※本ページでは『戦国無双2 猛将伝』と、ワンパッケージタイトルである『戦国無双2 with 猛将伝』に加え、そのHDバージョンをまとめて説明する。



戦国無双2 猛将伝 / 戦国無双2 with 猛将伝

【せんごくむそうつー もうしょうでん/せんごくむそうつー うぃず もうしょうでん】

ジャンル タクティカルアクション

対応機種 プレイステーション2
Xbox 360
メディア DVD-ROM 2層ディスク 1枚
発売元 コーエー
開発元 コーエー(オメガフォース)
発売日 【PS2】2007年8月23日
【360】2008年3月19日
定価 【PS2】4,280円
【360】2400マイクロソフトポイント
【with 猛将伝】7,200円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
周辺機器 【PS2】PlayStation BB Unit 対応(HDDのみ)
備考 360版の『猛将伝』単体はダウンロード専売
判定 改悪
無双シリーズ

概要

毎度おなじみ、『戦国無双2』の追加ディスク。
本作はシリーズ唯一、『Empires』の後に発売されている。


評価点・追加要素

追加キャラクター・ステージ

  • 猛将伝歴代最多の6人の武将が追加。
    今川義元が復活、柴田勝家と佐々木小次郎が新武器、新モーションで登場、さらに完全新規キャラとして前田利家、長宗我部元親、ガラシャが追加された。
    • 新キャラ6人はいずれも個性的なアクション、仕様があり、新鮮な気分で戦うことができる。
  • ステージは桶狭間と、四国が追加された。

傭兵演武

  • いわゆる戦国無双版修羅モードなのだが、一介の傭兵として各地を渡り歩いていくという設定
    • 趣が大きく異なっており、育成したキャラクターを使用可能、難易度選択も可能で、サバイバルモードの面が強い修羅モードと違い、明確に目標とゴールが設定されている。

アクション面

  • 全キャラクターにチャージ5、チャージ9が追加
    • 攻撃範囲や射程が非常に優秀、ガード不能技、特殊技の効果が同時に発動する、等の使い勝手のいい技が多い。
      • とはいえ全ての技が強力という訳ではなく、濃姫や蘭丸、三成のチャージ5は存在意義が見出せない程性能が悪い。
  • レベル3無双奥義に追加されるエフェクトの攻撃判定が変更された。
    • 『2』では敵を吹っ飛ばしてしまう物が多かったが、そのほとんどから吹っ飛ばし効果が削除された。その結果、凍牙属性と併用しなくとも安定して多段ヒットが狙えるようになった。
      • …のだが、確認ミスか謙信・半蔵・ねね・風魔の騎乗無双は『2』のままなので敵を吹っ飛ばしてしまう。また、『2』から変更のない家康や兼続、既存キャラと同じエフェクトを『2』仕様で流用したガラシャ*1や勝家の無双は敵を吹っ飛ばす。
    • 特殊な例として蘭丸はエフェクトそのものが変更され弱体化した。何故だ…。
  • 敵武将の超反応が修正され、攻撃が当てやすくなった。
    • ガード崩し攻撃の使い勝手が大幅に良くなった他、まともに攻撃が繋がらなかった信玄や義弘は無双奥義に頼らずとも最高難易度でも普通に戦えるようになった。
      • もっとも、武将複数に浮かされるとプレイヤーがワッショイされまくるほど攻撃頻度が高い点は相変わらずだったが…。逆に言えば朝倉ワッショイは猛将伝でも可能。
  • 後述の秘技の追加により全武将で無双奥義に頼らずとも攻撃動作をキャンセルできるようになった。
    • これにより多くのキャラでループコンボが可能になった他、硬直の長い技も使いやすくなった。

