Saints Row IV ウルトラ・スーパー・アルティメット・デラックス・エディション

【せいんつ ろう ふぉー うるとらすーぱーあるてぃめっとでらっくすえでぃしょん】

ジャンル ACT

対応機種 Xbox360
プレイステーション3
Windows
発売元 【360/PS3】スパイク・チュンソフト
【Win】ズー
【Steam】Deep Silver
開発元 Deep Silver Volition
発売日 【360/PS3】2014年1月23日
【Win】2014年5月30日
定価 【360/PS3】5,695円
【Win】4,800円 (全て税別)
プレイ人数 1人(CO-OP:2人)
廉価版ほか 【PS3】超完全版
 2015年4月16日/3,980円
【PS4/One】Re-Elected
 2015年4月16日/5,800円(全て税別)
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
【Win】ESRB:M指定(17歳以上)
判定 バカゲー
ポイント 今度はエイリアン相手にスーパーパワーで大暴れ
全編パロディ塗れ
リアルなだけじゃつまらない!ハチャメチャやろうぜ!
Saints Rowシリーズリンク

※データ内では日本語版のみを記載しています。



概要

GTAフォロワーの代表格だったSaints Rowシリーズの第4作。
かつて一ギャングの構成員だったボスが、遂には合衆国大統領まで上り詰め、スーパーパワーで大暴れする。今度の敵はギャングや軍隊ではなく、地球を侵略しに来たエイリアンの帝国である。

  • 日本CS版は発売が欧米と比べだいぶ遅れたこともあって、最初から殆どのDLCをプロダクトコードという形でまとめて同梱し、『ウルトラ・スーパー・アルティメット・デラックス・エディション』という無駄に長いサブタイトルを冠して発売された。前作の販売戦略に比べればリーズナブルに購入可能。
    • PC版は海外Steam版の日本語化であり、サブタイトルは無く、パッケージ版はDLCが同梱されていない。また当時はDLC自体が日本語未対応だった。
    • 後にPC版も全DLCが同梱された「~Game Of The Century Edition」がSteamで配信されている。
  • 元は前作『Saints Row: The Third(以下、『3』)』の大型DLCとして開発されていたが、親会社THQの財政難に引きずられる形で新たに『IV』として発表されたのが今作である。
    • 故にグラフィック面での進化は乏しく、クローン元のGTAとは大きく離されてしまっているが、代わりに前作のウリだったバカゲー要素を大幅にパワーアップさせ、シリーズの方向性を完全に決定づけた。
      • 日本では「リアルなだけじゃつまらない!ハチャメチャやろうぜ!」と言う全力バカゲー宣言のキャッチコピーを引っ提げて登場。実際にプレイしてみればそれが如何に本気の言葉であるかを思い知らされるだろう。
    • 尚、前作のDLCとして開発されていた頃とは内容も大きく違っており、当初のシナリオは本作のDLCのネタ元として組み込まれた。詳細は後述。

ストーリー

対ギャング部隊「STAG」の元司令官サイラス・テンプルは、前作におけるスティールポートでの一件により全権を剥奪され、中東のテロ組織と手を組みアメリカに対し核テロを仕掛けようとしていた。
主人公ら「サードストリートセインツ」はサイラスを倒す為、秘密情報部のエージェントであるアシャ・オデカーと共に中東へ向かい、テロの鎮圧に挑む。

それから5年後、サイラスの核テロを鎮圧した主人公=セインツのリーダーは名実共にヒーローとなり、遂にアメリカ合衆国大統領に就任する。しかしその自己中心的な性格が災いし、政権は支持率の著しい低下に悩まされていた。

そんな折、突如「ゼン帝国(ZIN Empire)」と名乗るエイリアンがホワイトハウスを急襲。ゼン帝国の皇帝ジニャック(Zinyak)は閣僚を次々とアブダクションしていく。
主人公もまた独りで立ち向かうが、ジニャックの圧倒的な力には手も足も出ず、簡単にあしらわれる。

捕われたセインツ達は「バーチャル・スティールポート」と呼ばれる仮想空間に幽閉されてしまう。
果たしてセインツは仮想空間から脱出し、地球人類を救うためのエイリアンとの戦いに舞い戻れるのか?


