ハナヒメ*アブソリュート!

【はなひめあぶそりゅーと】

ジャンル 花姫バトルADV
対応機種 Windows 7~10
メディア DVD-ROM
発売・開発元 mirai
発売日 2016年8月26日
定価 9,800円(税別)
セーブデータ 10×10
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 過去作で続いたシナリオの強みが消滅
設定や伏線が投げっぱなしでキャラの魅力も生かせてない
バトルは過去作から改善点もあるが爽快感減
発売開始後7ヶ月目でようやくバグ修正
シナリオ以外は良くも悪くも普通のゲーム
何故か出来の良いあやねルート


概要

プリンセスうぃっちぃず』などの製作指揮を執ったかんなぎれい氏がみなとそふとへ入社後関連ブランドの1つであるmiraiのデビュー作として指揮を執り製作したゲーム。
「『ティンクル☆くるせいだーす』スタッフが送る完全新作」という点を推しておりその出来に期待したユーザーは多かったのだが……。


ストーリー

2025年――。
王子達の国「ステラクラウン」と姫達の国「フロリスハーツ」の戦いを描くソーシャルゲーム「クラウンハーツ」が大ヒットし、
プロゲーマーがプロスポーツ選手と同じように人気の世界。
主人公の愛内虎春は天真爛漫な幼なじみで期待の新人プロゲーマーである「猫屋敷メア」や
誰にでも優しく、ちょっとブラコン気味な妹「愛内陽良子」
陽良子の友人で大人気のネットアイドル「熊埜御堂あやね」たちと一緒に、私立ルミナス学園に通い楽しい毎日を送っている。
そんなある日、年に一度開催されるクラウンハーツの一大イベント「神冠大戦」のオープニングセレモニーに訪れる虎春達。
しかしそこで行われたのは、最新のVR技術を利用し現実世界でリアルにバトルを楽しめる『クラウンハーツVR』の発表。
そしてそのVRシステムで行われる神冠大戦、「神冠大戦VR」の開催宣言だった。
更に神冠大戦VRでは、「優勝すると何でも好きな願いをひとつ叶えてくれる」という噂もささやかれていた。
かくして16名のトッププレイヤーたちのバトルロイヤル、「神冠大戦VR」が幕を明けるのだった。
「――クラウンハーツ、ゲットレディ! バトル!」(公式サイトからの引用)