武器

  • 第5武器の第2秘蔵武器の追加。前作における第6武器にあたるが、性能や属性は第1秘蔵武器と異なり、グラフィックは新規に用意されている*2
    • また、難易度は難しいでも入手可能になった。さらに、宝物庫においてステージと大まかな入手方法が示されるようになり、入手難易度も大きく下がった。シリーズ過去作では秘蔵武器の入手手段をゲーム中で確認できなかったうえに通常プレイではまず気づかない入手手段も少なからず存在したため、大いに喜ばれることに。
    • 第1秘蔵武器より強力、上位互換というわけではなく*3、入手難易度の低下や宝珠で性能の書き換えができることから、強力な武器というよりはグラフィック違いの武器といった面が大きい。
  • 宝珠の追加
    • ステージクリア時に一定確率で手に入る。これをよろず屋で使用すると、武器の属性、付加効果を自由に追加、上書きできるようになる。
    • 秘蔵武器だろうと例外なく、かつ回数制限なく強化可能。これにより、武器強化のハードルは大きく下がった。
      • 欠点を挙げれば、宝珠ではスロット数を増やせず属性を消したりもできない。また、あまり困らないだろうが付加効果の数値は20で固定で、同じ効果は3つまでしか付けることはできない。これは2無印での武器強化も同様。

育成・強化関連

  • プレイヤー武将の階級上限が50から70に、護衛武将は20から30に増加し、それに合わせて能力値の上限も増加した。
    • 護衛武将として選べた柴田勝家と佐々木小次郎のプレイアブル化に伴い、それぞれ高橋紹雲と足利義輝に変更された。
  • 秘技が追加
    • いわゆる汎用的な固有技能のようなもの。使い辛い固有技能を有用なものに変更できるようになり、自由度が増した。
      • 代償として金額が結構高い上に共有されないため、武将ごとに個別に購入しなければならない。また、秘技によっては固有技能と同一の効果があるため重複にも気をつける必要がある。総じて秘技は必要なものだけ購入するのが望ましい。

無限城

  • 敵武将の体力が左上にも表示されるようになった。それ以外は変更なし。

その他

  • 地獄の上をゆく高難易度、修羅が追加
    • 逆にやさしいよりも簡単な難易度、天国も追加された
    • 宝珠で武器強化が出来るようになったため、本作での高難易度の意義は秘蔵武器の取得か、それより上は技能と宝珠の取得確率を上げる程度に留まる。
  • 『2 Empires』からの流用だが、第2コスチュームが追加された。前作ほど凝ってはなく単なる色違い程度だがおおむね好評。
  • 後述の無双や新アクション追加以外にも一部の武将の性能が調整されている。

PS2限定の評価点

  • グラフィックが多少向上している。
  • プレイヤーの大きな助けになる有用なバグが多い。
    • 前述の宝珠を僅か数分で確実に入手し続けられるバグ、手順は異なるが『2』と同じくよろず屋でお金(さらに宝珠も)を消費しないバグは1日かからずに全武将に理想武器とよろず屋で購入可能な全技能(秘技含む)を獲得させることが可能。
      • これらはやり込み要素が減ると批判されることも稀にあるが、下手をすれば数ヶ月もかかる作業から解放されるので大抵の人には嬉しい誤算だろう。
    • それ以外にゲームバランスに大きく影響するのが固有技能と秘技の効果が同時に発動するようになるバグ。
      • 孫市と稲姫はこのバグの恩恵を特に受けており、装備によっては敵武将も雑魚も射撃だけで完封できるシューティングゲームと化す。
    • それ以外にも固有技能の特殊構えキャンセルと同時にガード崩し効果のある銃弾を飛ばす、特殊構えとジャンプキャンセルを併用して攻撃の自由度を大幅に上げる、ガードと無双奥義だけでノーダメージクリア、とL1無双に負けず劣らずのやりたい放題ぶりである。
      • なお、ゲームバランス崩壊レベルで強くなる武将もいるが、一方でこれがないといまいちパッとしない武将や真価を発揮しきれない武将もいる。前述の孫市と稲姫もあくまで固有技能と秘技が噛み合っているから強いのであって、どちらか片方だと性能面で今一つな部分が目立つ。
      • 他に動きの遅さをカバーできる固有技能が生命線の信玄や義弘、固有技能で武器強化性能をさらに引き上げることでキャンセル技が真価を発揮する信長や誾千代、キャンセル系固有技能を持っているからこそ他の系統の秘技を選べる利家等がこれにあたる。
    • このように使えるバグは素晴らしいとしか言いようがない一方、プレイヤーの不都合になるバグもちゃんと存在するのでそこは注意したい。

