ブレイブダンジョン

【ぶれいぶだんじょん】

ジャンル クロニクル2DRPG
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア ダウンロード専売ソフト
発売・開発元 INSIDE SYSTEM
発売日 2016年11月30日
定価 500円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 6ファイル*1
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント 500円と思えない作り込み
快適さに特化したシステム
やっぱり豊富なやりこみ要素
その一方でストーリーはというと…
魔神少女シリーズ


概要

任天堂公式のインディータイトル「Nindies」第1弾として配信された、同人サークル『INSIDE SYSTEM』のRPG*2
同サークルの看板タイトル『魔神少女』のスピンオフ作品だが、サークル代表NAN-A氏の「魔神少女を知らない人にもプレイしてもらいたい」という意向により「魔神少女」の名は冠していない。

ストーリー

シェガー
それは人間族が魔法を使えるようになる奇跡の鉱石。多くの学者がシェガーを研究し、新しい力「魔法」が生まれた。
しかし魔法にも未だに多くの謎が残されている。

一部のシェガーの魔力は強力であり、特別な器を用意する事で魔力を封印した。
魔力が封じられたものを人は「マジックアイテム」と呼んだ。

時が流れ、過去に多く作られたマジックアイテムが世界の各所に眠っているという。
しかしそれらの多くは危険なダンジョンなどにあり、研究者が手に入れるのは容易ではなかった。
その危険な場所へと足を運び、生活している猛者たちがいる。人々は彼らを「トレジャーファイター」と呼んだ。

今ここに、1人のトレジャーファイターが新たな冒険へと向かおうとしている。

彼女の名前は「アル」
その大きな鎌から「死神」の愛称で呼ばれる彼女は、人間族が未踏のダンジョンに挑戦しようとしていた。
果たして彼女はダンジョンを無事に踏破し、マジックアイテムを手に入れることができるだろうか……。

(公式サイト、及びOPデモより引用)

