龍が如く6 命の詩。

【りゅうがごとく しっくす いのちのうた。】

ジャンル アクション・アドベンチャー
対応機種 プレイステーション4
メディア BD-ROM 1枚
発売元 セガゲームス
開発元 セガゲームス(龍が如くスタジオ)
発売日 2016年12月8日
定価 8,190円(税別)
レーティング CERO:D (17歳以上対象)
判定 黒歴史
ポイント グラフィックやシームレスな行動などは旧作から進化
しかしボリュームはPS2時代とどっこい
バトルシステムも劣化
既存キャラをないがしろにしたシナリオ
みんなが大事にしてた遥ちゃんをキズモノにしやがった!
龍が如くシリーズリンク



桐生一馬伝説、最終章



概要

  • 『龍が如く』シリーズ第11作目。第一作目から主人公を務めた桐生一馬の最後の戦いを描く。前作『龍が如く 極』から一年経たずに発売された。
    • 本シリーズは『龍が如く 維新!』以来、PS3とPS4のマルチタイトルが3作続いていたが、今作はシリーズ初のPS4独占タイトルとなった。
    • 舞台はお馴染みの神室町と新規マップである広島・尾道仁涯町(広島県尾道市がモデル)。
    • 声優も「3」で神田を演じた宮迫博之氏、力也を演じた藤原竜也氏が再び別役として呼ばれている。さらにたけしの挑戦状を作ったとしてゲーム史上にその名が刻まれたビートたけし氏が参加してる。
    • ナンバリングとしては「3」以来の桐生の一人の単独主人公である。
  • 「ドラゴンエンジン」という新規開発のゲームエンジンによって生まれ変わったシステム、シナリオは「桐生一馬最終章」と大々的に宣伝され、ファンから期待されたのだが……

ストーリー

2012年12月、桐生一馬は黒澤一派との戦いで瀕死の重症を負うもコンサートで自身の生い立ちを暴露し電撃引退した澤村遥によって病院に連れていかれる。
ほどなくして桐生の元に警察が現れ、黒澤一派との事件の首謀者として逮捕されることになる。
桐生は今後の遥やアサガオの子供たちとの生活を考え、身を洗う為に逮捕を受け入れる。

2016年12月、刑期を終えた桐生はアサガオに戻るもそこに遥はいなかった。
アサガオの子供の一人である綾子によると、遥は引退騒動以降『ヤクザに育てられた娘』のレッテルを貼られ日々ゴシップ誌やネットで晒され炎上しており、みんなの迷惑にならない為に3年ほど前に出ていったという。
遥の行方を探す為に桐生は神室町へ行くも、神室町は1年前の亜細亜街の大火事以来中国系マフィア「祭汪会」が神室町へ進出して東城会と勢力争いを繰り広げて様変わりしていた。
またその争いは一般人の被害も多く、責任として東城会会長である堂島大吾と東城会直系真島組組長の真島吾朗が逮捕されたという。
神室町で遥の手がかりが掴めない桐生だったが、そんな時桐生の腐れ縁の刑事である伊達真から突然な電話がかかった。
「遥が轢き逃げにあった」と。

遥は神室町に来ており、つい先程轢き逃げされてしまい現在意識不明の重体だという。
そして彼女は轢かれる際に1歳弱の赤ん坊を庇っていた。
遥の持ち物を見る限りその赤ん坊の名は「澤村ハルト」。つまり遥は子供を産んでいたのであった。
このまま遥の意識が戻らなければハルトは施設に連れていかれると桐生はハルトを誘拐同然に連れ出す。
そして遥の携帯電話を調べた結果、遥は尾道に住んでいたことが判明する。
尾道は東城会・近江連合に次ぐ極道組織「陽銘連合会」が牛耳る土地だが、危険を承知で桐生はハルトを連れて彼の父親を探す為に尾道に向かうのだった。