特徴

  • 舞台は前作と同じスティールポートだが、敵勢力の作った閉鎖的仮想空間という設定であり、所々の地形が異なっている。前作のアジトが一掃された代わりにZ軸(上)方向へのオブジェクト追加が多く、探索量はむしろ増加している。
    • 前作で登場したセインツ印のアパレルショップ「PLANET SAINTS」が「PLANET ZIN」に改竄されていたりと、新作なりに芸が細かい。
  • 拠点は敵エイリアンから鹵獲した宇宙船。ここから仮想空間にダイブしたり、仲間達とコミュニケーションを取ったりできる。要は『マトリックス』。
    • 仲間との会話では何故か全員に「○○とロマンス」という選択肢が用意されている。つまり、今回は仲間達と性別を問わず愛し合える
      • 今回からの新キャラで機械生命体のCIDも例外ではない。
    • 仮想空間で入手したオーディオログを聴いたりノベルゲームで遊ぶこともできる。
  • 仮想空間なのを良いことに今回は「スーパーパワー」が使用可能に。『inFAMOUS』シリーズや『ライオットアクト』顔負けの超人アクションの習得が可能。ゲーム性が前作までとは大幅に変化した。
    • 前作DLCの流れをくむ要素で、ストーリーが進むと使用可能になる。マップ上にあるデータクラスタを集め、消費する事でスーパーパワーを強化したり、新たな能力を会得したりできる。
  • 基本システムも若干前作までと異なる部分もある。
    • 今回は仮想空間内では悪評度がある限りライフは自然回復せず、代わりに敵を倒すと「ライフオーブ」という回復アイテムを落とすようになった。現実世界でのミッションでは旧作同様、自然回復制。
    • 前作までと違い、自分の所有する店舗に入っても悪評度が消えなくなった。悪評度が付くと付近に「ゴールデンCID(コマンドCID)」と言うものが出現し、これを捕獲することでと悪評度を0に出来る。
      • 悪評度が最大値に近づいたり、一定数毎の制圧ポイントを攻略すると、「ウォーデン」*1と言う強力なエイリアン(中ボス)との戦いになる。これを倒しても悪評度は無くなる。
    • スーパーパワーの存在で車輌の重要性が薄れたこともあり、旧作以来車に乗っていない時でもラジオを流せるようになった。
  • 仮想空間が主な舞台と言う設定上、バーチャル上の存在とはいえ過去作のキャラやシーンが再現された場面が多いなど、これまでのシリーズの総決算と言うべき内容となっている。