360限定の評価点

  • マシンパワーに物を言わせたグラフィック、及び敵兵の増加は目を見張るものがある。
  • 『with 猛将伝』というワンパッケージタイトルの販売により、MIXJOYによるディスク認証の手間を廃したこと。
    • 『真・三國無双4 Special』と違い、廃された要素もない。完全なワンパッケージソフトになっている。
  • また、『2』所持者には安価な『猛将伝』単体という選択肢もある。
    • 猛将伝をプレイするには『2』のソフトを入れておく必要があるが、DL専売によりディスク認証の手間が省ける点も評価点。

賛否両論点

キャラクター設定など

  • 悪乗りが増したキャラ付け
    • 『2』の時点で風魔小太郎など、キャラ付けで一部批判があったが、本作では長曾我部元親、ガラシャなどが遊び過ぎたキャラ付けに批判の声がある。
    • 第2秘蔵武器では竹刀や傘*4といったネタ武器が追加されたのも賛否が分かれる。
    • この路線は、シリーズが進むごとにさらに加速していく。
  • 正式なプレイアブルキャラとなった柴田勝家だが、本作で追加された斧と衣装の相性が悪いため山賊にしか見えないとの声が上がった。
    • あくまで見た目と武器のせいであり勝家自身は言動や振る舞いなどで威厳のあるキャラクターとして十分表現がなされているが、もう少しどうにかならなかったのか…。

L1無双の修正

  • 金稼ぎに有用で、さらに大量のエフェクトをばら撒くのは非常に爽快だったが、修正されてしまった。
    • ただ、本作の場合は敵武将の超反応も修正されており、攻略に必須というほどでもなくなったため妥当ではあるか。

双六

  • 元々つまらない、誰得と言われたモードなのだが、本作では追加要素や、問題点の改善といった修正はない。
    • さらに、『猛将伝』では全てのキャラクターが最初から使用可能なため、唯一の目的である阿国の解禁という役割すらなくなってしまった。
      • 好意的に見れば、BGMの解禁以外ではプレイする必要が無くなったともいえる。

BGM

  • 新曲は好評だが、小牧長久手、姉川といった旧曲のアレンジについては賛否が分かれるものもある。
    • しかし、小牧長久手に関しては『無双OROCHI』シリーズにおいて積極的に『2』のバージョンが採用されるなど概ね好評と言ってもいい。この曲のキモと言える篠笛の音色に関して、1が打ち込み音源だったのに対し、『2』は作曲者の小池氏による生演奏が主体という音質そのものの違いも大きい。
    • なお、誤解されやすいが、桶狭間に関してはアレンジではなく新規である*5
      • また、小牧長久手、姉川のアレンジは傭兵演武でのみ流れ、無双演武では流れないのも残念。

