豪血寺外伝最強伝説

【ごうけつじがいでんさいきょうでんせつ】

ジャンル 対戦格闘アクション
※画像はサントラの物
対応機種 アーケード
発売・開発元 アトラス
稼働開始日 1995年9月
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント シリーズ初のタッグ制
アレンジBGM
豪血寺一族シリーズリンク
1 / 2 / 外伝 / GOF 3 / 闘婚 / 煩悩解放 / 先祖供養


概要

アトラスの対戦格闘ゲーム『豪血寺一族』シリーズの三作目に当たる作品。 シリーズ初、2対2のタッグ形式の格闘ゲームになっている。

ストーリー

前作『豪血寺一族2』にて最終的に優勝し、新たな当主の座に就いたのは弧空院干滋だった。 それからという物、干滋は毎日、朝から晩まで宴会に明け暮れていた。しかし、どうにも退屈になってきてしまった。 そしてある日の事、干滋は暇潰しにタッグ形式の格闘大会を思い付き、一族の皆を招待した。 更に外部から世界最強の格闘家をゲストに招いて…。

システム

  • パートナーシステム。本作では基本的に2on2で戦う。
    • まずはリーダーにしたいキャラクターを選択し、次にパートナーにしたいキャラクターを選択する。尚、黒子とチャック(隠しコマンドで出現する。)以外は同キャラクタータッグも可能。
  • ごっつい攻撃
    • CボタンとDボタン同時押しで強攻撃より若干強力、かつ相手を吹っ飛ばしてダウンさせられるごっつい攻撃が出せる。吹っ飛ばした相手にはしばらくやられ判定が残るため、追撃も可能。
    • 地上と空中それぞれで出すことができ、モーション自体も違う。
  • 迎撃防御
    • AボタンとBボタン同時押しで、レバー後ろ入れ時とは違う体勢のガードを出せる。これは上段・中段攻撃をガードすることができ、さらにガードした瞬間から必殺技でキャンセルがかけられる性質を持つ。
    • 但し下段攻撃は取れないし、当然ながら投げにも無力。その上相手が攻撃を出していなくてもガードの体勢を取ってしまうため、きちんと読んで出さないと自分の首を絞めてしまう。
  • チャックと黒子のペアに勝つとリーダーキャラクターがパートナーキャラクターと対戦、リーダーキャラクターが勝てばエンディングになる。

登場キャラクター

  • 豪血寺お梅
    • お馴染み、豪血寺姉妹の姉。干滋から当主の座を奪い返そうと目論む。*1
  • 豪血寺お種
    • 豪血寺姉妹の妹。前作で追加された森羅鏡が超必殺技になった他、自らを模した巨大な分銅を落とす技が追加された。
  • 弧空院干滋
    • 新たな当主の座に就いた老人。巨大な放屁が新たに飛び道具として追加された。
  • 大山礼児
    • 空手バカ。世界最強を目指して、日々修練に励む熱血漢。
  • 陳念
    • 煩悩まみれの中国の破戒僧。練獄練波が空中でも出せる様になった。
  • ホワイト・バッファロー
    • 収集癖のあるインディアン。
  • アンジェラ・ヴェルテ
    • イタリア出身の筋肉質な女性。本作では鞭からサンダーウォールが出せる技が追加された。
  • サハド・アスラーン・リュート
    • アラブ出身の魔術師の青年。サーベルショットが上空にも撃てる様になった他、オウムに変身出来る能力を身に付けた。
  • 花小路クララ
    • 魔法少女。前作ではミラクルデスキッスを相手に当て、スーパークララに変身していたが、本作ではアクシデント*2で分離してしまった為、変身は出来ない。
  • スーパークララ
    • 花小路クララが変身した姿だが、本作ではアクシデントで分離してしまい、別キャラクター扱いに。
  • 弧空院金太朗
    • 干滋の弟の曾孫で、ワルガキ幼稚園青虫組でボスの座に就いている。前作では相手に噛み付き、精気を吸い取る事で愛犬ポチの霊を憑依させ冥犬ポチに変身していたが、クララ共々雷に打たれた事で分離してしまった…が、代わりに悪魔に変身する事に…。
  • 冥犬ポチ
    • 金太朗が変身した姿だが、本作では別キャラクター扱いに。
  • 破鳥才蔵
    • 対人恐怖症の忍者。本作ではフェイントで不発の獄炎弾を投げる様になった。
  • アニー・ハミルトン
    • イギリス出身の令嬢。新体操の様な動きで戦うお姉さん。本作ではエネルギー弾をボールの様に持つ事が出来る様になった。
  • キース・ウェイン
    • バンダナが特徴のアメリカ出身の好青年。
  • 豪血寺お志摩
    • お梅とお種の母親で、101歳の老婆。本作では当主命令で嫌々ながら参加している。
  • チャック
    • シリーズ初、豪血寺の血を引かないキャラクターで、干滋が何処からか連れてきた最強の格闘家。通常は選択出来ないが、隠しコマンドで使用できる。AC版ではリーダー専用。
  • 黒子
    • 一族の世話係で、複数いる。彼らも一応は豪血寺の一員。絶対にリーダーにはなれない、パートナー専用キャラクター。

