探偵 神宮寺三郎 復讐の輪舞
【たんていじんぐうじさぶろう ふくしゅうのろんど】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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アークシステムワークス
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開発元
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ワークジャム
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発売日
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2012年6月28日
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定価
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5,040円(税別)
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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非常に薄いボリューム 3Dで表現された神宮寺ワールド
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探偵 神宮寺三郎シリーズリンク
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ストーリー
気が付けば神宮寺はあるビルの一室で複数のヤクザから暴行を受けていた。
神宮寺は隙を見てビルから脱出し、逃走を図る。
追ってきたヤクザの一人を返り討ちにし、彼らの目的が神宮寺に対する復讐と何かを奪う事である事を知る。
ヤクザ達に事務所を抑えられてしまったために帰れなくなった神宮寺は止む無く空きビルで一夜を明かす。
翌日、事務所に戻ろうとする神宮寺が街頭ビジョンに目を向けると、
先日解決した依頼の依頼人であった「君島弘樹」が神宮寺の車の中で撲殺死体として発見されたという驚愕のニュースが流れ、
神宮寺は警察からも容疑者として追われる身になるのだった…。
概要
コマンド選択式の探偵物アドベンチャーゲーム『神宮寺シリーズ』の第16作目。シリーズの25周年の記念作品にあたる
近年の作品では本編の事件の他に「携帯アプリ(DSiウェア)版の5作品の移植」と「謎の事件簿」で構成される事が多かったシリーズではあるが、
本作は、本編のみの収録となっている。また、全ての登場人物が3Dで表現されるのも大きな特徴。
特徴
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本作ではヤクザと警察の両方から追われつつ、事件の解決の糸口を探す為、それに伴い、捜査の最中に以下のシステムに切り替わる事がある。
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捜索
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3Dで表現された部屋の中を捜索しながら事件の手掛かりや脱出(侵入)経路を探す。
本作では入手した道具を「分解」「合成」する事で新たな道具を作り出す事が出来、さらなる糸口をつかむ事が出来る。
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「壊れた水槽」を分解する事で「ガラス片」を入手し、「カーテン」と合成させることで脱出用のロープを作る…等、
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隠密行動となる為に、猶予となるゲージが存在し、何らかのアクションや時間の経過等でゲージが失われていき、ゲージが無くなってしまうとゲームオーバーになってしまう。所謂「脱出ゲーム」的な要素となっている。
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ゲームオーバー時にはヒントを見る事が出来る他、もう一度挑戦する事も出来る。
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チェイス
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警察やヤクザから逃げる際に切り替わる。様々な場所を転々としつつ、三択を迫られる。この際にとった行動が正解ならば脱出ゲージが上昇し、失敗ならば減少して次の場所へと切り替わる。
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ゲージが満タンになれば逃走成功で、次の場面に切り替わるが、すべて失うと逃走に失敗し、ゲームオーバー。
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また、逃げるのではなく尾行するという形で切り替わる事もあり、この場合はゲージは目標との距離として、気付かれずに接近する為の選択肢を選ぶ事になる。
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格闘
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ヤクザと戦う展開になった時に切り替わる。ストレート、フック、ガードの三すくみの攻撃を選んで相手の体力を無くせば勝利、逆にこちらの体力が0になると敗北となる。
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相手がどの攻撃を繰り出すかはパターン化している他、神宮寺の台詞から推測も可能、また、「様子を見る」事で何を繰り出すかを割り出す事も出来る。ただし「様子を見る」事に失敗してダメージを受ける事もある。
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トークプロファイル
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登場人物を説得したり、情報を聞き出す際に切り替わる。
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話しかける際の態度や話の方針を定めてから相手にゆさぶりをかける。こちらもゲージを満タンにすると成功となる。
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ザッピング
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進行に応じて操作キャラが神宮寺と洋子に切り替わるという。シリーズでも伝統的なシステム。本作では警察とヤクザの妨害によって完全に別行動となっている為、互いに完全に違う視点から事件を切り開く形となる。
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記念作品という事もあり、各作品の登場人物のデータベースである「キャラクターファイル」があり、「捜索」で特定の場所を調べる、特定の日付で特定の選択肢を選ぶ事で入手する事が出来る。
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入手したファイルはモード選択時に閲覧可能。一作目「新宿中央公園殺人事件」からアプリ版の20作目である「亡き子の肖像」に至るまでの全ての事件の登場人物総勢337人のデータベースとなっている。
評価点
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行動の選択によっては即ゲームオーバーになる事もありうる他、各システムによって「逃走しながら捜査を行う」という雰囲気が出ている。
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近年のアプリ版では推理や選択肢を間違えても正されるだけであり、実質「読む」作品になっている事が多かったため、考えながら行動をするという点が復活した。
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3D化について
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後述の通り賛否はあるものの、シリーズ特有のハードボイルドな雰囲気を崩さず、一定の評価は得ている。
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神宮寺の象徴ともいえるタバコを吸うシーンや推理シーンにおける表現は見事であり、脅されたヤクザがブルブル震えるといった表現力の向上にも繋がっている。
