ルートダブル -Before Crime * After Days-

【るーとだぶる びふぉあくらいむ あふたーでいず】

ジャンル SFサスペンスADV
対応機種 Xbox360
Windows XP/Vista/7
発売元 イエティ
開発元 レジスタ
発売日 【360】2012年6月14日
【Win】2012年9月28日
定価 【360】通常版:6,800円/初回限定版:8,800円
【Win】8,800円(全て税別)
廉価版 【Win】イエティベスト:2015年4月30日/3,500円(税別)
判定 良作
ポイント infinityを継ぐADV
感情移入に関連したシステムとシナリオ
ADV史上最悪の舞台
レジスタオリジナルアドベンチャー
I/O / Myself;Yourself / ルートダブル

ルートダブル -Before Crime * After Days- Xtend edition

【るーとだぶる びふぉあくらいむ あふたーでいず えくすてんどえでぃしょん】

ジャンル SFサスペンスADV
対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ*1
Windows(Steam)*2
発売元 イエティ
開発元 レジスタ
発売日 【PS3】2013年10月24日
【PSV】2014年7月24日
【Steam】2016年4月28日
定価 【PS3】通常版:6,800円/初回限定版:8,800円
【PSV】4,800円
【Steam】3,480円(全て税別)
判定 良作
ポイント 新ルートへの拡張
終盤のシナリオを一部分割


誰かのために全てを壊すのか。
全てのために誰かを殺すのか。




概要

Myself;Yourself』以来となるイエティのオリジナル作品第2弾。レジスタのオリジナル作品としては『I/O』を含めて3作目に当たる。
監督・原案はinfinityシリーズで有名な中澤工。シナリオは『ブレイブリーデフォルト』や『ファイナルファンタジー零式』のノベライズを担当した月島総記率いるチーム月島。キャラクターデザインは主にアダルトゲームで有名なイラストレーターのみけおうが担当した*3

  • 原子炉の事故によって放射能に汚染された研究所と言う「アドベンチャーゲーム史上最悪のシチュエーション」とも称される舞台にて、2人の主人公の視点を通して事故の顛末とそこで繰り広げられる人間ドラマを描く。
    • 2人の主人公と言う点は中澤監督が過去に手掛けた『Remember11』や『Myself;Yourself』を継承しているが、それを更に深化させたものである。
    • シナリオはそれぞれの主人公毎に分けられており、レスキュー隊員である笠鷺渡瀬を主人公とした「√After」(以下、√A)、高校生の天川夏彦を主人公とした「√Before」(以下、√B)が用意されている。
      • 各シナリオは同時期の出来事をそれぞれの視点から体験する(パラレルタイプ)のではなく、異なった時系列の物語を描くもの(シリアルタイプ)となっている。その名の通り、√Aは事故発生後の研究所からの脱出劇が、√Bは事故発生前の数日間のエピソードが描かれる。
  • 2010年12月に製作発表が行われたが、翌2011年3月に未曾有の被害を齎した東日本大震災と、それに伴う福島第一原子力発電所事故が発生。
    • その影響によるゲームソフトの発売中止や自粛が相次ぐ中、「原子炉事故」「放射能汚染」を扱う本作もまた発売中止になるのではないかと心配された。しかしスタッフの検討の結果、「被災者を貶めるものではない」と判断され、開発が再開。翌2012年6月に無事に発売された。

ストーリー

西暦2030年9月16日 午前6時19分。

「鹿鳴研究学園都市」の郊外、

湖畔にそびえ立つ、巨大な科学研究施設「ラボ」にて、

「事故」、発生……!

