」を無料で一式入手できる。「フレイトを初期機体にして、甲式四型を後から入手できるようにすべきだったのでは」という声も。
    • 僚機関連も内容自体は間違っていないが、「どの局面で、どう指示するのが有効なのか」といったセオリーの解説はなし。「僚機指示ボタンを押しつつマウスの武器切り替え(マウスホイール)で僚機の武器を切り替える」という、重要な僚機操作に関してもノータッチ。
    • 他にも、「重量級は爆熱武器に弱い」「各装甲の『装甲特性』」「重量ボーナス」「ピットを使ったリザーブ機体との交代」など、ゲームにおける重要事項の解説が抜けており、多くの情報はプレイヤー自身が集める必要がある。
    • このようにチュートリアルはあくまで「ゲームのさわり」を解説しているだけで、稼働終了まで「更に細かいゲーム性やセオリーは戦いの中で見つけるか、ネットで調べて実践するしかない」という状況にメスが入ることはなかった。
    • 昨今ではアーケードゲームのチュートリアルはかなり充実する傾向にあり、『UNDER NIGHT IN-BIRTHシリーズ』のように、公式が初心者のために攻略の助けになるコラムや動画を用意しているケースも増えている。そんな中で時代に逆行するかのようなこの不親切な仕様は、ゲーム性の難解さと相まって不満点に挙げられることが多い。
    • さらに、家庭版にはチュートリアルとして1人プレイ用のモード「シングルモード」がしっかり存在していたことも不満に拍車をかけている。
      • 余談だが、稼働当初はもっとチュートリアルの内容が薄っぺらであり、武器切り替えや近接武器の扱い方さえ教えてくれない薄情さであった。これで脱落、あるいは本作を見限ったというプレイヤーも散見された。
  • 一応新規プレイヤーのためのアドバイスをまとめた冊子「プレイヤーズガイド」が配布されているのだが、こちらの解説も薄味で、かつ書かれているアドバイスがゲームの実態に即していない。
    • 僚機の関しての解説で「初心者には『追従』がオススメ」というアドバイスがあるのだが、これは 初心者に対する罠
      前述の通り「追従」では僚機の敵に対する反応がワンテンポ遅れるうえに、実は「追従」の指令を出しているとき、僚機は自機の左右後方に位置取るようになっており、この状態で接敵すると自機が敵の攻撃の矢面に立たされることになる。
    • 「僚機に細かい命令をしなくていい」という点だけ見れば確かに初心者には優しいが、ゲーム性に即したアドバイスとは言えない。
    • また、FHに関する解説では小さく「初心者には『アイノ』がオススメ」と書かれているが、こちらも「『追従』がオススメ」並の罠アドバイス。
    • アイノのユニークは「リスポーン後の無敵時間を延長する」という効果。
      だが、自機はリスポーンの際必ず自陣後方にある「ピット」から出撃するため、アイノの恩恵は全く受けられない。むしろ自機の周囲にリスポーンする僚機向けのFHなのだが、プレイヤーズガイドにそのような解説は全くない。
    • 家庭版ではユニークを利用した「アクセラアイノ」*9なる戦術が考案されるなど決して弱い効果ではないのだが、活かすには専用のアセンブルが必要で、初心者にお勧めできるような手軽な戦術ではない。
  • 問題だらけのエースコード関連
    • このゲームのプレイヤーランクであるエースコードにも問題が山積している。
    • まず、「マッチング基準としてのエースコード」はほとんど形骸化している状況にある。
    • マッチングにおけるプレイヤーの選出基準はしっちゃかめっちゃかであり、お互いのチームの実力が拮抗するマッチングが組まれる可能性はかなり低い。
      ガンダムVSシリーズ』で例えるなら、「伍長から元帥まで平等にマッチングされる可能性がある」と言えばそのメチャクチャさが伝わるだろう。
    • 本作ではマッチング時に相手のエースコードが表示されないため、「相手が妙に強いと思ったら、ネットワークランキングに載っているほどの強者だった」「ネットワークランキング10位以内の強者と、3~4連続でマッチングした」という報告も少なくなく、対戦に平等さを求める層や公平なマッチングを望む初心者からは「本作最大の問題点」と言われることも多かった。
    • 一応、両チームの平均エースコードが等しくなるようにマッチングが組まれてはいるのだがその精度は雑で、上記のようなメチャクチャなマッチングが組まれてしまうことのほうが多かった。
    • これは本作のアクティブユーザーが少ない、つまり過疎っていたことも原因の一つと言われている。事実、プロデューサーの丹沢悠一氏もツイッターで「マッチングできない状況が増えている」外部リンク)と、暗にアクティブユーザーが少ないことを示唆しており、ユーザー確保を狙ってプレイ料金の値下げキャンペーンを開催している。
      • SNSでも「マッチングしない」「同じ名前のプレイヤーとばかり当たる」という報告は多く、マッチング基準崩壊の一因は過疎というのは間違いないようだ。
    • 前述のように、これに対して公式は「過疎が予想される時間帯は、ルールを2VS2に変更する」外部リンク)という斜め上の対応。
