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クレヨンしんちゃん2 大魔王の逆襲
【くれよんしんちゃんつー だいまおうのぎゃくしゅう】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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バンダイ
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開発元
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さんえる
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発売日
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1994年5月27日
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定価
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6,800円(税別)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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映画の続編とは思えないような薄い内容 キャラゲーなのに登場キャラが少なすぎる ハイグレ要素絶無 ゲーム性は改善されているが薄い内容で全てが台無し
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クレヨンしんちゃんゲームリンク
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概要
1993年の夏に公開された映画『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』の続編的位置づけのアクションゲーム。
しんのすけ達の活躍で撃退されたるも再びを侵略を目論んで襲来したハイグレ魔王に捕まってしまったアクション仮面を救出するべく、
しんのすけを操作してアクション仮面が囚われている牢の鍵である「コーワシストーン」を集めるのが主な目的。
ストーリー
「アクション仮面VSハイグレ魔王」からしばらく立ったある日、しんのすけはテレビで大好きな特撮ヒーロー「アクション仮面」を観ていた。
だが、その突然テレビの中からかつて異世界の地球でしんのすけとアクション仮面と対立したハイグレ魔王が現れ、アクション仮面を人質にして牢屋に入れてしまう。
彼を助ける為には「コーワシストーン」という鍵を手に入れなければならない。
コーワシストーンを探そうと出発するしんのすけだが、風間くんやマサオくんをはじめとするしんのすけの友人たちまでもがハイグレ魔王に捕まり、敵として洗脳されてしまう。
はたしてしんのすけはコーワシストーンを集め、アクション仮面と洗脳された友人達を救う事ができるであろうか。
(Wikipediaより引用)
システム
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基本的には前作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ園児』をベースとした横スクロールベルトアクションである。
敵を倒しながら先に進むタイプ。
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ただし、ステージ2,5,7は純粋な横スクロールアクションになっている。
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ステージの最後に待ち構えているボスを倒せばステージクリアになる。
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ステージごとに時間制限があり、あまり長くは無いのでのんびりしたプレイはできない。
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攻撃手段も前作とほぼ同じで「ジャンプからの踏みつけ」「敵が投げてきたものを拾って投げ返す」の2つ。
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そのほかに、道中の敵が落とす「アクションビーズ」を使って、ステージ道中に設置されているガシャポンから入手できる4種類のストックアイテムがある。入手後、任意のタイミングでAボタンで使用可能。一部のアイテムは前作からの流用だが、効果は大きく異なる。
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アクション仮面:一定時間しんのすけがアクション仮面に変身する。Yボタンでアクションビームを撃てるようになる。
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ぞうさん:下半身を出してぞうさんパオーンをやる。画面内のすべての敵にダメージを与えられるが1回きり。
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音符:しんのすけが半ケツフラダンスをやる。ぞうさんと同様にすべての敵にダメージ。
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こうもり:一定時間しんのすけがこうもりのマスクと羽を装備する。効果中は体当たりするだけで敵にダメージを与えられる。
問題点
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ゲームがあまりに短い。わずか8ステージ。
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4ステージに各5エリアの全20面で構成されていた前作と比べて半分以下のステージ数になっている。また、マップも非常に短い。
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ステージごとにボスがいるが、それを含めても1ステージあたりの所要時間は約3分。30分もあればクリアできてしまう。このためゲームの価格とボリュームが非常に不釣合いである。
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ただでさえステージ数が少ないというのに、ステージ6は開始してすぐにボス戦が始まるバトル面になっている。当然ボスが複数存在するなんてことはなく、このボスを倒した時点でステージクリアである。
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このボリュームのなさは本作を代表する不満点であり、多くのレビューサイトでも必ずと言っていいほど挙げられる。前作は様々なミニゲームや住人との会話イベントが用意されていただけになおさらである。
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前作の各所に用意されていた、しんのすけと他キャラ同士の会話が完全削除されている。
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前作では探索・謎解き要素が用意されていたため、道中の各所に攻略ヒントとしての会話シーンを用意する必要があったのだが、今作は一本道を進んでいくだけの構造になっているためか、前作のようなキャラ同士の掛け合いがほとんど存在せず、しんのすけもボス戦後に一言二言発言する程度で終わってしまうため、前作のようなメリハリのある漫才トークを楽しむことができない。
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本作は映画の後日談という設定なのだから、漫才トークを通して映画出演キャラのその後や現在の心情を語らせるなど、攻略のヒントとしての需要はなくとも、会話シーンを入れる余地はいくらでもあったはずである。
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キャラゲーなのに登場キャラが少なく、扱いにもいまひとつ疑問が残る。
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今作のストーリーはしんのすけとハイグレ軍団の戦いに焦点が絞られているため、ある程度は仕方ない部分もあるのだが、それを踏まえてもキャラゲーとしては出演数が寂しい。
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リリ子・ミミ子や幼稚園の先生達、ひろしやみさえはまったく登場しない。
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北春日部博士はステージ開始時やボス戦前の助言役として、顔グラとセリフのみの登場。
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映画ではハイグレ軍団の幹部だったハラマキレディースはなぜか雑魚敵になっている。Tバック男爵に至っては未登場。
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一方でステージのボスには「ブランジャー」や「パンチラス」といったゲームオリジナルキャラが就任している。
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しんのすけの友達勢4人も捕まっており、おかしな姿に改造されてボス敵として立ちはだかる。
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魔女っ子ネネちゃんや風間ロボはまともな部類であるが、ゴキブリに改造されたまさお君はあんまりにもあんまりな扱いである。ちなみにボーちゃんは鈴虫の姿に改造されて登場する。
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エンディングでキャラクター紹介が行われるが「ゴキブリまさおくん」「ロボかざまくん」「ロボかざまくんかい(改)」まではいいものの、ネネちゃんとボーちゃんはそのまま「ネネちゃん」「ボーちゃん」と表記される。
「まじょっこネネちゃん」「すずむしボーちゃん」ではダメだったのか?
