ギャラガ

【ぎゃらが】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1981年9月
プレイ人数 1~2人(交互プレイ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソールアーケード
【Wii】2009年11月24日
アーケードアーカイブス
【Switch】2023年1月5日/838円(税10%込)
【PS4】2023年1月5日/837円(税10%込)
判定 良作
ポイント デュアルファイターで一斉射撃
UGSFシリーズ


概要

ナムコが開発した面固定型シューティングゲーム。 『ギャラクシアン』に多くの要素を取り入れ、80年代シューティングゲームの代表の一つとなった。

システム

  • 2方向レバーで自機「ファイター」を左右に動かし、ボタンで2連射可能のビームを発射して敵を撃ち落として全滅させるという基本はギャラクシアンと同じ*1
  • 敵は編隊を組んで飛来(中には体当たりを仕掛けてくる敵も)後整列し、整列が完了したらランダムに出撃していく。
    • 前作では最初から編隊がそろっていたが、徐々に揃う形に変更された為、敵が揃うまでに攻撃を加えて数を減らす事が出来るようになった。
      • 序盤のステージは整列中にほとんど攻撃して来ない為に非常に簡単だが、ステージが進むにつれて一部の敵が体当たりを仕掛けたり弾を撃つなどの攻撃をしてくるようになる。
    • 撃ち落とせずに画面下に消えた敵は、再び画面上から現れて編隊へと帰還する。
  • 敵は3種類+αに分けられ、それぞれ性質が違っている。
    • ザコ:前衛に整列する青色のハエ型の敵。最も数が多いが、終盤になると自機の近くを旋回してくる等あなどれない。
    • ゴエイ:前衛と後衛の中間に整列する赤色の蛾型の敵。ふらふらと飛来してきて、狙いにくい。
    • ボス:後衛に整列する緑色の甲虫型の敵。特にいやらしい動きはないが、唯一耐久力を持っており、2発当てないと倒す事ができない(1発目で緑から青に色が変化する)。ゴエイを1~2体引き連れて出撃したり、後述する「トラクタービーム」で自機を捕虜にしたりする。なお、出撃中に撃墜する(ボーナス点が表示される)と敵が暫く弾を撃たなくなる。
    • 特殊編隊:敵の数がある程度少なくなると、ボス以外の敵が点滅し、別のキャラクターに変化したうえで3体に分裂する*2。全滅させるとボーナス*3
      • 分裂した3体のうち、本体は1体だけで、動きはザコの動きに準拠し、編隊に帰還した場合は元の姿に戻る*4。分身は画面外に出るとそのまま消える。
  • 敵の残り数が少なくなると、全ての敵が攻撃を仕掛けてくる。ステージが進むと移動スピードが速くなる。
  • 逆転要素とも言えるトラクタービーム
    • 前述のとおりボスのみが使う攻撃。当たると自機が捕虜にされ、残機も減る。
      • 捕虜になったのが最後の1機だった場合は当然ゲームオーバー。なお同時に2機以上が捕虜にされることはない。
      • トラクタービームに当たっても完全に捕虜になる前であればショットを撃つことができる。この時、撃ったショットがトラクタービーム照射中のボスに当たって撃墜した場合、トラクタービームが中断され脱出できる。
        また、あまり意味はないが捕獲中の自機は高速で回転する事を利用して本来撃つ事ができない横や斜め方向へショットを撃つことができる。
    • 捕虜持ちのボスを飛行中に撃墜すると捕虜を奪還、横に合体してデュアルファイターになる。弾の横幅が広がる*5*6が、食らい判定も横に二倍となるため被弾しやすくなる。ただし破壊されるのは被弾した方だけであり、残機も(捕虜にされた時点で既に減っているので)減らない。
      • 捕虜にも当たり判定があり、自機の弾が命中するとボーナス1,000点と引き換えに消滅してしまう。また捕虜持ちボスを待機中に撃墜した場合も合体出来ないが、次の面でボスと共に再登場する。
  • 4面*7ごとにチャレンジングステージ(ボーナスステージ)がある。パターンは8種類(ループ)で、5組の編隊が通り過ぎていく。編隊1組(8体)を全滅させる度にボーナスが入り、最後の組の編隊の後、撃墜数に応じたボーナスがつく。全滅させると10,000点のパーフェクトボーナス。
    • 敵の攻撃が無いため、パーフェクトボーナスの為にも最もデュアルファイターが力を発揮する場所である。
  • デフォルト設定では初回は2万点、2回目は7万点、以降7万点毎にエクステンド。
    • ただし、スコアカウンターの処理の関係で100万点以降はエクステンドしなくなる。*8
      • ちなみに、2P側の方がスコアカウンターの桁が多い。
  • 全255面*9
    • ナムコクラシックコレクション版(オリジナル)では、全31面(8回目のチャレンジングステージ)でエンディングとなる。店舗側の設定でエンドレスにも設定可能だが、この場合でもキルスクリーンは再現されていない。
  • ゲームオーバーになると、ビームを発射した回数、ビームが敵に命中した回数、命中率が表示される。

