JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻

【じゃんぴんぐふらっしゅ あろはだんしゃくふぁんきーだいせくせんのまき】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 エグザクト
ムームー
発売日 1995年4月28日
定価 5,800円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
配信 ゲームアーカイブス
2006年11月22日/617円
判定 良作



概要

  • 「元祖とびゲー」を称する一人称視点のACT&STG。
  • とびゲーを自称する通り、ジャンプが特徴のゲーム。
  • 全体的にコメディチックな世界観。ステージの作りにもその雰囲気がよく出ている。

ストーリー

人類が宇宙に進出してから起こり始めた様々なトラブルを解決する「宇宙市役所」に緊急通報が届く。

自称、悪の天才科学者「アロハ男爵」と名乗る老人が、自分の別荘を作るという私欲のため、
巨大宇宙ロボット「クラゲラーG」を操り、宇宙のとある美しい星の名所を地面ごとむしり取り、持ち去ってしまったとのこと。
穴まみれになってしまった惑星住人からの苦情を受け、宇宙市役所:惑星相談課は直ちに対応。
クラゲラーに奪われた名所を取り戻すため、急遽戦闘用に改造された万能型害虫駆除マシーン「ロビット」を派遣するのだった。


特徴

  • 概要の通り、一人称のACT&STG。
    • 移動は基本的なものだけ。ダッシュはできない。平行移動も空中でだけできる。
    • 連射力の高い二連装の通常弾を撃つことができる。射程はかなり長い。停止した状態なら、上下に狙いをつける事ができる。さらに特殊兵器を三つまでストック可能。
      • 特殊武器はストックが満タンの場合、新しいものを取ると、一番古いものが捨てられる。
    • ジャンプが三段階までできる。一段目のジャンプは水平視線で飛ぶが、二段目以降は真下を見る。三段目は二段目の頂点付近でしかできない。
      • 落下すれば相手を踏みつぶせる。高い所からの踏みつけほど、ダメージも高い。一発で倒せなかった場合は跳ね返る。その跳ね返りでも、二段ジャンプまで可能。
    • ダメージ制と残機制の併用。
  • アイテムには前述の特殊武器の他、ライフ回復、一定時間無敵などがある。
    • 手に入れるには、ステージに配置されているものを取るか、敵を倒して落としたものを取る。
  • 6つのワールドに3つのステージ。
    • 1つのワールドには3つのステージがあり、1番目と2番目は通常のステージ。ステージ内にあるジェットポッドを4つ集め、EXITと書かれたジャンプ台にたどり着けばクリア。
      • 各ワールド1番目のステージだけ、ボーナスステージへの入り口がある。ボーナスステージでは、時間内に配置されている風船を全て破裂させれば1UP。
    • 最後のステージはボスとの戦い。相手の体力を0にすればクリア。
    • ワールド6だけは違い、通常ステージは6-1だけで、後はボスとの連戦になる。
    • ステージ全体は空中に浮いており、限界を超え落下すると体力に関わらず一発ミス。