基本システム

  • ゲームを始めるといきなりアル一人で最終ダンジョン「ゴッズヒル」に挑む事になってしまうが、これは所謂負けイベントのようなもの。通路を塞いでいる雑魚敵に為す術無くワンパンK.O.されて拠点の街「ニューポート」に強制送還されると、簡単な寸劇を挿んだ後に拠点での各種システムを利用可能になる。
    • ちなみに、雑魚敵と戦わずにゴッズヒルから退出しても普通にお話が進む。敵に突撃し「おお アルよ! しんでしまうとは なさけない…」となるか、それとも「逃げるんだよォォォ――――ッ」と言わんばかりに戦略的撤退するかはプレイヤーの自由。
  • ゲームの目的は最終ダンジョン「ゴッズヒル」を攻略する事。ゴッズヒル以外にも4(+1)種類のダンジョンが存在しており、好きな順番で攻略可能。綿密に用意をしているならば、いきなりゴッズヒルに挑んでそのままクリアーする事も決して不可能ではない。
    • ダンジョンは最初にそのエリアへ突入した時点では入り口(若しくは階段)の周辺しかマップが表示されておらず、スムーズに探索する為には踏破率を高めていく必要がある。
    • モンスターについては完全シンボルエンカウント方式。大抵の場合、道を塞ぐ様にシンボルが配置されているが、一部シンボルは迂回してエンカウントを回避可能。
      • またモンスターのシンボル以外にも「素材」「宝箱」のシンボルも存在しており、接触する事で素材アイテムや貴重なアクセサリを入手できる。
  • 戦闘時のシステムは比較的オーソドックスなコマンド選択式RPG。
    • 行動順は各キャラクターが持つ「素早さ」の数値によって大まかには決まるものの、常に不定。どれだけ強化しても先手を取られるリスクは常に存在する。
      • 上画面の下部には常に行動順番が表示されているので、例えば一番早く行動可能な敵を倒して相手の手数を減らす、複数回行動可能な敵を集中攻撃して被害を抑える…といった具合の戦略を練る事も可能。
    • 味方キャラは体力の他に「キャパシティ」というポイントを有しており、これを消費して技を繰り出す。当然大技であればキャパシティの消費も多い。
      • 「少し待つ」を選べば、ターンをスキップする代わりにキャパシティを溜める事も可能。戦闘開始時の初期値は50で、最大値は100。
    • ダメージを受けるとリベンジパワーが蓄積していき、一定量まで溜まれば切り札「リベンジマジック」を発動可能。
      • リベンジパワーの溜まり具合は下画面で確認可能。パワーが満タンまで溜まっていれば最大威力のリベンジマジックを放てるが、狙いすぎて逆にピンチにならないようにしたい。
    • 戦闘では事前に購入しておいたマジックアイテムも使用可能。コマンド選択時に十字キーの左右を押せばコマンド内容の切り替えができる。
      • 敵から逃走する場合も、十字キー左右で切り替えたコマンド内容から。但しそのエリアのボスを一度でも倒した上で、エリア踏破率を100%にしないと逃走できない為注意。
  • ダンジョン内に居る敵を倒せば「トレース」を入手可能。稀に素材アイテムや、装備品となるアクセサリを落とす事もある。
    • 戦闘終了時、手に入れたトレースと同量の経験値がメンバーに等分される。普通のRPGと同様に溜まった経験値が一定量を超えるとレベルアップ。
    • このトレースは、後述するマジックアイテム購入やキャラクターのステータス強化に使用する。しっかりと貯めておこう。
  • 難易度は初期段階ではイージー・ノーマル・エキスパートの3種類。途中で自由に変更可能で、変える事によるペナルティも無い。
    • 更に、全滅しても拠点の町に送り返されるだけで、こちらもペナルティは存在しない。厳密に言うならばクリア後の成績画面で全滅回数が表示されるが、本当にそれだけ。
  • 拠点の街「ニューポート」では、以下の行動を取る事ができる。アル達を鍛えて、強敵との戦いに備えるべし。
  • 仲間や情報をさがす(宿屋)
    • 宿屋内に屯している仲間を最大2名まで連れて行ける。高難易度であれば回復技を使えるキャラが欲しいが、好みで選んでしまっても問題ない。
+ トレジャーファイター・アルと愉快な仲間達について解説
  • アル
    • 本作主人公。初代『魔神少女』ではボスキャラ、『エピソード2』ではショップ店員をやっていたトレジャーファイターの少女。
      魔法具として使用する大鎌と、何か悪いものでも憑いているんじゃないかと思える程の不幸ぶりから「死神」の異名を持つ。
    • キャラ性能は「広範囲攻撃タイプ」。雑魚掃除用の全体攻撃技と、強烈な能力強化技を複数習得できる。
      全体攻撃の威力は若干物足りないが、戦力を底上げできる「パワフルアタッカー」「オールタフネス」は最後まで頼れる性能。
    • リベンジマジックは敵全体大ダメージの「ハイパーフリーズ」。形勢逆転の一打としては十分すぎる威力を誇る。
  • パペルネ
    • 貿易都市の市長を父に持つ獣人族の少女。こちらも初代ではボスキャラ、『2』ではショップ店員をやっていた。
      野性味溢れる見た目に反してかなりの博識家。自身も交易に携わっている為か、特に経済に強い。勿論英語もペラペラなんダナ!
    • キャラ性能は「一点攻撃特化タイプ」。単体への攻撃を得意とし、特にボス戦ではアタッカーとして大活躍してくれる。
      では雑魚戦は苦手かというとそうでもなく、多少燃費は悪いが強力な全体攻撃技も習得可能。燃費はアクセサリで補ってやろう。
