この項目では『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』のアーケード版と移植版のDC版、PSのアレンジ版『EX EDITION』について解説しています。
判定はアーケード版・DC版は「 なし 」、PS版は「 スルメゲー 」。



MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES

【まーぶる ばーさす かぷこん くらっしゅ おぶ すーぱー ひーろーず】

ジャンル 格闘アクション
対応機種 アーケード(CPシステムII)
販売・開発元 カプコン
稼動開始日 1998年2月中旬
プレイ人数 1人~2人
判定 なし
ポイント キャラがSFシリーズのみならずCAPCOM全体に
対戦バランスはお察し
キャラゲー・お祭りゲーとしては高評価
一部CAPCOMキャラの性格改変
日本では前作次回作ほどの知名度は無い
CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ
Marvel Comics関連作品シリーズ

MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES (DC)

【まーぶる ばーさす かぷこん くらっしゅ おぶ すーぱー ひーろーず】

対応機種 ドリームキャスト
メディア GD-ROM 1枚
発売元 カプコン
発売日 1999年3月25日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人~2人
(一部モードのみ4人)
レーティング セガ審査:全年齢推奨
セーブデータ 5ブロック使用
周辺機器 アーケードスティック、VGA
ぷるぷるぱっく対応
判定 なし

※共通項目は省略



let's go crazy



概要

カプコンとマーベル・コミック社とのコラボ作『VS.』シリーズ第3弾にして、『マブカプ』シリーズ第1弾。

「VS. CAPCOM」の名の通り、今作はストリートファイターのみならずカプコンの名作のキャラが参戦した。
大元の原作はマーベル社のクロスオーバー『オンスロート』。そこにカプコンのキャラが参戦したというノリになっている。