評価点

  • ジャンプの浮遊感と落下による高さを堪能できる。
    • 二段目以降のジャンプは下を向くため、飛んだ高さが実感できるものとなっている。三段目までジャンプするとかなりの高さ。
    • 空中に浮いている足場が多く、落下とジャンプを繰り返すゲーム性。高低差の大きいステージが多いので、落下の臨場感はかなりのもの。
      • 高い程ほど吹き付ける風の音が大きく、これもまた高さを印象づける。
    • メインの攻撃は踏みつけなので、これまたジャンプへの意識が強くなる。
    • 特定の条件を満たすとエクストラモードをプレイ可能になり、このモードでは六段ジャンプと高速移動が可能になる。高所恐怖症の人はご注意を。
  • 特殊兵器も使いよう。
    • 三つまでストックできる特殊兵器は、どれも癖があり使いどころを選ぶ。効果も特徴的なので、使うだけでもなかなか楽しい。さらに手に入りやすいので、構成は自分次第。
  • テーマパークのような数々のステージ。
    • 各ワールドは名所というだけの事はあり特徴がよく出ている。眺めているだけでも楽しい。難易度も低いので、時間一杯ステージを堪能するのも悪くない。
      • ワールド1:牧場っぽい草原と火山地帯。火山の上では、何故か目玉焼きを焼いている。
      • ワールド2:遺跡。ピラミッドやらモアイ像があったりと、遺跡自体には一貫性がない。ただ雰囲気はよく出ている。ステージ2はピラミッド内迷路。近距離戦闘になりがちで、少々やりづらい。
      • ワールド3:遊園地。遊園地らしくお城や観覧車などがある。しかもただオブジェとしてあるだけでない。上空まで浮かす扇風機や、跳ね上げるトランポリンなど、ちゃんと使えるギミックもある。ジェットコースターなどは、乗ることもできる。
      • ワールド4:極地。地面が凍っており、滑りやすい。おかげで、足場を踏み外しやすい。ステージ2は洞窟迷路。
      • ワールド5:ビジネス街。ステージ1は夕焼けに染まった新興開発地帯。ステージ2は夜の繁華街。
      • ワールド6:宇宙。足場に乏しく、落下による一発ミスになりやすい。トランポリンのようなギミックがあるのも特徴的。
    • BGMも各ステージによく合っている。
  • あなどれないボス。
    • 難易度低めのゲームだが、ボスだけは違う。前半こそほどほどの強さだが、後半はロビットを自在に操れないと苦戦する。
  • 和み加減十分なキャラクター達。
    • 悪人の作り上げたロボットとは思えないコミカルなデザイン。
      • 攻撃されるとかわいい悲鳴を上げるキーウィ。嘴から爆弾を投下するペリカン。ブタ姿の大砲。注射器姿の蚊など。その仕草というか攻撃方法も、ほのぼの感がある。
    • ワールドをクリアするとデモが挿入される。このデモがちょっとした子芝居。ボスロボットを操っていたアロハ男爵の部下、ムームー星人達が場末の飲み屋で管を巻いているというもの。
      • ムームー星人のデザインも、かわいらしいもの。本作のマスコットだけの事はある。
    • ロビットにもクマゴローというAIが搭載されており、ダメージを受けたりアイテムを取る度に声を上げる。こちらもコミカル。

問題点

  • 操作に慣れが必要。
    • 地上で平行移動ができないため、相手を視界に捉えるのに少々コツが必要。特にボス戦では勝敗に響くほど。
    • 二段ジャンプ頂点付近でしかできない三段ジャンプが、必須テクニック。
  • ステージ自体は難易度が低く、単純にクリアだけを目指すプレイをすると物足らない。
    • 全18面で、ステージ自体も然程長くないのもこれに拍車をかけている。ただし、タイムアタックを意識して制作されているので、短めなのは意図的。
  • タイトル画面からしかセーブできず、プレイ途中でタイトルに戻る方法がクリアするかゲームオーバーになる事しかないため少々不便。

総評

「元祖とびゲー」を自称しただけの事はある、ジャンプを十分に味わえるゲーム。世界観も親しみやすく、ステージを動き回っているだけでも楽しい。一方で、ボスはなかなか手ごわく簡単にクリアできるという訳ではない。そう複雑ではないゲーム性ながらも、独特のプレイ感のあるゲームである。


その後の展開

  • その後もPocketStation対応のミニゲーム集『ポケットムームー』、ストーリー性を増した『ロビット・モン・ジャ』と言った関連作も発売されている。現在では全作がゲームアーカイブスで購入可能。
  • また、『がんばれ森川君2号』にはキーウィなどの本作のザコキャラが一部登場する。また、PVは本作のデモ同様にムームー星人が飲み屋で語っていた所、同作に登場するDr.Yに映像を見せられると言う形になっている。

余談

  • 本作はデベロッパーでもあるエグザクトが1994年にX68000用として開発・発売した3Dポリゴンのアクション・シューティング、『ジオグラフシール』をベースにしている。*1実際、プレイ動画等で比較すると本作に『ジオグラフシール』の要素などが継承されていることがわかる。
+ タグ編集
  • タグ:
  • ACT
  • アクションシューティング
  • ソニー・コンピュータエンタテインメント
  • エグザクト
  • ムームー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月29日 01:05

*1 元々エグザクトは過去にX68000で何本かのゲームを開発・発売していた小規模な会社であった。