数陣タイセン
【すうじんたいせん】
ジャンル
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対局型パズルゲーム
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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任天堂
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開発元
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ミッチェル
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発売日
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2007年6月7日
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定価
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3,619円(税別)
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プレイ人数
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1~4人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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ボードゲームのような対局型パズルゲーム 地味な見た目とは裏腹に奥深いゲーム性
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概要
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『長江』『パズループ』『直感ヒトフデ』を世に送り出したミッチェル製作の、パズルゲームとボードゲームが上手く合わさった対局型ゲーム。
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強いて挙げるならラミーキューブ(ラミー)やカルカソンヌ、ドミノや麻雀などに近い。
ルール
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1~5の数が記された札を盤上で繋げて得点を稼ぐ。
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各札には上下左右に1~4個の接合部がある。並べた札の双方の接合部が合わさっていないと接合とはみなされない。
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札には「色札」と「虹札」の2種類がある。
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色札は各プレーヤー毎に割り当てられた色の札であり、プレーヤーは他プレーヤーの色札には繋げられない。
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虹札は盤上にある場合は誰でも札をつなげることが出来る。
置く場合は自分の色札か既に盤上に置かれた虹札につなげることが出来る。
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手札は常に5枚配られ、自分の手番にその中から1枚を置く。
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得点方法
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数列
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1,2,3,4,5…または5,4,3,2,1…と順番に繋げる。
つながった札1つにつき10点が得られる。
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同数
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同じ数を繋げる。
つながった札1つにつき10点が得られる。
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包囲
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ループを作る。
ループを構成する札1つにつき10点が得られる。
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完全
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接合部を全て閉じる。
つながった札1つにつき20点が得られる。
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アイテム
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既に置いた札に対して作用するアイテムを、自分の得点を消費して使用できる。
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2つの札の入れ替えをする「変換の鏡」、数字を書き換える「数変の筆」、また空きマスに隠しておき、札が置かれた際に発動するものなどがある。
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ギミック
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『ちょっと数陣タイセン』では「特殊マス」と言い換えられた。盤上のマスに置かれ、そのマスに札が置かれた場合に特殊効果を及ぼす。
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プレイヤーが任意に置くことは出来ない。
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札を置くとアイテムが手に入るギミックや、札を置くと得点を引かれるギミック、札が置かれてから何が起こるかがルーレットで決まるギミックもある。
システム
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物語
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いわゆるストーリー/キャンペーンモード。ただしストーリー性は希薄。
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チュートリアルを兼ねているが、選択肢でチュートリアル部分をスキップできる。
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「並の章」「難の章」「極の章」の3章あり、各章とも31フィールドある。
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指定の点を相手より早く稼げれば勝ち。
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一度クリアしたフィールドも再挑戦できる。
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唐突に認定試験が課される。
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お題
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決められた条件で指定された得点以上を稼ぐとクリア。
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ほとんどの問題の正解は指定された得点と同点になるが、結果的に指定された得点を上回る問題が数問ある。
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最初は「巻の二」までがオープンされているが、「巻の二」を合格しただけでは「巻の三」はオープンされず、物語で勝ち進むことでオープンされる。
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各巻15問+試験で構成されている。
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最初は5問だけしか選べないが問題を正解していくことで徐々にオープンされる。
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試験だけは5問出されたうち3問正解で合格となる。
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対戦
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ワイヤレスで2~4人で対戦できる。
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CPU対戦が可能。
ただし、物語をある程度勝ち進まないと解禁されない。
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Wi-Fi
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ニンテンドーWi-Fiコネクションで2~4人で対戦できた(2014年5月20日にサービス終了)。
評価点
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対戦も熱いパズル
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配札の運に左右されることから上級者でも思うように繋げられないこともあるため、勝敗が常に実力差を反映するとは限らない。
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相手の目論見を読んで邪魔するのも醍醐味だが、友達を無くさない程度に抑えること。
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CPUもかなり手強い。
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ワイヤレス対戦ならDSが複数台あればソフト1本で対戦可能。
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ダウンロードプレイで遊べる体験版を配布する機能もあり、ソフトを持っていない相手へのチュートリアルとして役立つ。
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アイテムによる駆け引き
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アイテムは、勝利条件でもある自分の得点を減らして使用するため、ここぞという特に狙って使う必要があり、戦略性の向上に役立っている。
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設置型アイテムは、「既にアイテムが設置された場所へ、別の設置型アイテムを置くと、互いに相殺する」という仕様があるため、上手く狙えば相手の設置したアイテムを消すこともできる。使い道が多く、戦略性が高い。
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自分はどこに設置するか、相手はどこに設置したか、という読み合いが熱い。
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ルールによっては、対戦開始前に持ち込みアイテムを設定することもできる。どのアイテムを持ち込むか、という部分にはデッキ構築のような戦略性があり、楽しい。
賛否両論点
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包囲結合が際立って強力である
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包囲結合は、他の結合と組み合わせやすく、4つある結合の中で明らかに強力である。
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拡張性があるため連鎖させやすく、妨害も受けにくく、「日」「目」「田」のような形状に繋いでいくことでボーナスがどんどん膨らむ。
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またこれにより、包囲結合に使いやすい接合部が多い札ほど強力で、包囲結合に使いにくい接合部が少ない札ほど弱い、という札の格差も生まれている。
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ただ、包囲結合が強力であるが故の戦略性も同時に生まれている。
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いかに他の結合と効率良く組み合わせるか、いかに相手の包囲結合を邪魔するか、接合部が少ない札をいかに活用するか、といった部分には充分な戦略性があり、ゲームバランスが崩壊するほど問題というわけではない。
問題点
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占いパートが蛇足
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物語において対戦後1局毎に仙人が「風水の変化が起きておる」と言うのだが、物語の進行にも関わっておらず、完全に蛇足である。
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対人対戦後にも「相性占い」があるが、やはり蛇足である。
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エキストラステージ「母なる星」の出現条件が若干運ゲー
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その条件は「任意の難易度の物語における全ステージで称号『極』を取ること」である。
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極を取るためには「一度に多くの接合を作り大量得点する」や「相手に大差をつけて勝つ」といったテクニックが求められる。
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ターンをかけすぎてもいけないので、あまり引きが良くない場合はやり直した方が無難。
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ダウンロードプレイの制限
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ダウンロードプレイでは、ソフトを持っているプレイヤーのみが持ち込みアイテムを設定することができ、ソフトを持っていないプレイヤーに対して一方的に有利。
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対戦をフェアに楽しむためには、ソフトを持っているプレイヤーが意図的に持ち込みアイテムを縛ってプレイするか、ソフトを複数用意して互いに持ち込みアイテムが使えるようにする必要がある。
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持ち込みアイテムは物語モードで解禁されたものしか使えないため、よりフェアに楽しむならソフトを複数用意したうえ、それぞれのデータでアイテムの入手状態も揃えなければならない。完璧な状態で対戦するには、非常に手間がかかる。
総評
ルールは少し覚えることが多いが麻雀ほどではない。文字で説明すると煩雑に感じられるが、物語パートや体験版のダウンロードプレイで実際にプレイすればさほど敷居の高いゲームではないことが分かるだろう。
パズルのように札をつなげることだけで終わらず、対戦ならではの戦術も考える必要がある。ゲーム性は奥深く、高得点を叩きだした時のパズルならではの爽快感も併せ持つ。デジタルボードゲームの良作と言うに相応しい。
余談
最終更新:2023年01月27日 10:43