かくして、ラボの地下に9名の男女が閉じ込められた。

刻一刻と死が蝕んでいく世界。固く閉ざされた出口。

頻発する不可解な現象。多くの謎。

そして……閉鎖空間の中で発生した、猟奇的な大量殺人。

この超極限状態から抜け出す鍵(ルート)は2つ――

ラボの中で記憶を失ったレスキュー隊の隊長――笠鷺渡瀬。渡瀬の視点で繰り広げられる、9時間の脱出劇。

ラボに閉じ込められた高校生――天川夏彦。夏彦の視点で追想される、事故発生までの6日間の軌跡。

2人の思惑、2つの記憶が重なるとき――全ての真相が明らかになる。

果たして、9名全員が無事生還できる道は、残されているのか?

(公式サイトより引用)

+ 登場人物
  • 笠鷺渡瀬(CV:新垣樽助)
    • √Aの主人公。特別高度救助隊「SIRIUS(シリウス)」Aチーム隊長を務める消防士。ラボでの救助活動の最中に記憶喪失に見舞われ、レスキューの技術と知識も失ってしまうが、強い信念と強靭な肉体で人命救助を続けようとする。
  • 天川夏彦(CV:市来光弘)
    • √Bの主人公。高校1年生。BC(テレパシー能力)の適正度がSにもかかわらず、全く能力が使えない異端者。冷めた性格で、世の中を斜に構えて見ている。
  • 橘風見(CV:佐藤利奈)
    • 「SIRIUS」Aチーム副隊長。冷静沈着で、常に論理的思考ができる。記憶喪失の渡瀬の代理としてチームの指揮を執る。
  • 守部洵(CV:友永朱音)
    • 「SIRIUS」Aチームの隊員。明るく表裏のない性格。風見のことは子供の頃から姉のように慕っている。
  • 椿山恵那(CV:豊口めぐみ)
    • 超心理学を担当する新任教師で、夏彦のクラスの副担任。生徒からの信頼も厚いが性格がプライドが高く、他人と衝突しやすい。部外者のはずが、何故かラボに閉じ込められる。
  • 琴乃悠里(CV:名塚佳織)
    • 夏彦の幼馴染で、彼の家に居候している。外を恐れ、家から一歩も出ようとしないため、学校にも行かず仕事もしていない。にもかかわらず、何故かラボで渡瀬に助けられる。
  • 鳥羽ましろ(CV:今井麻美)
    • 夏彦の幼馴染。明るく献身的で、天川家の食事の世話は彼女の日課である。適正度Bのコミュニケーターで、自在にテレパシーが使える。
  • 三宮・ルイーズ・優衣(CV:真堂圭)
    • フランスからの転校生で、夏彦の遠縁の親戚とされる少女。頭脳、運動能力共に天才的だが、無口で冷淡な性格。
  • 宇喜多佳司(CV:大川透)
    • ラボの一般研究員。事故で逃げ遅れた際に渡瀬達と出会う。完璧主義で偏狭だが、正義感は強い。

特徴

  • ゲームを開始すると√Aか√Bのどちらをプレイするか選択する。メインのストーリーそのものは一本道だが、下記のシステム次第でサブシナリオが発生したり、途中の展開に変化が生じる事がある。
    • ヒロインに相当する女性キャラは6人で、双方のシナリオに全員登場するが、それぞれの主人公の視点でヒロインとなるキャラが違う。『Ever17』や『Myself;Yourself』を踏襲したような構成となっている。
      • 渡瀬視点の√Aでは「橘風見」「守部洵」「椿山恵那」。夏彦視点の√Bでは「琴乃悠里」「鳥羽ましろ」「三宮・ルイーズ・優衣」がそれぞれヒロインとなる。成人男性が主人公の前者では成人女性、少年が主人公の後者では少女がヒロインと位置付けられている*4
      • ヒロインとは言ってもギャルゲー的なルート分岐は無く、プレイヤーの選択次第でそのキャラの個別のエピソードが本筋に挟まる程度である。条件を満たしたキャラは全員、エンディングにて後日談が追加される。
  • 本作には一般的なADVのような選択肢は一切存在しない。その代わり、分岐に関わる要素として以下のシステムを採用している。

Senses Sympathy System(センシズ・シンパシィ・システム)

