ライズ オブ ザ トゥームレイダー

【らいず おぶ ざ とぅーむれいだー】

ジャンル サバイバルアクションアドベンチャー


対応機種 XboxOne
Xbox360
Windows 7~10
プレイステーション4
macOS
Linux
メディア 【One】BD-ROM
【360】DVD-ROM
【Win/macOS/Linux】ダウンロード専売ソフト
【PS4】BD-ROM
発売元 【One/360/Win(Xbox公式)】日本マイクロソフト
【Win(Steam)/PS4】スクウェア・エニックス
【macOS/Linux】Feral Interactive
開発元 クリスタル・ダイナミックス
Eidos Montreal
Nixxes Software(Win/PS4/360版)
Feral Interactive(macOS/Linux版)
発売日 【One/360】2015年11月12日
【Win】2016年1月29日
【PS4】2016年10月13日
【macOS】2017年4月12日
【Linux】2017年4月19日
価格 【One/360】7,452円
【Win/macOS/Linux】7,344円
【PS4】7,344円(全て税8%込)
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
判定 良作
トゥームレイダーシリーズリンク


概要

女性冒険家ララ・クロフトの冒険を描く『トゥームレイダーシリーズ』の据置作品第13作目。
前作『トゥームレイダー』でリブートを果たした新規メインシリーズの第2弾にあたる。
前作のシステムをさらにブラッシュアップし、サバイバル要素を拡充。探索とシネマティックなゲーム展開のバランスを改善している。

当初はXbox独占タイトルとして発表されていたが、後にWindows版、PS4版も発売された。2017年にはMacOS版とLinux版も発売されている。

ストーリー

孤島から生還したララは、前作での体験から父が研究していた「不死の秘宝」の存在を確信していた。
父の遺した手がかりを元にシリアの遺跡を訪れたララの前に謎の一団が現れる。
彼らこそ、前作の事件の裏で暗躍していた謎の組織「トリニティ教団」であった。
命からがら逃げ出したララは、遺跡で得た情報を元に仲間のジョナと共にシベリアへと向かい、険しい雪山に隠された遺跡を訪れる。