    • リベンジマジック「ミラージュクロウ」は、単体攻撃としては最高打点となりうる性能を持っている。
  • ルディ
    • 風の向くまま気の向くままに生きる自由業の獣人族。『2』では研究集団イーチュに所属しており、ボスとして登場した。
      常にうにゃにゃ!と動き回っていないと落ち着かない性分の持ち主だが、その分運動神経と剣の腕前は相当なものだにゃ。
    • キャラ性能は「自分大好きタイプ」。相手の体力を吸収する技や自身の全能力を大きく上げる技など、継戦能力はピカイチ。
      但し自分大好きの名が示す通り、他キャラのサポートは苦手。むしろ他二人でルディが存分に暴れられるようサポートするべし。
    • リベンジマジックは敵全体にランダムに6回攻撃を浴びせる「ミラクルラッシュ」。
  • ストイ
    • 本作の舞台「ベルファ島」を根城にする妖精の魔物。初代のボスキャラ。『2』でもこっそりボスの一人として登場。
      妖精としては珍しく人間の言葉を話す事が可能だが、教えた人物の影響か口調は古風。所謂「のじゃロリ」という奴なのじゃ。
    • キャラ性能は「味方を癒すタイプ」。その名の通り回復や補助に特化しており、パーティーに居るだけで安定度が跳ね上がる。
      攻撃手段は乏しいものの「超なでなで」で味方の素早さを上げて手数を増やし、擬似的に火力に貢献する事も可能。
    • リベンジマジックは味方全員の体力を回復し、戦闘不能キャラも復活させる「ちびストイ大量召喚」。
  • マリ
    • 『2』でボスとして登場した、研究集団イーチュ所属の次元研究者にして作品世界中でも屈指の性格破綻者。
      怪しい薬を作っては自分で飲んで口から煙を吐き、しかもその薬を他人にも飲ませようとする、文字通りマッドなサイエンティスト。
    • キャラ性能は「いやがらせタイプ」。相手の能力を下げたり状態異常を与えたりできるが、素の成功率は低め。
      序盤は回復役として運用するのが妥当だが、成功率に関わる「魔法力」をしっかり鍛えればボス相手でもワンサイドゲームが可能。
    • リベンジマジックは敵全体にランダムダメージを与える「ダークマター」。運が良ければ大物食いも狙える…かも。
+ そして、一定の条件を満たすと…? ネタバレ注意
  • ジズー
    • 本家『魔神少女』シリーズで主役を務める、正真正銘本物の「魔を司る神」。常にやる気0だが、その力は他を圧倒する。
      とある条件を満たすと、彼女を主人公に据えた一人旅を楽しんだり、アルのパーティーに彼女を加えたりする事も可能。
    • 性能は一人旅を前提とした調整がなされており、早期に覚える全体攻撃技「ドライヴェルト」だけで大半の雑魚が消し飛ぶ。
      相手に大ダメージ&能力を下げる「テラロックイズム」まで覚えればもう手が付けられない。「最強タイプ」の名に偽り無し。
    • リベンジマジックは敵全体大ダメージの「ハイパーダークアーム」。
  • 宿の女将「ルグリ」が出す素材アイテム納品依頼をこなせばトレースと、食事の際に使用する「ゴハンコイン」を入手可能。
  • ゴハンコインを消費して食事すれば、キャラクターのステータスを強化できる。但しどのキャラのどのステータスが、どれだけ上昇するかはルーレットで決定される。一応目押しは可能なので狙ってみるべし。
  • ルグリからはダンジョンを探索する上で有益な情報も教えてもらえる。1回位は目を通しておこう。
  • マジックアイテム
    • トレースと交換で、体力回復やダンジョン脱出、攻略済みのフロアをスキップするなどの効果を持ったアイテムを購入可能。
    • ダンジョン探索や戦闘で使い切ったアイテムは、拠点に帰れば自動で最大所持数まで補充される。序盤はケチらずに使っていくべし。
  • 素材とアクセサリ
    • ダンジョン内で採取したり、敵を倒したりする事で入手した素材アイテムを用いてアクセサリを作成する。
    • 下位の素材を大量に使って上位の素材を合成したり、アクセサリを材料にして更に強力なアクセサリを作ったりも可能。
    • 入手済み素材の一覧や、倒した事がある敵のリストもここから閲覧できる。
  • 成長と装備
    • 本家『魔神少女』と同様、トレースはキャラクター強化にも使用可能。大量のトレースが必要になる為ルーレットの目押しが可能ならばゴハンコインで食事をした方が安上がりだが、こちらは目押し技術無しでも狙った能力値を確実に上昇させられるというメリットがある。
    • キャラクターのレベルを上げれば一部ステータスに補正がかかるが、素のステータスはどれだけレベルを上げても変化しない。特に防御力はレベルによる補正が無いので、こまめに強化しておきたい。
    • 拠点でのアクセサリ装備もここから。一応ダンジョン内でもアクセサリの付け替えは可能なので、万が一装備し忘れても安心。
  • クラスチェンジ
    • ある程度レベルを上げるとクラスチェンジが可能。ステータス上昇に加え、クラスに応じた新技を一つ覚える事ができる。
    • 基本的にクラスチェンジ先は二者択一だが、最終的にはすべてのクラスを取得可能。強いて述べるならば回復技や全体攻撃技、能力上昇技を早期取得しておけば有利だが、こちらも好みで選んでしまって問題無い。
    • 3回目と最後のクラスチェンジでは、アクセサリの装備枠も1つ増える。強力なアクセサリを複数装備できる恩恵はかなり大きいので、忘れずにクラスチェンジしておこう。