評価点・おバカな点

  • スーパーパワーの存在。
    • 地上を飛行機以上の速度で移動し大ジャンプ、そのままビルの壁を駆け別のビルへ……ということができる。移動手段としての車が全く必要無いほどで、ミッション時の移動はとても快適。
      • 一応従来通りのガレージ機能もある。前は車を呼んでから部下が届けるまでタイムラグがあったが、今作はバーチャルなので呼べば即車が出現して乗り込んだ状態になる。
    • 攻撃用パワーも様々。敵から車までほとんどのオブジェクトを投げられる「テレキネシス」、敵を凍らせたり燃やしたりする「ブラスト」等。従来の銃火器とも組み合わられるので、多彩でド派手な戦い方ができるようになった。
    • 銃撃の嵐から一瞬にしてダッシュで離脱し、ハイジャンプからテレキネシスで航空機を捕獲して地上に叩き付け、空中からのストンプで街区1ブロックの全てを吹き飛ばす……等々、ハジケ切った爽快な超人アクションは本作最大の魅力。
    • 旧来のアクティビティ「保険金詐欺」も、スーパーパワーによって壮絶にアホな光景を堪能できる代物となった。小型車に引っ掛けられてビルの屋上まで吹っ飛ぶ主人公の姿は、ラジオBGM次第で謎の感動すら呼び起こす。
  • 強力無比かつ頭のネジのフッ飛んだ新武器の数々。
    • エイリアン武器は序の口、跳弾やブラックホールを打ち出す武器から、照射地点の人を上空に吸い上げる「アブダクションガン」、相手を膨らませて破裂させる「インフレートレイ」、ダブステップを流し敵を踊らせながら光弾で一方的に蹂躙する「ダブステップガン」などなど、突っ込む気力すら起きないほどアホらしいラインナップ。
    • DLCを含めればトイレ用のプランジャーを発射するもの、敵のア○ルに突き刺して上空に打ち上げ空中で爆散するロケットまで。
      • 極めつけは目に痛い合衆国カラーに、軍歌のような曲を流しながらミニガン+ロケット弾or火炎放射を凄まじいレートで発射できる「ウェポン・オブ・アメリカ」。その圧倒的火力とナショナリズムの前に、敵は消し炭になるのみ(それらしく弾薬消費速度も凄まじい)。
    • 同じ武器でも見た目をいくつかのモデル・カラーリングから変えられるようになってもいる。ちなみにこのモデル替えは現実世界にも反映されるので…。
  • 前作に輪をかけてブッ飛んだ世界観。
    • 前作でもただのギャングチームとは思わせない大スターへと激変したセインツだったが、今回は早々に主人公がアメリカ合衆国大統領に就任すると言う更なる大躍進を果たす。そこにエイリアンの襲撃と、もはやシリーズ初期にはGTAばりの真面目なギャング抗争をやっていた事など完全に忘れていると言ってもいいほど。
      • 『1』では一般市民からギャングの下っ端だったプレイヤー。壮大過ぎるスピード出世である。
    • 設定もさることながら作中でも冒頭から超展開の連続である。
      + 序盤の展開
    • ゲームが始まったと思ったらいきなりCall of Dutyスプリンターセルもかくやというようなミリタリー系ミッションが始まり、早々にテロ組織と戦わされる羽目になる。
      • そのミッションのラストも、かの『アルマゲドン』の主題歌で有名な「I Don't Want to Miss a Thing」をバックに核ミサイルをよじ登って起爆装置を止めると言う謎の感動とツッコミ所が満載の展開に。挙句の果てに、生還した主人公はそのままホワイトハウスの大統領執務室の椅子に着陸し、そして表示されるミッションタイトル「ゼロ・セインツ・サーティ*2」。
    • 合衆国大統領就任後は、短い間とは言え大統領気分を満喫できるおバカイベントが用意されている。そのままエイリアンとの戦闘が始まるが、大統領執務室に重火器を隠していたり、ホワイトハウスの地下に超兵器を格納していたりと、やはりやりたい放題。嘗てのフロム製アメリカ大統領を彷彿させる無茶ぶりを見せつける。つーかなんで合衆国民はセインツに国を任せたのか。
    • ジニャックに負けた主人公は、自分にとっての悪夢を具現化した仮想空間に閉じ込められる。しかしそれが何故か50年代のアメリカのホームドラマ風の町である*3。演出もそれっぽく作ってあり、外野からご丁寧に笑い声まで響いてくる。
      • ちなみにこの世界はノリノリな足取りで歩く所為でダッシュが出来ない、車は決まった道しか走れずスピードも出ない、行動する度にいちいちQTEをやらされるなど、主人公より寧ろプレイヤーにとっての悪夢の世界だったりする
        • パンケーキにフォークを刺して口に運ぶ動作落ちている新聞紙を拾う動作にまでコマンド入力を要求するQTEなど他のゲームではまずお目にかかれないだろう。しかも後者はなぜか連打BIOHAZARD 6も真っ青である。
        • また、素手攻撃のアイコンがこのイベント時だけサムズアップになっているのも芸が細かい。
  • 本編のストーリーも前作をも上回るはっちゃけぶり。バーチャル空間を攻撃・占領してエイリアン側にダメージを与えつつ、仲間達をそれぞれの悪夢の世界から救出していくのが主な流れだが、どの仮想世界も曲者揃い。
    • 過去作のエピソードをモチーフにした世界、別ゲームと化してしまうような世界など様々。
