ポケットモンスター サン・ムーン

【ぽけっともんすたー さん・むーん】

ジャンル RPG
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対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 ポケモン
開発元 任天堂
制作 ゲームフリーク
発売日 2016年11月18日
定価 4,980円
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし (管理人裁定による)
ポイント ポケモンの世界観に一石を投じた作品
賛否両論が激しいキャラクターとストーリー
対戦環境のバランスはやや改善
評価点だが練り込み不足も目立つUIと新システム
ポケットモンスターシリーズ


概要

ハワイをモチーフにした南国のアローラ地方が舞台の、第7世代完全新作。
シリーズ20周年を迎え、同年はVC版初代で久々に『ポケモン』に触れたプレイヤーが復帰したり、スマートフォン向けゲーム『Pokémon GO』が社会現象を起こしたりと、シリーズへ特に注目が向けられていた年でもあった。


特徴

  • 時間は『サン』だと通常通りの時刻になるが、『ムーン』だと実時間とは半日ずれた時刻でプレイすることとなる。
    • 条件を満たすことで両バージョンとも別のバージョンの時刻に切り替えられる。
  • 冒険は「島めぐり」
    アローラ地方はメレメレ島・アーカラ島・ウラウラ島・ポニ島の4つの島で構成されていて、各島に数人ずつ存在するキャプテンが下す「試練」を突破していく。その島のすべての試練を突破するとしまキング/しまクイーンと戦う「大試練」に挑むこととなる。
    • 過去作どおりの「ポケモンジム」が存在しない代わりの役目となっている。
    • 試練は、試練場所にて試練開始 ⇒ ミニゲーム ⇒ ぬしポケモンとの対決で構成されている。
      • ミニゲームは「試練場所にいる野生ポケモンを倒す」「簡単なクイズに答える(どれを選んでも正解なものもあったりする)」など様々。
      • ぬしポケモンはステータスを上げるオーラをまとっている。さらに後述の仲間を呼ぶシステムで他のポケモンと連携してくるため、こちらのレベルや相性が有利でも油断はできない。
      • 試練中は野生ポケモンやぬしポケモンを捕獲したり、外へ引き返すことができない。
    • 大試練のしまキング/クイーンは手持ちポケモンのタイプを統一しており構成はジムリーダーそのものだが、後述するZワザを使ってくるので一筋縄ではいかない。
  • ポケモンの力を借りて進む「ライドギア」
    • 旧作のじてんしゃ・ダウジングマシンやひでんマシンが削除され、新たに導入された代替システム。
    • ライドポケモンを呼び出して乗ることで過去作のじてんしゃ・ダウジングマシン・ひでんマシンと同等の効果を得られる。借りているポケモンなので、主人公が自らそのポケモンを所有する必要もない。
    • なおひでん技については、通常の技と同様に扱われるようになり、連れ歩いているポケモンの技をバトル以外で使用することはなくなった。
      • 一部のひでんマシンはわざマシン化し、その他のひでん技も一部のポケモンがレベルアップで習得する。
      • フラッシュ、あなをほるなどの技もフィールドで使えなくなっている。
      • これにより「秘伝要員」を考慮する必要がなくなり、ストーリークリアのために連れていくパーティ(旅パ)の自由度が高い。
    • Yボタンでメニューを開き、そこから乗るライドポケモンを選択する。また、十字ボタンそれぞれに使いたいポケモンを登録することでワンボタンでポケモンに乗れる。
    • 乗ることができるのは以下のポケモンたち。ストーリーの進行に伴って乗れるポケモンが増えていく。
+ ライドポケモン紹介
  • ケンタロス: 地上を駆け抜ける。+Bボタンでスピードが上がって岩を壊せる。
  • ムーランド: 地上を走る。+Bボタンで移動速度が下がるが、隠れている道具を探せる。通常の移動速度もそこそこ速い。
  • バンバドロ: デコボコした道を進める。+Bボタンでスピードアップ。
  • カイリキー:プレイヤーを2本の腕でお姫様だっこし、+Bボタンでもう2本の腕で大きな岩を押す。
  • ラプラス: 海上移動。+Bボタンでスピードアップ。
  • サメハダー: 『ORAS』同様海上を高速移動できる。+Bボタンでスピードアップ+岩砕き。
  • リザードン: 空を飛んで他の場所に移動できる。ポケモンセンター以外の場所にも飛べる。
  • 「乱入バトル」システム
    • 戦闘中に野生ポケモンが仲間を呼び、1VS2の状況を作ってくる。相手が同時に3匹以上呼ぶことはないが、こちらがもう一匹出すこともできない。
    • 呼びだされるのは基本的に同種だが、低確率で進化形を呼んだり(タツベイ→ボーマンダなど)、天敵が乱入してくることなどもある(サニーゴ→ヒドイデなど)。
      • 天敵は呼び出したポケモンを攻撃対象にするため、元のポケモン側を残したい場合は注意が必要である。
    • 相手のHPを減らしたり、道具「ビビリだま」を活用することで仲間呼び率がアップし、呼んできた仲間を倒し続けることで連鎖が発生する。
      • 呼びだされた仲間から得られるきそポイント*1は2倍になるほか、連鎖回数につれて隠れ特性・色違い・道具所持出現率がアップし、さらに特定回数を突破すると個体値のどこかが最大値(V状態)になり、そこからも続けると個体値が最大になるステータスの数も増えていく。
      • ただし進化系や天敵など、呼び出し元とは違うポケモンが残った際は、もう呼び出しを行わない。同じポケモンだったらどちらを残してもいいが、別種のポケモンが呼ばれた場合は、呼ばれたポケモンの方を倒さないと連鎖が途切れてしまう。
  • 新たなポケモン図鑑「ロトム図鑑」
    • 電子機器に入りこむ性質を持ったポケモン・ロトムが入っている図鑑。図鑑に入ったことで人の言葉で話せるようになっており、次の目的について私情を交えながら話す。マップ移動中は常時下画面に表示され、マップ・自分の位置・次の目的地を表示してくれる。
    • 図鑑自体の機能も変化。
      • 図鑑完成度がパーセントで表示されるようになったほか、図鑑評価もロトムが行うようになっている。
      • 『XY』の図鑑が3つの地方で分かれていたように、4つの島でそれぞれ図鑑が異なる。
      • 図鑑のページが同じ系列や共通点のあるポケモン(「キャタピー系」や「ケンタロスとミルタンク」など)で1ページになっており、ページが完成すると称賛してくれる。
      • 進化や交換で図鑑が埋まった場合にも図鑑画面が表示されるようになった。
      • 説明文も通常とは異なった姿やメガシンカした状態のものが用意された。
  • ポケモンの力を極限まで引きだす「すごいとっくん」
    • 「きんのおうかん」「ぎんのおうかん」をすごいオヤジに渡すことで、ステータスの実数値を個体値31(V)相当に上げられるようになった。金はすべての能力を、銀は指定した1か所だけを上げられる。ただし、Lv100にしないと利用不可。
    • これによって鍛えた箇所は本来の個体値と別枠で数えられる。そのため個体値でタイプの決まる「めざめるパワー」のタイプは変わらず、鍛えたポケモンからタマゴを作っても遺伝するのは元の個体値になる。
  • ポケモン関連
    • アローラの気候で独特の変化を遂げた旧作のポケモン「リージョンフォーム」
    • リージョンフォームは旧作に登場したポケモンの亜種で外見やタイプが異なる。「○○(アローラのすがた)」とも表記される。なお、本作では『赤緑』初出のポケモンに限定されている。
      • 例としてほのおタイプだったキュウコンはこおり・フェアリータイプになり、進化方法・特性・習得技なども変化している。また、画面からはみだすほどのサイズになった強烈な見た目のナッシーは大きな話題となった。
  • 守り神
    • 本作に登場する伝説のポケモンの一種で、プレイヤーからはいわゆる「準伝説」と呼ばれる立ち位置。名前が「カプ・○○○」となっており、各自がそれぞれ登場時に「フィールド」と呼ばれる場を発生させる特性を有している。
      • フィールド自体は『XY』から登場する概念であり、場に出ていて地面にいる(じめんタイプの技を受け付ける)ポケモンに対し何らかの効果を付与するもの。
    • 準伝説特有の高水準なステータスに加え、フィールドにより更に底上げされるためスペックが非常に高い。
      • フィールドの効果は自分だけでなく敵味方にも作用する。相手に利用されてしまう恐れもあるが、上手く使えば手持ち全体のスペック底上げを狙える点が魅力。
  • アローラ地方の脅威となる「ウルトラビースト」
    • 異空間から現れた謎の存在。通称「UB」で、どの種もこれまでのポケモンにない異形の姿をしている。
    • 本編ではコードネームで呼ばれており、クリア後のストーリーで捕獲することで種族名が明らかになる。
    • また、UB捕獲用の特別なモンスターボール「ウルトラボール」が用意されている。もちろん他のボールでも捕獲可能。
    • 種類によってはどちらかのバージョンにしか出現しなかったり、1つのソフトで複数匹登場するものもいる。
    • こちらも前述のアローラの守り神同様「準伝説」と呼ばれる伝説のポケモンに分類され、その性能は非常に特徴的。
      • 共通の特性「ビーストブースト」は「相手を倒すと自分のもっとも高い能力値1か所が上昇する」という使い勝手がいい効果。
      • 種族値*2は極端に高い箇所と低い箇所が混在しているポケモンが多く、全体的にピーキーだが使いこなせれば強力なポジションにある。
  • その他
    • 『XY』で初登場し、アニメ等他媒体で特別な姿を見せたジガルデは、アローラ地方のあちこちにある「ジガルデ・セル」を回収することでその数に応じて生成可能になった。通常のジガルデに加えて、新たに2つの姿が追加された。
    • 「カプ・コケコ」「タイプ:ヌル」など約物を使うネーミングのポケモンも登場した。
    • 技の習得タイミングに「進化したとき」が追加された。進化した時のレベルに関わらず進化した時点で習得する。
      • 既存のポケモンの内、進化の下限レベルで覚える技*3は軒並みこの条件に差し替わっている。
    • シリーズ初の「進化する伝説のポケモン」が登場した。
    • ポケモンの親を判別するトレーナーIDが5桁から6桁になった。ただし、IDくじは従来通り下5桁による抽選である。
    • 体験版をプレイすると特別な特性「きずなへんげ」ゲッコウガが入手可能。条件を満たすとアニメからの逆輸入ポケモンの「サトシゲッコウガ」に姿を変える。ただし、タマゴを発見できず、レーティングバトルにも参加不可能。
  • 対戦関連
  • ゼンリョクの攻撃「Zワザ」
    • 「Zリング」と「Zクリスタル」を使って発動する。
    • Zクリスタルは各タイプ+特別なZワザの分だけ存在し、対応するクリスタルを持たせた状態で技を選ぶとZワザに変化し発動する。消耗品ではないが戦闘では一戦一回のみとなっている。
      • 使用時に主人公がZワザの種類に応じてポーズ(ゼンリョクポーズ)をとる演出が入る。
      • 攻撃技を選ぶと威力が元の数値に比例して大幅に上昇する。
      • 変化技は使うと「技ごとに異なる追加効果(バフ効果、HP回復など)→通常の変化技発動」となる。
      • 専用技はそのポケモンに対応したZクリスタルに加えて、特定の技を覚えていることが発動条件となっている。対応するポケモンはアローラ御三家やカプ系などごく一部に限られる。
      • 細かな仕様として、メガストーンと同じく道具に影響する技を受けない。
        Z攻撃技は「まもる」系の技を使われても本来の威力の1/4だけ貫通ダメージを与える。「めざめるパワー」はノーマルタイプ扱いで、タイプ設定のない「わるあがき」のみ使用不可。「かなしばり」や「アンコール」「ちょうはつ」などでその技が使えなくなっている場合でも、Zワザに変化させることで通常通り使用できる。
  • 対戦形式
    • 新たなバトルとして「バトルロイヤル」が追加。
      • 「ロイヤルドーム」という施設で遊べる。4人のトレーナーがそれぞれポケモンを出し、誰かが全滅したターンで試合終了。倒した数と生き残った数の合計により順位が決まる。
      • ロイヤルドームでは1勝するたびに次のランクへの挑戦権が得られ、ランクが上がるともらえるBPが増える。ちなみに最下位になってもBPはもらえる。
    • ネット対戦のフリーバトルでは、伝説のポケモンの使用可否も選択してマッチングができるようになった。
    • レート戦は『ORAS』同様第5世代以前が出自のポケモンは出場できないものの、第6世代産のポケモンは出場させることは可能*4
    • トリプル・ローテーションバトルは廃止された。これについては後述。
    • フリー・レート問わず、インターネット対戦開始時にメッセージを表示させる機能は削除。第6世代で一部ユーザーが不快なメッセージにしていたのが原因と思われる。
  • 対戦環境の調整
    • 『XY』に続き今回もマイナー級を中心に種族値の上方修正が行われ、今一歩だったところから強化されて使いやすくなったポケモンもいる。
    • 新たに特性が追加・変更されたポケモンもいる。ゲンガーのように暴れすぎて特性を生かしにくいものに変更されたポケモンもいれば、天候特性が追加されたペリッパーやコータスのように大幅強化されたポケモンもいる。
    • 「おやこあい」「いたずらごころ」「はやてのつばさ」「○○スキン」など強力すぎる特性は利便性を殺しきることなく弱体化されている。
    • 「みちづれ」「ダークホール」「ぜったいれいど」などの強力な技を始め多くの技が上方/下方修正された。
    • 猛威を振るってきた状態異常についても、「まひ」はすばやさの下降補正が1/4から1/2に低下、「こんらん」は自滅率低下、「やけど」はダメージ減少など、状態異常一辺倒の戦法は成立しにくくなっている。
    • 他「メガシンカしたポケモンが最初からメガシンカ時の素早さで動けるようになった」「特性や道具のダメージによる相打ちは、ダメージを与えた側が負けになる」など大きな変更がなされた。
    • 1ターンごとの制限時間は「1人持ち時間10分、1ターンにつき1分まで」という形になり、長い間問題になってきたTODがようやく改善された。
  • バトル施設「バトルツリー」
    • 内容は従来のバトル施設と同じだが、戦った相手トレーナーをBPでスカウトすることで、マルチバトルのパートナーにできたり、1日1回、連勝数に応じて景品がもらえるといった特徴がある。
    • 特定の連勝数で戦える「バトルレジェンド」として、レッドとグリーンが『BW2』からさらに年を重ねた姿で登場。
    • スーパーバトルになると10戦ごとに特別な相手と戦う。本編に登場した人物のほか、『DPt』のシロナ、『ORAS』のミツルなどのゲストとも戦える。
  • 対戦関連の新要素(2017/1/31のアップデートより)
    • 「仲間大会」
      • PGLとの連動でユーザー主催の大会を開催できる。大会の内容はインターネット方式かライブ方式かで選択できる。
    • 「QRバトルチーム」
      • 自分が作成したバトルチームをPGLにアップし、そのQRコードを読み込むことで他のプレイヤーも利用できる(ただし、ポケモンの色違いやなつき度などは反映されない)。
      • 公開したバトルチームは対戦に使用された回数と勝利回数が表示され、それに応じて公開者の「ビルダーランク」が上昇し、公開できるチームの数が増えていく。
      • ポケモンの種類はもちろん、技や持ち物を条件にしても検索が可能。
      • これにより対戦をライトユーザーでも楽しめるようになり、他プレイヤーの構築も簡単かつ大量に参考にできるようになり、遊びの幅が広がった。
  • ポケモンの手入れやリフレッシュをする「ポケリフレ」
    • 基本的なシステムは第六世代のポケパルレと同じだが、少し差異がある。
    • 戦闘終了後や状態異常になった際、戦闘でついた汚れなどを掃除したり、状態異常を治療する特別メニューが追加される。
    • ポケモンに食べさせるものはポフレから「ポケマメ」に。ポケマメはポケモンセンター内にあるカフェで飲み物を頼んだオマケやポケリゾートで入手可能で、ふつう・がらつき・にじいろと3段階に分かれている。にじいろは1個でなかよし度を3アップできる。
      • また、各地にあるマラサダショップで「マラサダ」をポケモンに食べさせることでもなかよし度を上げられる。マラサダの味と好みは『RS』のポロックに共通。
    • ポケパルレからカメラ遊びとミニゲームが削除され、「あそび」のパラメーターは「なでなで」に置き換わっている。
  • ポケモンたちの楽園「ポケリゾート」
    • 管理人のモーンとともに発展させていくリゾート。ボックスに預けているポケモンがのびのびと暮らしている。
    • ここではポケリフレで使用するポケマメが通貨的存在になっており、ボックスに預けているポケモンが一定数いる状態でかつポケマメを消費することで、リゾートの開拓・開拓(レベル上げ)が可能になる。
      • 各リゾートにはポケマメを入れるボックスがあり、入れた数と種類に応じてリゾートにスピードや確率上昇などの効果を与える。がらつきやにじいろを入れることで効果はさらに大きくなる。がらつき・にじいろをふつうのポケマメに換えて数を増やしたり、ポケマメを別のプレイヤーのリゾートに届けることもできる。
+ 5種類のリゾート
  • のびのびリゾート
    最初から存在するリゾート。中央にある豆の木をタッチするとポケマメが落ちてきて回収できる。リゾートのレベルに応じて落ちる量が増える。
    また、ときどき野生のポケモンがやってくることがあり、気に入られると戦闘なしに捕獲ができる。
  • すくすくリゾート
    「きのみ」を育てられるリゾート。植えられる個数はリゾートのレベル×6個で、レベルに応じて収穫量も増える。
  • どきどきリゾート
    ポケモンを探検に派遣することで道具が入手できる。探検ルートはレベルの数で増加し、かけら・進化の石・換金用道具・おうかんなどが入手できる。
  • わいわいリゾート
    アスレチックでポケモンを遊ばせることで自動育成が可能。育成メニューは各ステータス+経験値の7種類で、ステータス方面はその箇所へきそポイントを振る形となっており、レベルに応じて一度の遊びで得られるきそポイント・経験値が増える。
  • ぽかぽかリゾート
    温泉にポケモンを入れることでポケモンのなつき度を上げられる。ただし、24時間以上放置するとのぼせて逆に下がる。また、タマゴを入れることで自動孵化もできる。
  • 「QRスキャン」と「島スキャン」
    • QRスキャンは名前の通り、QRコードを3DSの本体カメラで読み取ることでポケモンを見つけ出すもの。図鑑では「見つけた」扱いとなるため、生息地の把握が可能に。
+ 詳細
  • スキャンできる回数は2時間で1回。最大で10回分溜められる。
  • QRコードの読み取り精度も第6世代よりかなり高まっている。
  • スキャンをするたび10ポイントが溜まり、100ポイントに達すると「島スキャン」が可能になる。
    島スキャンでは現在いる島と曜日によって、ジョウト御三家を初めとする珍しいポケモンや対戦で有用なポケモンが1時間だけその島に出現し捕獲できる。
    • 島スキャンで出現したポケモンはレベルアップでは覚えないタマゴ技を覚えているが、仲間を呼ばないので隠れ特性を入手できない。
  • アニメのデータ放送、アーケードゲーム『ポケモンガオーレ』などからスペシャルQRコードが配信されている。これをスキャンすると20ポイントが入手できる。
  • ポケモンを写真撮影する「ポケファインダー」
    • 特定のポイントでロトム図鑑に内蔵されたカメラを使うことで野生ポケモンの撮影ができる。規模こそ縮小しているが『ポケモンスナップ』に近い。
    • 1度の撮影で6枚撮影することができる。撮影した写真はアップすることでNPCから評価がつき、評価数に応じてファインダーがアップデートされて機能が追加される。
      • 1つの撮影ポイントに出るポケモンは数種類おり、レアなものや昼夜によって出現が分かれるものがいる。
  • 通信機能「フェスサークル」
    • メニュー画面からいつでも直行できる、店が立ち並び通信したプレイヤーがいる特殊な町。『BW2』のジョインアベニューとフェスミッションに近い。
    • 第6世代のPSSのように、ここからGTS・バトルスポット・ミラクル交換に入ったり、通信しているプレイヤーを探せる。
    • ここでの通貨はFC(フェスコイン)。赤い吹き出しを出している人と会話する、アトラクションの報酬、GTSやバトルスポットの利用後に人と話すなどしてもらえる。
      • FCを使うことで店の利用ができるほか、他のプレイヤーから店を誘致したり、相手が着ている服と同じ服を買える。
      • 集めた総FCが一定枚数に達するとフェスサークルがランクアップ。ランクに応じて、フェスサークルに名前を付けられたり、BGMや外観を変えられるようになったり、一部機能が解放されたりする。
      • 店のランクは最大★5(店によっては最大★3)までとなり、後天的には上がらない。ランクの高さに応じて受けられるサービスも増える。
    • 店は最初から敷地すべてに建てられており、建て替えるには「ランクアップするたびに中央の城でマーマネに紹介してもらう」か「他のプレイヤーから誘致する」かのどちらかとなる。
      • 店はボール屋や薬屋など市販品の販売から、きそポイント稼ぎ・レア道具の入手・レベル上げなどやりこみに役立つものも。
    • アトラクションはフェスサークルに来たプレイヤーと挑めるミニゲーム。種類は「○○タイプが好きな人を探す」「タイプ相性クイズ」など豊富。スコアは★の数で現わされ(最大5つ)、それに応じてもらえるFCが決まる。
      • 通信をすることで他プレイヤーの開いたアトラクションに参加できる。スコアは個人スコア+参加者全員のトータルスコアで★の数は最大10となり、それだけ報酬も増える。
    • 中央の城ではマーマネのほかに、グローバルアトラクション参加、フェスサークルの模様替え、現在フェスサークルにいるプレイヤーの呼びだしができる。
      • グローバルアトラクションは世界中のプレイヤーと協力して「参加者で合計ポケモンを1億匹捕獲」「島スキャン100万回」といった目標を目指す。達成すると報酬がもらえる。
  • その他過去作からの変更点・復活した要素
    • これまでは「男の子? 女の子?」と訊かれて性別(『XY』では顔も選ぶ)が決定していたが、本作では「どの写真がいいか教えてくれるかな?」に対し写真で回答して顔(及び肌色)を決める形式に変更された。そのため主人公の性別は明確にされていない。
      本作の数ヶ月前に配信された『Pokémon GO』においても「スタイルを選んでください」という表現であった。LGBT等へ配慮した時代に合わせた変化と言える。これは続編以降も踏襲された。
      • ただし明言されないだけで、ファッション等の面では実質的に男女が区別されており、いわゆる女装や男装はできない。
        このため本稿では便宜上「男女」の表記を使用している。
    • 言語は第6世代の7言語に加え、中国語の簡体字と繁体字が追加されて9種類になった。
      • ただし、中国語を選んでも主人公の名前やポケモンのニックネームに漢字は使えない。
    • 人間キャラの頭身がマップ画面でも上がった。
      • ダンジョンや建造物もそれに合わせて高くなっている。
    • 道具の値段や効果に修正が加えられ、価格や使用頻度・下位アイテムの性能を考慮した性能に調整された。
      • 例として「いいキズぐすり」や「フィラのみ」等は回復量が強化され、実用性が増した。逆に「すごいキズぐすり」や「あなぬけのヒモ」等は回復量が減少したり価格が若干値上がりしている。
    • 着せ替え要素の復活
      • 舞台が南国のためか全体的に夏服が多い。キャラクターやポケモンを模したような服も存在する。
      • 髪型のパターンも増え、女主人公はリップも塗れるようになった。帽子飾りの代わりにサングラスや髪飾り(女主人公限定)も着けられるようになった。
      • フェスサークルの染物屋ではきのみを使って白い服を染めることもできる。
    • ミニイベントの増加
      • 特定のポケモンを見せる、ちょっとしたミニゲームをプレイするなどして遊べる。報酬も得られるのでやる価値は大きい。

