Mortal Kombat Deadly Alliance

【も-たるこんばっと でっどりー あらいあんす】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
Xbox
発売・開発元 ミッドウェイゲームス
発売日 2002年11月16日
判定 なし
ポイント 完全な3D格闘に
ビギナーでも遊びやすくなった
発展途上ゆえか未熟な部分が多い
Mortal Kombatシリーズリンク

概要

ミッドウェイゲームスが開発した残虐格闘ゲーム『Mortal Kombat』の5作目にあたる作品。略称は後の『Deception(MKD)』との区別の為MKDA(MK:DA)となっている。
残念ながら前作『4』では3D化に伴うポリゴンの粗さが目立ってしまったが、本作ではPS2・Xbox・GCといった次世代プラットフォームに舞台を移し、それに伴ってグラフィックも飛躍的に進化を遂げている。
尚、本作以降からはアーケード筐体での展開が無くなり、シリーズ展開は家庭用据え置き機に一本化されることになる。

またPS2版の数日後にGBA版が販売された。こちらについては後述する。

ストーリー

クァン・チーが地獄界から逃げ出したのは既に知っているだろう。
逃げ出してから、彼は長い間忘れ去られていた竜王の兵たちによって発掘された碑文石を開放し、我々の敵の一人…シャン・ツンと同盟を結成したのだ。

彼らの力によって、世界を支配するために障害となった二人を強襲することを計画した。一人は、魔界のシャオ・カーンである。
そして彼らは地球に向かい、地球の勇敢な戦士でありモータルコンバットのチャンピオンであるリュウ・カンに直面した。彼の魂をシャン・ツンが吸収し、クァン・チーの協力によってその目的は達成された。

リュウ・カンは、死んだ。

彼らは魔界に戻り、残った軍兵の石像に魂を吹き込み支配しようとしている。
もし成功すれば、それは魔界を支配し、そして最期にはこの地球をも支配することになるだろう。
私は悪に吸収される世界を傍観できず、自らの地位を放棄して君たちを再び決戦の場に導いた。

我々は今すぐ行動しなければならない、この『死の同盟』を止めるのだ。

  • 因みに上述の内容はシリーズメインキャラクターの一人、地球の守護神「ライデン」の台詞。

システム

  • まだ2D要素が強かった『4』以前の格闘システムから、完全な3D格闘としてのシステムに一新。上下キーで奥・手前に軸移動する形式に変更された。
  • 一つのキャラクターに格闘のスタイルが2つ、それぞれのキャラ固有の武器を装備したスタイルが1つ、計3スタイルが備わっている。3種のスタイルは格闘中で常に変更可能で、格闘スタイル1→格闘スタイル2→武器スタイルという順番で切り替わる。それぞれのスタイルに切り替えながら攻撃するコンボ技も用意されている。
  • 初代以来の「対戦の合間に出現するミニゲーム」が復活した。連打で対象物を壊すTest Your Mightと、コインの隠されたカップを選ぶTest Your Sightの2種類。どちらが出現するかはランダム。