    • 一方、仲間との絆を実感できる熱い展開も多数あり、特に最終ミッションは胸が熱くなるような盛り上がりを見せる。ただおバカなだけでは終わらない!
  • 一部のミッションでは現実世界が舞台となる。ここではスーパーパワーは使えないが、そこでさえロボットや宇宙船などなどが入り乱れ、バーチャル空間にも劣らぬカオスな戦いが繰り広げられる。前作までとはえらい違いだが、セインツの世界ここに極まれりと言える。
  • 敵役であるジニャックも、やり口のえげつなさやラスボスの貫禄こそ旧作の悪役達とは比較にならない次元なのだが、一方でエイリアンなのにシェイクスピアやジェーン・オースティンといった地球の初期近代文学を愛読していたり*4ラジオのとある局のDJを務めていたりと、どこか憎めないお茶目な面も併せ持っている。ちなみに作中で収集して遊べるノベルゲームは彼の半生を辿る内容となっている。
  • 夥しい量のパロディ。
    • ほぼ全ての場面必ずどこかに仕込まれているほど、徹頭徹尾パロディにまみれている。有名ゲーム・映画・時事ミームから過去作・自虐ネタまでとても一人では追い切れないほどの量が。全て知るには解説サイト閲覧必須。
    • 例えばオープニングの語りの次がいきなり完全にプレデターの一コマ(曲まで一致)。日本人でも馴染みのあるシーンも多々あり、モロにベルトアクションの名作*5某諜報戦略アクション*6のパロディなミッションまである。
  • ファンサービス。
    • 過去作ファンへのサービスも充実しており、これまでのシリーズの総決算と言うべき内容となっている。
    • 『1』からは元バイスキングスリーダーのベンジャミン(ベン)・キングが久しぶりの再登場で仲間になり、『2』の頃の若いショーンディが現在のショーンディとは別に登場(声優も違う)。また『3』では敵だったマット・ミラーが、今度は味方として続投。
      • そして、『1』『2』で元セインツリーダーのジュリアス役を務めた俳優キース・デイヴィッドがなんと本人役で登場。ただのゲストではなく、何気にストーリーで絡んで来る。当然、中の人ネタも完備。
    • シミュレーションである事を活かし、旧作で倒した敵ギャング達も多数登場。条件を満たせば仲間に加えることも可能。
    • 前作で生死不明となったジョニー・ギャットの復活もファンを喜ばせた。猛烈な後付けだが、セインツにとってそんな超展開は最早いつものこと。
    • あるミッションでは『1』『2』の主人公のデフォルトのデザインが登場。主人公の性別や人種に関係なく問答無用で過去の姿と言う扱いらしい*7
    • 序盤のホワイトハウス内にはセインツゆかりのオブジェが大量に設置されている。シリーズファンはストーリーを進める前に見て回って思い出に浸るのも悪くない。
      • イベントシーンでも、『3』の「タイガーエスコート」のトラが登場したり、『2』の「正義の汚水」を連想させる台詞が飛び出したりと、小ネタが随所に仕込まれている。旧作を知っていればいるほどニヤリとできる。
    • キャラ毎のサイドストーリーが独白ファイル・ミッション両方の形で追加。前作では乏しかったキャラの掘り下げに多少なりとも貢献している。
      • キャラ毎の固有ミッションは「ロイヤリティミッション」と呼ばれ、クリアするとその仲間もスーパーパワーが使用可能になる。また、全てのロイヤリティミッションをクリアしてからエンディングを迎えると…?
  • キャラメイクの自由度は前作より据置き。
    • 一部は変更されたパーツもあるが、ほぼ前作のデザインが流用されているので、前作の高いカスタマイズ性をそのままに今回もキャラを作る事ができる。
    • 衣装も元DLCを含めた多くが引き継がれている上、新しいコスチュームも増加(舞台に合わせてかコスプレのようなものが多い)。今作DLC配信分も合わせるとバリエーションは実に豊か。
      • 中には日本のアニメ、ゲームをモチーフとした「アニメパック」なんてDLCもあったりする。名前も「ショーネン」「ショージョ・キューティ」「超カワイイ*8」など、おかしなものが付けられている。
  • アクティビティも健在。
    • 保険金詐欺、メイヘム、と言ったシリーズお馴染みの一部や、スーパーパワー向けに大胆アレンジされたファイヤーレースとファイトクラブや「ゲンキ博士のブッ殺し大会(Prof. Genki's Mind Over Murder)」といった各アクティビティが存在する。
      • 『2』以来の復活となるファイトクラブは、対戦相手として過去作含めたシリーズからのキャラ達が登場。
      • 最終スコアによって3段階にクリアメダルがつけられるようになり、同種アクティビティで全て金/銀メダルを取ると、『2』以前のように特典としてスキンや独自アップグレードが手に入る。
      • 仮想空間でやる必要があるのかと思うかもしれないが、これらはすべてロイヤリティミッション以外の全サイドクエストの対象であり、仮想空間の掌握(データ収集やハッキングなど)という理由付けがされている。
    • 残念ながらエスコートやデリバリーなどのギャング系アクティビティは車両回収以外なくなっている。
  • DLCの追加ミッションも凄まじいカオス度。
+ 追加ミッション紹介

