バトルユニット ZEOTH

【ばとるゆにっとぜおす】

ジャンル アクションシューティング

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対応機種 ゲームボーイ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売元 ジャレコ
発売日 1990年12月21日
定価 3,400円(税抜)
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント モノクロ画面ながら結構な質のロボゲー


概要

人型兵器「ZEOTH」を操作して全5面(ループ)を攻略するアクションシューティングゲーム。

ストーリー

AU0042(地球統一歴42年)
人類は有史以来初めての地球外生命体による侵略を受けた。未知の生命体は地球上の金属によく似た性質を持っており、人類はそれを「グレイン」と命名した。人類は激しい攻防の末、グレインの撃退に成功した。その後、この戦いを契機として人類は「対地球外生命体兵器」の開発を本格化させた。

AU0052(地球統一歴52年)
10年の歳月が過ぎ、あの激しかった戦いも忘れられようとしていたところ、統一中央都市ビオールにグレインが再び出現、都市中枢を破壊、占拠してしまった。10年の間にグレイン達はビオール近郊の地中に巨大な基地を作り上げていたのだ。人類の兵器を解析、模倣した形態となってグレインは再び人類に戦いを挑んできた。一方、人類は対地球外生命体兵器「バトルユニット」の開発に成功。その初の実戦投入機には「ZEOTH(ゼオス)」という名が付けられた。

・・・そして今、グレインとの新たなる戦いに向けてバトルユニットZEOTHが発進する!!

バトルユニットZEOTH
●全長16.10m●重量32.94t
●空間エネルギー変換固定装置の搭載により、ハイパー発動時に半径200m以内に存在するすべての地球外生命体にダメージを与える事が可能。
●シールドエネルギーの利用によって敵の攻撃から身を守り、ダメージを軽減することが可能。
●ハイバーニアの使用により超高速空中移動が可能。
●敵のパワーユニットを奪うことにより、自機の武器をパワーアップさせることが可能。
(※説明書のストーリーより抜粋)

システム

  • サイドビューのアクションシューティングゲーム。耐久力制。
    • 奇数面は強制的に進んで行く横スクロール、偶数面はプレイヤー任意で進めていく縦スクロールとなる『沙羅曼蛇』形式。
    • 被弾や敵に衝突等で耐久力が0になるとゲームオーバー。その際のコンティニューは無限。
  • 操作体系
    • 方向キーで自機の移動、並びにショットの方向を任意に指定(4方向)。
    • Aボタンで自機の高度を調節。
    • Bボタンで自動連射ショット。素早く二回押すと耐久力2発分消耗して画面上の敵を殲滅するハイパーを使用。
  • アイテム
    • B(ビーム) :広範囲をカバーし、連射が利くショット。使い勝手抜群。
    • L(レーザー) :連射が利かないが、高威力のショット。ボス戦で有効。
    • P(パワーアップ) :自機のショット性能がアップ(3段階まで)。パワーアップが最大の場合、自機耐久力が1回復する。
    • U(シールドアップ) :自機の耐久力が1回復する。また、耐久力メモリは画面上では最大8までだが、シールドアップや上述のパワーアップを取る事で8以上に増やす事が可能。

評価点

  • 上下左右にショットが撃て、Aボタンで上昇というシステム。敵も左右から現れ、臨機応変に対応していく必要がある。また、自機の操作も最初は戸惑いやすいが、慣れれば思うままに動かす事が可能。このため、やり込めば自在かつ爽快に立ち回る事が可能。
  • 何かとスタイリッシュなフォルムの自機。デモといい、バトルといいモノクロながらも映える。
    • 当時のドット表現技術では結構な表現力だったといえる。
  • ゲームボーイながら、かなりの大きさを誇るボス群。よく描き込まれており、迫力がある。また、攻撃の種類も豊富かつ激しいので、攻略のし甲斐がある。
  • 強化時のビームは非常に範囲の広いショットを撃つ事が出来、容量の少ない当時のゲームボーイソフトの中では比較的撃ちまくりの爽快感が出ていると言える。
  • 空中で戦うか、地上で戦うか等のプレイスタイルを任意で選べ、自由度が高い。
    • 戦闘ヘリの如く飛行しながら戦うも良し、地上で陸戦型ロボ風に立ち回るも良し。また、後述の難易度の低さから、わざとレーザーで攻略するというプレイスタイルもあり、当時としては結構自由度が高いといえる。
  • ストーリー性のあるステージ展開。
    • 本作のステージは市街(横スクロール)→地下基地進入路(上から下への縦スクロール)→地下基地(横スクロール)→地下基地脱出路(下から上への縦スクロール)→巨大戦艦群(横スクロール)という構成になっている。市街を制圧し、地下基地に潜り、更に地下基地を攻略、そこから脱出するも、地上にて戦艦群と相まみえる、とひとつのルートを通ってステージが展開していくのが分かる。ゲーム内容とストーリーをうまく融和させている例といえるだろう。