評価点

  • それまでのシューティングゲームと比べ爽快感が大幅に増えた。
    • 自機の初期性能はショットが2連射になった事で強化され、広範囲に攻撃可能なデュアルファイターの採用により、「大量に現れる雑魚敵を性能の高い自機で撃ちまくる」概念を確立させる事になった。
      • シューティングゲームにおける「オプション」および「パワーアップ」要素の雛形的な存在と言えるかもしれない。
      • 本作以降のSTGは『インベーダー』の様な「狙い撃ち重視」から「撃ちまくり重視」へと徐々にシフトしていった事から、本作はSTG界における重要なターニングポイントの一つと言える。
    • 本作では自機性能が強化されている反面、敵の性能も進化しており、敵の動きが複雑化しスピードアップし、スリリングな展開も待ち受ける。
      • 一方で、敵の当たり判定が大きくなっており、敵も被弾しやすく(自機から見たら狙いやすく)なっている。
      • と、ギャラクシアンから大幅に進歩しており、以降の多くのゲームが本作の影響を受ける様になったと言っても過言では無いだろう。
  • ナムコ作品で初めて「ネームエントリー」が採用された
    • 既にタイトー作品で取り入れられていたネームエントリーのシステムだが、ナムコでは初めて導入された。
      • あちらと違ってアルファベット3文字だけだが「ピリオド」が含まれており、イニシャルの入力が一つの文化となっていた。
      • 以後は使える文字が増えつつも、3文字という入力制限は多くの作品に受け継がれる事となる。
      • ゲーセンでのコミュニティで本名ではなくイニシャルで呼び合うのを作ったゲーム、とも言える。今では考えられないが、本名も知らないゲームセンターで知り合った人が、本名を知らないまま互いの家に招いたりする交流があり、それでもイニシャル以外何も知らないけれど…という事も。
  • BGMも数多い
    • BGMというよりは「長めのSE」に近いものではあるが、それでも数は圧倒的に多かった。
    • スタート時は勿論の事、通常時の宇宙空間をイメージした反復音、自機が捕らえられた時や奪還の成功・失敗、チャレンジングステージのリザルトやネームエントリーに至るまで、実に幅広いものであった。
    • 大ヒットした細野晴臣監修の『ビデオゲームミュージック』では、ネームエントリー時のBGMが超ロングバージョンになっていた。『ゼビウス』の遠藤氏が、このアレンジを「ミッドナイトハイウェイ」と称したのは有名。*10

問題点

  • デュアルファイター時の当たり判定が大きく、すぐにソロになってしまいやすい。
    • 上述の通り、デュアルファイターは以降のSTGにおけるオプション装備の雛形とも言える存在だが、これらSTGにおけるオプション装備はプレイヤーとは別の当たり判定を持っている物が大半を占めている為か、オプション装備は現在は本作の様な「当たり判定が大きくなる」から「攻撃を防ぐ」という定義に至る事になった。
      • 現在のオプションと違って、「自機を犠牲にする」というリスクがあるのも痛かった。
    • 特に数の多いザコがそのいやらしさを存分に発揮する。自機の横を通過してすぐに宙返りするため、デュアルファイターだと回避の間に合わない局面も少なくない。
    • 反面、以降の『ギャラクシアン』シリーズでは本作を踏襲しているのか、デュアルファイター相当の当たり判定が大きくなるタイプのパワーアップシステムが継続して採用されていて、結果シリーズ全体の課題になる事に。
      • 『ギャプラス』では自機自体の大きさは変わらないものの、オプションを最大(左右に4体ずつ計8体)にすると左右にはほぼ動けなくなる。
      • 尤も、そうでないなら別のシリーズを名乗れば良いわけで、シリーズを名乗る以上仕方なくはある。
  • 致命的なバグがある。
    • クリア後、256面(表示上は0面)が始まるが、オーバーフローによるメモリ破壊を起こしているため正常動作せず、開始後しばらくして強制リセットがかかる。
      • いわゆるキルスクリーン。リセット後そのまま放置しても、正常にプレイできない。正常動作に戻すためには一旦電源を切る必要がある。
    • ある方法でプレイすると、敵が一切弾を撃たなくなる。
      • 仕込みにも長時間かかり、また成功後にも長時間プレイが可能となるので店舗にとっては迷惑この上ない。当然ながら、ナムコクラシックコレクション版ではこのバグは取り除かれている。
    • デモ画面中にある程度自機を操れる。この仕掛け自体は当時のアーケードゲームで時折見られたものだが*11
      本作の場合、トラクタービームから脱出した後は自由に操作が出来るようになりそのままプレイできてしまう店員泣かせな仕様となっている。
      その上一定時間の後リセットがかかるというこれまた店員泣かせなおまけまで…。

