※この記事では任天堂発売のFC版・GB版の他、BPS発売のSFC版も扱います。



ヨッシーのクッキー

【よっしーのくっきー】

ジャンル アクションパズル

対応機種 ファミリーコンピュータ
ゲームボーイ
発売元 任天堂
開発元 ホームデータ
トーセ
発売日 1992年11月21日
定価 【FC】4,900円
【GB】2,940円
プレイ人数 【FC】1~2人
【GB】1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※VC版より付与
配信 バーチャルコンソール
【Wii】FC版:2008年6月10日/500Wiiポイント(税5%込)
※2013年10月11日に配信終了
書換 ニンテンドウパワー
【GB】2000年3月1日/800円/F×1・B×0
判定 なし
ポイント 揃えて消すスライドパズル
実は原型がある
マリオシリーズ・関連作品リンク
ヨッシーシリーズリンク

概要

ヨッシーのたまご』に続くヨッシーパズル第二弾。 FC版とGB版が同時に発売された。

GB版は、当時のGBでは非常に珍しい4人対戦プレイに対応していた。

ルール

基本ルール

  • プレイヤーはカーソルを操作し、ボタンを押しながら上下左右に動かす事で1列ごとクッキーを動かし、同じクッキーを1列ずつ揃えて消して行く。
    • クッキーが消えたことで1列揃った列ができたら、連鎖でその列も消える。
    • クッキーは全部で5種類存在し、これとは別にヨッシーの形をした「ヨッシーのクッキー」もある。
  • 本作では1人用と対戦モードでルールが異なる為、分割して記載する。

1人用モード

  • 上と右からどんどん新しいクッキーが押し寄せて来るので、いっぱいになる前に全てのクッキーを消す事によってステージクリア。
    • 微妙にクッキーが残っても新しいクッキーが来るので消し続けていけばその内にクリア可能。
  • 各クッキーのメーターが満タンになる毎に「ヨッシーのクッキー」が出てくる。
    • 1人用モードのヨッシーのクッキーは他全てのクッキーの代用として扱う事ができ、どんなクッキーと並べても消す事が可能。ポーカーゲームのジョーカーのようなものと言えば分かりやすいと思われる。
  • 10ステージで1ラウンドとして区切られており、ラウンド10までクリアーすればエンディングとなる。
    • 1ラウンドクリア毎にマリオとクッキー(丸いクッキーに目玉が付いたもの)の寸劇を見ることが出来る。
+ しかし…ネタバレ注意!
  • ラウンド10クリアはまだ序の口。エンディング後しばらく放置していると、ラウンド11以降を解放する方法が表示される。
    • ラウンド11以降はクッキーではなく、クリボーやパックンフラワーなど『ヨッシーのたまご』を思わせる敵キャラを揃えて消していく事になる。
    • そしてラウンド11から新登場する曲者「ノコノコの甲羅」。こいつは各ステージで1個しか登場しない為、ヨッシーのクッキーを使って消す必要がある。
  • ラウンドの総数はなんと99。此処までくると最早プレイヤー自身の根気と忍耐力との勝負である。
    • ラウンドは任意で選べるので、腕に覚えがあるならいきなり最後のラウンドに挑戦してしまう事だって可能。
    • ラウンド99をクリアーできれば真のエンディングを拝める。正攻法では長丁場だが、一度は挑戦してみて欲しい。