賛否両論点

  • 全体的な難易度の低さ。
    • 自機の初期耐久力が8とかなり高く、またシールドアップや最大パワー時にパワーアップを取る事でさらに自機の耐久力が増えるため、そうそうゲームオーバーになる事はない。
    • ただし、各ステージのボスは中々激しい攻撃を仕掛けてくる。また、ゲームオーバーになりステージの最初からコンティニューすると、自機のショット、パワーアップは全て初期状態に戻るため、ステージによってはかなり苦戦する。
  • 15分足らずで1周クリアできてしまう点。
    • 上述のように難易度も低いので短時間でスカッと遊びたい時にはいいかもしれないが、ややボリュームが物足りないと感じてしまうのも確か。
    • ただし、本作はループゲームであるため、プレイしようと思えば何周でもプレイする事は可能。

問題点

  • 横スクロール面について
    • 本作の奇数面は強制横スクロール方式を取っているが、他のゲームボーイの横STGとは異なり、当時の据え置き機の雰囲気を再現したのか、上下にも激しくスクロールしてしまう
    • 幸いにも画面外から弾を撃たれる事は無いのだが、特殊すぎるスクロール仕様故に、操作に慣れないと不意に上下にスクロールしてしまって敵キャラに激突…という事が頻繁に起こりやすい。
    • 飛行の表現はロボゲーらしさの一つとも取れるが、高度を保つため上下スクロールが頻繁になり、しまいには酔いを起こしてしまうプレイヤーも…。その場合は、前述のように地上で戦うと酔わずにプレイ可。
    • 特に偶数面はちょっと進むとボス戦…、と拍子抜けな短さ。
  • 装備の一つ、「ビーム」が強すぎる。
    • 連射が効き、攻撃範囲も広く、敵を貫通し、そして威力も高いという強力さのため、必然的に装備はビーム一択となる。ステージ1から登場するので、縛りでもない限り、これを取って最終ステージまで進めるのが定石といえる。
    • ステージ3で「レーザー」が登場するが、連射が効かず攻撃範囲もビームに比べ狭く、耐久力のある敵は貫通しないので、取ってしまうと道中の難易度は一気に上昇する。一応威力はビームの方が高いが、それでも「ちょっと威力が高いかな?」といった程度。しかも、一部雑魚敵はビームの方が早く倒せる*1
  • 攻撃手段の一つ、「ハイパー」の使い道がほとんどない。
    • Bボタンを素早く2回押すと耐久力を2つ消費して画面中の敵にダメージを与えるハイパーが発動するが、前述の通りビームがそれを補って余りある性能を誇り、しかも自機の2つも耐久力が減ってしまうため、使うような場面はほぼ無い。
  • 難易度設定がない。
    • 例えば、「自機の耐久力の設定」、「クリア後の自機の耐久力の回復の有無並びに回復量」等があると上級者も満足するのではないだろうか。
  • やり込み要素があまりない。
    • このゲームに限らず当時の作品はやり込み要素があまりないのが多いのは仕方がないと言えば仕方がないが…。
    • ただし、前述の通り本作はループゲームであり、周回プレイを重ねる事によってスコアがいくらでも伸びるため、何周もしてスコアアタックをするという遊び方ができる。

総評

機種が機種だけにモノクロなのが惜しまれるが、ロボット物が好きなプレイヤーならスタイリッシュな自機に恍惚としてしまうことだろう。
前述の通り、幅広いプレイスタイルという自由度の高さから隠れた良作であると言える。
惜しむらくは、同社のロボゲー『フォーメーションZ』の陰に隠れがちなところか。


余談

  • 説明書の「アイテムについて」の項目に、ゲーム中には登場しない「バルカン」(Vの字のアイテム)が掲載されている。自機の初期ショットは一度違う武装を取ると戻せなくなるが、開発時ではこのアイテムを取る事により戻せるようになっていたのかもしれない。
    • また、レーザーの説明が、「障害物と敵を貫通するショット。」とゲーム中の仕様とは異なる説明がなされている。
  • 本作以降ジャレコは長らくの間GBの横STGから手を引く事になるのだが、久しぶりに携帯機でリリースした横STGがとんでもないクソゲーになるとは誰が思っただろうか…。
  • 海外版パッケージイラストは国内版と左右対称になっている。
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最終更新:2024年01月06日 06:06
添付ファイル

*1 道を遮る球体やステージ5の分裂するボールなど。