KOF MAXIMUM IMPACT 2

【けーおーえふ まきしまむ いんぱくと つー】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 SNKプレイモア
開発元 SNKネオジオ
発売日 2006年4月27日
価格 6,800円
判定 良作
KOFシリーズ関連作品リンク


ストーリー

サウスタウンのボス、デュークによるKOFはアルバ・メイラの優勝により幕を閉じた。
アルバは新たなキングとして弟のソワレとともにサウスタウンを統括し、街は再び平和を取り戻していった。

そんなある日、アルバとソワレの前にルイーゼと名乗る美女が現れる。
初めて会ったはずなのに、何故か既視感を覚える二人。
ルイーゼは二人には理解できない言葉で何かを呟くと、二人の前から去って行った。

やがて二人の元にKOFの招待状が届く。
規模を拡大した大会に二人はデュークや彼らの兄貴分の仇であるリアンが出場するのではないかと考え、再びKOFへの参加を決意する。
そしてあの女、ルイーゼ・マイリンクも出場者としてエントリーされていたのである・・・

概要

KOFマキシマムインパクト(通称『MI』)シリーズ第2作目。北米でも発売されているが、そちらではタイトルが『THE KING OF FIGHTERS 2006』になっている。
初回限定版には、特典として本作のプロモーションとして作成されたアニメーション作品『The King of Fighters:Another Day(詳細は余談の項も参照)』を収録したDVDが付属する。

登場キャラクター

+ キャラクター一覧

前作キャラクターは全員続投。
太字は前作と比較しての追加キャラクター。

  • デフォルトキャラクター
    • ルイーゼ・マイリンク
    • ナガセ
    • ビリー・カーン
    • クーラ・ダイアモンド
    • アルバ・メイラ
    • ソワレ・メイラ
    • 草薙 京
    • 八神 庵
    • テリー・ボガード
    • リョウ・サカザキ
    • ユリ・サカザキ
    • 不知火 舞
    • 麻宮 アテナ
    • ラルフ・ジョーンズ
    • クラーク・スティル
    • レオナ
    • チェ・リム
    • ミニョン・ベアール
    • K'
    • マキシマ
    • ロック・ハワード
    • セス
    • リアン・ネヴィル
    • デューク
  • 隠しキャラクター
    • キム
    • リチャード・マイヤ
    • フィオ
    • 服部 半蔵
    • B・ジェニー
    • ナイトメアギース
    • リリィ・カーン
    • ニノン・ベアール
    • ワイルドウルフ
    • 草薙 京CLASSIC
    • 二代目Mr. KARATE
    • アーマーラルフ
    • ハイエナ
    • ジヴァートマ(最終ボス)

システム

  • 前作同様1on1で行われる『KOF』。
  • 新キャラクターとして『餓狼伝説』からリチャード・マイヤがまさかの登場。
    • さらに本来格闘能力を持たないはずのビリーの妹リリィ・カーンが参戦。改造物干し竿を使って兄に似た技を繰り出すなど、突っ込みどころ満載なキャラクターとなっている。
    • 他、『サムライスピリッツ』シリーズからはGBの『熱闘KOF'95』に登場したナコルル以来の『KOF』出場キャラとして服部 半蔵が、STGの『メタルスラッグ』シリーズからフィオ(フィオリーナ・ジェルミ)が参戦している。
  • シリーズおなじみの草薙京麻宮アテナも新衣装で登場。前作は両者とも既存作品の使い回しだったため、新鮮味が強い。
  • また、京の裏キャラクターとして『96』~『98』までのいわゆるオロチ編の衣装を着用した「草薙 京CLASSIC*1」、テリーは『餓狼MOW』の衣装を着用した「ワイルドウルフ」、リョウは『龍虎の拳』での天狗の面を父から継いだ「二代目Mr.KARATE」など、一部必殺技の内容や仕様が異なる別キャラクター仕様で登場している。ちなみに『餓狼伝説』ベースの衣装と『餓狼MOW』衣装のテリーが共存しているのは『MI』シリーズのみだったりする*2
  • 前作はサウスタウンが舞台でありながら、設定の関係で登場できなかった我らがギース・ハワードも『RBS』のナイトメア仕様で参戦している他、前作でチェ・リムに取って代わる形で出場を逃していたキムクーラ・ダイヤモンドビリー・カーンといった本家シリーズの人気キャラクターの参戦に加え、前作ではサブキャラクターであったハイエナがプレイヤーキャラクターとして登場している。
  • キャラクターを選択した後、NORMALとANOTHERの2系統のモデルを選ぶことができる。
    • さらにそのあと、カラーが各8種類から選ぶことができる。(後述のチャレンジモードで順次解放されていく)
      • カラーは単なる色違いでなく特殊モデルが用意されている場合もあり、変更した場合はストーリーでも反映される。
  • 基本はオーソドックスな格闘ゲームのそれだが、フィールドが3次元であり奥行きの概念が存在する。
    • また、本作独自のシステムとしてスタイリッシュアートとさばきが存在する。
  • スタイリッシュアート
    • 攻撃ボタンや方向キーを特定の順番で入力していくことで、続けざまに攻撃を繰り出すシステム。
    • 餓狼シリーズのコンビネーションに近いが、スタイリッシュアート専用の必殺技が出せたりする、攻撃せずにフェイントをする、中段スタートがあるなどのバリエーションがある。
    • 全キャラ20種類程度のスタイリッシュアートを持っている。
  • さばき
    • 本作の最大の特徴。設定したさばきボタンか「後+強パンチ+弱キック(上段用)」「斜め後+強パンチ+弱キック(下段用)」で出すことができる。
    • 打撃属性のほとんどの技を受け流し、相手の硬直中にこちらの反撃を入れることができる。
    • さばきボタンかコマンド入力かで特性が異なり、さばきボタンの場合はスタイリッシュアートに割り込めないが、コマンド入力の場合スタイリッシュアートに割り込む「割り込みさばき」を出すことができる。
    • このためスタイリッシュアートに対抗する機能となっている。
  • パワーゲージ
    • 超必殺技の発動、スーパーキャンセル、ガードキャンセルで1本消費する。超必殺技の場合は2本以上消費するものもある。
    • 初期状態では最大3本まで溜められるが、1ラウンド落とした側は上限が増えて最大5本溜めることができるようになる。
  • ガードゲージ
    • ガードの強度を表す。ガードするたびに削られていき、なくなるとガードブレイク状態になり一定時間無防備になる。
    • また、ガードキャンセルの際にも消費する。