対戦モード

  • 盤面は常に5×5マスで固定。クッキー1列を消す事で1ポイント入り、相手より先に25ポイント獲得すれば勝ち。また、クッキーを消せないとタイムゲージが伸びて行き、これが満タンになるとTime Overになって負け。先に3勝した人が優勝となる。
  • 最初の設定画面でポイント数(0~20ポイント)とタイムゲージのスピードを設定することでハンデ戦もできる。
  • こちらのモードでキモとなるのは「ヨッシーのクッキー」による攻撃。
    • 1列クッキーを消す毎にヨッシーのクッキーが1個盤面に現れる。連鎖をするとたくさんのヨッシーのクッキーが盤面に現れる。
    • ヨッシーのクッキーだけを1列揃えて消すと、プレイヤー側に現在表示されている特殊な攻撃を行える。
  • 攻撃一覧
    • 「-3」「-7」「+3」:その数だけポイントが増減する。
    • 「BLIND」:中央の3×3マスが見えなくなる。見えないだけで、同じクッキーを揃えて消す事は可能。
    • 「PANIC」:配置が滅茶苦茶にシャッフルされる。シャッフル中は操作不可。
    • 「SLAVE」:対象となったプレイヤーのカーソルが、暫くの間自分のカーソルと同じ動きを取るようになる。これを利用すれば相手方のクッキーも消すことが可能。自分に有利な状況で相手のヨッシークッキーを消費させるテクニックも存在する。
  • 特殊攻撃の内容と対象は時間経過で変わるようになっており、「◯P」といった形で「攻撃技と同時に表示されているプレイヤー」に対して攻撃を行う。自分を対象にしてオジャマ攻撃を放ってしまった場合、自分に対して不利になるように発動してしまう。
    • ちなみにSLAVEのみ、自分に対して攻撃を行った場合は効果が発動せずに終わる。当然といえば当然だが。
    • このため無闇に消していけばよいと言う訳ではなく、タイムゲージとにらめっこしつつクッキーを消すタイミングを図るという戦略が重要となる。
    • GB版は自分が有利な時はプレイヤーキャラが「◯」、不利な時は「×」を出しているので少し分かりやすい。後述の移植版にもこれが採用されている。

評価点

  • カーソルでクッキーをベルトのように動かして消す、という独特な操作感。列そのものが動くというのは当時としては斬新であった。
    • それでいて「クッキーをどれだけ列が減ったタイミングで、どの順番で消すか」という戦略を瞬時に練る必要があり、慣れるまで大変だが奥が深い。
      • これは列が減る毎に揃えるクッキーの必要数が減るため。クッキーの流れる量にはムラがあり、少ないクッキーを上手く消さないといつまでも終わらない。
  • 対戦モードはランダム性が大きいが、上手く攻防に発展すると非常に熱い。
    • 地道に消し進めて「+3」や「PANIC」の連打で勝利が目前となっても、非常に強烈な「-7」で一発逆転されるなど最後まで油断できない。
  • FCやGBながらもクッキーのドット絵は上手く作られており、中々に食欲をそそる。
    • 所謂飯テロゲーなので、空腹時はプレイを控えた方がいいかもしれない。

問題点

  • 操作や連鎖が独特なものであり、マリオシリーズながらも敷居が高い。
    • 1人用モードでクッキーが一個残って増えて……を繰り返してハマりと思った人も多いのではないだろうか。
      • 一見ハマりに見えても根気強く続けていれば、そのうちヨッシーのクッキーが出るなどしてクリアー可能ではあるのだが。
    • 「ベルト状に列ごと動かす」という操作は慣れるまで大変であり、一列のクッキーを消すと他のクッキーがバラバラになって混乱しやすく連鎖も非常に組みにくい。
      • 対戦モードでは定期的に切り替わる攻撃パターンを見ながら組む必要もあり、かなり敷居が高い。
      • GB版のデモでは大連鎖の実演をしてくれるのだが、操作が早いことも相まって、正直何をやっているのか相当分かり辛い。
  • 対戦モードはルールがやや複雑でパーティゲームとしては不向き。
    • 戦局も目まぐるしく変わるため初見プレイヤーには良く分からない。
  • バージョン毎の問題点
    • FC版ではCPUとの対戦が行えない。1人用と対戦用でルールが違うため、対戦の練習ができないのは中々に不便。
    • GB版ではプレイ中相手の盤面を見ることができない為「SLAVE」が非常に使い難い。

総評

シンプルな『ヨッシーのたまご』に対し、こちらは戦略的なパズルゲームとして作られた作品。
故に奥は深いもののルールが理解しにくく、マリオシリーズとしてはハードルが高めのゲームとなってしまった。

