ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期

【にゅーだんがんろんぱぶいすりー みんなのころしあいしんがっき】

ジャンル ハイスピード推理アクション





対応機種 プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Windows(Steam)
発売・開発元 スパイク・チュンソフト
発売日 【PS4/PSV】2017年1月12日
【Steam】2017年9月26日
定価 通常版 / 限定版 / ダウンロード版
【PS4】7,400円 / 13,400円 / 6,660円 (税別)
【PSV】6,400円 / 12,400円 / 5,760円 (税別)
【Steam】7,192円 (税別)
廉価版 スパイク・チュンソフト ザ ベスト
【PS4/PSV】2018年1月11日/2,980円
判定 賛否両論
ポイント 新章突入(ただし過去作ネタバレ注意)
シリーズ特有の要素は全てパワーアップ
悪趣味さも大きくパワーアップ
歴代で最も哀しいシナリオ
物議を特に大きく醸したストーリー展開
備考 海外版及びSteam版のタイトルは
Danganronpa V3: Killing Harmony
ダンガンロンパシリーズ


概要

『ダンガンロンパ』シリーズのナンバリング3作目。携帯機のPSP/Vitaで展開してきた本シリーズだが、本作では初めて据え置き機とのマルチ作品となった。
アニメ作品に『1』『2』『絶対絶望少女』の流れを汲んだ希望ヶ峰学園シリーズ完結作『ダンガンロンパ3』が存在するためか、本作は公式略称も『V3』となっている。
そのため、『ダンガンロンパ3』と本作『ニューダンガンロンパV3』は内容どころか媒体まで全く異なる別作品なので注意。

本作は『3』で完結を迎えた「希望ヶ峰学園」シリーズから、世界設定やキャラクターを一新*1している。
本作は「サイコクール」をテーマに、多くの「」を描いたストーリーとなっている。

他シリーズ同様、プレイ動画の公開は第一章まで。PS4のシェア機能も当然制限がかかる。PSVitaのスクリーンショット機能も同様。


新システム

全体的に『2』をベースにしつつ、多くの新システムが加えられている。

ADVパート

  • 本作では学園内にいくつかの施設が新たに設置され、自由に行き来する事が出来るようになった。
  • 『2』にあった三人称視点は廃止された。
  • ギミックショット
    • 教室などに入った際に机などの障害物を除去する事で、モノクマメダルを手に入れる事が出来る。

裁判パート

  • 新たに3つの新要素が加わった「ノンストップ議論
    • 一度に3人もの証言を聞く「パニック議論
    • ウィークポイントのマーカーにコトダマを撃ち込む事でボーナス評価を得られる「V論破
    • 『2』まであった発言キャプチャーの代わりに、コトダマを△ボタン長押しで「ウソダマ」へ変化させ、議論を進める「偽証
      • 特定の矛盾していない発言にウソダマをぶつける事で「裏ルート」へ入る事も出来る。
  • スコアについては『2』までの減点方式から加点方式に変更となったが、発言のミスに関する項目が別途用意されているのでパーフェクト狙いの要素が完全に廃止されたわけではない。
  • 議論スクラム
    • 真っ二つに意見が分かれた際の議論。
    • 相手側の発言に合わせる形でこちら側の発言をぶつけていく。発言にはキーワードがあるが、相手側のキーワードは伏せられておりセリフから推理していく。全て合わせた後にボタン連打での競り合いになり勝つと全論破となる。
  • 反論ショーダウン・真打
    • 『2』の反論ショーダウンの進化版。前作との相違点は、使用回数制限の撤廃とスティックで向きを決めて〇で攻撃の二点。
  • ブレインドライブ
    • 前作のロジカルダイブに相当するレースゲーム風のミニゲーム。雑念という名前のお邪魔カーを避けながら某レースゲームのアイテムボックスに似た文字キューブを取得し問題文を埋めていき、文を完成させると選択肢という名の女性が登場するので、正しいと思った選択肢の女性をピックアップする。
      • 正解するとその選択肢の女性が車に同乗する。間違うと…。
  • 発掘イマジネーション
    • パズル形式のミニゲーム。同じ色のパネルが二つ以上隣接している部分を選択すると消すことが可能で、消えたパネルと隣接していたパネルは一定の法則で別の色に変化する。パネルを消していくことで裏側にいくつか隠されている絵を見つけ出し、設問の答えになる絵を選択することができればとクリアとなる。
    • 孤立しているパネルを強引に消すことも可能だが、その場合は代償として制限時間を消費する。
  • 閃きアナグラム Ver.3.0
    • 本作では画面内を動く文字が書かれた玉を集めて文章を組んでいくが画面には影がかかっており文字が見えない。精神力を消費して影を取り除いて文字が見えるようになる。
  • 理論武装
    • 『1』のマシンガントークバトル、『2』のパニックトークアクションに相当。
    • 犯人を追い詰める際に発生する恒例の音ゲー。タイミングに合わせて画面に表示されるボタンを押していく。
    • 今までの音ゲーパートは立ち絵の使いまわしだったが理論武装では専用のイラストが用意されており、撃破すると相手側が男女問わず脱衣する。
  • クライマックス推理
    • 本作ではロックの掛かったコマがあり、指定された数のコマを埋めていく事でコマが解放されていく方式になった。

その他

  • 『Reload』にあった背面タッチパッドによる雑音セリフ撃墜がスキル扱いになった。
    • 些細ではあるが、スキルを付けなければ使えなくなったという点では劣化している。
    • 性能は強化されており1回のタッチで撃墜できるため、バランス調整とも言える。
    • PS4版もスキルをつければコントローラーのパッドで雑音を撃墜可能となる。
  • 電子手帳にスキン着せ替え機能が付いた。

