ハリー・ポッターと賢者の石

【はりー・ぽったーとけんじゃのいし】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 Windows95~XP
メディア CD-ROM 1枚
発売元 エレクトロニック・アーツ・スクウェア
開発元 KnowWonder
発売日 2001年12月1日
定価 6,980円(税別)
廉価版 2004年3月18日/2,980円
プレイ人数 1人
セーブデータ 6個
判定 なし
ポイント ホグワーツを探索する快感
手軽な操作と美しい世界観
自由度はかなり低い
ハリー・ポッターシリーズリンク

概要

 J.K.ローリングが贈る大ヒットファンタジー小説『ハリー・ポッターと賢者の石』をもとにしたアクションアドベンチャーゲーム。ここではWindows版について述べる。

  • システム
    • 魔法と体術でゲームを攻略することになる。段差は近づけば自動的に登ってくれる。
    • 魔法は左クリックかShiftキーを長押ししている間に構えて、ボタンを話すことで発射。構えている間はマウスの移動や矢印キーで照準を定めることができる。右クリックかスペースキーでジャンプできる。
    • オプションでマウスによる操作・キーボードを用いた操作から好きなほうを選ぶことができ、オートジャンプ機能も着脱可能。
    • 左上の稲妻マークのゲージがハリーの体力であり、0になるとりスタート地点からやり直し。回復は蛙チョコレートに触れることで行う。
  • 授業
    • 授業で呪文を教わるパートでは、素早く正確に呪文の軌道をマウスのドラッグでなぞると成功。初回は成功するまでやることになり、それ以降は失敗するまで連続してなぞることに。成功した回数に応じて成績と高得点をつけてもらえる。その後、ダンジョンを攻略することになりチャレンジスターの回収を行う。すべて集めるとボーナス点がもらえる。
      なお、授業での成績は後に唱える呪文の効果に特に影響はない。
    • 飛行訓練をクリアすると、メニュー画面から飛行訓練の授業とクィディッチを好きな時にプレイできるようになる。

評価点

  • ホグワーツまわりの雰囲気
    • いける場所や自由度は決して高くない物の、イベントでまわることになるホグワーツは非常に奥深い作りになっている。
    • 原作通りとはいかないが、クオリティの高い魔法使いの世界観の創造に成功したといえる。
    • ホグワーツの建物を好き勝手に歩き回れるわけではないが、本作は外の世界をファンタジックに描けており、冒険ものとして楽しめる。
  • 手軽さ
    • 呪文はすべて左クリック(Shiftボタンによる代用可能)と方向キーで唱えられる。
    • オートジャンプ機能もあり、アクション初心者への配慮もある。
    • ロードが非常に早い。登場人物やモブキャラは触るだけで会話になる。
  • 演出
    • ダンジョンを攻略しているときのSEパターンは非常に豊富。
    • 呪文のエフェクトもそれぞれ凝ったものになっている。
    • 全編フルボイスであり、名もないモブキャラもしゃべってくれる。クィレル教授に中尾隆聖氏といった豪華なキャスティングもなされている。

賛否両論点

  • 一本道
    • マップ構成は基本的に一本道に隠し部屋を複数設けてあるというもの。攻略のテンポ自体はこのおかげで良好になっているが、シナリオ面では窮屈に感じやすい。
    • マップの世界観は良好で決して殺風景ではなく隠し場所は豊富に設置してあるので、プレイ自体が苦痛になるケースは少ないと思われる。
  • 寮対抗杯
    • グリフィンドールの得点はハリーのものしか反映されていないが、プレイヤーが自由な課題をこなして得点を自主的に稼ぐ場面が存在しない。授業の成績に応じてハリーが稼げる点数が変化するのだが、実際はどのように行動しても最終的にグリフィンドールが勝てるように調整されている。
    • もっとも、ハリーが寮の得点の大半を左右できないことにより現実味を出しており、グリフィンドールが勝てないと原作の物語の筋を破壊しかねないのだが。
    • 全編的にスリザリンは得点をバリバリ稼いでくるほか、物語の途中でグリフィンドールが減点されるところがあるので、プレイヤーとしてのモチベーションが低下するおそれもある。

難点

  • セーブの仕様
    • 本のアイコンに触れると自動でセーブしてくれるが、これは一度使うと消えてしまうチェックポイントのような存在なので、自力で好きなタイミングのセーブが難しい。
    • リスタート地点はそれなりに頻繁に設けてくれる上、死にやすいところでは細かくセーブさせてもらえる。また一本道なので、前のところに戻りたいという問題には直面しないのだが。
  • シナリオが一本道
    • 隠し部屋が非常にバリエーションに富んでいるのだが、シナリオとも対応しており後戻りしてアイテムを回収することが出来ない。
  • 説明不足な点
    • ハグリッドがダーズリー一家にハリーを預けるところからダイジェストで物語を説明しており、ゲームの操作自体はいきなりホグワーツの玄関ホールから始まっており、ダイアゴン横丁でのくだりや寮についての説明も大幅にカットされているので、ハリーの生い立ちやホグワーツの過ごし方、ロンやハーマイオニーについての説明、マルフォイがハリーに食って掛かる理由が原作未読の人にとっては分からない。
    • また禁じられた森での出来事についても説明がないので、ヴォルデモートがなぜ生きているのか、最後にどうしてあのような姿で登場したのかもわからない。
    • スネイプがハリーを裏では守ろうとしていた描写がまるごとカットされており、ただの悪役として描かれている。
  • 細かい操作性の粗
    • ピープズやラスボスといった敵に対しては自動でスライド移動してくれるが、庭小人相手ではこれが効かないのでダメージを受けやすい。
    • 箒に乗るシーンがあり箒の操作自体もそれなりに良好なのだが、クィディッチと3Fの鍵を追いかけるシーンでは、追跡対象の軌道が読めないため長期戦になりやすい。
    • カメラワークは悪くはないが、自力でこまかく変えることになるので3D酔いにつながる。
      • マウスと方向キーの2通りで変えられるが、方向キーのほうが操作しやすい。
  • 攻略のヒント
    • 章の最初に、隠し場所と隠された魔法使いのカードの数をアナウンスしてくれるが、「最初だけ」なので、取りこぼしがないようにするにはメモを取るなどの対策が必要。
    • もっともひどく意地悪な隠し方をしているわけでもなく、作動させられる仕掛けについて一通り気づいてしまえば探すこと自体は楽。
  • グラフィック
    • ステージのデザインはよくできているが、ハリー以外の登場人物のデザインがかなり雑。
    • 当時の技術としてはかなりきれいにできている方ともいえるのだが、ハリーに対する落差が激しい。
  • モブ
    • 接触することでハリーに対して文句を言ってくるモブが一定割合いる。

総評

 原作のシナリオの再現度はあまり高いわけではないが、オリジナル要素も含めて描き出す世界観は美しく、また比較的低い難易度でテンポよく攻略できるように工夫されている。原作を知っているか否かで受ける印象が異なり、人を選ぶゲームといえるかもしれない。