忍たま乱太郎 学年対抗戦パズル!の段

【にんたまらんたろう がくねんたいこうせんぱずる の だん】

ジャンル アクションパズル
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード1枚
発売元 ラッセル
開発元 キューブ、アクア、大高
発売日 2010年9月2日
定価 5,754円
プレイ人数 1人
セーブデータ 12箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント お世辞にも子供向けとはいえない
忍者要素が弱い
忍たま乱太郎シリーズリンク


概要

NHKの長寿TVアニメ『忍たま乱太郎』のアクションパズルゲーム。DSの忍たま乱太郎ゲーム2作目。
通常版の他に設定資料集小冊子と壁紙・スクリーンセーバー・ゲームBGMのサウンドトラックが収録されたCD同梱の限定版が発売。

2021年現在、ゲーム機用の忍たま乱太郎ゲームとしては本作が最後の作品になっている。

あらすじ

パズルを使って学年対抗戦を開催することを思いついた学園長。
学園長の思い付きに対してなかなかやる気を出せない面々だったが、宿題の量の増減を賭けた勝負にされたために必死に。
各学年から代表者3名を決め、宿題をかけた熾烈な戦いが始まるのであった。

ルール

  • 縦3行、横6列の平面状に敷き詰められた赤、黄、緑、青のパネルを並び替え、色をそろえるタイプのパズルゲームである。
  • 時間経過とともに絶えず新たなパネルが現れ、パネル全体が上へ上へと増していく。これが天井まで到達するとゲームオーバー。
  • 同色のパネルを4つ以上を互いに立て横の隣接をさせ、かつその塊の中に火のマークをついたパネルを含ませることで塊を焼失させることができる。
  • パネルが燃え尽きるには一定の時間が必要で、燃えている間別のところから同色のパネルを持ってくることで、延焼させることができる。
  • パネルを燃やした得点に応じてレベルが上がっていく。
    • レベルが上がると新規パネルの登場スピードがだんだんと増加する。レベルが10の倍数を超えると再度ゆっくりになる。またレベル15以降は新たに紫のパネルが登場する。
  • 操作について
    • パネルの入れ替えは2×2マスの単位で行われる。
    • パネルを入れ替えたい範囲は方向キーで選択できる。
      • A:カーソルで選択した2×2マスの左右の列を入れ替える、X:カーソルで選択した2×2マスの上下の行を入れ替える
    • さらにRで下に新規登場するパネルを強制的に追加できる。一度に多くのパネルを燃やしたいときに役に立つ操作である。
  • 手裏剣かクナイのマークがついたパネルは、同色のパネルが隣接したときに、周囲のパネルの色を変える。
    • 消したい色に該当する火のパネルがなかなか出現しないときに役に立つパネルである。
  • キャラ性能
    • ストーリーモードでは、乱太郎、きり丸、しんべヱの3人から一人を選んでパズルに挑ませることになる。
      • 3人のキャラ性能はそれぞれ、「火のパネルが登場しやすい」、「パネルの色を変えるアイテムが登場しやすい」、「パネルが上昇する速度が遅くなる」というもの。
    • なおチャレンジモードでは、1年は組の3人以外のキャラとしてくの一組や他学年の先輩による3人組チームを使ってもプレイできる。1チーム中の3人がいずれかの性能に対応している。(キャラ数が多いため、誰がどの性能と対応しているかは割愛。)

モード

  • ストーリーモード
    • メインシナリオ上の対戦は6回戦あり。シナリオは何周しても同じだが、どの学年と出会うかはランダム。
    • 対戦相手に勝つには、パズル中に出されるお題を指定数解ききることが必要になる。
      • お題の内容は、「●色のパネルを(一度にもしくは累計で)●枚焼失させろ」、「連鎖焼失を達成させろ(場合によっては連鎖開始の色の指定があったり、指定の連鎖数が増えることがある)」の2種類。なお、お題は1問解くと次の1問が登場する仕組みであり、基本的に同時に解くことはできない。
    • 対戦終了後、エピローグの直前、クリア後にセーブするタイミングが設けられている。
    • 試合結果によってエンディングの内容が異なる。これはどうやら忍者ポイントによってフラグ分岐が行われているらしく、成績がよい順に、二年、三年、…、六年、くの一専用のエンディングが用意されている。全勝すると「一年は組」の専用エンドが見られる。
      • 高学年の出す問題を多く解くほど忍者ポイントが高く入るらしい。
  • チャレンジモード
    • チャレンジとしては、忍術学園の先生が出すお題に答えるモード、自習としてひたすらパズルをしつづけるモード、対戦チャレンジの3つがある。
    • 先生にチャレンジするモードでは、ゲームオーバーにならないうちに1つのお題をクリアすることになる。
      • 簡単な問題を出す土井先生、普通の問題を出す山田先生、手厳しい問題を出す戸次先生がそれぞれDS内蔵時計の時間帯に応じて3問提示する。先生ひとりに付き20問ほど持っている模様。
    • 自習では問題が出現せずにひたすら長時間点を稼ぎながら生き残ることになる。また得点に応じてランクが与えられる。
    • 仲間にチャレンジというのは事実上のエキシビションのようなもの。相手のキャラに応じて5つ問題が用意されるため、これを全て解ききると勝利。
    • このモードでは、自分が操作するキャラは大会参加者からプレイヤーが任意に決定できる。対戦モードでは相手もプレイヤーが任意に決定可能。ただし「一年は組」から2人選出することはできない。
  • デザイン
    • ストーリーで集めたポイントで、画面のデザイン変更ができる。