評価点

  • 全体的に作りこみが細かい
    • 500円という良心的なお値段で配信されているが、本家同様丁寧に作りこまれている。ちゃんと労力に見合った儲けが出ているのか心配になってくるレベル。
    • ドットの丁寧な書き込みと動きっぷりは本家譲り。ジズー以外のキャラクターの歩行グラフィックが見られるのは何気に貴重*3
      • 敵キャラも可愛らしいものから本格的に強そうなモンスターまで、幅広いラインナップを誇る。
    • ゲーム中で使われているBGMも相変わらずの良曲揃い。一度でもクリアすれば「サウンドテスト」から好きなだけ聴けます。
      • ヘッドホン等を3DSに接続していれば、本体を閉じても音楽が流れ続ける。別作業をする際のBGMにもどうぞ。
      • 何と歌詞付きのテーマソングと、そのインスト版まで収録されている。歌唱するのは本家『魔神少女』シリーズでもテーマソングを披露した手登根優貴氏*4
  • 快適さを徹底的に追求したシステム
    • 本作では、昨今RPGでありがちな「技の属性」や「前衛/後衛」といった戦闘を複雑化させる要素を大胆にオミット。ダンジョンにおいても複雑なギミックは(少なくともクリア前までは)存在せず、探索・戦闘の分かりやすさや快適さを重視した作りになっている。
      • これと先述した「難易度をいつでも変更可能」「全滅ペナルティが一切無い」という点が組み合わさり、まるでアクションゲームを思わせるようなストレスフリーのテンポで冒険を楽しめる。
      • アクセサリ作成やクラスチェンジといったRPGならではの要素も「必要な素材を過去に入手していれば、素材の入手手段をすぐ調べられる」「最終的には全てのクラスのメリットを享受できる」といった具合に、可能な限りストレスとならないような調整がなされている。
    • お使いイベントの類も一切無し。強いて挙げるならば宿のアイテム納品依頼がそれに近いが、ある程度戦闘を繰り返すと依頼内容が変化する上に、報酬による能力強化も別の手段がある為「手持ち素材に余裕があれば、納品した方が楽にはなる」程度の立ち位置となっている。
    • ゲーム開始時や特定イベントで流れる寸劇、更にはスタッフロールまで、何と初見でもSTARTボタンで完全スキップ可能という大胆すぎる仕様。周回プレイを楽しむのであればこの上なく快適な機能だが、ストーリーやエンディングを見てみたいという方はうっかり押してしまわないように注意。
    • 下画面にはキャラクターのステータス等「ゲームに関する情報」の他、それらを邪魔しない程度に現在時刻やバッテリー残量まで表示してくれている。一々HOMEボタンを押さずとも確認可能なのは地味に便利。
    • セーブは設定を変更した際やダンジョン突入・クリア時に自動で行われる他、拠点画面でYボタンを押すだけで即座に任意セーブが可能。更に設定で自動セーブ機能を解除する事も可能と至れり尽くせり。
  • やりこみ要素が豊富
    • ゴッズヒルをクリアすると、プレイ内容の評価に応じた量の「シェガーの欠片」を入手可能。
      更に初回クリアだった場合は「サウンドテスト」の他、「引き継いで最初から」「プレイングレベル」「シェガーショップ」「ミニゲーム」が解禁される。
+ 解禁される要素について解説。一応ネタバレ注意
  • 「引き継いで最初から」は、その名の通りクリアしたデータの一部を引き継いで最初からプレイするというもの。
    • 下記シェガーショップで追加要素や特典を一切購入しない場合だと普通に最初から始めるのと変わらないが、事前に購入していればパーティーが装備していたアクセサリや踏破したマップ、図鑑の一部登録内容などを引き継いだ状態で始められる。
