SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS (AC)

【さうんどぼるてっくす すりー ぐらびてぃ うぉーず】

ジャンル 音楽シミュレーションゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼働開始日 2014年11月20日
判定 良作
SOUND VOLTEXシリーズ

※同タイトルのWin(コナステ)版も存在しますが、本項目ではアーケード版について解説します。コナステ版は参考記述扱いで後述。



前作からインターフェースが変更され、よりサイバー・デジタルチックなデザインとなった。

『III』で実装された新要素

  • 新たな譜面難易度「GRAVITY」の登場
    • 『BOOTH』、『infinite infection』の楽曲に、『III』で追加された新要素(カメラワーク変更、同サイドのBTロング+FXロングや同サイドのBTショート+チップFX、つまみ始点フリーなど)を盛り込んだ譜面。
    • EXHAUST譜面のさらに上を行く難易度であり、旧曲でも『III』新要素を体感することができる。
      • なお『II』で「INFINITE」が追加された楽曲に、新たに「GRAVITY」が追加された例は現時点(2015/8/30)では存在しない。
    • 解禁には『II』と同じく「INFINITE BLASTER」のシステムを使用する。
  • ストーリーの追加
    • 公式上で構築された世界観「ボルテ学園」を舞台に、作中オリジナル曲のジャケットなどに登場したキャラクター「レイシス」「烈風刀(れふと)」「雷刀(らいと)」などの掛け合いを体感できるようになった。
    • なおストーリーモードが新たに設けられているわけではなく、ストーリーを進めていくためには、通常プレー時に課される課題を達成していく必要がある。
      • 課題を達成すると、3曲プレー終了後のトータルリザルト画面においてストーリーが進行し、次の課題が追加される。
      • ストーリーは複数の課題を内包したエピソード形式で配信され、課題を達成していくことで1章ごとに1~2曲解禁できる楽曲が入っている。解禁対象がSDVXIIIオリジナル曲の場合は、特定の課題を達成するかそのストーリーをクリアすることで初めてその楽曲が選曲可能となるが、FLOOR楽曲の場合は最初からNOVICE譜面のみ無条件でプレー可能になっている。
      • オンラインモードで課題を達成→トータルリザルトでストーリーが進行し次の課題を確認→次のクレジットで新たに課された課題を達成……といった流れで進めていく。
  • 「バトルシーケンスシステム」システム
    • ストーリーの一環であり、ネメシスクルーを使用した敵とのバトルシステム。一定以上HPを減らすごとに対象楽曲の譜面が低難易度から解禁されていき、撃破することでEXH譜面が解禁される。
    • ネメシスクルーはジェネシスカードの一部PUR(最上位レアカード)入手の際や、プレーボーナスで入手でき、未所持の場合はデフォルトのレイシスが選択される。
      • ただしデフォルトのレイシスは能力値が低めに設定されており、PURカードのような特効の相手もいない。
    • デフォルトのレイシス以外はスキルを所持しており、プレー結果によりステータスが強化される。
      • スキルのレベルはジェネシスカードがダブった際に強化される。(イベント開始前に引いたカードも対象)
    • ネメシスクルーの関係ないジェネシスカードもステータス強化には関わっており、今までに引いたジェネシスカードからステータスボーナスが算出される。引けば引くほど強くなるため、引いた枚数によってはそれだけでかなりの強化になる。
  • 新たな称号、「Lv11 或帝滅斗(アルティメット)」と「Lv∞ 暴龍天(ボルテ)」の追加
    • スキルアナライザー第4回コースにて追加された。それまで最高の称号であった「Lv10 剛力羅(ゴリラ)」よりさらに上の段位にあたる。
      • 「或帝滅斗」は難易度15の中でも最強クラスの譜面が課題曲となっており、「暴龍天」に至っては現時点での最高レベル16を3曲続けて厳しいゲージの元で完走しなければならない。
    • これらは剛力羅以下の段位と違い、課題曲となっている3曲全てを解禁しなければ挑戦権すら得ることができない。特に「暴龍天」の課題曲を解禁するにはかなり複雑な手順や相当の実力が必要であり、まさに選ばれし者だけがその扉を叩くことができるという仕様になっている。
  • 「リアルアピールカード」の登場
    • 正式名称は「ジェネシスカード」。これまではゲーム上の存在だったアピールカードを、印刷して実際に入手できる。ゲームモード選択時に「GENERETOR START」を選択すると入手可能。
      • カードの絵柄は楽曲ジャケットのものから、KONAMIスタッフによる描き下ろしイラスト、過去にイベント告知に使用されたイラスト、FLOORにて公募されたイラスト等々。
      • ジェネレーターは第一弾、第二弾…といった感じで30~50枚単位でパッケージ分けされており、中には他作品とのコラボジェネレーターや、CD等のグッズ特典やイベント来場特典で配布されるシリアルコードを使って排出するスペシャルジェネレーターも存在する。
      • カードにはレアリティが設定されており、基本的には「PUR(パーフェクトアルティメットレア)」「UR(アルティメットレア)」「金枠」「銀枠」の4種類。金枠はレア、銀枠はコモンに相当する。
      • PURカードにはゲーム内で使用できる「ネメシスクルー」という特典が付いており、プレー中画面に登場するナビゲートキャラをPURカードの絵柄のキャラクターに変更できる。
      • URカードはゲーム内で使用できる「サブクルー」が特典として付属しており、バトルシーケンスにおける補助効果を持つキャラとして付けることができる。