登場キャラクター

+ MARVELサイドプレイヤーキャラクター
  • キャプテン・アメリカ
    • 前作から続投、「アベンジャーズ」の誉り高きリーダー。盾を使った「ややパワー寄り波動昇竜」というコンセプトはそのまま。
    • MARVEL勢の中で唯一新技が追加されていないが、前作の6ボタンチェーンから3ボタンチェーンへの変更、空中投げからの追い打ちが不可能になる、弱チャージングスターが単発ヒットに変更などの仕様変更が多く、単体コンボの火力はややダウン。代わりに今作では側転とスペシャルパートナー、ヴァリアブルクロスを織り交ぜた連携によるかく乱戦法が可能に。
    • 前作までのエリアル始動技の中Pはスパイダーマンの強Kと同様、空中ヒット時のみ効果を発動するものとなった。今作では単体で地上コンボからエリアルレイヴに繋ぐには、屈み強Pのみ対応となる。スペシャルパートナーを絡めれば十分使い物になり、使用頻度としても屈み強Pの方が多いため、そこまで大きな影響が及ぶわけではない。
    • ヴァリアブルカウンターがスターズ&ストライプスからチャージングスターに変更され、対地への反撃重視に。
    • J強Kが新規グラフィックとなり、前作までのJ強Kは特殊技となった。
    • BGMは前作からあまりアレンジがかかっていない。
  • スパイダーマン
    • 前作から続投、お馴染み蜘蛛男。マーヴルサイドのスピード+トリッキー系波動昇龍枠。
    • 空中チェーンが6ボタンチェーンに戻り、飛び込みからの火力が大幅にアップ。更に空中ダッシュが可能になり空中での機動力も手に入れた。前作で火力が大幅に下げられた事による追い風は落ち着いたと言える。
    • 新ハイパーコンボ「アルティメットウェブスロー」が追加。バックジャンプから巨大な蜘蛛糸で捕捉して投げる豪快な必殺技である。ダウン回避出来ないので、画面端であれば追撃から更に火力アップを測れる。他2つのHCと比較して発生が遅いのは同じだが、初段の攻撃範囲の広さ故にスペシャルパートナーのヒットから追撃する際の安定度は段違いに高い*1。ヒット数が2という最低値に留まっている事からダウン追い打ちのコンボ補正が掛かり難いのも魅力。
    • スパイダースティングが空中ヒットした場合の空中ノックバックが非常に大きくなった事に加え、ダウンせずに空中復帰が可能となった事で追撃が不可能となった。地上ヒットであれば問題なく追い打ちからのコンボに発展出来る。
    • BGMは前作よりジャズ調なアレンジがかかった。スパイディのキザな雰囲気にぴったりと評判。
  • ハルク
    • 前作から続投、お馴染み緑色の巨人。動けるデカキャラ枠。今作ではキャラ性能に大きく影響を与える仕様変更が多い。
    • 新ハイパーコンボ「ガンマクェイク」が追加、地面を揺らして巨大な岩の塊を複数落下させる変則的な飛び道具。対空技・ケズリ技として、前作のブラックハートのアーマゲドンと似た様な使い方が出来るが、攻撃範囲が見た目より大分狭く、クリーンヒットさせるにはかなり接近した状態まで持ち込む必要がある。
    • 今作と続編の2においては、弱P&中Pの動作が地上立ち状態・空中状態で前作から入れ替えられた他、立ち中攻撃のP・K両方に吹き飛び効果が付属されて若干地上コンボの伸びが悪くなった*2
    • エリアルレイヴのレシピに大幅な変更が加わった(前述の通り弱P&中Pの入れ替えに加え、スーパージャンプ中の中Pが強制叩きつけダウン仕様になったため)。前作に比べてエリアルレイヴのコンボの発展、火力自体は相当上がっており、自由度は増している。
    • 前方ダッシュが相手をすり抜けられなくなり、起き上がりにダッシュを連発してガード方向を揺さぶる攪乱戦法は不可能となった。
    • BGMは『MSH』時代のもののアレンジ版に変更された。
  • ウルヴァリン
    • 前作から続投、お馴染み「X-MENの爪の人」。『COTA』から不動の皆勤賞。
    • 新必殺技「バーサーカースラッシュ」が追加。神速の踏み込みから強Pを放つ奇襲技である。
    • 前作から続投されているジャンプ中に下+強Kの踏み付け攻撃は、スーパージャンプ中のみ強Kに派生可能。この仕様の認知度が高くないため、ある程度プレイヤーの実力の基準を図る指標と言える*3
    • 元々強キャラだったが、ヴァリアブルクロス中のバーサーカーチャージ発動により、さらにわからん殺しを押し付けられる様になっている。
    • BGMは新規のハードロック調のものに変更された。
  • ガンビット
    • X-MEN VS. SF』からの復帰、カードと棒術を使った渋いヒーロー。
    • 壁に張り付いて巨大な爆風を発生させるHC「ケイジャンエクスプローション」が追加された。
      • コマンドが2つ存在し、画面上のどちらの方向に跳ぶかを任意選択可能。入力した方向の壁があまりにも遠いと、そこまで到達せずに地上に着地してHC発動せずに終わってしまう事もある。
    • マーヴルサイドでは数少ない地上コンボがスタンダードに繋がる性能なので、初心者にも扱いやすい。反面、空中コンボやエリアルレイヴは発展性に乏しく、地上と空中で落差が激しいキャラ。