  • 「プレイングレベル」は、本家『魔神少女』にも存在していた様々な実績要素。
    • 達成するとご褒美として「シェガーの欠片」を入手でき、更にキャラクターやステージの設定イラストと、制作者からのコメントを閲覧できるようになる。
    • 実績の内容は、各ダンジョン最奥のボスを誰も死なさずに倒すなど簡単なものから、規定のレベル以下のパーティーでゴッズヒルをクリアするなど、上級者向けの内容もある。ちなみに「とある実績」を除けば基本的に難易度不問。
    • 救済措置として貯めたシェガーの欠片を消費し、無理矢理達成した扱いにする事も可能。ただし、実績を達成すればするほど無理矢理達成扱いにするのに必要なシェガーのかけらが増えるので注意。
    • 全ての実績を達成できれば、ちょっとしたご褒美が用意されている。がんばって挑戦してみよう。
  • 「シェガーショップ」では、入手したシェガーの欠片と「引き継いで最初から」で使用できる追加要素・特典を交換できる。
    • 上述した引継ぎの他に、隠し難易度「ルナティック」の解放、レベル上限撤廃、アルをパーティーの先頭から外し他のキャラで探索できるようにする、能力値を底上げして強くてニューゲーム、敵から入手できるトレースを合計6倍に…なんて事も可能。
    • 能力を底上げし、キチンとマジックアイテムや強力なアクセサリを集めておいた上でそれらを引き継げば、ゲーム開始直後のアル単身でのゴッズヒル挑戦でそのままクリアしてしまう事だって夢ではない。
  • 「ミニゲーム」はポーカー・テキヨケランナー・シェガチャの3種類。
    • ポーカーは一般的なポーカーゲームのそれ。シェガーの欠片をベットし、手役が揃えば倍率に応じたシェガーの欠片が払い戻される。ワンペアから役が成立したと見做されるので、ブタによるシェガーの欠片没収のリスクは比較的少ない。
      • 今までに出した事のある役には、倍率表示の部分に星マークがつく。最高倍率のロイヤルストレートフラッシュに星マークをつけるべく、貴重な時間とシェガーの欠片を惜しげもなく消費するユーザーは多い様子。
    • テキヨケランナーは走るキャラクターを上下に動かし、敵を避けつつシェガーの欠片を入手するというもの。少額ながらも元手無しでシェガーの欠片を稼ぐ事ができる。FC~SFC時代を思わせる演出に惹かれる…というユーザーも多いらしい。
      • 単純なルールではあるがキャラクター別で速度や敵の出現頻度が変わるなど中々に熱く、更に此方もハイスコアがキチンと記録される。ベストスコアの平均は200前後、300を超えたら自慢しても許されるレベル。
    • シェガチャは貯めたシェガーの欠片かゲームコインを消費し、キャラクターのドット絵を入手できる。但しあくまでも「ガチャ」なので、ドット絵がダブるケースも極めて多い。収集には根気が必要。
      • 入手したドット絵はただ眺めるだけではなく、好きなようにデコって遊べる。Miiverseやツイッターでは「正統派の集合写真風画像」から「ネタ方面に突っ走った画像」まで、ユーザーによる多種多様なデコ画像が投稿されている。
  • セーブごとにプレイ時間や獲得トレースの累計、全滅回数なども記録されており、クリア時の成績画面で閲覧できる。
    • 引継ぎを駆使して綿密に準備すれば1時間どころか30分以内でのクリアも可能。10分前後でクリアしてしまったという猛者からの報告も挙がっている。
    • 快適さを追求したシステムのおかげもあって周回プレイが苦にならず、各種やり込み・縛りプレイにも気軽に挑戦できる。