      • 一部の金枠カードには、ゲーム内のアピールカードとしても使用できる特典が付いている。
    • コインプレーの場合は2クレジット分*1、2016年3月下旬の意アップデート以降はPASELIでもLIGHT STARTの料金に+100円で、1枚購入のGENERATOR LIGHT STARTを利用可能。
      • PASELIで支払う場合、GENERATOR STARTを選択し追加料金を支払うことで印刷枚数を1~5枚まで選択することができる(1枚分は基本料金*2に含まれている)。この場合は3曲完全プレー保証となり、途中でクラッシュしようが必ず3曲プレーできる。恐らく複数カードの印刷にかける時間を確保するためと思われるが、料金は当然高くなるので注意。
      • なお、カード購入時はたとえGENERATOR LIGHT STARTであってもスキルアナライザーのプレーが不可能になる。
    • 一言で言うと「オレカバトル」などの技術を再利用した要素。カード裏の模様はまさにそれ。その場で印刷される事もあって、レアカードだけが抜けた状態でプレーといった心配は一切ない。
      • 実際、上部のいかにもな物体は単なる装飾であり本体は荷物置き部分の内側にあるプリンターである。
    • 入手したカードの種類はゲーム内データとして自動的に保管される。
      • 特定のカード入手時にはアピールカードやネメシスクルーも自動で入手できる。
    • ダブりへの救済として「ジェネ力(りょく)」システムが途中から追加された。
      • 既に所持しているカードを1枚引き当てるごとにジェネ力が10%ずつ溜まっていき、100%溜まった回の次のプレーでジェネシスカードを引くと、ジェネ力を消費して未所持のカードを必ず1枚入手できるというもの。
      • この対象は銀枠からPURまですべて対応しているため、カードを引き続けていれば最終的には必ずコンプリートできるという仕様になっている。
    • 時折、期間限定で全3枚~全5枚程度の小規模なスペシャルジェネレーターが登場することもある。
      • 枚数が少ないからか、複数枚同時に引いても重複する場合もある。中にはそもそもラインナップが1枚しかないものも。
      • 後に登場した「ひなビタ♪」とのコラボ企画である「ここなつジェネシスカード祭(全5枚)」では、複数枚引きで重複しない仕様が復活した。
  • ARS(Alternative Rate System)
    • 「GENERETOR START」をPASELIで料金を支払って選択した場合のみ使用可能。Excessive Rateでプレーした際に、途中でゲージが0%になってもTRACK CRASHとならずに、ゲージが通常のEFFECTIVE RATEに切り替わってゲームが続行され、曲の最後までプレーできるというもの。
      • 元々3曲完全保障であるためARSを使わずとも途中落ちを恐れることなくプレーできるが、Excessive Rateで抜けられるかもしれない…という譜面に対して気軽にExcessive Rateが使えるところや、譜面全体の感覚を掴みながら挑戦できるという利点がある。
  • スキルアナライザーの課題曲に複数のコースが設定された
    • IIでは課題曲が各段位それぞれ3曲固定であり定期的に入れ替わる仕組みになっていたため、特定の曲が苦手なだけで段位を上げることができないという現象が発生していた(特に個人差が大きいとされた「凛として咲く花の如く」や「大宇宙ステージ」などが居座る場合も多かった)。
    • 今作は1回毎の段位更新でも内容が大きく異なる複数のコースが用意されるようになり、現在は10以上のコースが用意されている。そのうち1つのコースでも完走すればその称号を取得することが可能。
      • 最新のコースを完走すれば称号プレートに銀枠、全コースを完走すれば金枠が飾られるなど、同じ段位の中でも実力が細分化して現れる仕様は引き継がれている。
  • 「FLOOR INFECTION」「POLICY BREAK」の仕様変更
    • 2015年1月末から『II』に引き続き再開され、解禁途中の物がある場合は以前のゲージを引き継いだ。
    • 『II』では別機種の同時並行開催(過去イベントは2つ、新規イベントは最大3つ)という形だったが、本作では該当機種の全イベントが同時開催される形になった。
      • 例として、再開初回のリフレクビートとのイベントでは、リフレクビートとの間で行われた過去の4イベントが全て同時開催された。
      • 代わりにゲージは独立する形になっており、同時開催の弾から個別に選んでゲージを選んで増やす形になった。
      • ゲージ選択式になった事で、ゲージ選択時に余ったゲージは別のゲージに使えるようになった。
    • 「FLOOR INFECTION」は今までは3曲固定だったが、1曲及び2曲の場合もあり。
      • この場合、1曲開催は3回プレー、2曲開催は2回・3回で計5プレーで終了となり、相応にプレー回数も減っている為、縮小開催という形。
      • 中には通常よりも解禁が重くなっている弾もあり、そちらは1曲開催で8回プレー、2曲開催で6回・6回で計12プレー、3曲開催で2回・4回・6回で計12プレー、と相応に必要回数が増えている。
    • 今作では今までずっと触れられていなかった『beatmania IIDX』との連動も行われ、ポップンの前例からキー音が不安視されていたが、きちんとキー音を切った上での移植が行われた。
      • この際は、今までの8クレでボルテ1曲、連動先3曲という形ではなく、上記のようにお互い6クレで1曲という形に変更された。
  • 課金アイテムの登場
    • HPの購買部にて、アピカを回すためのパケット(Pc)や楽曲をインプットするためのブロック(Blc)に関する課金アイテムの販売が開始された。
    • 1クレジットごとに獲得量が1.5倍になる「ブースター」や、PcをBlc、あるいはBlcをPcに一定量だけ変換できる「エクスチェンジャー」がある。