登場キャラクター

  • 『4』とは違って主人公(笑)ことリュウ・カン以外の初代メンバーが軒並み復活している。
+ 本作から初登場するキャラクターや、隠しキャラ等についての解説
  • ケンシ / Kenshi
    • 盲目の剣士。アーマックの命を救った事がきっかけで、彼からサイコキネシスを伝授された。お察しの通り名前の由来は日本語の「剣士」。
    • 本作において人気キャラとしての地位を確立し、以降の作品でも数多く登場するようになった。
  • ボー・ライ・チョー / Bo' Rai Cho
    • 太っちょの酔いどれ拳法家。こう見えて「魔界出身ながら地球の戦士に味方する」という重い設定持ち。
    • とにかく下品な戦い方をする為、海外では『worst mortal kombat character』の常連と化してしまっている。
  • リ・メイ / Li Mei
    • 魔界出身の戦士だが、部下を死の同盟に殺され復讐を決意した。オバサン顔とか言わないであげてください。
  • フロスト / Frost
    • 忍者組織「燐塊」の女性メンバーにしてサブゼロの愛弟子。但し、後に師匠を裏切る事になる。
  • ニタラ / Nitara
    • コウモリのような翼を持つ女ヴァンパイア。自分の住む世界と魔界を結びつけたクリスタルを探すという目的の為行動する。
    • 実はシリーズを通しても珍しい、どの勢力にも属していない完全中立のキャラクター。
    • 2021年に公開された実写映画にも出演している。ただし扱いの方はお察しだが…
  • マバド /Mavado
    • 黒龍会の前身組織「赤龍会」のリーダーを勤める人物。
    • どういう訳かカバルの武器である筈のホークソードと、フックの付いたゴムのような風変わりな武器を持つ。
  • スーハオ / Hsu Hao
    • 赤龍会のメンバー。ペースメーカーを装着しているが、なんとそこからレーザー光線を発射できる。おいちょっと待て。
  • ドラミン / Drahmin
    • 立派な冥界出身の鬼なのだが、どういう訳か周囲を蝿が飛び交っている。しかも得物の棍棒以外に、この蠅を飛び道具として使う。
    • しかしながら、その外観に反して性格はかなりのお調子者。
  • モカプ / Mokap
    • 隠しキャラクター。モーションキャプチャー担当のスタッフをモデルにしており、全身に電球を装着している本作のネタキャラ担当。
    • FATALITYや武器スタイルを持っておらず、代わりに3種類の格闘スタイルを切り替えて戦う。
  • ブレイズ / Blaze
    • 隠しキャラクター。『2』の背景キャラクターが満を持してプレイアブルキャラクターに昇格。
    • こちらも3種類の格闘スタイルを切り替えて戦うタイプのキャラクターで、武器・FATALITYは非所持。
    • 後発作品『Armageddon』ではボスキャラとして君臨するなど、ストーリー上重要な役割を担うことになる。
  • 中ボスは冥界の鬼で怪物のような容貌をした「モロク」、ボスは死の同盟こと「クァン・チー」と「シャン・ツン」との連続対決。
    • モロクは従来シリーズの中ボス同様、今作では使用不可。さらにモロクには倒した際の専用演出が用意されており、FATALITYを決める事ができない。

ゲームモード

Arcadeモード

  • 本作のメインモードで、中ボスの「モロク」と死の同盟を倒す事が目的。
    • 本作と『Deception』『Armageddon』ではCPUの強さは対戦前にパーセンテージで表示され、後半ステージほど割合が高くなっている。この数値はオプションで強さを変更することにより初期値が上下する。
    • ランダムで対戦の合間にミニゲームが出現することがある。

Versusモード

  • 2P用の対戦モード。純粋な対戦だけではなく、ハンデをつけたりコインを賭けたりといった特別な対戦も可能。

Practiceモード

  • 練習モード。従来の格闘ゲームのような細かな練習設定は無くシンプルに収まっている。

Konquestモード

  • 本作より追加されたモード。とある修行僧がモータルコンバットの戦士達に戦術を伝授してもらいながら旅をしていくという内容。AADVやRPG要素の強くなった続編とは違い、この段階ではテキストベースのシンプルなストーリー展開である。
    • 各キャラクターのアクションやコンボ・必殺技を伝授するスタイルは今作から継承されている。本作では基本動作を終えたあと、キャラ選択画面から学びたいキャラクターを選んで特訓していく形式となっている。まだ解禁していないキャラクターでは特訓できず、また特訓が終わったキャラクターで再度特訓することは出来ない。

The Kryptモード

  • ゲームプレイ中に集めるコインで墓を発掘し、中にある収集要素を手に入れるモード。
    • 墓は頭文字でAAからZZまで存在し、ゲームの制作資料やコンセプトなどのイラスト・ムービーの他、隠しキャラクターや隠しステージといった豪華な特典まである。発掘したものはKontentで自由に閲覧可能。

Player Profile

  • プロフィールを作成したり、確認するモード。ゲームをセーブするためにプロフィールの作成は必須。
    • データ呼び出しの際にキーでコマンドを入力したものをパスワードにするという特殊な方式が取られている。
    • こうしたプロフィール機能は後の『Deception』『Armageddon』にも継承されている。

Options

  • オプション。読んで字の如く。
    • 当wikiにおいて「態々オプション機能を項目として記述している」事に嫌な予感を覚える方が居るかもしれないので念の為記述しておくが、流石に充実したオプションという訳ではないので安心されたし。