賛否両論点

  • 一部アクセサリの性能格差
    • よく「強すぎる」として槍玉に上がるのは「ストライカー」と名の付くアクセサリ。
      • その効果は「技欄の一番上にある、単体攻撃技の攻撃回数を増やす」というもの。最も効果の低い「ツーストライカー」でも大幅に火力が向上し、最上位の「フォーストライカー」ならば最大威力リベンジマジックに僅かに劣る位のダメージを極低燃費、且つノーリスクで叩き出せる。タイムアタックや低レベルやりこみでも大活躍間違い無しの逸品。
      • この結果、本作では「ストライカー系アクセサリーを装備しての連続攻撃」が与ダメージ手段の最適解となってしまっている。まぁ本家も通常攻撃のライナーショットが異常なほど強かったし…。
    • 他にも「キャパシティの消費を抑え、強烈な技を早期に繰り出せるようにする」「装備している間は素早さを永続的に上昇させ、更に自動回復効果を付与」という効果を持ったアクセサリが強いとされている。
    • 逆に「特定のキャラが装備するとリベンジマジックが変化する」アクセサリは、作成難易度が極めて高い割にリベンジマジックの威力が劇的に変化する訳でもなく、技の見た目もほぼそのまま。上記の強アクセサリを外してまで装備する価値は無い、お遊びアイテムとまで言われてしまっている。
  • クリア後の大幅なインフレ
    • クリア後に挑める隠しダンジョンでは、敵が相当強くなる分、入手できるトレースの量もとんでもない事になる。工夫すれば、1回挑んだだけで所持トレースがカンストしてしまう可能性すらある。
      • トレースが大量に手に入るというのは即ち、トレースを消費してのキャラクター強化を好きなだけ行えるようになるという事でもある。本作最強の敵である難易度「ルナティック」の裏ボス相手でも、防御力を255まで強化していれば大抵の攻撃で被ダメージを1以下に抑える事ができてしまうし、同時に攻撃力と素早さを上げておけば相手のまともな反撃を許さぬ完封勝利すら可能。そして恐ろしい事に、ゴハンコインを一切使わずとも隠しダンジョンのボス手前までを何度か周回してしまえば、これ程までの強化は十分可能なのである。
      • ボスすらワンパンで倒す究極のキャラを育てて悦に入るというのも楽しみ方の一つではあるが、手塩にかけて育てたキャラの実力を存分に発揮する機会が無いというのも若干寂しいものがある。
    • こうしたインフレは一応、やり込みプレイの域ではある。普通に裏ボスを倒してのエンディングや隠し要素全解放を目指す分には大きな問題とはなり難いのが救いか。
  • 中途半端なボイス
    • 本作は一応ボイス付きではあるが(少なくとも本編中、且つ人間の言葉で)ボイスが付いているのはアルとルグリ、ゴッズヒルのラスボス、そして隠しキャラとナレーターのみ。
    • 基本的に寸劇イベント以外では、折角のボイスが使われる事は無い。あんまり喋りすぎても煩いだろうし、お手頃価格ゆえに致し方ない部分も無い訳ではないが。
      • 尚、ボイスが気になる場合は「音量の設定」から完全OFFにする事も可能。ボイス不要派でも安心して遊べます。