システム

  • 今作は「PS4独占」ということも含めて、様々な要素が一新されている。
  • バトル
    • 「アクションマッチングシステム」と呼ばれる新システムによって、攻撃が敵にヒットする直前に敵の状況を判別して状況に応じた自然な攻撃モーションが発生するが……(後述)。
    • 攻撃命中部位によってもキャラクターのリアクションが変化するようになっているなど、戦闘演出がよりリアルになった。
    • 新システムの「フィギュアシステム(いわゆるラグドール物理)」によってオブジェクトに対しての細かな動きが調整されている。
    • また、これまでは敵に絡まれると全滅させるまで終われなかった戦闘で逃げることが可能になった。
    • 桐生の能力が一時的に上がる「アルティメットヒートモード」が追加された。発動中、能力が一時的に上昇し、体力が1残ったままでバトルに敗北しない。ただし「アルティメットヒートモード」を解除後、体力1の状態でダメージを受けると、直ちに敗北する。
  • アドベンチャー
    • 今作では街の細かな部分にシームレスで行けるようになり自由度が増した。
    • 管理画面もスマートフォン(SONY Xperia)を使い所持品の管理や能力強化、ゲーム設定を行う。
  • 能力強化
    • 今作では、5種類に分かれた経験値(筋肉、俊敏、根性、技巧、魅力)をバトル・サブストーリー・ミニゲーム・食事によって取得することができる。
    • 食事に関しては従来以上にその重要性が増し、体力回復に加え「胃袋ゲージ」が満タンになるまで経験値は入手できるので、バトルや移動で胃袋ゲージを減らしつつ食事を習慣づけることが成長の早道となる。
    • 特定の組み合わせの食事で経験値ボーナスを得られる「コンボボーナス」や、「RIZAP」でトレーニングした後に指示通りの食事をすることでより多くの経験値を貰うことができる。
  • ミニゲーム
    • 「ライブチャット」、「猫カフェ経営」、「草野球」、「素潜り漁」、「スナック遊び」などの新ミニゲームが用意されている。

問題点

ゲーム面

圧倒的なボリューム不足

  • 「5」に実装されたカジノ、賭博、将棋、ボーリング、UFOキャッチャー、釣り、プリサークル、ゴルフ打ちっ放し等の10数個のミニゲームが削除。確かにミニゲームは使い回しが多く、いらないという声もあったが、その減った分新しいゲームが増えたのかというと5個なのでこれでは物足りない。
  • 1作目からずっと実装されていた闘技場も廃止、おまけにクリア後の「究極闘技」も廃止。クリアしてやる事がほとんど無くなってしまった。
    • 予定されていたDLCで何かミニゲームの追加があるのでは? と期待もされたが、結局全て桐生のコスチュームが追加されただけだった。
  • サブストーリーも過去最少。今まで最小であった『龍が如く OF THE END』の60個を下回る52個。前作『極』と比べて大幅にダウン。
  • シナリオも「13章」。0の「17章」維新の「14章」と比べると若干減っている。シナリオのボリュームは及第点だが他の要素が補える量とは言えない。
    • 全体的なボリュームはPS2の『龍が如く2』並と揶揄されることも。その『2』もサブストーリーは本作より遥かに多く、メインシナリオも長かった。
    • これで価格は8000円を超えるフルプライスである。
      • 前作『極』もボリューム不足は指摘されていたが、まだボリュームの充実していなかった『1』のリメイクであった事や、価格が抑えられていた事から本作ほどの問題にはならなかった。

資金繰りの難しさ

  • 全体的に資金繰りが難しい
    • 前述の通りカジノ、賭場が消されたせいで資金繰りが面倒になってしまった。
    • サブストーリーで稼げるかと言われれば、そこまで報酬が多くない。クランクリエイターが一回で10~20万稼げる程度である。
    • 物価も増価しており回復アイテムや防具が高い。

オートセーブ機能

  • 今作ではシリーズ初のオートセーブ機能に対応した。
    • だがオートセーブをオフにすることは出来ない。複数のセーブデータ作成は可能でオートセーブされるのはロードしたデータのみであるが、かなりとっつきにくいものとなっている。
      • サブストーリーやボス戦の前でセーブしておいて何度も遊びたいという場合には、もう一つ新しいセーブデータを作っておいてから遊ばなければサブストーリーやボス戦終了直後にオートセーブによってデータが上書きされて周回プレイでもしない限り二度と遊べない事態に陥る危険性がある。
      • また裏ボス戦は戦闘開始時にデータが上書きされるため、もしセーブデータが1つだとすると裏ボスを撃破するまでフィールドに戻れなくなり、最悪詰む可能性まである。

経験値取得バランスの悪さ

  • 先述の通り、本作の経験値は「筋肉・俊敏・根性・技巧・魅力」の5種類に分かれているが、 ぶっちぎりで「技巧」の取得率が悪い
    • ザコ敵とのバトルで入手できるのは上記5種のうち「筋肉・俊敏・根性」のみ。「技巧」の経験値を取得できるのは、特定の食事メニューを除いて、ストーリーボス撃破時・「達成目録」のクリア・神室町、尾道の強敵撃破・ミニゲームクリア時のみである。
    • 能力最大強化時、他の4項目の経験値がカンストしながら「技巧」のみ1桁台ということもザラである。
    • 一応救済措置としてか、ダーツの最強キャラであるポール・リムに勝利する度に技巧が100ポイント手に入る「技巧の書」を貰えるものの、それを差し引いても他の経験値より溜めにくい。