主な登場人物

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  • 愛内虎春(あいうちこはる)
    • 本作の主人公。しっかり物で困ってる人を放っておけない、世話焼きな性格。姫達のツッコミ役。
    • 基本的に女の子達に甘く、妹の陽良子には特に甘いが、自覚が弱い。
    • プロゲーマーの母親の指導のたまもので、幼少よりゲームは何でもこなし、腕前は達人の域。
    • そのゲームの腕前と、知将然としたプレイスタイルをポリーナに見出され、花姫達の王として今回の神冠大戦に参加する。
    • 公式サイトの説明に反し実際は無個性で無難な主人公となってしまっているが、あるルートではとんでもないことを平然としていたりする。
    • また、何故かあやねルートのみその性格が活かされており、主人公らしさを発揮している。
  • 猫屋敷メア(ねこやしき-)
    • 学生ナンバーワンと称されるプロゲーマー。特に格闘ゲームでは無類の強さを誇る、ゲーム界のアイドル的存在。
    • 明るく真っ直ぐな性格で、男女どちらからも人気があるが、お調子者で気分屋などゲーム以外に関しては割りとダメな面も。
    • 虎春とは小学校から一緒の幼馴染。同じタワーマンションのお隣さん。
    • 虎春に対し、あくまでも「友情」で接していたつもりだったが、それがいつの間にか恋心にかわっていることを自覚して戸惑っている。
    • 彼女自体はギャルゲー・エロゲーによくある王道ヒロインだが、後述の明かされない伏線の多さから彼女のルートの評価は高くない。
  • 玲奈・リル・レーフェン(れいな-)
    • フランスの有名大手ゲームメーカーのご令嬢で、自身もゲームデザイナー、プログラマーとしていくつものゲームを製作してしてる(公式サイトの表記そのまま)超天才。
    • ゲームも得意で、メアとは良きライバル。派手で魅せるプレイスタイルを好む。
    • 一見優雅なお嬢様だが、フランス暮らしが長かった&特撮やアニメから知識を得てたため日本に対しての認識が相当おかしく、ずれた行動を取ることもしばしば。
    • 虎春のことはあまりにメアが楽しそうに語るので、ヤキモチを焼き、攻撃対象に設定している。
  • ポリーナ・ミーロヴナ・フォン・シュヴァルツァハーゼ
    • 虎春をリアルクラウンハーツへ導いた謎の少女。元はゲームのナビゲートキャラクターだが、現実世界に滞在し、虎春達と一緒に生活することになる
    • 本人は記憶喪失だと言っているが、微妙にポンコツだったりバグったりしている様が散見される。…が、自分ではしっかり者だと思っている。
    • ゲームの世界で毎日同じことを繰り返していたので、現実世界で見るもの全てが新鮮。特に食べるという事を知らなかったので食欲がつきない。
  • 愛内陽良子(あいうちひよこ)
    • 虎春の妹。直球のブラコンでお兄ちゃん大好き。虎春と本気で結婚するつもりでいて常日頃それを隠さずベタベタ。
      • エロゲーによくある義理の妹や異父母兄妹ではなく血の繋がった実の妹であるが、アグレッシブに求愛行為を繰り返しておりかなり手遅れ。この設定が主人公の異常な行動を際立たせている。
    • 基本的にしっかりしている部分もあり、やれば出来る子であるが両親と虎春から甘やかされて育ったため、ややだらしない部分が見られる。
    • とにかくついてるアルティメットラッキー娘。商店街の福引やゲームのレアアイテムの引きで威力を発揮するが、その代償として年に一度誕生日の日には宇宙の法則が乱れるほどの大凶運が訪れる。
  • 狼谷イヴ(かりや-)
    • ルミナス学園の生徒会長。しっかり者で穏やかな性格。生徒、教員からの人望も厚いが、勘違いが多く慌て者な面も。
    • 妄想力たくましく、変にエロ方向に想像を膨らませてしまう癖がある。が、傍から見ると真面目な顔をしているので、考え事に没頭しているように見える(シンキングワールド)。
    • 実は本町にある古本屋。そこでの手伝いや、本を読んでいるうちに小説が好きになり将来はゲーム関係のライターになりたいと思っている。
  • 鳳杏子(おおとりあんこ)
    • ミッション系の有名女子校に通うお嬢様。生まれも育ちも岬浜中華街だが、本籍は中国で、中国名は鳳杏(FengXing)。実家は中華街を仕切る香港マフィアで、そのボスの一人娘。
    • 護身用にと大量の重火器や武器などを持たされている。普段はスカートの裏などに隠している。
    • なぜか大金を手にしたいらしく、普段からかえるのがま口を持ち歩き、大切に貯金を積み重ねている。
    • 強がっているが根は優しく、本人が気が付いていないだけで愛され系。
    • 中華街の人々に、ものすごく可愛がられている。杏子自身も中華街や街の人々が大好き。
  • 熊埜御堂あやね(くまのみどう-)
    • 陽良子の同級生で、小学生の時に出会って依頼の親友。性格は全然違うのに、なぜか気があった。虎春ともそのころからの遊び仲間。
    • 基本的にアホの子だが、年齢性別を超え、誰とでも友達になれるコミュ力の高さを持つ。ネットアイドルとして自分で番組を配信していて、結構人気。
    • ギターは勿論DTMも得意。アイドルマニアの兄がいて、その影響を受けて現在に至る。
    • ゲームはあまり得意ではないが、クラウンハーツでは廃課金(兄におねだり)によるごり押しで花姫の地位を最近手に入れた。
  • 龍宮寺ナオ(りゅうぐうじ-)
    • NoRNのCEOにして、ルミナス学園の理事長も勤めるスーパーな人。お忍びでクラウンハーツにも参加していて、ゲームの腕も高い。
    • いつもニコニコしていて軽く、おふざけや突飛な行動が多い。
    • 一見頼りなくみえるが、人をその気にさせて実力を引き出すことに長け、経営者としても理事長としてもかなり有能
    • 無類のウサギ好き。理事長質に牧場を作り、30匹以上のウサギに全て名前を付け、かわいがっている。
    • 『プリっち』の世界観や魔法と何らかの関わりがあると思われる描写が多く見られるが、それらの詳細がゲーム本編で明かされることはない。
(公式サイトより引用。一部改変、追記あり。)