対戦モードは視野的に移植版が優れているので、できればそちらで遊ぶ事を勧めたいが…現在は入手困難となっているのが惜しまれる。


その後の展開

  • 1993年7月9日にSFC版が発売されたが、国内のマリオゲームでは珍しく任天堂発売ではない。詳細は後述。

余談

  • OP画面でマリオとヨッシーによる寸劇が見られるが、内容は『クッキーの缶の蓋が開けられないマリオが、ハンマーを持ってくる間にヨッシーに缶ごと食べられてしまう』いう内容。
    • 食べられた直後に、ハンマーを持ったマリオが現れ、そのままハンマーでヨッシーに殴り掛かる。とてもヒーローのとる行動とは思えない悪どいものとなっている。これも時代のなせる業。
    • 最終的に中身はヨッシーに全部食べられてしまったらしく、空っぽになったクッキーの缶を持ったマリオが渋々歩いていく、というオチ。
      • 流石にFC、GB版以外ではゲーム内ではマリオとヨッシーが仲良く協力してクッキーを作る描写があったり、GC版のOPではマリオとヨッシーが仲良くクッキーを作って運んでいるというものになっている。
  • 当時はこれに合わせ、かつて存在したナガサキヤから本物のお菓子の「ヨッシーのクッキー」も発売された。おまけとしてシールがついていた模様。
    • 2018年にも三英貿易から「ヨッシーのクッキー」が発売されている。(参考リンク
      形状を再現したナガサキヤのものとは異なりこちらは正方形のクッキーに本作のドット絵のクッキーをプリントしたものになっている。
    • 公式ではないが、クッキーはありふれた形をしているので、同じ形のものは探そうと思えば今でも探せる。
  • 発売当時に国内で放映されたCMは、ススキヶ原でマリオ達が盆踊りを踊り、演歌歌手の三波春夫氏(ちなみに三波氏はスーパーファミコン本体のCMソングの原曲『世界の国からこんにちは』を手掛けた歌手の一人でもある。)が『炭坑節』をもじり「クッキーが~出た出た~」と歌い上げるなかで夜空に月ではなくクッキーが昇るというシュール極まりない物だった。
    • ちなみにこのCMの盆踊り中、マリオは後ろ姿でしか映っていない(クッパは横向き、ピーチは正面向き)。
      • コミックボンボンにおいて連載されていた本山版マリオでは、このCMでの扱いに激怒したマリオによってヨッシーがボコボコにされるという場面がある。ヨッシーのグロッキーとはよく言ったもの。…任天堂から怒られなかったかは気掛りではあるが。ゲームOPで普通にハンマーで殴りに掛かっていることは気にしてはいけない
  • 実は原型となったゲームが存在している。
    • 原型となったのはBPSの海外ゲーム『INARO』と、ロケテストのみが行われたホームデータのACゲーム『ヘルメティカ』という作品。そのため両社ともライセンス提供という形で関わっている(BPSはSFC版では発売元も担当した。)。
      • それ故か版権が複雑となっており、VCの配信が停止されたりニコニコ動画での「クリエイター奨励プログラム」における配信可能タイトルに載らなかったりと、様々な面で他のシリーズ作品と扱いが異なる。
      • VC配信ページにも多数のクレジットが載せられている。
  • BLIND」「PANIC」「SLAVE」の頭文字を取ると「BPS」になる。
  • コロコロコミックや小学館の学年誌などで連載されていた漫画『スーパーマリオくん(いわゆる沢田版マリオ)』では今作のネタが数多く登場。
    • USA編終盤ではヨッシーのクッキーを持ち出して上記のBPS攻撃を何度も行っている。
    • 6つの金貨編では動いて喋るヨッシーのクッキー(通称ヨッキー)がレギュラーキャラ化していた。
    • オリジナルのクリスタル・キノコアドベンチャー編では平和になったマリオ達がクッキー屋を営んでいるという設定も。
    • ロードハンティング編でも冒頭でクッキー屋をしているが、新たな事件が起こった為に店を休業。解決後のラストシーンにて再開された。ラスボスの鎧クッパはオーブンに改造された。  
  • 本ゲームをベースとしたパズルゲームに1999年発売のGBCソフト『ハローキティのビーズ工房』がある。
    • 消すのはクッキーではなく、表題のとおりビーズ。ハローキティがアクセサリーを作るためにビーズを不思議なビンから集めるという設定。
    • メインゲームは『ヨッシー~』対戦モードのアレンジで、5×5のゲームフィールド内にてビーズを揃えていき、規定のビーズをすべて集めるとステージクリアとなる。
    • もちろん任天堂のライセンスは取っており、権利表記にも明記されている。

ヨッシーのクッキー(SFC版)

【よっしーのくっきー】

ジャンル アクションパズル
対応機種 スーパーファミコン
発売元 BPS
開発元 ホームデータ
トーセ
発売日 1993年7月9日
定価 6,930円
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント 任天堂販売ではない
モード追加、対戦はやりやすく
マリオシリーズ・関連作品リンク
ヨッシーシリーズリンク

概要(SFC)