街も縮小

  • 龍が如く5』の5都市から一気に広島・尾道と神室町の2都市に減少。
    • とは言え、『維新!』や『龍が如く0』などは作り込みの密度を上げる事でボリュームを維持しており、街が少なくとも満足度は高かった。
    • しかし本作の場合、神室町は何故かマップ右上の神室町ヒルズを含む公園前通り一帯、賽の河原、チャンピオン街にすら立ち入ることができず、過去作より行動範囲が狭まった。
    • 追加された広島もプレイスポットが少なく、龍が如く伝統の寄り道が余りできない。

猫カフェ経営

  • 「経営」と名が付いているが、実際行うことは餌を与えて猫を集めるだけで経営要素は無い。
    • しかも、集める猫が街中に現れる条件はランダムであり、現れたネコがどの餌を好むのかも実際に餌を与えてみなければわからず、ゲーム性の欠片もない。
      PV等に宣伝していたので楽しみにしていた層もいたのだが……
      • PVの内容から、「実際には過去作のキャバつくのような経営要素もあったが、納期の都合で削減されたのでは」というプレイヤーの推測も出ている。

ハルトあやし

  • シナリオの途中でハルトをあやすミニゲームをプレイすることになる。ハルトが喜ぶようにコントローラを振るという仕様なのだが、上下と左右の認識がシビアで上手くいかない。素直に十字キーにすれば良かったのでは……
    • 一度あやしても道に迷ったりして時間がたつとまたあやす必要があるため、非常にテンポが悪くなっている。

バトル面

バトルスタイルの減少

  • 「4」から複数のバトルスタイルをプレイヤーが使用できるようになったが、今回は桐生のバトルスタイル一つだけ
    • 「極」は使い回しとは言え、4つのバトルスタイルがあった。

桐生の弱体化

  • 全体的に、自由度が大幅に低下している。
    • 攻撃スピードをMAXにしてもまだ遅く、コンボ時のフィニッシュブロウは数拍置いてから発動するため、まず敵にガードされる。相手のガードも打ち崩せない事が多く、今までの爽快感溢れるバトルからテンポが悪くなっている。
    • 虎落としや捌き打ちも弱体化。雑魚一人に虎落としを決めても倒せないことがある。
    • また、モーションの変更により、自由度のみならず使う価値のある技が減っている。例えば受け流しの場合、かつては敵を立ったまま気絶させてコンボや多種多様なヒートアクションに繋げることが出来る自由度の高い技だった。
      それが今回、敵を華麗に受け流して後方にすっ飛ばすが、遠くに飛ばし過ぎて桐生のコンボによる追撃が間に合わず、一種類の専用ヒートアクション以外にほぼ繋がらない。
      このように、演出的な格好良さやプレイする上での性能等諸々の理由から、狙って発動する意味が薄いアクションが殆どになってしまっている。
  • 敵を掴んで振り回す攻撃を行った際、敵がオブジェクトや壁に引っかかると桐生の手からすっぽ抜ける
    • しかも動作は中断されないため、桐生が一人でぐるぐる回りながら無様に隙を晒すことになる。
    • また、前述の「アクションマッチングシステム」の影響か、ガードにより攻撃モーションが中断され、よろめくリアクションが敵味方ともに発生してしまう。
      • これらが何をもたらすかというと、多人数戦において敵に攻撃をガードされる→よろめいた隙に他の敵に殴られる→よろめく→殴られる(以後ループ)……という目も当てられない事態を招く。
        振り回し攻撃が中断される仕様と合わせて、対多人数戦では過去作とは比べ物にならない苦労を強いられる。どれだけ上手いプレイヤーでも、先述の技の性能も災いして、多彩で格好良い魅せプレイは不可能に近い。
  • こちらが干渉できるオブジェクトが多いため、つかみ動作の暴発が多い。
    • 龍が如くシリーズのバトルでは路上にある様々な物を拾い、武器として扱えるのが特徴だった。本作でもそれは健在なのだが、ハード性能の向上で干渉できるオブジェクト数が増えたためか「敵を掴もうとして武器を拾う」という状況が過去作より増えた。
    • 特に顕著なのが「アルティメットヒートモード」発動時で、この状態では「攻撃ボタンを押すと近くにある武器を自動で拾う」という機能があるせいで上記が頻発する。
    • R2ボタンを押しながら戦えば武器の自動拾いは防げるのだが、取扱説明書やチュートリアルでは一言たりとも触れられていない。

