RaidenII NEW

【らいでんつー にゅー】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 セイブ開発
稼動開始日 1996年
備考 日本未稼働
判定 なし
ポイント 聴くに堪えない改悪BGM
難易度の下方修正は良調整と言える
雷電シリーズリンク


概要

1993年にリリースされた『雷電II』に難易度調整+αの変更を加えたマイナーチェンジ版。
なお、本作は海外でのみリリースされており国内には正規流通していない。


主な変更点・特徴

  • ステージのBGMが1種類に統一。またBGMの音源も『雷電II』とは異なり、1ループまでの時間が短い。
  • 一部ステージの順序変更。『雷電II』から1面と5面が入れ替えられている(もちろん難易度は調整されている。)。
    • この関係か、完全なシームレス形式ではなくなりステージクリア毎に画面が切り替わるようになった。
  • 2Pの復活方式が「戻り」ではなく「その場」に変更。
    • ボンバーは従来通り1P通常、2P拡散なので2P側の方が有利。
  • 操作系統や基本的なルールは『雷電II』そのまま。

評価点

  • ゲームバランスの良調整。
    • 『雷電II』の1面と5面が入れ替えられているが、敵数及び敵弾の減少・ボスの弱体化といった調整が加えられており、プレイヤーの間口を広げている。
    • ボスの「ゲルメズ」が撃ってくるカーテン状の弾幕も、弾の間隔が広がって弾避けの難易度が大幅に下がっている。
      • 『雷電II』の5面は夥しい数の戦車や雑魚ヘリの挙動の嫌らしさに加え、ボスも屈指の強さを誇るものであった為、この難易度低下は非常に大きい。
    • 元々『雷電II』の5面ボス戦は丁寧な演出が光る名場面なのだが、それが1面に移動されたことで誰もが体験できるようになった。
  • 2P側の復活仕様の変更に伴う難易度の低下現象。
    • 「1P側はその場復活だけどボンバーが緊急回避向きじゃない、2P側は拡散ボンバーで緊急回避出来るが復活は戻りなのでゴリ押しは利かない」というジレンマに苛まれる事もなくなり、心おきなく2P側を使用する事が可能。

問題点

  • 酷過ぎるBGM。本作の最大の欠点と言える問題点である。
    • 96年製のゲームであるにもかかわらず、ステージのBGMは全ステージ共通してたったの1種類だけである。
    • どの曲も『雷電II』の哀愁漂う曲調は何処へやら、短いフレーズを繰り返すだけのものとなってしまい、すぐに耳が飽きる。
    • ボス戦のBGMに至っては「ドンドコドンドンドコドンドンドン」というフレーズだけで1ループを迎えてしまう。その間たったの2秒。 無音の方がマシである。
      • 使用している音源やサウンドドライバが『雷電II』とは異なる*1為にこうなってしまったものと思われるが、とてもプロの仕事とは思えない。
  • 難易度調整されているとは言え、後半面は『雷電II』と殆ど遜色ない難しさとなる。
    • 『雷電II』の5面と入れ替わりとなった1面(本作の5面)はステージ順序変更の煽りを受け逆に高難易度化してしまっている。

総評

難易度の低下でプレーしやすくはなったが、あまりに酷いBGMに加え、本作稼働の2年前に『雷電II』の調整版と言える『雷電DX』が出ていた事や同年には外伝作品の『ライデンファイターズ』シリーズの展開が始まった為、ほとんど注目される事なく時代の波に埋もれていった作品。
BGMさえしっかりしていれば快適に遊べるゲームになった筈なのだが、この点だけがどうしても悔やまれる。


余談

  • 本作発売と同年には次回作である『雷電DX』もニューバージョン『RaidenDX NEW』として海外でリリースさせていた事もある。
    • こちら側のゲーム内容は本作とほぼ同様でステージBGMに関しても1種類増えているのだが、楽曲の質は質だけに推して知るべし。
  • 他、セイブ開発は本作以前にも自社開発のベルトスクロールアクション『ゼロチーム』のマイナーチェンジ版『ニューゼロチーム』をやはり海外のみでリリースしていた*2
    • ただし、こちらの場合はステージの順番が変わったのとメガクラッシュ*3使用時の体力消費値が少しだけ緩和されたくらいで、雷電シリーズとは異なりゲーム自体の難易度に関しては変化が無いとの事。
  • 元セイブ開発の社員の語るところによると、本作は低価格低性能、ROMの数も少ない基板で作られた廉価版の『雷電II』であり、高額な基板が売れにくい東南アジア地域でセールスするために開発されたそうである(こちらを参照。)。

+ タグ編集
  • タグ:
  • STG
  • 縦シューティング
  • 1996年
  • AC
  • 雷電
  • 日本未発売

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最終更新:2022年04月10日 14:37

*1 基板自体も違う。本作の基板は『雷電II』のものと比べて小型。

*2 更に2000年に出た『ゼロチーム2000』と言うマイナーチェンジ版もあるが、こちらはステージ構成が無印と同じ構成になったり、エクステンドが一切無いというまた変わった仕様。

*3 同作では「雷神攻撃」と言う名称。