  • 誰にどれほど共感するかを入力するシステム。本作のメインキャラ9人はエニアグラムで表示されており、主人公の他者への共感度が判る。
  • 選択を迫られる場面になるとこのエニアグラムが表示され、キャラへの共感度を入力する。対象はそこで提示されるキャラのみ。
    • 例えば「Aが何かを提案した」と言う場面なら、Aへの共感度を高めると「賛成する」、逆なら「反対する」と言った感じで分岐する。
    • 他にも「共感度を高く設定したキャラと行動を共にする」、「どのキャラを優先して行動する」など、様々な場面で使用される。
  • 主人公自身も対象になり、「自信の度合い」「自分の命の優先度」など主人公自身の心理状態にも作用する。
  • また、入力時のメーターの色と演出で、その選択の重要度が判る。
    • 青はキャラの好感度に影響、黄は展開の分岐に影響、赤は主人公の生死に直結。しかしこれも絶対ではなく、場合によっては思いがけない結果を及ぼす事も。
  • 文章だけではピンと来ないかもしれないが、実際にはチュートリアルも用意されているので安心である。公式サイトでも画像付きで詳細に説明されている。

RAM System(ラム・システム)

  • 物語終盤に登場する特殊なシステム。ショートシナリオの選択画面に入り、ここからプレイしたいショートシナリオを選ぶ。ショートシナリオ終了後は選択画面に戻る。
    • ショートシナリオ内ではSenses Sympathy Systemの入力を求められる事があり、それに応じて結果が変化。条件を満たすとストーリーが進行する。
  • このシステムについて詳しく説明すると重大なネタバレになってしまう為、ここでは伏せるが、終盤はこのシステムが鍵となる。