クリア後のおまけモード

  • 超高校級の才能育成計画
    • 『V3』のメンバーが希望ヶ峰学園に入学したというIF設定の学園すごろくゲーム。後述する絶望のダンジョンで使用するキャラの強化が行える。
      • 『1』『2』『V3』のメインキャラ達が「それぞれ作品毎の別クラスの同学年」という独自の設定となっており、イベントマスではクロスオーバーの交流が見られる。立ち絵やボイスはそれぞれの過去作のもの。
      • アニメ『3』のキャラもゲストで出演する。こちらはゲーム用の立ち絵が無いためデフォルメされたドット絵のみでの登場。
    • 成長タイプは物理型の「スポーツタイプ」、魔法型の「インテリタイプ」、キャラによって大雑把な傾向がある「バラエティタイプ」の3つに分けられるが、細かい能力の伸び方などに差があり*2、誰が何に向いているかは実際やってみないと分からない。武術をやっているキャラ以外は。
  • 絶望のダンジョン モノクマの試練
    • 上述の「才能育成計画」で育てたキャラを使って遊ぶRPGモード。
    • ちなみにタイトルと一部モンスターは『風来のシレン』の、画面構成はかつてチュンソフトが開発を担当した『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のセルフパロディとなっている。
    • このモードではキャラを成長させられないため、育成計画でどれだけ育てられるかが重要となる。モード内で出来るのは装備品の作成くらい。
    • 後述のカードDEATHマシーンに使えるお金を獲得できるのもより高いレアリティのカードを輩出するように強化できるのもこのモードのみ。
  • 超高校級のカードDEATHマシーン
    • 元ネタはカードダス。「才能育成計画」内で使用できるキャラを増やせる。
    • 各キャラにつき、N・S・Uの三段階が用意されている。ただし、絶望のダンジョンを攻略していかないと低レアリティのカード(弱いキャラ)しか入手できない。
    • カードは1種につき1枚しか入手できず、ダブったら絶望のダンジョンで装備の作成に使える素材が入手できる。
  • 宇宙一周ラブバラエティ だんがん紅鮭団
    • 『2』でのアイランドモードやリメイク版『1』のスクールモード同様、親密イベントを進める事に特化したモード。ただし、このモードでは好感度を上げられないケースが存在する。
    • 今回は一周が10日間までと日数が短くなり、恋愛色も強めとなっている。一方、誰とも絆を築けなかった場合のバッドエンド感も強め。
    • ちなみに、とあるキャラのエンディングにて恒例の好感度最大の証である「パンツの獲得」が実際にもらっていることが判明した。冗談とか比喩じゃなかったんかい…。
  • 絶望のデスロード
    • おまけモードではないが便宜上ここに記載する。
    • 本編中に突然挿入される横スクロールアクションのミニゲーム。
    • 最大残機16(つまり生き残りの人数)だが、初見殺しの意地の悪い仕掛け・滑りまくる慣性により難易度は理不尽の域。クリアしただけで「超高校級のゲーマー」扱いされるほどである。
    • 本編上でクリアが必須になるが、その際は難易度を大きく下げるお助けアイテムが手に入るので、それより前にクリアするのはやりこみの域。
      • お助けアイテムを入手する前にクリアすると、特典として生徒手帳の着せ替えスキンがもらえるのだが、実は後述の修正パッチ適用前だと、「特定のタイミングのみ、ストーリー上はお助けアイテム入手前なのにお助けアイテムが使える」というバグがあり、そのバグを使ってしまえば限定着せ替えスキンの入手自体は容易*3
  • カジノ
    • モノクマメダルをゲームコインに換金する事でミニゲームのプレイの他、景品と交換する事が出来る。
    • 景品はスキルやプレゼント、手帳の着せ替えなどがあり種類も豊富。
    • また、このためにモノクマメダルの獲得率が過去作よりも跳ね上がっている。とりわけ、後述するゲームでどれかしら高得点を獲得でない人はメダルを消費してコインを稼がないといけない。
    • 「モノモノスロット」の他に裁判ゲーム「アナグラム」「イマジネーション」「ドライブ」をカジノゲーム風にアレンジした「SAKE NO TUKAMIDORI」「お宝発見!モノリス」「OUTLAW RUN」がある。この内、「モノリス」に関しては練習で培いきれないプレイヤースキルを必要とするため、難易度が高めの内容となっている。結果、アップデートによって評価決定のラインが引き下げられる処置がとられた。
    • カジノはメニュー画面から行き来する事も可能。