総評

『ギャラクシアン』に様々な改良を加え、プレイヤーを飽きさせないスリリングな展開やボーナス要素が多く、ナムコの代表作の一つとなった。
シューティングというジャンルの歴史から見ても、新たな時代の幕開けを予感させた代物と言えるだろう。

移植

名作のため当然様々な機種に移植されている。ここでは主だったもののみを挙げる。

  • ファミリーコンピュータ版(1985年2月15日発売)ディスクシステム版(1990年6月22日書換専用発売)
    • 横画面の仕様上、画面右にスコアや残機を表示しているものの良移植。
    • だが、本作の発売当時はゼビウスというFC史に残るキラータイトルが発売した後という事もあってか、あまり見向きされなかった移植でもある。発売タイミングが早ければ正当な評価を得られたのだが…
    • 後にディスクシステムの書換専用ソフトとして移植された。こちらでは母体となる『ギャラクシアン』よりも1ヶ月ながら先んじている。
  • ゲームボーイ版(1995年7月14日発売)
    • 『ギャラガ&ギャラクシアン』として『ギャラクシアン』とのカップリング移植。スーパーゲームボーイ対応。
    • 後に『ナムコギャラリーVol.1』に『バトルシティー』『マッピー』『ナムコクラシック』とまとめて収録されたが、同時収録だった『ギャラクシアン』は後に『~Vol.2』にて別に収録される事になった。
  • プレイステーション版
    • 『ナムコミュージアム Vol. 1』に収録。
    • FC版同様の横画面表示だけでなく、縦置きモニターによる縦画面表示、横置きモニターでもアップライト筐体を再現したフレームが表示される縦画面モードが選択可能。
  • セガSC-1000版
    • 『セガ・ギャラガ』のタイトルで発売。
    • チャレンジングステージがない。また、原作より画面が狭く、難易度が非常に低いのが特徴。デュアルファイターになったらほとんど編隊を組む前に簡単に全滅させ続けられる。
    • 当時AC版『リブルラブル』のプログラマーで、後に遠藤雅伸氏と共にゲームスタジオの設立にも関わった黒須一雄氏が移植をしている*12。言うなれば「発売はセガだが開発はナムコ」。ソース
  • アーケードアーカイブス版
    • アーケードアーカイブスの1作品としてプレイステーション4とNintendo Switchにて配信。初期バージョンと敵が弾を撃たなくなるバグが修正された最終バージョンの2バージョンを収録。「こだわり設定」にてステージ255クリア後のステージ0をスキップする、隠し難易度の変更、1P側のスコア表記を1000万の位まで表示させるといった事の設定が可能。
    • HI SCORE MODEは「初期バージョン ランクA」(ステージ0はスキップする設定で固定)と「最終バージョン ランクD」の2種類が用意されている。
  • この他にもPS版『鉄拳』のロード画面でチャレンジングステージのみを遊ぶ事が出来る上に、こちらで特定の条件を満たす事によりゲーム本編の隠しキャラを解禁する事が出来た。
    • ロードのおまけでありながら、デュアルファイターになる裏技があったりと中々充実していた。

