SONIC WINGS 3

【そにっく うぃんぐす すりー】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード(MVS)
発売元 SNK
開発元 ビデオシステム
稼働開始 1995年11月
プレイ人数 1~2人
判定 良作


内容

  • SONIC WINGS』シリーズの3作目。前作と同様、MVS基板のため横画面の縦スクロールシューティングとなっている。全8ステージを2周するとゲームクリア。
    • 本作の大きな特徴は「ルートが分岐する」ことである。勿論、テンポのよさと個性的なキャラクター達も健在である。
    • 本作では自機がレシプロ機になっており、ジェット機を操縦していた前2作とは少し雰囲気が変わっている。

ストーリー

前回の戦いから3カ月後のある夜…
アメリカ西部の都市の上空に不思議な光が現われた後、数機の大型戦闘機が突如現われ、都市を攻撃。
同じような事件は世界各地で起こり、どの国もその軍隊に攻撃を受けたのだ。
国際秘密救助隊の基地もその軍隊の攻撃の為、大打撃を受けていた。
飛び立つ間もなく炎上する戦闘機。
わずかに残った使用可能な最新鋭機も敵の策略のため電子機器が使えなくなってしまった。
ここで敵が使用していたのは古いレシプロ機。しかも実戦では使用されなかった試作機も含まれていた。
報告を受けた隊長のリヴァー卿は、決断を下す。
「使用可能な全ての武器を用いて反撃せよ。地下格納庫に保管されている古い兵器の使用も許可する。」

システム

  • 操作は1レバー2ボタン。1ボタンでショット、2ボタンでスペシャルウェポン(要するにボム)。通常は1ボタン連打でショットを使用できるが、いくつかの機体では1ボタンを押しっぱなしにすることで溜め撃ちが可能。
    • 本作でもショット最高段階で一定量を発射するとレベルダウンする。また、ここでいう「一定量」に加え、ショットの最高段階、スペシャルウェポンの初期所持数と最大所持可能数も機体によって異なる。
  • 特定のステージではボスを撃破した後に中型機が出現し、左右どちらの翼を破壊するかでルートが分岐する。選択したステージによって難易度も変化するため、慎重に選択したい。
    • 難易度と関わりはないが、ステージクリア時のキャラクターのセリフはルートによって異なり、攻略した最終ステージによって同じキャラクターでもほとんどの場合はエンディングが変化する。
  • 2人プレイは『1』同様所属する国が同じキャラクターしか選択できないようになっている。
    • 2人プレイ時専用の技として、互いの自機がぴったりと重なった状態でショットすると高威力のショットを発射できる、というものがある。攻撃範囲などは国籍によって区々であり、スペシャルウェポンと併せて使用するとボスをも瞬殺できる場合がある。

キャラクター・自機紹介

※括弧内は搭乗機体

  • ブラスター・キートン(F4U コルセア)
    +  俺のドリルをくらえ!
  • ブレイザーズ(P-61 ブラックウィドゥ)
    +  師匠の娘を捜せ!
  • 緋炎(零式艦上戦闘機52型丙)
    +  今日も何処かで航空忍者!
  • 真尾まお(晴嵐)
    +  くらくら音速アイドル、またまた登場!
  • チャイカ&プーシカ(IL-2 シュトルモビク)
    +  ハラショーなロシア娘×2
  • ホワイティ(I-16)
    +  世界初!空飛ぶ天才イルカ
  • マーカム(Do335 プファイル)
    +  男なら奴を選べ!
  • コウフル&リヴァー卿(Ju-87 スツーカG型)
    +  無敵のおやじコンビ発進!
  • アレックス(ワールウィンド)
    +  「いくよピクタス!」「ニャあ」
  • エレン&シンシア(ソードフィッシュ)
    +  フライング花嫁の大活躍!