評価点

  • ライドギアの導入
    • ライドギアは4つまで十字ボタンに登録でき、スムーズに呼び出せる。
      • 例えば上ボタンにリザードンのライドギアを登録すれば、上ボタンを押すだけでいつでも従来の作品における「そらをとぶ」相当の移動ができる。
  • 「ポケリフレ」でポケモンとの触れ合いがより多彩に
    • 『XY』『ORAS』の「ポケパルレ」と比べ、ポケモンを色々な方法で可愛がれるようになった。
    • また、戦闘中に受けた状態異常もこれで治せるようになったため、道中で回復アイテムが不足した場合には有難い。
    • 800種に色違いと姿違いを含めた全てのポケモンに対応しており、UBなどのデザインに難色を示したユーザーがリフレをきっかけに印象が変わったという感想も見られた。
    • 現在地の地形が背景に反映されるようになり、ポケモンとその場で触れ合っている雰囲気がより強化された。
  • 一部伝説のポケモンの出現数増加
    • 本作では一部の伝説のポケモンがなんと複数匹(最多では4匹)入手できる。
    • パッケージポケモンであるソルガレオ/ルナアーラも1つの作品で2匹入手可能。
    • これによりGTSや友達との交渉がしやすくなり、もう片方の作品限定のポケモンを入手しやすい。
  • BGM
    • シリーズの目玉のひとつである上質なBGMは本作でももちろん健在。
    • 民族調な曲も多い一方、それと傾向がまるで異なる2つの組織のBGMなど幅広いものが揃っている。昼と夜で曲調ががらりと変わる曲も多い。
    • レート戦などで音楽を選択する際今まで番号だけで分かりにくかったがBGMのタイトルで表示されるようになり分かりやすくなった。
    • 『ORAS』のバトルハウスでは音楽は4つしか選択肢がなかったが、本作のバトルツリーでは全曲の中から選べるようになった。
      • フェスサークルでレベルを上げるとBGMの変更が可能になり、雰囲気を自分好みに変えられる。
  • バトルスタイルの変更
    • ボールの投げ方と決めポーズを変更可能に。
      • 「両手で下からボールを投げる」「トレーナーが一回転してからボールを投げる」など、これまで1種類しかなかった投げ方に個性が生まれた。
      • 決めポーズは対戦前に表示される。「ガッツポーズ」「ピース」などのポーズを楽しめる。
    • ミニイベントをこなすことで入手可能。全8種類(デフォルトの「ふつうのスタイル」も含む)。
  • カキの試練
    • 2枚の画像を見比べて間違い探しをする観察力を試すイベント。
    • 1問目はガラガラのポーズを見分ける妥当な難易度だが、2問目・3問目は間違いが大胆になり、予想外の展開やバトル前後の妙な言い回しで笑えるイベントとして好評。
  • 育成環境
    • 従来作で厳選する上で最重要施設であった「育て屋」が「預かり屋」へと変更され、その他様々な仕様変更が行われた。
      • 前作までは手持ちがいっぱいだと手持ちに空きを作るまでタマゴがもらえなかったが、本作は後述の通りタマゴを直接ボックスに送れるようになったため、手持ちがタマゴで埋まっている状況でもボックスに新たなタマゴを溜めておけるようになり、孵化効率が大幅に向上した。
      • 「預かり屋」なので「育て屋」と違い歩数に応じた経験値が入らないが、このため遺伝させたい技が消えないようにあらかじめレベルを上げたり、いちいち引き出す手間が省かれた。
        利用料は一回最低100円から500円固定に変更されたが、低レベルのポケモンを預けっぱなしにしても値上がりしないので総合的には過去作よりずっと経済的である。
      • ボール遺伝の仕様が変更。オス・性別不明のポケモンとメタモンを預けても、親のボールを受け継ぐようになった。また同種のポケモンを預けた場合、両親のどちらかのボールを受け継ぐ。
        これにより、一部のポケモンは従来作では不可能だったサファリ・ガンテツ・コンペボールと隠れ特性の両立も可能になった。
      • 預かり屋までライドで直接行けるため、孵化速度を速める特性「ほのおのからだ」持ちさえいえばすぐに厳選ができるようになった。
      • 常に視界にタマゴをくれる人がいるので、もらえるようになったタイミングも分かりやすい。
      • 預かり屋の中にめざめるパワー判定人もいるため、孵化したポケモンがどのタイプのめざめるパワーを使えるのかもすぐに判定できる。
      • タマゴ発見率の上がる「まるいおまもり」は図鑑完成関係なくクリア後に入手可能。色違い出現率の上がる「ひかるおまもり」も入手条件が全国図鑑完成からアローラ図鑑完成に緩和された。
    • ステータス画面でYボタンを押すことによりきそポイントを振ったところが目視できる。
      • 1ヵ所へ極振りした時はそこが光り、全部振り終わったときは全体が青くなる。
    • すごいとっくん
      • このシステムにより理想個体でないポケモンの個体値を補えるため、伝説などタマゴを作れないポケモンや色違いや配布ポケモンといった希少なポケモンの厳選難易度が緩和された。
      • 過去作では不可能だっためざめるパワーかくとう・いわ・ほのお・エスパーとすばやさ最大値の両立が可能になり、同速ポケモンに競り負けることを気にせず採用できるようになったのも大きい。
    • ハートのウロコ
      • 実質的にハートのウロコをお金で大量に買えるようになった(無料でも1日に14個は入手可能)。
      • 使い道の技思い出しについても現在のレベル以降に覚える技も思い出せるようになったことで、わざわざレベル上げをする手間がなくなった。
    • 個体値ジャッジ
      • 殿堂入り後、タマゴを20個以上孵化した状態でバトルツリーPC付近のNPCに話かけるとボックス画面から各ポケモンの個体値を見られるようになる。個体値はグラフとコメントで表示され、具体的な数値は表示されないものの、0(ダメかも)、U(すばらしい)、V(さいこう)は正確に把握できる。これまでは面倒だった判定を容易に行えるので大きな改善点と言える。
    • 乱入バトル
      • 31連鎖以上することで4V固定のポケモンが確実に出てくるようになる。第6世代までは最大でも3V固定だった。孵化親やメタモンなどの調達に役立つ。
    • ポケリゾートの存在によって非売品の進化の石も量産しやすくなっている。
  • パワー系道具を持たせた時に上昇するきそポイントが+4から+8に強化された。
    • きそポイント振りが短縮できるようになったが、細かい調整は若干面倒になった。
  • 改善されたUI関連
    • 手持ちがいっぱいの時にポケモンを捕まえたりタマゴをもらった際、手持ちに加えるかボックスに送るかなどを設定で選択できるようになった。この際にステータスの確認も可能。
      • これにより上記したタマゴ以外にも「特性が目当てではない方なので捕獲作業を続ける」「Vが欲しいところに来ていないのでリセット」等がいちいち戦闘終了後にメニューを開きなおさなくてもその場で可能になった。
    • 『BW2』で好評だったバッグのフリースペースが復活した。
    • 対戦時のBGM変更についても曲名表示や変更可能時間が伸びたことで利便性が向上している。
    • ポケモンに技を覚えさせるかの確認の際、技がいっぱいで覚えられない場合の説明やキャンセル時の確認が削減された。地味ながらこの改変は結構大きい。
    • 野生ポケモンとの戦闘時にYボタンを押せば、最後に使ったボールをワンタッチで使用できるようになった。
      • 代わりに、最後に使った道具をワンタッチで使える機能が廃止された。
    • 過去作のゲーム内テキストでは曖昧な表現が使われていた特性を中心に大半の説明文が書き直され、「どのタイミングで発動するか」「何ターン続くか」「何段階上昇/下降するか」等がある程度ゲーム内で把握できるようになった。
  • パソコン・ボックス関連
    • パソコンを起動するとボックス画面に直行するようになった。前述の通り図鑑評価はロトム図鑑が担当し、殿堂入り回数と参加ポケモンはリーグ前のNPCに話しかけることで確認できるようになった。
    • ボックス画面は従来の「ボックス整理」に加え、「持ち物整理」「バトルチーム設定」にもワンタッチで移行できるようになり、非常に使いやすくなった。
      • バトルチームは過去作のバトルボックスの上位互換となっており、最大6つまで設定したり、1匹のポケモンを複数のチームに登録することが可能。なお、これに設定したポケモンはボックスの元の位置を離れない。
    • 条件を満たすことで、個体値のジャッジもボックス画面からできるようになる。わざわざ特定のポイントまで行き1体ずつ確認していた過去作よりも大幅に確認作業の手間が減ることになった。
  • フリーバトルの仕様変更
    • 本作は第六世代とは異なり、参加する際特定の伝説のポケモン(禁止級伝説)の使用の有無を選べる様になった。
      • 第五世代に存在した伝説なしフリーバトルが復活し、両者の住み分けがなされ快適に遊べる様になった。
  • 戦闘画面の変化
    • HPバーと特性発動時のカットインが大きくなり、視認性が向上した。
    • 技選択画面や交代画面で、場に出ている相手のポケモンに対するタイプ相性が表示されるようになった。タイプ相性に不慣れな初心者に優しいのはもちろん、中級者以上にも地味に便利な機能。
      • 通信対戦では無条件で表示されるが、野生ポケモンやNPC相手では一度倒したことがないと表示されない。ただ、「このポケモンはどんなタイプを持っているんだろう」と試行錯誤する楽しみもある。
      • 表示されるのはあくまでも本来のタイプ相性で、一部タイプの技を無効化・半減する特性の効果までは考慮されない。例えばじめんタイプの技を無効化する特性「ふゆう」を持つじめんタイプ弱点のポケモンにもじめんタイプの技は抜群と表示される。外見だけ他のポケモンに化けるゾロア・ゾロアークの特性「イリュージョン」はちゃんと化けた先のタイプ相性で判定される。「めざめるパワー」などの表記と異なるタイプで出される技も、実質的なタイプで相性判定される。
    • これまでは外部媒体でメモを取るか記憶する必要があった要素をゲーム内で確認できるようになった。
      • 下画面に表示されるポケモンのアイコンをタッチすることで、ステータスのバフ・デバフ効果やひかりのかべ/リフレクター、天候技などの残りターン数が分かるようになった。
      • 通信対戦時はYボタンを押すか相手の名前をタッチすることで最初に見せた6匹のポケモンが暗めに表示され、場に出たポケモンは明るく表示される。これにより相手の選出や控えポケモンを常時確認できる。
  • ポケリゾート
    • きのみ栽培は水やりやむしタイプポケモン退治をせずともたくさん収穫できるようになった。収穫時も旧作のようにいちいちAボタンを押さずともタッチでスムーズに収穫できるのは評価点。
    • きそポイント振りは(レベル3の場合)30分で4ポイントずつ溜まり、細かい調整も可能。寝る前や通学通勤前に仕掛けておけばその間に自動で振ってくれるのでいちいち自分でやる手間が省けて効率的。
    • ぽかぽかリゾートでは最大で一気に18個まで孵化できるので、かなりの数の未孵化のタマゴがあっても消費しきれる。理想的なポケモンが孵った後の残りのタマゴの処理が楽になった。
    • いずれもマメを消費することで倍速化が可能。マメ自体も最初にのびのびリゾートを開発しておけばまず不足することはない。
      • 開発しきるまである程度ポケモンを捕獲しマメを投資する必要があるが、その分見返りは大きい。
    • パソコンに預けた状態のポケモンたちがくつろいでいるため、連れ歩いていないポケモンの元気な姿が見られるという意味からも、嬉しい施設。
  • QRレンタルバトル
    • PGLへの登録が必須だが、初心者にとっては経験者のチームをQRで読み込んですでに構築されたパーティを使うことで、自分でパーティを作る時の参考に出来る。
    • もちろん公開されている以上、情報が基本的に相手に洩れるデメリットもあるが、膨大な厳選作業をしなくてもレーティングバトルを楽しんだりバトルツリーで稼ぎやすくなるので、バトルへのハードルを下げる役には立っている。
  • 仲間大会
    • ネット大会を開くには20人以上のエントリーがいるものの、これまでユーザー間で大会を開いた場合一々各自に集計したりフレンドコードを交換する必要があったのでその手間が省かれ気軽に開けるようになったのは大きい。
      • エントリー自体もPGLからワンクリックで済み、時間になったらQRコードを読み込めば即参加できるのでとにかく手軽。もし開催時間に急用が入って参加できなくともペナルティはない。
    • ルールもバンク経由や伝説級、Zクリスタルやメガストーンの使用を認めるかなど細かく定められるようになっており、お互いが公開していれば後から使用したパーティも確認できるため、その後のパーティ構築に役立てることもできる。
    • 参加者が100人を超える大規模大会になった場合は、その大会での使用ポケモンランキングや多かった技・持ち物まで観覧することが可能。
  • キャラクタークリエイト関連
    • 最初に選べる主人公の肌の色の濃さが『XY』の3段階から4段階に増えた。
    • 髪の色も『XY』の5色から、9色に増えた。また、カラーコンタクトの色も増加。
    • 衣服の種類が男女ともに『XY』の2倍以上に増えた。男物は3倍以上に増えており、男の子主人公のファッションがある程度改善。
    • 帽子を脱げるようになった。『XY』では出来なかったため地味ながら改善点と言える。
    • フェスサークルの染物屋できのみを使って染色する場合、本来はその店で取り扱っていない色に染めることもできる(例えば、「あかぐみ」の店でもパステルグリーンやダークブルーに染められる)。
      • 染物屋を1軒でも建てておけば、気分に合わせて様々なおしゃれを楽しめる。染められる色の総数も24色と多め。
      • ただし、きのみではビビッド系の色には染められず、取り扱っている店の★5を建てる必要がある。だが問題点にて後述するように店舗誘致の壁は高い。
    • キャラクターがフィールド上でもSD体型ではなくリアル寄りの体形で描写されるようになり、戦闘画面でも映るようになったため、『XY』以上に見た目を楽しめる機会は多い。
  • その他
    • いわゆる御三家ポケモンの最終進化系が専用技・専用Zワザを獲得。従来の御三家に比べてアイデンティティが確保されている。
    • 2世代ぶりに追加されたボールであるUB捕獲用の「ウルトラボール」はこれまでにない幾何学的なデザイン・エフェクトをしており、概ねカッコいいと好評。
      • 実はUB以外のポケモンも捕獲可能。その場合、最初の道路で出現するようなポケモンですら恐ろしく捕まえにくくなるが、手間がかかるだけにボールにこだわるマニアからは「コレクション要素の幅が広がった」と好意的に受け止められている。
        一度捕まえてしまえばウルトラボール自体は遺伝するのでユーザー間での交換・交流の活発化にも一役買っている。捕まりにくいだけに無限入手可能なのも嬉しいところ。
    • とある店を利用することで、やや面倒ではあるがプレミアボールを事実上無料で何個でも入手することが可能。
    • ボール開閉時のエフェクトが一新された。これまで共有のエフェクトだったガンテツボールにも固有エフェクトが追加されており、既存のモンスターボール共々エフェクトが派手になっている。
    • 通信機能ではフェスサークルとは別に第5世代の赤外線通信に近い「クイック通信」が新たに登場し、オフラインでの対戦・交換を従来作以上にスピーディーに行うことが可能になった。
      • ただしこれにより通信できるのは2人までで、4人での対戦はフェスサークルを介する必要がある。
    • 通信交換時に相手と簡単なメッセージをやりとりできる機能が追加。以前よりは相手に意思を伝えやすくなった。
    • 第6世代で好評だったミラクル交換や伝説のポケモン・幻のポケモンの3V固定等の仕様は引き続き搭載されている。
    • 他方で削除された要素も存在し、この件は賛否両論・問題点の項目を参照。

