ライズ オブ ネイション ~民族の興亡~

【らいず おぶ ねいしょん みんぞくのこうぼう】

ジャンル リアルタイムストラテジー
対応機種 Windows
発売元 マイクロソフト
開発元 Big Huge Games
発売日 通常版:2003年5月20日/
日本発売:2003年7月11日/9,800円
RoNEE:2014年6月/1,980円
備考 Extended Editionは日本語非対応
判定 良作


概要

リアルタイムで進行する(非ターン制)歴史シミュレーションゲーム。
文明の黎明期から近未来までの6000年の人類史がテーマ。
軍事や経済を発展させ、最終的に敵対する文明の首都を陥落させると勝利。
通常の対戦モードの他、世界征服キャンペーンがあり三國志シリーズのように世界を征服していく。

2004年6月11日には拡張パック『皇帝と革命軍』、2004年12月3日には拡張パックと本編がセットになった『ゴールドエディション』が発売された。
2014年6月にビジュアルが改善されオンライン対戦が実装された『Rise of Nations Extended Edition』がオンライン限定で発売された。

特徴

文明

  • プレイヤーは24ある文明の中から1つ選び対戦する。
    • 日本だと畑から食料がたくさん採集できる、ペルシャやインドは象兵が使える等文明は個々に異なる特性を持つ。
+ 文明一覧

初期から使える文明

  • アステカ
  • イギリス
  • インカ
  • エジプト
  • ギリシャ
  • スペイン
  • ドイツ
  • トルコ
  • ヌビア
  • バンツー
  • フランス
  • マヤ
  • モンゴル
  • ローマ
  • ロシア
  • 中国
  • 日本
  • 朝鮮

拡張パックで追加された文明

  • アメリカ
  • インド
  • イロコイ
  • オランダ
  • ペルシャ
  • ラコタ

マップ

  • マップにはサハラのように森林が少なく海が無い、東インド諸島のように周囲が海に囲まれている、と様々なロケーションが存在する。
  • 東インド諸島では陸地で戦う戦闘ユニットは海だと攻撃力が無い輸送船になり、船舶や戦艦に一方的に倒されてしまうので、こちらも船舶や戦艦を出して戦う海戦が必然的に行われる。
  • 逆にサハラだと海が無く船舶や戦艦が使えない為、陸戦が主流になる、とマップによって戦法もガラリと変わる。

探索

  • 初期設定でのマップは都市の周囲以外は真っ暗で何も見えない。
  • 見えない場所はユニットを動かす事で見えるようにできる。
  • マップには廃墟が存在しており廃墟にユニットが触れれば資源のボーナスを得られる。廃墟は有限なので序盤は探索兵等で廃墟を集めまわる事になる。

内政

  • 首都と図書館、伐採所、畑と市民、探索兵が与えられた状態から開始。
  • プレイヤーは食料や木材等と言った資源を消費して市民や畑、伐採所等の施設を増やして資源を集めていく。
  • 資源を集めると図書館で研究する事ができる。軍事、治政、経済、科学の4種類を研究する事ができる。
    • 軍事はユニット数(人口)上限増加や軍事ユニットの強化ができるようになる、治政は建設可能な都市の増加、経済は資源の採集量上限の増加、科学は研究のコストを減らし研究スピードを速める。
  • 木材や金属を集めるには森林の近くに伐採所、山の近くに採鉱所を国境内に設置する必要がある。国境外にある森林や山からは資源を回収できない。
    • 治政の研究を進めれば新たに都市を建設して国境を広げる事が可能。ただし都市を建てられるのは原則として自分の国境内のみ。
    • 他の文明の国境とは重ならない。国境同士がぶつかると広がりが小さくなるが相手の国境を狭める事ができる。
    • 複数の島になっているマップの場合、新たな島に都市を建設するには国境は必要ないが港と経済の研究が必要。
  • 一定数研究が終わると時代を進める事ができる。時代が進むと金属や知識、石油などの資源を集められるようになったり、強力な軍事ユニットを使えるようになる。
    • 時代は太古、古代、中世、ルネサンス、啓蒙時代、産業革命時代、近代、現代と流れる。どんなに研究をしても太古から中世のように一気には進められず、1段階ずつしか進められない。