      場当たり的な対処なのは否めない。
    • 「昇格戦」に関しても、ランクが上がるごとに昇格条件が異様に厳しくなっていくことが問題視されており、S1→SS5への昇格条件は「4戦以内に1位を2回」というかなり厳しいもの。最上位ランクである「ACE」への昇格条件に至っては「8戦してすべて1位を獲得」というあまりに非現実的な条件である。
    • 当然だが本作はチーム戦であり、勝敗は自分だけでなく味方の活躍にも左右される。
      自分がいくら活躍しようが味方のミスで負けることもあるし、高いスコアを獲得するためには「プレイヤーが操作するリーダー機のキル」「コアシップ攻撃」をどうしてもこなさないといけないため、いくらプレイングで勝利に貢献しようとも、それらハイスコアにつながる行動を行っていなければ順位には反映されない。順位だけがエースコード決定の指針となっている状況は、決して「公平」とは言えないだろう。
    • 後に最上位のエースコード「ACE」が99分割され細分化したことで、それ以下のエースコードのエースポイント獲得量が上昇し「昇格戦は相変わらず理不尽だが、ポイント獲得量の緩和で再挑戦のハードルは低めに」という環境に落ち着いた。
    • 上記の問題点に比べれば小さなことだが、昇格戦突入時に提示される条件が「◯戦以内に◯位を◯回」と、まるで指定された順位をピンポイントで獲得しなければならないかのような曖昧な表記になっているという小さな欠点もある。
  • コラボ製造書
    • コラボイベントの際はプレイ回数によるボーナスや戦闘終了時の報酬として「コラボ製造書」が手に入り、それをコラボ装甲・武器と引き換えるシステムになっているのだが、『パトレイバー』コラボ以降はその製造書の要求数がそれまでの2倍以上に跳ね上がり、コラボ装甲・武器の入手が難しくなってしまった。
    • 11月の『フロントミッション』コラボでは、NORMAL相当の装甲「炎陽」のみ『パトレイバー』コラボ以前に近い、少ない必要数で引き換えられるようになっているため「SPORTS相当のコラボ装甲は入手条件をきつめにする」という方針のようだが、一式を入手するだけでもかなりの回数、クレジットを投じる必要がある。
    • 肝心のコラボ製造書も、1試合で10枚前後手に入ればいい方、引き運が悪ければ出ないという渋いペースでしか入手できない。
      各種コラボ目当てにゲームを始めた初心者が、「コラボ目当てで始めたのに、肝心のコラボ装甲・武器が手に入らない」と心が折れてゲームに定着しない、という光景も見られたという。
    • 12月に復刻したボトムズコラボで実装された「9連ミサイル弾ポッド」の製造書必要数は300枚。一試合に10枚手に入ると仮定しても30クレジット必要であり、これ以外のコラボ装甲・武器の入手も考えると「割高」と言わざるを得ない設定である。
    • さらに、12月に復刻した『スクスト』コラボでは使用率の高かったFoWをイベント初回時のおよそ6倍である製造書必要数300枚に値上げ
      「強くなりたければ貢げ」と言わんばかりの製造書必要数の設定基準には「足元を見られている」と不満を漏らすプレイヤーも多い。
  • 不親切な公式アナウンス
    • 本作は昨今のゲームの例に漏れずアップデートごとに公式サイトとtwitterアカウントでアップデート内容を告知しているのだが、告知に書かれていない追加要素や修正点が多く、不親切さでユーザーを混乱させている。
    • アップデート毎に告知なしに「次回のアップデートで実装予定の装甲・武器を戦闘報酬orガレージロットにのみ先行実装する」ということが常態化している。
      先行実装武器の中には「エネルギア」「R19Gサラマンダー」「SWオブリタレーター」など家庭版で猛威を奮った装甲・武器も多く、「先行実装された装甲・武器の存在を知るor手にしたプレイヤーが有利になる」というプレイヤー間の情報格差を生み出してしまっている他、アップデート毎にプレイヤー側が率先して先行実装された装甲・武器の存在を探さねばならず、「先行実装にしてもヒントくらいは欲しい」「面倒」というプレイヤーもいる。
    • また、『エース』の各装甲・武器のパラメータには家庭版のアップデートに伴うパラメータの変化が逐一反映されているのだが、これも公式から全くアナウンスされておらず、パラメータの違和感に気づいた有志のプレイヤーの検証でようやくこの仕様が見つかった、という状況。『ゼノギアス』『フロントミッション』コラボ装甲各種などアップデートで使用感が大きく変わった装甲・武器も多く、このサイレント修正は前述の先行実装以上に不評の声が大きい。
  • その他
    • TPSお決まりのチャットは一通り揃ってはいるものの、拒否の意を示す「NG」「ごめん」系のチャットや、「特定の場所に向かってほしい」といった意思を示すチャットがなく*10、若干物足りない。
    • チーム戦を押し出した内容に反して同店舗マッチング(バースト)が実装されておらず、知り合いとプレイしたい場合「同じタイミングでゲームをプレイし、マッチングするかを祈る」というアナログな方法に頼るしかない。