評価点

  • シリーズ伝統の牽引力あるシナリオ
    • 息をつかせぬ衝撃的な展開やどんでん返しが連続し、プレイヤーをぐいぐいと物語へ引き込む牽引力は本作も健在。
    • 「クローズド・サークル」要素や「デス・ゲーム」要素も本作には十分に発揮されている。
      • また個性的なキャラクター達の生死が引き起こす人間ドラマもまた健在。それどころか本作では「死」と「哀しみ」に立ち向かっていくという展開が強く表れており、そのキャラクターの死がこれまで以上に悲観的なものとなっている。
    • 調査と学級裁判を繰り返し、真実が次第に明らかになっていく物語運びも前作同様高評価である。
    • さらに裁判も詳細は伏せるが、『ダンガンロンパ』その物のシステムをひっくり返した、首謀者への挑戦的な裁判もあり評価が高い。
    • 以上は後述する賛否部分を抜かしたシナリオの評価である。
  • 舞台が『1』同様の学園に回帰した。
    • 人間関係もギスギス感が強まっており、適度に緊張感が与えられている。
      キャラクター間の絆も強く描かれている。
  • 推理の難易度も歯応えがある。
    • 今作では、トリック監修を外伝小説『ダンガンロンパ霧切』を手掛けた北山猛邦氏が務めている。そのため大胆かつ巧妙な物理トリックが多く、謎解き面のやり応えが増した。
      • 複雑な謎が絡み合うが、1つの謎が解ければそれに連動して他の謎も解ける3章など、真相が判明した時の爽快感もかなり大きい。
      • 4章、5章では現実離れした世界観が飛び交うが、それでも適切なヒントが与えられているために謎解き要素として理不尽な要素が無い。ダンガンロンパならではの謎解き問題としてうまく機能している。
      • 2周目になって見返すと初めて気づく伏線が張られているところもある。
  • 「多人数での議論」感の増した新システム
    • 議論に全メンバーが参加し、互いの矛盾を暴き合う「議論スクラム」、パニックさながらに複数人がまくしたてる「パニック議論」などは概ね好評。
      • 特に「スクラム」は、展開の熱さやBGMのかっこよさ、テンポ良く進む点など評価点が多く、本作の新要素の中で一番人気が高い。
      • 議論スクラムに限らず、今作のキャラクターは推理や考察が得意ではないゴン太などのキャラクターも彼らなりに思考して積極的に議論に参加し、前作までにいたような「学級裁判であまり役に立たず賑やかしになる」ようなキャラクターは存在しないと言っていい。
    • 今まで自動で行われていた投票も実際にプレイヤーが投票でき、また結果の開示もされるようになった。
  • キャラクター人気は今回も高い。
    • 一行の良き兄貴分の百田解斗や顔芸要員の茶柱転子、強面の巨漢ながら純朴な性格の獄原ゴン太、トリックスターとして終始一行を引っ掻き回す王馬小吉など、本作も『ダンガンロンパ』らしい濃い面子が揃っている。
    • キャラクター造形の土台とも言える「超高校級」も健在。「ピアニスト」「テニス選手」「マジシャン」といった至って普通のものもあれば勿論「宇宙飛行士」「メイド」「総統」といった変わり種までいる。
    • 出演声優も舞台版「ダンガンロンパ THE STAGE」のキャストである神田沙也加氏*4と石田晴香氏*5を起用したり、本職声優も大塚明夫氏、井上喜久子氏、林原めぐみ氏といったベテラン、武内駿輔氏や鈴木みのり氏など話題を呼んだ新人声優まで幅広く起用されている。
      • シリーズのゲーム作品としては初のTARAKO氏へと変わったモノクマが登場する。
      • 今回初登場となるモノクマの子供という設定のモノクマーズは山寺宏一氏が1人5役(うち1匹は女性)で演じる。5匹それぞれをきっちり演じ分けており、氏の演技の幅の広さを実感できる。
  • BGM
    • 引き続き高田雅史氏が担当している。「クール」というテーマに合わせ落ち着ついた曲調が多いが、ストーリーの盛り上げもきちんとしている。
    • 既存の曲も同様の傾向のアレンジが施されている。特に「クライマックス推理」は大胆にアレンジされており悲壮感のあった過去のものから、切なさを感じるものとなっており人気が高い。
    • 主題歌を担当するのはシリーズおなじみの緒方恵美氏。
  • 安定のパロディ・小ネタ
    • シナリオや裁判中にキャラがパロディ、小ネタを挟み、独特の世界観の良い塩梅になっている。今回は特に絵柄まで再現される場面も
  • 周回要素の楽しさ
    • 本作は実は間違っていた推理が正しかった事をはじめとする意外な伏線が多い。特にあるキャラの描写は二周目をすると一味も二味も出るようになっている。またプロローグに登場するキャラ達はクリア後見ると興味深い。
  • やり込み要素
    • やり込み型のゲーム性である育成計画とRPGモードは特に熱中できる。
    • 育成計画では主人公以外のキャラを操る事も出来るので、ゲーム本編や通信簿とは違った内面も見ることができる。
      • 交流のキャラセレクトも主人公繋がり・探偵繋がり等々ファンに嬉しいチョイスや、意外なキャラ同士の交流によるキャラの彫り下げ、更には絶対絶望少女のネタに公式イラストの小ネタもあったりと、シリーズファン満足の出来になっている。

過去作からの改善・改良点

  • ノンストップ議論の演出が強化された
    • 書体や文字の表現が多彩になり、キャラの心情や言動の強さがさらに分かりやすくなった。
  • 発言力0になった際の演出変更
    • これまでは99%犯人が確定した状況でも「主人公がクロ」という不自然なゲームオーバーになっていたが、その演出がなくなった。
  • 過去作から要望のあった親密イベントの見返し機能が追加された。
    • 同じく特定のプレゼントを所持していると見れる隠しイベントも一度見たものは自由に見れるようになった。
  • チャプター選択時に「自由時間から始める」が追加され、紅鮭団の開放まででも親密イベントの進行が楽になった。

