Hard Head

【はーどへっど】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 アーケード
発売・開発元 SunA
稼働開始日 1988年
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 無駄に高い難易度
色々詰め込みすぎ
誰得なキスシーン
BYE! BYE!


概要

韓国のゲームメーカー、SunA製作の横スクロールアクションゲーム。残機+ライフ制で、全16ステージ。
2方向レバー+2ボタン仕様。『スーパーマリオブラザーズ』タイプのゲームである。2人同時プレーも可能。
敵を泡に包んで踏みつけたり出来る等、『バブルボブル』へのリスペクトも見られる。


システム

  • レバーで左右に移動。ボタン1で攻撃。ボタン2でジャンプ。
    • ボタン1で現在装備している武器で攻撃をする。ジャンプで敵を踏みつける事も可能。
  • アイテム
    • スコアアイテム
      • 100~500点のものがありグラフィックも星や金塊、果物だったりと多岐に渡る。
    • POW
      • ライフを1ポイントのみ回復させる。数が少ない貴重なアイテム。プレイヤーの初期ライフは2で上限は3。
    • ハート
      • 取得すると主人公とヒロイン(と思しき人物)のキスシーンが挿入され、10000点のボーナスが入る。
    • バブルガン
      • プレイヤーの初期装備。直線状に泡を発射し、雑魚敵であれば泡に包み込む事が出来る。泡に包まれた敵は徐々に上昇していき画面最上までいくと泡が割れて敵が中から出てくる。
      • 泡に包まれた状態で敵を踏むと通常より多くのスコアが得られる。射程が限られているがこのゲームに於いて最も攻撃範囲の広い武器であり、基本はこれで進行する。
    • ハンマー
      • プレイヤーの目の前でハンマーを振り下ろす。レンガを壊す事が出来るほか、雑魚敵も攻撃出来る。
      • 振り降ろすまでに隙があり使いにくいが、強制的に取らされる場面も存在する。
    • 爆弾
      • 放物線上に放り出され、一定時間後に左右に衝撃波を発生させる。
      • 隙が大きい武器で、衝撃波もさほど広がらないので一番使えない。唯一クリアに必要不可欠な武器でないのが救い。
      • これを取らないと画面が先にスクロールしない。つまり取らないとクリア不可。
  • ステージ上のフィーチャー
    • ブロック
      • 下から叩くとスコアアイテムが出現する。中にはトゲ(ダメージ)が隠れているものもある。
    • 電灯
      • 下から叩くとスコアアイテムが出現する。
    • レンガ
      • ハンマーで壊す事が出来るほか、下から叩いても壊せる。
    • サッカーボール
      • ボールに重なった状態でボタン2を押すと蹴り飛ばす事ができる。ボールが飛んで行った先に雑魚敵が居た場合はその敵を巻き込める。
      • ゴール上には必ずサッカーボールのポストがあり、こちらにボールを放り込むと 謎の笑い声と共に5000点のボーナスが入る
    • トゲ
      • 赤いウニのような物体。触れるとダメージを受けるがこの場合はトゲも同時に消える。
  • 制限時間内に画面端のゴールまで到達するとステージクリア。ステージクリアするとそれまでにクリアしたステージ数×5000点のボーナスが入る。
  • 敵と接触したり、敵の攻撃を受けるとライフが1減る。ライフが1の状態でダメージを受けると1ミス。穴に転落したり時間切れになったりボス敵と接触した場合は即1ミスとなる。
    • ミス時は特定の地点からやり直しとなる戻り復活タイプである。
    • 残機0の時にミスするとゲームオーバーだが、コンティニューは可能。