    • 画面端の空中を高速で複数回移動するケイジャンストライクとスペシャルパートナーの組み合わせによるガード方向を揺さぶるかく乱戦法が強力。ループ性も高く、上手くハマった際の爆発力は恐ろしい。
    • 地上P投げがダウン回避不能なので、画面端で決めた場合に追撃が確定する(他のキャラクターの投げの場合、多くはダウン回避可能なので、こちらの追撃自体は可能だが相手も回避が可能というものが多い)のも大きな特色。
    • BGMは『X-MEN VS. SF』時代のもののアレンジ版。イントロの部分が変わっている他、全体的にテンポがやや落ち着いたものとなった。
  • ウォーマシン
    • 新キャラクター。アイアンマンの相棒「ジェイムス・ルパート・(ジム・)ローズ」。日本ではMCUの映画作品に出演した事でアメコミに詳しくない一般人にも認知されるまで知名度は今ひとつだったが、本国では彼単体での個人紙も持つ。
      • アイアンマンの版権が取れなかったため、その代わりに参戦したという事情を持ったキャラクター。ドット絵自体はアイアンマンの色換えのため、ドット絵でのスーツのデザインが原作や立ち絵と大きく異なる。
    • 今作のビーム枠だが、スタンダードだったサイクロプスと違いシューティング+重量級寄り。空中ダッシュに飛行能力も備えられており機動力は低くないが、地上通常技のクセが非常に強く接近戦は不得手。ビームとスマートボムで寄せ付けない立ち回りを基準に、得意の空対地状態へと持ち込む事で真価を発揮する。
    • アイアンマンとの違いは、ビームがスーツ胸部ではなく肩のキャノンから撃ち出されること(サガットのようにPとKで上下打ち分けが可能)と、新HC「ウォーデストロイヤー」が追加されたこと。
    • ただでさえ空中での機動力と牽制能力の高さを持ち合わせる上に、K通常投げで簡単に密着状態&相手画面端ダウン+追い打ち可能という状況に持っていける事、飛行を絡めたループ性の高いエリアルレイヴによるゲージ溜め能力の高さ、後衛ヴァリアブルコンビネーションの安定度、ヴァリアブルクロス中のウォーデストロイヤーの過剰過ぎる制圧力など、頭一つ飛び出た性能が光る。
    • BGMは『MSH』時代のアイアンマンのアレンジで、『MVC3』では再びアイアンマンのBGMとしてアレンジされた。
      • シューティングキャラ故か、どことなくシューティングゲームBGMのようなアレンジとなっている。
  • ベノム
    • 完全新規キャラ。スパイダーマンに登場するヴィランで、外宇宙寄生生命体シンビオートが様々な人物に取り入る事で人型を保てる様になる。中の人はベノム初代*4のエドワード・ブロック。時にスパイダーマンの宿敵、時に戦友として共闘も。
      • 現在のMARVELの日本語公式表記は「ヴェノム」だが、当時は「ベノム」表記が公式だったため本項もこれに準じて表記する。
    • スパイディとは違い大柄で、豪快な攻撃が得意。テクニカルなパワータイプ、もしくはパワフルなテクニカルタイプといった仕様だが、意外にも癖は無く使い勝手は良い。
    • ハイパーコンボの1つ、「ベノムウェブ」は画面の位置に関係なく画面中央までジャンプして全画面判定の蜘蛛糸を張り、ロック系の乱舞に移行するという若干変則的な性能。こういった技にしては発生が遅いために単体で連続技には出来ないが、初段の範囲そのものはこの手の技の中では単一トップなので、確定反撃を取れる際の安定度は非常に高い。また、ダメージ自体もやたらと高く、ヒットしたキャラにもよるが5割を超えるダメージをこの技単体で与える事が可能。
    • 地上P投げは追撃前提の拘束技。ここからエリアルレイヴに移行したり、「立ち弱P>立ち中K>デスバイト」といった基本にして最大級のコンボが確定するので、まとまったダメージを与えやすい。また、地上K投げもダウン回避不能なので画面端では容易に追撃が可能。K投げに関してはレバー入力と逆方向に投げる(前方に投げるにはガード方向に入力する必要がある)事は覚えておきたい。
    • 立ち弱K後に下に入力する事で、動作の隙を屈み動作でキャンセル可能。これを利用して、「立ち弱K>(屈みキャンセル)屈み弱P>立ち中K>デスバイト」「立ち弱K>(屈みキャンセル)立ち中P>エリアルレイヴ」といったコンボに発展できる。P>Kチェーンという特殊なチェーンルートのベノムにとって、この仕様は地上コンボを大きく発展させるものとなるので是非とも習得したい所。
    • 攻撃は強力だが、体格が大きい上に全体的に技後の隙が大きく、守り面に不安が残る。
    • BGMはちょっと悪役であることを意識してか不気味系。
    • MVC2』以降は大幅なキャラ入れ替えによってプレイアブルキャラからは外れていたが、この度最新作の『INFINITE』のDLCキャラクターとして配信される事が決定。公式表記も「ドーマムゥ」が「ドルマムゥ」へ変更された様に「ヴェノム」となった。カプコンのMARVEL格闘シリーズにおいてMARVELサイドの3Dモデルとしての復活は、サノスを除けば現状唯一となる。