続編等

  • 1984年に次作『ギャプラス』が発売される。自機が左右のみから八方向に移動可能になったり、連射数も最大3発と上昇しているが、発売が同社『ゼビウス』の翌年と言うこともあって、前2作とは違いパッとしない結果に終わった。
    • なおゲームスピードが速かったからか移植が難しかったらしく*13、プレイステーションの『ナムコミュージアム VOL.2』に収録されるまでは16bit機であるPC-9801版しか移植版が存在しなかった*14
  • 1987年の更なる次作『ギャラガ'88』は連射数が多く高速移動も可能なトリプルファイターという新要素が登場し年相応に進化はしているものの、固定画面STGという時点で時代遅れな感は否めず、ヌルめな難易度も相まって、『ギャプラス』と同じくあまり支持を得られず埋もれてしまう事になった。

余談

  • 同社から発売されたRPG『テイルズ オブ デスティニー』に収録されたミニゲームの「海戦ゲーム」は本作をモチーフにしているが、初戦に限ってボンバー相当の援護攻撃が可能になるアレンジが施されている。
    • また、『テイルズ オブ シリーズ』ではトラクタービームという唱術が登場するが、PS版デスティニーの物に限って『ギャラガ』のトラクタービームを彷彿とさせる演出になっているのが特徴的だが、PS2で発売されたリメイク版ではこれらナムコのレトロゲー要素がバッサリ削除されてしまい残念がるプレイヤーも多かった。
  • 全世界でメガヒットを記録した、スーパーヒーローが集結するアメコミ映画『アベンジャーズ』にも本作が登場している。
    • 以下その場面。全世界を守る特殊部隊S.H.I.E.L.D.が所有する空飛ぶ巨大空母ヘリキャリアにヒーロー達が集合。そこに現れたのが大スターであるロバート・ダウニー・Jr演じるヒーローのひとりアイアンマン:トニー・スタークだった。彼はヒーロー達やS.H.I.E.L.D.の職員達に倒すべき悪の計画の説明をしようとする……その前に、自分の話を聞いておらず目の前のコンピュータで何かをしているS.H.I.E.L.D.の職員がいることに気付く。その方向を指さして一言。
    • 「That man is playing Galaga. He thought we wouldn't notice, but we did.」
      • 吹き替えでは「そこギャラガやってるだろう! バレないと思った? おあいにく様」。
    • しっかりタイトルが呼ばれている他、トニー・スタークが去ったあと件のS.H.I.E.L.D.職員がいそいそと自分のコンピュータでギャラガを再開する場面で実際のプレイ画面も映る。
    • なおこの『ギャラガ』はMSX版ではないかとのこと。
  • 世界的に著名なギャラガシリーズであるが、長らくこれらを繋ぐ公式的なシリーズ名称が付けられていなかった模様。
    • 後にギャラガ35周年を機に、バンナムが『ギャラガ・リーグ』と言うゲームのシリーズ名を正式に名付けた。
    • UGSF世界の設定では『元は同一種族でありながら進化が異なる別の部族同士であり、この部族の幾つかが団結し連合(リーグ)を構成していた事からギャラガ・リーグと命名した』との事。
  • 2019年4月にメーシーから『ファミスロ』の第3号として『SLOTギャラガ』がパチスロ化された。

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最終更新:2023年04月16日 18:52

*1 ギャラクシアンでは自機のビームは画面上1発しか撃てなかった。

*2 ギャルボス(ギャラクシアンのボス)、エイ(通称ミドリ)、オガワムシ(通称サソリ)の三種類。ただし分裂した3体はすべて同じ種類になる。名前は『ALL ABOUT NAMCO』から。

*3 オガワムシ<エイ<ギャルボスの順に点が高くなる。

*4 敵の数が一定数に減って一斉攻撃モードに入っている場合は帰還せずそのまま一斉攻撃に参加する

*5 見た目は二発同時発射だが、片方が当たるともう片方も消滅する。

*6 二発の弾の間にはしっかり当たり判定の抜けが存在し、敵はその間を通過可能。ただし、家庭用移植版では当たり判定に抜けのないバージョンもある

*7 最初のみ3面。

*8 デフォルト設定だと98万点が最後となる。

*9 最終面はチャレンジングステージなので、到達した時点でクリア確定

*10 ナムコ季刊誌「NG」より。

*11 『スクランブル』『影の伝説』等

*12 黒須氏曰く、「『リブルラブル』の開発中に並行して作っていたもので、これ以外にソード社のM5やMSXの仕事もやっていた」とのこと。

*13 当時の『ログイン』誌でのPC-9801版に対する記事より。

*14 要はファミコンをはじめとした家庭用ゲーム機どころかPC-8801にさえ移植されなかったと言う事。なおプレイステーションは32bit機。