評価点

  • キャラクター性
    • シナリオ運びと構成自体は普段放送しているアニメのものと遜色ない仕上がりになっている。
    • エンディングを全て見るのは骨が折れるが、どれも不快な気分になるような類ではなくほっこりする内容である。
  • BGMの出来はよい。
    • 各学年にテーマ曲が用意されている。とくに「くの一組」関連の専門BGMは颯爽で優雅な雰囲気を両立している。
  • パズルのルール
    • 独自なルールを持つパズルだが、やりこもうと思えばなかなか奥が深い。

問題点

  • ボイスにあまり恵まれていない
    • キャラがボイス付きでしゃべるのはメニュー選択画面と対決するときの名乗りや掛け声程度。
    • DSの前作と比較すれば、量はともかくとしてボイスがつけられたこと自体は進歩といえる。
  • パズルゲームである必要性
    • 大きな問題点とはいえないだろうが、身も蓋もないことを言えばパズルによる学年対抗戦を『忍たま乱太郎』の世界観でやる必要性はない。
      • 『忍たま乱太郎』の原作は特定の世界観に固執することなく幅広い物事を登場させてはいるものの、パズルをするだけでは「忍者らしさ」がほとんどない。
    • 学年代表を決める際に、「優等生クラス」であるはずの一年い組が影も形も登場しないため違和感すらある。
  • やりこみ要素の物足りなさ
    • 本作はパズルしかすることがないため、パズルを極めるモチベーションが涌かないと本作をプレイし続けるのが苦痛になる。
    • 得点を競うこともできるのだが、設問一問だけで記載されるどこか現実味がない調整。かといってストーリーモードでシナリオを楽しもうとするにもいくつかの壁が立ちはだかる(後述)。
  • 運ゲー、理不尽に近い部分
    • まずパズルについてだが、システムのとおりレベルアップに従って増加速度が増えるほか、15レベル以降からパネルの色が追加されるため、長引かせるのは好ましくない。
    • 課題に関して色指定がされている場合があるが、火のマークや手裏剣マークがちっとも現れないこともよくある。そうするといやでも課題と関係のない行為をしてレベルを上昇させることになる。
    • 次に追加されるパネルがマークを持っているのか或いは無地なのかがわからないため、連鎖のために作っておいた仕掛けをあっけなく焼失、なんて自体は日常茶飯事。ストーリーモードの難しさの9割は「連鎖しろ」という課題のせいだといっても過言ではない。
    • ストーリーモードでは対戦を重ねるにつれて出題数が増え、その要求も複雑になるため長期戦は免れず、そこまで集中力を保つのも容易ではない。
      • 幸い対決を終えるたびにセーブされるため好きなタイミングで休めるが、こういった長丁場に耐える精神力はどうしても必要。
  • 忍たまポイントの仕様
    • 相手に敗北しても0点という限りではなく、一部の問題を解くと入手できるようだが加算される条件がいまいちはっきりしない。
    • 上記のとおり、この忍たまポイントがフラグ管理を担っているため、ストーリーモードを制覇したい際の得点管理も必要になってくる。
      • 全体的に問題の難易度やランダム性に対して、得点の大きさが釣り合っていないのも問題といえる。いわゆるトゥルーエンドを見るにはこの長丁場を全勝する必要があるし、感覚的に連鎖問題で詰んでいるようでは、二年エンド、三年エンド、四年エンド視聴も厳しくなる。
    • 恩恵というのもパズルのデザインを変えられるというものだが、おしゃれになるわけでもないしかえってパズル画面が見にくくなるものもある。
    • そもそもどこに何点使ったのかがまったくわからないため、画面にはきちんと変化が反映されていて混乱する事態も起こりうる。
  • モード間の移動
    • ゲーム開始時に、「ストーリーのつづきをはじめますか?」との質問がストーリーモード未着手であっても現れる。これに「いいえ」と答えればモード選択画面に移るのだが、「はい」と答えれば問答無用にストーリーモードに直行する。
    • ストーリーモード中に別モードにいくには上記のロードしかないため、この仕様に慣れていないとデータ破損のように映りかねない。

総評

パズルのルール自体はオリジナリティあるものといえるのだが、本作で遊べるのはそのパズルに限定されている。
肝心のパズルも一部の極悪な問題や難解なフラグ管理などが災いし、『忍たま乱太郎』本来の視聴層である子供向けの難易度とはとても言えない出来になってしまっている。

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最終更新:2021年08月21日 00:08