特徴

  • 基本的なシステムは前作を踏襲しているが、前作で受けた批判を元に以下のようなブラッシュアップが行われている。
  • サバイバル要素の拡充
    • 前作では動物を狩ったり、木箱を探ってもサルベージが貯まるだけで違いはなかったが、今作ではそれぞれで異なる「資源」が手に入るようになった。
      • また、特定の木やキノコを採取したり、鉱石を掘ることでも資源が手に入るようになった。
      • 資源の中には時々現れるレアな動物からしか採取できないレア資源も存在する。
    • 獲得した資源を消費して様々なアイテムを製作する「クラフト」が追加された。
      • クラフトで製作出来るのは主に「弾薬」と「装備」の2種類。装備を製作することで資源や弾薬の所持可能数が増えていく。
      • 一部のアイテムは作成するための資源の他、特定のスキルを必要とするものもある。
      • 前作同様、武器類のアップグレードも行えるが、これにも資源が必要となる。
      • クラフトはキャンプで行うが、弾薬は移動中も特定のボタン操作で製作可能。資源のストックがあれば自由に供給できるようになっている。
    • 戦闘でダメージを受けた際には、自力で治療をする事で高速で回復できるようになった。
      • もちろん治療するためには特定の資源が必要になる。
  • 新装備・新アクション
    • 前作にも登場したロープアロー、ファイアアロー、グレネードアロー*1に加え、命中した場所付近に毒の煙を撒く「ポイズンアロー」が追加された。
      • 他にも軟木に矢を刺して特定の崖を登れる「ブロードヘッド クライミング アロー」も登場。
    • 前作で削除されたグラップルが「グラップルアックス」として復活。中盤から使用可能になる。
      • 以前ほど万能ではないが、通常では届かない場所や特定のオブジェクトに引っ掛けて谷を渡るといったアクションが可能に。
    • 崩れかけた壁をアックスで破壊するアクションが追加。
      • 破壊すると資源が手に入ったり、新たな通路が見つかる場合もあり重要なアクションとなっている。
  • 言語スキルが登場
    • 今作では様々な言語が書かれた壁画やモノリスが設置されており、読むことでララの言語スキルが上がっていくようになった。
    • 言語スキルが一定に達することでモノリスを読めるようになる。収集要素の1つとなっている。
  • ミッションが登場
    • 特定の場面で受けることが可能で、クリアすると新しいアイテムを入手できたりする。
  • シークレットトゥームは「オプショナル チャレンジ トゥーム」と名称が変更された
    • 前作同様、本編をクリアするだけならプレイする必要はないが、クリアすると特別なスキル「エンシェントスキル」を習得できるようになった。
    • エンシェントスキルは矢を2連射したり、資源を獲得できる植物をマップ画面で確認できるようになるといった便利なスキルが用意されている。
  • 味方NPCとの交流
    • これまでのシリーズでも町中などを舞台に探索する場面はあったが、登場するのはほとんど敵だった。しかし、今作ではトリニティに敵対する住民たちがおり、ララに協力してくれる。
    • 住民たちはララにミッションを頼んできたり、中にはトリニティから離反してアイテムを売ってくれるNPCも登場する。
      • アイテムを買えると言っても、武器パーツなどのショップ専用アイテムのみであり、資源は自力で集める必要がある。
  • オンライン対戦は削除され、代わりにオンラインランキング対応の4種類のサブゲームが追加された。
    • スコアアタック:一度クリアしたステージをリプレイし、スコアを競うモード。タイムボーナスなどの要素がある。
    • チャプターリプレイ:一度クリアしたチャプターをリプレイしするモード。
    • チャプターリプレイエリート:全ての装備を持った状態でチャプターをリプレイするモード。
    • 残された者達の抵抗:戦闘を重視したバトルゲーム。ミッションエディタが付属しており、内容を自由に製作して配布することも可能。
    • 全てのサブゲームは、プレイするチャプターと難易度を選択可能。また、チャプターごとに設定されたチャレンジをクリアするとゲーム内通貨のクレジットが手に入る。
      • クレジットを消費してカードパックを購入出来、サブゲーム開始時にカードをセットするとゲーム内容に変化をもたらすことが出来る*2。カードを使ってプレイするとボーナスが得られる。
      • なお、いらないカードは売ってクレジットにすることも出来る。
  • PS4版以降の追加要素
    • シリーズ20周年コンテンツとしてクロフト邸を探索する新ストーリー「一族の系譜(血の絆)」、戦闘をメインとした「ララの悪夢」が追加収録されている。
      • これらはXbox版、Win版にもDLCとして配信された。後のアップデートでPS4版とWin版は「一族の系譜」をVR対応コンテンツとしてプレイ出来るようになった。

