プリパラ めざせ!アイドル☆グランプリNo.1!
【ぷりぱら めざせあいどるぐらんぷりなんばーわん】
ジャンル
|
おしゃれデザイン&リズムアクション
|
|
対応機種
|
ニンテンドー3DS
|
発売元
|
タカラトミーアーツ
|
開発元
|
タカラトミーアーツ、シンソフィア
|
発売日
|
2015年10月22日
|
定価
|
5,400円(税別)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
アーケード版のツールとしては優秀 3DSのスペック不足による弊害をモロに受けた作品
|
プリティーシリーズ
|
概要
女児向けアーケードリズムゲーム『プリパラ』の事実上の3DS移植第1弾。
前作にあたる『プリパラ&プリティーリズム プリパラでつかえるおしゃれアイテム1450!(以下、前作)』は『プリパラ』の移植と思いきや、『プリティーリズム』に『プリパラ』の要素を加えただけという代物だったので、『プリティーリズム』から大幅にパワーアップしている『プリパラ』を3DSへ移植するのは不可能ではないのか? と心配もされていたが、無事に移植作が発売されることとなった。
特徴、アーケード版(AC版)からの変更点
-
アイドル☆グランプリストーリー
-
ストーリーモード。メインシナリオである「グランプリストーリー」と、キャラごとのシナリオである「アイドルとなかよしストーリー」がある。
-
TVライブ
-
本作におけるメインモード。AC版のライブが遊べる。
-
発売当時のAC版のライブと同様に、画面中央に表示されたリングとリングに向かってくるマーカーが重なった瞬間にボタンを押すリズムゲームになっている。
-
なお現在のAC版とはリズムゲームの内容が違う(神アイドルシリーズ以降に仕様変更)。
-
AC版では、ライブ中にランウェイが存在したが、本作では後述のとおり、ランウェイが独立したモードとなっているため、ダンスのみとなっている。
-
ライブ中の演出である、メンバーアピール、メイキングドラマ、サイリウムチェンジはAC版と同様に本作でも収録されている。
-
前作と同様に、ライブは1人のみとなっている。また、前作と同様に3D表示も可能。
-
ランウェイライブ
-
前作に登場したランウェイとほぼ同じ。ランウェイ上にあるマーカーに合わせてボタンを押すリズムゲームとなっている。
-
選べる曲は、TVライブで遊べる曲のメドレーとなっている。
-
後にAC版に「トモチケランウェイ」として逆輸入された。
-
ミニゲーム
-
「アイドル☆グランプリストーリー」にて遊べる。TV番組という扱いになっており、下記の2つ存在する。
-
ドキドキ! リズムで グルメ☆レポ:食べ物(ロールケーキやおにぎりなど)、食べられないもの(木彫りのクマなど)が流れてくるので、食べられるものが目の前に流れたときのみ、ボタンを押す。豆大福のように2個乗っている場合もあり、その場合は2回押す必要がる。
-
おしえて! リズムで お天気よほう:リハーサルの天気予報の内容を暗記し、本番にて間違えないように天気予報を行う。難易度が上がると「雨 ときどき 晴れ あるいは 曇り からの 雪」など、メチャクチャな天気予報になる。
-
コーデ
-
各キャラのサイリウムコーデ、各ブランドのPRコード、その他コーデは広く薄く収録されており、トップス、ボトムス、シューズ、アクセサリーを全部で合わせて269種類となっている。
-
ライブやミニゲーム時にガチャコインがもらえ、そのコインでガチャを回してこれらコーデを手に入れる。
-
マイ☆サイリウムコーデデザイン
-
前作に引き続き登場。予め決められた型紙を自由にデザインして、リズムゲームで使用することができる。
-
作成したコーデは本作だけではなく、QRコードを介してAC版でも使用可能。
-
トモチケ
-
アイドル☆グランプリストーリーにて、プリパラの各キャラのトモチケが入手でき、すれちがい通信により、他のプレイヤーのマイキャラのトモチケが入手できる。
-
AC版ではこのトモチケを読み込ますことで、他のキャラの一緒にチームを組んでライブできることが大きな特徴であったが、本作は1人でしかライブできないため、作中ではほぼ意味のない要素と化している。
-
こちらもQRコードを介することで、AC版で使用可能。
評価点
-
AC版を3DS上で再現したグラフィック
-
3DS版の発売を不安視されていた『プリパラ』ではあるが、蓋を開けてみれば、アニメタッチで表現されているAC版の可愛らしいキャラクターモデリングを3DS上で問題なく再現されている。もちろん解像度の違いによる劣化はあるものの、AC版と比較してあまり遜色はない。
-
既存のアニメキャラのみではなく、マイキャラももちろん存在している。マイキャラのパーツはAC版と比べると少ないが、主要なものは用意されているので、ある程度は再現することができる。
-
AC版との連動
-
本作のコーデはQRコードに変換することでAC版でも使用することが可能となっている。発売当時では入手困難であった各キャラのPRコーデやサイリウムコーデを全て収録するという大盤振る舞いっぷり。
-
当時のAC版の仕様では、着用しているコーデをランクアップさせて、再度カード化することができた。つまり入手困難なコーデでも、本作に収録されていれば、カードとして入手することができたのだ。
-
サイリウムコーデは、AC版から排出される場合、最大までランクアップされているため、再度カード化することが無理であったが、本作では最大の1つ前までランクアップした状態で収録されているという、気遣いまでされている。
-
ただし、神アイドルシリーズより、コーデのランクアップシステムは廃止されたので、現在はカード化することは不可。
-
後述するオリジナルのコーデもAC版で使用可能。こちらは最初からカード化できない。
-