敵に関する要素

  • 桐生が弱体化した一方、敵は強化されている。
    • 過去作で見られた「明らかに届かない距離から敵が連続技を出す」といういかにもゲーム的な挙動は減り、距離を取ると路上のオブジェクトを蹴り飛ばして攻撃してくるなど、AIの強化がなされいてる。これだけならば「バトルの歯応えが増した」とも取れるのだが……。
    • 以前から大振りの攻撃入力に反応して回避を行うAI設定(いわゆる超反応)の敵はいたが、今回は特に顕著。振り向き攻撃・回避しながらの攻撃はもちろん、つかみ動作すらもスイスイ避ける敵がいる。おまけにガードも固い。
      • こうした敵への対処法として有効なのが「距離をとってダッシュ攻撃→即離脱」だが、これが手軽すぎる上に他に有効な方法もないため、バトルが単調になりがち。
        実質的に「ドロップキックとアルティメットヒート以外使い物にならない」と言う批判は多い。
  • 今作では「アクションマッチングシステム」によってモーションが修正されるため、多少の高低差や左右の軸ズレがあっても攻撃が空振りすることが減少した。……ただ、これは敵側にも適用されている。
    • ストレスフルな例を挙げると、重量級のザコ敵が繰り出すドロップキックが追尾ミサイルのごとく空中で軌道を変えつつこちらに飛んでくる。この技にはダウン性能があり、しかも強化されたAIによって再度ドロップキックによる起き攻めを仕掛けてくることが多々ある。
      • 能力強化でダウン復帰技を覚えても、完全にこれを防ぎきれるわけではない。
      • これらの要素によって、歴代作の中でバトル難易度が最も高い作品となっている。特に敵の攻撃力がNORMALより2倍となるLEGENDモードでは、攻撃を避けたりしないと、あっという間にやられてしまう。設定でLEGENDを含む難易度変更が随時可能だったり、最高難度モードでもコンティニューや2連敗以上で難易度を一時的に下げること自体は可能。
  • また、本作の敵はモーションの種類が歴代シリーズの中でもとりわけ少ない。
    ザコ敵だけでも複数の格闘技をベースにしたバリエーションが過去作にはあったが、本作はほぼ二種類しか出て来ない。ボス敵に関しても、例えば秋山とラスボスと亜門等、モーション被りは多い上に、特に桐生と関係無いキャラが桐生と同じモーションをとることすらある。
    そのため、戦闘が非常に単調になっている。
    • 一方でイベントの多人数戦では『0』のラスボスなど、過去の強敵モーションを流用した“ザコ敵”が登場する。乱戦が困難な今作においては非常に厄介。

着水による即死要素

  • シリーズ恒例として高い場所や水辺でヒートアクションを叩き込むとボスキャラを除いて一撃で撃破出来るが、今作は水辺に限るが敵を吹き飛ばし水に落とすことで一撃撃破を狙うことが出来るようになった。
    • だがこの水辺は敵だけではなく桐生も吹き飛ばされたり、時にはダウン復帰技などのモーションで落下、即死する危険もある。
    • また、ストーリー後半の地形で海の上をジャンプして飛び移る箇所があるが、そこで飛び移りに失敗すると海に落ちてゲームオーバーとなる。
      • 落ちるとゲームオーバーになるということが事前に説明されることはなく、しかも飛び移るにはある程度の助走とジャンプする位置も要求されるために初見殺しとなっている。
      • この初見殺しの理不尽さに加えて、今作の桐生は素潜り漁で泳げることが明示されており、さらには高所から落下しても一切ダメージを受けないなど、水に落ちた程度で即死扱いは不自然だと批判の声が大きい。

武器のストック廃止

  • 武器はバトル中の拾得品に限定され、所持品としてのストックが不可能になってしまった。当然、武器屋などはなく、予め武器を持ち込んでの戦闘はできない。
    • また武器作成、武器コンプという要素もなくなり、ボリューム不足の印象を強める一因になってしまった。
  • アクションが苦手な人は「どうしても勝てない敵がいる場合、やむを得ず武器を使ってヒートアクションを繰り出す」という戦法が取れなくなってしまった。
    • 加えてバカゲー要素であったおふざけ武器等も削除されてしまっている。