評価点

さらに増加した譜面パターン

  • 同サイドにおけるBTロング+FXロングや同サイドのBTショート+チップFX(重ね配置)、アナログデバイスの始点フリー化(アナログラインがどこからでも始まる)、アナログデバイスがレーン外に飛び出すなど、譜面バリエーションはさらに豊富に。
  • また、演奏画面中に表示されるレーンが前後傾斜、上下移動をするところもあり、演出が強化された。
    • ちなみにこれらの新要素は『III』稼働時点から追加された曲の全譜面(NOV・ADV譜面も例外ではない)、または上述した旧曲の「GRAVITY」譜面に存在。

システム面もさらに向上

  • Hi-SPEED調整
    • 上限が最大6倍だったが、7倍にまで上げられるようになった。
    • スタートボタンを押しながらテンキー「6」を押すことで曲開始時点のHi-SPEED値を固定できるようになった。
      • これにより、マッチング画面で曲のBPMに合わせてHi-SPEEDを変更する手間がかからなくなり非常に快適。
    • また、スタートボタンを二度押しした状態でつまみを回すことで、Hi-SPEED値を1単位で調整することもできるようになった。
  • EARLY/LATE表示を追加
    • 演奏画面にEARLY(早押し)、LATE(遅押し)表示が追加され、どのタイミングでずれているかが把握できるようになった。
    • なおこのEARLY/LATEを表示する位置も、4つの高さから好きな位置を選んで表示できる。
  • 判定調整機能の実装
    • 2014/12/4アップデートより追加。スタートボタンを押しながらテンキー「3」、「9」を押すことで、-8~+8まで調整可能に。
      • ちなみに判定についてはバージョンが変わって若干深めになったこともあり様々な論争が巻き起こっていたが、公式のこの対応により大方収束した。
  • つまみの色が変更可能に
    • 赤、青、黄、緑の4種類から選択可能。おそらく色覚異常者に対する配慮の一面もあると思われる。
      • ちなみに左右どちらも同じ色にするネタプレーも可能だが…。
  • 選曲画面のフォルダ分けも細分化
    • Ver.別やジャンル別はもちろん、レベル別にも絞り込めるようになった。
  • トラックインプットステーション、アピールカードジェネレーターも大幅改良
    • トラックインプットに絞り込み機能の追加
      • 前作までは解禁したい曲を探し出すのが非常に煩わしかったが、今作から選曲画面と同じフォルダ分けが実装され、目当ての曲が見つけやすくなった。
    • トラックインプットでBT「A」を押すことでまとめて選曲が可能に
      • 上限はなく、ポイントさえあれば数十曲でもまとめて解禁が可能。
    • アピールカードも最大10枚まで一気に排出可能になり、前作のテンポの悪さを改善。
    • どちらも今までは1クレで数曲や数枚が限度だった為に、溜めたポイントが消化しきれない事が多々あったが、その心配はほぼなくなった。