コーデのQRコードを使用することで、本作で使用しているマイキャラパーツをAC版でも使用することができる。
-
AC版ではランクごとに段階的に使用できるパーツが増えていったが、本作を使用すれば、持っていないパーツでも使用できる。
-
本作オリジナルのパーツももちろんあり、AC版でも使用可能。その中でも、ハーフツインテールの髪型は可愛いと定評があり、愛用するプレイヤーも多い。
-
本作で各キャラからもらえるトモチケ、すれちがい通信で手に入るトモチケもAC版で使用することができる。
-
色々と羅列したが、要するに本作さえあえば、AC版プリパラを存分に楽しむことに必要なコーデ、マイキャラパーツ、トモチケが相当な量手に入れられるということ。もちろん本作をある程度クリアしないと自由には使えないが、コーデを手に入れるためのコインの入手は容易であり、シナリオもそれほどボリュームがないこともあって、揃えるのにはあまり手間は掛からない。
-
プリパラには「プリパス」や「サイリウムジュエルマイク」など、AC版と連動する玩具が多くあるが、コストパフォーマンスという面で考えれば、本作はずば抜けている。
-
これらQRコードは画像として、3DSのSDカードへ保存することもできる。スマホなどに保存することで手軽に使用することも可能。ただし、AC版は違法に取得したQRコードの使用が問題になっているため、正規の手段で作成したQRコードとはいえ、大手を振って使いにくい機能ではある。気になるようなら、3DSから直接読み取らせた方がいいだろう。
-
オリジナルのコーデを作る楽しさ
-
コーデを作る型紙は4種類しかないものの、色や模様はそれぞれ15種類ずつあり、型紙はいくつかのパーツごとにこれらの指定ができるため、好きなようにコーデのデザインが楽しめる。
-
デザインするのが面倒であれば、「おまかせ!」機能を使えば、ランダムにデザインされたコーデを作ることができる。
-
作成したコーデのブランドや属性は自由に選択できるため、少しずつ色が違うけども、すべて同一ブランドというのももちろん作成可能。
-
作成したコーデはゲーム中で使えるのはもちろんのこと、QRコードを介してAC版でも使用できる。AC版で見ると、印象も変わるので、一度使ってみるのもいいだろう。
問題点
-
リズムゲームでは常に1人でのダンスになっている
-
AC版は基本的にはプレイヤー+トモチケで呼び出した2人の計3人でダンスしており、その他バックダンサーも何人か登場している。しかし、本作はスペックの都合上か、常に1人となっている。
-
『プリティーリズム』では、プレイヤーとバックダンサーしか存在しておらず、そのバックダンサーもプレイヤーのダンスと同じ動きをしているので、3DS版では1人でダンスしていてもとくに違和感のないものとなっていた。しかし、『プリパラ』では基本的に3人で踊ることが想定されており、動きもそれぞれ異なっているので、1人しかいないとやはり寂しいし、全体的に違和感があるのも事実。
-
ダンスが1人でしか行えないということにより、メイキングドラマの違和感は深刻なものとなっている。3人で手を合わせる「レッツゴープリパラ!」は1人で寂しく行わなければならないし、鳥籠に閉じ込められている2人のキャラを、残りの1人が鍵を持ってきて助け出す「解放乙女ヴァルキュリア」に至っては、どこからともなく鍵のみが飛んできて、自力で鳥籠から脱出するというよく分からない内容になってしまっている。
-
ステージが地味
-
ライブステージは簡略化したものとなっており、ステージが迫り上がるなどのギミックなどは再現されていない。一部のダンスは、このギミックを前提として踊っているものもあるが、とくに考慮はされていない。
-
ライブの終盤は、AC版と同様にコーデが光り輝くサイリウムコーデへチェンジするものの、ほとんど光っておらず黒っぽい地味なコーデになってしまっている。
-
元々縦画面用のライブだからか、やたらと顔がアップになるカメラワークが多い。とくにメンバーアピールが顕著。
-
本作が発売した時点でアニメは2ndシーズンが放送されてから半年以上が経過しているが、メイキングドラマは1stシーズンのものの一部しか存在しない。その為、2ndシーズンから登場したブランドであるシルキーハートは「ときめきプレゼントフォーユー」、キャンディアラモードモアは「もぎたてスイーツパーク」、ホリックトリッククラシックは「解放乙女ヴァルキュリア」、ココフラワーとブリリアントプリンスは「レッツゴープリパラ!」になっている。
-
アニメ版の楽曲の少なさ
-
前作以前も同様の問題を抱えていたが、本作でもアニメ楽曲の少なさは相変わらずである。
-
筐体オリジナル曲は全曲収録されているものの、アニメ版の曲はわずか4曲のみ。
-
あくまでも推測の域を出ないが、「アニメ版の楽曲はエイベックスが管理しているので、多数収録すると費用が掛かるから収録曲が少ないのではないか?」という意見もある。
-
その数少ないアニメ版の楽曲も、よりにもよって5人で踊るための曲として用意されているドリームシアター用の曲が大半を占めている。
-
前述の通り、1人でダンスかつステージ上のギミックが再現されていないことにより、ドリームシアターのステージは、AC版と比べて大きく見劣りすることとなっている。
総評
移植元のゲームこそ違うが、基本的には前作の延長線上のような作りとなっており、グラフィックやダンスは3DS上でAC版をしっかりと再現して、3DS版独自の要素も用意されている。
しかし、移植元の『プリパラ』が『プリティーリズム』と比べてパワーアップしているためか、スペックの都合上か3DSでは再現できず、移植の度合いは前作より一層の妥協を強いられることとなってしまった。
とはいえ、本作はAC版プリパラの外部ツールとしては前作以上に非常に優秀なので、物足りなさを感じたなら、本作を持っていってAC版を遊んでみるのも良いかもしれない。
最終更新:2021年02月21日 13:11