ENTER THE DOMINATRIX

  • 前作のDLCとして開発されていた当初のシナリオが元ネタだが、何を血迷ったか主人公達の解説付きのドキュメンタリー形式で進行する。開発中止になった事そのものをネタにしてしまったわけである。
    • つまり「こう言う内容になる予定だった」と言うダイジェストの形を取っている為、シーンが飛び飛びだったり簡単な解説だけで済ませてしまう場面が多々。言ってしまえば没シーン集のような内容である。
      「おい、アレを蒸し返しちゃうのか?」とか「今までの中でもサイアクのアイデアね」とか「脚本が意味不明」「ゲームに組み込む予算が無かった」など、ぶっちゃけた発言も普通に飛び出す。
    • 尚、このシナリオはIV本編と違って、『3』の巨像爆破エンディングから続く内容である。しかしヴィオラとレイノルズ市長は死亡したのにショーンディだけが何故かちゃっかり生還すると言う、本人達も認めるほどの超展開であった。また、同エンディングの設定を引き継いで本当にピアースがスティールポートの新市長に就任してる。
  • ムービーが用意できないので絵コンテを動かして済ますイベントや、ミニチュアを使った実写で誤魔化しているムービーもあったりする。
    • さすがに絵コンテにキャラのカスタマイズは反映出来ないので、これらムービー中では主人公の姿は無難なデザインの白人男性で固定。一応、「キミの主人公に置き換えて見ようね!」という旨の注釈は入る。
  • 前作で多くのプレイヤーを爆笑させた人力車ドライブバイも再登場。本編でやれなかったのが惜しい。
  • 本編とはかなり毛色が違い、SMネタなども完備した『3』に近いアブナイ大人な雰囲気である。そもそも「マトリックス」とかけたタイトルの「ドミナトリックス」はSMプレイにおける女帝を意味しているので…。
  • 『2』まではヘタレキャラだったドニーの他、『3』でモロにその手の分野を手がけているズィーモスなど、本編には出番が無かった過去作キャラも登場する。

How the Saints Save Christmas(セインツはどうやってクリスマスを救ったか)

  • 読んで字の如く、クリスマスを救う為にサンタクロースと共に戦うと言う、もう何から突っ込めばいいか判らない代物。
    • 北極にあるサンタの町を舞台に妖精達やサンタの奥さんが銃火器を手に戦う異様な光景が拝めるのはこのシナリオぐらいのもの。
    • 扉の閂に使われているキャンディーをひたすら舐め続けるなどと言う小ネタもある。強制イベントではないが、舐め終わるまで相当掛かる上に*9扉自体に鍵が掛かっているので結局徒労に終わるのもまた何とも言い難い(トロフィー/実績は貰える)。
    • 挙句、サンタのソリに乗って良い子の家にプレゼント弾を、悪い子の家には実弾を撃てと言う眩暈がする(誉め言葉)ようなミッションまである。
    • エンディングはクリスマスを楽しみにしていた童心に帰れるような温かいもので、バカなだけではなく後味も良い。
  • 後にスパチュンは日本では配信時期を逸してしまった本DLCを2014年のクリスマスまで無料で配信するという暴挙に出た。正月ボケも終わった頃に公開されたPVの「スパチュンからの一足早いクリスマスプレゼント」に爆笑したプレイヤー多数。