Kontent

  • The Kryptで収集したコンテンツやボーナスコンテンツ、更にはArcadeをクリアしたキャラクターのエンディングも心行くまで閲覧できるモード。

評価点

  • グラフィックの向上と、ストーリーの明確化によって深まった世界観
    • 『4』以前は実写もしくは古いポリゴンモデルだった為表現上どうしても胡散臭くなりがちだったが、本作からは完全に実写モデルの表現を取り払い、CGモデルを導入した。これによってムービーによる多彩な演出表現が可能になっている。
    • キャラクターのストーリーも、後発作品と比べるとまだ表現の面で比較的落ち着いているものの、しっかりと掘り下げがなされている。
      • 後発作品ではムービーにより力が入っており、世界観のイメージ向上に貢献している。
  • 初心者でもとっつきやすいよう工夫された配慮の数々
    • 『3』や『4』に比べて技が出しやすくなっており、超反応気味だったCPUの難易度も抑えられている。
    • 今回初登場のKonquestモードではゲームの基礎動作から始まり、それぞれのキャラのコンボや必殺技を練習できる。アドベンチャーもしくは3Dアクション風味である後発作品と比べるとシンプルだが、無駄がないぶん格闘部分のチュートリアルモードとして非常にとっつきやすい。
    • 今作のFATALITYは距離に関係なく出せる。またFATALITY受付中はスタイルを変更することでキャラをその場に固定することが出来るので暴発する心配もない。これは『Deception』でも同様だが、こちらでは距離の条件が復活している。
    • 前作ではPractice上でしか確認できなかった技表がポーズメニューからいつでも確認できるようになった。ただし前作と違ってFATALITYは明記されていない。
  • 据え置き機に一本化した事で大きく改善・強化されたお楽しみ要素
    • 最も目立つ改善を遂げたのは隠しキャラの扱いであろう。
      • 前作までの隠しキャラを使用する際は、その都度特定のコマンドを入力する必要があった。しかし今作の「モカプ」「ブレイズ」はKonquestの完全クリアによって常駐させることが可能になっている。
      • 隠しキャラのストーリーも、前作までは本編とは繋がりの薄いおまけ程度の扱いでしかなかった。今策ではそれぞれのキャラクターが独自のストーリーやエンディングを持っており、きちんとした個性が与えられている。
      • 選択方法が特殊な上にFATALITYが無く、モーションが他キャラの使い回しの為「おまけキャラ」の域を出ていないのは少々残念だが、それを補うには十分な進歩と評価できる。
    • 今作から追加されたKryptは、本作のコンセプトアートだけでなく過去シリーズの資料やグッズ写真などの貴重な画像、更には映像コンテンツまで用意されており収集する楽しさがある。
      • 中でも、シリーズの人気キャラ「スコーピオン」が狂ったように斧やハンマーを振るって料理するネタ動画「Cooking With Scorpion」は必見。
      • またゲーム初回時からKontentで閲覧できるムービーとして、本作を制作中に収録されたドキュメント風ビデオ「Making of MK」、過去のMKシリーズをダイジェストで紹介している「MK History」、ミュージックビデオの「Immortal」が存在している。こちらもモータリアンには嬉しい内容。