問題点

  • おざなりなストーリー要素
    • 本作における最大の問題点。一応ストーリーとして「アルがゴッズヒルに挑む」という大筋はあるのだが、おざなりな部分がやたら目立つ。
      • 仲間にはそれぞれ舞台のベルファ島に居る理由があるのだが、スタッフロール中の後日談以外では一切触れられない*5*6。宿に行ったら何故か都合よく仲間が待機していたので連れて行くことにした…誇張無しにそんな扱いである。
      • 各ダンジョンの最奥にいるボスとは会話(?)イベントがあるのだが、ラスボスと隠しボス以外には言葉が通じず、基本アルが一方的に話すだけ。同じ魔物のストイを連れていれば魔物語を通訳してくれるとか、そういう展開の変化も一切無い。
      • アルをパーティーの先頭にしている場合、拠点での準備中やダンジョン探索中などに彼女が様々な台詞を呟いてくれる。…のだが、彼女以外のキャラだと拠点では「さーて、どこへいこうかなー」としか呟かなくなる。マリや隠しキャラはともかく、特徴的な喋り方のパペルネやルディ、ストイだと軽めのキャラ崩壊まで起こしてしまっている。勿論ダンジョン内でも呟きイベントや会話イベントが一切発生しなくなる。
      • ダンジョンの攻略度やアルの成長具合に応じてルグリの態度も変わってくるのだが、こちらも他のキャラが先頭になった場合はそっけない態度のまま変わらなくなる。
      • ネタバレ回避のために詳しくは述べないが、本作でのキャラ同士の遣り取りの中に、本作が『魔神少女』シリーズの過去作品と時系列的にどう繋がっているのか混乱を招きかねない内容のものが存在している。
      • ラスボス・裏ボス撃破後の寸劇で「意味深な単語」や「キャラクターの背景に繋がると思われる情報」が複数出てくるが、それについての掘り下げも一切行われない。好意的に見るならば、シリーズの今後の展開を見据えた布石と解釈する事も可能だが…。
    • こうした仕様については予算と工数の都合、『魔神少女』シリーズ未経験者への配慮、プレイの快適さや自由度が損なわれる可能性等の問題がある為、止むを得ない部分もある。先述した「全イベントを初見スキップ可能」という仕様から、イベント内容の出来栄えについては割り切ってしまっている可能性も否定できない。しかしそれでもどうにかならなかったのだろうかという声は結構多い。
  • 何だかんだで一人旅安定となってしまう仕様
    • 一人旅ならば入手した経験値を独占可能な為、キャラクターがそのエリアの適正レベルを超えてぐんぐん育つ。結果として、複数人でダンジョンに挑むよりも一人旅の方が楽に強くなれてしまう。
      • 一人旅のメリットは他にも、ゴハンコインでの食事のスロットで「誰の能力が上がるのか」を固定できるという点も大きい。しっかりとレベルと能力値を上げ、マジックアイテムやアクセサリを揃えれば、一人でボスを相手にしても何とかなる事が多い。
      • 複数人のパーティと比較して手数が減ってしまうというデメリットがあるものの、ある程度育ってしまえば雑魚敵ならば「全体攻撃で出会い頭に一掃」でどうとでもなる。そして丁寧な事に主人公のアルは「広範囲攻撃タイプ」、ゲーム初期から全体攻撃を使用可能となっている。
  • プレイングレベルで見られるイラストが見辛い
    • 貴重な資料を閲覧できるのだが、画像が縮小されすぎて見辛いものが多々ある。拡大機能が無いのも相変わらず。
  • バグの存在
    • 現在では更新データで改善されてはいるが「シェガチャで手に入れたドット絵が保存されない」など致命的なバグが存在していた。
    • ゲーム中で特定の動作をするとBGMが消失してしまうことがある。これは現在でも稀に発生してしまうが、セーブデータへの悪影響は無い。
    • また素材シンボルに触れた際、何故かモンスターとの戦闘が始まってしまう例も極少数ながら報告されている。