軍事

  • 敵対する文明には戦闘を仕掛ける事ができる。市民や伐採所を倒して内政を妨害したり敵の都市を攻撃して陥落させ占領する事ができ、占領した都市は時間経過で併合されて占領した者の都市になる。
    • 都市内にある畑や伐採所等の施設は占領した者の物になるが、兵舎や厩舎等の戦闘用ユニットを生産できる建物は併合されず占領された者のままになる。
  • 兵舎や厩舎、武器工場を建設すると戦闘用ユニットを生産できる。
  • 防衛側は歩兵で迎撃する他、やぐらや砦と言った防御用の建物で都市を守る事ができる。特に砦は耐久力が高く周囲に国境を展開するので防衛の要になる。
    • ちなみにやぐらや砦は敵対する文明の都市や施設に自動で攻撃を仕掛けるので攻撃の手段にも有効。
      • やぐらや砦に市民や歩兵を駐屯させるとやぐらや砦の攻撃力が増す。相手より劣勢な時は戦闘ユニットをやぐらや砦に入れると吉。
+ 戦闘ユニット一覧

兵舎で作成可能なユニット

  • 軽歩兵(投石兵、投槍兵、精鋭投槍兵、火縄銃兵、マスケット銃兵、ライフル銃兵、歩兵、突撃歩兵)
    • 射手に強いユニットで基本的な資源である食料と木材で生産。精鋭投槍兵までは重歩兵に弱いので微妙だが火縄銃兵以降は重歩兵に強くなる。
  • 重歩兵(装甲歩兵、ファランクス、槍兵、精鋭槍兵、フュージリア銃兵、対戦車ライフル、バズーカ砲、対戦車ミサイル)
    • 食料と金属で生産。射手以外に強く中世辺りまでは都市を陥落させるのも得意。産業革命時代以降は対戦車ユニットになる。
  • 射手(弓兵、射手、石弓兵or重装射手)
    • 木材と財貨で生産。中世までの主力である重歩兵に強い。啓蒙時代以降は軽歩兵と統合される。
  • 探索兵(探索兵、コマンド隊、特殊部隊、精鋭特殊部隊)
    • 木材と財貨で生産。視界が広く敵対文明の国境に入っても消耗ダメージを受けないので探索に向く。中世で一度強化が可能。産業革命時代以降は狙撃で敵ユニットを倒したりとできる事が増える。
  • 機関銃(機関銃、重機関銃、機関砲)
    • 金属と財貨で生産。産業革命時代以降に生産可能。敵の歩兵部隊を壊滅させる攻撃力を持つ。
  • 火炎放射兵
    • 食料と金属で生産。建物に駐屯している市民や学者等の全てのユニットを建物外に退去させる事ができる。

厩舎/車両工場で作成可能なユニット

  • 軽騎兵(軽装乗馬兵、軽騎兵、精鋭軽騎兵、ハザーエ、装甲車、装甲偵察車、新鋭装甲車)
    • 食料と木材で生産。重歩兵と重騎兵以外に強い。素早いので長射程騎兵を倒すのにも向いている。産業革命時代以降は食料と石油で生産できる装甲車になる。
  • 重騎兵(鎖鎧兵、騎士、重騎士、胸甲騎兵、軽戦車、戦車、主力戦車)
    • 食料と金属で生産。重歩兵以外に強い。産業革命時代以降は金属と石油で生産できる戦車になる。
  • 長射程騎兵(弓騎兵、精鋭弓騎兵、竜騎兵、銃騎兵)
    • 木材と財貨で生産。重歩兵と重騎兵に強い。機動力と射程を兼ね備えるので敵の都市を荒らすのに向いている。産業革命時代以降は装甲車になる。
  • 象兵(象兵、精鋭象兵、騎象銃兵、カルバリン騎象銃兵)
    • 食料と財貨で生産。ペルシャおよびインド独自のユニットで重歩兵に強い重騎兵と言う立ち位置。高コストで遅いが密集した歩兵部隊に範囲攻撃を仕掛けられる。産業革命時代以降は戦車になる。

武器工場で作成可能なユニット

  • 火砲(投石器、強化型投石器、射石砲、大砲、榴弾砲、自走榴弾砲、ロケット弾発射システム)
    • 木材と金属で生産。建物と艦船に対して強いが攻撃開始までに時間がかかり機動力も低い。近代以降は金属と石油で生産するようになる。製鉄所の研究でアップグレードされる。
  • 補給車
    • 中世以降で食料と木材で生産できる。敵の国境内に入ると消耗ダメージを受けるのだが、補給車は周囲にいるユニットを消耗ダメージから守る事ができる。
  • 対空兵器(自走対空機関砲、自走高射砲、自走対空ミサイル)
    • 産業革命時代以降食料と財貨で生産。対空攻撃が可能。