問題点

  • 全体的に未熟なシステム
    • まだ3D格闘のノウハウが十分培われていないのが原因かレスポンスが固く、従来作品にあったスピード感が完全に削がれてしまっている。全体的に重苦しく地味な印象を受けてしまう点は否めない。
    • 後発作品『Deception』のコンボブレーカーや『Armageddon』のインタラプトのようなブロッキングシステムがまだ存在しておらず、単に技をぶつけ合う展開になりがち。コンボ補正も厳しいものになっており、コンボが繋がりにくく組み合わせの自由度は低い。
    • CPUも後半になるにつれてガードが固くなっており、従来のシリーズと比べれば易化しているものの『Deception』『Armageddon』と比べると若干難しめ。
      • 本作の中ボス「モロク」は従来の「ゴロー」や「キンタロー」のような奇抜なデザインでなくありきたりなモンスターで、技自体も少なく全体的に地味。ボスの2人組についても前作の「シノック」同様に通常キャラと同じサイズ・性質でインパクトは薄い。
      • ボスとして復活した本作の「シャン・ツン」は、据え置き機版ではキャラクターロードの都合か変身できなくなっている。
    • これらの点から、『Deception』や『Armageddon』を先にプレイしていると遊びやすさの面でかなり違和感を感じてしまう。
  • FATALITYの問題点
    • シリーズの華であるFATALITYが1つだけになってしまった。しかも破壊される部位が首か胴体しかなく、多くはなんらかの肉片と血が吹き出るだけという(シリーズ全体からすれば)かなり抑えめな演出になっている。
      • 大腹で敵を潰す、サイコキネシスで目玉をもぎ取るなどユニークなFATALITYもあるが、「クァン・チー」は本作のボスという立場ながら首を伸ばすというふざけた技で不評。ワイヤーの動きが不自然な「マバド」のFATALITYも違和感がある。「キタナ」の技は一見ユニークだが内容は『2』のそれと全く同じでオリジナリティに欠ける。
    • 全体的に破壊演出が控えめながら、FATALITYの中身自体はホラーじみたものが多い。
      • 有名なのが「サイラックス」のFATALITY。胴体のクレーンでキャラクターを掴み、数回叩きつけた後に胴体の中へキャラクターを押し込み、中でミンチのように砕いてから吐き出すという内容。こちらも肉片だけ出てくるので演出としては地味だが、サイボーグ故に無表情で殺害する姿は恐怖そのものである。毒霧を吹いて血を吐き苦しめながら断首する「ソニア」もなかなかの冷酷っぷりである。
    • 残虐な行為で相手を殺すのはこれまでと同様ではあるが、従来作ではそれと同時に派手なアクションと演出で魅せるクールな要素、もしくは非現実的で笑えるような馬鹿っぽさ・ユーモア要素などを備えているのがFATALITYの醍醐味でもあった。本作は『1』『2』のような残虐路線を再び持ってきたのは良いものの、演出面で地味になってしまい中途半端さが目立っている。
      • 完全な3D化と次世代プラットフォームへの移行が原因で、キャラのモーション作成に手慣れていなかったのが原因だろうか。
  • Kryptの作業感
    • 以降の作品とは違って数がAA~ZZまであるのは評価できるが、肝心のコインが貯まりにくいうえに掘り起こす為に必要なコインの枚数が多く、コインを集めるのも墓を掘り起こすのも苦行になる。本作ではハズレ(何も入っていない墓)もあるのでタチが悪い。
    • 「違う墓の掘り直し」を行わせないためか、1つ掘り起こすたびに毎回セーブが入る。この劣悪テンポも作業感を助長してしまっている。
      • ちなみにこの毎回セーブは『Deception』でも存在する。
  • その他
    • ロードが若干長めでテンポが悪い。
      • 今作と『Deception』『Armageddon』では、セーブデータ作成の為にプロフィールを制作することになり、ここで次回起動時データを呼び出すためのパスワードをコマンド入力で設定する。このパスワードを忘れてしまうとデータ呼び出しが行えなくなってしまう。
      • またセーブデータはどの機種でもコピー禁止になっているためバックアップも不可能。これについては本作には対戦プレイでコインを賭ける要素があり、データ複製によるリスク回避を阻止しなければならない為だと思われる。

総評

『Deception』『Armaggeddon』と継承されていった3D格闘としてのシステムは、本作でその雛形をほぼ完成させてはいる。
しかしまだまだ先陣を切ったばかりで未熟な部分も多く、同時期の格闘ゲームと比べてもいまいちダイナミックさに欠ける地味な雰囲気に落ち着いてしまった。
後発作品はレスポンスが比較的スムーズになり、システムとしてもより洗練されているので、シリーズファン以外で本作を購入するメリットはあまりないかもしれない。

ただKontentの数は本作から既に充実している為、よりシリーズを深く知りたいモータリアンには腰を据えて遊んでもらいたい一作である。


余談

  • 本作の元凶である死の同盟によってかなりのキャラが犠牲になっており、「クァン・チー」と「シャン・ツン」のタッグが如何に凶悪な存在であったかが窺える。
    • 「リュウ・カン」と「シャオ・カーン」だけでなく、最終的には「ソニア・ブレイド」「クン・ラオ」「キタナ」「ジャックス」「ジョニー・ケイジ」といったレギュラー陣も全滅。彼らには後の『Deception』において「オナガ」によって蘇生され、洗脳されたり記憶を戻したりといったサブストーリーが存在している。また何名かのキャラは『Unchained』でプレイアブルキャラクターとして復活し、ストーリーの修正・補填が行われている。
    • ちなみに死亡したと思われた「シャオ・カーン」は実は本物ではなく影武者的存在。死の同盟を見事欺いて見せた事については、彼らよりも一枚上手であったと評すべきか。
  • 一部のキャラには武器を突き刺す奇妙な技が用意されており、突き刺されたキャラはどんどん体力が減少していく。不評だったのか『Deception』ではカットされている。また一定時間パワーアップ可能な能力も一部のキャラが有していたが、こちらも以降の作品ではカットされた。
  • Konquestで「サイラックス」は「ジョニー・ケイジ」の出演した映画を酷く嫌っており、特に彼の主演作品「Ninja Mime」が嫌だという意外な一面が発覚している。「Ninja Mime」は2011年版『Mortal Kombat』でも背景として登場しており、『X』では映画出演時の衣装と思われるものが「ジョニー・ケイジ」の隠しコスチュームとして選択できる。嫌がらせか?嫌がらせなのか?
  • 当初は日本でも発売される予定があり、無双シリーズでお馴染みのコーエーがローカライズする予定であったが、結局は発売中止となった。
    • 本作でFATALITYがキャラクター一人につき一つしか用意されなかったのは、日本での発売を視野に入れたためだとも言われている。