  • SFC移植にあたって詰み将棋のような「パズルモード」を追加。
    • 指定された手数以内で全消しを目指す、という内容。ボタン操作で1手分の操作を元に戻したり、問題開始時の状態までリセットしたりといった事も可能。
  • 対戦モードについて、数々の変更がなされた。
    • GB版と同じように「◯」「×」を表示するようになり、特殊攻撃で自爆する危険性が少なくなった。
    • タイムゲージは爆弾の導火線に変更された。導火線が無くなるとTime Overとなる。
    • GB版ではCPU専用だった「ヨッシー」「クッパ」「ピーチ」が選択可能になった。
      • キャラクター毎に性能の差別化もなされている。「平均的な能力を持つマリオ」「特殊攻撃の内容と対象が中々変わらないが、相手からのオジャマ被害を抑えられるヨッシー」「相手からのオジャマ被害が増える代わりに、特殊攻撃の内容と対象が次々変わるピーチ」「相手へのオジャマ被害を増やせるが、導火線の無くなるスピードが他よりも速いクッパ」…といった具合。
    • CPUとの対戦も可能。心行くまで対人戦の練習ができるようになった。

評価点(SFC)

  • FC版・GB版と共に不完全気味だった対戦モードがしっかりと遊べるようになった。
  • 当時のマリオシリーズでは珍しくキャラボイスがある。
    • …といっても現在ではおなじみとなっているチャールズ・マーティネー氏*1戸高一生氏のボイスではなく、電子音での「ヨッシー!」とか「ヤッホー!」とかその程度。時代ゆえ已む無し、といった所か。
  • パズルモードは全100問。中々に頭を捻る内容となっており、やりごたえがある。

問題点(SFC)

  • GB版では可能だった4人対戦はできない。SFCは拡張アダプタで5人まで遊べるのに……。
  • 一部1Pモードと対戦モードで入れ替わっているBGMがある。
    • 特に1PモードになったBGM-Cは運動会でよく流される対戦向きの曲(ドイツの曲『クシコス・ポスト』。他にも使われているゲームが多数存在する。)であるので、なぜこれを入れ替えたのか疑問が残る。
  • 敷居の高さは相変わらずで、やっぱりパーティゲームとしては不向き。
  • 対戦バランスに影響を与えていると断言できる程の、キャラ間の性能格差が存在している。
    • クッパが飛び抜けて強い。PANICを喰らってクッキーのシャッフル演出がなされている間は一切操作を受け付けなくなるが、クッパでPANICを使用するとこのシャッフル時間(=相手の操作不能時間)が伸びてしまう。
      • 当然PANICを放った側は効果時間中もクッキーを動かし放題なので、連発すればあっという間に一方的な展開が完成する。特にクッパvsピーチは悲惨としか言いようがなくなる。
      • 一応ヨッシーであれば、狙った攻撃を出し難いというデメリットと引き換えではあるが対抗は可能。
      • ポイント以外にキャラ性能でもハンデを設定できると解釈できない事も無いが、ハメ技に近い性質を有している為ハンデとしてまともに機能するかは怪しい所。
    • マリオの同キャラ戦にするなど、予めローカルルールを設けておけば大きな問題にはなり難い。対戦ツールとして完全に崩壊しているという訳ではないのが救いか。

総評(SFC)

発売元は任天堂ではないが、FC・GB版で養われた内容はしっかりと昇華されており、まさしく完全版といった作品。
『NINTENDO パズルコレクション』版のベースとなったのも納得できる内容となっている。


余談(SFC)

  • ヨッシーのクッキー クルッポンオーブンでクッキー
    • 開発はSFC版(及びFC版)と同じくホームデータとトーセ。ナショナル(松下電器産業、現:パナソニック)のオーブンレンジ「クルッポン」シリーズを購入した際、景品として配布された非売品のソフトである。内容はほぼSFC版と共通だが、“マップ上を移動しながら、クッキーのレシピを収集する”という「クッキング」モードの追加という点で異なる。
      • タイトル画面は「クルッポン」のハイエンドモデル・NE-KC77のイラストが表示され、その前をヨッシーが右往左往しながらクッキーを食べるというもの。「クッキング」でクッキーを制作工程を説明する際も、基本はNE-KC77の自動調理メニューに含まれる「クッキー百科」モードを使用する旨が表示される。
    • 配布本数は500本という噂。故に超プレミアタイトルと化し、現在は中古価格がとんでもない事になっている。

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最終更新:2023年02月20日 18:52

*1 正確には、氏がマリオを演じた最初の作品は、海外発売のPC向けゲーム『Mario's FUNdamentals』であるが。