以下は隠しキャラ。設定は全て「オンスロートに洗脳されたキャラ」ということで、細かい設定は無し。

  • ハイスピードベノム
    • 名前の通り残像が出るほど速いベノム。
      • 防御力は紙そのもので、ハイパーコンボ1回で体力が余裕で7~8割吹き飛ぶ程だが、異様なまでの素早さ(ダッシュが無い代わりに普通に移動するだけでダッシュ並みになる)と6ボタンチェーンで相手を圧倒するピーキーな戦いが得意。スピードに全振りしただけあってかお手軽永久コンボを所持。まぁVS.シリーズでは毎度の事だが。
      • コンパチ隠しキャラで唯一必殺技が元キャラと大きく変化している(いずれも通常ベノムの通常技が元になっている)。
    • モチーフは「もう一人のヴェノム」と言われる「カーネイジ」ではないかと言われている。
  • MSH性能ハルク
    • 名前の通り『MSH』仕様で攻撃時にアーマーの無いハルク。その体色から海外版では「オレンジハルク」とも呼ばれている。
      • 通常ハルクと比較して移動速度・攻撃速度が早く、ダッシュジャンプからの押し付けの強さはこちらに軍配が上がる。また、通常ハルクの項目で前述した弱P&中Pの入れ替えも前作以前のままであり、若干チェーンコンボのルートが増えている。エリアルレイヴともなれば、「弱P>弱K>中P>中K>強P」といった一般的なルートも可能に。
      • 最大のデメリットはスーパーアーマーが無い事だが、元々ジャンプ強攻撃と屈強Kにはアーマー効果が機能せず、飛び道具系のスペシャルパートナーやハイパーコンボが跳梁跋扈するこのゲームにおいては、はっきり言って全くと言っていい程機能しないため、実質最初からメリットなど無いも同然であった。故に、機動力とコンボの若干の強化を施され、相対的には非常に使いやすくなっている。
    • 細かい変更点としては、ガンマクラッシュ時の岩石が燃えていない(これも『MSH』仕様)という再現も行われている。
    • ただし使う技は名称に反して『MSH』時代そのままの性能という訳ではなく、ガンマスラムは性能・コマンド共に『MSH』版ではなく通常ハルクと同じままで、ハイパーコンボも当時存在しなかったガンマウェイブとガンマクェイクが実装されている。
    • 余談だが、ハルクは原作コミックでもオンスロートに洗脳されている。
    • 本作の発売(1998年)から後に、原作コミックにて「レッドハルク」(2008年)や「オレンジハルク」(2011年)といった外見が酷似したキャラクターが登場している。
  • ハイパーアーマーウォーマシン
    • 名前の通りハイパーアーマーを持つウォーマシン。「ゴールドウォーマシン」と表記されることもある。
    • ハイパーアーマー化の弊害でガードが不可能、スピードも異様に遅くなり、加えて空中ダッシュ・飛行・リパルサーブラストが搭載されておらず、手数が大幅に減少しているという悲惨な事に。
      • これらの仕様を踏まえても著しい弱体化が目立つが、この上更にショルダーキャノンからは単発のミサイルしか撃てなくなってしまった(その代わり屈み強Pが3ヒットのビームに)。
    • 但しゲーム的には鈍重さやガード不可能以上にアーマーの強さが目立つ(ビーム持ちがウォーマシンのみ、単体で弾幕を扱えるキャラも今作は少ない。強キャラのうち飛竜とウルヴァリンは近接主体)。
    • ヴァリアブルカウンターは通常のウォーマシンと異なり、P版ショルダーキャノンとなっている。
    • 同キャラ同士で屈み強Pが相打ちになると…
    • 「中身は洗脳されたトニー・スターク(=アイアンマン)」という邪推が存在する。
  • オンスロート
    • ボスキャラクター。プロフェッサーXとマグニートーの暗黒面が合体して生まれた存在。
      • 元々MARVELコミックのクロスオーバー企画の大ボスで、翻訳版コミック『オンスロート』も発売中。
    • 巨体に特殊なアーマー、サイクロップスやマグニートーの技で戦う第1形態と、前作のアポカリプスのように巨大化して戦う第2形態が存在。原作再現として、センチネルを召喚するアシスト技*5を持つ。
      • ハイパーアーマーを駆使した強引な割り込みと、ワープによる逃げやガード不能の飛び道具、超威力のレーザー、何故かリュウやハルクを召喚して戦わせ、自分は背景で達観を決め込むなど強力な攻撃や戦法を持つ。一方で、CPUの場合は何もせずに動かない時間が微妙に長く、前作のアポカリプスのような面倒な技は持たないので、少し慣れは必要だが、思いのほかあっけなく倒せるレベルに落ち着いている(そうでなくともヴァリアブルクロスやスペシャルパートナーのおかげで、メインで使うキャラ以外によるダメージを与える手段が多いのもあるが)。
      • 特に第1形態は、仰け反りを誘発するコンボがわかっていれば、それだけで瞬殺も可能。春麗にいたっては「零式気功掌」(→+強P)を連発するだけでパーフェクトで倒す事も難しくない。
    • 第2形態に移行するときのセリフが「うどんは日清」という風に聞こえる空耳が有名。
+ CAPCOMサイドプレイヤーキャラクター
  • リュウ(ストリートファイターシリーズ
    • おなじみミスター格闘ゲーム。ドット絵は『ZERO』のものだが鉢巻が赤に戻っており、設定上は『ストIII』のリュウということらしい*6。前作のEDを引き継いだのだろうか。顔は若いままだが。
    • ケンや豪鬼の性能になれる「モードチェンジ」が実装。掛け声もケンや豪鬼を意識したものに変化。それ故、唯一リュウが神龍拳、疾風迅雷脚、天魔豪斬空が使えるゲームである。どういうわけか、ヴァリアブルカウンターはモードに依存せず全て波動拳となる*7
      • 勝利画面もモードに依存する。豪鬼モードは見た目こそ殺意リュウだが、セリフは本来のリュウのような穏やかなものである。紹介文でも「殺意の波動をついに克服か!?」と書かれている。
    • 基本的にヒット数が火力に直結するVS.シリーズでは、ケンモードか豪鬼モードの方がダメージを与え易い。特に空中竜巻旋風脚の火力差が顕著。とは言え、画面端では地上版竜巻旋風脚が2ヒットしたり、密着からの真空竜巻旋風脚後の追撃で高い火力を引き出せるので、攻撃力が露骨に間合いに依存するキャラとなっている。
      • 真空波動拳は今作では数少ないビーム系ハイパーコンボで、発生も早めの部類に入るためコンボに組み込める。何より他2種類のHCが至近距離でないとクリーンヒットしないため、間合いを選ばずに使用出来る点は大きい。