評価点

  • 大量の謎と怒涛の伏線回収で魅せるシナリオ
    • 閉鎖空間を舞台に序盤から多数の伏線を張り、徐々に回収しつつも新たな謎を次々と提示、終盤で一気に物語を収束させると言うinfinityシリーズを彷彿させる物語構成が魅力。
    • 何故事故が起きたのか? 何故渡瀬は記憶を失ったのか? 何故夏彦の意識が過去に跳ぶのか? 研究所内に何が起きているのか? 謎が謎を呼び、登場人物の過去をも絡んで二転三転する物語は、プレイヤーを飽きさせずグイグイと引き込んでくれる。
      • そして伏線も謎もほぼ回収し切り、大団円を迎えるトゥルーエンドでは大きな満足感を得る事が出来る。『Remember11』の尻切れトンボの結末、『I/O』のプレイヤー置いてきぼりの難解さと言った問題点は綺麗に解決されている。
    • トゥルーエンド以外にもグッドエンド、他にバッドエンドやノーマルエンドも多数存在するが、そのどれもが単なる本筋から外れたオチではなく、意味のあるものになっている。
    • √Aは常に緊張感漂う絶体絶命の脱出劇。対して√Bは学生としての日常と超能力を交えた美少女ゲーム的展開と、毛色が随分と異なるが、やがてそれは綿密な繋がりを見せ、一つの物語へと収束していく。
      • 一つのルートをクリアするだけでは極めて断片的な真実しか見えない。両方をクリアする事でルートは交差し、物語は更なる展開を見せ、真実に迫る新たなルートが出現する。
    • 各ルートのラストには未だ残る多くの謎を暗示する演出が入り、続いて次にプレイすべきルートの予告編が始まる。スタイリッシュな演出とナレーションにより、期待感を高めてくれる。
  • 感情移入度の高い登場人物の描写。
    • 本作のテーマの1つ「人それぞれに価値観があり、正義がある」に基づき、登場人物1人1人に深い掘り下げと綿密な描写が行き届いている。様々な立場や思惑が同居し、絡み合い、対立し、やがて理解し合う人間模様は見所が多い。
    • メインの登場人物9人(主人公2人+ヒロイン6人+男性キャラ1人)はSenses Sympathy Systemでも用いられているエニアグラム性格論に沿ってキャラ付けがされており、個性がよく出ている。
    • そして登場人物1人1人に背負った過去、歩んできたドラマがしっかりと用意されており、終盤の伏線回収には彼らの物語も絡めて丁寧に行われる。
    • 別のテーマとして「感情移入」がある。その通りSenses Sympathy Systemもただのシステムではなく、実際に主人公と共に登場人物の感情を読み解き、理解する事で正解を導き出していくのである。
    • 主要人物はいずれも極端に不快なキャラ付けは無く、好感の持てるキャラが多い。当初は印象の悪いキャラもいるが、ストーリーを進めて内面をよく知れば見方も変わって来るだろう。
    • また本作には「本当の意味での悪役」という人物は一切存在せず、単純な勧善懲悪の物語になっていないというのも大きなポイント。一連の事件の全ての元凶とも言える者たちでさえも、彼らなりの信念や汲むべき事情という物があり、それが物語を盛り上げてくれている。
    • √Aと√Bではそれぞれの登場人物に抱く印象が全く変わると言う工夫が為されているのも特徴。その為、どちらのルートを先にプレイしたかでプレイヤーに芽生える価値観が異なったものになると言う仕掛けも施されている。
      • ただし、純粋にストーリーを楽しみたいならA→Bとアルファベット順にプレイする事が各所で推奨されている。
  • 説得力のある設定。
    • 本作の物語で主軸となるのが「Beyond Communication (BC)」と呼ばれるテレパシーである。
      • 現実からすれば「超能力」だが、本作の世界では科学的な解明が行われた「能力」として扱われ、これが物語の根幹へと密接に関わって来る。
      • この設定を組む為に監督はTwitterを使ってアイデアを募っており、その結果作り上げられたBCの設定は超現実的な能力ながら、緻密で説得力のあるものになっている。
    • BC以外もキャラ設定の他、原子炉やレスキュー隊などの現実的な設定にも抜かりはない。
    • TIPS(用語集)は詳細説明や小ネタといった、必須ではないが知ったほうが良い情報が大量に収録されている。フィクションとノンフィクションの用語が区別されており、丁寧に解説してくれる。
  • MAP機能
    • 舞台となる研究所のマップをいつでも参照できる上、現在の被害状況の確認もできる。
    • その為、研究所内では主人公の場所が常に設定されてある事になる。作中は場所移動が非常に多いが、それも全て網羅している。
    • これにより、まるで本当に発電所を探索しているかのような感覚があり、他のADVではなかなか味わえないリアリティが楽しめる。
  • 親切なシステム
    • オートプレイ、スキップ、バックログ、クイックセーブ、いつでも可能なセーブ&ロードと、KID時代から受け継がれる基本システムに加え、前述したTIPSにMAP機能も搭載という充実ぶり。
    • Senses Sympathy Systemでセーブしてくれるという嬉しい機能もついてある。
  • 豪華声優陣
    • 今井麻美(『STEINS;GATE』)、名塚佳織(『ROBOTICS;NOTES』)、佐藤利奈(『12RIVEN』)、真堂圭(『code_18』)と、意図的か偶然か、メイン女性陣のCVはいずれもinfinity(integral)シリーズや科学アドベンチャーシリーズでヒロイン級のキャラを務めている声優で固められている。勿論演技力に関しても申し分無い。
      • 特に友永朱音、豊口めぐみの両名は監督の代表作『Remember11』に出演しており、奇しくもどちらも同作では各シナリオのトラブルメーカー役だった。今回は果たして…。
    • 男性陣も新垣樽助、市来光弘、大川透と言った実力派声優が務めている。