以下の2人は隠しキャラクターとして参加。

  • 北白川小兎美(赤ウサギ)
    +  異世界のかわいい女戦士
  • 謎の男(ディアブローン)
    +  時空をさすらう孤独な戦士

評価点

  • 非常にテンポよく進行する
    • 前2作同様、ゲームの進行するテンポは非常によい。前半のステージに限って言えば、普通にプレイすると1ステージあたり1、2分で終了する。さらにランダム要素が少ないため、何回かの挑戦で攻略パターンをつかみやすい。シューティングにあまり馴染みがない人を含め様々な人が手軽にプレイできる。また、敵の攻撃パターンは1人プレイ時と2人プレイ時で変わらないため人を誘ってプレイしやすい。
    • 難易度も調整がなされており、1周目の内は敵の攻撃に激しいものはあまり多くなく、初心者もとっつきやすいようになっている。一方2周目の難易度は理不尽とはいかないものの、1周目と比較すると大きく上昇しており、上級者向けになっている。
  • 全体的に機体性能が平均的で、のっぺりとした感のあった前作の反省点からか、本作の機体はどれもかなり個性的な性能となっている。
    • パワーアップの段階数や、ボムストックの初期搭載数/MAX搭載数まで機体によって違う。しかし、そのせいで後述の機体性能の問題点も出てしまった。
  • 伝統(お約束?)の個性的なキャラクター達
    • 前2作に比肩するほどキャラクターのアク個性は濃い。サイボーグや筋骨隆々のヒゲ親父など見た目でインパクトを与える者、アイドルや花嫁などパイロットとは思えない者、そもそも人間ですらないイルカ、などと枚挙に暇がない。
    • ゲーム中のメッセージでも彼らの個性の片鱗をうかがえる。さらに2人でプレイすると、各機体のパイロット達の掛け合いを見られる。
      • やはりエンディングの数も豊富で、合計で31種類存在する。前作ほどとはいかないものの、それでも非常にバリエーション豊かである。
    • 演出面やキャラクターなどを見るとわかるのだが、過去のビデオシステム作品から多くのネタを持ってきており、同社のファンならばかなり感慨深いものとなっている。例えば『ラビオレプス』からはファイヤーマスターやテヌキーチャウドが、『ターボフォース』からは2面に登場した中型機やクロスファイアが中ボス等としてゲスト出演している。中には、ボスとして「ソー竹子 *5 」が出て来たり、というのも…。
      • 但し、全体的に見るとそこまで笑えるものでもなく、むしろシュールでギャグが滑っているように見えてしまうのは、若干勿体ないかもしれない。
+  内訳 ネタバレ注意
  • ルート分岐
    • ステージの種類が増えたことでより多くのステージに挑戦できるという楽しみが増えた。また、難易度の低い方のステージを選択すれば先のステージに進みやすくなるという戦略的な面でも評価できる。
  • BGM
    • 本作は「ジャングル」という音楽ジャンルでBGMが統一されている。これはゲーム音楽としては珍しい。
    • 稼働当時としては新しい部類の音楽 *6 であり、東京ステージBGM「Dirty City」やボス戦BGM「Show Me What You've Got!」を始め評価は高い。