賛否両論点

全体的にシリーズ特有の悪趣味さがより強調された作風となっている。

ストーリー

  • 『嘘』を題材としているためか、発売前に公表された情報やゲーム内で明かされていく新情報がゲームが進むにつれ次々に二転三転していく。
    • 特に第一章は多くのプレイヤーが驚いたと同時に一部のキャラの扱いがあまりにも不憫だという事で議論を呼んだ。
    • 一方で、ダンガンロンパ恒例の驚きの展開の連続と丁寧な伏線の回収でもあるため高い評価もされている。
+ 第一章の展開(ネタバレのため閲覧注意!!)
  • 操作キャラの一人である超高校級のピアニスト・赤松楓。前情報では彼女が主人公として報道されており、実際体験版とストーリー序盤は彼女が主人公だった。
    • …のだが、一章終盤からは赤松に代わって、それまで彼女のパートナー的存在であった超高校級の探偵・最原終一を動かす事となり、以降は彼が本作の実質的な主人公となっている。
    • 女性主人公を望んでいたプレイヤーからは「騙された」という意見もある。
    • しかもおまけモードの「だんがん紅鮭団」ですら楓を主人公にする事が出来ない(こちらは最原オンリー)。よって、一章自由行動時の親密イベントは正真正銘の一章限定イベントであり、全部見るには一章を何度も周回する必要がある。幸い前述の通り、周回自体は楽になっている。
    • 一方で、叙述トリックを使った伏線の張り方などに関しては評価されている。キャラクターについても二人とも好評である。
    • 一章限定の親密イベントに関しても、後の展開の伏線となる描写が多い。
  • もっとも、公式サイトのネタバレ注意勧告にて「一章がヤバい」という情報や体験版で不自然なほどしつこく主人公である事を強調、担当声優が本職の声優ではない神田沙也加氏という事もあり、発売前から彼女がフェイク主人公なのではと予想する声はそれなりに存在した。
  • また、本当の主人公であった最原に関しても、苗木や日向と同じベテランの女性声優であることや、歴代主人公に共通して生えているアホ毛がPVで確認できていたこと、「超高校級の探偵」という重要度の高そうな肩書きから、彼が本当の主人公ではないのかという予想も多かった。
    • さらに赤松は女子である為に、発売前に彼女が主人公だと発表された当時は今までの主人公である苗木、日向と違い通信簿等のイベントが所謂「乙女ゲー」のようになるのではという懸念も存在していたため、彼女が実際にはメイン主人公ではなかった点に関しては賛否がある。
  • 本作において最大の賛否両論点である、とあるストーリー展開。
+ ネタバレが過ぎない程度に軽く触れる
  • 物語の重要な部分に、非常に好みが分かれる要素が盛り込まれており、またプレイヤーやシリーズファンを痛烈に皮肉り罪悪感を催すような物かつこれまでのシリーズの登場人物を愚弄するような物でもあるため、本作はこの要素のみで極端に評価が割れている。
    • 言ってしまえばシリーズ恒例の超展開でもあるのだが、今回においては「さすがにやりすぎ」「キャラクターやプレイヤーを何だと思っている?」「『3』の最終回と言っている事、やっている事が真逆すぎる*6」という怒りの声から「多大な衝撃を受けた」「とても熱中した」「よくぞ書ききった」「これでこそダンガンロンパらしい」という賞賛の声まで非常に幅広い。
      批判意見の中でも「最後以外は名作だった」という意見は多く、ここ以外は軒並み高評価で纏まっている。該当部分に関しても物語として破綻があるわけでも蛇足というわけでもない。本当に「好み」の一点に尽きる要素なのである。
      • 少し踏み込むだけでネタバレになりかねないため、曖昧な説明になってしまうが、要するに、誇張抜きで異様なまでの賛否両論を誘発する要素が、これでもかと言わんばかりの演出と共に展開される。それが本作が賛否両論たる所以である。
        『これでも言わんばかりの演出』に関しても全体的にプレイヤーを煽るようなものが多く、「不快になった」という声も多い。
        発売後には「かなりの意見を貰った」「スタッフ間でも見解が異なる」と言った公式発言が多く、本作が賛否両論作品であることは公式も把握しており、そういった趣旨の広告文も制作されている。
      • また当初は批判していたユーザーも、時が経つとともに結末を受け入れ、『1』『2』の焼き直しにならない結末を評価する、とする流れもしばしば見かけられる。
  • 考えオチ
    • オチを明確にしない、いわゆる「考えオチ」でもあり、考察の余地を残すためか謎や矛盾めいた設定も多い*7。その辺りのはっきりしない結末も『1』や『2』と同じとは言え、本作はその傾向が比較的強く、そういった点でも評価が分かれやすい。
  • なお、本作はこれまでと異なりエンディング後にエピローグが流れるのだが、タイトル画面に戻って少ししてから入るためか、初見だとエピローグの存在に気づき難い。
    • エピローグ時はセーブが不可能で、エクストラにも載らず、クリア後に本編をやると最初から始まってしまうため、繰り返し見たければ裁判の最後付近でセーブし、再びエンディングを見なければならない。
    • 尤もこれはエピローグを見れるか見れないかで本作の結末が大きく変わることを意図した隠し要素として働いている。