賛否両論点

  • あまりに変化した世界観とゲーム性。
    • バカゲー路線に走り出したとは言え、前作はまだギャング抗争が基盤であった。それに対して本作はバーチャル空間や宇宙船で地球を救う為にエイリアンと戦うというもので、最早同じシリーズとは思えないほどに変化している。
    • クライムアクションは銃撃戦やカーチェイス等が目玉で、本作ミッション中にも確かに両方あるが、今回はスーパーパワーを使えるので大分薄れている。
      • 但し、スーパーパワーが封じられるメインミッションも少なからず存在する他、終盤は敵もスーパーパワーを一定時間封印するグレネードを投入してくる。
    • ひたすらバカに振り切った作風が爆笑と共に歓迎された一方、従来のようなギャングゲーとしてのセインツを求めるプレイヤーからは「いくらセインツでも今回はやり過ぎ」と言う声が上がる事も。
      • ぶっ飛び過ぎたが故に、プレイヤーがセインツに何を求めるかで評価が分かれる側面があるのは致し方ない所かもしれない。
      • 作風においては大転換どころか逆走を決めていながら、ストーリーは(一応)旧作を踏襲しているため、所々で陰惨なシーンが挿入されたり、いかにも不良なナマっぽい暴力が炸裂したりと、落差の大きい展開が見られる。バカ騒ぎに水を注すような点ではある。
    • 序盤で地球が破壊され、セインツと拉致された人々以外の人類が滅亡したために仕方なくシミュレーションを荒らしている、というストーリーを反芻したとき、ふと迷惑行為の手を止めて我に返ってしまうプレイヤーもいるかも知れない。
      • グッドエンドでは地球を救う一応の手段が提示されるが、実際に地球が救われる描写は最後まで無く、『Gat out of Hell』に至っても地球は破壊されたままでストーリーが進む*10