モード

  • ストーリー
    • 本作のメインモード。CPUの操る7人の相手を倒せばクリアとなる。
  • プラクティス
    • 任意の動作を行わせるCPUを相手とするトレーニングモード。
  • バーサス
    • CPUまたはプレイヤー同士の対戦が行える。
    • 前作同様、このモードのみ従来のような3on3のチーム戦も可能で、さらに今作では様々な特殊効果が課せられるパーティーバトルもある。
  • プロフィール
    • ストーリーをクリアしたキャラクターのプロフィールが見られる。
  • チャレンジ
    • さまざまなミッションのクリアを目指す。クリアの報酬として新カラーや隠しステージが入手できる。
  • ネットワークマッチ
    • マルチマッチングBBを用いたネット対戦ができた(現在はサービス終了)。

評価点

  • スタイリッシュアートとさばきを用いた駆け引きの深さ。
    • スタイリッシュアートがあることで初心者でも面白みのある攻撃が行え、さらにその対抗方法としてさばき(割り込みさばき)が存在する。
      このため、近距離戦では攻撃→さばかれる→相手が攻撃する→こちらもさばきで返すといったことが多々起きる。
      • 通常の格闘ゲームのように上段・中段・下段の攻撃を使い分けガードをゆさぶるだけでなく、相手の割り込みさばき、あるいはさばき返しを予想しあえて攻撃タイミングを遅らせる、さばきが通用しない通常投げを仕掛けるなど、さばきを軸とした駆け引きの選択肢は広い。
        さばきの存在しなかった前作では、スタイリッシュアートを用いたラッシュ・コンボの比重が重かったため、一度攻撃が決まると一方的な展開となることも多かったが、さばきの導入により緊張感のある読み合いが味わえるようになった。
      • また、さばきは打撃属性であれば必殺技も取れるので、突進技をさばいて強引にさばき合戦に持ち込むなどといったこともできる。
    • スタイリッシュアートへの割り込みが容易になったことにより、複雑なスタイリッシュアートの分岐を全て記憶せずともある程度は対処が可能になり、3D格闘ゲームに慣れていないプレイヤーでも比較的とっつきやすくなるというメリットも生み出している。
      • 一方で、「『空振りモーション中に攻撃を受けるとカウンター扱い』というリスクは課せられているものの、『容易に敵のラッシュに割り込める』というリターンの方が大きく、今度は防御側優位に傾き過ぎている」という意見もあり、その点については後述の『MIA』で更なる調整が行われている。
  • 多彩なキャラクター
    • 概要の通り今まで『KOF』に出ていなかったリチャードやリリィ、ハイエナといったサブキャラクター扱いだったキャラクターが参戦している他、ビリー、キム、クーラ等の本家『KOF』シリーズ本編の人気キャラクター、服部半蔵やフィオといったこれまで『KOF』参加すら無かったタイトルのキャラクターが登場しており、3D作品ながらお祭り色が非常に強い。
    • コンパチも多いが、キャラクターとしての個性は十分に出ており様々な対戦を楽しめる。
  • 演出の強化
    • ストーリーモードはフルボイスで進行し、因縁の相手と戦う中間イベントも存在する。
      • 特にテリーとビリーの対決デモは、非常に熱い。
        ギースを死に追いやったテリーに対して遺恨を燻らせるビリーと、養父の復讐のためにギース打倒を決意した自らの過去を踏まえその怒りと向き合い続ける覚悟を決めたテリーのやり取りは、ギースが死亡していない『KOF』シリーズ本編とはまた違った雰囲気を醸し出している。
      • ストーリーは『96』~『2001』まで本シリーズのノベライズ作品を担当していた嬉野秋彦氏の書き下ろしであり、かなり練り込まれたものとなっている。
    • また、キャラクターの登場デモがステージによって異なり、毎回新しい気分でキャラクター登場シーンを見られる。
    • 一部の必殺技には、台詞が一定確率で変化するというちょっとしたおまけ要素が含まれている。
      • 「半々の確率で2パターンの台詞のどちらかになる」というものがほとんどだが、中には極端に発生確率の低いレア台詞も存在する。
  • 通信対戦
    • マルチマッチングBBによる対戦は、ラグも少なく安定していた。
      • 元々3D格闘ゲームは仕様上2D格闘ゲームに比べるとラグを体感しにくいという事情もあるのだが、いずれにしろ快適なオンライン対戦を楽しめた。