      • 前作から追加された真・昇龍拳は今作でも1ゲージ仕様なので回転率は高く、威力も相当高いので相手が大きな隙を見せた際に積極的に当てに行きたいが、前作で出来た画面端でのカス当て時の追撃が不可能となってしまったのが痛い所。真空竜巻旋風脚は前述の画面端での追撃が強力だが、単体では単発中攻撃>最速キャンセル以外でコンボに組み込めないので使い所に乏しいのがネック。
      • ヴァリアブルクロス時の連携として、ヒット・ガード問わず長時間相手を拘束出来るのは特筆事項。どのHCもクリーンヒット時とカス当たり時のダメージ差が激しく一長一短が目立つが、総じて火力そのものは高い。モードチェンジ含めてゲージ依存が強いキャラクターになってしまっているが。
      • 総じて今作のリュウは「爆発力のあるスタンダードキャラ」ポジション。機動力やリーチの短さはメインキャラで補い、サポートに回したい。
    • BGMはまさかのストII』のオープニング曲のアレンジ。格闘ゲームを背負う男に相応しい選曲である。
  • 春麗(ストリートファイターシリーズ)
    • 同じくおなじみミス格闘ゲーム。旋円蹴が続投していることから、リュウとは異なり『ZERO』設定のままであると思われる。
    • VS.シリーズでは空中ダッシュや2段ジャンプで空中戦を主体にした調整がなされている。相変わらず百烈脚の発動難度が高く、必死で猛連射しなければ発動出来ない。
    • 前作から引き続き天脚(他作品における天脚)が純粋な昇龍コマンド(テンキーで言う「623」入力)となっており、待ち気味に使うのが前提だったストZEROシリーズや『X-MEN VS. SF』と違って対空能力は軒並み増している。
    • 気功掌のダメージが大幅に上昇した。…と言うより、妙に低かった前作と比べてようやくマトモな威力になったというべきか。
    • 新技はハイパーコンボ「七星閃空脚」。空中ですれ違い様に蹴りを当てるロック系技。
    • BGMはお馴染みの中国ステージ。派手なアレンジが多い今作では非常に落ち着いたアレンジがされている。
  • ザンギエフ(ストリートファイターシリーズ)
    • 投げキャラ枠として続投した赤きサイクロン。ハガー市長に出番を奪われなかった、もしくはハガー市長の代役ということだろうか?
    • 新技はLv3専用ハイパーコンボ「ウルトラファイナルアトミックバスター」、そして前作のメカザンギエフのEDを意識してか、自分の意思でメカザンギに変身する「アイアンボディ」を手に入れた。このモード専用の「シベリアンブリザード*8」も前作同様に使用可能。
    • LV3専用のUFABだが、利点は「発動時の移動がなく、純粋な投げ技として使用出来る」位でダメージもFABとそこまで変わらない。だが、後述の『EX EDITION』ではゲージ周りの仕様変更により発動出来るチャンスが大いに増え、一発逆転の可能性が飛躍的に高まった。システムレベルでの変更点が性能の強化に直結し、『EX EDITION』の恩恵を最も受けたキャラと言えるだろう。
    • VS.シリーズでは空中でスクリューパイルドライバーを発動出来る。この空中スクリュー、低空で発動するとなんと地上の相手を掴む事が可能。起き攻めの選択肢の一つとして覚えておいて損はない。
    • 地上スクリューは必ず左画面に、逆に空中スクリューは必ず右画面に投げるという仕様。相手を画面端に追い込みたい場合、自キャラの向きに加えて地上・空中の状態も考慮する必要がある(スクリューでなくとも地上投げで事足りるのが悲しい所ではあるが…)。
    • BGMはお馴染みロシアステージ。原曲や『X-MEN VS. SF』と比べるとテンポが少し遅くなっている。
  • モリガン(ヴァンパイアシリーズ
    • SFシリーズとは違う進化を求めたモンスター格ゲーからシリーズの顔とも言えるサキュバスがVS.シリーズに参戦。
    • バーニアダッシュを絡めたトリッキーな波動昇竜タイプ。空中ダッシュやコマ投げ等、リュウとは違った立ち回りが求められる。
    • ソウルフィストは出典のES版と同じグラフィックとなり、広大なフィールドで射程無限のビームや巨大な飛び道具・ミサイル等が飛び交うゲームに合わせてスケールアップした。発射時の硬直の長さから、スーパージャンプ中の連発は波動拳に比べてやや回転率が劣るものの、バーニアダッシュ(下降)と合わせて使えば強力な攻めを展開出来る。
    • スタンダード系キャラ(やや変則的な部分はあるが)としては珍しくコマンド投げ「ベクタードレイン」を備えており*9、空中ダッシュからの崩し技として確定ダメージを取りやすい。
    • 出自シリーズではダウン追い討ち攻撃だった「シェルピアス」は、空中から垂直降下する特殊攻撃技として相手のダウン時でなくとも普通に扱える様になった。発生の遅さに加えてヒットしても大きく跳ね返るためにコンボに発展し辛いが、バーニアダッシュ~シェルピアスを相手の目前で空振りして着地~ベクタードレインで掴む、といった連携の一環として使うと上手い具合に攪乱出来る。
    • ハイパーコンボはおなじみの「ダークネスイリュージョン」、今作オリジナルのド派手なビーム砲「ソウルイレイザー」と大量のリリスを召喚する「シルエットブレイド」に加え、演出が極めて危険(アダルトな意味で)なレベル3専用技「エターナルスランバー」。ネタ技と思いきや、なんとガード不能の飛び道具という恐ろしい性能を持つ。ダメージこそレベル1ハイパーコンボ程度、コマンドも順押し系の中ではとっさに出しにくいものだが、確定状況を生み出しやすいゲーム性故に対戦終盤ともなれば大いに警戒すべき技と言えよう。『EX EDITION』ともなれば、後述の仕様故にゲージの回転率が段違いに上がっているため、本作最凶のハイパーコンボとなっている。
    • BGMは何故かオリジナルのもの。出典のシリーズ3作でBGMが毎回変更されていたためか。とはいえ、モリガンのセクシーなイメージを一切損なっていない。
  • キャプテンコマンドー(キャプテンコマンドー
    • ベルトスクロールアクションからカプコンきっての「アメコミ風ヒーロー」がアメコミとのクロスオーバーに参戦。スーツのデザインが多少変更されている。
    • 一瞬で画面端まで届く飛び道具「キャプテンファイヤー」と対空技「キャプテンコレダー」、仲間を呼び出す「コマンドーストライク」を持ち、画面制圧に長けたファイター。6ボタンチェーンもあり全体的に攻撃性能は高く、技コマンドも全て波動コマンド・竜巻コマンドなので技の誤爆も起き難い。全体的に技がやや大振り、機動力も普通なので小回りが利きにくいのが玉に瑕。