港/造船所で作成可能なユニット

  • 大型船舶(三段オール ガレー船、ガレー船、武装商船、フリゲート、戦列艦、ドレッドノート級戦艦、超弩級戦艦、最新鋭戦艦)
    • 三段オール ガレー船は木材、戦列艦までは木材と金属、戦艦は金属と石油で生産。小型船舶に強く焼討船に弱い。戦闘性能が高く戦艦になると建物にも強くなれる。
      • 小型船舶と混ぜて使うと良い。
  • 小型船舶(バーク船、荷物船、小型帆船、コルベット艦、スループ型帆船、駆逐艦、巡洋艦、ミサイル巡洋艦)
    • 駆逐艦までは食料と木材、駆逐艦以降は金属と石油で生産。焼討船(産業革命以降は潜水艦)に強く大型船舶に弱い。また、機動力が高く輸送船を倒すのに向くが大型船舶よりも戦闘性能は低い。ミサイル巡洋艦で対空攻撃が可能になる。
      • 小型船舶と焼討船を大量に生産し続けるとあっという間に制海権が取れる。
  • 焼討船(焼討いかだ、大型焼討いかだ、焼討船、大型焼討船、潜水艦、攻撃型潜水艦)
    • 潜水艦までは木材と財貨、潜水艦以降は財貨と石油で生産。大型船舶に強く小型船舶に弱い。焼討船は自爆と引き換えに船舶に対して大ダメージを与える。潜水艦は自爆せずに攻撃ができるようになり、発見されにくい。
  • 砲撃船(臼砲艦、ボムケッチ)
    • ルネサンスから啓蒙時代で使用可能。木材と金属で生産。攻撃間隔が長く船舶に対しては強くないが建物に対して強い。産業革命時代で戦艦になる。
  • 航空母艦
    • 財貨と石油で生産。搭載された戦闘爆撃機で遠距離に攻撃できる。
      • 海上ならどこからでも攻撃できるというのは利点だが、制海権を握られていたり、敵の対空防衛が万全だと効果を発揮できない。敵の艦隊や潜水艦に沈められないように、巡洋艦や潜水艦などで手厚く保護する必要がある。

航空基地で作成可能なユニット

  • 戦闘機(複葉機、戦闘機、ジェット戦闘機、高性能戦闘機)
    • 産業革命時代以降から財貨と石油で生産。地形を無視しての移動が可能で敵機(戦闘機、爆撃機、ヘリコプター)や地上部隊(特に火砲ユニット)、戦艦に強い。燃料の概念があり燃料が切れると自動的に航空基地へ帰還し燃料を補給する。
  • 爆撃機(爆撃機、戦略爆撃機、ステルス爆撃機)
    • 近代以降から財貨と石油で生産。敵の建物を破壊できるが戦闘機には無力。戦闘機と同じく燃料の概念がある。ステルス爆撃機になると地上から迎撃されなくなる。
  • ヘリコプター(ヘリコプター、攻撃型ヘリコプター)
    • 近代以降から財貨と石油で生産。燃料の概念が無く空中から地上を攻撃できる。戦車や潜水艦に強い。歩兵や装甲車にも互角に戦える。対空兵器や対空陣地、小型船舶に非常に弱い。

ミサイル基地で作成可能なユニット

  • 通常弾頭ミサイル(V2 ロケット、巡航ミサイル)
    • 知識と石油で生産。遠距離から建物を攻撃できる。威力は今一つ。
  • 核弾頭ミサイル(核弾頭ミサイル、ICBM)
    • 知識と石油で生産。凄まじい威力を誇る。使用すると経済制裁を受けて市場が使えなくなる。アルマゲドンクロックのカウントが1減り、0になると世界が滅亡しゲームが終わる。図書館の軍事テクノロジー研究の最後。ミサイル防衛システムで阻止できる。