賛否両論点

  • 衣装バリエーションの方向性
    • フィオのKOF参戦と怒チームのメタスラ参戦の繋がりから、ラルフとクラークにマルコとターマそっくりに変化する衣装が用意されていたり、ロックにの衣装というまさかの公式外見被りネタ、舞とユリにそれぞれアンディとロバート風のカラーなど、ANOTHERモデルや特殊カラーには本作に登場しないキャラクターのネタが豊富に仕込まれており、ファンならニヤリとするネタも多くこの点では評価されている。
    • 一方で、髪型などそのキャラクターの特徴と呼べる部分が全く残らないほど変化することもあり、「オリジナル衣装は趣味に合わずネタ衣装も飽きたため、結局デフォルトデザインのカラーバリエーションしか使わない」「あまりに外見が異なるため、対戦時に相手の使用キャラクターを理解するのに時間がかかる」といった批判的な意見も多い。
    • 京とアテナに至ってはNORMAL・ANOTHER共に従来の衣装とは異なっている。
      • 京については裏キャラクターのCLASSIC版で旧衣装を選べるが、一方アテナは慣れ親しんだ従来のコスチュームが今作で削除されてしまい大幅にイメージチェンジとなったため違和感がある。
  • フルボイス化による一部キャストの演技の違和感
    • 本作のキャストは基本的に『KOF』シリーズ本編から続投しているのだが、これについては賛否両論となっている。
      相棒』シリーズの角田課長(通称:暇課長)で一躍有名となったビリー役の山西惇氏*3など、フルボイス化により台詞量が増えた中で多忙であろうキャストも含めて全員続投したことを評価する声もある一方、「一部キャストが棒読み気味で、演技に違和感がある」という意見もある。
      • 特に挙げられることが多いのがテリー。これまでのシリーズ同様橋本さとし氏が演じているのだが、対戦時ボイスの英語とデモシーンの日本語とのバランスが取れなかったのか、デモシーンが全体的にエセ外国人風のカタコトのようになってしまっている。
        上述したビリーとの対戦デモも、テリー勝利時の「もうよせビリー!」が「モウヨッセビリー!」という発音に聞こえるというネタ要素ばかりがクローズアップされることになってしまい、本来の内容の熱さが正当に評価される機会が少ないという残念なことになってしまっている。
      • レオナも会話シーンでは棒読みが酷いという声が多い。ただしレオナは感情に乏しいキャラなのであえてその様に声優が演技しているのではという声もある。実際、勝負中の掛け声はちゃんと迫力がある。
      • 旧SNK時代から続く格闘ゲームは、慣例として「(当時の)劇団の俳優*4」や「ナレーター活動がメインの声優」など、声優としての演技経験が豊富ではないキャストが多く起用されている。
        そのため、「かけ声や短い台詞はともかく、ドラマCDなどで長めの台詞を喋ると一気に演技が不安定になるキャストがいる」という意見は旧SNK時代から度々出ていたが、本作ではデモのフルボイス化によって長台詞が一気に増えたため、結果的に演技の違和感を指摘する声も多く出る事態となってしまった。