      • コマンドーチームの仲間である翔、ジェネティー、フーバーはコマンドーストライクの弱・中・強で登場。翔とジェネティーは使いやすいが、フーバーは役立たず。
    • ハイパーコンボはコマンドーチームとともに合体技を繰り出す「キャプテンソード」「キャプテンストーム」の2種。立強K→キャプテンソードのコンボがお手軽かつ強力。 1人足りない気がする?いや、本来はこれが正しいんだ。
    • この頃はまだ「コレダーさん」とか呼ばれていない*10ちなみに「即死K投げ」は今作の時点で存在
    • BGMは原作にはないオリジナルのもの。キャプテンのイメージ通りヒーロー路線な一曲。
  • ジン・サオトメ(サイバーボッツ フルメタルマッドネス
    • ロボット格ゲーのパイロットがどういうことか今作では生身で参戦。キャラ自体の元ネタは漫画『覚悟のススメ』の主人公「葉隠覚悟」だが、今作参戦でアニメ『Gガンダム』の主人公「ドモン・カッシュ」の要素が無駄に加わった。
      • 使う技は何故か炎を纏ったパンチやドリルキックで肉弾戦はいいとしても、必殺技は完全に元ネタのキャラが使うものとなっており、「瞬脱装甲弾」(覚悟の必殺技)をリスペクトした「サオトメダイナマイト」でスーツを爆散してふんどし一丁になり、「超級覇王電影弾」(ドモンの必殺技)のような「サオトメタイフーン」「サオトメサイクロン」まであるなど、アツい…というか暑苦しいイロモノキャラになっている*11
      • 愛機ブロディアはイントロと通常投げ、ハイパーコンボで登場。指パッチンでロボを呼ぶ姿は完全にドモン。
      • なおCVはうえだゆうじ氏。キャラの性格自体もかなりドモンになっているが、上の2キャラを演じた関智一氏ではないのはよかったのかよくなかったのか…。
    • 機動力は無いが、削り付きの豪快な攻撃と、相方がやられている時に一定体力以下になると自動的に発動する「明鏡止水」のアーマー効果でゴリ押すパワータイプ。確定反撃技の宝庫で弱キャラではあるが、一つ一つの技の爽快感はピカイチ。
    • 勝利ポーズキャンセル後のスコアボーナスで、サオトメファイヤーやブロディアバルカンによる高スコアを簡単に出せるという、変に優遇された要素がある。
    • カプコンサイドのプレイアブルキャラクターの中で唯一、空中に対応する必殺技を持たない。
    • BGMはオリジナルのもの。元ゲーが「ステージBGM」主体だったため必然的にそうなるのは普通の事なのだが、妙に空回りした軍隊色を匂わせる音色が、ある種の脱力感を誘う。
  • ロックマン(ロックマンシリーズ
    • 平和を守る為に日々悪のロボットと戦う、ご存知少年型ロボット。
    • 強パンチひとつで撃てるロックバスターに加え、チャージショットや一つだけ所持できるアイテム飛び道具(ロックボール、トルネードホールド、リーフシールド)など、いわゆるシューティングタイプ。有名キャラということもあり意図的に格ゲー未経験者にも扱えるようにした節が見える。
      • その分、体格の小ささから打撃のリーチが短い上に、立ちと屈みの中Pは同じ動作で性能に差はないという、妙な部分で手抜きが見られる。
      • 火力は非常に控えめで、特出したコンボもチャージショットを組み込むのが前提となるため、安定した強さを発揮するには他のキャラの何倍もの労力が必要となる。特にチャージショットのタメ状態継続中は各ヴァリアブルシステム・アドバンシングガードが出せないため、相方へのバトンタッチも封印される事となってしまう。「取っつきやすいが使いこなすには熟練を要する」という両極端なキャラクター。
      • この「チャージショットのタメの維持と他の技の使い分けによる非常に難解な入力を要求される性能」の路線は、後のVS.シリーズでのロック、ゼロ、エックス等にも受け継がれていく事となる。
    • 元ゲーのシリーズに実装された事が無いにもかかわらず、特殊移動の三角飛びを持つ。どちらかと言うと壁蹴りが出来るエックスやゼロの方がしっくりくるが、機動力に難のあるロックマンにとっては画面端からの離脱に重宝する。ここからビートプレーン発動で場を荒らしまくれるので、相手からすると画面端に追い詰めても気が抜けない。
    • ハイパーコンボはサポートメカと合体して巨大なXのような姿になり一斉射撃を行う「ハイパーロックマン」、それぞれサポートメカが乗り物に変身する「ラッシュドリル」「ビートプレーン」の3種。
    • BGMは名作『2』よりタイトルBGM。原曲より少しテンポは遅いが、ヒロイックなアレンジになっている。時代が時代ならワイリーステージだったかも?
      • また、ロックマン(と後述のロールちゃん)使用時のみ勝利BGMも原作のものに変化する。
    • アスペクト発売の公式ガイドブックでは、カバー下の表紙・裏表紙をフルに使って99ヒットオーバーの究極コンボが記載されている。実戦ではどうやっても決める機会の無いレシピだが、2ページを贅沢に使った内容は一見の価値アリ。
    • 今作の参戦にあたって上述したジンと共に過剰すぎる設定がついたキャラなのだが、その内容がまずかった。詳しくは後述。
  • ストライダー飛竜(ストライダー飛竜
    • 忍者のような傭兵である「ストライダーズ」の最年少特A級ストライダー。参戦に伴いデザインが大幅にリファインされ、共同製作の原作コミック(和田たつみ著)で使用していた赤いマフラーをつけるようになった。技名の多くは北欧神話の名称や、伝説の武器*12に因んだものとなっている。
    • 素早い動きと剣によるリーチを兼ね揃えるスピードタイプ。防御力は低いが、6ボタンチェーンの圧倒的な手数で相手に反撃を許さない立ち回りが可能。この手のキャラとしては珍しく飛び道具まで完備している。が、チェーンコンボの押し付けが強さの大部分を占めており、必殺技の大半がコンボの〆に使うと仕切り直しとなってしまうために使い所が無いという本末転倒な事態に。ヴァリアブルカウンターも使い所に乏しい。
    • ハイパーコンボはロック系乱舞技「ラグナロク」、大量のサポートメカを呼び出す「レギオン」、オプション装着の「ウロボロス」の三種。
      • ウロボロス以外は単体で連続技に組み込めないが、そのウロボロスが異常な強さを発揮するために全く問題になっていない。レギオンは削りかクロス中に連発する等の役割があり、ラグナロクは実用は難しいものの威力が非常に高く、何よりも決めたら凄くカッコイイロマン技。
    • BGMは原作1面BGM「踏み込め!」のアレンジ。激しいアップテンポのテンションが上がる曲で、作曲者もお気に入りとの事。ちなみに彼のCVもジンと同じくうえだ氏。