難点

  • 横画面
    • 前作同様、ネオジオ向けに開発された本作は画面が横長になっている。このため、横画面で縦スクロールシューティングをプレイすることへの違和感が残ってしまった。
      • 画面が横長であることを考慮したのか、自機の縦移動に比べ横移動は速くなっている。また、自機の移動速度に差異はあるが、どの機体も大抵の敵弾より速く移動できる。付言すれば拡散ショットや追尾弾など全体的に攻撃範囲の広い機体も多い。
  • 覚え要素が強い
    • もはや伝統とでも言うべきか、本作でも敵の攻撃はアドリブで避けるよりパターンを覚えて避けた方が安全な場合が多い。
      彩京弾とまでは行かないが、視認してからの回避が難しい亜音速弾がかなり多め。
      前半は敵の攻撃もそこまで激しいものがないため、比較的自由に回避行動を取っても問題ないが、後半はパターンを組む方が安全な傾向にある。
  • 自機の性能差
    • 本作に登場する自機は全部で12種類あるが、一部の機体は癖が強く、慣れない内は扱いにくい。
    • キートンやマーカムは移動速度が速い代わりに全体的に攻撃力が低い。そのため、ボスとの戦闘が長引きやすい。
    • また、チャイカ&プーシカはショットで自機正面を攻撃できないためサブウェポンで正面を攻撃するのだが、連射性能が低く最高段階でなければ威力は平凡であまり期待できない。また、ボムの持続時間が短長2種類存在し、どちらが出るかがランダムであるせいで長いときは攻撃範囲の広さもあって便利だが、短いときは一瞬で終わってしまいあまり役にたたない。
    • エレン&シンシアは最も性能が不安定で、サブウェポンの威力は高いものの射程距離と自機の移動速度の遅さから敵に当てるには慣れが必要である上に、ショットが最高2段階までしかなく、その状態で200発撃つとかなり貧弱な性能の初期段階に戻るため攻撃力に不安が残る *7
    • また本作のパワーアップシステム上、最強段階の設定が「Lv3以下」と「Lv3以上」で復活難易度がだいぶ違ってくる。というのも最強段階とその1つ下で無いとサブウェポンが発射出来ないため、ショットパワーが極端に変わるからである。
  • 但し全ての機体が使いにくいものばかり…というわけではなく、攻撃範囲が広くボムも使い勝手のよいブレイザーズや、移動が遅い代わりに攻撃力が高いコウフル&リヴァー卿など、初級者向けの機体も存在する。これらの機体でゲームに慣れたら上記の上級者向けの機体でプレイする、というのが無難。
    • しかし、それでも若干の癖はあり、コウフル&リヴァー卿と北白川小兎美は「最強段階がある意味最強じゃない」ため、パワーアップアイテムを逃がすなり無駄打ちで消化する必要があり他キャラと感覚が変わる。
      • 前者はサブウェポンの連射速度は変わらず最強段階1個手前の貫通弾の方が耐久力の高い敵の後ろにいる敵にも当てられたり、縦長の敵により多くダメージを与えられたり、と最強段階より使い勝手が良い。後者は発射した誘導ミサイルが全て消滅するまで次弾を発射できず、最強段階1個手前の非貫通弾の方が最強段階の貫通弾より連射が利くためダメージを与えやすい。
  • 隠しキャラ
    • 本作では隠しキャラを使用するにはあるコマンドを入力する必要があるのだが、入力が非常に難しい。コマンドを知っていてもなかなか上手くいかず、困る人もいた。
+  これがそのコマンドである。

総評

  • ゲームテンポの良さと、絶妙な難易度でシューティングゲームとしての完成度は高い。新しく導入されたルート分岐についても様々なステージを攻略する楽しみが増えただけでなく、自分の得意なステージを選択することによってエンディングに近づきやすくなるという戦略的な面でも評価できる。
  • さらに何人かのキャラクターは過去の作品から出演しており、知っている人は感慨深いものがあるだろう。
  • 残念なことに横画面の縦スクロールという前作最大の問題が残ってしまい、それに対する違和感は拭いきれなかった。しかし、横画面だからという理由だけで敬遠するのはあまりにもったいない作品である。

その他

  • 本作はネオジオCDに移植されている。ステージの間に短いローディングが入る以外の内容は変わらない。
  • 設定からもわかるように本作における敵は実在はしたが実戦配備されなかったり、計画はあったが完成に至らなかった兵器が多い。ここでは敵やオブジェクトとして登場する兵器の一部を紹介する。
+  ステージボス含む。ネタバレ注意
  • 東京ステージに登場する敵の震電は衝撃波と思しきものを発射して攻撃してくるが、奇しくも本作と同じ年に強烈な衝撃波で敵を攻撃する震電が自機として活躍する名作シューティングが稼働している。
    • しかもそれを送り出したのは、ビデオシステムの独立組の彩京である。血は争えぬということだろうか。