問題点

  • ボリューム不足感。
    • アクティビティ、ロイヤリティミッション、各種収集要素など全体で見れば充実はしているのだが本編のストーリーは短め。特に今回は敵がはっきりしており、その打倒と言う目的も最後までブレない為、前作よりも駆け足な印象が否めない。
    • クリア済みのミッションに再挑戦出来ないと言う前作の短所を引き継いでしまっている。前作以上にユニークなミッションが多いだけに尚更残念。
      • また、今回もエンディングが二種類存在するのだが、前作と違って最終ミッションのやり直しが一度たりとも出来なくなっているので、データを分けない限り両方のエンディングを見る事はできない。
      • 前作同様、DLCの追加ミッションのみ何度も挑戦可能。
  • プレイヤーの動作に幾つか難点あり。
    • なぜか空中では武器が使えない。プレイ中に跳んでいるか飛んでいるかしている時間の長さを考えれば、かなり大きな難点。
    • ダッシュや歩きから止まろうとすると、高速なら大きくスリップし、低速でも軽くつんのめる。この間はほかの動作ができず、戦闘中などはいちいち引っ掛かる。
    • ジャンプも必要以上に跳んでしまい、微調整に手間取ることがある。
  • 登場人物の格差。
    • 『3』の流れを汲んだ直接の続編なのだが前作でセインツに加わった仲間の殆どが未登場、もしくはすぐに退場する。
      • 利害の一致から一時的な協力関係を結んでいただけのズィーモスとエンジェルはともかく、オレグとジョッシュも序盤のみの登場。ヴィオラは会話の中に名前が出てくるだけである。
      • 一方でキンジーはその頭脳とスキルを活かし、全編を通して主人公のサポート役として活躍する上、『Gat out of Hell』でも主人公の一人に抜擢されるという優遇ぶりである。
    • メインパーティメンバーにおける他作品キャラとの兼ね合いとも思われる。今回のセインツメンバーは『1』のベン・キングとジョニー、『2』からのショーンディとピアース、『3』のキンジーとマット、そして本作新キャラとしてアシャとキース・デイヴィッド氏(+CID、若いショーンディなどのAIキャラ)と考えれば、作品間のバランスが取れたものとなっている。
  • バーチャルスティールポート内の時間帯は基本的に夜のみ。
    • ミッション中などを除いて街には日中の時間が存在しない。常に赤く染まった夜で固定である。支配地域が広がるとそのエリアの空や電灯が青くなるが、やはり夜には変わりない。また、天候の変化も無い。
    • 仮想空間らしさを出す演出には一役買っているが、変化が無い上に薄暗く、閉塞感も漂う画面になってしまっている。クリア後には自由に時間帯(マップの雰囲気)を変えられるようになるが、今更感が否めない。
  • バグ・フリーズは今回も多い。寧ろ旧作より頻発する。
    • ロード画面に入ったらフリーズ、宇宙船に戻ったらフリーズ…と、CS版プレイヤーはエイリアンよりもフリーズの方が恐ろしくなる可能高し。
      • 一応、オートセーブは頻繁に行われるので、取り返しがつかなくなる事はあまり無い。どの道本体の再起動に煩わされることになるが。
    • 今回はミッション開始地点に着くとイベントを挟んでミッション専用マップに移動する事が多いのだが、イベントが起こらなかったり専用マップに移動しないバグが発生する事がある。そうなるともうロードするしかなく、再発しないように間を置く必要まで出てくる。
    • 街を歩くNPCの身体が歪んでいたり目玉が巨大化していたりもするが、これはバーチャル空間を意識した演出である。
  • 字幕の出ない箇所がある。
    • 規制も表現のごく一部のみで全体的に良好なローカライズなのだが、前作、前々作に続いて字幕は完全ではない。
    • 例えば「ゲンキ博士のブッ殺し大会」では前作の「超絶有頂天倫理委員会」同様、実況と解説が面白おかしい掛け合いを繰り広げるのだが、字幕が無いので英語が分かる人しか楽しめない。
  • 実用上、車の出番がない。
    • 「地面しか走れない」という、主人公が普通の人なら欠点にならない欠点を持つため、種類は多いもののコレクションとして以外の価値は低い。仲間をハコ乗りさせて街を荒らすような雰囲気プレイには使えるが。
    • なお、航空機はそれなりに使い道がある。移動能力を強化できていない序盤はもちろん、高所のアイテム回収や、目的地が遠方でジャンプ・ダッシュ移動が面倒なときなどになかなか便利。

総評

前作で見出したバカゲー路線を更に昇華させ、全身全霊でバカをやらかした快作であり、セインツの一つの到達点とも言える。
従来から変わり過ぎたゲーム性やその内容は受け入れられない人もいるのは仕方ないが、この手のオープンワールドアクションでここまで好き放題にふざけまくった作品は極稀で、他のゲームでは到底味わえない無茶ぶりが楽しめるのは間違いない。
「リアルなだけじゃつまらない!ハチャメチャやろうぜ!」のキャッチコピーに一切の偽りは無い。同プラットフォームに多いリアリティ重視のゲームに飽きてきた人は『Saints Row IV』でハチャメチャに遊びつくしてみるのも良いだろう。