過去作との差異

  • おしおきの内容がより陰惨になった。
    • これに関しては、『2』でおしおきがヌルいという意見があった事も関係していると思われる。
    • 一方で、三章のおしおきに関してはエグさとギャグが上手く両立しており、クロに関しても狂ったキャラでありながらネタ方面でも妙な魅力を感じるためか好評意見が多い。
    • また、被害者の殺され方も過去作と比べて陰惨さが増している。特に二章と五章の被害者の死に方はおしおきと同じレベルでえげつない。
  • シリーズの中でも下ネタを始めとする過激なネタが特に多い。内容もより直接的なものとなっており、レーティングがCERO:D(17歳以上対象)なのは下ネタのせいだと主張するプレイヤーも多数いる*8
    • 大抵の場合、入間美兎に原因が集中している。下ネタが強烈な個性となっているのはキャラ紹介で説明されている通りで、ライターも好みが分かれることを前提で作ったキャラであることを明言しているが、彼女の言動に辟易するプレイヤーも多かった。
      • また、口調が荒く内容も自分勝手で尊大、感謝などの描写もほぼ皆無で、ドMであるという「弱さ」はあるものの非常に高慢なキャラであるため、下ネタ以外でも彼女を好きになれなかったプレイヤーも多い。というか、キャラ視点でさえ「仲良くなってしまった」とか出る有様である。
      • それ以外にも倫理的にアウトなネタも存在する。こちらの詳細は書けないが、ある意味単純な下ネタよりハード。
    • 「愛の鍵」を所持している際に起こる夜イベントの内容もかなり過激。
      • 相手側のキャラによってブレは見られるものの、「ラブアパート」という場所で行われる事や内容からしてどう見てもアレを暗喩しており「どこのエロゲーですか?」と言いたくなる事請け合い。
      • 相手側キャラは主人公に対して「理想の相手&シチュエーション」だと認識している。ぶっちゃけ半分洗脳状態といえる。その上で最後まで行くキャラもいるので、ある意味某番長とかよりアレなことに。
      • なお、鍵の仕様上同性キャラでもイベントが起きるが、その場合は相手側は主人公を対等なライバル関係等として見ている為(邪推できなくもない描写も多少はあるが)、さすがにそっち方面のイベントではない。一人を除いて。
  • モノクマーズ
    • 前作のモノミに変わる形で登場したモノクマの子供達。可愛らしい外見とコミカルな掛け合いで新たなマスコットとして活躍する。
    • しかし無駄話がほとんどで、長いため邪魔臭く感じる人もいる。そのうえ登場するたびにカットインが入りテンポが悪い。
      • シリーズ恒例の朝と夜の館内放送を彼らが担当する場合もあるが、その際にコントを繰り広げることもあり、こちらもテンポの悪化につながっている。
    • これは彼らがシナリオが完成した後に従来のマスコット枠が欲しいという理由で追加されたためである。担当声優の山寺宏一氏の一人五役の演じ分けは高く評価されている分(モノダムのロボ声やモノファニーの女性声も加工無しで演じている)、「せっかくのベテランの演技がもったいない」と感じる人も。
      • セリフを飛ばしがちになる点はスタッフ側も想定済みのようで、ある場面では彼らが「ここのセリフをカットしてるかも」というメタい自虐ネタを展開している。
    • ただし、ある章においては証拠を提供してくれる重要な役割を果たしてくれるので、一概に迷惑な存在として描かれているわけではない。
  • 評価の分かれやすい新システムや、システムの変更。
    • 議論中の新ミニゲームである「発掘イマジネーション」は、パズルとしての出来は悪くなく、人によっては議論中のアクセントとして機能するものの、一方で人によっては「議論中にパズルがやりたいわけではない」という意見も。
    • 「議論中に他人の証言を記憶し、コトダマとして発射する」コトダマ記憶システムが撤廃されている。
      • 本作の新システムである「偽証」と合わせるとパターンが膨大になってしまうため*9、やむなくの処置とも思われるが、廃止を残念がる意見も見られる。
    • 一瞬だけ調べられるものが〇で囲まれる「観察眼」から調べられるものだけが表示される「観察モード」へ変更となったが、「死体」と「血」のように調べられるものが隣り合わせになっている場合分かりづらい。
    • クライマックス推理の犯人指名の場面イラストの派手さが無くて地味という指摘がある。前作までとは違ったテイストのイラストにがっかりしたという層もいる。
      • ただ、本作のテーマである「サイコクール」に沿ったシリアスさがあり、一概に悪いとは言い難い。
  • 過去作のキャラクター描写について
    + 旧作のネタバレあり
    • 育成計画モードでは『1』『2』のキャラクターがほぼ勢揃いし、シリーズを越えたキャラクターの交流イベントも結構な数が用意されている。元来魅力的なキャラクターの多いシリーズであり、本編の時間軸とは全く異なるパラレル設定ではあるが、彼らがコロシアイに巻き込まれず平和な学園生活を送る姿には「これが見たかった」と感慨深くなったプレイヤーも少なくない。
    • だが、『2』のキャラクターである"七海千秋"に関しては、テレビアニメーション作品である『3』の要素を多く含んだ設定・性格に改変されている。
      • 一応は『2』を意識した部分も無くはない(グラフィックも『2』時代のもの)なのだが、全体的には『3』要素の方が色濃く出てしまっている。
      • 詳しくは両作のネタバレとなるので割愛するが、二人は見た目と名前こそ同一であるものの中身は名実ともにはっきり別人といえる存在であり、『2』の七海が好きだったというプレイヤーからは嘆きの声が多く聞かれた。ただし厳密には育成計画の七海は上記のように過去作の二人の設定が混ざっているため、『2』の七海だけでなく『3』の七海と比較した場合もさらに違う状態になっている。
      • また、どうせ七海を『3』準拠にするのなら他の『3』に出演したキャラクターも使いたかったという意見も。ただしこれに関しては過去ゲーム作品のグラフィック流用がほとんどである関係上、『3』がアニメ作品であるため仕方ない面もあるのだが。
    • 詳細はネタバレのため伏せるが、過去作で本当の姿を隠し変装した状態でコロシアイ学園生活を過ごしていたキャラクターは、立ち絵の流用の関係上、育成計画でも「変装したまま学園に通う」という設定になっている。
      • 本編ではコロシアイに巻き込まれる状況でなければ本来は別の姿で学園に通っていた設定であるため、パラレルとは言えど明らかに不自然な状況となってしまっており、やや強引な展開となっている。
    • 本来は同一人物であり本編では展開により姿が変わったはずの一部キャラクターが、育成計画では共に別キャラクター扱いで登場している。
      • パラレル扱いと言えど、育成計画ではそれぞれのキャラクターの物語が時系列順につながっている描写があるため、彼らが同じ時間軸に存在するのはやや不自然に見える状況となっている。ただし物語上重要なキャラクターであるため、登場したことについては喜ばれた。
      • ただし同一人物扱いのキャラクター同士が出くわすシーンは一切なく、各キャラクターのサブストーリーでは一箇所の例外を除いて基本的に片方しか登場しないよう徹底されているため*10、それぞれ分岐した物語であると考えることも可能。
      • また、同一人物扱いでありながら過去作の本編では後に立ち絵や設定が大きく変わるとあるキャラクターが居るのだが、そちらは片方の姿でしか登場していない。上記の同一人物キャラクターに比べると設定上別扱いしきれないのも頷けないことはないが、先に挙げた変装後しか登場しないキャラクターも含め、彼らの別の姿が登場しなかったことを残念がる声もある。