問題点

修羅属性の改悪
本作最大の問題点であり、本作の評価を大きく下げた元凶。

  • 修羅属性の効果は、『2』の場合は「敵武将に基本ダメージ+敵の残り体力に対し割合ダメージ、一定確率で雑魚兵即死」だったのが、『猛将伝』では基本ダメージが削除された。
    • これにより武器の修羅属性はダメージソースとしてかなり使い辛くなった。
      なお、武器に関しては、宝珠で属性を自由に書き換えられるため、嫌なら変更しろでどうにか対処できるのが救いだった。
  • しかし、それではどうにもならなかったものがある。それは本作一番の問題の技能「虎乱・3」の存在である。虎乱は無双奥義を強力にする効果があり、レベル3ではそれに加え奥義中の全ての攻撃を修羅属性にするという効果となる。
    • だが、レベル3にすると、逆に奥義中に攻撃する度与えるダメージが大きく下がっていき、最終的には雀の涙以下のダメージしか与えられなくなる。そして、敵武将を撃破できないまま奥義が切れてしまう。
      • いくら体力が少なくなった武将とはいえ、無双ゲージが空の状態で相対するのは非常に危険である。
    • 現在体力の割合ダメージを連続して与えるという仕様上、これらは難易度問わず発生する。むしろ低難易度の方が深刻かもしれない。
  • この仕様変更により虎乱・3の無双奥義の殲滅力は虎乱・2どころか、虎乱が無い状態よりも大きく劣るようになり、修羅属性と虎乱・3は産廃と化した。
    • これにより無印で技能をコンプリートしたユーザーは馬鹿を見る羽目になる。引き継いだことで逆に不利になることから「馬鹿にしているとしか思えない」という声が多数挙がった。
  • これに対してユーザーには3つの選択肢がある。
    • 1つは産廃化した虎乱3に甘んじる。
      政宗や長政といったヒット数でゴリ押しできるキャラクターは強引に武将を削り撃破することが可能なため、どうにか戦うことが可能。
      • ちなみに、体力が1になった敵に修羅属性を当てるときちんと撃破することが可能ではある。
    • 2つ目は虎乱を封印して虎乱未収得状態で戦う
      • 最もお手軽な対処法だが、無双奥義の火力は虎乱1~2よりも大きく劣るため、かなり弱体化してしまう
    • 3つ目は虎乱2(場合によっては1も選択肢に入る)を維持するため、初期化して育成をやり直す。本作の奥義の最高火力は虎乱2であり、最強武将を作りたければこれを目指すことになる。
      • 本作では技能の効果を発動させないことは可能だが、技能のレベルを任意で下げることはできない。
        そのため技能レベルを下げようとするならば育成をやり直すしかないのである。
  • 再育成するといっても、本作の階級上げは、一気に勲功を取得する手段が無いためかなり時間がかかる問題点はそのまま。
    むしろ階級が増えて育成にかかる時間が増した(単純計算で1.5倍)。
    • 当然ながら初期化すると技能も初期状態に戻る。そのため、再び技能を購入、及び他のレア技能をスティールする運ゲーをこなさなければならない。
  • そしてようやく育成が完了しても常に虎乱3のスティールに怯えながら戦わなければならない。
    • 一応技能を未収得状態にすることによって取得確率は下げられるが、難易度難しい以上ではスティール確率を0にすることができない。
      • 確実なのは虎乱3持ちに出会ったら中断セーブすること。スティールを避けるために中断セーブするとか本末転倒過ぎる。
        しかし、傭兵演武や無限城といった中断セーブが難しい場面だとそれもままならない。虎乱3を持つ明智や稲姫、ねねといった面子は置き土産を残す恐怖の存在と化す。
  • 確かに『2』の修羅属性と虎乱3は殲滅力を一変させるほどで、属性間バランスも修羅一強、バランスブレイカー気味だったので弱体化自体は必要だという声もあった。
    • しかし、安易な弱体化ではなく他の属性の上方修正をすべきであるにもかかわらず、他属性の上方修正はされていない。
      仮に弱体化が必要だとしても、弱体化した結果、バランスが良くなったかと言われたらそんなことはなかった。
      • 結果としては、属性のダメージソースとして修羅と紅蓮の価値が入れ替わっただけで、烈空は相変わらずの産廃だが基本ダメージがある分まだマシ。上記の通り基本ダメージが無い修羅はそれ以下になり下がった。
        つまり選択肢が変わっただけで、選択肢が増えたとは言えない。バランス調整としても完全に失敗してると言えるだろう。
  • 360版も同様。PS2版からかなり発売が遅いにもかかわらず、何の修正もされなかった点についても批判が大きい。
  • 余談だが、本作の修羅属性の効果は、敵武将へのダメージ割合と雑魚即死率100%を除けば『真・三國無双2』の斬属性とほぼ同じである。
    • それでも本作の効果で批判が大きいのは、本作のように常時斬属性状態が無く、本作の虎乱3のような状況にならなかったことと、本作ではプレイヤーの火力や技性能向上により基礎的な与ダメージが増え、雑魚敵の弱体化により雑魚の固さに困らなくなったことが挙げられるか。
  • 敵の現在体力に応じた割合ダメージ属性の弱体化と同時に、無双演武及び模擬演武の「難しい」を上回る難易度「修羅」を追加する手法は『真・三國無双4』と全く同じである。
    • 同作では斬属性の代わりに陰属性が登場したが、発動する毎に問答無用で無双ゲージを空にしてしまう欠陥を抱えている。
    • 4 猛将伝』でもこの欠陥が改善されず放置されたまま。
    • 即ち、細部こそ違えど、『真・三國無双4』と全く同じ失敗を本作でもやらかしてしまったのである。