特徴

  • 本作では『クルくる』と同じくADVパート中にバトルゲームが挿入されている。バトルシステムは『クルくる』のものとほぼ同じ。
    • ただし一部システム、UI、演出の変更から賛否が分かれる内容となっている。詳細は後述。
  • また、クリア済でなくとも最初からバトルをスキップすることが可能。初心者に対する配慮だろう。

問題点

  • シナリオが薄く、キャラの魅力も生かせていない。
    • 過去作に存在した熱いシーンや笑えるギャグシーンがほぼ無くなってしまっており、日常パートの繰り返しのような内容となってしまっている。
    • 電子領域*1が現実世界に影響を与えるなど、見所のあるイベントも無いわけではないのだが、盛り上がりに欠ける。
  • 『プリっち』『クルくる』と同じく派手なエフェクトや効果音が多用されているが、それがどうでもいい場面で多用されているため寒い。
  • 主人公が無個性?
    • シナリオが薄い原因の1つに、主人公「愛内虎春」がエロゲーにありがちな「無個性な主人公」であることが挙げられる。
    • 『プリっち』『クルくる』では主人公が魅力的かつ戦闘に直接参加しヒロイン達をサポートしていたが、本作の主人公はヒロイン達と一緒に戦闘することはない*2、基本的に後ろで指揮をしているだけ。
    • 性格も普通のお人好しと無難であり、「ゲームの実力はプロゲーマー並の腕」という設定があるもののその設定もあまり活かされない。
    • その一方で『プリっち』『クルくる』とは別の方向で主人公の頭のネジがぶっ飛んでいるとしか思えない描写もある
      • 陽良子ルートにおいて陽良子のバストアップ運動(胸を揉む)の手伝いをしそのまま流れで陽良子のオナニーを手伝い行為に発展するイベントがあるのだが、その後主人公が実の妹との関係に葛藤する描写が一切無い。このイベントの最初に多少躊躇するのみ。
      • 更にその後、陽良子にフェラをさせるイベントがあるのだが、そのイベントでも「このことはみんなには内緒だぞ」で済ませるだけ。
      • 一方で、陽良子はこれらの行為の後に実の兄への恋と、実の兄と関係を持つ事に悩んでしまい、本作のラスボスに付け入られるきっかけとなってしまう。
      • エロゲーとしてはこれでいいのかもしれないが、特殊な性癖を持っているわけでもないのに何の葛藤も無く実の妹と近親交配に及ぶのはどうなのだろうか。
  • ゲーム「クラウンハーツ」の説明がほとんどされず、どのようなゲームかプレイヤーに伝わらない。
    • 一応『初代』が据え置きハードのオンラインゲーム、『2作目』がスマホによるソーシャルゲーム、そして『VR』とプラットフォームが変わっている過程は判明する。
  • 伏線が投げっぱなしのシナリオ
    • 主にメインヒロインであるメアルートで語られる伏線の多くが投げっぱなしとなってしまっている。
    • 例を挙げるとビーズちゃん*3とナオの関係、ナオの正体や野望及び魔女界との関連性、『プリっち』との世界観の繋がりなど数多くの伏線が完全に丸投げとなっており「何のために伏線を出したのか?」と言わざるを得ない。
      • 特にメアルートのクライマックスに『プリっち』の「世界樹」が出現するシーンはプリっちをプレイしたユーザーを脅かせたが、世界樹が何なのか語られないままシナリオは終了してしまう。
      • 「クラウンハーツ」を利用した大規模な魔法の実験を行ったことや、魔法を使用してポリーナの実体化を行ったところまでは推測することができるが、あくまでもプレイヤーの推測レベルであり、何のためにナオがそれらを行ったのかは作中の描写からは推測しようがない。