問題点

  • まずグラフィックがチープ。単色ベタ塗りであるものが殆どでお世辞にも綺麗とは言えない。
    • 雑魚のグラフィックも筍に足が生えたような物体に動き回るハサミ、ボウガンを持った赤フンドシ一丁の原住民と、見た目がおかしなものが多い。
  • BGMも聞いてて眠くなるようなものが多い。
    • ヘルマン・ネッケ作曲の「Csikos Post*1」といった有名な曲も使われているが、アレンジが下手な上本作の雰囲気とも全く合わない
      • ちなみにSunAのゲームには、本作と同じようにクラシック音楽 から原曲の良さを削った緊張感の無いアレンジ をBGMとして使用するものが複数存在する。
  • 操作性にかなりのクセがある。
    • ジャンプ中の方向制御が効かないので、足場の狭い場面では苦戦を強いられる。慣れない内は1面~2面を越すのですら大変。
  • ステージ内にこれでもかというくらいにスコア関連のフィーチャーが存在する。スコアの有難味がない。
  • ステージの構成もやたら足場が狭いor地形が狭いと極端である。
    • 地形の狭さに対して敵がすし詰めで敷き詰められている箇所が多く、てんやわんやな状況に陥りやすい。
    • 特に飛び道具で攻撃してくる雑魚敵は地形の狭さと相乗してかなり厄介な存在と化す。
  • 敵を上から踏みつけた場合、横から接触した扱いになりこちらがダメージを受ける事がある。
    • この為、敵はなるべくバブルガンで泡に包んだ状態で踏みつけるか無視する事を推奨される。
  • ハートマークのアイテムを取得した時のキスシーンだが、はっきり言って不気味である。というかヒロインはどこから出てきた?
    • お互いの口がひょっとこのように突き出てキスするという、情緒もへったくれもないものとなっている。
    • 大体取りにくい所に配置されている上に、取得したところで10000点のスコアしか入らないので視界的な意味でも無視した方が無難。
      • 一応、取得時に画面内の敵が消えるという、仕様なのかバグなのかよくわからない効果があるのでメリットは無きにしも非ずではあるが。
  • サッカーボールをゴール上のポストに放り込むと唐突に変なおっさんの笑い声が聞こえるのだが、あまりに唐突過ぎて首を傾げたくなるような演出である。ところでこのおっさんは何者?
  • ステージによっては中ボスや大ボスも存在するが、強さにばらつきがある。
    • 最初にボスが登場するのが2面であるが、ただ画面内を動き回るだけである。法則性もすぐに見切れるので簡単に倒せる。
    • 9面に登場する髑髏型のボスは攻撃を当てにくい事に加え(ジャンプを微調整しながら攻撃しないと当たらない)アルゴリズムも左右に動き回るだけという単純なものであるが妙に動きが速いので初見では訳がわからないまま一方的に蹂躙される可能性が高い。
      • しかもこの9面、やっとの思いでコイツを倒してもなんと同ステージ内に画面内反射弾を出してくる強化型が出現する。当然こちらの方が強い。プレイヤーのメンタルが潰される事請け合いである。
    • そして極め付けは最後の16面。上述の髑髏ボス1体+その髑髏ボスをさらに強くした巨大な生首に足の生えた奇妙なボスが2体出現(うち片方は画面内反射弾を出してくる強化型)、計3体ものボスと戦わされる。
      • これらのボスは強化型髑髏→生首→強化型生首の順で戦うのだが、2番目の生首でミスするとまた髑髏からやり直しとなる。プレイヤーのメンタルが(ry
      • また、ハンマーと爆弾ではボスに一切ダメージを与えられない。最後の強化型生首の前に爆弾アイテムが置かれているのだが、うっかり取ってしまった場合は100%詰む。
  • これだけ高難易度でありながら、デフォルトの設定は残機2、スコアエクステンドなしという鬼畜設定で難易度の高さに拍車をかける形となっている。
    • また、1UPと言った残機を増やすアイテムは存在しないので、コンティニューしない限り残機を増やせない。
  • エンディングは主人公とヒロインがバスに乗りこみ、素っ気ない祝辞の文章とともバスが走り出し「BYE! BYE!」という文字で締めくくられるという内容であり苦労が報われない。スタッフロールは無し。
    • しかもBGMは使い回し。いくらなんでも寂しすぎる。
    • 因みにこの「BYE! BYE!」というフレーズはゲーム開始時にもヒロインが発する。

評価点

  • ゲームそのものに特別これが優れているという点はない。
    • 強いて言うならばこのような粗悪な作品を世に送り出したSunAの度胸は評価すべきだろう。

総評

『スーパーマリオブラザーズ』や『バブルボブル』を参考にしたと思しき部分は見受けらえるが、佳作とは程遠い作品である。
日本国内では正規に出回らなかったゲームだが、こんな出来では海外での評価も芳しくないものであろう事は想像に難くない。
新声社から刊行されたゲーメスト増刊『ザ・ベストゲーム』によると発売ゲームリストにタイトル名が記載されている為、
当時の国内でも輸入といった形で稼動していた模様である。
なお同じくSUNAの項目に記載されていたブロック崩しゲーム『ゴインドル』は正式に国内でも稼動している。


続編

  • どういう訳か3年後の1991年に続編の『Hard Head 2』が稼働された。
    • グラフィックは幾分進化しているものの、スクロールがもっさりとしていたり、敵がやたら強かったり、主人公がチ◯コ丸出しの素っ裸で歩き回ったり、相変わらず色々とおかしな部分が多い。
    • ちなみに最終面では中国の天安門広場の前でラスボスと対決するという色々とアレ。
  • 本作に登場したヒヨコの敵と『同2』の雑魚敵の一部は同社が1996年にリリースしたアクションゲーム『Ultra Balloon』にも登場している。またグレムリンっぽい小型の悪魔は同社の『ラフレンジャー』でも雑魚敵として登場している。

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最終更新:2024年03月13日 22:35

*1 運動会でお馴染みの曲