アクション面

  • 本作でプレイアブル武将となった前田利家だが、通常攻撃は刀のみ、チャージ攻撃は槍のみという「槍の又左」の異名にそぐわない戦闘スタイルな上に槍の性能に難がある。
    • チャージ攻撃で使用する槍の発動が「刀を腰にマウントし背中の槍に持ち替える」という動作のため遅すぎて攻撃が繋がらず、もしくは癖があるため妙に使い辛い。
      無双奥義も槍での連続突きだが、そのままだと敵を浮かせてしまうため、クリーンヒットしない。単体ならそこまで問題ないが、無双奥義レベル3の高威力ビームと全く噛み合わない。
      • 一見すると存在意義の分からない技の数々だが、凍牙で発動の遅さを補ったり、閃光属性の場合は通常攻撃がダメージ源にならないのでメインにすることもある。ただ、そこまで使用方法を吟味しないと非常に使い辛いことには変わりない。
    • 逆に刀を使う通常攻撃はリーチこそ槍に劣るものの、癖が無く扱いやすい。固有技能も通常攻撃中に特殊構えを行うものであり、隙消しや緊急回避はもちろん、この技能を利用した強力なループコンボも存在する。じゃあ槍の存在意義って何だ?
    • 騎乗攻撃も槍のみ使用するが、こちらは両手で左右同時に槍を振り回す攻撃モーションのため普通に優秀である。騎乗攻撃で槍の存在感を発揮させよう
  • 一部説明不足な特殊技の効果説明
    • 例えば前田利家の特殊技1は攻撃力を増加させるが、同時に防御力を下げてしまう。しかし、説明文には防御力減少効果についての記載は無い*6
    • 他にはガラシャの特殊技は無双を消費して攻撃の術と防御の術を発動させるとあるが、段階によって効果がまるっきり変化するにもかかわらず詳しい効果説明はない。

痒い所に手が届かない追加要素

  • 森蘭丸、阿国の無双演武は追加されなかった。
    • 一応、新規ステージに関する台詞は追加されている。
  • くのいち、石川五右衛門の復活はなし。
    • ただ、くのいちは前作で大きく批判を浴びたキャラクターであり、五右衛門は単独行動が多いので絡ませ辛い(実際阿国はそれで無双演武が無い)という事情もある。
  • 本作の新キャラ(主に利家と勝家)を模擬演武に登場させると、武将が分身してしまう問題が再発した。
  • 武器強化に使用する宝珠だが、バグを考慮しない場合非常に集め辛い。
    • 開発もそれを考慮しているのか、宝珠を増殖させるバグはPS2以降の作品全てに搭載されている。
  • 『2 Empires』で登場したが本作に引き継がれなかった要素。批判が多かったのが『3』では無印の時点で搭載された。
    • 成長限界突破が無いため、限界まで成長させることができない。
    • エディットモードは無し

PS2のみの問題

  • 2層ディスクを採用しているため、初期型PS2ではディスクを読み込めず、プレイそのものが出来ない場合がある。
    • また、2層ディスクはレンズの寿命を削りやすいという欠点もある。PS2後期のソフトではいくらか共通する問題点ではあるが…。
  • 相変わらずMIXJOYは無印版のディスク認証が必須。無印ディスクの中古対策という面があるとは言え、いささか旧態依然に過ぎる。
    • 『三國』と違い、『猛将伝』のみでレア武器を網羅することはできない点もそのままなため、余計に不満点として挙げられやすい。

360のみの問題

  • ソフトリセット不可。
  • いくつかバグが修正されている。
    • 一見すると評価点だが、ソフトリセット不可と合わせて前述のよろず屋バグと秘技に関するバグも修正されてしまった。
      • にもかかわらず、修羅属性はバグではなく仕様なのでそのまま。修羅属性の爽快感もバグの恩恵も薄いというある意味一番遊び辛いバージョンとなってしまった。