      • 『プリっち』関連のネタについてはブランド移籍の関係で自重せざるを得なかったのかもしれない。
      • ……が、本作のビジュアルファンブック(以下VFB)には『プリっち』の「春日かれん」と「ベルナルド」のイラスト、『クルくる』の「パッキー」のイラストが普通に掲載されていたりする。ゲームとVFBでは規制の度合いが違うのかもしれないが。
  • 全体的なバトルの難易度は低下しているが、理不尽な難易度のバトルがわずかだが存在する
    • 例としてはSTAGE40「雲霞のごとくに駆け上がれ!」
    • ここで登場する敵は「レアチョロモン」という一見ただのザコ敵だが、ノーマル以上の難易度だと属性の有利不利の影響を受けにくい「ノータイプ」が2体、どの属性にも有利な「ゴッドタイプ」が2体、合計4体で編成されている。このため攻撃によるノックバックの効果が低下しておりゴリ押しがしにくい。
    • 加えて、敵が所持するEX技が「自分以外の待機時間の減少」であり、サポートスキルも味方の待機時間を減少させる「ユニゾンバースト」タイプ。このためノーマル以上の難易度だと普通にプレイした場合手数で押し負けてしまう。
      • サポートスキルを連発されると何も出来ずに終わる事も……特にサポートキャラが3体いるハードモードでこのような状態に陥りやすい。
  • バトルで強制終了することが顕著。修正パッチである程度改善されたが、環境によってはそれでも落ちることがある。
    • これはADVパートとバトルパートのゲームエンジンが別々であるために発生する問題。以前と同じように同じエンジンでまとめることはできなかったのだろうか。
    • バトルの不具合がほぼ解消されたVer1.30でもADVパートとバトルパートの切替により強制終了する現象は完全には修正されていない。
  • 一部ステージが重い
    • 敵味方が合計12人以上で戦う戦闘において、高スペックなPCにおいても処理落ちが発生することがある。
+ かつて存在していた多くのバグ
  • 本作の敵である星王子達をポリーナルートの終盤、星王子ルートでは味方として使えるのだが、味方使用時に不具合が多い。かつての最新パッチ(Ver1.21)でも修正されていなかった。
    • 烏丸善行はキャラクター画面ではアタックタイプとなっているのだが、戦闘に入るとスピードタイプとなることがある。更に1度攻撃するとアタックタイプに変化し、以後はアタックタイプのまま。
      • EX技もおかしくなっており、ステータス画面、戦闘画面において技の名前と技の効果が入れ替わって表示されている。
    • 遊馬有紀はキャラクター選択画面ではスピードタイプとなっているが、戦闘が始まるとアタックタイプに変化したり、戦闘開始時にはスピードタイプであっても1~2回攻撃するとアタックタイプに変化してしまう。
    • 猪瀬連十郎はキャラクター選択画面ではアタックタイプとなっているが、戦闘開始時にランダムでディフェンスタイプに変化してしまう。
      • ただし彼はEX技で任意にアタックタイプとディフェンスタイプを切り替えることが出来るため、仕様の可能性もある。
    • ナオには目に見えて分かるバグは特に無い。…と思いきや、実際にはEXゲージ関連のバグが存在していた。
  • 上記のバグは目に見えてわかるバグであり、実際は更に多くのバグが存在していた。詳しくはこちら。(電撃姫.comの修正パッチ置き場)
    • これらのバグは2017年3月24日に配信されたVer1.30のパッチでようやく修正されている。