賛否両論点

  • シナリオについて
    • 『BW』のようなシナリオ重視の作風となっている。そのため、人間キャラの描写・個性が強くなっており、気に入ったユーザーとそうでないユーザーとの間で非常に賛否が分かれやすくなっている。
+ ネタバレ注意
  • リーリエ
    • ヒロインであると同時に、シナリオの賛否が分かれる最大の要因。スタッフインタビューから察するに「もう一人の主人公」であり、主人公が一切喋らず無表情なのに対し、リーリエ本人は表情豊かで非常に出番が多く、ストーリー的にも比重が大きい。
    • リーリエは親であるルザミーネの束縛から当初はほとんど何も自分で決められないキャラで、「戦闘でポケモンが傷つくのが嫌」という理由でポケモンバトルについて最初は否定的な立場をとっている。
      • しかし主人公達のバトルを「応援する」などトレーナーについて一定の理解は最初から見せており、道中で主人公とポケモンの助けを得て、そして主人公のバトルを見ていくことで徐々に心境も変化していき、最終的にトレーナーになることを目指すようになる。
      • 親の言いなりだった少女が、冒険を経て自分の意志を持った一人の人間として成長していく過程は一番の見どころと言える。
    • 主人公に対しては自身を成長させてくれたことに感謝する言葉もたびたび述べており(最初の橋落下イベントやポニの峡谷入口前等)、主人公の活躍がきっかけでトレーナーを目指すという描写が明確で、見た目と一見すると丁寧な態度のため、「リーリエが好きだ」という層は確実に存在はしている。
    • キャラクターそのものはこれまでのポケモンにいなかったヒロインキャラで、主人公と二人きりで行動する印象的なイベントがいくつも存在するため、特に男性ユーザーからの人気は高い。
      • クリア後には諸事情でリーリエと会えなくなってしまうために「リーリエロス」*5なる単語がSNSで話題になる等、本作を象徴するキャラであることは間違いない。
  • 一方、彼女には欠点も多く、まだ少女ということを差し引いてもあまりに無計画・無責任過ぎる描写が目立つ。最も批判されやすいのは 守るべきポケモンがいるのに本編中でトレーナーにならない こと。
    • 幼稚園児でもポケモントレーナーになれる世界で、これまでトレーナーとして育てられてこなかったとはいえ、本編中でトレーナーになる努力をせず主人公や他のNPCに頼り、その人たちが結果的に迷惑を被っている点は 「自分本位が過ぎる」 といった批判が非常に多い。
    • それにもかかわらず、基本的にNPCからは激励や称賛ばかりされている。彼女が成長するストーリーを描くのであれば、もう少し失敗や叱責なども経験してそこから立ち直って成長するようなイベントが欲しかったところ。
    • 他には冒頭の逃走シーンで逃げ場がない保護区まで逃げ込んだり、 ほしぐもちゃん(コスモッグ)を守るためにエーテル財団から連れ出したのに何故かモンスターボールではなくバッグに詰め込み、保護されているという自覚が無いのか一人でショッピングに行く などの問題行動が散見される。
    • 前述の通り自身を束縛していた母親から自立し、言いたいことをはっきり言えるキャラに成長する。しかしこの時点でも自身はトレーナーではないため、その直後のルザミーネとのバトルは結局主人公が行う羽目になる*6
    • ただし、仮にシナリオ途中でリーリエがトレーナーとなった場合、主人公のシナリオ上の存在価値がなくなる恐れがあるという別の問題もある(後述)。
  • 終盤の成長イベントの一つが、序盤のイベントでトラウマになった「橋」を自分一人で渡りきるというもの。しかし序盤の橋とは全く違う(崩れかけているわけでもポケモンが襲われているわけでもない)状況であり、「そんな橋を渡り切ることに何の意味があるのか」との意見もある。
    • 根本となるトラウマ自体、 「ボロボロの橋で襲われているほしぐもちゃんを命の危険も顧みずに助けに行き死にかけた主人公ではなく、傍観していただけのリーリエの方がトラウマを感じるのはおかしい」 という意見もある。*7
    • 橋を渡り終えた後の感想を選択肢で訊かれるが、 この時に「まあね」を選ぶと露骨に不機嫌な態度を見せるため、上記の演出の問題で感情移入しにくかったプレイヤーからは批判されている。
  • 終盤においてリーリエは「自分はトレーナーではないから」と成長したほしぐもちゃん(ソルガレオ/ルナアーラ)を主人公に譲るイベントがある。このイベントもそれまでリーリエに好きになれたかどうかで見方が大きく変わるので、評価がはっきりと二分されている。
    • 捕獲後のイベントもリーリエが一方的にほしぐもちゃん(と主人公)に語り掛けるだけで、ボールの中にいるほしぐもちゃんは一切ノーリアクションなので盛り上がりに欠ける。
  • 賛否双方も、本作のストーリーの根幹がリーリエの成長に主眼に置いており、リーリエが好きになれるかで評価点が大きく変わることは認識しており、それゆえ好き嫌いが分かれる味方キャラを生み出すストーリー自体を問題視する声もある。
    • 『BW』におけるNのポジションと言えるが、彼が「敵側のキャラクターかつ常人とはいいがたい設定」であったのに対し、リーリエは「味方キャラかつ比較的常識的なキャラ付け」であることから、リーリエへの感情移入そのものはしやすくはなっている。
      ただし、その分シナリオ上の実質的な主人公となっており、明確に主人公をライバル視していたNと違って本来の主人公の立場を完全に食ってしまっている。感情移入ができなかった場合には彼女が中心となるシナリオ後半はつらいものとなるだろう。
    • リーリエを主人公としてみた場合の後半のシナリオ本筋の出来は決して悪くはない。
      子供の親からの自立や家族(特に親子)の絆が主なテーマとなっており、あるキャラの狂気に満ちた言動はポケモンのメイン層となる年齢の子供を持つ親にも刺さるものがあるだろう。
      こういったテーマをかつてメイン層だったプレイヤーたちが子供を持つ親になりつつある20周年という節目にやる意義は十分にある。
      しかし、このことがかえって受け入れられたかどうかでの評価の差を生み出すことにもなってしまっている。
    • 裏を返せば、真に問題があるのは「主人公が主人公していないシナリオ」とも言える。20年の間にシナリオ描写がこれだけ強化されているのに対して主人公描写はほとんど進歩していない。同じ無口型主人公を採用しつつも濃厚なシナリオ描写で好評を得ているシリーズは『ペルソナ』などをはじめいくらでもある中で、 「無口型主人公なのでシナリオの根幹に積極的に据えず、シナリオ担当のキャラクターを別途用意する」という下策を『BW』に続いて繰り返している。
  • ククイ
    • シリーズ恒例のポケモン博士的な存在(正確にはポケモンの「技」の研究者であり、ポケモンの研究者ではない)。
    • 序盤は主人公に対し手厚くサポートしてくれる。慣れないプレイヤーや初心者にとってはありがたい存在。
    • その反面、試練の脱落者であるスカル団ボス・グズマを煽って、なぜか主人公に矛先を逸らす行動には賛否がある。
    • 中盤からいわゆる「仮面」キャラの定番ギャグでネタキャラっぽくなるが、最後の最後で『初代』の没ネタを上手く昇華した大きな見せ場があり、そこを評価する声は多い。
  • ハウ
    • ライバルポジションだが、過去作のベルやサナのように主人公が選んだ御三家に不利なものを選ぶ。
      • その代わりイーブイは主人公が選んだ御三家に有利なものに進化させる。
    • バトルに負けてもヘラヘラしているため、「張り合いがない」と言われることも。
      • ただしヘラヘラしているのは偉大な祖父・ハラへのコンプレックスから来るもの*8ということが作中でも指摘されており、終盤では素の表情を見せる場面もある。
      • 彼が島めぐりを経て、祖父とは関係なく自分自身のバトルを目指すようになる展開も見どころの一つ。
  • グラジオ
    • 悪の組織の雇われ用心棒という肩書で登場するが、本人は悪人そのものではない。
    • リーリエの兄でありながらも、リーリエをサポートする場面がなければ叱責することもないため、兄という設定がうまく活かされていない。
    • リーリエとほしぐもちゃん(コスモッグ)の護衛は主人公に任せっぱなしで、リーリエが敵の手に落ちた時に「何故守れなかった」と主人公に八つ当たりでポケモンバトルをしてくる。
      • そもそもスカル団の用心棒として活動していながら、スカル団に連れ去られてしまっている方にも落ち度がないとは言い難い。八つ当たりの件は直後に「意味のない勝負につきあわせて悪かった」とちゃんと謝罪はしている。
    • ただし上記の八つ当たり以外に目立った問題行動は無く、シュールな笑い所もあるため、総合的に言うと悪い人物ではない。ただ他のキャラに見せ場を取られがち。
      • 彼の代表的な手持ちタイプ:ヌルを始め、最終的には手持ち5匹中3匹がなつき進化するポケモンという構成もその性格を表していることが分かる。
    • なお「戦闘中に左手が疼くのを抑える」といった中二病的な行動をとるが、シナリオ上で何か意味があるわけでもなく、他に中二病的な言動を見せることも皆無に近い。こと「左手がうずく」アクションは戦闘開始時に毎回大きく見せられるため、プレイヤーとしては違和感を覚えやすい。
      • 一応、フィールド上でも少し気取ったしぐさをしている描写はあるのだが、戦闘中だけ見せる「露骨に中二病そのものなアクション」とは印象がかけ離れている。
      • またそもそも、左手がうずくアクションに関しては、「中二病ネタ」について知らないと意味を理解することさえできない。普段の言動には全く反映されていないのだから、なおさらである。「何かが封印されている」とか「特殊な力を持っている」とか、あるいは「何かの病気に侵されている伏線」などと勘違いしたプレイヤーもいたのではなかろうか。ある意味、たしかに病気ではあるのだが。
  • グズマ
    • 悪の組織「スカル団」のボス。「キャプテンを志していたが、夢は叶わなかった」という過去を持つ。
    • しかし実際に戦ってみれば分かるが、むしタイプのポケモンの使い手として相当な腕前を持っている。負けた際の台詞も手持ちのポケモンではなく彼らを活躍させられなかった自分自身を責めていることから、根っからの悪人でないことも分かる。
      • キャプテンになる条件というのが年齢(11~20歳)以外が不明であるため、なぜ彼がキャプテンになれなかったのかも不明である。
        キャプテンの中には試練を担当せずフラフラとしているだけで、何もしていないトレーナーにZクリスタルを渡すマツリカがいるため、基準がさらに曖昧になっている。もう少しキャラクターやキャプテンの設定の掘り下げが欲しかったところ。
  • バトルツリーでの旧作キャラの登場について
    • バトルツリーでは旧作のトレーナーが数名登場する内何人かはデザインが大きく改変されており、旧作のイメージを残したグリーンはそれほどでもないが、いかつい青年風になったレッドについては賛否がわかれている。
    • 一方でミツルは『ORAS』のデザインのままだが、『ORAS』の基となった『RS』は『赤緑』と作中時間がほぼ同時期であることがゲーム内やシナリオ担当者のTwitterで示唆されており、年齢やデザイン的な違和感は否めないところ。
      • また、ミツルは『RS』から『ORAS』のリメイクにかけて、いわゆる廃人化したような賛否の分かれる描写が追加されていたが、本作の描写は『RS』に近く基に戻っている傾向にはあるものの、使用ポケモンは『RS』から使用するポケモンに『ORAS』で廃人化したポケモンが混在しており、描写としては半端なことになっている。
    • ただし旧作ではマイナーチェンジやリメイク作品でない限り過去作のキャラが再登場することがさほど無かったために、人選やデザインはともかくも再登場したこと自体は評価する声もある。
  • シナリオや設定の練り込み不足
    • 各島にいる守り神のポケモン、アローラ地方を脅かすUB、対UB性能を持った人造ポケモンなど従来にない設定を持ったポケモンも多いのだが、うまく料理ができていない。
    • 例として終盤に各地に出現したUBを相手に守り神たちが応戦しようとするシーンが出てくるが、カプ・コケコ以外は明確に描写されない。
      • 一応カプ・レヒレは後に「クイーンと共にUBを迎撃した」というフォローが入る他、カプ・コケコの出撃シーン内の上空に守り神のものと思われる閃光が2本映し出される。それでも残り2体の詳細は描かれていない。
    • タイプ:ヌルはUBへの対抗策「ビーストキラー」として生み出されたという設定があるが、本編で活かされるのは一回だけ。
    • ほか、こまごました点だが描写に疑問を感じざるを得ない点がある。
      • Zクリスタルは試練・イベント・各地に点在するものを入手することになっているが、さすがに全18タイプの使い手や関連キャラ・イベントを出すのは難があったせいか、盗品から回収したり、道端にあるものを回収するだけの物もあり、手抜き感が否めない。こうして入手するものはゼンリョクポーズ伝授のシーンもない。こういったZクリスタルの入手方法は中盤以降頻出する。
      • ポケモンライドに使用するポケモンの中にリザードンがいるが、アローラ地方には出現しないので不可解なことになっている。
  • ぬしバトル戦の難易度
    • 『XY』『ORAS』など第6世代のソフトは「がくしゅうそうち」がパーティ全員に経験値が入る仕様になっていたのでゴリ押しが効きやすかった。本作でもその仕様は続投しているが、『BW』と同じくおたがいのレベルに応じて経験値取得量が増減するのでこちらのレベルがやや抑え気味になっており、ゴリ押しが効きにくい。