その後の展開

  • 本国では本作の続編となるスタンドアローンDLC『Saints Row: Gat out of Hell』が発売された。開発は後述の次世代機(PS4/XboxOne)版の移植も担当したHigh Voltage Softwareが担当。
    • 名前通り、珍しく主人公がジョニー(とキンジー)で固定され、地獄の悪魔に連れ去られたボスを助ける為に地獄へカチコミに行くと言う今作並にぶっ飛んだ内容である。『IV』とは別方面だが、パロディや過去作ネタも健在。
      • SFである今作に対し、こちらはダークファンタジー風。地獄が舞台という事で、過去作で死亡した意外なキャラの再登場もある。
      • ギャグの面でも、いきなりディ○ニーばりのミュージカルが始まったりと『IV』とはまた違ったネタで笑わせてくれる。
    • システムはほぼ『IV』を踏襲している。スーパーパワーも「神秘」へと形を変えて使用可能。武器やアクティビティも地獄ならではの明後日の方向に振り切ったものが揃っている。セインツ一危険な男は地獄と相性が良い。
      • 一方、ストーリーミッションは極めて少なく、アクティビティやデバージョンをこなすなどして敵側の怒りを貯める事でストーリーを進行させる形になっている。
    • 尚、『IV』を遊んでいた場合、ボスの外見は本作のセーブデータの最新のものが反映される。無い場合はデフォルトのデザインに。
  • 日本では次世代機(PS4/XboxOne)版向けに、全てのDLCと『Gat out of Hell』を同梱したバージョン『Saints Row IV Re-Elected』が発売された。同じ内容のPS3廉価版『Saints Row IV 超完全版』も同時発売。
    • しかし『Gat out of Hell』はPC版以外ではこれらに収録する形でしかリリースされず、つまり日本のコンシューマーでは単体購入が出来ない。通常版を購入済みの人が『Gat out of Hell』をやりたければ、改めて『Re-Elected』か『超完全版』を買い直さなければならないと言う事態に。
    • また、ディスクに収録されているDLC以外は全てプロダクトコードを同梱する形式での収録なので、既に全てのコードを使用済みの中古品を購入しようものなら何もダウンロードが出来ない始末。購入の際は必ず新品を選ぶ事が推奨されている。
      • 尚、プロダクトコードの使用期限は2020年3月31日。
  • 前作および本作のスクリーンショットや、容姿・服装をカスタマイズした主人公をネット上で共有できるサービス「マイ・スティールポート」が運営されていたが、2018年1月末でサーバーが停止された*11
  • 本作の開発チームDeep Silver Volitionは、2017年8月に本作と世界観を共有する『Agents of Mayhem』をリリースした。
    • 時系列は『Gat out of Hell』のとあるエンディングの後であり、本作のキャラも登場する。一方、『Saints Row』シリーズとしての正統続編の展開予定は現在の所、不明である。
  • その後、2018年2月14日にオーストリアに本拠地を持つゲームパブリッシャー、THQ NordicがDeep Silverの親会社であるKoch Mediaを総額1億2100万ユーロ(報道時の為替レートで約161億円)で買収。本作を含むDeep Silverが保有している全IPはTHQ Nordicへと移った*12

*1 「看守」の意。ゼンに支配されている別の異星人種族。

*2 タイトルの元ネタは2012年に公開されたアメリカ映画『ゼロ・ダーク・サーティ』。ウサマ・ビン・ラディンの捕縛・殺害に挑む特殊部隊を描いた作品である。

*3 しかも57~63年に放送されたドラマ『Leave It to Beaver』(邦題『ビーバーちゃん』)をパロって「Leave It to the Saints」と言うロゴまで出る凝りよう。

*4 ジニャックの趣味やプレイヤーの悪夢の理由はゲーム中でちゃんと明かされる。ちなみに主人公もジェーン・オースティンのファンと言う事になっており、エンディングでは意外な事実が判明する。

*5 ドット絵風のモザイクレンダ、イベント用のイラスト等本格的に作り込んである。

*6 ダンボールを被るのは当たり前で、発見された時の演出もモロにそのまま。ご丁寧にミッション失敗画面では仲間が叫んでくれる。

*7 そもそも『1』のデフォルトは白人なのに、『2』は黒人だった。

*8 意訳ではなく原語版の時点で「Totes Kawaii」となっており、「totes」は「完全に・超~」と言った意味のスラング英語。「very cute」ではないのがポイント。

*9 しかも舐めている最中にTIPSで「他にやる事は無いのか?」「もう少しだ!」→「ウソだよ」などと散々からかわれる。

*10 最終的には『Gat out of Hell』のあるエンディングで地球は再生され、『Agents of Mayhem』へと続いていく。

*11 ちなみに運営期間中にも長期間サーバーがダウンしていた時期があった。

*12 但し、Koch Media及び傘下企業の運営自体は引続き独立事業体として存続することがTHQ Nordicより報じられている