問題点

  • スペックの影響なのか、PSV版はPS4版と比べてムービーの画質が粗い他、バグがやや多く劣化気味。
    • 現在は修正パッチで改善済だが、初期には音声の大幅劣化やエラーによる強制終了などがあった。
+ PSV版 修正前の不具合
  • 特に体験版と最初期バージョンは音声の劣化が激しく、こもったような音質となっていた。
  • マップ画面を開くと高確率でエラーにより強制終了する(=マップ画面を利用した移動のショートカットが使えない上、自由時間に他のキャラクターがどこに居るのか確認できない)という地味に面倒なバグも発生していた。
  • 「新章突入」と銘打ちながらも過去作のネタバレが多い。
    • 本作は「世界観一新」とされているものの、本編ストーリーにおいては過去のダンガンロンパシリーズについての重大なネタバレ要素が容赦なく混ざっている。
      • 終盤への伏線になっているのだが、やりようによってはネタバレをしなくとも伏線を張ることはできたはずである。
    • シリーズオールスターである才能育成計画の人選も、ナンバリング作品から生徒たち47人とモノクマ・モノミ・ウサミの3人、そして過去作においてネタバレに触れるキャラクター3人が登場している。
      • キャラゲーとしては出ても当然とは言えるチョイスではあるため、シリーズファンからは評価が高い一方で、安易な公式ネタバレともなってしまっており、新規プレイヤーに対する配慮が欠けている。
      • もっとも、過去作は発売から数年経った作品である事や、直前のメディア展開であるアニメ『3』にも既にネタバレ要素やキャラが登場していた事等々の事項はある。
    • また、RPGモードにおいて製作できる武器の中に、ナンバリング作品において凶器となった物が存在する。説明文もクロのセリフであり、ニヤリとするファンもいるが、重大なネタバレ要素でもあることは言うまでもない。
    • 過去作のネタバレに関しては『2』や『絶対絶望少女』でも存在したが、これらは『1』と世界観を同一とする直接の続編であるため、仕方ないという声が多かった。しかし本作は過去作から世界観を一新し、新規プレイヤーでも楽しめるという触れ込みであったため、批判の度合いが強い。
      • 上記の事柄から、本作は実際には『1』『2』を既にクリア済みの(もしくはネタバレされても構わない)プレイヤー向けであることが前提のような内容となっている。
+ だんがん紅鮭団モードについて。第一章の展開ネタバレ含む
  • 前述通り、過去作でのスクールモード・アイランドモードにあたる「だんがん紅鮭団」モードは楓を主人公にしてプレイすることはできず、特に批判が根強い。
    • 発売前に楓視点でプレイしているスクリーンショットが公開されていたことから、初の女の子視点で他キャラと交友を深めるモードに惹かれて買った層も当然おり、プレイモードを丸々偽装するのは奇をてらうにしても一線を越えているのではないか、という声もそれなりに聞かれた。
    • これについては後に、当初は最原と赤松を選択して遊べるようにしたかったが、スケジュールなどが厳しくて赤松版が実現できず見送られたということが公式設定資料集で明かされている。
      つまり発売前の画面は単にフェイクという訳ではなく開発中に未実装となってしまったモードの残骸だったとも考えられるが、製品版と比較して嘘になってしまっていることには変わりない。
      • DLCなどで赤松版の復活実装を望む声も一部で存在するが、発売から大分時間が経っていることもあり絶望的であると思われる。
    • 結果的に赤松視点で仲間の親密度を上げるには1章を繰り返すしかなく、手間がかかってしまう。
  • 一部ストーリーで死亡キャラが誰になるのかが解り易い。
    • 過去作にも似たような問題点はあったのだが、特にある章ではストーリー展開や状況などから誰が被害者とクロになるのかが容易に想像が付いてしまう。
    • また、今回は「研究施設」という、各キャラクターのために用意された部屋が出てくる。研究施設が登場すると自ずとそのキャラがピックアップされ始めるため、退場者のメタ的な予測が立て易くなる(必ずしも研究施設が出た人物がすぐに退場する訳ではないが)。
  • いまいち活きていないor不評な新システム
    • 前作の「ロジカルダイブ」にあたる「ブレインドライブ」は不評だったアクション性が無くなったものの、操作が非常に単調でつまらないものになってしまった。冗長さはむしろ悪化しており「ロジカルダイブ」の方が面白さはあったという意見が多い。
      • 文字キューブを拾って問題文を1文字ずつ埋める必要があるので、問題文が長いと面倒な状態になりがち。
    • 前作の「PTA」にあたる音ゲー、「理論武装」は音楽とボタン入力のリズムが全く合っていない。音ゲーとして致命的な問題点であるのは言うまでもない。
      • そのため目押しでやったほうが簡単なのだが、相手は視覚的に妨害してくるため目押しも難しい。クリアが困難と言うほどでもないが、少なくともプレイする楽しさは感じづらい。
      • CRITICAL判定が厳しく、効率的にダメージを与えにくい。また、連打直後にノーツが来る場合があり、ミスになりやすい。
      • HOLDと連打に関する解説も無く初見殺しとなっている。
      • また理論武装と言う割に前二作同様に感情論で武装してくるキャラが多い為、やや名前負けしている。
    • 「ウソダマ」による「裏ルート」は会話が変わるだけでストーリーそのものが変わるわけではなく、肩透かしとの意見が多い*11
      • RPGなどでもよく見かける「選択肢が複数あるが結局どっちを選んでも直後の会話が変わるだけで結果は同じ」と言う『無意味な選択肢』と同等のものでしかない。