    • ぬしポケモンはオーラでの能力値上昇や、仲間を呼んで回復技・天候技・バフデバフなどでサポートさせてくるかなり手ごわい相手。
      • Zワザで瞬殺や状態異常技での搦め手、本作で強化されたステータス上昇道具などを駆使すれば楽に勝つことは可能。また、ぬしとその仲間の動き次第なので突破には運も絡んでくる。
        経験者でそういった工夫を知っているならともかく、正攻法で真っ向から挑むと苦戦は免れないほどの相手であるのは否めない。
    • 一方で、第6世代では前述したようにゴリ押しが効きやすすぎる面があったため、ボスらしい手ごたえのある難易度になったことを評価する声もある。
      この辺りはポケモンという広い世代が遊ぶタイトルとしての難しさもあると言える。
  • ポケモン図鑑の内容
    • 「人を殺した」「他のポケモンを喰うor喰らう」「取り扱うトレーナーも注意しないと酷い目に合う」など、今までと比べるとかなり生々しく、あまり低年齢層向けとは言えないような内容の解説文が過去作のポケモンに後付された。
      • ポケモンにも獰猛な特性を持つものから、それとは無縁に近いものまでいるが、全体的にこのような表記がされているので後者のようなポケモンについては違和感が特に激しい。
      • 表現も、過去作で「子分の失敗を許さない」「獲物を待つ」と控えめな表現がされていた種族が本作では「失敗した子分を処分する」「獲物の喉笛目掛けて喰いかかる」とやや暴力的な表現になったり、肉食性かは曖昧だった種族が肉食性であると明言された。また、ポケモンによっては「トレーナーの命令を無視する/襲いかかる」という絆を否定する内容や「人間に駆除される」という記述も存在する。
      • 本作ではエーテル財団やリージョンフォームの設定など、従来よりもポケモンが生きる環境の変化を大きく打ち出しているため、それが方針転換の原因として考えられるが、このような設定の変化がゲーム中で活かされているのは仲間呼びで天敵を呼んでしまうことのある2組くらいとごく一部。
      • このような説明文に対し架空の生物といえど「モンスター」であるために生々しさは当然と見る向きもある。一方で、「怒りすぎて死ぬオコリザル」のように生物感よりも馬鹿馬鹿しさがあると言われるものも少なくない。
      • 総合すると、薄味気味だった従来作のものよりも好む層もあるが、その方針に嫌悪感を感じるプレイヤーもいる。解説文は作中であまり活かされないフレーバーテキストだが、「ポケモン」というキャラクターコンテンツにおいては重要なものでもあり、強い賛否をまねいた。
      • 進化や交換で図鑑に登録された場合も図鑑画面が開かれるようになったことで説明文が目に入る機会も増えているため、本作の要素としてはとりわけ話題になりやすい。
      • ただし、この類の説明文は決して今作が初めてではない。今作の様に詳細に描写する説明文は少ないものの、ポケモン同士の食物連鎖を記した図鑑説明は以前から登場している。
    • ただ、第6世代では存在しなかったメガシンカポケモンの解説文は否寄りの意見が多い。
      • メガシンカとはトレーナーとの絆の力で変化した戦闘特化形態であるが、「過剰なパワーに苦しんでいる」「メガシンカの力が脳に作用し暴走している」等の記述がされた *9
      • このため、メガシンカさせたプレイヤーや作中のメガシンカ使いはポケモンを攻撃している事になってしまった。スタッフの露悪趣味に加担させられたことに激怒したり落胆したプレイヤーも多い。一応「メガシンカさせると弱体化してしまう」と酷評されたポケモンもいるが。
    • 一応、第5世代以降、過去作の説明文の流用が顕著となっていたため、多くのポケモンの説明文が一新されたことやすがた毎に説明文が変化することに対し「図鑑を埋める楽しみが増えた」と評価する声もある。
    • 全ポケモン数が800種まで膨れ上がったのに対し、アローラ図鑑のポケモンの総数は301種類とやや物足りない。
      • 前世代『XY』が718種(発売時)中の450種だったため、選択肢が狭まったことになる。
      • アローラ地方の4島それぞれに区分された図鑑には重複しているポケモンが多く、水増し感も否めない。
  • 戦闘以外の難易度が低下し、自由度も低いまま
    • 自由度の低さに関しては一部からは「ロールプレイングならぬレールプレイング」と揶揄されるほどである。
      • 本作も低年齢層の配慮で『BW』や『XY』に近い一本道構成で、行き先の指示や(条件達成までの)通行止めが多く、自分で道を探して進んでいくという冒険の楽しみが希薄。
      • ただし過去作でも『初代』や『RSE』『DP』の一定期間ぐらいしか攻略順を選べることはなく、通行制限自体は多かれ少なかれどの作品にも存在している。
    • リーリエ・ククイ・ハウが常に同行するので、一人とポケモンで旅をしているといった感覚はかなり薄い。
    • 島間の移動は「なみのり」ではなく船かリザードンフライトで行うのも冒険感を損なっている。
      • 作中で「島と島の間が離れておりポケモンが疲れてしまうから」と理由付けはされているものの、せっかくハワイ諸島を舞台にしているので広大な海を生かしたマップも欲しかったところ。
      • 連絡船初搭乗時にはムービーが流れるが、二度目以降はSEが流れてすぐ移動が終わるだけで演出・イベントは無い。「テンポが損なわれなくていい」「薄味すぎる」と賛否両論。
    • 行き先の指示
      • 下画面のマップでは次の目的地が表示され、さらに目的地が変わるたびにロトム図鑑がそこについて説明してくる。両方とも役に立つことには違いないが、そもそも本作は一本道ゆえにフラグ立てや行き先に難儀しない。初心者向けの配慮としても、自力で探索する楽しみを奪ってしまうほどに過剰である。
      • そもそもこの目的地表示に問題があり、表示される目的地が「直前のイベントの会話で話題となった目的地」ではなく「次にイベントが発生するポイント」となっている。
        途中で予想外のアクシデントが発生する場合でも事前にロトム図鑑は把握しているため、直前の会話で「次の町まで行こう」という話をしていたのにマップ上の目的地が「途中の道路の真ん中」などといった例が序盤から発生する。 ロトム図鑑は予知能力者か
        本作の「やらされてる感」はこの仕様によるところも大きい。
      • 「自力で探索したい」「簡単になりすぎる」などの理由から使いたくない場合でもON/OFFができないので、学習装置と違って対策が不可能なのも難点。
    • 回復スポット(ポケモンセンター含む)・強制回復が多く、地域によってはトレーナー戦と回復を交互に繰り返し続け、さらにボス戦の前には挑むかどうかの選択肢が表示されるなど親切な仕様がされている。
      • これらが導入された『BW』のころから、「わざわざポケモンセンターに行ったり回復アイテムを消費しないのは楽」という意見もあれば、「緊張感が削がれる」という意見もある。
    • しかし、クリア後の一部ボストレーナーは強制回復や選択肢もなしに挑んでくるものが少なからずいる。親切すぎる仕様に慣れたプレイヤーへのトラップとも、優しい仕様にしたいのか厳しい仕様にしたいのかどっちつかずともとれる。
  • 対戦バランスの大幅な改革。
    • これまでも一作ごとに対戦バランスは調整され、特に第6世代では大きな変更があったが、メガガルーラの「おやこあい」やファイアローの「はやてのつばさ」、その他にも「いたずらごころ」など依然として理不尽な要素が存在していた。
      本作ではこの部分が大きく調整され、強力すぎる特性や技に状態異常の弱体化、TODはルール改正がされるなど、大幅に理不尽さが減ったことで環境はかつてないほどに改善されている。
    • 新たに追加されたZワザは、第5世代で賛否を招いた「ジュエル」を上方調整したようなアイテムであり、風評もそのまま引き継いでしまっている。
      • どんなポケモンに持たせても活用できるほどの有用性はあるが、強いポケモンが相性が不利なポケモンを無理矢理突破するために使われやすく、デメリットは1戦1回のみで他の問題は据え置き。たった1発の攻撃でその試合の勝ち負けを決定付けかねないほどの要素であることは変わりない。まもる貫通や補助技無視の特性によって耐久型の立場も低くなっており、バトルの速度はより増していくこととなった。
      • しかし、Zワザが効率的に性能を発揮するのは、適切な構築・適切なタイミングでZワザを使用した場合のみ。相手より先にZワザをぶっぱできたほうが勝つ……というゲームバランスでは断じてない。また、Zワザで強引に突破できるということは、「○○には××を出せば突破されない」「まもみがなど強力な戦法」など画一的な対策・プレイングを不可能にし、環境のマンネリ化・試合の泥沼化を抑止する側面もある。
      • 他方で、これまで使いにくかった攻撃に2ターンかかる技(ソーラービームなど)や使ったポケモンもダメージを受ける反動技(もろはのずつきなど)を一度だけ実質デメリット無視で出せたり、「はねる」「ハッピータイム」等の対戦で効果が無かった技に強力な追加効果が付いたりと、ポケモンのみならず技への救済にもなっている。
    • 「まひ」状態になった時の素早さ低下率が1/4から1/2になったが、高速型のポケモンにとっては半減でも機能停止同然になる場合もあり、あまり影響はない。
      • 一応ヤドランやナットレイのような鈍足ポケモンがでんじは込みで高速型のポケモンを抜くという調整が不可能になったが、この戦法のみが問題視されるほど強かったわけでもない。
      • むしろ「発生すると一方的なハメ勝ちにつながってしまう行動不可能率の方を下げてくれ」という意見も見られる。
    • 第6世代で色々議論を呼んだ事と新システムであるZワザ推しのためか追加メガシンカは無い。「妥当」という声もあれば、「未だ救済されないマイナー級もいるので今回も追加して欲しかった」という声も。
    • 総合的にまとめると「ガルモン」と揶揄されファイアローに多くのポケモンが縛られていた6世代を考えると、『SM』は活躍できるポケモンが大幅に増え戦略の幅自体は広がっている。ただし、Zワザの調整に異論の余地があったり、後述する「強すぎるポケモン」を新たに生み出しているため、根本の問題は結局のところ未改善である。
  • 持ち時間制の穴
    • TODが消滅したことで「有利な状況からTODを狙う」といった戦法はとれなくなっている反面、「最初から相手の時間切れを狙う」といった戦法がとれるようにもなった。
+ 詳細
  • 具体的にはムラっけオニゴーリなど。使う方は常に一定の行動をすることで勝利に近づき、イレギュラーが起きない限り思考時間は皆無で済む。逆に相手は思考に時間がかかるので持ち時間の差はターンが経つにつれて広がり、結果全滅か時間切れで勝利になる。
  • 前作のTODに比べると構築によって対処はできるため改善はされているが、こうした時間切れ狙い戦法が強化されているのに対し、対策手段の強化は微妙(新規音技がどちらも専用技、TODのシステム変更、メガガルーラ弱体化など)
    また、これらの戦法は以前から害悪戦法と揶揄されるなどモラル問題にもなっていたため、調整の不完全さを感じさせる結果になっている。
  • 前作では30分で打ち止めだった試合時間が、両者本気で持ち時間を減らさないように戦うとゆうに1時間を超えてしまうという問題点に。TODをなくすための仕様が、逆に試合時間を伸ばしてしまった。
    • とはいっても、1試合にかける時間が長すぎる点、ムラっけは回避運ゲ・命中運ゲという隙を見せてしまう点、Zワザなどで崩される危険性がある点などにより、「できる」からといって「やる」にはなりづらいのが幸いか。
  • ガンテツボールが入手可能になったが、入手個数が少ない
    • 『HGSS』以来の復活であり、第五世代以降初出のポケモンと前述のボール遺伝の仕様変更で隠れ特性や厳選との両立が可能になったポケモンは併せて160種以上(進化系を除く)と非常に多い。
    • しかし、1つのセーブデータで各種1個ずつしか手に入らない。後にグローバルアトラクションの景品で特定のボールが貰えるようになったが、それでもどれだけスコアを稼いでも貰えるのは1個のみ
      • ガンテツボールの性能は一部を除き市販ボールのほぼ下位互換なのは相変わらず。同じく1個入手であるマスターボールのように確実に捕獲できるわけではないことから使い勝手は悪い。
    • 結局のところ、復活自体は非常に評価が高いものの、個数制限という枷が評価を落としてしまっている。
      もっとも、対戦にはメリットのない「自己満足」要素でしかない*10ので気にしないユーザーもいる。
    • 孵化厳選可能な種族であれば、GTSやミラクル交換などでガンテツボール入りのポケモンをゲットできることがあるので、ガンテツボールを消費したくない場合はそちらで探すのも手。
  • ジムの廃止→試練への変更。
    • シリーズのマンネリ化防止のためだと思われるが、これに関しては従来のファンからの賛否が分かれる点でもある。
  • レート差マッチング。
    • ネット対戦で300以上レート差があるプレイヤー同士のマッチングが行われる。
    • レートの高い側は勝利しても得られるレートが小さいのに対し、敗北時には大きく失うと言うハイリスク・ローリターンな戦いになる。逆も然りでレートの低い側にとってはローリスク・ハイリターン。
      • 例として相手が自分より300程度下回っていた場合、勝っても3しか得られないのに対し、負けたら30近く失う事になる。
    • 第6世代の頃はここまで大きなレート差マッチングは行われていなかった