総評

『猛将伝』最多の追加キャラクターに加え、追加要素や武器追加もあり追加ディスクとしては及第点に達している。
ただ、本作の評価を一変させるほどの修羅属性の改悪があまりにも痛すぎた。

今から本作をプレイするなら、よほどハードにこだわりが無い限りは、修羅属性問題が改善された下記のHDバージョンを勧める。


戦国無双2 with 猛将伝 & Empires HD Version

【せんごくむそうつー うぃず もうしょうでん あんど えんぱいあーず えいちでぃー ばーじょん】

ジャンル タクティカルアクション
対応機種 プレイステーション3
プレイステーション ヴィータ
メディア 【PS3】BD-ROM 1枚
発売元 コーエー
開発元 コーエー(オメガフォース)
発売日 2013年10月24日
定価(セット) 通常版: 4,800円
プレミアムBOX: 7.800円
ダウンロード版: 4.500円
定価(単体版) with 猛将伝: 3.000円
Empires: 2.700円
プレイ人数 【PS3】1~2人
【PSV】1人(アドボック通信で2人)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
備考 PSV版はダウンロード専売
どちらもDL版限定で単品発売あり
判定(PS3) 良作
無双シリーズ

※PS3版がメインなので、PSV版追記求む


概要(HD)

無双にしては珍しいHD版商法で*7、360をベースに『with 猛将伝』と『Empires』がセットになってPS3とPSVに見参。
単純に解像度を上げただけでなく、細部の修正が行われている。

なお、『with猛将伝 & Empires』はPS3版限定で、単品発売はダウンロード版限定となっている。


評価点・追加要素(HD)

パフォーマンス面の向上

  • 360に近いものを実現している。
    • 画面に表示される兵の人数を大幅に増加され、爽快感が増した。元々PS2後期の無双で、プレイキャラの性能がかなり上がった作品故、数の暴力にやられることも少ない。3zよりキャラ性能高いし
      • これにより若干だが階級上げも楽になっている。
    • グラフィックの向上
      • 光の表現力が大幅に向上している。
      • 単純に解像度を上げただけでなく、テクスチャも大きく修正されている。特に関ヶ原は別物と化している。
  • キャラ性能の微調整
    • あまり知られていないが、修羅属性以外にも各武将の細かい部分に調整が入っているケースがある。これにより(僅かだが)上方修正された武将もいる。その逆に下方修正されたキャラもいるが…(問題点へ)
      • パラメータやモーションを見直したというより移植先のハードの性能に合わせた結果、動作が少し変わったというのが正確な所。

その他

  • オートセーブ対応。
  • トロフィーに対応*8
  • PS3とPSVでセーブデータを共有することができる、クロスセーブデータに対応。
  • カメラの設定(上下/左右)を変更可能になった。

with猛将伝

  • 修羅属性の改善
    • 最大の改善点といっていい。PS2版で削除された基本ダメージが復活し、さらに敵の最大体力に対し割合ダメージが発生するようになったため、殲滅力が大幅に向上。
      • これにより、虎乱の扱いに困ることが無く、虎乱3で十分戦えるようになった。修羅属性ゲーをさらに加速させたとも言えるが、元々の『2』からしてそうだったので今更といえば今更だが…。

Empires

  • 『戦国無双3Z』からの流用で、エディット武将のモデル追加された(男性モデル6体、女性モデル5体)。
  • 争覇演武での全国統一モードをクリアしたときのエンドロールの映像が、2の外伝シナリオクリアのものに差し替えられている(曲は閉幕のまま)。

問題点(HD)