問題点

  • 遠距離での飛び道具の撃ちあいが不毛になりやすい
    • さばきは打撃に対しては強力だが、飛び道具に対しては無力となる。このため、遠距離からひたすら飛び道具を撃ちあって攻撃するという不毛な戦いが起こりやすい。
      • 本作の飛び道具はジャンプで跳び越すことが不可能なものが多く、その傾向に拍車をかけてしまっている。
  • 一部の超必殺技ぶっぱが強力すぎる
    • 本作における超必殺技の単発ダメージは高めに設定されている上、テリーのハイアングルゲイザーなど「打撃技でありながら、長い無敵時間が設定されているためにさばきが通用しない」技が存在するため、このような技を持つキャラクターはひたすらぶっぱでも強いという現象になる。
      • ダメージが高めな点については、「超必殺技がまさに超必殺の威力を持っていた頃に回帰している」と好意的に見る意見もある一方、「それならば無敵時間の短縮など当てるための難易度を上げてもよかったのでは」という不満が出ている。
  • ストーリー面で突飛すぎるところがある
    • 前作とプロローグではあくまでストーリーの軸は「ギース・ハワード亡きあとのサウスタウンの覇権を巡る、ギャング同士の抗争」という形に落ち着いていたが……。
+ ネタばれ注意
  • 今作の物語の背景には「優れた技術を持った科学者たちが次々と謎の組織に拉致され行方不明となっている」という事件が存在するのだが、本作のラスボスであるジヴァートマが語ったその目的とは「拉致した科学者たちに技術を与えて艦を作らせ、ふるさとの星に帰る」こと。
    つまり、彼が地球外生命体(=宇宙人)であることがあからさまに匂わされている。
    • 加えて、ジヴァートマはアルバ、ソワレ、ルイーゼに対して自分の同類として接する台詞があり、彼らもまた地球外生命体であることが示唆されている。
      ルイーゼについてはジヴァートマとの対戦前に「この星に取り残されることになろうとも必ずお前を倒す」と宣言している。
      • ルイーゼについては人間の家族の存在が描写されており、アルバとソワレがどちらもジヴァートマに「事故に遭った『闇の爪』の異名を持つ男・ユーダイム」として扱われているため、正確には「地球外生命体が人間に寄生し転生した存在(誤って双子に転生するという事故により分裂し記憶を失ってしまった「ユーダイム」がアルバとソワレ)」と表現した方が正しいのかもしれないが、詳しい設定が明かされていないため推測の域を出ない。
    • これまでも「地球意思とその眷属」や「クローン生成など高い科学技術を持つ秘密結社」といったある意味現実離れした敵との戦いを描いてきた本シリーズだが、この展開については「流石に宇宙人は突飛過ぎるし、前作のストーリーからもかけ離れ過ぎている」という意見が続出した。
  • また、当時の広報担当者のコメントとして「(旧SNK倒産に伴う『餓狼MOW』の続編中止によって)ストーリー展開が途絶えている『餓狼』シリーズの補完を行いたい」というものがあったため、「そもそも『KOF』シリーズの世界観は『餓狼』『龍虎』の両シリーズのパラレルワールドであり、そこで『餓狼』シリーズの補完を行うという方針は受け入れがたい」という反発の声も上がった。
    • 前述のように、本作のメインストーリーの展開が多くのプレイヤーに「過去のシリーズや『餓狼』シリーズの雰囲気から外れた突飛なもの」と受け取られたこともその批判を強める一因となっている。
  • 隠しキャラクターにはストーリーデモや個別エンディングがない
    • 個別のプロローグは存在しプロフィールで書き下ろされているものの、ゲーム本編で大会参加の結末が見られないのが残念である。
    • 特にミニョンの妹・ニノンや『餓狼』本編ではサブキャラクターのリチャードとリリィ、本作でプレイヤーキャラクターに昇格したハイエナに関しては無念といえる。
  • 隠し要素解禁が面倒
    • チャレンジモードの問題を延々と解いていく必要があるので、かなり時間がかかる。
  • 隠しキャラクターのアーマーラルフの性能が異常
    • 常時フルアーマー効果で、大半の攻撃を受けても全く怯まない。ふっとばし攻撃と一部の必殺技以外ではのけぞらず、一部の技以外では投げられることもない。当て身も効かず、乱舞技でロックされない。
    • 通常のガードとバックダッシュはできないものの、ガードポイントを発生させて打撃攻撃を一発だけ無効化する「ガチンコガーディアン・スタイル」が使用可能。「ガチンコガーディアン・スタイル」は同技を含めた全ての行動でのキャンセルが可能なので連発すれば連続技も凌げる上、ガードクラッシュされた後にも使用可能。
    • あらゆる攻撃に無敵判定がついている。
      • …などの反則的な性能を持っており、本作で文句なしの最強キャラクターと言われている。
        そのためか、『KOF MAXIMUM IMPACT REGULATION "A"』では、本作の登場キャラクターの内アーマーラルフのみ非参戦となっている*5