問題点

  • シナリオ上の主人公の扱いについて
    + シナリオのネタバレ注意
    • 無口主人公と本作のシナリオが致命的に噛み合っておらず、NPCにいいように利用されているように感じる描写が多い。
      • 特に後半はほとんど「リーリエの護衛」という形でバトルを担当することでのみシナリオにかろうじて関わっているような状態になる。これはシナリオ後半は島めぐりの要素が薄くなるのも関係している。
      • リーリエやククイ博士のバトル代行以外にも、グラジオからは八つ当たりを受け、国際警察にはUB調査のための囮に利用されるなどぞんざいに扱われることも多い。
    • また、NPCの表情が豊かなのに対し、にこやかな無表情(能面に近い)なのに顔がアップされる演出が多い。『XY』や『ORAS』は主人公の表情パターンも豊富だったのに対し明らかに劣化している。
      • 目立った表情変化はごく一部のシーン*11で驚いた表情を見せるだけ。
      • 背後から不意にぬしポケモンが現れる場面や、悪の組織のボスが野望を語る場面でも平時と表情が変わらない。エンディングでリーリエと別れる際も表情を変えないどころか手を振り返すなどのアクションを取らずただ眺めるだけ。リーリエの扱いの賛否はともかく、一緒に旅をした仲間の送迎としては不適切である。
    • 無口であることを緩和するためか、何気ない会話で選択肢が表示される箇所がかなり増えているが、シナリオ展開どころか、直後の会話すら変化しないような意味のない選択肢も多く*12、お世辞にも有効に作用しているとはいいがたい。
  • テンポの悪さ
    • 全編通して非常に強制イベントが多く、長い会話イベントが終わっても少し進めるとまた暗転してイベント、とプレイのテンポがかなり悪い。
      • ゲーム開始から最初のポケモンをもらうまでに最短でも13分近くかかるのに始まり、エンディングに至ってはイベントとスタッフロールを合わせて30分もある。
      • しかも、エンディングでは伝説のポケモンとの戦闘イベントもある。幸い戦闘直前に全回復してもらえ、捕獲も後回しにできるので、厳選したい・早くセーブしたい場合はさっさと倒した方がいい。
      • なお、イベントやムービーのスキップは一切できない。
    • ポケモンライドのリザードンは頻繁に使用することとなるが、使用するたびに暗転がかかり、キャンセルする時にもさらに暗転が入ってくる。その演出も裏でロードをしているためか飛ばせない。
    • 進化や交換でも図鑑登録の演出が入るようになったため、交換や育成だけしたい場合でも一々手間がかかる。
  • NPCやフィールド・ダンジョンの作り込みについて
    • 頭身が上がったことや容量の都合か、トレーナーの種類が減り、服替えや道具をもたせただけの使い回しも見受けられる。さらに、町や道路の数も減少し、建造物も入れないハリボテが多く、ダンジョンの構造も簡略化されている物が多い。
      特に最後に訪れる「ポニ島」は建物や人物の少なさから島全体がスカスカと言われることも。
      • エーテル財団編で訪れるウルトラスペースは、UBが本来住んでいる異次元空間であり、財団編のクライマックスとなるステージ。しかしその規模は小さな洞窟程度しかなく、似たような異次元空間であった『プラチナ』のやぶれたせかいと比べても明らかに小さい。
      • 一方でハラの自宅やホテルしおさい・ハノハノリゾートなどやけに細かく作り込まれている寄り道スポットもあり、全体的にアンバランスな作り込みがされている。
      • 最大の盛り上がりとなる敵対組織の本部も過去の悪の組織のダンジョンに比べると狭く、トレーナー数もそこまで多くはない。
      • チャンピオンロードに至っては本作の設定上仕方ないが、山をエレベーターで登るシンプルな構造である上に道中に登場するトレーナーが一人もおらず、冒険するという観点では著しくボリュームに欠ける。
      • その代わり、ポニ島にある「ポニの大峡谷」にトレーナーが多く存在し、過去作のチャンピオンロードのような存在となっている。
    • カフェで飲み物を飲んだりビーチにいるナマコブシを海に投げ込む時の飲む/投げるシーンが画面の暗転でごまかされていたり、素手で食事をしたりと、3D化をした一方で省略されている演出が多い。
  • 試練について
    • 最後のポニ島では現役キャプテンが取り仕切る試練が存在せず、いきなり大試練となる。
      • 一応過去の試練跡地を使用するイベントはあるものの、順序が大試練→通常の試練とおかしな事に。ポニ島には現役キャプテン自体は存在するため、なぜ試練を持たない設定を与えたのか疑問である。
    • 大試練が4つという都合上、島巡りのスタンプ(従来のジムバッジに相当)の獲得間隔が大きくなっており、親が他人のポケモンを連れている場合、レベルが上がりすぎて戦闘中にお願いを聞いてくれなくなるケースが従来より発生しやすくなっている。
      • また、全てのポケモンがお願いを聞いてくれるのは殿堂入り後となる。
  • 全国図鑑の廃止
    • アローラ図鑑の301匹以外のポケモンは図鑑番号すら用意されておらず、鳴き声を聞くことも、3Dモデルを見ることもできない。データ上には存在していて、過去作から連れていけば使えるので、後の作品のような登場ポケモンの削減が行われたわけではない。
    • これらのポケモンは、ダウンロードソフト『ポケモンバンク』の図鑑閲覧機能でもテキスト欄が空欄になっている。
    • 図鑑説明にほとんど使い回しが無いこともあって新たな説明文を期待する者も多かった反面、過去作のポケモンに妙な設定を付けられなくなったことに安堵したり、使い回しを求めていたのにそれすらないことに憤るファンもいた。
    • 過去作との互換性が無くなった『ルビサファ』ですら、データ上は全国図鑑は存在していて、後発作品との通信によって解禁される仕様となっていた。
    • QRスキャンにより出現する他地方のポケモンもいるが、なぜかアローラ図鑑から外されている。少なくともそれらだけはアローラ図鑑に組み込んで説明も用意すべきではないだろうか。
    • 前作同様3Dモデルで技モーションを見られるが、新ポケモンに至ってはなぜか図鑑では見られない動きがある。ステータス画面での確認もできず、見られるのは戦闘中のみ。
  • 一部のNPCのセリフやイベントに不快感を感じるような内容のものがある。
    • 前作『ORAS』でも顕著になった問題だが、下品かつ不快な上にこれまでの世界観を壊しかねないようなネタが引き続き目立つ。しかも本作ではバトル施設に限らず、野良トレーナーまで拡大される悪化ぶりを見せている。
      • プレイヤーへの煽り、ネットスラング、下ネタと、自重の無さは前作からまるで変っていない。前作で批判的な意見も多かった要素の一つであっただけに、こうした悪質な内容に対する公式側の姿勢がほとんど改善されていなかったことに肩を落としたプレイヤーも少なくない。
      • ミニイベントでは乞食をするスリーパーに募金すると変装した人間であることが判明したり(なお、募金しないと舌打ちされる。)、通りすがりの主人公を犯人と決めつけポケモンの排泄物(「ゴミ」や「アレ」などぼかされてはいる)を拾わせるなど、人の良心を刺激しておいて不快な気分にさせる物がある。アローラ地方ののびのびした世界観からも浮いている。
    • イーブイのZクリスタル入手イベント
      • 行く先々でイーブイの進化系を持った往年のトレーナー達と戦うというイベントだが、年を取ることにネガティブな描写が過剰なほどになされている。
        金銭問題や痴呆、美容整形、入院、死等マイナス方面の話題ばかり取り沙汰され結論は「時間とは残酷なもの」で締められ、後味が悪い。
    • アローラ地方の人々の倫理観に欠ける描写
      • 悪の組織でもない一般人に「ポケモンの殺処分」「ヤドンのしっぽ狩り」「ポケモンを無理やり進化させる」といった、過去作で悪の組織が行っていた「悪事」を平然と行っている人物がいることが示唆される。
  • エンカウント関連
    • フィールドに点在する草むらは狭くなっているが、その分エンカウント率が高い。スプレー系道具を使っても、一部の草むら等にはそれが通用しないシンボルエンカウントの野生ポケモンもおり、こちらのレベルに関わらずかなりの速さで突撃してくる。
    • しかもシンボルエンカウントは設置箇所が多く、回避はできるが注意しないと避けづらい。場合によってはシンボルを避けようと突っ切ろうとしてもランダムエンカウントが発生して動きを止められ、戦闘が終わった直後にシンボルエンカウントに体当たりされ、続けて戦闘になってしまうこともある。
  • 乱入バトル(いわゆる仲間呼び)の問題点
    • 今作は相手が通常攻撃とは別枠で*13仲間を呼んでくるのだが、これによって様々な問題が発生している。
    • 最大の問題は「2匹いると捕獲ができない*14」こと。仲間を呼ばなくなる、もしくは呼ぶのに失敗するまで倒し続け、1体になってようやく1ターンの猶予ができるが、その間最低一匹から断続的に攻撃を受けるので捕獲が困難になっている。
      • 「クイックボール*15を投げて捕まらなかったら逃げればいい」という意見もあるが、使うボールを固定せざるを得ない状況自体がナンセンスであり、しかもボール遺伝の仕様変更の弊害で、クイックボール以外で捕まえたい場合はこの方法は使えない。
      • そのためシリーズの肝である捕獲部分に難を抱えることになったため「捕獲に水を差す要素」と見なされる事もある。
    • 呼ぶ確率を100%にできない。
      • 呼ぶ確率を上げるには「ビビリだまを使う」「HPを少なくする」「特定の特性を持つポケモンを戦闘に出す」等があるが、100%にはできない。このせいで、評価点に上げたメリットも享受できない場合がある。
      • ただ、呼ぶ確率を0%にするには場に残っている野生ポケモンを状態異常にする必要があり、逆に言えば捕獲を目的に仲間呼びを活用する場合(仲間呼びでしか出ないポケモン、隠れ特性のポケモン狙いの時など)状態異常にすることが必須になることを考えると100%でないことにも意味があるとも考えられる。
    • 呼び出された相手ポケモンはその地域で出現するポケモンとレベルが同じ。つまり普通に進めていると、同レベル同士の1VS1での対等な戦いが1VS2になり不利になりやすい。片方を倒してもさらに仲間が呼ばれて延々と戦いが続くため、テンポも悪ければ不利でもありひたすら面倒。
      • このため、ぬし・野生戦問わず普段は何ともない命中低下技や回復技、拘束技持ちが出てくると辛くなりやすい。
    • ストーリーを順当に攻略していくだけが目的でも、道中の雑魚戦ですら、全体攻撃技や状態異常の技を繰り出せないと苦戦しがち。
    • 対策の有無に関わらず一戦が長期化することも多々あり、目当てが「わるあがき」で自滅したり、状態異常技や相手の特性などで仕切り直しが不可能になるなど事故が発生する確率も低くない。
      • きそポイント稼ぎがだいぶ楽なのには違いないが、短期かつ確実にきそポイントを振れた第6世代の群れバトルと比べると、時間効率的にはどうしても劣る。
  • 新ポケモンの使い勝手の悪さ。特に進化条件に大きな難を抱えているポケモンが多い。
    • 特定の技を覚えて進化するポケモンも従来から存在するが、「技思い出し人と比較的早く会えるので技を覚えさせなくてもフォローしやすい」や、数は限られるが「対象となるポケモンに会えるのがクリア後」など配慮がされていたのが大きい。
    • これらの問題が発生する原因は(エンニュートを除けば)進化条件がゲーム内では一切調べられず攻略本などでしか確認できないためである。
      特殊な進化条件自体は過去作にも多数あったものの*16、配慮が行き届いておらず、プレイヤーにとっては未知の存在である新ポケモンと特定の地域や技を結びつけるのが難しいのが問題を後押ししている。
    • これ以外の新ポケモンにも、「すばやさが低い、攻撃面が弱く耐久偏重など、手早く相手を処理することが求められるストーリー攻略で使いにくい」「出現率が低い(むしろ旧ポケモンの出現率と生息区域が広い)」「レアなので見つけにくい」などの事情があり、せっかくの新ポケモンながらストーリー攻略に向いていないものも多い。
+ 進化条件の例
  • マケンカニ・デンヂムシの2種は特定の地域でレベルを上げることが進化条件になっているが、その地域は2種の入手の早さに対してかなり終盤。よって長い間進化前の低ステータスで過ごさねばならない(耐久面は一応しんかのきせきで補える)。
    • マケンカニの進化条件になる場所はなんとクリア前最終ダンジョンであるラナキラマウンテン。つまり知らずに主力メンバーとして起用するとゲームクリア直前まで未進化のまま戦う羽目になる。進化したら今度はすばやさ低下・弱点多数と新たな問題が浮かび上がるが…。
    • イーブイがグレイシアに進化するために必要な条件を満たす氷雪系エリアは過去作でも後半にならないと入れない傾向にあったが、本作のイーブイが本作でグレイシアに進化できるのもラナキラマウンテンの一部であり、進化できるようになる時期が進化形の中で極端に遅い(他の進化形は全て第二の島の大試練をクリアするまでに全て入手可能)。
    • デンヂムシの進化条件になる場所はレアコイル・ノズパスの進化条件になる場所でもある。その場所は従来作だと強い磁場が発生している地域になっている傾向にあったが、本作ではただの峡谷なので推察できず、わかりづらい。一応そのことについて話すNPCがいるが、それでも腑に落ちないプレイヤーも。
    • 似た進化条件を持つ旧来のポケモンにダイノーズやグレイシアが挙げられるが、それらは初登場時の『DP』でクリア前には出現しなかったので影響は小さかった。
  • ヤトウモリは♀しか進化できないが初見ではかなり気づきにくい。しかも、出現比率が♂7:♀1と分かれていて♀を捕まえるのに手間がかかる。
    • 進化形のエンニュートの図鑑をよく見ると、♀しか存在しないことが分かる。しかし気付きにくい位置にヒントがあることや馴染みの薄いイモリがモチーフなことから進化条件を連想しにくい*17上、普通に道路に出現するので、♂をストーリー攻略用の手持ちに入れて終盤まで育てたが♀しか進化しない事実を知って後悔したプレイヤーは多数存在する。
    • 同様の進化条件を持つポケモンに『DP』のミツハニーがいるが、ミツバチがモチーフゆえに進化条件が比較的わかりやすかったことやそもそも入手の面倒さや習得技の貧弱さからあまり使われなかったので問題にはならなかった。
  • アママイコは技「ふみつけ」を覚えることでアマージョへの進化が可能となる。
    • アマージョがいわゆる「女王様」がモチーフゆえにこの進化条件になっていると思われる。順当にレベルアップさせれば数値上ではこれが最も威力の高い技になるが覚えさせない可能性は決して低くはない。すると次に習得できる機会は技思い出し人がいるポケモンリーグ直前、つまり最終盤となるため、主力として起用しているならばマケンカニと同じような目に遭ってしまう。
  • 釣りの仕様が大幅に劣化
    • 固定された釣り場でしか釣りができなくなった。つりざおの種類も第5世代同様一種だけに縮小されている。
      • しかも泡が出ている状態でない限り、どこの釣り場であろうと、釣れるのは高確率でコイキング(一説には70%と言われている)。このため、泡が再出現するまでマップ切り替えする手間が増えた。ひたすら釣り続けコイキングを量産するよりは、まだマップ切り替えを繰り返した方が早く済むためだが、どちらにしても非常にテンポが悪く冗長である。
  • バトルロイヤルの調整不足
    • バトルロイヤル施設の解禁時期と難易度に大きな隔たりがある。
      • バトルロイヤル施設はアーカラ島攻略中盤で解禁となり、チュートリアルもその時点に見合った強さのポケモン(大体Lv20前後)で行われる。
      • しかし、直後に挑めるノーマルランクですら他のトレーナーの手持ちは全てLv50であり、対戦相手は最終進化を遂げているのは勿論のこと、俗に「準伝説」と呼称される高いステータスを持つ一部の伝説のポケモン、Zワザ、果ては本作ではクリア後まで使えないメガシンカまでフル活用してくる。これはバトルツリーで言えばスーパーランク*18の中盤以降に相当し、場違いにも程がある。
      • 解禁時点で挑んだ場合はまず勝負にならない。しかも降参禁止という仕様もあり、場違いな強さを前に自分のポケモンが薙ぎ払われるのをただ眺める羽目になる*19。チュートリアルはストーリー上強制的に行わないとならない仕様もあり、なぜ解禁時期もしくは難易度の調整を行わなかったのか疑問が残る。
+ 詳細
  • ランク分けの意義について。
    • ノーマル、スーパー、ハイパー、マスターの4つのランクがあり、1位になると順に解放されていくのだが、ノーマルの時点で上記の通りな上にその後も目立った変化が無い。
  • 希薄な戦略性。
    • バトルロイヤル向けの技やポケモンは勿論存在するが、NPCに苦手なタイプのポケモンを多用される、他にも弱点を付けるポケモンがいる状態で攻撃対象に選ばれるといった運要素に振り回される。有利なポケモンに交代してもNPCの集中攻撃で落とされるケースも。
    • NPCがまだ一位を取れない状況で残りポケモンが一体のトレーナーを狙うという自爆行動を取り逆転の芽を摘まれるというケースもしばしば。NPCが自身の勝利を優先しない行動を取るというのは興醒めである。
  • ロイヤルマスクの扱い。
    • マスターランクで連勝を続けるとチュートリアルで対戦してくれたロイヤルマスクと再戦出来るが、使用してくるのは通常ポケモンの通常形態のみ。決して弱くは無いのだが、ここまでで多くの伝説級のポケモンとメガシンカを見てきたトレーナーからすれば 相対的に一番弱い という感想を抱かずにはいられない。
    • そもそもマスターランクで連勝を続けるという条件も施設内のNPCの発言にヒントこそあれセーブ・リセットを駆使しなければ実現は困難。さらにバトルロイヤルのクリア特典はマスターランクを最初にクリアした時点で全て獲得出来てしまう。イベントも一言二言の会話しかない。
    • 以上より、再戦出来る事自体がプレイヤーに認識されない、わざわざ再戦したくなるほどバトルロイヤルに魅力やメリットを感じる事が難しい、いざ再戦してもNPCの調整不足の影響で肩透かし、というあんまりな扱いとなっている。作中での扱いと大きく乖離している。
  • 本編クリア後の練りこみ不足・物足りなさ
    • クリア後に戦える四天王やキャプテンなどが異様に強い。
      • 個体値・きそポイント・性格補正・技構成などすべてに抜かりなく、こちらが相性で有利でかつレベルが10ほど上回っていても、先制されてサブウェポンをぶちこまれて即死……なんてことが充分にありうる。アローラ地方のポケモンは鈍足が多いのでレベルで勝っていても先制される確率はかなり高い。
      • 通常のボスならレベル上げやパーティ、技構成の見直しでなんとかなるものの、本作はレベル上げ手段が充実していないことと、上のようなやられ方になるためにとれる対策が少ないため余計に苦戦しやすくなっている。
        単に強いだけなら一概に批判されることでもないが、こういったトレーナーを倒さなければ解禁されない要素*20も存在するため、その点が批判につながっている。
      • レベル上げに必須な強化ポケモンリーグにもこういった強化が加わっているため、レベルのわりにやたらと強く、こちらが高レベルでも倒しにくい。
      • ある強敵に至っては、その前の場所で強敵と戦ってホッとしたところに、回復なしの強制の対決でピンチになる。
      • 本シリーズは「対戦」と「図鑑完成」も見どころだが、対戦は年々緩和されているとはいえ初心者にはハードルが高く、特に本作では育成環境の整備にも時間がかかる。
    • 従来における秘密基地・コンテスト・ポケスロンなどのお遊び要素も、薄すぎるフェスサークルに単調なポケファインダーと微妙感がある。スパトレやポケパルレなどのミニゲームも削除されたため、1つのソフトでできる遊びの幅が狭まっている。
    • クリア後のストーリーも全体的に褒められたものではない出来になっている。
+ クリア後のストーリーについてのネタバレ注意
  • 大まかな構成を説明すると、『プラチナ』からおなじみのキャラ・ハンサムと、『エメラルド』で登場し本作で国際警察となったリラとともに各地に出現したウルトラビーストを捕獲していくというもの。

ストーリーの面

  • リラは『ORAS』の追加ストーリー「エピソードデルタ」で語られた「並行世界(=『エメラルド』の世界)」から現れた存在。
    『ORAS』で登場したキャラは『ルビサファ』で登場したキャラクターの並行世界の存在、即ち別人であるのに対し、本作のリラは『エメラルド』のリラと同一人物であることが作中で示唆される。
    • しかし、エピソードデルタは激しい世界観の矛盾と出来の悪いストーリーが重なっており、ファンの間ではとても厳しい評価を受けている(詳細は『ORAS』の記事参照)。
      • 本作では投げっぱなしにされていた並行世界について一応のフォローはされたが、特に伏線回収等にはなっておらず、本作のストーリーにも並行世界設定を大して活せていない。そもそも一口に「並行世界」と呼んでも『ORAS』の「同一世界の別世界線(IF世界)」と今作の「生息ポケモンや環境の大きく異なる世界(異世界)」ではかなり毛色が異なり、本当に同一視してよいかも怪しいところがある。
    • リラ自体は人気キャラながら『ORAS』で再登場機会を逃し、本作で改めて登場することとなった。外見は妙齢の女性に成長しておりおおむね好評だが、待遇は良いとは言い切れない。
      • 記憶喪失でアローラ地方に流れ着いたのを国際警察に助けられたことで自身も国際警察になる。しかし、特異体質「FALL」になったことでUBに狙われている。また、一人称が「ぼく」から「わたし」になったり、性格も強者的キャラから丁寧なものに変化している。
        ……と、役職も設定も性格も何もかも違い、同一人物設定でやることの必然性が全く感じられなくなっている。
      • そもそもリラが並行世界から転移してきた理由が謎のままで、謎が明かされるどころかむしろ増えている。
      • また、FALLと化したリラを利用していることで、国際警察が『ORAS』のデボンコーポレーションよろしくブラック気味な組織としての描写がなされつつあることが指摘される。
  • ハンサムは「組織には逆らえない」「過去にFALLの女性が殺害された事からリラはなんとしても守りたい」「UB事件を波風を立てず終わらせたい」という意思を持って活動する。
    • しかし、これらの要素がうまく調理できておらず、描写不足と言動の矛盾からハンサム自身が主人公を身代わりにして成果だけを持っていくようにも見えてしまう。過去作では自身の力でちゃんと手柄を立てる場面もあったのだが…。
      • 一応、今回のハンサムは上司であるリラからバックアップを厳命され、自身は出撃できない立場ではある。
  • 本編では1種しか活躍していなかったも同然なUBが総登場するが、「イベント→特定箇所に出現するUBを捕まえる→イベント…」の繰り返しでゲーム的にもストーリー的にも起伏が小さい。
    • UBが来襲した危険地域にもかかわらずBGMしか変わらず、モブも通常通りのセリフを話すため、設定上の危険性もあまり伝わらない。
  • リラの設定改変や目玉要素であるUB絡みの演出の残念さなど、前作のエピソードデルタの壊滅的な出来やバトルフロンティアの未登場を嘆く『ORAS』プレイヤーの期待に応えるというにはあまりにも微妙な点が多く、全体的に投げやり感が目立つ。『ORAS』が評価を落とした最大の原因となった後付け設定を敢えて本作で再度持ち出した意義もあまり感じられない。
    まとめると、前作ほど致命的な汚点とは見なされていないものの、肝心の出来はあまり褒められたものではない…という結果になっている。