衰えることのない楽曲追加ペース

  • 本作においても楽曲追加ペースは落ちておらず、様々な楽曲が順次追加され続けている。
    • 収録曲は500曲を超え、全曲触るだけでも大変なほどの豊富な曲数を誇っている。

隠し曲追加の為の補助

  • 後述する通り、相変わらず隠し曲の解禁方法自体に改善はないのだが、プレーボーナス等は定期的に行われている。
    • SDVXIII稼働日と同日に無印からアップデートされたREFLEC BEAT groovin'!! Upperとの連動ボーナス獲得システム「W.UP リフレ・パケブロインフェクション」により、リフレクを1プレーするごとに200PCと300BLCを獲得できる。
      • 次回作『REFLEC BEAT VOLZZA』の稼働に伴い、稼働日前日の2015年10月27日に「W.UP リフレ・パケブロインフェクション」は終了した。
    • スキルアナライザーが複数のコースずつ(最大3列ずつ)配信されるようになったため、新コース配信後に自分のクリア可能なレベルのコースを1列に一つずつクリアするだけで1536PC/1536BLCほどを楽に獲得できる。
    • 「一定期間内に1日1回のプレースタンプを溜め一定数ごとにボーナスBLC」(イベントによっては1日10個まで押せ、完了時に新しい台紙で押し直し可能な場合も)、期間内は一日一回ボーナスBLC配布等といったプレーボーナスイベントで結構な量のBLCを貰えることも多い。
    • ストーリーの進行によるPC/BLCのボーナスもある。半減はするがストーリーを周回するごとにゲットでき、楽曲解禁のところは次回では500BLCゲットできる。
      • 六章では後述の通り解禁が大変なもののその分ボーナスも多くなっており、楽曲を解禁するごとに3000BLC、つまり5曲合計で15000BLCも取得可能。
    • 2015年7月16日からは夏のボーナスとして、「1プレーに1曲ランダムで自動解禁」という大放出イベントも開始された(「解禁に条件が必要ない」「前作までの曲」「難易度EXH以下」という制限はあり、1日に解禁できるのは3曲まで)。
    • 購買部の販売アイテムによる補助を入れれば気持ち程度楽になった。
      • 5回分で150Pである為、おおよそ1.3回分のプレー金額で入手ポイントが1.5倍になる形。高いと見るか、あるだけ助かると見るかは人それぞれといったところか。
    • 2015年12月4日のアップデートで「おすすめ楽曲」フォルダが追加された。主に隔週で入れ替わる9曲が選出され、おすすめ楽曲をプレーすると通常の2倍のPC/BLCを獲得できる。
      • 楽曲の好き嫌い、新曲か否かに拘らなければ「おすすめ楽曲」フォルダ内の曲をプレーし続けることでかなり効率よくPC/BLCを稼ぐことができる。

賛否両論点

新たに追加された譜面演出に関して

  • 楽曲によってはレーンの前後傾斜、上下移動がかなり激しい。他、直角ラインが中央から逆側に走るケースもとっさには見分けが効きにくい。
    • 譜面の視覚的なセオリーを破壊しかねないアンフェアな要素であるため、一部では不評が出ているが、
      画面の回転に元々そういう要素がもたらされていたゲームである為、難易度の一つとして受け止める声もある。
    • 嫌われるだけの要素ではなく、『木彫り鯰と右肩ゾンビ』等、効果的に使われて好評の譜面も存在する。