    • 誰かとの会話中に右スティックを入力すると「Reaction Voice」というメーターが出て、「好意」「敵意」「肯定」「否定」の4つの指標のあるグラフに〇ボタンを押すと今のグラフの位置に応じたあいづちをボイスつきで返せる。つまり、会話中のいかなる場面でも自分の態度を表明できる。
      • が、これで自分の態度を表明したところで特に何も起こらず、相手からの対応が変化するわけでもない。イベントなども特にないため、現状存在意義がまったく分からない。
      • また、BGMやパートボイスよりもこのボイスが一回り大きく設定されているために、他の会話から浮いてしまっている。
    • 「議論スクラム」そのものは先述したとおり好評なのだが、この最後に要求されるボタン連打は議論とほぼ関係無いため、連打は要らなかったのではという意見も時折見られる。
      • 始まる前に毎回長ったらしい演出を見せられるのでダレやすくなる。
    • 調べられるものが隠れている場合があり、この場合はギミックショットで吹き飛ばさないと「観察モード」で調べるものが表示されない。第1章の時点でこれが必須な場面が出て来るので、気づかないとなかなか目的のものが見つけられない。プレゼントを得るためのモノクマメダルもこの時点ではギミックショットで机などを吹き飛ばすことでしか入手できないので、初見ではモノクマメダルを入手する方法に気づきにくい。
    • 最終章はアクション要素が無駄に強くなっており、悪い意味での集大成になっている。
      • 「パニック議論」は全ての『ウィークポイント』に向けてコトダマを発射しなければならず、1度でも不発するとやり直しになる。予め対策用のスキルを備えていないと突破するのが難しい初見殺しになっている。
      • 「理論武装」もそれまでの4倍近くの長さを誇るので、かなりダレやすい。
  • カジノのゲームバランスが練られていない
    • お宝発見!モノリス
      • 宝の位置が一切分からない状態から掘り出すため、運が悪いと数手で宝を掘り出せないことが確定してしまう。
      • 裁判中の「イマジネーション」と違い、強引にマスを開ける手段がないため運に依存する要素が大きい。
      • セオリーと先読みも必須であり、知識と運の両方が必要となる。
      • パッチにより目標スコアが引き下げられたが、根本的なルールは改善されていない。
      • リトライがないため、序盤でミスをすると10分近く待つか、消化試合として適当に全てを掘る必要がある。
  • OUTLAW RUN
    • 触れると加速する「モノキッド」と高スコアが取得できる「モノダム」が高スコアを狙うには重要。
    • ところが配置がランダムのため、触れられない位置にいるとそのゲームでのスコアが下ってしまう。
    • 車や人の位置は固定のため、コースを覚えることも必須であり、やはり知識と運の両方が必要となる。
    • リトライがないため、序盤でミスをすると2分近く待つ必要がある。
  • これらでSランクを取るトロフィーが存在するため、苦戦するプレイヤーが後を絶たない。
  • 「SAKE NO TUKAMIDORI」はセオリーを覚えれば、安定してSランクを取得可能。
    • 「スロット」は期待値が高いため、△ボタンを連打するだけで稼げる。
    • コインの稼ぎはこの2つが安定するため、「モノリス」「OUTLAW RUN」はトロフィー目的以外でプレイする人は少ない。
  • カーソル位置の細かい調節が困難
    • カーソルの滑りが良すぎて星竜馬など体の小さいキャラに話しかけたいときや隠れモノクマを取りたいときに難儀する。中庭や廊下では輪をかけて難しくなる。
  • Steam版でマウス/キーボード使用時の問題点
    • Steam版は初代、2と異なり、クリックやキーを押しても操作を受け付けない・キー操作が二重に反応することが多い。正しい選択肢を選ぼうとしてもなかなか反応がせず、もう1回押したために目的の選択肢を通り越してしまう、などといった不具合が頻発する。時間制限のある学級裁判においてもコトダマの不発などが起きやすく、イライラを募らせること必至である。
    • 加えてゲームパッドでの操作かマウスとキーボードでも操作かを選択できず、操作方法もゲームパッド上での解説しか載っていない。特定のボタンを連打する議論スクラムやリズムゲーかつ4つの選択肢を順番に選ぶ理論武装においては地獄を見る羽目になる。逐一ゲームパッド上のボタンを見て、それに対応するキーを脳内変換して押さなければならない。クライマックス推理においても、まずどのキーがページをめくる役割を果たすかも分からず戸惑うことは避けられない。
      • config.txtファイルを編集する*12ことでPC版の操作方法を表示できるので変更推奨。
    • 更に、どういう訳か過去作と操作方法が異なる場面も多いので、過去作もSteamでプレイしたユーザーであっても操作に馴染みにくい。代表的なのがノンストップ議論で「クリックによるコトダマ発射とサイレンサーの機能が従来と逆になっている」点であろう。
      • また、議論の早送りがEscキーになっており、間違えて半角/全角キーを押してしまうとウィンドウモードに切り替わってしまう。
      • いずれの場合においてもゲームパッド上で操作すれば上記の問題に見舞われることはないので、Steam版を快適にプレイするならばゲームパッドは必需品であると言える。
    • その他、開始時になぜかゲーム画面が右側にズレている場合がある、ゲームを開始しても画面が開かれない等の不具合も起きやすい。
  • Switch版の問題点
    • 全体的に処理が重く、ロード時間が長い。
    • メニュー画面を開くたびにローディングが挟まり、1~2秒ほど時間を取られる。マップ移動を頻繁に行うような展開の時は、特にモタつきやすい。
    • エフェクト過多な場面で会話が挟まると音声に音割れが発生することがある
    • 特に6章終盤の畳み掛けの部分で顕著。画面のカクつき、音割れが高確率で起こる。