総評

ストーリーの方向性など評価が割れる部分もあるが、システムやストーリーの完成度自体は荒削りが過ぎた前作から飛躍的に向上している。

さばきの追加によってスタイリッシュアートでのゴリ押しがまかり通っていた前作の欠点を解消した上で、2Dのシリーズ本編とは異なる『MI』シリーズならではの方向性を確立しており、家庭用専用シリーズの2作目として、対戦ツールとして十分に耐えるものを作り出した良作といっていいだろう。


余談

  • 本作発売の前年である2005年、『KOF』シリーズとしては初*6であるアニメーション作品『The King of Fighters:Another Day』が制作された。
    • 製作はProduction I.G。全4話、1話に付き7分程度の短編作品であり、期間限定でWEB配信が行われた。現在はシリーズポータルサイトである「THE KING OF FIGHTERS OFFICIAL WEB SITE」のムービーギャラリーで全話無料で視聴可能。
    • 『MI2』の前日談であると同時に『XI』の後日談とも取れる内容になっているのだが、『XI』から直接『MI2』に繋げると矛盾する設定(主に庵が炎を操る力をアッシュに奪われた事件)があるため、厳密にはパラレルストーリーということになっている。
      • ちなみに、本作では山西惇氏がビリー役に復帰しているが、『Another Day』では『2003』と同様、かの『デスクリムゾン』のコンバット越前で有名なせいじろう氏がビリー役を担当している。

その後の展開

  • この作品の成功によってアーケード版『KOF MAXIMUM IMPACT REGULATION "A"』(通称:KOF MIA)が作られ、MAXIMUM IMPACTシリーズはアーケードデビューを果たした。そちらは2Dシリーズと同じ3on3になっている。
    • アーケード版がリリースされるに当たり、『2003』からアッシュ・クリムゾン、『餓狼伝説3』からブルー・マリー、そして「他社作品からの参戦」という掟破りな形で『ファイターズヒストリー』から溝口誠が参戦することも話題を呼んだ。
    • 後にこの『MIA』もPS2に逆移植された。
  • 本作の続編にして『MI』シリーズ第1部の完結編*7である『MI3(PS3)』と、『MIA』のアッパーバージョンである『MIA2(PS2・アーケード)』、『MI360(Xbox360)』という3作品の制作が発表されており、一見大成功に見えたが、最終的にプロデューサーの退社によってシリーズそのものが打ち切りという寂しい結末を迎えている。
    • シリーズ打ち切りによってストーリーも途切れており、「家庭用版KOF」として本編とは異なる進化を見せていたシリーズだけに、残念であると言わざるをえないものになってしまった。
  • 「3DグラフィックのKOF」としては、後にシリーズ本編である『XIV』が受け継いでいる。

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最終更新:2021年05月24日 20:19

*1 ANOTHERモデルでネスツ編の衣装にも変更可能。

*2 前作にもテリーのANOTHERモデルとして『MOW』衣装があったが、今作では性能も独立している。

*3 なお、ビリー役は『2003』で一旦変更されているため、厳密には山西氏は復帰となる。

*4 例として、過去に『餓狼伝説』シリーズに出演していた生瀬勝久氏や前述の山西氏、『XI』まで長らく不知火舞を演じていた曽木亜古弥女史は大阪の劇団「そとばこまち」に所属していたことが縁で起用されている。

*5 『MIA』のロケテスト時に限定配布された小冊子(その後公式ガイドブックに再掲)ではアーマーラルフへのインタビューという形でその事実がネタにされており、インタビュアーが「あなたの極端な性能が1人だけ別ゲームの住人のようだと受け取られて(参戦できなかったのでは)」と発言している。

*6 過去にアニメーションによるOPデモが制作されたことはあるが、台詞付きのアニメーション作品としては初となる。

*7 開発者のインタビューでは、アルバ・ソワレの兄弟をメインに据えたストーリーは『MI3』までの3部作で、その後の展開として時間軸を過去に遡った新たな3部作の構想もあるという旨のコメントが語られていた。