ゲーム性に関する面

  • クリア後すぐに開始できるが、エピソードデルタとは異なり進めることで解放される重要な要素は無いので後回しでも問題はない。
  • しかしUBを捕獲したい場合はこれを進めていかなければならない。また、UBは捕獲する順番が決まっているため、欲しいUBだけを捕獲することもできない。
    • 厳選するとしたら当然それだけの手間も存在するので、ストーリーだけとっとと進めることもできない。固定シンボルではなく草むらから登場するようになっているのも厳選の手間が増えている。
      • 一応、UB以外の野生ポケモンよりもレベルの高いポケモンを先頭にし、スプレーを使えばUB以外のポケモンに出会わずに済む。
  • たびたびボス級のトレーナーと戦うことになるが、前述したようにクリア直後だと苦戦を強いられる。
  • 最後の伝説のポケモンの出現に関する仕様・情報があまりにも不親切。
    + ネタバレ注意
  • 上記ネタバレ項目にあるUBイベント完結後に、本世代における最後の伝説のポケモンであるネクロズマが出現する。
    従来のレックウザ、ギラティナ、キュレム、ジガルデに相当する「第三のパッケージポケモン」的立場の存在である。
    しかし、その出現のヒントが「メレメレ島」の一つしかなく、これまでのUBのように明確な場所を示してくれない。
    • メレメレ島のとある草むらにて、UBのようにランダムエンカウントで出現するのだが、UBとは違って出現地域でもBGMが変化しない。
      そのため、シンボルだと思って延々と島中を駆け巡った者、BGMが変わる地域を探し続けた者も多かったと思われる。
    • 上記のようにエンカウント自体はUBのそれに準ずるが、UBと違ってウルトラボールが特攻にならない。
    • 大方の予想通り次作でパッケージポケモンとなったが、その仕様にする予定が決まっていたのなら最初からUBとは異なる出現条件にするべきだったのでは。
  • フェスサークルについて
    • 通信要素を集約したシステムなのだが、評価点よりも圧倒的に難点のほうが多く、プレイヤーに悪印象ばかりを与えることとなった。
    • FC(フェスコイン)稼ぎおよびフェスサークルの発展が非常に難儀。
+ 詳細
  • FC稼ぎに関する面
    • アトラクションは作業感が強く、スコアの入り方がランダムで効率が悪い物もある。効率を考えた場合もらえるFCが最高(最大60FC)の「逆さ相性診断!」か参加者の集まりやすい「タイプ相性診断!」の二択となる。
    • 貰えるFCは前述したように★の数から算出されるが、トータルスコアは伸びが悪いため少人数だと★2すら厳しい。
      大人数なら★5も簡単にとれるため、個人でもトータルでも★5を狙える大人数のところに参加することになるが、「『(アトラクション)が開催中です!』と表示されたのでタッチしたら開催されていなかった」「参加できるアトラクション一覧の画面を何度更新しても表示されない」「表示されたと思ったら残り時間が少なくなったために参加できなかった」「開催しても参加者がまったく集まらない」などの現象により思うように稼ぎにくい。もちろんローカル通信では必要人数の多さから非現実的。
      貰えるFCの数についても「少人数でプレイした時に個人スコア★5を出してもらえるFC≒大人数でプレイして何もしなかった時に貰えるFC」となるので、人数と労力の差を不公平に思うプレイヤーは多い。
    • 会話による稼ぎはもらえるFCが少額で、ものによってはジョインアベニューと同じく答え方が分かりにくい。答えが完全ランダムのものも相変わらずある。さらに時間を置かないと再度会話を実行できない。ただし…(後述)。
    • 城外のプレイヤーと会話するにも、プレイヤーの出現速度が遅い上に同時に5人までしか出現しないため、城外を一周したくらいでは全員と会えないことが多い。
    • 交換やGTSを利用したあとに城の中にいるプレイヤーに話しかけることでもFCはもらえるが、さすがに時間対効率が悪すぎるので稼ぎには向かない。
    • FCはフェスサークルのランク上げや店の利用など複数の用途があるが、稼ぐ方法はどれも作業感が否めない。
  • 店に関する面
    • マーマネが提示してくれる新規店舗はランダムで、高ランクの店が出るかは運任せ。
      他のプレイヤーから店を誘致することはできても、店のランクによってかかるFCが膨大になるのがネックで、★5は1500FC*21という高値になる。フェスサークルに来ている人の中から狙いの店を探すとなると1人ずつ*22話しかけていく必要があるのも面倒。
      また、バージョンごとに出る・出ない店が決まっているため、本作をやりこむなら誘致がほぼ必須となっている。
    • フェスサークルのランクを30まで上げないとプレミアムサービスを受けられず、そこまで上げるにはFCを累計2651枚も集める必要がある。正攻法で集めきるにはさすがに苦行すぎる。
      プレミアムサービスの例として、レベル上げができるふしぎキッチンの★5ではレベルを一気に9上げるメニューがあり、すごいとっくんをする際にほぼ必須となっているが、そこまで行くには「サン限定のふしぎキッチン★5を手に入れる」「フェスサークルのランクを30まで上げてメニュー解放」の2つの作業の達成が必須。
    • 全体的に「フェスサークルならでは」の旨味が薄い。『BW2』の頃は育成環境が完璧に整備されてはいなかったのでジョインアベニューを利用するメリットは大きかったが、本作ではきそポイント稼ぎは乱入バトル、きそポイント下げや道具入手はポケリゾートの活用で補えるなど、他の要素が充実してきたために代用が利きやすい。
      店限定の要素として「おうかんの入手」「レベル上げ」「染め物」「挨拶の変更」などがあるが、設置できる店は同時に7軒までと多くないこともあり、これら以外の店の存在価値は薄れがちになっている。
    • 特にボール屋は最高ランクの店舗でも市販品しか売られておらず、存在意義が疑問視される。
    • 他プレイヤーが紹介してくれるのは本人がフェスサークルの先頭に建てている1軒のみのため、目当ての★5店舗を建てているプレイヤーに出会えても先頭に建てていなければ誘致ができない。
    • 店を誘致するにも、フェスサークル自体にはほとんど手を付けず対戦・交換目的に利用しているプレイヤーが大多数である。対戦派プレイヤーならば先頭にふしぎキッチン★5を建てている場合が多いため、通信対戦直後に勧誘すればキッチン★5は建てやすいが、逆に言うとキッチン以外の★5店は極めて希少。
    • 誘致を前提としているのか、フェスサークルのランクが100や200を超えようがマーマネが★5店舗を紹介してくれる確率が非常に低い。
    • マーマネから紹介された店の誘致を断った場合は代わりにその店のランクに応じた道具が貰えるが、何故か★4店舗より★3店舗の誘致を断った場合の方が良い道具がもらえる(★3はきんのたま=5000円、★4はおおきなしんじゅ=4000円、どちらも換金以外の用途はない)。
  • グローバルアトラクションについて
    • 第1回・第2回は目標のハードルが高い、報酬がフェスコインで苦労に見合わないなどの関係か、目標点数にまったく届かないなど悲惨な結果に終わった。
      第3回では「課題に積極的に参加すると報酬追加」「PGL登録者は4000FC貰える」「ダブルスコアでガンテツボール1個」と改善され、早々にダブルスコアを達成したが、ボールについては「出し渋りも甚だしい」と評価は高くない。
    • 参加方法がPGL登録必須なので初心者や低年齢層には分かりにくい(そもそも存在を知らない可能性が高い)のも成績が伸び悩んだ理由として考えられる。
  • 任意のプレイヤーとのオンライン通信について
    • 本作で特定のプレイヤーとオンラインで対戦・交換するには、フェスサークルに出現している他のプレイヤーを一覧から指定する必要がある。
      一覧でのプレイヤーは世界中からランダムに選ばれる「ゲスト」、3DS本体でフレンドコードを相互登録している「フレンド」、ゲームソフト側で登録できる「VIP」の三種類に分類できる。
    • ここでの問題はフレンドがゲスト同然の扱いであるという点である。自分とフレンド登録しているプレイヤーがお互いにオンライン状態であっても、ゲストに埋もれてしまってなかなか一覧に表示してくれない*23
      目当てのプレイヤーと通信するにはその相手が表示されるまで根気強く一覧を更新しなければならず、場合によってはかなりの長時間がかかる。
    • これを回避するにはそのフレンドをVIP登録すればいい*24が、3DS本体でフレンドコードの登録を行ったうえにゲームでもVIP登録をしなければならないというのは完全に二度手間である。
      そしてVIP登録するには同様に相手が一覧に表示されるまで待つ必要があるほか、通信状況によっては登録が失敗することが多々ある。
    • 対戦の募集方法・手順が第6世代のPSSに比べて悪化している。PSSでは「任意のルールで対戦を募集し、不特定の誰かがそれに応じる」もしくは「任意のルールと対戦相手を指定し、相手がそれに応じる」だけで対戦を開始できた。
      しかし本作のフェスサークルでは前者が廃止され、後者は手順が増えてしまったために劣化している。
    • これらの仕様による弊害は4人対戦のマルチバトルやバトルロイヤルで特に大きく、オンラインでマルチバトル等をやる場合、対戦を始めることすら難しいという有様である。せっかくの新要素であるバトルロイヤルが知人と気軽に行えないのはいかがなものだろうか。
  • その他のフェスサークルの仕様について
    • インターネットに接続した直後にメッセージ送りが必要になり、各通信画面への推移に一手間が増えた。
    • ゲーム情報をWEBサイトと連動させる「ゲームシンク」を第6世代では任意のタイミングで行えたのだが、本作では一度ゲームシンクIDを登録した後はフェスサークルからオンラインに接続するたびに強制で試行されるため、非常に煩わしい。
      またゲームシンクは一時間に一度しか行えない*25ため、反映させたいゲーム情報が強制ゲームシンクの後からできた場合は待たされることになる。
    • 今までに捕まえたポケモン数などの「記録」は、他プレイヤーのものはいつでも確認できるが、自分の記録は他プレイヤーとの「勝負!勝負!」という会話時に一部しか確認できない。また、記録の中(デイリー系)にはシナリオをクリアしてしまうとほぼ二度と記録を更新できないものがある。
  • キャラクタークリエイト関連
    • 『XY』に比べると男女ともに衣服の総数自体は増えているが、色や柄を変えただけのものが目立つ。
    • 舞台が南国のためか、半袖やタンクトップといった夏物しか置かれていない。ラナキラマウンテンのような霰の降るダンジョンが存在するにもかかわらず、長袖は全くない。
      • その割には、アロハシャツやワンピースといった南国らしい衣服もない。なお、NPCにはアロハシャツやワンピースを着ているものがいる。
      • ホクラニ岳には「南国アローラといえど冷え込む」と話すNPCがおり、ラナキラマウンテンではじっと立っていると主人公が(夏服を着ておきながら)寒がる仕草を見せる。
    • 『XY』に比べて若干改善されたものの、本作でも女の子主人公の方が圧倒的にファッションの選択肢が多い。
      • 衣服の総数は男物319・女物533*26と1.5倍以上の差。髪型は前髪の差を含めると男の子54・女の子198と3.5倍以上の差。ただし、種類の多さゆえに女物は収集の難易度が高い。
    • ポケモンセンター内のフィッティングルームが廃止。設置されているのはブティック店内のみとなり、衣替えが不便になった。
    • 女性主人公にセットできる髪型からポニーテールが削除された。
      • リーリエが物語の途中でポニーテールになるので、「スタッフがリーリエを際だたせるためにわざと削除した」と邪推するユーザーもいる。
    • サン限定・ムーン限定の衣服が存在し、入手できない方のものはフェスサークルで他プレイヤーを通じて取り寄せるのが唯一の入手法。しかし、取り寄せるにも店同様に手間がかかる。
      • 目当ての服を着ているプレイヤーを探し当てること自体が難しい上、運良く見つかっても紹介してくれる服は1日ごとにしか入れ替わらず、何日も続けて同じ服を紹介されることもしばしば。最初から持っている服を紹介してくることも。さらに、異性主人公のプレイヤーからは男女兼用のものすら紹介してもらえない。
      • 手間をかけてようやくお目当てを紹介してくれるところまでこぎつけても、さらに紹介料としてFCを要求される。高価なものでは1890FCと、重複していない★5店舗の誘致よりも高い。
      • 相手の服装は最後に相手と同時に通信した時のものが反映させるため、取り寄せられるまでに相手が着替えてしまうと目当ての服を取り寄せられなくなる(取り寄せられるまでネット接続しなければ回避は可能)。
      • 取り寄せたくても、そもそも相手がどの色のものを着用しているか外見で判別しづらい靴下がある。
      • 衣服の数は増えた一方で入手方法が煩雑化した面は拒めず、お金さえ稼げば容易に収集できた『XY』に比べてかなりの労力と根気を要するようになった。
  • GTSについて
    • 検索妨害について前作からあまり改善されていない上劣化した箇所もある。
      • 『特別なポケモン』の対象に準伝説が追加されたので、禁止伝説・幻を弾いても準伝説ばかり募集されていて交換が成立しにくい…という問題点だけは解消された。
+ 詳細
  • 預けたポケモンの様子を見るを選択した時、交換が成立していないと引き取ってしまうようになり預け直す手間が増えた。
  • 性別・レベル・持ち物・色違いに加えて入っているボールが見られるようになったが、詳細なステータス画面を見られない点はそのまま。
    また前作では見ることができた「カロスマーク」等の出身地を示すマークが見られなくなっている。前作同様、本作のレーティングでは『XY』以降で入手したポケモンしか参加できないため、特に孵化が出来ない伝説級を探すのには不便である。
  • 自由に入力できたコメント欄の代わりに定型文を設定するようになり、他国語でプレイしている人にも意味が通じるようになった。
    • 一方で、「すごい力を秘めたポケモンです」との定型文はステータスが見られないため説得力に欠ける。
    • また定型文を「ほかの言語の図鑑を埋めたいです」に設定しても、実際に海外産が送られるかはユーザーの善意に委ねられる。欲しいポケモンの検索時のみならず、預ける際の欲しいポケモンの指定時にも国内・海外産で絞れるようにしてほしかったところ。
  • 通常種とリージョンフォームでどちらを希望するか選んだり、どちらかを指定して検索できない。このため、「通常フォームが欲しいのにリージョンフォームが送られてきた」、もしくはその逆があり得る。
    • 姿が複数あるポケモンは他にもいるが、それらはゲーム内で姿を変更できたり、そもそも変わるのは見た目だけで対戦には何ら影響しないものがほとんどである。しかしリージョンフォームの場合、通常フォームとは運用が根本的に異なり、後天的に通常フォームに変更できない。
  • まれに通信エラーを起こし、電源を切る趣旨のメッセージが表示される。さらに一定時間通信交換を一切行えないという、謎のペナルティが科せられる。その時間は短ければ30分、長ければ2週間という報告も上がっている。
    • 通常、通信エラーが起こるのは通信中に無線や電源を切るなどの行為をした場合のみである。しかしGTSの場合は相手と直接通信をするわけではないため、なぜエラーが起こるのかは不明である。
    • エラーが発生する原因としては「1体のポケモンに2人以上が同時に応募し、実際に交換できた1人以外がエラーになる」「ポケモンを引き取ろうとした瞬間に交換が成立するとエラーになる」という仮説が出ている。

システムの問題点

  • 新要素の粗
    • 回収が大変な「ジガルデ・コア」「ジガルデ・セル」
      • 様々なマップに散らばっているので、100個集めるのは手間がかかる。
      • また未回収の場所が分からないため、数個とり損ねた場合は探すのが大変。
    • ノルマが高すぎる「ポケファインダー」
      • 最終アップデートのVer5.0にするには、気に入られた数の累計が150万に達する必要がある。
      • Ver4.0の10万ですらそれなりに手間がかかるので、その15倍がどれだけ厳しいかは言うまでもない。
  • 短所や劣化のある操作性・UI
    • ポケモンライド関連
      • ケンタロスはBボタンを押しっぱなしにしていないと速度が遅くなり、旧作の「じてんしゃ」に比べると使いにくい。Bボタンを押していないときにはムーランドよりも遅い。
      • 乗っているポケモンの関係で、キャラ1マス分の隙間を通れない。ムーランドで探せる隠れた道具はそうした細い通路の先にあることもあり、旧作の「ダウジングマシン」より不便。
    • 施設に入るのにAボタンを押す手間が増えた。ただし、誤操作で建物に入ることはなくなった。
    • 十字ボタンで移動できなくなり、スライドパッド操作のみとなった。細かい調整ができないため使いにくい。
    • Bボタンが否定の効果を持たないことが多い。
      • 「○○を覚えますか?」などの場面で、否定を選ぶ場合には自分でカーソルを合わせてAボタンを押す必要がある。
    • ボタン操作を「L=A」にするとLRボタンが本来の用途で機能しなくなる。
      • タッチで代用できる部分もあるが、カメラ回転は代用できないので設定画面でL=Aを変更する必要がある。
      • L=Aに設定していても、「ポケファインダーはRボタンで起動」「カメラ回転はLRボタン」のような表示がされるので紛らわしい。
    • 戦闘時メニューの「たたかう」が右側に寄ったことで、片手操作がしにくくなった。
      • また、「一つ前に使った道具」がなくなり、回復や戦闘用アイテムの使用が煩雑になった。
    • パソコンの持ち物整理では、持ち物の有無でボックスの表示が変わらない。また、検索画面から戻ってくると、持ち物を持ったポケモンとそうでないポケモンの区別がつかなくなる。
    • 図鑑やパソコン使用中にXボタンを押すことで、Bボタンで1つずつ戻ることなく一気にマップ画面に戻れる機能の削除。
      • 下画面のロトムの面積が無駄に広くマップを開きにくい。
    • フェスサークル関連
      • 下画面からPSSが削除されたことで、ネット接続にはフェスサークルを経由する手間が増えた。
      • 対戦・交換目的でもフェスサークルの経由が必須になったため、店舗誘致はより困難になっている。
      • ネットに接続したままフェスサークルを出たり、フェスサークル内でボックスを操作できない。
      • バトルスポットではチーム選択画面からバトルメンバーの技・持ち物の変更ができない。
      • タッチのみかボタン操作のみという場面が多い。また、フェスサークルを終了するにはXボタン→Yボタンとひと手間かかる。
  • 処理落ち・読み込みの遅さ
    • 戦闘時に複数のトレーナーが表示されるダブルバトル・マルチバトルや、オーラを纏ったぬしポケモンとの戦闘時に処理落ちが発生する*27。旧3DSの場合に顕著で、画面が一瞬止まったり操作の反応が非常に遅くなったりする。New 3DSだとやや緩和されるが、やはりある程度処理落ちする。
      • トリプルバトルとローテーションバトルが削除されたのは、通信対戦で処理落ちが起こるのを避けるためだと推測されている。
    • またルナアーラなど巨大なポケモンのリフレでも処理落ちする。
    • ソフト起動からタイトル画面までの時間やレポートも第6世代から長くなっている。
    • 『ORAS』よりもバッグの中身のスクロールが遅くなっていたり、ポケモン画面での並び替えや持ち物交換をするタッチ操作の感度が悪くなっているところも。
  • その他
    • カメラワークが近すぎるうえ、調整できない。頭身が上がったことの弊害とも言える。
    • ゴミ箱を調べたり、椅子やソファに座れなくなった。調べられる本棚も大幅に減少し*28、テレビもマラサダのCMのみになった*29
    • NPCの当たり判定が大きめで、通行の妨げになっている者がいる。例として、カンタイシティのブティック店内の右側やロイヤルアベニューのポケモンセンターのカフェの前にいるNPCなど。
    • 野生ポケモンの仲間呼び+拘束技の脱出手段としてピッピにんぎょうとポケじゃらしの利用価値が微増したが、いずれも非売品で、前者はイベント入手の1個のみ、後者はフェスサークルのバトルストア限定と使い勝手は悪い。
    • 近年の3DSソフト同様、通常未使用域のメモリまでフル活用して動作を安定させているため、旧3DSでプレイするとMiiverseやインターネット機能などと同時利用ができない(New 3DSなら同時利用可能)。なおMiiverseは2017年11月8日にサービスが終了している。
      • 前作同様、本作は画面映像をMiiverseへ投稿出来ない。