以下隠しキャラ、コンパチアレンジキャラ2名+完全新規キャラ1名(リリス風モリガンとシャドウレディは今作のみの登場だが、同様のカラーのみ次回作でも登場する)。

  • リリス風モリガン
    • 見た目は色違いのモリガンだが、実は内面がリリスに入れ替わってしまったモリガン。技もモリガンをベースにリリス風にアレンジしたものになっている。
      • 逆に技の演出や勝利ポーズなどでリリスの身体になったモリガンが登場している。
    • 技の性能はリリスに習う形で劣化しているが、本家では使えない低空空中ダッシュを持ち、地上から高速中段攻めを仕掛ける事が可能。
  • シャドウレディ
    • シャドルーの手に堕ち改造されてしまった春麗。前作でのシャドウと大体同じ展開。VS.シリーズのベガ様はやたら改造をするのがお好きらしい。
    • 見た目は黒い春麗だが、ほぼナッシュだったシャドウと違いドリルパンチにホーミングミサイル、果てには極太レーザーと必殺技までが完全にロボになっているのが特徴。通常技と百裂脚(インフィニティレッグ)は春麗とほぼ同一。
    • 春麗と同じく機動力を活かして奇襲・コンボを仕掛けるスピードタイプだが、ハイパーコンボが単体で連続技に組み込めなくなったおかげで、終盤戦におけるここ一番での火力は出せなくなってしまった(その代わりに削り殺しのリスクは大分下がっている)。リリス風モリガン同様低空空中ダッシュが可能なのが最大の違い。
      • その春麗とのタッグでは、ヴァリアブルクロス中に相手を挟み込んでの百烈脚とインフィニティレッグを出し続ける頭の悪い永久パターンが可能。本作の対戦バランスが一目でわかる光景と言えよう(しかも連打を維持していればヴァリアブルクロスの時間が終わっても出し続けている。つまり…結局この方法でゲーメストハイスコアはあっさりと初回でカンストしてしまった)。
    • 勝利メッセージが突っ込み所満載。「正義回路」「24の必殺技」「電池が切れた」などなど…シャドウ&レディ2人が電池切れの心配をしているのに、メカザンギエフはその心配が無いらしい。ハイパーアーマーは安定性が高いのだろうか。
  • ロールちゃん(ロックマンシリーズ)
    • ロックマンの妹分がまさかのオールスター格ゲー参戦。隠しの中では彼女だけ色違い流用ではなくグラフィック描き下ろし。服装及び外見は『8』のもの。
    • 基本的にはチャージショットとロックアッパーがないロックマン…要するに劣化版である。ダンのような意図的な弱キャラ。しかしオンスロート第一形態戦では、その小さな体格故にメガオプティックブラストをニュートラル状態で完全回避可能だったり、トルネードホールドが当たれば大半の攻撃動作を仰け反り誘発で中断させられるなど、意外な部分で恩恵を受けている。対人戦はともかく、CPU戦ではまずまず戦えない事もない。
    • 隠しキャラは一律同じBGMだが、ロールちゃんのみボーカル付楽曲のBGM使用。楽曲は『ロックマン バトル&チェイス』より「風よ伝えて」。『タツノコ VS. CAPCOM』では、10年の時を経て新たなボーカルを迎えたリミックスバージョンとなり、『チップチューンドロックマン』では爽快なテンポのチップチューンアレンジ版として最初のトラックを飾るに至った。
+ MARVELサイドスペシャルパートナー
  • マイティ・ソー
    • キャプテンアメリカ・アイアンマンと共にアベンジャーズのBIG3といわれるMARVEL定番ヒーロー。『MVC3』では晴れてプレイアブルキャラクターとして堂々参戦となった。
    • ハンマーから電撃を放つ。打点が高い為、一部キャラにはしゃがまれると当らない。その性質を利用してしゃがんだ相手に中段のジャンプ攻撃を仕掛ける・ガードを固めた相手を図々しく投げに行くという戦術もあるにはあるが、発生が遅いのでジャンプで回避されやすいのがネック。
    • 『MSH』のキャプテンのエンディングで共演していた人は代役の別人で、こちらが純正の本物。
  • サイクロップス
    • 両目から強力な破壊光線「オプティックブラスト」を放つ能力を持つ、お馴染みX-MENのリーダー。出演作ではクセの少ない技と広範囲に一瞬で届くビーム系統の技のおかげで初心者から上級者まで幅広く使いやすいキャラである。
    • しゃがんで「弱・オプティックブラスト」を放つ。威力は低いが、発生が早く一瞬で奥まで届くので使い易い。回数が多い為牽制に。
  • マグニートー
    • 原作・ゲーム共に強キャラとして名高い磁界王様。初代X-MENの時点ではラスボスを務めた事もあって反則級の技のオンパレードだったが、大幅に下方修正が加わりプレイアブルキャラクターとなった他の出演作でも安定して強い。特に次回作の『MVC2』では…