評価点

  • 前作の問題点の多くを改善した
    • 前述のように希薄だったサバイバル描写を拡充し、資源を集めるのが重要な要素になっている。
      • 獲物を狩る際も、ポイズンアローや爆発物、トラップを利用できるようになり、リアルさが増している。
      • DLC「エンジュランスモード」を導入すると、生存日数を競うサバイバルゲームが追加される。このモードでは狩った獲物の肉を食べて空腹を満たしたり、疾病にかかるといった要素が追加され、よりリアルなサバイバルが楽しめる。
    • ステージを移動する際、前作では毎回同じパターンが続いたが、今作では改められており、シネマティックな演出とのバランスも取れている。
      • 前作のように崩壊する場所から逃げるイベント自体は存在するが、一部のイベントのみになった。
    • 全てのキャンプでファストトラベルが可能になり、探索が楽になった*3
    • 前作では本編をクリアし、コレクションをコンプリートしたらやる事がなくなっていたが、今作ではスコアアタックなどのサブゲームが追加されたためやり込み要素がアップした。
  • 戦闘の改善要素
    • 要所で発生する戦闘でも、前作のように敵が無限湧きする場面がなくなり、強引に突破していく必要がなくなった。
      • 新たな敵として盾をかまえて接近戦を挑んでくる前衛が登場。敵も前衛後衛を意識した立ち回りをしてくるが、いつの間にか背後に回ってくる嫌らしさはなくなった。
      • 野生動物にも熊や大型のネコといったレアかつ凶暴な動物が登場。人間とは異なる機敏な動きで多少の攻撃をものともしない脅威となっている。
      • 一方、こちらも周りに落ちているビンや空き缶を改造して即席の火炎瓶やグレネードを作成できるようになった。これらは謎解きにも活用される。
    • 前作では一度クリアしてしまうと敵が出現しなくなっていたが、今作ではクリア後にもリポップするようになったので戦闘を楽しみたいプレイヤーにも好評。
      • 一部戦闘系の実績にも関わるので実績を解除しやすくなった。
    • 1つの武器種に複数の武器が登場した。武器ごとに威力、連射力、リロード速度などに違いがあるため好みのものを使えるようになった。
      • なお、アップグレードは同じ武器種なら全ての武器に適応される親切設計。アップグレードしても個々の性能差は保たれる。
  • チャレンジトゥームが大幅に強化された
    • 前作では1つ謎を解けばクリアというトゥームが多かったが、今作ではゴールに辿り着くまで複数の謎解きを要するようになり、探索が楽しくなった。
    • 謎解きのレベルも上がっており、前作終盤の風と扉の謎解きのような高難易度な謎解きも多数登場する。
  • さらに美麗になったグラフィック
    • 前半の舞台となるソ連の基地は雪景色がメイン。雪など自然物の描写にも力が入っており、非常に美麗。
    • 中盤に訪れる地熱谷は地面から煙が噴出す本作の中では温暖な場所となっており、人も生活している。現在のグラフィック描画の限界近くまで挑戦したフィールドは起伏に富み、素晴らしい眺めが見られる。
      • 前作同様、オープンワールドでこそないものの、フィールドが広大になっているため箱庭的な楽しさがある。
    • Win版は4K解像度に対応し、さらに強化されたテクスチャやグラフィック表現を使用できる。
      • また、シリーズ初のDirectX12対応となり、Win10ユーザー限定ではあるものの、さらなるグラフィックやパフォーマンスを期待できる。
  • アクションも良好
    • ダッシュが可能になり、移動速度が向上した。
    • 水泳アクションが復活した。
      • 特定のイベント中を除いて水中に落下しても即死することがなくなり、快適性が増した。シリーズおなじみのスワンダイブも復活している。
    • QTEもほとんど廃止された。
      • 専用のカメラに切り替わってのいわゆるQTEは全面廃止されており、失敗するたびに即死するというような理不尽な場面はなくなった。
      • 崖から落ちそうになったときやドッジキルを繰り出す際など、プレイヤーがアクションを起こしたタイミングで小規模なQTEが発生する程度になり、QTE要素の印象を大きく変えることに成功している。

賛否両論点

  • ララが二丁拳銃を使えない
    • 前作の最後の最後で二丁拳銃を手に戦うシーンが描かれたため今作では二丁拳銃の導入が期待されたが、二種類目のハンドガンを手に入れても二丁拳銃にはならない。
      • 過去のシリーズでおなじみの二丁拳銃を操る『強いララ』になるのは時系列的にだいぶ先の話であるため、あえて導入しなかったのかもしれない。
        また、二丁拳銃自体がフィクション性の強いアクション*4であるため、リアルな描写を追及したリブート作品においてはむしろ不自然な描写となる可能性があったとも考えられる。
        前作の最後の場面ではリロードの心配がなく、リアルさとの両立が可能だったためファンサービスとして描かれたとも考えられる。
  • やりこみ要素
    • 前作同様、大量の収集物やチャレンジやミッション、チャレンジトゥームに手軽に挑戦できるサブゲームとやりこみ要素は非常に豊富。
      • DLCを導入すれば追加ストーリーやエンジュランスモードなどのやりこみがいのあるゲームが追加されるため、長く楽しめる。
    • ただしコンプリートのためには絶対に後戻りする必要がある。
      • 今作でのチャレンジトゥームは特定のアイテムがないと入れない場合があるため、新しいアイテムを入手したら前のマップに戻る必要があり少々面倒。
      • 前作と違ってストーリー進行上、新しい装備入手後に以前のステージに戻る展開があるのでその弊害とも言える。よく言えばオープンワールド感を楽しめるということ。
      • 前作は発見すればすぐにトゥームに挑戦できる代わりに、特殊アイテムなしでも攻略できる仕掛けばかりだったので難易度は低かったので歯応えは増したと言える。
    • 一方で、ストーリーが短いことには批判が多い。収集物の配置も相変わらず雑。
      • 金貨やサバイバルキットは地面に埋まっているため見つけづらい。一応、埋まっている場所が光ったり、マップを見つければ埋まっている場所が確認できるようになるが。