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しんのすけにのみボイスが少しあるが、音質があまり良くない。
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さらに全体的に棒読みなのも無視できないところである。全体的に前作から劣化してしまっているといわざるを得ない。
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原作映画要素の薄さ
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映画は地球侵略のために人々にハイレグ水着を着せて洗脳するハイグレ軍団の脅威が、子供向けながらも印象に残る作品である。しかし、ゲーム中ではハイレグ水着を着せられて洗脳された人間はまったく登場しない。
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唯一ハイグレ魔王が着用しているのみ。劇場アニメの続編にする意義がほとんど感じられない。
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これらボリュームや演出に圧倒的な物足りなさを感じさせる最大の原因として、データ容量が前作比で1/3に減らされてしまったことが挙げられる。
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前作は12メガビットだったのに対して、本作は4メガビットしかない。内容抜きの比較でおこがましいが、スーパーファミコンローンチの『スーパーマリオワールド』と同じである。
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当時はゲームの大容量化に伴うソフトの価格上昇が進む一方で、あえてデータ容量を少なくして定価を抑えるソフトもいくつか見られた。
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しかしその多くがもともと大容量を必要としないレトロアーケードゲームの移植や新作パズルゲームであり、「ボリュームたっぷりの前作から様々な要素をそぎ落とした続編」という本作のようなケースは珍しい。
人気のアニメキャラクターを使ったゲームだけに、手に取りやすい値段に抑えようという良心的な姿勢からきた判断なのかもしれないが、その結果、内容の乏しさに繋がってしまうのでは本末転倒と言わざるを得ないだろう。
評価点
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ゲーム中のドット絵はそれなりに手が込んでいる。
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ハイグレ魔王の股間のもっこり描写もぼかされずに描かれている。
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システム面は前作から改善された部分が多く、アクションゲームとしては悪くない出来。
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宇宙空間での宇宙遊泳や海底でのシューティングなど、色々なギミックが用意されているのは評価できる。
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前作では風間くんやしんのすけの友達が特に理由もなく道中の敵キャラとして扱われていたが、本作では敵として登場する理由付けがきちんとなされている。
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撃破後の会話シーンではちゃんと本来の人格を取り戻した描写が見られ、前作のようなアクションシーンと会話シーンの齟齬もなくなった。
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BGMの質はよく、特に海底ステージの曲の評価が高い。
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タイトル画面では当時のアニメ版の主題歌『オラはにんきもの』がインストで流れる。
総評
ゲーム性やシステムを見るならばバランス的に歪だった前作からの改善が見られるものの、今度は内容が薄すぎるという大きな問題を抱えてしまった残念な作品である。
この時代のスーパーファミコンソフトとしては値段は安価ではあるが、やり込みが重視されるコンシューマー向け作品でこのボリュームは1ゲームとしては薄すぎ、とても価格相応とは言えない。キャラゲーとしても敵のモチーフに映画の設定を流用した程度でキャラを活かしているとも言い難く、原作ファンにとっても大いにガッカリさせられてしまう出来である。
せめてゲームとしてのボリュームが十分にあればこのような評価をされることはなかっただろう。
余談
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開発中のタイトルは「クレヨンしんちゃん ハイグレ魔王の復活」とされていた。
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今作の攻略本にはおまけマンガとしてゲームとは異なる展開でのハイグレ魔王の逆襲ストーリーが掲載されている。
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リリ子やミミ子、Tバック男爵といったゲームで出番のなかったキャラも出演している。
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ゲーム本編のボリュームが非常に薄いこともあり、プレイヤーの中にはこちらのマンガのほうが印象に残っているという人もいるぐらいである。
最終更新:2024年05月07日 03:01