ヒートアクションの減少

  • 上記の武器のストックが無い影響もあり、大幅にヒートアクションも減少されている。具体的には、最も数が少ない『1』より数個多い程度。『5』や『0』は全部で90前後あったのに対して、本作は30程度であるため、1/3にまで削減された。
    • 確かに使い回しが多いことは批判されたが、「消すならその分増やして欲しい」という指摘・要望が多い。
    • アクションの一新を謳いながら、実際には『0』などからの流用も散見される。
  • 今作は歴代よりもシームレスな戦闘を目指した影響からか、ヒートアクションの演出もコンパクトになっている。よく言えばリアルだが、悪く言えば通常コンボと変わらぬ地味さで、ケレン味も無く印象に残らない。
    • ボス戦専用のヒートアクションも、派手な超人的な打撃の応酬もあった歴代シリーズとは異なり、敵の連打をいなすだけのムービー等、演出面でも不評が多い。
      一章のボス戦だけは、例外的にド派手で格好良い演出で、評価も高い。そのため「単に納期の問題で力尽きたのでは」といった指摘もある。
  • アルティメットヒートモードは、ひたすら腕をブンブン振るデンプシーロールからの、桐生の連打をひたすら見るだけのQTEへの派生を頻繁に見ることが多く、バトルを極めて単調かつ冗長にしてしまっている。
    通常の打撃のフィニッシュをドアップかつスローにする特殊ヒートアクションも存在はするが、通常コンボの延長であるため同様に飽きが着易く、バトルの爽快感には貢献していない。

回復アイテム

  • 回復アイテムが種別ごとに所持上限が設けられ、大量所持ができなくなっている為、難易度が上がっている。
  • 前述の通り全体的に薬アイテムは値段が高騰して手に入れ辛い
  • シナリオ展開によっては店を利用できない場面もあり、回復アイテムを持ち込んでいない場合は詰む可能性もある。

天啓、師匠などの強化要素の廃止

  • 過去作には師匠にあたるキャラクターに教えを乞う、あるいは街の光景から「天啓」を得たりなど、経験値取得による能力強化以外でバトルスキルやヒートアクションを身に付けることができたが、今作ではそれが全面廃止されている。

シナリオ面

既存キャラの出番の無さ

  • 冴島は前作の後で網走に再収監され、真島と大吾は逮捕される為、序盤と最終盤しか登場しない。
    • それに伴い、毎回恒例だった真島とのバトルは今回は無い。この三人はシナリオ上扱いづらいという理由で刑務所に行ったとしか思えない。
      • 特に真島に関しては、『2』で政財界の重鎮達専用の施設である賽の河原の遊郭の経営に一枚噛んだコネによって、『4』や『5』の強大な権力との伝もある黒幕達でも、合法的には短期拘留が限界。暗殺を狙わないと排除が困難、という立場になっていた。
        それが本作では、「少し工作されたらあっさり長期服役に持ち込まれた」という展開から始まるため、「扱い難いからって処理が雑」などと批判されている。
    • エンディングにて、この三人が東城会を背負って立つことを改めて決意するシーンは評価が高いが、だからこそもっと本編に絡んでほしかったという声が多い。
  • また、情報屋の「サイの花屋」や古武術の師匠「古牧宗太郎」、スターダストのオーナー「一輝」 *1 や武器商人「上山兄弟」など、これまでのシリーズでそれなりに出番があったキャラも今作では本編はおろかサブストーリーにも登場しない。
    • 語られたキャラクターにしても、批判がかなり多い。
      先述のユウヤの場合、「ホスト業を含め接客業こそ自分の生き甲斐であり、その道を究めたい」という理由で武者修行の旅をする程接客に命を賭けていた男だったが、本作では一時の腰掛とは言え極普通のサラリーマンに転職。
      冴島との想い出を守る為に自分の道場を大勢の敵対者に袋叩きにされても守り抜いた曽田地は、本作ではあっさりと道場を手放していた。
      などといった次第で、過去作を愛好するプレイヤーの神経を逆なでしていると言った意見すら挙がることも。
      • 「最終章」という命題を打っているのにも関わらずこの状態なため、同じく集大成と位置づけられ、過去キャラが再出演しつつ扱いや主義も目立っておかしくない『4』と、しばしば比較して批判される。

サイの花屋

  • 特に従来作で情報屋である「サイの花屋」が拠点「賽の河原」ともども理由も無く登場しないのが余りに不自然。
    • 確かに彼の力を以てすれば今回のシナリオの肝である「ハルトの父親」や、亜細亜街放火の犯人といった謎の尽くがすぐに明かされてしまう可能性が高いが、誰も花屋について言及しないのはおかしい。何故5の亜門戦で谷村に言及したような事をしないのか
      • まだ「黒幕の陰謀に巻き込まれて警察に捕まった」等の理由付けをすればましだったのだが……

遥とハルト

  • 龍が如くシリーズでは既に「1」~「5」で桐生と遥のエピソードに関してほとんど描ききってしまっていた。その為、桐生をシナリオで動かすためか、今回は全体的に遥のキャラクター面で矛盾や違和感を抱かせることが多い。
  • まず、発売前から20歳という年齢で父親も分からない子供を産んだという展開に批判が出た。
  • 遥は小さい時から聡明な子供だったが、ハルトの出産、およびそれらに関連する行動はとても聡明とは言い難く疑問符を浮かべるユーザーが少なからず存在した」 *2
+  ネタバレ注意
  • その他キャラクター
    • その他のキャラクターにも批判が多い。
+  ネタバレ注意