譜面難易度が大量に下方修正

  • 今作稼働時に約70の楽曲・譜面の難易度Lvが変更されたが、そのうち上方修正されたのはわずか9譜面で、残りは全て下方修正となった。
    • 音ゲー全般に言えることだが、本作も例に漏れずインフレ化が進んでいるようだ。
    • これも音ゲーではよくある事だが、今回変更された中には何故下げたと言われている物もあるし、もっと弱いのに何故コレが下げられないのか、といった物もある。

「FLOOR INFECTION」「POLICY BREAK」の仕様変更

  • 該当機種の過去弾全てが同時開催されるようになった為、開催さえされれば逃した弾の解禁自体はしやすくなった。
    • とはいえ、その機会を逃すと次の機会がいつになるかわからない点は改善されていない。しかもイベント頻度自体が以前に比べると落ちている。
      • 特にギタドラとの連動は『II』×『OverDrive』での連動を最後に『III』と『Tri-Boost』では稼働中一度も開催されないままどちらも次作へ移行となった
  • 「FLOOR INFECTION」については、『II』では機種が異なるとはいえ同時にゲージを伸ばせたのが、選択式になった為にそれが不可能になった。
    • 例として『II』で同時開催された10弾(DDR)・11弾(Rb)・12弾(pm)ではSDVXを8回プレーだけで計3弾を同時解禁できたのだが、『III』でこれらが復活開催された時はそれぞれ別々に8回ずつ(24回)が必要となっている。
    • 一応『II』で同じ機種のイベントが複数開催された事はないので、機種間1対1で見た場合には悪化してはいない。その為、主にこの問題がのしかかるのは複数機種プレーヤーになる。
  • 解禁条件の緩和などはないため、新規にイベントに参加したプレーヤーなどは短期間にかなりのクレジット数が必要になってしまっている。
  • 第15弾(Beatmania IIDX)ではお互いに6クレで1曲(2回分同時開催なので正確には12クレで2曲)という形になり、ボルテ側からすれば不公平感がなくなり必要クレジット数も減る形になったが、以降の新規開催の際には結局以前の8プレーで1曲(連動側は3曲)形式に戻った。

新曲の高難易度化

  • 上位プレーヤーが増えてきたのを受けてか、前作まで以上に新曲EXHAUST譜面におけるレベル14以上の割合が増えた。
    • 新曲として追加されたレベル14以上の割合は、『BOOTH』で約3分の1なのに対し、『II』では約3分の2、今作に至っては4分の3以上を占める。レベル11以下のEXHAUST譜面に至っては現在ゼロ。
      • レベル12以下はADVANCED譜面で増えている為、ちょうど合間のレベル13への追加が少なくなってしまっている。
      • とはいえ、14への追加ですら手ごたえがないと感じるプレーヤーも多い為、15以上の曲が多く追加されている事自体は喜ばれてもいる。
    • また新曲として追加される曲の大半が同レベル帯の中でも上位、あるいは詐称レベルであり、レベル全体としてもインフレ化が進む要因のひとつになっている。

問題点

ほとんど緩和されない隠し要素の解禁

  • 楽曲解禁にブロックを必要とするのは変わらず。『II』の楽曲もいくらか値下げしたが、『III』の楽曲のEXHAUST譜面は相変わらず『II』当時のレートそのまま。
    • 選んだ譜面とその下位難易度の譜面をまとめ買いせねばならない仕様もそのままである。
  • 条件が必要な解禁曲の緩和もなし。また『II』で一度条件を満たしていても未購入のまま終わった場合、『III』で新たに条件を満たしなおす必要がある
    • ブロックが必要な点はともかく、条件に関してはそろそろ緩和を望む声も多い。
  • ジェネシスカードの問題点
    • 当初はアピールカードに近しい収集要素でしかなかった割に、カード1枚当たりの値段がおよそ100円と単純に値段が高い。
      • ジェネシスカードには描き下ろしイラストも多数存在するが、イベントで使われたイラストや楽曲ジャケットなど、本来ならば従来のアピールカードが担っていた役割を横取りしてしまった感も否めない。
    • ジェネシスカードが登場して以降、追加されるアピールカードはほとんどミッションやスタンプからの報酬となってしまい、アピールカードジェネレーターへの追加は長く滞ることとなり、あくまでゲーム内のアピールカードの収集に精を出していたプレーヤーからは不満も上がった。
    • ランダム入手である以上、当然ながら「ダブり」も存在する。
      • 一応、1プレー時にまとめて複数枚(最大5枚)引けば重複しないというサポートはあり、後に登場した「ジェネ力」システムのおかげで多少なりともコンプリートしやすくはなった。
      • ダブりはバトルシーケンスの強化に使われるため、ある程度フォローはされているというべきか。
      • 小規模イベントの際、同時引きでも重複回避が出来なかった為、枚数が少ないからと試しに手を出したプレーヤーが痛い目を見た、なんて話も。
    • 後にバトルシーケンスでダブリも含め使い道は出来たが、はっきり言ってしまえば「課金ガチャ」がゲームに関わるようになってきたということである。
      同様に、ネメシスクルーや付随アピールカードは自動入手である為、これらをトレードで入手する事は出来ない。