総評

快適なシステムややり込み要素、そして何よりもワンコインという値段に見合わぬ丁寧な作り込みが光る一作。
ストーリー面について少々擁護し難いものがあるのも事実だが、諸々の評価点はそれを補って十分に余りある。
日本国内における「Nindies」の船出としても、これ以上無い位の成功と評していいだろう。



移植

  • 2017年9月28日にSwitchで『ブレイブダンジョン+魔神少女COMBAT』が発売。
    • 『ブレイブダンジョン』は新キャラクターが2人追加されている。『魔神少女COMBAT』は新作カードゲーム。

余談

  • ニンテンドーeSHOPから確認可能なダウンロード専用ソフト販売ランキングでは、配信開始直後から上位に食い込んでいた。
    • 全体ランキングでも発売後暫くしてひょっこり顔を見せることがあった。
  • これまでの『魔神少女』シリーズと同様、INSIDE SYSTEM公式によってファンが盛り上がるイベントが多数開催された。
    • 本作配信開始後にTwitterでのキャンペーンや、イラストコンテストが開催されていた。
    • 設定資料付きサウンドトラックCDやイラスト集も同人ショップで発売中。更にイラストコンテストの優秀作を使用した3DSテーマも配信されている。
  • ファミ通レビューでは7/8/8/8の31点。
    • その信憑性を疑問視される事も多い同誌のレビューとしては珍しく、概ね的を射たレビュー内容となっている。
  • NAN-A氏の呟きに曰く、任天堂は同人ゲーム界隈にあまり詳しくないらしく、NAN-A氏にインディーサークルの紹介を頼んできた事があるそうな。
  • 本作のレーティングはCERO「B」となっている。コンテンツアイコンは「セクシャル」。
    • レーティング引き上げの原因はズバリ、本作主人公のたわわな胸元を露出させたキャラデザイン。実際遊んでみれば分かるが、本作ではこの部分以外に「セクシャル」に該当しそうな要素は存在していない。何もそこまで目くじら立てんでも…。
      • シリーズ過去作品の『魔神少女』『同2』においてこのキャラに巨乳設定は存在しておらず、実際両作品ではそこまで胸元が強調されて描かれているわけではなかった。しかし何故か本作で巨乳キャラとして描かれて以降、後の作品では豊満なバストを惜しげもなくアピールするかのようなデザインが多くなっている。担当したイラストレーターの趣味だろうか?*7
      • 結果として、本作主人公には「CERO:Bさん」という何とも不名誉なあだ名がつけられ、発売前から散々ネタにされたという。
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  • 魔神少女
  • ダウンロード専売

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最終更新:2022年07月17日 00:05

*1 「プレイングレベル」「シェガーショップで解禁した周回特典」「ミニゲームの記録」は全データで共有。

*2 INSIDE SYSTEMと任天堂が直接契約している為、『魔神少女』シリーズで販売元となっていたフライハイワークスは本作には関与していない。

*3 厳密には初代の隠しキャラや『エピソード2』のもう一人の主役「ソラ」にも歩行グラフィックは存在するが、残念ながら彼女達は本作に出演ならず。

*4 2016年8月5日を以て、病気療養の為無期限の活動休止。恐らくは活動休止前に収録を済ませたのであろう。

*5 元々ベルファ島に住んでいるストイの他は、パペルネが「売り物にするシェガーやマジックアイテムの仕入れ」、マリが「薬の材料調達」、そしてルディは「ダンジョンの噂を聞き、面白そうなので寄ってみた」。

*6 ちなみに隠しキャラは「本来別の所へ行く筈が転移魔法の座標を間違えた」で、これだけは「とある場所」と隠しキャラの一人旅シナリオで確認可能。

*7 製作者のNAN-A氏も胸の件に関しては相当気にしており、次回作以降できるだけ目立たないようなデザインにする趣旨の発言をしている。