総評

推理要素など内容面は正統進化し、やり込み面も非常に充実。他の作品では中々味わえない刺激的な体験を味わえるダンガンロンパらしい要素は一通り揃っている。

しかし、シリーズで多く見られたアクの強さも大きくパワーアップして悪趣味さが増し、またプレイヤーの予想を裏切らんとする趣向の極致とも言えるストーリー展開を見せた結果、シリーズ未プレイが手を出しにくいどころか、シリーズファンですらも大きく人を選ぶようになるという、決して万人には薦められない作品になってしまった。

シナリオそのものの完成度は十分高く、良くも悪くも物語の結末をどう受け取るかで最終的な評価が変わると言えよう。


余談

  • 発売1ヶ月前の2016年12月20日に体験版が配信されている。ストーリーは本編とは異なるオリジナルで、舞台となる校舎も似て非なるマップになっている。
    • 体験版ならではの要素として、過去作から苗木と日向、葉隠がゲスト出演しており、ストーリーに関わる。体験版クリアデータを製品版に引き継ぐと特典をゲットできる。
      • 本編とはストーリー的に全く関わらないが、初代の体験版のパロディ的な要素がある(体験版のため裁判が途中で打ち切りになるのも同様)他、本編クリア後にプレイすると一部の描写に伏線とも取れるものがあったりする。
    • また、誰もが触れられる体験版でありながらも過去作の重大なネタバレに触れている部分もあるため、過去作未プレイの場合はまずそちらをプレイすることを推奨。
    • なお、シナリオを執筆したのは本編のライターとは別。転子の性格にそれが良く現れているのが分かる(体験版の転子は男子に非常に厳しいが、実際の彼女は意外と融通が利く)。
  • 後に発売されたSteam版は海外PS4/PSV版との同時発売であり、タイトルも海外版の『Danganronpa V3: Killing Harmony』となっている。
    • 新たに英語音声と、英語・フランス語・中国語字幕が搭載されている。
    • 発売一ヶ月前にこちらも体験版が配信された。初代の体験版とは違いこちらも英語等に対応となっている。
  • 2018年7月5日にダンガンロンパシリーズスタッフが手掛けた新作RPG『ザンキゼロ』が発売された。
    • 本作の終盤の展開が大きく議論を呼んだ事もあってか「ダンガンロンパと繋がりがあるんじゃないのか?」と疑心暗鬼に陥ったユーザーが散見されている。
    • また、本作のとある場面にて『ザンキゼロ』のキャラクターの衣装が登場している。
  • 本作の発売ののち、2017年~2018年の間に主要スタッフがスパイク・チュンソフトを退社し、新会社である「Too Kyo Games」を旗揚げしている。
    • 喧嘩別れではないこと、『ダンガンロンパ』のブランド自体はスパイク・チュンソフトに残留することが述べられており、実際にその後イベントや移植作品の発売等も行われている。
    • ただ、その後本シリーズの新作等については一切音沙汰がなく、Too Kyo Gamesの活動予定にも全くないことから、事実上のシリーズ休止となったとの見方が強い。
  • 同社作品で担当する新作『超探偵事件簿 レインコード』のインタビューで小高和剛氏は「いつになるかわからないですが続きを作るかもしれないし、そうじゃないかもしれないし…。そもそも僕じゃないクリエイターが手掛ける『ダンガンロンパ』があっても良いと思っています。」の答えで現在は製作の予定も立てていない、または今後のシリーズに関与しない可能性がある姿勢を見せている事からシリーズ休止が確定的となった。
    • もしインタビューが事実の場合、小高和剛氏が手掛けるダンガンロンパはV3で最後となり、新世代のダンガンロンパシリーズが制作される可能性がある。
  • 2019年9月28日にはNHN PlayArtとドワンゴが共同開発したゲームアプリ「#コンパス【戦闘摂理解析システム】」でモノクマが参戦。しかし出典はネタバレ防止の配慮で本作に触れないよう極力避けるためなのか緩和されている『1・2 Reload』からの参戦となった。ただし声優はTARAKO氏本人なため若干本作の成分が含まれている。もちろんCVについては既存作からの流用ではなく新録されたものを使用している。
  • 2021年11月4日に今作を含む『初代』『2』の過去作本編と今作のミニゲームをリニューアルして収録した『ダンガンロンパ トリロジーパック+ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿』がNintendo Switchで移植された。
    • さらに全てのナンバリングタイトルの個別販売も行われたが、こちらはDL専売となっている。
    • なお、上述の『V3』の体験版については残念ながらSwitch版は配信されていない。
  • 2022年9月15日にXbox One/Microsoft Storeにて配信開始。Xbox Game Pass対応となっている。
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最終更新:2024年03月03日 09:57

*1 シリーズのマスコットキャラクターであるモノクマは続投している。

*2 例を挙げるとすれば「超高校級の幸運」である苗木と狛枝は幸運パラメーターの伸びが抜群に良い。

*3 その他のバグの発生に気を付けつつ特定タイミングまでストーリーを進める必要がある為、実際にはそれなりに手間がかかるが。

*4 舞台では江ノ島盾子役を担当。

*5 不二咲千尋役を担当(Wキャスト)。

*6 詳細は省くがアニメである『3』も『V3』とは別ベクトルで賛否が激しく割れている作品であり、更に当時ロンパスタッフのTwitter等での言動(特に脚本担当である小高氏)が問題視されている時期でもあったため猶更ユーザーからの反感を強く買ってしまった。

*7 例えばラスボスの語る「真実」には、矛盾があったりその根拠に絶対性が欠けていたり、など。実際にあるキャラクターがその矛盾のひとつに気づいて疑問を呈しているため意図的に用意されたものだと考えられる。気づかなかったプレイヤーは探してみるのも一興。

*8 レーティングだけで言えば、『1』もCERO:Dだったのだが。

*9 操作も両方とも△ボタン長押し。

*10 とあるキャラクターのみ同一人物扱いのキャラクターがどちらも登場する展開があるが、それぞれ別のシーンであるため同時に登場する訳ではない。

*11 初報では裏ルートに行くことで学級裁判をショートカットできるシステムだったのだが、やはり難しかったのか製品版では搭載されなかった。

*12 pad_help_type = padをpad_help_type = keyboardに書き換える。