その他

顔のモデリング

  • 今回は特に女性の顔のモデリングが余り良くない。キャバ嬢や街の女性など評価が低い。
    • 街の女子高生などは老けて見えることもある。
  • また、画質が向上したのに対して、実在の人間を参考にしたモデリングの表情が実に固い。実在の人間でなくとも、本来表情豊かな赤ん坊であるハルトに対する違和感は多く指摘されている。
    • 今回はサブストーリーでもフルボイスを導入しているため、この違和感はより強く強調されてしまっている。
    • そのため、「不気味の谷」「精巧な蝋人形による腹話術」等と揶揄されている。

賛否両論点

BGM

  • フォークシンガーの山下達郎氏が楽曲を提供。主題歌「蒼氓」をはじめ、名曲揃いとなっている。
    • ただし使い方に問題があり、曲が流れる場面がやたらと多い。OPやEDを含めゲームを通して用いられるその回数、なんと10回に及ぶ。「曲自体は良いのに萎える」という声は少なくない。

ライザップ

  • CM等でお馴染みの『ライザップ』に桐生が挑戦できる。ミニゲームをこなすと、リザルト画面で例のポーズとBGMが流れる。
  • バカゲー要素として初見では笑えるのだが、何回も見ると飽きる上にスキップが出来ない。

クランクリエイター

  • 桐生が桐生会というグループを作り、JUSTISという団体と抗争する。
  • 自分の組を持ちたいというユーザーも多くいたため、幹部達をスカウトしてヤクザらしい役職に就かせる等のヤクザシミュレーションという発想自体は評価されている。
  • ただ兵隊を闇雲に出せば、ほとんどゴリ押しで勝てるため難易度が低い。またシミュレーションなら『0』のキャバクラや不動産などの経営要素も加えて欲しかったという意見が多い。
  • また冴島、真島などの人気キャラを使用するにはブシロードウエハース300円で購入し付いてくるパスコードを入力するか、各500円で購入できるDLCを購入しなくてはならない。
    • 今まで龍が如くシリーズはDLC等は無料で行っていた親切な対応だったが今回から課金制に移行。しかもDLCとしては安くない値段。もちろん満足できる課金なら誰も文句言わないが、ミニゲームの追加キャラ程度では到底満足できる課金とは言えない。
    • 一応パスコードは1セーブデータにつき1人使えるとのことで共有可能なため攻略サイトに上がっている物を使用できるが…

シームレス

  • 今作からシームレスとなり、今まで店や建物に入るのにロードが不要になった。
    • また、建物によっては奥まで行き街を探索出来たり、ビルは屋上まで上ることができるようになった。
  • しかしそう言った中に入れる建物は3、4件だけで後の店は一階のみ解放などがほとんどである。
    • さらにビルの屋上まで上がった所で極一部を除いて特別な何かが用意されているという訳でもなく、ゲームとしてこの要素が生かされているとは言い難い。
  • エンカウントバトルも建物内でも戦う事もできるようになった。店の椅子やテーブルを破壊しながら敵を倒すのはなかなか爽快。
    • ただ、店内での戦闘後は「出てけ! 二度と来るな!」などと店員に罵られ、その店はしばらくの間利用出来なくなる。バトル中でなくとも単に建物内を走り回るだけでも簡単に椅子やテーブルを破壊できるため、サブストーリーで必要なアイテムを買う際等は注意する必要がある。
    • 「ドン・キホーテ」などの実在企業の店内ではほぼバトルができない。またバトルできる場所を増やしたい配慮か松屋が赤牛丸に変更されている。 *8
    • コンビニ内でのみ使用できるヒートアクションなどもあるが、店内でバトルが発生することがないため「道端でケンカを売られてからコンビニまで敵を引っ張って来なければならない」など、せっかくの作り込みがあまり活かせていない。
      • ちなみに前作『極』の早期購入特典でプレイできた本作の先行体験版では途中でコンビニ強盗が発生するため店内での戦闘も無理なく行えるようになっている。何故この要素を本編に組み込めなかったのか……
    • また広島ではバトル中に侵入できる建物は無い。
  • また、シームレスで移動とバトルの境目が無くなった事により、倒した敵がすぐにその場で消滅する様になった。前作までは倒した敵がバトル終了後に捨て台詞を残してとぼとぼ歩いて去っていくものだったが、そちらの方がリアルで味があったという意見が多い。