バトルシーケンスの問題

  • 要約すれば1曲解禁につきなんと20クレほど。それを緩和するには「課金ガチャ」あるのみ。
    つまりどのみち相当な貢ぎを強いられる要素であり、「アーケードなのにソシャゲ化している」との悲鳴まで上げさせた。
    • ナビゲートキャラのカスタム要素であるネメシスクルーを所持していればそれだけで解禁が1.5倍程は早くなり、特定のクルーは特定の相手にさらに3倍の効果がある。加えて今までに引いたジェネシスカード毎にステータス強化がある為、引けば引くほどステータスが強化される。
      • しかし、そのネメシスクルーの入手は先述したジェネシスカードの中でも当選率が極めて低いPUR(パーフェクトアルティメットレア)入手が条件である。
        ジェネシスカードを引いた履歴を元にネメシスクルーの入手や強化が行われるのでトレード不可なのもかなり厄介。
    • 一応ジェネシスカードを引かずともプレーボーナスによるクルーの配布も行われたが、一つは夏休みの45日間程の間の30日間にプレーが必要(一日限定一つのスタンプを押し、30個目で獲得)だった為、頻繁にプレーできない人は実質入手不可能だった。
      • このクルー自体はクリティカル性能が高く、運次第で通常の4~5倍のダメージを与えられる場合もある為、他にPURカードを持っていなければそれなりには便利な性能ではあった。
    • かなり経った後、東方アレンジコラボの一環で上記同様のプレー回数ボーナスでのクルー配布も行われた。
      • こちらは東方アレンジ曲のプレー回数によるスタンプであり、一日の上限もない為、時間のある日に集中プレーすればすぐ入手する事も出来た。性能的にもジェネシスカード以外の中ではまずまずの性能だった為、一種の緩和措置と取れなくもないが…。
    • 2015年12月4日追加のストーリーからは、箸休め的な側面もあるサイドエピソードでもバトルシーケンスが発生するようになった。
    • 救済措置というわけではないが、現在最も解禁に手間の掛かるボス曲4曲の一部譜面が2015年12月10日以降スキルアナライザーの5th KAC予選コース(とその下位互換コース)でプレー可能となった。
      • しかしLv10~12の譜面にはとても歯が立たない初心者、Lv15上位譜面でも物足りない上級者はやはり該当ストーリーでNOVICE、GRAVITY譜面を自力で解禁するしかない。