賛否両論点

  • 膨大なボリューム
    • ボリュームが多いこと自体は良いことであるが、そのボリュームは説明が長い為でもある。『I/O』と違って世界観について丁寧な解説が行われるが、それだけに説明に割く文章も多い。
    • また、TIPSで説明されている用語を本文でも説明する、回想の多さ等はテンポの悪さを感じさせる。特に最終ルートにおける回想は、プレイヤーが見てきた場面をわざわざ登場人物側の目線で流れるので少々苦痛。
      • 回想シーンが多い関係上、同じ状況や台詞を見る事もしばしばあるが、シーンとしてはあくまで別物であるため、勿論スキップはできない。
  • キャラクターの幼少期の演技。
    • 作中では登場人物が幼少期を回想するシーンが存在し、幼少期でも現在のキャラの声優が同じく演じている。
    • 男性キャラも同様であるため、幼少期の台詞が存在する夏彦の場合でも現在のCVである市来光弘がそのまま演じており、声変わりした成人男性が無理やり子供の声を出しているようにも聞こえ、違和感を覚えるプレイヤーもいる。
      • 少年向きの声質なので気にならない人は気にならない程度。例えるなら『ドラゴンボール』のトランクスのようなイメージか。
  • 主人公について
    • 笠鷺渡瀬と天川夏彦のダブル主人公であり、どちらも重い背景を背負い、ストーリー上も非常に重要な役割を果たすのだが、最終的にはどちらかと言えば夏彦の方がメインの主人公と言った扱いとなっている。設定上、仕方ない話ではあるのだが。
    • 監督は学生と社会人の両世代が遊び易くする意図があったと語っており、確かにそれは果たせているのだが、実際はやや学生向けに寄っている訳である。
      • しかし実際のユーザーの年齢層は監督が想定したよりも社会人寄りで、渡瀬の方に感情移入するユーザーが多く、意図は若干外れた結果となった。これには監督自身、誤算だったと語っている。
    • 従って、主人公2人のストーリー上のポジションは平等とは言い難く、夏彦の方が気に入ったプレイヤーは問題無いだろうが、渡瀬の方が気に入ったプレイヤーは最終的に少々物足りなく感じるかもしれない。
      • ただし、渡瀬も主人公としての見せ場は多く、夏彦と比べて明らかに扱いが悪いと言う訳ではない。簡単に分けると、夏彦は特殊能力面で、渡瀬はフィジカル面で主に活躍する。

問題点

  • キャラの掘り下げが深く行われるのは長所でもあるのだがその分、過去のエピソードが長い上に扱う人数も多いため、終盤が冗長になっている側面も。
    • 上述した通り、プレイヤーが既に見た場面が別のキャラの回想として描かれる事もその一因に。
  • とっつきにくいシステム
    • 概ね好評のSenses Sympathy Systemだが、既存の選択肢等のシンプルなシステムに比べるとかなり独特で、とっつきにくさも否めない。
      • 監督も「アドベンチャーに不慣れな層にはハードルが高かったかもしれない」と語っている。
      • ただし、チュートリアルは用意されているし、慣れれば複雑さは感じなくなる。
    • また、全体で見ると好感度を上げる、下げるの二択でしかないものが少なくなく、システムを十分に活かせていないという意見もある。

総評

閉鎖空間にて不可解な現象が起きる…と言うinfinityを彷彿させる舞台設定に留まらず、緊張感溢れるサスペンスと謎が謎を呼ぶミステリー、張り巡らされた伏線を鮮やかに回収するストーリー構成はinfinityを見事に踏襲しており、「infinityの後継作」と呼ぶプレイヤーも少なからずいるほどである。
また、登場人物一人一人の丁寧な掘り下げと胸を打つドラマの数々、そしてその感情移入度を裏切る事の無い清々しいエンディングはプレイヤーに大きなカタルシスを与えてくれる。
発売当時に公式サイトで行われたアンケートでは回答者の95%以上が5点満点中4点以上を付け、5点は50%を超えていたということから評価の高さが判る。
流石にinfinityや科学アドベンチャーと比べると知名度では劣るのが残念な所だが、それらシリーズのファンの期待にも応えられるだけのものも持っている。重厚なADVを求める人は是非手に取って欲しい作品である。