草野球

  • 桐生が草野球チームとして参加して、勝利に導くミニゲーム
  • 豪快な一発で試合を決めたり、野球シミュレーションとして要素があり中々奥深い。
    • だが、一方で打球の方向が固定されており、野球ゲームのように様々な方向に行くことはない。
  • またせっかくの草野球チームというミニゲームなのに、『5』の主人公品田が出なかったことを惜しむ者も多い。
  • ちなみに相棒千葉風太の特徴は「チャンス弱い」「メガネ」「瞬足の外野」……。誰かに似ているでやんす

一部俳優の演技

  • 南雲、広瀬、染谷、勇太の4人はおおむね好評。
    • 広瀬は発売前はたけし氏の滑舌が心配がされたが、スムーズな発音になっている。
    • 南雲を演じた宮迫博之氏、染谷を演じた小栗旬氏、勇太を演じた藤原竜也氏は声優としての実績もある為納得の演技力である。
  • 恒雄は「棒読み」「別に気にならない」「うまいシーンと下手なシーンがある」など人によって意見にばらつきがある。
  • 清美に関してはあまりいい評価を得られていない。また序盤から出番が多いため、なおさら棒読みが気になってくるという声も。
    • ただ落ちぶれた街のスナックのママとしては合っているという意見もある。

トラブルミッション

  • 街中でトラブルが起こるとSNSで情報が送られてきて、返信してトラブル地点に行くとトラブルミッションを始める事ができる。
    • 様々な内容や街全体にあるミッションはやり込み要素ではあるのだが、解決しても報酬は経験値のみ。その量もエンカウントバトルやミニゲームに比して多いというわけでもなく、アイテムや金銭報酬もないため、ゲーム的にはやる意味が殆ど無い。
  • 開始のきっかけとなるイベントも「町中でいきなり初対面のSNSの運営者に協力を求められる→桐生が同意する」という非常に薄味なもの。
    • こうした自警団的活動を行う人物は『4』に登場した「神室の盾」の赤石など、過去作にもいるのだが何故か再登場しない *9

サブストーリー

  • 今回ゲームの進行状況によっては草野球、スナックなどのミニゲームのフラグであるキーを達成しないで次のシナリオに進んでしまいこのミニゲームをプレイせずゲームをクリアしてしまう場合もある。
    • スナックのミニゲームは草野球のシナリオを進めていかないとスナックへは入れない。その為、スナック関連のイベントを体験せずにゲームをクリアする場合もあり、これに関連したスキルも死にスキルとなる。
    • とはいえ以前のシリーズにもフラグが立たないとミニゲームがプレイできないことはあった。

評価点

シリーズ屈指の低難易度トロコン

  • トロフィーが実装されている龍が如くシリーズの中でも、ダントツでプラチナトロフィーが取得しやすい。
    • 多少時間のかかる箇所こそあれど、運やプレイヤースキルに左右される場面は少なく、比較的容易にトロフィーコンプリートが可能。

街の作り込み

  • 街の作り込みはかなりリアルになっており、グラフィックも過去最高と言って良いだろう。
  • 以前からの平面的な移動から「ハシゴの昇降」「隣のビルに飛び移る」といった立体的な移動が一切のロードを挟まず可能になった。
  • また主観視点での移動が可能になり、より街の探索に没入感が増した。
    • ただし、主観視点はあくまで移動のみに限られ、主観視点のままバトルする事は出来ない。

スナック

  • 尾道のサブストーリーにスナック遊びができる。
  • 田舎ならではの新参者に厳しい常連や落ちぶれた街の人々などの会話やシナリオは引き込まれる。
  • スナックに登場してくるキャラクターも個性的で印象に残りやすい。スナックのママは今回の女性陣の中でも美人である。

カラオケ

  • 極では新規曲は2つだったが本作は5つに増えた。ただし「hands」のムービーは本編ムービーの使い回しである。

モーション

  • 歩く際に肩回しをしたり、襟や袖を直すなど非常にリアルな動作になった。

食事

  • 食事で手に入る経験値が増えた為、食事をするメリットが多くなった。

自動販売機

  • 過去作まではオブジェだった街中の自販機からも、飲み物の購入ができるようになった。
    • ほとんどの飲料にバトル・アドベンチャーで有利になる効果があるので、単なる寄り道以上のメリットがある。