賛否両論点

  • バトルシステムの変更点については賛否両論
  • ロケットダッシュの廃止
    • 『クルくる』に存在したロケットダッシュが廃止され、戦闘に参加するメンバーの素早さにより味方の初期配置が決まるようになった。
    • 初期配置をコントロールできなくなったが、戦闘メンバーによって配置をある程度固定できるというメリットもある。
  • 冗長なアニメーション
    • 攻撃時のアニメーションが長く、テンポが悪い。ユニゾンアタック時は攻撃の度にアニメーションが入るため更に悪化する。
    • 肝心のアニメーション自体も「出来が良い」とは言いがたい。せめてアニメーションのオンオフを切り替えられれば良かったのだが。
  • EX技が攻撃後の入力ではなく行動前に先行入力する方式となり、爽快感が減った
    • ただし範囲EX技の命中する相手や、EX技によるノックバックが入力の際に分かるように変更されたため、戦略性は上がっている。
  • 『クルくる』と違い基本的に敵味方共に攻撃Lvは全て1、サポートスキル、チャージを使用しても最大で2までしか上昇しない。
    • ストーリーが進行しても攻撃Lvが全く上昇しないため、ヒロイン達の成長が体感できないという意見がある。
    • その代わり属性による相性がより重要となっており*4、こちらも戦略性は上がっている。
      • また、ストーリー中に特訓イベントにより新EX技が習得できるため、成長が全く体感できないことはない。
  • 「サポートスキル」が分かりにくい
    • 本作のバトルでは直接バトルに参加していないキャラクターも「サポートキャラ」として戦闘に参加できる。
    • 『クルくる』では特定のキャラの攻撃後に一定確率で割り込んでくる形式だったが、本作ではバトル中ランダムでサポートスキルの発動、ユニゾン攻撃時に一定確率でサポートキャラも攻撃に参加、という形となっている。
    • このサポートスキルだが、非常にわかりにくい。戦闘前に見られる各キャラクターのステータス画面の左下に記号で「C」「H」「U」「EX(橙色)」「EX(紫色)」と使用できるサポートスキルが表示されているだけである。どれがどのような効果なのか確認することもできない。
      • ちなみに効果はそれぞれ「HP回復」「任意の味方1人がチャージ状態となる*5」「Actバーから1番遠い味方を2番目に遠い味方とユニゾンさせる」「EXゲージ回復」「EXゲージダウン」である。
      • それぞれの正式名称はビジュアルファンブックによると「チャージバースト」「ヒーリングプラス」「ユニゾンブースト」「EXブースト」「EXカット」となっている。
  • バトルの難易度が低めに設定されている
    • これは中盤以降、範囲EX技を持つ味方が増えて相手のスタンゲージを削りやすくなるためである。そのため範囲EX技を連発し、相手を気絶状態にしてゴリ押すことが容易。
      • 範囲EX技はEXゲージの回収率も良いため、使い勝手もいい。
    • その性能から範囲技に目が行きがちだが、杏子の単体EX技「紅蓮鳳翼蹴」も強力でスタンゲージこそ1しか減らないものの、ゲージ回収率、ラッシュ数、ダメージ全てが優秀。
    • また、序盤からあやねが使えるEX技「ラピッド☆サーキュレーション」が強力で、3回まで敵の攻撃を無効にする。EX技によるごり押しが不可能な序盤では非常に強力であり、初心者への救済や難易度の低下にも一役買っている。
    • これについては「ヌルゲーになった」という声もあれば、「理不尽だったクルくる(ハードモード)と比べて楽になってよかった」という声もある。
      • また、普通にプレイする分には難易度は下がっているが、『クルくる』同様戦闘評価GODを取るのはかなり難しい。
  • あるソーシャルゲームのトッププレイヤー達が一つの街に集まっている異常な設定。
    • もっとも、これはナオが意図的にトッププレイヤーを選抜した可能性が高いが。