2作共通

  • 一応、360というHD機でのベースがあるものの元はPS2の作品。既に出ている最新作の『真・三國無双7』や『無双OROCHI2 Ultimate』と比較すると古臭さを感じるのは否めない。
    • 特に、カメラ外の敵には攻撃が当たらない仕様はそのままのため、広範囲攻撃で敵を巻き込みづらいという問題点が致命的。
  • 一部武将の大幅弱体化
    • 普通にプレイしていても気付かない程度に強化された武将もいるが、一方でありえないレベルまで弱体化した武将もいる。
      • 分かりやすい例としては石田三成で、移植前では問題なく繋がっていたはずのC2、C4からの拾い直しが全く安定しなくなった。C2の打ち上げ距離が下がったのか、出し切りを狙おうにもC2-2が当たらないことすらままある。
      • 特にC2ループに関しては秘技キャンセルが不要であり、2無印時点で使用可能だった。つまり、最新版でバグ修正とも関係ないのに一番古いバージョンより劣化している。
      • 最後の希望である無双奥義は平凡な性能のままであり、修羅属性武器&虎乱3でも全くカバーしきれない程弱い。この悲惨な弱体化の結果、本作の三成に存在意義はないとまで言われてしまった。
  • ソフトリセット不可
    • 360版から引き続きHD版でもソフトリセットが削除されており、これに起因したバグも修正された。一方で宝珠増殖バグについては意図的に残されている。
      • どうやら『三國』以外の無双シリーズではソフトリセットを徹底的に廃する方針らしい。
  • 360(もしくはWin版?)をベースにしているため最適化が不足しており、カクツキ、処理落ちが頻繁に起こる。
    • また、敵兵の描画数は360より若干劣る。
      戦闘画面も4:3から上下カットで16:9にしているようで、馬に乗ると進行方向がかなり見にくくなる。
  • HD版に共通する問題ではあるが、プリレンダムービーはSD画質のまま(ちなみに360も同じ)。
    • 一応「ザラつきが歴史物っぽく見える」故に、強烈な違和感は無い。

Empires

  • 『2 猛将伝』はシリーズで唯一、エンパイアーズ後に発売された作品である。よって、『2 猛将伝』で登場した要素については全く入っていない。
  • 長谷堂の戦いのマップの防衛側本陣の手前辺りの支配領域と一部拠点が、ミニマップで表示されない。
  • 戦国事典の松野主馬の項目の名前と生没年がEmpires未登場の島津家臣の頴娃久虎に誤植されている。
  • オリジナル版で、同盟国からの援軍要請が侵攻と防衛で分かれていた台詞が同一の台詞に統一されている(侵攻側も、同盟締結要請と同じものではあったが)。

PSV版について

  • 解像度がHD版ではないにもかかわらずHDを銘打って発売したのはどうなのかと批判が起こった。
    • これは同じような形式で発売されたメタルギアソリッドHDエディションでも同様の批判が見られた。
    • 『with 猛将伝』は容量が5GBあるため、最低でも8GBのメモリーカードが必要となる。
    • PSVのパッケージ版が出なかったのはこの容量の大きさゆえ主流である4GBのPSVカードに入りきらないため見送られたと思われる。
    • フレームレートがあまり安定しない。風魔小太郎が分身して登場した際には特に酷いカクツキが起こる。
    • マップ切り替え、緊急回避は前面タッチパネル固定で、後方タッチに割り当てることはできない。
    • ハードスペック上仕方ない点であるが、敵兵の数はPS2よりは少し多いがPS3版ほどには群がらない。

総評(HD)

問題視されていた修羅属性を改善し、虎乱に悩まされることなく快適に遊べるようになった。
HD機版の『2 Empires』(360は海外限定で発売されていた)も日本でようやく遊べるようになったのもうれしいところ。

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最終更新:2023年11月03日 15:00

*1 光秀やお市と同じ見た目だが厳密には流用ではなく、地上当てした場合は敵を浮かさずにのけぞらせる。

*2 前作の第6武器のグラフィックは本作の第4武器で使用してしまっているため、新規グラフィックを用意せざるを得なかった。

*3 一部の武将は第2秘蔵武器の方が僅かにリーチが長いと言われているが、ほぼ誤差のレベルで実感できる程ではない。

*4 阿国の番傘ではなく、長政の槍。

*5 曲名が「電光石火-桶狭間-」で、同じ名前を使っている『3』の桶狭間は『2』のアレンジ、『4-II』の桶狭間・改は名前の通り初代版のアレンジ。

*6 ちなみに、森蘭丸や島津義弘と同じように見えるが、実際は効果時間が違っている。そのため説明文も違うと思われる。

*7 毎作リメイクみたいなものだから、過去作をHD化する恩恵が薄い。

*8 『with 猛将伝』と『Empires』はそれぞれ別で用意されている。