GBA版

ジャンル 対戦格闘アクション

対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売・開発元 ミッドウェイゲームス
発売日 Deadly Alliance:2002年11月20日
Tournament Edition:2003年8月25日
判定 なし

概要(GBA版)

  • ハード的にそのままでの移植は不可能な為、GBA用として全体的に作り直されている。
  • 『Deadly Alliance』『Tournament Edition』の2つが存在し、ストーリーやシステムは同様だが選べるキャラクターが異なる。何れの作品にも「モロク」は登場しない。
    • 『Tournament Edition』は後発タイトルであり、武器を使用するWeapon FATALITYが追加されたり、Practiceやストーリー・エンディング閲覧など新しいモードが追加されている。この為バージョンアップ版…と思いきや、ラスボスの「シャン・ツン」「クァン・チー」と、人気キャラの「スコーピオン」以外キャラクターは総入れ替えされている。
    • 『Tournament Edition』では本編では使用できなかった「セクター」「ヌーブ・サイボット」が隠しキャラクターとして収録されている。また『Deadly Alliance』側で出しすぎた女性キャラクターが「ニタラ」しかいなくなってしまうのを補完するためか、シリーズの外伝作『Mythologies:Sub-Zero』で登場した「サリーナ」がオリジナルキャラクターとして使用出来るようになっている。尚サリーナは『Armageddon』で再登場している。
  • 携帯機のスペックなりにプレレンダリングされたキャラクターを用いて3D格闘を再現している。FATALITYや低音アナウンスボイスも健在。
  • 両バージョンともにGBAオリジナルモードとしてサバイバルモードが追加された。また『Tournament Edition』のみ2人のキャラクターを使用したTag Teamモードも追加されている。
  • 通信対戦は同ソフトだけでなく2つの別々タイトルでも可能になっている。ただし使用できるキャラクターとステージは限定される。

評価点(GBA版)

  • GBAながらに3D格闘を再現しようとする熱意
    • 据え置き版同様に上下左右自由に移動することができたり、更にかなりマイルドにはなっているがFATALITYもそれなりに表現されている。
    • 携帯機向けに良い意味でアレンジされている部分もある。例えばGBA版の「シャン・ツン」はデータ処理上断念されていた据え置き機版と違い、コマンド入力で一定時間他のキャラクターに変身することが出来るようになった。
  • 携帯機でも健在のお楽しみ要素
    • Kryptも健在し、やりこみ性を高めている。
      • GBA版では大半の特典がキャラのカラー変更であるが、カラーの種類が多く用意されている。気分転換にどうぞ。
      • 隠しキャラやステージはもちろん、中には対戦画面を視覚的に変えてしまうおまけモードなども追加される。
      • 『Tornament Edition』ではWeapon FATALITYもここで解禁できる。
  • 従来携帯機作品からの飛躍的進歩
    • レスポンスがぎこちなく再現性に乏しいGBシリーズ、見た目だけは高水準だが完成度は最低だったGBA版『Mortal Kombat Advance』と比べればまともに遊べる内容になっている。

問題点(GBA版)

  • ゲームシステムとしてはかなり大雑把
    • コンボの判定が曖昧で、繋がっていないのにコンボ判定になってしまったり、そもそもコンボ自体が途中でガードされたりする。
    • 投げコマンドが 前進モーション中に相手方向キー+AB同時押し という奇妙な入力方法になっている。しかもガード可能で使い道が全く無い。
  • 流石に完全再現には至らなかった、携帯機ゆえの制約
    • スタイルが2つに減り、武器はコマンド技の一つとなっている。スタイルを変更しながらのコンボも削除されてしまった。
    • FATALITYは表現性の限界なのか、キャラによっては何をやっているのかわかりにくい。『Tornament Edition』で追加されたWeapon FATALITYは武器を使った乱舞フィニッシュのようなもので、全体的には地味。

総評(GBA版)

GBAという不利なスペックながらきちんと3D格闘の雰囲気が出ており、良い具合のアレンジ移植がなされている。
ゲームシステムの粗さは否めないものの、本作はこれまでのGB・GBA作品よりも比較的まともな作りとなっており、携帯機向けアレンジ作品としては水準の高い作品と評価可能であろう。

この作品を最後に、携帯機モータルコンバットもプラットフォームをDSやPSPなどに移し、より忠実な移植がなされるようになった。

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最終更新:2023年01月28日 16:20