総評

ゲームとして良好な出来だった家庭版のシステムを流用しているためゲームとしての穴は少なく、3vs3、僚機を入れれば9vs9で繰り広げられる新ルールを評価するプレイヤーも多い。
しかし家庭版のプレイヤーや新規プレイヤーを引き入れるにはいささか新鮮さが薄いというのが実情で、稼働初期におけるシステム面やチュートリアルの不備の多さもあって新規プレイヤーの獲得には失敗し、人気を得るには至らなかった。
一時期は細かな短所をアップデートで改善するなど動きがあり、一部のプレイヤーからは先行きを期待されていたものの、大味で精度の低いマッチング関連や全体に家庭版の後追い・焼き直しが目立つ追加要素、不親切な運営態度のおかげでプレイヤー離れが加速してしまい、18年を境に稼働からわずか半年で大型のゲームセンターからも次々と撤去され、テコ入れの施策も行われないまま終了が発表。
14ヶ月というアーケードゲームとしては短い生を、大きな盛り上がりもなく終える結果となってしまった。

家庭版同様にアクションシューティングとRTSの要素を融合させた独特のゲーム性は唯一無二のものであり、他にない戦略性や楽しさを持ったゲームではあったが、上述したようなゲーム性以前の根本的な問題の数々によって、得られたであろう新規プレイヤーをことごとく遠ざけてしまった悲運の一作。