対戦・育成について

  • 新ポケモンの性能は全体的におとなしいが、ミミッキュや守り神(特にカプ・レヒレ)、UBに関しては非常に強烈な性能を持っている。
+ 対戦の問題点
+ 4匹の性能詳細
  • ミミッキュ
    • 新特性かつ専用特性「ばけのかわ」が極めて強力。下記の性質上、活躍の場はほとんどシングルバトルに限られるが猛威を奮っている。
    • 「ばけのかわ」の効果は「バトル中、ミミッキュへの1度目の攻撃技のダメージを無効にする」というもの。ダブルバトルの場合は集中攻撃を受ければ1ターンで倒れてしまう可能性があるが、1対1のシングルバトルでほぼ確実に1ターンの行動が保証されているメリットは計り知れない。
      • 1度目の攻撃技はタイプ相性で無効化されなければなんでもいいが、裏を返せば「攻撃技を受けさえしなければダメージ無効できる状態は継続される」ということでもあり、他の行動保証系効果を持つ「きあいのタスキ」や「マルチスケイル」とは違い、ステルスロックや天候ダメージなど補助技による対策は通用しない。
      • 一応穴は存在しており、「特性かたやぶり持ちには発動しない」「連続攻撃技に対しては最初の1撃目のみで発動してしまう」など、構成や立ち回りによっては潰すことが可能な範囲ではある。
    • タイプはゴースト・フェアリー。この2タイプによる攻撃技をタイプ耐性で受けられるポケモンは実質皆無*30であり、「こちらの攻撃は1度だけ簡単に止められてしまうのに、向こうからの攻撃は簡単には止められない」という理不尽な相性関係で相手を縛ることができる。
    • この2つの性能が噛み合った結果、「ばけのかわ」で相手の攻撃を受け止め、「つるぎのまい」で自分の攻撃をアップしつつ、止めにくいゴースト+フェアリー技やZワザで安定して1:1交換以上に持っていきやすい。意表を突き、豊富な補助技でのサポートも確実にこなすこともできる。
    • 幸いにもミミッキュそのもののステータスは抑え気味で、また前述したようにばけのかわを潰せる手段もあるが、「ばけのかわによる攻撃の止めやすさ、持ち物の自由度の高さ」「その攻撃範囲による止められにくさ、積み技やZワザとの相性の良さ」により、安定した対策が困難となってしまっている。
  • カプ・テテフ
    • アーカラ島の守り神ポケモン。エスパー・フェアリータイプで、「サイコフィールド」を展開する特性「サイコメイカー」を持つ。サイコフィールドの付与する効果は「エスパー技の威力1.5倍」と「先制技無効」の2つ。
    • そこから生み出されるエスパー技限定とはいえ、デメリット無し1.5倍(タイプ一致込で2.25倍)は火力上昇アイテムが不要なほど高火力である。ステータスは特攻に秀でているうえに、サブウェポンも範囲や種類に優れており、守り神トップの攻撃性能がある。
      ほとんどのタイプに等倍以上で通るエスパー・フェアリー技の組み合わせと豊富なサブウェポンによる攻撃範囲は圧倒的で、後出しから安定して受けられるポケモンはごく一部に限られる。
    • それを後押しするのが「先制技無効」。「バレットパンチ」や「かげうち」など弱点となる先制技を無効化しつつ、素早さを1.5倍にする「こだわりスカーフ」を持たせて多くのポケモンを上から叩く戦法はシンプルに強力。対策のために元から素早いポケモンにこだわりスカーフを持たせるケースも増加したほどである。
    • 素の耐久も低くはなく、弱点のゴースト・はがね・どくは3つとも技の決定力に欠けるタイプ。ゴーストとはがねは前述したように有利をとりやすい先制技が無効、どくはエスパー技に弱点を突かれると対策が安定しにくい。
    • 攻守ともに高水準にまとまっていて安定した対策が困難なため、攻撃を受けられるポケモンかより素早いポケモンでゴリ押しするのが最善手になりがち。
  • カプ・コケコ
    • メレメレ島の守り神ポケモン。でんき・フェアリータイプで、エレキフィールドを展開する特性「エレキメイカー」を持つ。エレキフィールドの付与する効果は「でんき技の強化」と「場にいるポケモンが眠れなくなる」の2つ。
    • 守り神の中では素早さが130族と非常に高く、「相手より先に行動しやすい」というわかりやすい強みがあり、とくこうの値自体は低いが電気技はエレキフィールドによって威力1.5倍(タイプ一致込で2.25倍)の高火力になる。
    • でんきタイプの技は受けられやすくサブウェポンも威力が低いと明確な弱点があるので攻撃面は上2匹に比べると劣るが、高い素早さから放たれる豊富な補助技は読みにくく、カプ・テテフに負けず劣らずの使用率を誇る。
  • カプ・レヒレ
    • ポ二島の守り神ポケモン。みず・フェアリータイプで、ミストフィールドを展開する特性「ミストメイカー」を持つ。ミストフィールドの付与する効果は「ドラゴン技の威力半減」と「場にいるポケモンが状態異常にならない」の2つ*31
    • 守り神の中では耐久寄りの種族値配分であり、更に「耐久型の天敵の一つである状態異常をミストフィールドで無効化できる」という点が超強力であるため、耐久型対策に使われることのある「どくどく」や「おにび」が対策として通じない。
    • また、耐久型相手の対策として使われることが多い相手のHPを半分削る守り神の専用技「しぜんのいかり」も自身が耐久型なので活かしやすく、耐久寄りの配分でありながら特攻は若干並以上にあるので「めいそう」で積む型も強力。
    • みず・フェアリーというタイプの組み合わせは攻撃面では相性補完が良くほとんどのポケモンに等倍以上のダメージを与えられる攻撃面の優秀さは勿論、防御面でも弱点3タイプ、耐性7タイプ(うち無効1タイプ)という優秀なもので総合的に言えば守り神のなかでもトップクラスの性能を誇る。
    • このように、安定した対策が困難になっているため、「がむしゃら」や「いかりのまえば」等の耐久型対策となる自分または相手の残りHPに依存する固定ダメージ技で対策することを迫られるほど。
  • タイプ間のバランスについて
    • フェアリータイプは初登場した第六世代では「ドラゴンタイプの抑止力」という本来の役割を果たしにくかったが、本作では前述のミミッキュや守り神を初めとする強力なフェアリータイプのポケモン(と同じくドラゴン耐性を持つ上、フェアリー対策で相対的に価値が高まった鋼タイプのポケモン)が増加。第六世代に比べドラゴンタイプは格段に動かしづらくなっている。
      • 第六世代までシングルバトルの起用率が全ポケモン中トップだったガブリアスも例外ではない*32。前作ではフェアリー自体が低スペック気味であったことから、多少フェアリーに苦戦するリスクを冒してでも、ドラゴン・じめんによる広い攻撃範囲の高火力技を102という高めの素早さで放つことができる点を重視して採用されることが多かった。今作ではドラゴン面が機能しにくくなり、もう一方のタイプであるじめんタイプ枠として見た場合、ランドロスやカバルドンといった強豪と比較して地面タイプとしての差別化点を見出しにくく、彼らが優先されることが多くなった。
        とはいえフェアリータイプに強いどく・はがね・ほのおタイプに弱点を突けることから味方のフェアリータイプとは相性が良く、敵のフェアリータイプにもどくタイプの技やはがねタイプの技で弱点を突けるため安直な後出しをさせづらい。このためトップメタは陥落したものの需要は未だに高い。
      • ボーマンダは『ORAS』で獲得したメガシンカによりひこうタイプとしての側面が強調されるため、ドラゴンタイプでありながら採用率は非常に高い。なお通りが悪くなったドラゴンタイプの技を一切習得していないケースがほとんどである。
      • 一方で複合タイプではない単ドラゴンタイプのポケモンは更に不遇になってしまった事は言うまでもない。
      • ドラゴン+αの複合タイプのポケモンであっても、600属未満の種族値のいわゆる「中堅ドラゴン」たちは、ほとんど姿を見なくなってしまった。
    • 他にフェアリータイプと相性の悪いタイプにかくとうタイプとあくタイプ、弱点は突かれないがフェアリータイプへの攻撃が半減される虫タイプがいる。
      • あくタイプは「いたずらごころ」への耐性という新たな強みを得たものの、かくとうタイプとむしタイプは目立った強化点が無く、第六世代での天敵だったファイアローが弱体化した今でもなお動かしづらい状況にある(ウルガモスやキノガッサ*33といった強ポケモンが辛うじて使用率上位に入る程度)。
      • むしタイプは元々攻撃技の通りが悪い(メジャーなポケモンには大抵半減される)点が問題視されていたが、フェアリー環境の現在ではそれがさらに悪化している。
    • このようにフェアリーと相性が悪い、さらにはフェアリーが苦手とするポケモンと相性が悪いというだけで環境内で扱いづらくなりがちであり、第六世代で浮き彫りとなったドラゴンへの抑止力不足から一転してフェアリーが抑止を通り越してそのまま中心に居座ってしまう環境が形成されてしまった。
  • メガストーン関連
    • 発売時点ではメガストーンは本作のみで入手できるポケモン+数種しか入手できず、それ以外は『ポケモンバンク』が本作に対応しても未解禁だった。よってメガシンカ前提の強さであるメガストーン未解禁のポケモンは苦しい立場にあった。
    • その後、入手方法が発表されたが、人数制限ありのインターネット大会の参加賞だった。この対応に「参加できたかどうかで格差が生じる」「オフラインプレイヤーは入手できない」と批判が続出した。
      • 後に、あいことばで少しずつ解放されていくという形になったが、そもそも最初から発表しておけば無用な混乱を招かなかったため公式の場当たり的な姿勢に不信感は強まっている。
    • 公式では入手制限について「メガストーンは対戦バランスに影響を及ぼすものなので、少しずつ解放されていくことで対戦バランスの変化を楽しんでほしい(意訳)」と発言しているが、ガルーラ等第6世代トップメタ級のメガシンカポケモンは(弱体化を受けたとはいえ)最初から解禁されていたので取り組みとしても説得力に欠ける。
  • トリプルバトル・ローテーションバトルが廃止された。
    • ハードルの高さからプレイ人口の少ないルールであるものの、愛好家からは残してほしかったと言われている。
    • 特にトリプルはこのルールでのみ活躍できるポケモンや技・特性も少なくなかったため、惜しむ声は強い。
  • QRレンタルチーム関連
    • レンタルチームのポケモンは元になった個体の特徴が全て反映されるわけではなく、反映されないものには「なつき度」も含まれてしまっている。
      • 問題となるのは、この値の高さ/低さが威力に影響する技「おんがえし」「やつあたり」(ともに最大威力102)の性能が大幅に変化してしまい、これらを主軸に据えるポケモンは他の技を選ばなくてはならない点。これによりまったく戦えなくなるポケモンこそいないが、明らかなマイナス要素ではある。
    • QRコードでゲームに読み込んだデータは対戦を一度でも中断するとリセットされ、再び読み込み直す必要がある。これはマッチングで対戦相手が見つからなかった場合なども含むため、なかなか手間がかかる。
+ 育成の問題点
  • タマゴ孵化について
    • 本作ではライドポケモンのケンタロスを使い、スライドパッドをぐるぐる回転させる「回転ケンタロス」なる効率のよい孵化方法があるが、常時スライドパッドを動かすので3DSへの負担が大きく、相次いで破損報告が上がった。ボタン押しっぱなしで孵化ができた『XY』『ORAS』に比べると指への負担も大きい。
      • ケンタロス騎乗時にBボタンを押していると速度が上昇するが両手が塞がり、スライドパッドへの負担がやや軽くなる「激突ケンタロス」という方法も編み出されているがそちらは操作法がやや面倒。3DSを平坦なところに置いて片手で強引にやる、効率は悪くなるがBボタンを押さずとも速いムーランドを使うなど手法を変える必要がある。
    • 一応、「タマゴふかパワー」がなくても、ケンタロスの速度を考えれば効率はそこまで悪くないが、それでも孵化歩数が多いポケモンは時間がかかる。

育成環境の劣化

  • レベル上げの効率が低下
    • 第5世代の「相手よりレベルが低いほど経験値を多くもらえ、高いほど少なくなる」仕様が復活。
      • 本作では基本的に再戦が存在せず、必然的にポケモンリーグかバトルバイキングかゲームフリークのモリモトを利用することになる。
        しかし、四天王は強化後でも最高レベルは63と低い。また、五連戦に加えがんじょう持ちの多さや部屋の演出のスキップが不可能なため、テンポはかなり悪い。
        バトルバイキングはレベル55のポケモン1体を持つトレーナー最大10人と、モリモトはレベル62のポケモン6体と戦えるが1日1回しか利用できない。
        とどちらも欠点が多く微妙。せめてもっと高レベルの相手と戦える場所が欲しかったところ。
    • しあわせタマゴ*34が1個しか入手できない。ご丁寧なことに、過去作で低確率で所持していたラッキーやペリッパーからは没収されている。
      また、本作発売から1ヶ月後に月刊コロコロコミックの付録として配布されたことも反感を買った。
    • ポケリゾートのわいわいリゾートでは経験値を与えられるが、最高レベルでも1回の遊びで経験値300と実用性は低い。
    • ポケリフレの活用により取得経験値量は増やせるため、レベル50*35まではほとんど困らない。ハートのウロコによる技思い出しの仕様変更もあり、レベル技の習得のためのレベル上げも不要である。
    • ただし、「すごいとっくん」を使うためのレベル100まで上げるとなると話は別。レベル100に近づくほど戦闘での経験値効率が悪くなってしまう。
      • フェスサークルのふしぎキッチンを使えばある程度楽にはなるが、ランク上げやFC稼ぎの都合上あまり気軽にはできない。
  • すごいとっくん
    • 王冠の入手方法が乏しい。きんのおうかんは入手自体が非常に困難で、ぎんのおうかんは比較的量産は容易だが、その入手方法は「バトルツリーで30連勝」「釣りでごくまれに釣れる」「フェスサークルを駆使して作業する」「かけらを集めて交換」など、どれも時間や手間がかかるため、あまり積極的に使えない。
      • また、すごいとっくんを受けられるのは前述の通りLv100のポケモンのみ。前述の通り、レベル上げの効率が微妙だったり王冠で上げた個体値が遺伝しない仕様のため、期待外れと思ったプレイヤーも少なくなかった。
  • その他育成環境の劣化点
    • Oパワーが削除され稼ぎの効率が悪くなった。
      • 特に「けいけんちパワー」「タマゴふかパワー」「ほかくパワー」の3つが無くなったことはかなり痛い。
      • 第6世代で育成できるものに関してはそちらの方が早いが、バンク経由のポケモンはいずれレート戦で使用不可能になるとアナウンスされている以上、今後の使用可能期間を考えた場合『SM』側で育成せざるを得ない。
    • バトル検定が削除されたことで、強制的にレベル50にして能力値を確認できなくなった。
    • スパトレが削除されたことで、「まっさらバッグ」で現在のきそポイントを六箇所同時に確認できなくなった。一応リゾートで一箇所ずつ確認はできるが面倒。
    • 通常トレーナーとのダブルバトルの機会が激減した。前述の通り再戦もできない。
      • このためドーブルの技習得がやや面倒になった。専用技「スケッチ」で、陸上グループのタマゴ技の遺伝が楽になるメリットがあったが、それに大幅な制限がかかった。
      • 一応、野生のメタモン・ドーブルの乱入バトルで代用できるが手間は増えている。
    • 前述した通り仲間呼びには欠点が多く、きそポイント振りの効率は第6世代のスパトレ・群れバトルより劣化している。
  • バトルツリー・ロイヤルドームについて
    • バトルツリー・ロイヤルドームの難易度が最初から高くBPが稼ぎにくい。
    • 現在ではアップデートで追加されたQRレンタルチームを駆使すれば強いポケモンでツリー攻略が可能で、BPも『ポケモンバンク』の解禁で手軽に入手できるようになった。
+ QRレンタルチーム追加までの難点
  • 従来のノーマルバトルは難易度が抑えめであり、対戦用の育成が不十分な個体でも連勝を狙えるため初心者の練習やBP稼ぎに重宝されていた。しかし、本作では従来のスーパー並みに難易度が上昇しており、そのくせもらえるBPは前作と同じため、育成環境を整えるためにポケモンを育成するという面倒な状況になっている。
  • 一部のBP景品はタダで入手できるが、代わりにメガストーンがほぼすべて高額BP景品になっている、孵化厳選に必須な「あかいいと」、きそポイント振りにほぼ必須な「パワー系道具」などがあるので、BP稼ぎの需要は増えており、育成環境を整えるのが困難になっている。
  • メガストーン代のためのBP稼ぎ自体が困難を極めるため、対戦の知識に乏しい初心者や低年齢層のプレイヤーは『XY』以降の目玉要素であるメガシンカを気軽に楽しみにくくなっている。
  • ロイヤルドームは同時に4匹場に出ることから不利な相手に遭遇するリスクも高い。また、施設自体の制覇も4回勝利するだけで済み、連勝ボーナスもないためバトル施設としての存在感に欠けている。
    • 負けてもBPが手に入るのを利用して自滅技オンリーのポケモンで挑む手もあるが、演出やバトル時間が長いのでたっぷり稼ぐには不向き。
    • 他のバトル施設とは異なり、降参しようとするとトレーナー戦と同じく逃げることはできないという旨のメッセージが表示される。
    • シナリオ中の早い時点から行けるようになるが、訪れた当初からクリア後仕様の超ハイレベル設定。まともな手段で勝てるようになるのは、よくても冒険が終盤に入った後*36
  • リージョンフォームの仕様
    • 進化前も進化後も一貫してリージョンフォームであるポケモン
      • このようなポケモンを預かり屋に預けると、預けたポケモンが通常のすがたであってもリージョンフォームが産まれてくる。
      • 通常フォームに「かわらずのいし」を持たせて預ければ通常のすがたが産まれるが、持たせたポケモンの性格が100%遺伝するため、過去作で預けるポケモンを用意する場合は性格を考慮する必要がある。
      • 両親に「かわらずのいし」を持たせた場合はどちらかの性格が半々の確率で遺伝するため、両方に「かわらずのいし」を持たせて、もう一方の親から性格を遺伝させるという方法はある。
    • 進化前にリージョンフォームが存在しないポケモン
      • この条件に引っかかるピカチュウ・タマタマ・カラカラはアローラ地方以外で入手した個体であっても本作で進化させるとリージョンフォームになる。特に前2種は通常のすがたの特性が優秀なので型の選択肢が狭まってしまった。
      • 他方で、進化前のポケモンに過去作の教え技や、配信限定技(ピカチュウのなみのり等)を覚えさせて連れて来れば、リージョンフォームでも使える。
      • 一応、初代VC版や第6世代以前で進化させた個体を連れてくれば対戦で通常フォームを使うことは可能。
      • 後の『USUM』では通常のすがたに進化できる場所が用意され、第7世代のみで入手可能になった。