評価点

  • 「キャラクターそのもの」は魅力的である。
  • 最低限のADVの水準には達している出来であり、このゲーム単体としてはそこそこ楽しめる。
    • 「女の子とイチャイチャするゲーム」として見ればそこまで悪い出来ではない。バトルも強制終了にさえ耐えられれば充分楽しめる出来である。
    • もっとも、女の子とイチャイチャするゲームとして見ると、クラウンハーツの設定やバトルの存在意義が怪しくなるのだが……。
    • 実際にクラウンハーツの設定が最低限しか使われていないサブキャラクターの杏子、あやねのルートのシナリオはHシーンが無いという点を除けばメインヒロインのシナリオより出来が良い。
      • ただし杏子ルートでは虎春はプロゲーマー並の腕を持つはずなのにプロゲーマーに全く歯が立たないといったおかしな描写がある*6他、勢いだけでシナリオが進む場面もありメインヒロイン達のシナリオよりはマシとはいえ良い出来とは言いがたい。
      • あやねルートは『クルくる』の聖沙ルートを彷彿とさせるメアの心理描写や、主人公らしさを発揮する虎春などそれなりに見所があり、シナリオそのものは短いが良い出来である。
  • 音楽は『プリっち』『クルくる』に引き続きアメディオが担当しており良曲が揃っている。特にfripSideのOP曲である「Absolute wish」はシリアス調で非常にかっこいい。

総評

『プリっち』『クルくる』のシナリオから熱さ、面白さ、コミカルさがほぼ消えてしまっており旧来からのファンをガッカリさせてしまった作品。
『クルくる』のスタッフがほぼ続投してこの出来」という点も批判の対象となってしまった。
上記を抜きにしても薄いシナリオ、雑な設定、本編では明かされない伏線の多さから褒められた内容ではない。
単品として見た場合はクソゲーではないが「バトルがそこそこ面白いがバグが多くシナリオが薄い凡作」と言わざるを得ない出来となってしまっている。
登場人物達は魅力的なため残念な作品である。
グッズ販売、追加シナリオの配布、新シナリオを付録にしたビジュアルファンブックの発売など公式がなんとか本作を盛り上げようとしていることが窺えるが、現状のゲーム内容では今後は厳しいだろう。


余談

  • 公式サイトの「ゲームシステム」の「長く楽しめるやり込み要素」の内容が公開されていない。
  • 花繋がりかDMM(現FANZA)ゲームズのアダルトブラウザゲームの一つである『FLOWER KNIGHT GIRL(フラワーナイトガール)』とのコラボが実施された。
    • 本作には初回特典として『FKG』用の装備アイテムのシリアルコードが付いている。
    • また、『FKG』本編にもメアをモチーフとした花騎士(フラワーナイト)である“ナイトメア(カタクリ)”が最高レアリティで実装された。
      • キャンペーン中は「5000円でガチャ11回・内1回はカタクリ確定」と言うのもあった。キャンペーン終了後も確率に勝てればだが入手は可能。
      • 本作の公式サイトでは「このナイトメアさんは、剣花姫でゲームアイドルのメアさんのイメージが、花騎士の世界で具現化された物です。だから似てるようで別人なんですよ」と明言されている。要するにメアが別作品の主人公に寝取られた訳ではないのでご安心を。
      • 因みに名前のナイトメアはナイト(騎士)とメアを掛けたものであるとされており、花騎士名がカタクリなのは3月24日生まれであるメアの誕生花だからである。
    • 尚、かんなぎれいがデザインした花騎士“イキシア”も最高レアリティで登場している。
  • ビジュアルファンブックではメアがゲームの達人となった理由や大まかではあるがナオの正体が記載されている。本編で語られなかった事が惜しい内容である。
    • また、『プリっち』『クルくる』が本作と世界観を共有していることが記載されている。明言はされていないが『パティシエなにゃんこ』も世界観を共有している可能性が高い。

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最終更新:2022年04月07日 00:56

*1 街中に現れる「神冠大戦VR」に参加するための電子空間。

*2 主人公の攻撃では敵にダメージを与えることができない設定があるため。ただしごく一部のイベントでヒロイン達を援護するという形で戦闘に参加するシーンもある。

*3 かんなぎ氏が以前所属していたブランド『Lilian』の広報キャラクターでもあり、『プリっち』に登場した「リリアン・チロル」とは幼馴染設定がある。

*4 『クルくる』では攻撃Lvの高いキャラクターを利用し属性相性を無視したプレイが可能だった。

*5 とビジュアルファンブックには掲載されているが、実際にはチャージする味方を選択することはできない

*6 最終的に一矢報いるが「プロゲーマー並の腕という設定を生かしている」とは言いがたい。