その他

  • オンラインマッチング成立率のさらなる低下
    • 収録曲が次々と追加される状況においてプレーされる曲もまたばらけるようになり、SAVED保障としての役割はさらに薄くなってしまっている。
      • 「マッチング受付中」のランプが点灯している曲を選択してもロード中に相手がSKIPしてしまい、結局マッチングが成立しないというのがほとんど。
      • さらに厄介なのが、前述のストーリーの一部課題(イベントでのサブストーリー含む)で「他プレーヤーとのマッチング」も条件となっている点。イベント開催後しばらくはこのイベントの為にマッチングを望むプレーヤーも多く、マッチングしやすかったが、それを逃した後では新曲などの選ばれやすい曲を狙うでもしないとなかなかマッチング出来ない事もあった。一応ローカルマッチングという抜け道があるとはいえ、確実なマッチング方法はないのが現実である。
      • おすすめ楽曲に選出されるのは主にBOOTH~II初期の曲なので、「おすすめ楽曲」フォルダの曲も特別マッチング率は高くなくマッチング系の課題クリアへの活用は期待できない。
      • ちなみにストーリーの課題の中に「マッチングしないように3曲プレーする」というものがあるが、皮肉にもこちらの方が圧倒的にクリアしやすくなっている。
  • スキルアナライザー等によるクリアレート低下がさらに悪化
    • スキルアナライザー時のUC未満で未クリア扱いという仕様はそのまま引き継がれた為、スキルアナライザーで選ばれたII以前の曲のクリアレートがさらに低くなった。
      • SDVXはハイペースで楽曲が追加される事もあってクリア済みの曲に触れる機会も減りやすく、この問題がIIIになってより顕著になった。
    • 特にレベル14は、15以上を主に選ぶ上級者がクリア済みではあるがスキルアナライザーで触れやすいというレベルになっており、さらに楽曲数も全レベルで一番多いせいでクリア済みの曲は選ばれにくいという状況も重なってしまい、クリアレートは参考にならないと言われてしまっている。
  • 難易度表記の限界
    • 本作は2年間というBEMANIシリーズの中でもかなりの長期間稼働しそれに伴い上位レベルの譜面も大量に追加されたのだが、その割にはレベル表記が相変わらずの16段階で変化が無く、いわゆる詐称曲・逆詐称曲の増加、同レベル内での難易度差の拡大等、レベル表記上の問題が増えていった。
      • その為プレーヤーからも難易度表記の改訂が渇望されており流石にスタッフも事態を深刻に見ていたのか、次回作『IV』では最大20段階に改訂される事になった。

総評

シリーズ三作目となってシステム面は大幅に向上。譜面バリエーションもより豊かになったことで、本作独自の操作感による楽しさはさらに増したといえよう。

楽曲ラインナップに関しては前作よりも一層豊富になり、カテゴリ分けや解禁画面の見直しにより、プレーしたい曲を見つけ出すのは前作よりもいくらか楽になった。
本作独自の操作感や楽曲に興味を持っている限りは今から触れてもまだ遅くはない。
しかし、貢ぎゲー的な方面は改善される素振りがないどころか、ソシャゲーさながらの課金ガチャ要素まで導入しているその有様を見過ごすことは決して出来ないだろう。現時点ではそれがまだクリティカルに影響していると言える規模ではないのが救いである。


余談

  • バージョン番号の後ろの表示について
    • 本バージョン以降、タイトル画面左上のバージョン番号表示の後に3桁の数字などが表示されている筐体がある。
      これはSOUND VOLTEX GENERATOR -REAL MODEL-のステータス表示で、3桁数値の場合は残量、Pで始まる4桁数値の場合はエラーコードである。

コナステ版(参考記述)

  • Win版『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS』
    • 「beatmania IIDX INFINITAS」に続くe-AMUSEMENT CLOUD対応のBEMANIシリーズとして『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS (e-AMUSEMENT CLOUD)』の制作が2017年2月8日に発表され、同年5月12日よりαテスト版の配信がスタートした。製品版の配信日は2017年10月から始まり、その2ヶ月後の12月より専用コントローラも発売された。
      • 後に「e-AMUSEMENT CLOUD」が「コナステ」に名称変更されたことに伴い、2018年9月より『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS』に変更され、通称「コナステ版」と呼ばれるようになった。
    • GRADEにA+、AA+、AAA+、Sの追加、各譜面の難易度表記が20段階になる等『IV』の仕様が一部取り入れられている。また、本作への書き下ろし新曲がいくつか追加されている。
      • 専用コントローラはボタンが嵌りやすく、つまみの部分がガチャガチャしやすい等の理由で(第1版専用コントローラに限って)評価は芳しくなかった。その事について、公式が謝罪している。
    • 2021年12月1日より後継作であるコナステ版『SOUND VOLTEX EXCEED GEAR』が正式サービス開始。
      • 本作からのデータ引き継ぎが行えるが、従来の「REGULARコース」(チケット消費)に準じたモードは廃止。「INFINITEコース」(月額コース専用)に準じたモードへ一本化され、ベーシックコース加入が必須となった。
      • これに伴い、コナステ版の本作『III』は2022年6月1日をもってサービス終了となった。
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最終更新:2023年01月18日 17:36
添付ファイル

*1 厳密にはLIGHT STARTの料金+100円となっている模様。初期設定ではLIGHT STARTが2クレジットのため3クレジットとなるが、今日ではLIGHT1クレジット+追加1クレジットで2クレジットであるのが一般的。

*2 初期設定が480Pなのに対し一般的なレートでは240P。なお設定によらず2枚目以降は1枚100Pとなる模様。