エアーズ

【えあーず】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 パック・イン・ソフト
(ビクターインタラクティブソフトウェア)
開発元 ネクセス
発売日 1999年3月25日
定価 5,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント RPG+レースの無理矢理な融合
各パーツ6.31種類ずつ


概要

空に浮かぶ島に人々が暮らす世界で、浮空機という飛行機のような機械のレースに参加するという内容。
レースとRPGを融合したゲームと言えば本作の後に発売された『レーシングラグーン』が有名だが、あちらは戦闘=レースと言う形を取っており、本作とはゲーム性が異なる。

システム

  • 大空を舞台とする3D空間で自機を操作し、主にランダムエンカウントで出現するライバル機や空賊などを非シームレスのコマンドバトル画面で撃墜して経験値やパーツの購入資金を稼ぐというオーソドックスなRPG。天空魚という空飛ぶ魚の発見入手がチェックポイント通過に必要となる。
    • レースの速度に影響するのは浮空機のパーツによる速度だけで、キャラクターのレベルや能力値は影響しない。
  • 戦闘システムは『ドラゴンクエスト』を彷彿とさせる1対1のターン制。
    • 主人公側は3人乗りで1ターンあたり3つのコマンド入力が求められるが、主人公が攻撃方法、ヒロインがバフ・デバフ、ペットが回復を担当しており、実質は1人分の操作を分けている形。
  • レースということもあり、ゲームの進行自体はリアルタイムなのだが、タイムリミットや首位争いのハードルは極めて低い。

問題点

  • レースが題材だが、レースゲームの肝となるコーナリングやブレーキングの駆け引きのような要素が存在しない(せいぜい迷子にならないことを心がけるぐらい)。
  • グラフィックが1999年ものとは思えないぐらいしょぼい。PS初期を彷彿とさせる。
  • 背景は何にもない。基本的にだだっ広い青空と雲が広がるのみで、点在する浮遊島以外は、イベントで多少描かれる程度。
    • このため、常にレーダーを見ていないと自分がどこにいるのかかなり分かり難い。大航海時代でひたすら海が続いているマップを想像していただけるとこの問題点がわかりやすいかもしれない。
  • 後半に物語のキーとなる巨大天空魚たちが出てくるが、巨大巨大と文章で書かれるだけでワンカットすら絵が表示されず、さっぱり伝わってこない。通常の天空魚はエンディングムービーでやっと表示されるが、やはり巨大天空魚がどれほど巨大なのかは伝わってこない。
  • 戦闘がつまらない
    • 戦闘演出はターン毎に互いのバックを取るさまが描かれ、攻撃は機関銃の射撃と特殊武器が数種ある程度で、メリハリがない。
    • 破壊したパーツ毎に資金と経験値が入手できるため、集中的に攻撃するか均等に攻撃するかといった装備を含めた戦略性はあるが、あまり深いとは言えない。
  • パッケージ(というか説明書。詳しくは後述)裏では「組み合わせは1万通り以上」というカスタマイズを謡っているが、実はあまり多彩さはない。
    • 浮空機のパーツがキャノピー、フロント、リア、エンジン、特殊武器の5要素に分かれており、少し計算すれば、それぞれ6種類強しかない事がわかる。
      • フロントとリアのパーツは同一シリーズを前後に分けただけなので、実質水増しである。
      • パーツのチューンナップもできるが、一段階しか改造出来ない。このため、下位パーツをつける意味はほとんどなく、故にカスタマイズの妙などもない。メダロットシリーズのような楽しみ方はできない。
  • ある同レベル帯パーツでは速度重視と防御重視の二択があるが、このような選択肢が生まれることは全体を通して一度しかない。
  • 移動=レースはリアルタイムだが、あっさり次のチェックポイントにたどり着け、ストーリー展開の都合上だけという理由で、おつかいイベントをこなしながら出発日時まで待つ事になる。
    • その間先に進む事は不可能(宿泊で時間を飛ばすことはできる)。
      • RPGの楽しみの一つといえばレベルカンストだが、時間制限がこの面で大きなネックとなる。
  • マルチストーリーを謳っているが、変化は基本的にそのイベントの中だけでエンディングも変わらない。
+  余談 ※後半のネタバレ

賛否両論点

+  ラストネタバレ。ある意味斬新

評価点

  • 擬人化動物が多数出てくるグラフィックは、好きな人は好きかもしれない。
  • シナリオの出来はまあまあ。

総評

 独特な世界観、「レース」という舞台、「噂が通貨代わりになる地域」といった設定をあまり活かせていない。また、リアルタイムの概念も、本来はタイムリミットに追われる展開を意図していたのかもしれないが、縛りが非常に緩い。そのため「出発までにイベントを終えなければならない」という場面においても時間が大きく余ってしまい、却って待たされるほどなのはやはりジャンル選択時点での失敗と言える。
 万人受けは到底せずとも、高いカスタマイズ性やバカゲー要素が評価された『レーシングラグーン』のような「好きな人はハマる」という要素も無く、本作はこのような出来で終わってしまった。


余談

  • パッケージジャケットは、ゲームパッケージには稀な、透明なフィルムにイラスト印字されたものを使用。
    • 通常の装丁とは裏表逆で説明書の方にバーコードなどが印刷されている。このため、破損してしまったら通常のCDジャケットを代わりに使うということができない。

添付ファイル