評価点

  • 文明ごとに固有のグラフィクスで描かれる。
    • 日本を例にすると昔の時代の市民は和服を着ており建物は木造。固有の戦闘ユニットは足軽や武士で汎用のユニットも笠をしていたりスパイはくノ一だったりと特徴は掴んでいる。
    • 時代が進めばユニットや建物の見た目も時代相応に変化する。
  • ルールを細かく設定できる。
    • 1度に8つの文明まで対戦に出す事ができ、1vs1は勿論2vs2や4vs4、2vs2vs2等のチーム戦、1vs1vs2のような変則的なチーム戦もできる。
    • マップの広さも変える事ができ、マップを全部探索済みにする事も可能。
    • 資源を無限にして全ての文明の操作をプレイヤーにする事もできるので検証もしやすい。
    • CPU同士で戦わせて観察する事もできる。最強レベルに設定したCPUは手強いので動きの面でも参考になる。
  • 戦法の幅が広い
    • 経済面に注力して時代を進めれば強いユニットを素早く作れるようになる。逆に軍事に注力して時代を進められる前に都市を占領して出鼻を挫く事もできる。
    • エジプトなら畑を沢山作れてさらに財貨のボーナスを得られる、ローマなら新たな兵舎を建設する度に重歩兵が無償で貰えるといったように文明によっても得意不得意に差がある。
    • 探索兵でなくとも探索は可能、市民を探索させれば新たな都市を建てる時にすぐに対応でき、長射程騎兵を使えば敵に対して妨害ができる。
    • ユニットも自由に動かす事が可能で、複数の小隊に分けて挟み撃ちにする、長射程騎兵を素早く動かしてやぐらからの攻撃を避けつつ妨害するといったプレイングも可能。
    • 同じマップでもオブジェクトの配置や地形などは試合ごとに異なるのでアドリブ性もある。
  • 国境による駆け引きが熱い。
    • 敵の国境を都市や砦で押し返す事で山や森林を自分の領土にすれば敵はそこから資源を集める事ができなくなる。
    • 敵対文明の国境に入ると消耗ダメージを受ける。敵の国境近くに設置すれば敵の国境を狭められるが都市を陥落されやすく、遠くに設置すれば消耗ダメージで敵を撃破しやすくなるが国境を押し返しにくい。
    • 離島が存在するマップでは敵の近くの島に都市を建てれば攻撃の拠点や発展の妨害に繋げられる。
    • 国境は可視化されるので探索を済ましていれば優劣の判断がしやすい。

問題点

  • 操作が忙しくハードルが高い。
    • 畑や伐採所を建設しての資源集め、市民の生産と仕事の割り当て、図書館や神殿等での研究、マップの探索と太古の時代だけでもやる事は多い。
    • 時代が進むと金属や知識などの新たな資源の回収や戦闘といったように時代が進むほどにやる事が増えていく。
  • アメリカが抜きんでて強い。
    • 大抵の文明は軍事ユニットを生産すると内政に回せる資源が少なくなるトレードオフの関係にある。
    • アメリカは文明特性により地上の軍事ユニットの数だけ得られる資源が増えるので軍事と内政を両立させられる。
      • さらに偉大な建造物を1つだけ瞬時に建てられるので兵馬俑*1と組み合わせると内政と軍事の両面をより強固な物に出来る。
  • BGMは常に流れている訳でなく時代が進むとBGMが消える。
    • 時間がたつとBGMが流れ出すので、読み込みが追いついていないものと思われる。
  • CPUの問題
    • 陸のマップで戦う分には問題ないが、オーストラリア大陸等の陸地の多い海のあるマップでは船舶を生産しないので、船舶に対して無防備になるので弱い。
    • 逆に東インド諸島のように陸地で繋がっていないと積極的に陸の戦闘ユニットを送り込まないので、CPU同士で戦わせると時間がかかる。
    • 稀に対岸に港を建設しようとする、国境が広がらない場所に都市を建設する等の問題行動を起こす事がある。
    • 核兵器を開発できるようになるとCPUは容赦なく核兵器を連発する。核兵器は撃ちすぎると世界が滅亡し試合はドローになり後味の悪い結果になってしまう。
  • 海戦のゲームバランスが悪い。
    • 陸から船舶を倒すのは難しく、歩兵や乗馬兵では攻撃力や射程が足りておらず、大砲は攻撃速度が遅いので逃げられる所か返り討ちされる。
    • 船舶は射程の関係上、内陸にある建物やユニットには手出しができない。しかし初期配置される畑が海に近かったりすると攻撃されるので畑の立て直しを強要されてしまう。
      • ある程度研究しないと船舶は生産できないがオランダとスペインは港を作るだけで船舶が無償で手に入るので敵陣を荒らしやすい。
    • 船舶は生産されるのが遅いものの港は複数配置できるのでいたちごっこになりがち。
    • うまく敵の島に軍事ユニットを上陸させても敵の軍事ユニットと船舶との挟み撃ちになり攻める側が不利になる。
    • その為、東インド諸島等の陸から攻めれないマップは長距離に攻撃できるミサイルや爆撃機を生産できる近代以降にならないとゲームが進まない状況に陥りやすい。
  • 近代や現代クラスのユニットは非常に強力で物量責めをすれば敵を壊滅させる事も容易。大味な試合展開になる。

総評

歴史を題材としているだけあってマップや時代、文明等の様々な要素が混在する独自性の高い戦略ゲーム。
様々なルール設定ができるので一人でも複数人でも長く遊ぶ事ができる。
できる事が多いのでハードルは高いが、CPU同士で戦っているのを見てるだけでも楽しめるので初心者にもおススメできる。

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  • マイクロソフト

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最終更新:2020年09月02日 13:49

*1 一定間隔に無償で軍事ユニットが生産される偉大な建造物。