余談

  • タイトーの『GROOVE COASTER 3EX DREAM PARTY』において、2017年8月31日~9月10日までの間本作との小規模なコラボイベントを開催していた。
    • グルコス側でポイントを貯める事により、2footのアバターや、「神楽」「雅」をグルコス側のナビゲーターとして使用できる権利を獲得できた。
    • ちなみに本作からグルコスへ移植された楽曲は「Gloria」一曲のみ。その所為もあってか、本作とのコラボイベントの筈なのに「何だかアルカナストーンの壊し合いが始まりそうな曲」や「少年少女が銃や重火器の撃ち合いを演じそうな曲」「ドッタンバッタン大騒ぎな感じの曲」ばかりグルコス筐体から流れるという奇妙な現象が度々発生していたという。
    • 本作が息の長いIPとなっていけば、改めてコラボイベントを開催しグルコス側の看板キャラ「リンカ」「ユメ」をFHとしてお迎えする機会も、ひょっとしたらあったのかもしれないが…。
  • 本作は、空前絶後の爆死アケゲーとして有名になった『スクールオブラグナロク』(現在はサービス終了)の筐体を改造して稼働できるようになっている。そのため、一部のプレイヤーからは「『スクラグ』の敗戦処理」と揶揄されることもあった。
    • しかし、稼働初期に固定客を獲得することに失敗、稼働後半年を境に大型のゲームセンターからも姿を消し、過疎化の果てにサービス終了を迎える、という『スクラグ』の二の舞いを演じてしまったことを考えると笑えないジョークである。
    • スクラグ稼働初期の過疎を物語るネタとして「初心者プレイヤーが全国対戦を始めたら、当時の全国一位とマッチングした」というものがあるが、当の本作も似たような状況に陥ってしまったのは皮肉でしかない。
    • コンバージョンキットのOP価格は、なんと 5,000円 という前代未聞の、コンパネ部品実費にも満たない価格。ネオジオ(MVS)もびっくりで、筐体別とはいえ間違いなくアーケードゲーム史上最低価格である。
      • 後にクロノレガリア(コンバージョンキット OP価格0円 )が最低価格を更新した。
    • また、本作と同じく丹沢悠一氏がプロデューサーを務める完全新作のアーケードロボットアクションゲーム『星と翼のパラドクス(星翼)』が18年秋に稼働開始することが発表されてからは「『星翼』稼働までのつなぎとして稼働したのでは?」という疑惑の目も向けられている。
  • 18年3月に、移植元である家庭版が、6月を最後にサービス終了することが発表された外部リンク)。
    • 公式自ら終了の要因を語っているのだが、要約すると「『僚機操作の難しさ』『シンプルではないゲームルール』『ゲームスピードの遅さ』など、ゲームの核となるシステムが理解されにくかった」と説明しており、ハードルの高さ・説明不足を公式が認める形となった。
    • ゲームの楽しさにたどり着けず、チュートリアルを終えた段階で一試合もすることなく投げ出してしまうプレイヤーが多かったらしく、特に稼働初期~中期は「大半のお客様が1試合もプレイせずにゲームから離れてしまう状態」と公式が認めるほどの惨状であったようだ。
    • 僅かに残った本作のプレイヤーは家庭版の終了に伴う『エース』の動向に注目していたものの、2018年7月5日、家庭版の後を追うように『エース』も 18年8月31日をもってサービスを終了 することが発表された(外部リンク)。
    • 18年の6~7月は運営側もヤケクソになったのか、ログインボーナスで各種バベルブラックを配布するという暴挙に及んでいた。
    • 末期の本作は「ごく一握りのガチ勢と居場所を失った家庭版勢が、本作との別れを惜しんでごく僅かな筐体設置店に集まり、各種SNSでマッチングを呼びかける」という切ない環境であったという…。

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最終更新:2022年10月11日 13:45
添付ファイル

*1 「(頭部<胴部&腕部<脚部」の順に装甲が厚くなっている。

*2 ただし防御力そのものは低めなので、被弾時のダメージは他部位と比較して大きめ。

*3 厳密にどの時間帯にこの仕様が適用されているのかは公言されていない。

*4 パトレイバーの劇中に登場するロボット「レイバー」の多くは兵器ではなく「車両」として扱われており、装甲のたぐいはされていない。

*5 各装甲に設定された独自の効果。「カバー中の装甲値向上」「被弾による『よろけ』に耐性」など。

*6 フレームが大きく露出したブロケーオ・ヴァラーボード胴、コアの防護が甘いヴォルンタリオス胴など

*7 ストライカー・スナイパーはコラボ武器が『スクスト』コラボの「マーベリック・バルキリー」「ウルティマ・リソルサ」しか存在せず、それらは店売り武器に対して大きな独自性・優位性があるわけではないので、採用候補には挙がりにくい。

*8 初回10戦目まで270秒

*9 機体の動作を一定時間加速させる特殊装備「アクセラレータ」を利用し、自機の近くにアイノを装備した僚機がリスポーンするのを見計らって、敵陣にアクセラレータを発動させつつ無敵時間中の僚機を突撃させる戦術。

*10 後者はマップや、画面上の拠点アイコンを指定して使う「攻めて」「守って」「気を付けろ」系のチャットである程度代用はできる