バグ・不具合

  • プレイヤーが最初のポケモンでモクローを選んだ(ハウの手持ちポケモンがアシマリになる)状況で、中盤のエーテルパラダイスでハウを相方にしてタッグバトルを行う際、ハウのアシレーヌ(アシマリの最終進化系)がZワザ「スーパーアクアトルネード」を使う時に何故かプレイヤーのポケモンを攻撃対象にしてくることがある。
    • 元にしていると思われる技「うたかたのアリア」は全体攻撃だが、Zワザにすると単体攻撃になるので、その辺りのCPUの処理ミスだと思われる。
  • レーティングバトルや通信交換で一部ポケモンが弾かれてしまう不具合
    • 「各フォルム専用技を覚えたFCロトム」などはすぐに修正されたが、「サファリ・ドリームボールに入ったポケモン」「島スキャンで入手できる・隠れ特性・第7世代入手の条件がそろったポケモン」「QRレンタルチームに登録した第6世代産のポケモン*37」などが弾かれる現象があった。なお、2/3までに大部分が修正されている。
    • 線引きが不明瞭な上に公式から「何が不具合で、いつに何をどう修正したのか」という情報開示もないため、ユーザーを困惑させている。
      雑な仕事のせいで正規のポケモンを改造認定されたことに憤るユーザーも少なくない。
      • 一度修正されたはずのドリームボールに関する不具合が再発した時期もあり、これに関しても公式のアナウンスは一切なし。
    • GTSやレートでは改造ポケモンが未だに存在し、一部の正規ポケモンを不正扱いされるのに改造ポケモンは通されることに対する不満が燻り続けている。
  • その他、17年5月17日時点で修正されていない/新たに発生した不具合。
    • ある手法をとることで、ネット環境さえあればFCをいくらでも稼げることが判明。
      • これを活用することで面倒な作業を省略してフェスサークルを一気に発展させることが可能。
        しかしこの手法が明らかになった時期からアトラクションの過疎化が進み、通常のプレイでFCを稼ぐことが難しくなってしまった。 例えば50人のランキングで「数値10が1人、数値0が49人」という構成だったとすると、数値0の49人は全員同率2位となる。もし 数値 5あたりを真ん中としていれば違和感は薄かったのだが、25の方を設定してしまうため、 50人全員がランキング上位になってしまう というカラクリ。
    • バージョンアップの度に、過去のバージョンで記録したバトルビデオ(BV)が再生できなくなる。過去作ではこのような仕様は存在しなかった。
    • レジギガスが持つ特性「スロースタート」はこうげきとすばやさが下がるものなのだが、Zワザを使用した場合に限りとくこうまで下がってしまう。このバグが発見されたのが『USUM』発売直前だったためか現在も放置されている。
    • バトルツリーで出現するごく一部のポケモンに「ホノオZを持っているのに対応するほのおタイプの技を持っていない」「にほんばれを覚えているのに、あついいわ(にほんばれターン延長)ではなくさらさらいわ(すなあらしターン延長)を持っている」といったミスが存在する。こちらは『USUM』で修正された。
  • 17年5月17日のバージョンアップで修正済みの不具合。
    + 一覧
    • 道具「ゴツゴツメット」の効果で相打ちになった際、ルールとは勝敗のつき方が違うバグが存在した。
    • オンライン対戦で技「すてゼリフ」「おきみやげ」をZワザにして使用すると対戦を強制終了させるバグが存在した。バグが修正されるまでこれらの技が全てのオンライン対戦で使用不可になった。
    • 実害はほぼないが、バトルツリーのトレーナーが使うジャラランガは本来習得できない「からをやぶる」を覚えていた。
      • アップデートで別の技に置き換えられたが、技のイメージがデザインや性能と噛み合っており、『XY』でエンテイがバトル施設で「せいなるほのお」を使っていて後にレベル技に追加されていたことが判明した前例があるため、「いずれ習得できるのではないか」と期待する声もあった。
    • コフキムシのタマゴ技が全て遺伝しないことがあった。この中にはダブルバトルで有用な「いかりのこな」も存在していた。
    • ポケリゾートでタマゴ孵化、きそポイント全振りなどの効率が爆発的に上昇する裏技があった。
      • ぽかぽかリゾートではポケモンを温泉に浸かりっぱなしにしていると、なつき度が下がってしまうため、それに配慮したと思われる。

総評

ポケモンシリーズ20周年を記念する本作。
育成環境はより充実した他、マップ上でもキャラクターの頭身が上がり、よりキャラクター性やシナリオを重視した作風となった。 一方で、シナリオは描写不足感があり、リーリエを始めとしたキャラクターを気に入るかで賛否が分かれやすくなっている。
また、図鑑説明文のメガシンカの絆を否定をする設定の矛盾、過去作キャラの改悪、プレイヤーへの煽りとも取れる発言など、相変わらず世界観を損なう表現が目立つ。
シナリオとイベントを一通り終えるとその後のモチベーションが通信対戦に左右されやすいのもマイナス。

対戦は目玉要素のZワザで戦略の幅が広がったポケモンは多いが、強いポケモンがゴリ押しに使う時もあり賛否は分かれる。
また、全体のバランス自体も第六世代で猛威を奮ったポケモン・戦法を弱体化した傍から、新たにカプ系やミミッキュと言った強すぎるポケモンを生み出したため結果的には改善されていない。

総じて、従来の要素を大規模に変えたり、数々の新要素が追加され新鮮になった反面、粗が目立つ部分や前作から劣化したり放置された問題点も多く、本作の新要素及びキャラクター、前作から改善された部分をどこまで気に入ったか、あるいは前作から改善されなかった/改悪された部分がどこまで気になったかで評価が分かれるだろう。
従来作と比較するとプレイヤーを選んでしまう面が強い仕上がりになっている。

余談

  • 主要人物の部屋にはベッドがあり、調べると主人公が寝て寝心地を語る謎の遊び要素がある。
    • このことから主人公に「ベッドソムリエ」という妙なあだ名がついた。
  • アンノーンは『USUM』含めて野生で登場せず、タマゴも発見できないため、一般ポケモンにもかかわらず「アローラマーク」必須の大会には出場できない。
    • とはいえ、ガチ対戦ではほとんど使われないポケモンのため、環境には何ら影響していない。
  • タイトルと同じく太陽・月がモチーフのソルロック・ルナトーンの2匹は若干ネタにされていた。
    • ソルロックはフレアドライブ、ルナトーンはパワージェムを習得した。使用率は低いままではあるが、多少使い勝手が良くなった。
    • ソルロック・ルナトーン共に『USUM』含めて 野生では出現しない が、過去作から連れてきて手持ちに入れると、ハイナ砂漠でイベントが発生する。
      • そのためか、「ポケモンだいすきクラブ」では配信イベントが行われ、そちらで入手することもできた。
  • すれちがい通信要素はオミットされている。
    • 本編ではBW~ORASまで採用されていたが、インターネット通信で代用できるような要素がほとんどであった。
  • 相変わらず改造対策に穴があり、レートシーズン1時点で使用不可能な技を覚えたポケモンがPGLに集計されたり、GTSやミラクル交換でのステータスがおかしいポケモンの報告が相次いだ。第7世代展開終了後は「GTSのリストを見るだけでフリーズする」という迷惑極まりない事象も報告されている。
    • バンク解放後も『ORAS』で問題になっていたちからずくランドロス*38がまたもや使用されている等の問題が浮上した。データ改造していたプレイヤー*39に対して不定期にオンラインプレイ禁止処分を下しているが、やはり対応が後手にまわっている感は否めない。
    • 勿論、一番悪いのは改造する一部の悪質なプレイヤーである。
  • 仕様に問題が多い仲間呼びではあるが、いくつかの特性や技、アイテムを上手く組み合わせることによりAボタン連打だけで連鎖し続ける方法が提案されており、ながら作業で色違いを狙えるなど今でも需要がある。
  • PGLの集計に不具合があり、シーズン1では上位ポケモンしか公開されなかった。
    • リージョンフォーム側の特性に通常フォームのものや「特性なし」がカウントされる一方、通常フォームはデータが一切表示されない不具合があった(現在は修正済み)。
    • おそらく、通常・リージョンフォームがあるポケモンは誤ってリージョンフォームに一本化して集計されていたためと思われる。
  • 本作もまた世界同時発売されたが、『XY』と同じく海外ユーザーのフラゲ・解析問題が発生することとなった。
    • 発売前に情報が広まることの対策としてか、リージョンフォームやウルトラビーストを含めた新ポケモンのほとんどが発売前から情報公開されたものの、これについて「新たなポケモンを発見する楽しみが奪われた」との声もあった。
  • シナリオや設定の練り込み不足は先に述べたが、行けそうで行けない建物や一部のキャラが描写不足なことから開発期間や予算の不足を疑う声もある。あくまで疑惑であり真偽は不明であるが。
    • プロデューサーの増田氏がテレビに出た際、「冬に間に合うのか?」と問われ「そこが問題ですね」と返答、また雑誌のインタビューでも「従来4年周期で出していた新作を3年で出すことになった」と答えており、開発期間不足説に拍車をかけている。
    • そのためか、今作から外部協力会社が全体的に増えている。前述のカキの試練もその一つ(参考)。
  • 国内の販売本数は約383万本。2016年発売ソフトの中ではダントツだが、前作『XY』と比較すると約15%、前々作『BW』と比較すると約30%も減少しており、本編完全新作の中では最下位(ただし世界売上では最下位はBW)である。
    • シリーズが20周年を迎え、『Pokémon GO』大ブーム直後だった割には伸び悩む結果となった。
    • 2016年はポケモンに限らず全体的にCSゲームの売上が低迷していた時期であったのも影響しているだろう。
    • 一方海外では好調で、全世界売上は1628万本と『BW』『RS』を上回り、海外売上に限定するなら『DP』『XY』よりも多くGBA〜3DS時代の中では最多である。
  • 2018年12月7日に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にガオガエンがファイターとして参戦している。
    • ソルガレオ・ルナアーラ・ミミッキュ等はモンスターボールから登場する。ロコン・ナッシー・ライチュウはアローラのすがたで登場する。
  • 本作でも前作ORASメインディレクターの大森滋氏が続投した。
    • その後、ピカブイを最後にポケモンメインディレクターの増田順一氏が降板し、以後のポケモンメインディレクターを大森氏が務めることとなった。
      その後、メインディレクターを務めた『ソード・シールド』『スカーレット・バイオレット』では本作のノウハウを活かしたのか、本作を彷彿とさせる要素、演出や描写が多々見受けられる。
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最終更新:2024年02月28日 08:01

*1 「努力値」の俗称でも知られる、ポケモンの各能力値に関わるパラメータ。

*2 ポケモンの種族ごとに設定されているステータスの基礎値。

*3 たとえばリザードは『金銀』以降Lv.36丁度でリザードンに進化させると「つばさでうつ」を覚えた。

*4 将来的にカロスマーク付きも出場不可能になると公式で発表されていたが、時期は明言されずじまいだった。

*5 勿論卑猥な意味ではなく「Lillie(リーリエ) + loss(失うこと)」という意味である。

*6 この際、ルザミーネは何故かリーリエの脱走までその時点で関わりが一切無かった主人公のせいにしている。当時のルザミーネの精神状態が異常だったとはいえ、主人公からしてみればとんだとばっちりである。ただし、グラシオは「くだらないバトルに突き合わせてつまなかった」と主人公に謝罪している

*7 そして、彼女が身体を張ってほしぐもちゃんを助けに行こうとしないので、それも相持って余計に悪印象を抱いてしまう。但し、コミカライズの「ポケモンSPECIALサン・ムーン」に於いてはムーン(原作に於ける女主人公)にこの事を指摘される場面はある。

*8 ハウの父親(ハラの息子)は「父の威厳から逃げるようにアローラ地方を出て行った」という設定まである。

*9 実際、アニメでもコルニがメガルカリオを制御できずに暴走させたことがある。

*10 むしろ一部のポケモンは、捕獲したボールによっては教え技・タマゴ技の有無等がバレてしまうデメリットがある。

*11 初期にカプ・コケコに助けられた時、エーテルパラダイスでウツロイドに初めて遭遇した時、ウラウラ島に向かう船でハウの挙動に驚く時など。全てマップ用モデルを使用したイベントシーンではなくムービーシーン。

*12 母親に御三家を選んだ理由を答える際の「カッコいいから」「可愛いから」があるが、どっちを選んでも母親は「可愛くてカッコいいのね」と答える、など。たとえ会話が変化するとしても直後の会話のみ。

*13 敵ポケモンは1~2回行動で動き、かつ2回目の行動は必ず仲間を呼ぶ行動、とイメージすると分かりやすい。

*14 これ自体は野生が2匹出てくる状況が出てきた『DP』から「狙いが定まらない」という理由でボールが投げられない仕様になっている。正確に言うと、こうした仕組みを導入したにもかかわらず直してこなかったのが問題と言えよう。

*15 戦闘1ターン目に使用した場合に限り、捕獲率が5倍になる。その性質上、体力が満タンの相手にいきなり投げることになるが、捕獲しにくいポケモンでなければかなり成功しやすい。

*16 特定の時間帯や天候でレベルアップ、特定のポケモンを手持ちに入れる、本体を逆さまにする、など。

*17 イモリのメスはフェロモンを出し、エンニュートもフェロモンを出すという設定があるため、進化条件はこの生態からきていると考えられる。

*18 ノーマルランクで20連勝を果たすと挑める。最終進化を遂げたポケモンが集い、クリアには相応の知識を要求される。

*19 一応負けても1BP貰えるため、ひたすら負け続ければ景品を狙う事自体は可能である。

*20 クリア後に解放される要素もあまり多くない。めぼしいのはバトルツリー近辺の一部地域の開放とクリア後ストーリー程度。

*21 しかも、同種同ランクの店を設置済みの場合は設置済み軒数に応じて2倍・3倍…と値上がりする。

*22 城外にいないプレイヤーは城内の受付で1人ずつ呼び出す必要がある。下画面から見られるゲスト一覧には載っているのに、城内受付での一覧には載っておらず呼び出せないプレイヤーが存在することもある。

*23 フェスサークルの設定にはゲストとの通信を制限できる項目があるのだが、これを行うとVIPではないフレンドとの通信も制限されてしまう。

*24 VIPのプレイヤーは別タブで最優先に表示されるため、お互いがオンライン状態であればほぼ確実にコンタクトが取れる。

*25 一時間経っていないときにオンラインに繋ぎなおした場合、その旨のメッセージが毎回長々と表示される。

*26 染物屋の染め直しによる色違いまで含めると男物679・女物1253。

*27 通信対戦時のダブルバトル(相手トレーナーが1人の場合)だとほぼ処理落ちしない。

*28 ただし調べられるものは何かしらの情報が得られ、ポケモン雑誌ばかりということはほとんどない。

*29 CMのバリエーション自体は7種類ある。

*30 ゴーストとフェアリー技を両方半減以下で受けられるのは全ポケモン中「ほのお・ノーマル」複合のカエンジシただ1匹のみ。そのカエンジシも防御力の低さから半減でも倒されてしまうことが多く、ミミッキュキラーとは言えない。

*31 ただし、ミストフィールドの前者の効果はカプ・レヒレ自身がドラゴンタイプの技無効なのでシングルバトルでは全く意味がない。一応、ダブルバトルなら味方のフォローに使えなくもないが、ドラゴン技がマイナーなので活かしにくい。

*32 かつては「絶妙な数値」と評された素早さも、環境における素早さのインフレ化により意味をなさなくなった点も辛い。

*33 第六世代ではあまり見かけなかったエレキフィールドやミストフィールドが展開される機会が守り神によって激増し、キノコのほうしが妨害されやすくなった点もマイナス要素となっている。

*34 ポケモンに持たせるとバトルで得られる経験値を1.5倍にする道具。

*35 バトルスポットで使う際の最高レベル。これ以上上げても自動的にレベル50のステータスまで落とされる。

*36 弱いポケモンしかいなくても、対戦相手の動向によってはマグレ勝ちできる可能性がなくはない。また、わざと負けても微量のBPを稼ぐことはできる。……が、いずれもまともな利用法とは言えない。

*37 これの該当ポケモンは手持ちやバトルボックスからは通常通り参戦できたために余計にたちが悪く、一部のユーザーがあらぬ改造疑惑をかけられてしまった。

*38 ちからずくランドロスは第5世代との連動ソフト『ARサーチャー』でしか入手できず、レート戦に出場させることは不可能。

*39 公式発表によると、2017年2月下旬で5,954人、3月下旬で7,651人。