評価点

  • キャラクターが豊富。
    • 前述の通り、花小路クララとスーパークララ、弧空院金太朗と冥犬ポチが別キャラクター扱いになった事もあり、使用できるキャラクターが豊富になった。
  • 好きなキャラクターでタッグが組める。
    • 黒子やチャックを除けば同じキャラクターでのペアも可能。1キャラしか使えないプレイヤーも安心。
    • しかも、特定のキャラクターの組み合わせでペアの名前が決まるのも面白い。
      • 例えば礼児とキースで「腐れ縁ペア」、サハドとアニーで「エレガントペア」、花小路クララと才蔵(または礼児)で「片思いペア」、キースと黒子(またはお梅とお種)で「死亡遊戯ペア」、スーパークララとホワイト・バッファローで「美女と野獣ペア」etc…。
  • アレンジBGM
    • 本作のステージ、並びにBGMは前作からの流用が多いが、データを組み替える事でリミックス的に仕上がっている。
      • 例を挙げると、礼児のテーマは野球応援歌風に、陳念のテーマは更にデンジャラスな雰囲気に。一方でキースのステージとBGMは前作と見分けが付かない位、大幅にアレンジされている。
      • 一方、サントラのライナーノーツでBGMを担当した「でんちゅう」こと田中敬一氏は楽曲制作過程において、「PCMデータは『2』と同じで変更が効かず、楽器音や音程も変えられない*3ので『2』のデータを(そのまま)使ってアレンジをするしかなく、歌も歌詞はおろかテンポも変えられないのでとても苦労した」旨を述べている。
  • 良くも悪くも豪血寺らしいノリ。
    • ストーリーやエンディングも、過去2作にひけを取らないくらい笑える。

問題点

  • CPUの難易度
    • 前半はなんとかなるレベルではあるが、後半になると超反応でせめてくる。特に体が小さい金太朗や黒子に必殺技等を当てるのは至難の業。チャックも充分な強さを誇る。
  • 次のラウンドに関して
    • 敵・味方問わず、体力が全快になる。この仕様のお陰で、他のタッグ形式の格闘ゲームにありがちな、「苦手なキャラの体力が減った所を次のキャラで一気に責め、完全に倒す」という戦法が出来ない。また、試合中はキャラ交代も不可能な為、この部分も難易度の高さに拍車を掛けている。
  • チャックの強さ
    • 地上ではレーザーを放ち飛び道具を貫通し、飛び込んで来た相手にはサマーソルト系の対空技をかます。パターンを掴まないとまず勝てないと言って良い。

総評

シリーズで初めて一族の血を引かないキャラクターが出た事やタッグ制のシステムを採用した事等で、豪血寺一族シリーズに新たな旋風を巻き起こした。
惜しむらくは完全な移植版が未だに出ていない所と言える。

余談

  • 本作タイトル画面での「豪血寺」のアルファベット表記が「GO『G』ETSUJI」と誤ったものになっている。前作『2』稼働当時、ゲーメストがやたらこの誤植をしていたのが遠因か(ゲーメストムック付録のアレンジCDの盤面画像でも確認できる)。
    • そして後述の欧米版ではこれが正式タイトルとなってしまっている。
  • 欧米版について。
    • 本作の欧米版『Gogetsuji Legends』ではBGMの多くに存在する歌がカットされインストアレンジ版に変更されている。
    • もっとも、後にMVS/ネオジオにて稼働した『闘婚』も欧米版では歌付きBGMがインスト曲に総とっかえされているので、本作はある意味欧米版の方向性を固めた作品でも思われるが。
    • 尚、『新豪血寺一族 闘婚』のサントラのライナーノーツによると「海外では日本語の歌が禁止されている国があるので(海外版においては)それ用の曲が別に必要だった」旨を前述の田中氏がコメントしており、「該当する国の文化/法規定に合わせざるを得なかった」という事情も往々に含まれている*4
  • 本作はアーケードのみで、家庭用への純粋な移植作品は存在しない。
    • ただし、前作『2』のプレイステーション移植版『豪血寺一族2 ちょっとだけ最強伝説』にて、家庭用追加の「チームバトルモード」で本作のタッグマッチバトルが再現されており、このモードではお種、スーパークララ、冥犬ポチ、黒子、チャックも使用可能。本作ではチャックをパートナーにもできる。
    • しかしあくまでもオマケモードのため対人専用で、システムそのものも『2』準拠、キャラクター性能も基本的に『2』に準じているため『最強伝説』の新技などは無い。さらに『2』と比較しても技の減少や変身の度に入るロードなど移植度も低め。

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最終更新:2024年03月03日 15:39

*1 今回は当主決定戦ではないので優勝しても当主にはなれない。

*2 OPにて金太朗と喧嘩する際、雷に打たれてしまった。

*3 基板に搭載されているADPCM音源は音程が変えられない仕様だった。

*4 更に田中氏は「アーケードで歌物やるのにはこういった事情もあって色々とつらいのですよ・・・」とも述べている。