広島中心のシナリオ

  • 桐生、遥などの既存のキャラクターは評価が低いが、新キャラクター達は概ね好評。批判があるキャラも桐生と遥と関わっている場合が多く、やはりシナリオのしわ寄せが来ている。
  • 陽明連合の謎や陰謀、広瀬一家のキャラクター性や雰囲気などは広島中心のシナリオはよくできている。
    • 特に南雲は実父と渡世の親の関係、幼馴染との三角関係など「1」の桐生を彷彿させるキャラクター設定でニヤリとできる。
  • また総長の広瀬とのバトルは演出等も熱く、ビートたけし氏の演技もあり迫力は満点。発売前は老人のとのバトルと聞いて歴代シリーズラスボスの「宗像征四郎」や「天海」を思い出し老人いじめになることを危惧した人も居たが、暗殺者に特化したバトルスタイルは老人でも恐怖と強さがあると高評価。

カメラ

  • カメラ機能で様々な場所を撮れるようなった。中には今まで死亡したキャラが幽霊として撮れる。
  • また街の人々や同行者にカメラを向けるとポーズをとったり、嫌そうに顔を背けるなどリアクションも豊か。

BGM

  • 染谷戦、広瀬戦などのBGMは好評である。
  • イベント戦闘決着時には、BGMのアウトロが違和感なく流れるという演出も好評。

フルボイス

  • 全てのシーンがフルボイス化されており、テキストを読む必要も無くなった。
    • 今までテキストやパートボイスのみだったサブストーリー中のふざけた選択肢も、桐生の渋い声で読み上げられる。

総評

シームレスやグラフィックなど改良された点はあるのだが、その分ボリュームを削られ、バトルを改悪されては3歩進んで10歩ぐらい下がっていると言わざるを得ない。シリーズでもマルチを含めればPS4での発売は4作目になる為、新世代のハードの開発にも小慣れていたはずなのだが…。
シナリオも「最終章」と宣伝した割には粗や矛盾が多く、とりわけ本作のダメな部分が尽くシリーズが着実に積み重ねてきた大事な部分を破壊する致命的なものである為、これまで『龍が如く』を愛してきたファンが納得のいく出来とは言い難い。
特に遥に関してはシナリオの都合のしわ寄せを大きく喰らっており、「『みんなが大事にしてた遥ちゃんをキズモノにしやがった!』はこっちのセリフだ」と激昂するシリーズファンも少なくない。 *10
長年主人公を務めてきた桐生一馬の引退作にも関わらず、『龍が如く』のファンにとっては容認しがたい、後味の悪い作品になってしまった。


余談

  • 2017年に発売予定だった『極』のベスト版には、本作の序盤をプレイ出来るお試し版のプロダクトコードが封入される予定だったが、結局これは発売中止となった。シリーズでベスト版が出ないのは今回が初めてとなる。
  • 発売後に行われたファミ通のアンケートでは、ユーザーの6割が本作のストーリーに不満があるという結果が出た。
  • 2017年1月13日の「ニンテンドーダイレクト」に名越稔洋が登場して、セガがNintendo Switchのソフト開発に参入する事を発表したが、当然ながら、本作を知るユーザーからは批判や不安視する声が相次いだ。


*1 奪われたスターダストを取り戻す為に奮闘している事がシナリオ中盤でユウヤから語られている。語られない他のキャラクターよりかはまだマシな方

*2 『1』の時点で「ソープがどんなとこか知ってる」と発言しており、当時9歳にして既に大人の世界の事情に精通している聡明な子供であった

*3 例え広瀬一家を破門になったとしても、元極道には違いない。おまけに彼は中国マフィアの血縁者である。

*4 1回だけでも遥と性的関係を持ったのなら、自分が遥勇の父親なのでは? と疑うのが普通だが、勇太は終盤で事実が明らかにされるまで本当に自分が父親である可能性を考慮していなかった。これが理由で、「遥は複数の男と性的関係を持っていた(少なくとも周囲からはそう思われていた)」という疑惑を持つユーザーまで出ている。

*5 トラブルミッションでも放火犯が2人現れるが両方とも最終的に自首するために、余計に勇太のラストに違和感を持つというユーザーもいる

*6 一応、自身の過去や児童相談所職員の態度を鑑みての行動ではある。のちのストーリー展開を考えれば結果的にハルトの命を救った判断とも言えるのだが……。

*7 どちらも飛び蹴りの交錯からバトルが始まる。

*8 唯一の例外が「APAホテル」。徹底的に破壊しても出入り禁止になることはない。もっとも、「APAホテル」は他の実名企業の店舗と違い、プレイヤーがお金を払って使用する事が元から出来ない仕様になっている。所謂、書き割りである。

*9 こちらはちゃんと現金やアイテムを提供してくれる。

*10 長年遥の声優を担当してきた釘宮理恵氏も、今回のシナリオには思う所があったのか、シリーズのレギュラーでありながらこれまで恒例となっていたインタビュー映像が存在しない。ゲーム本編ではOPとEDでしか出番の無かった真島役の宇垣秀成氏のインタビュー映像はあるのにも関わらず。