その後の展開

  • PS3/PSV版は『Xtend Edition』のサブタイトルを冠して発売。既存シナリオの見直しと、最終シナリオにおける新規ルート(エクステンドルート)への分岐が追加されている。
    • 基本的な展開こそ変わらないが、主人公達の心情に変化が生じ、最後に辿り着く二種類のグッドエンドも異なったものが用意されている。トゥルーエンドにこそ及ばないものの、オリジナルと比べてグッドエンドと呼ぶに相応しい後味の良い結末になっている。
      • トゥルーエンドもこちらのルートからしか到達出来なくなった。
    • 通常版では最終ルートで描かれていた過去のエピソードの一部がクリア後のおまけ「Xtend Episode」として本編とは別に収録され、新規のショートシナリオも追加された。それによって本編終盤の冗長さが軽減されている。
      • だが、一方でその弊害も。
        + 重大なネタバレ有。要注意
      • √Aで重要なADを誰が奪ったのか本編で分からないままであり、知りたければクリア後に「Xtend Episode」を読み進めなくてはならなくなってしまった。
    • 初回限定版には本編の後日談となるドラマCD『After Crime』が付属。後に単体でも発売された。また、このエピソードに繋がるショートオーディオドラマ『Before Days』が公式サイトで無料配信されている。どちらも本編のネタバレ満載なのでクリア前は聴かないように注意。
  • ギャルゲー然としたビジュアルやジャンルながらも『Ever17』同様に海外でも発売された。2016年にはSteamで『Root Double -Before Crime * After Days- Xtend Edition』が配信されている。
    • ただし日本語には非対応のため注意。
    • また、海外のみでNintendo Switch版も発売されている。
  • 2017年にはAndroid・iOS版『ルートダブル -Before Crime * After Days- Smart Edition』も発売された。
    • こちらはスマホの操作性の観点からSenses Sympathy SystemとRAM Systemは廃止され、普通の選択肢が採用されている。また、ストーリーに専念させる為に分岐も最小限となっており、タイトル通りのスマートエディションである。
      • 監督によれば、こちらは手軽に遊べるルートダブル入門バージョンであり、他の分岐や別エンディングが気になったら据置版をプレイしてはいかが?と言う位置付けらしい。
  • 後にシナリオ担当の月島総記によるノベライズ版が発売。また、ガンガンONLINEにて√Aと√Bがほぼ同時進行でそれぞれコミカライズされた。
    • 小説版は最終章まで描かれているが、漫画版は√ABのみである。
  • 「マジカルデイズ -magical days- みけおう画集2」に本作のイラストが収録されている。

余談

  • 説明書・公式サイトの紹介にて、ヒロインの一人「琴乃 悠里」だけがやたら辛辣な紹介文になっている(サンプルボイスより下の欄を参照)。未プレイの人が見たら「どんな設定だよ!」とツッコミを入れたくなるかもしれない。
    • 無論、これもストーリー上の理由があっての事である。
  • 電撃オンラインでXbox 360版『ルートダブル』のインタビュー記事が掲載されている。ただし重大なネタバレが含まれているため閲覧はプレイ後を推奨する(参照)。
    • 開発環境や暗喩の解説など、周回プレイしたくなるような情報が含まれているためファンなら必見。
  • 前述の通り、被災者への配慮から発売の是非についての検討が為された訳だが、実際に発売した所、被災者から感謝の辞が届いた事もあったと言う。

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最終更新:2024年01月20日 22:43

*1 ダウンロード専売。

*2 日本語非対応。

*3 一部のサブキャラはおおたか鳴海とわだべん。が担当している。

*4 これを利用して、公式サイトで公開されている四コマ漫画では渡瀬が「カワイイ女子高生が…」、夏彦が「年上のお姉さんが…」とボヤくネタがある。

*5 開発は一作目同様、スパイク・チュンソフト。