問題点

  • ゲームプレイ自体は前作とさほど変わりがない
    • 前作の不満点を昇華しているためプレイ感覚はかなり改善されているが、進行に関しては特に変化はない。
    • また、明らかに続編を意識した終盤のストーリーなどにも不満が出た。その後、発表された続編『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』は3部作の完結編として2018年の9月に発売された。
  • スキルツリーが分かりにくい
    • 特定のスキルを習得すると新しいスキルが解放される場合があるが、どのスキルを習得すると新スキルが解放されるか分かりにくい。
    • そもそもツリー形式になっておらず、スキル画面は各系統のスキル一覧になっているだけ。
      • 一応、各スキルの説明文で解放に必要なスキルを確認可能だが、もっと分かりやすく表示できたはずである。
  • ポイズンアロー、グレネードアローが強すぎる
    • 両方とも一定範囲に効果があるため、敵が固まっているところに撃てばバタバタと倒れていく。場所によってはこれだけで完封可能。
    • しかもスキルを習得すると効果範囲が広がり、さらに強化される。最高難易度の「サバイバー」もこれらを使えば難しい場面は少ない。
  • 資源を捨てることが出来ない
    • 基本的には問題ないのだが、サバイバルキットを入手する際、キットから入手できる資源が最大の場合は掘り出せなくなってしまう。
    • クラフトで消費する以外の選択肢はない。
  • 謎解きのヒントが少ない
    • 基本的に状況を見たララが何がしかのヒントを呟くのだが、それだけでは理解できないような謎解きも多く、詰まるプレイヤーも散見された。
      • 画面上に視覚的にヒントを表示する能力もあるのだが、その能力を発動させてもわかりにくい謎解きが部分的にあった。
      • シリーズ的にはこのヒントの少なさも醍醐味ではあるのだが。
  • セーブが手動になった
    • オートセーブや最後に立ち寄ったキャンプでのセーブなども保存されるが、はじめからゲームを開始すると上書きされてしまうので手動セーブは必須。
    • 前作はゲーム開始時に保存するデータナンバーを選ぶだけで良かったので、少々面倒くさくなっている。
  • Windows版の要求スペックが高い
    • 最高設定で快適に遊ぶためには最上級のCPU、10GB以上のメモリ、最新のグラフィックボードが必須。
    • 設定をかなり落とせば*5ミドルクラスでも大丈夫だが、それでも中盤の地熱谷などはfpsがガクッと下がる。
    • 360版もかなり無理をしているらしく、オリジナルに比べてグラフィックの劣化や処理落ちが見られる。
      • ちなみにOne版以外のバージョンはすべて別会社が移植作業をおこなったものである。

総評

前作の不満点を改善し、より完成度を高めたお手本のような続編。
2016年時点で最上位レベルのグラフィック表現と、それでいて広大化したステージ探索、多数のやりこみ要素が魅力。
それでも物足りないプレイヤー向けのDLCなど至れり尽くせりの内容となっている。
前作でリブートされたシリーズの立場を固めた良作タイトルと言えよう。


余談

  • 前作で批判されたWin版の日本語化DLCは今作では存在せず、最初から日本語も含まれる形になった。ここも地味に改善された部分と言えよう。