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キャラファイル
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後述のように一部の内容や取得方法に問題はあるが、シリーズ登場人物のかなりを集めたデータベース自体はシリーズファンとしては嬉しい要素。
賛否両論
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3D化については出来の当たり外れが大きい
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熊野は評判が高いが、神宮寺は顔が怖い、天沼姉妹は造形がよくない、洋子はそもそも例によって別人レベルに変化しているので誰だかわからないといった具合で、出来のいいキャラ悪いキャラが激しい。
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また、人物がアクションを取る度に若干ウェイトが入る為、テンポが悪くなってしまった。特に登場人物同士の会話では喋る人物が変わる度に画面外にキャラが消える演出が入るので特に顕著。
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ファン前提のシナリオ
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記念作という事もあり、過去作品のキャラクターが多く登場してストーリーに絡む為、シリーズファンには嬉しいが新規プレイヤーにはあまり向かない内容になっている。
問題点
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ボリューム不足
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本作の一番の問題点。「携帯アプリの移植」や「謎の事件簿」といったおまけ要素をすべて削って本編一本に絞られているにもかかわらず、本編自体が携帯アプリクラスのボリュームというゲームの短さ。
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マルチエンディングや周回要素的なおまけもないため、一度クリアしてしまえば二周目以降はキャラファイル探ししかやる事がないのだが、そのキャラファイル探しにも問題が多い。(後述)
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「パスワード」や「ムービーの閲覧」もなく、本編以外のモードはキャラファイルの閲覧のみとなっている。
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本編シナリオの問題
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全体的に既存キャラについては説明不足。
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本作の登場人物の大半は過去の事件で関わった事から神宮寺に協力(or敵対)している事が多いのだが、「その人物と神宮寺の間で何かがあった程度」でしか語られない為に、未プレイのユーザーに対するフォローが足りていない。
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さらに既存キャラの中には神宮寺を執拗に協力してくれる人物もいるのだが本作発売時点ではソフト化されていないアプリ出身のキャラである。
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加えて中核となる神宮寺に敵対する組織に関しても過去のアプリ版からの出典となる。こちらも過去のアプリをプレイしておかなければ話が入ってこない。(『亡き子の肖像』等)
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記念作であり既存キャラを集めたシナリオではあるが、一部のキャラは未登場だったり出番が少ない。
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三好志保等、登場していないレギュラーキャラもちらほらいる。特に警察関連のキャラクターはほぼ登場せず、熊野の登場場面もごくわずかである。
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ストーリーもある時点を境に尻すぼみに終息していく。
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神宮寺のライバルキャラである「与那国」も登場するのだが、然したる見せ場もないままにあっさり企みを見破られ、小物臭くなってしまっている。
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キャラクターファイルについて
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入手方法の問題でゲームプレイ中にははっきり言って邪魔にしかなっていない。
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キャラクターファイルの回収にはコマンド総当たりをする事になるが、同じコマンドでもランダムで複数のメッセージパターンが存在する事がほとんどであり、「そのパターンのうちの一つにファイルが紛れている」ため、あらゆる場面で総当たりを複数回強いられる形となっている。
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入手する度にキャラクターファイルを入手したというダイアログが出てくる為、物語の没入感が削がれる。
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後述の通り、捜索パートにおいてもキャラクターファイルが邪魔をしている。
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入手時に誰のファイルが手に入ったかを確認できない。
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それでいてパートセーブである為、次のパートまで進めるか、セーブしたパートの開始時点から今までのプレイを諦めるかしないと入手したキャラクターファイルを確認できない。
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シリーズキャラのデータベースとしても難点が存在する。
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FC版の4作品は携帯アプリへの移植の際に大きく設定が変更されたのだが、両方の設定がごった煮になっている。どちらかにしか登場していない人物もおり、アプリ版のグラフィックなのに説明文がFC版であるなど混沌とした状態になっている。
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かなりの人物を集めてはいるが、全人物を網羅しきれてはいない。
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捜索パートについて
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あまりゲージに猶予がなく、答えを知っていても謎解き中にゲームオーバーになりまくる難易度となっている。
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調べる事が可能な場所ではカーソルの色が変わるのだが、キャラファイルがあった場所も該当する為、回収済みのキャラファイルの場所を調べて「もう得る物はない」というメッセージと共にゲージが浪費されるのもつらい所。
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また、クリアに必要な道具が非常にわかりづらい場所に隠されている事が多く、その点でも難易度が高くなっている。
総評
記念作品ではあるが、ボリューム不足が大きく響いている上、ストーリーに関しても旧作のプレイが前提となっている構成や終盤の尻すぼみ感、一部キャラの扱いなどで問題がある。
加えておまけ要素の代わりに入ったキャラファイルが本編のあらゆる面で足を引っ張るなど、システム的にも粗がある部分が目立ち、ファンからの評判は総じて芳しくない。
新規プレイヤーにもお勧めできる出来でないといった点も重なり、シリーズの中でも特に辛辣な評価を受ける事が多い作品になってしまった。
最終更新:2021年06月30日 11:01