    • 「E・Mディスラプター」を放つ。サイクロップスより発生は遅いが、奥まで届いてヒットすれば吹き飛ばせる。退却が早く、攻撃範囲もX軸全域に加えてY軸にも太いので運用はしやすい。特にオンスロート2戦目で真価を発揮する。
    • ちなみに原作コミックではこの時、記憶喪失となった上に若返った「ジョセフ」というキャラとなって、ガンビットをやきもきさせながらローグとイチャコラしていた(後に悲惨な事実が明らかとなるが…)。
  • ジュビリー
    • 新規キャラ。X-MENに登場する13歳の超能力少女。原作でのジェネレーションX以前の、ウルヴァリンのサイドキックとしてX-MENに所属していた時代のコスチュームで登場。
    • 発生の遅い5発の光弾をランダム方向に飛ばす。非常にムラのある攻撃で安定性がない分、相手の行動を制限させやすい。回数も8回と多く、とにかくぶっぱなしやすい。
  • ローグ
    • X-MENの女性ミュータント。相手の能力を奪うコピー能力を持つ。『X-MEN VS. SF』で再現されたコピー能力の中には本家以上の性能を誇るものも多く、相手キャラに依存する技の変化という点で異彩を放っていた。なお、原作ではこの時期ガンビットとの恋愛関係は破局寸前だったり。
    • 拳を構えて「パワーダイブパンチ」の後半動作で斜め下へ飛び込んだ後、そのまま斜め上に「ライジングリピーティングパンチ」の動作で拳を突き出して去っていく。変則移動攻撃で使い辛いが、発生の速さ、攻撃から画面外まで離脱するまでの俊敏性は特筆に値する。難易度は非常に高いが、モリガンのコンボに組み込んで大ダメージを叩き出すことも可能。
  • サイロック
    • X-MENの女性ミュータント。精神をエネルギーナイフとして具現化したり、テレパスを用いた予知、影を媒体としたテレポートなど多彩な能力を持ち、格闘戦も得意。紆余曲折あって日本人の体と互いの精神が入れ替わっている。格ゲーではややテクニカル寄りのスタンダードキャラ。
    • 真横に「サイスラスト」で直進する。移動速度が速く、固めに使い易い。技の性質上、画面端を背負っている方が初段のヒットが早くなる。後述のコロッサスには一歩劣るがこちらも相当強力で、コンボに割り込みにと大活躍。
    • 分かりやすい「絵になる格闘術が出来る女性キャラ」として貴重なポジションの彼女だが、VS.シリーズでのプレイアブル化は意外にも『MVC2』だけだったりする。
  • ストーム
    • X-MENのサブリーダー。風や大気を操る能力を持つ。出演作では空中制御の面で多彩な行動が可能なシューティングタイプに見えて、突進技も強力で器用万能な性能を誇る。日本でも有名なプロゲーマー、ジャスティン・ウォン氏のお気に入りキャラ。
    • 前方に「ダブルタイフーン」で竜巻を発生させる。横への範囲が狭い上、全段ヒットした場合はこちら側よりも多く相手側にハイパーコンボゲージを蓄積させてしまうため、使い所が難しい。ヒット時の拘束時間の長さと、上方向に吹き飛ぶ性質を利用して、縦画面に対して強力な性能を誇るガンマクラッシュやウォーデストロイヤー、サオトメサイクロンなどを狙うのがベター。状況は限られるが、画面端で空中ガードさせた際に豪鬼モードのリュウの瞬極殺と同時に重ねると非常に回避困難な連携となる。
    • 『X-MEN VS. SF』では「サイロックは出番が多いから彼女に交代してもらおうかと」との開発スタッフの発言があって出演したおかげか、認知度も強さも有名となった。
  • ジャガーノート
    • プロフェッサーXの義兄。魔人サイトラックの秘石の加護により、計り知れぬ程に強大な力を得た「静止不能の人間重戦車」。原作オンスロートでは彼が大陸レベルでぶっ飛ばされ、地面に激突して気絶するシーンから幕を開けるという、敵の指標を図る役にされたが。ゲーム中においてはハルク以上の巨体の持ち主*13
    • 「ジャガーノートヘッドクラッシュ」で突進する。突進系アシストの中ではコロッサス、サイロックを超えて最強の性能だが、3回という制約がきつい*14
    • 故に、『EX EDITION』では…
  • アイスマン
    • 氷を操るX-MENのヒーロー。原作では陽気で明るいチームのムードメーカーとして初回から登場し、最近ではやたらと凄い設定が盛り込まれてきているホットなクールガイ。スパイディやヒューマントーチと共に若メントリオとしても仲が良い。格ゲーシリーズではビーム主体のシューティングタイプ。
    • 巨大な複数の氷の塊を落下させる。攻撃範囲が広く、防御系アシストとしては無類の強さを発揮する。オンスロート戦でもゲージ溜め要因として大活躍。
    • 多くのX-MENキャラが過去作の得意技で攻撃するのに対して、アイスマンのみ新規技。『MVC2』にて引き継がれなかったのが惜しい。アイスマン版ガンマクェイクとか言うな。
  • コロッサス
    • 怪力が自慢なX-MENのヒーロー。生い立ちや生き様が悲惨で、ミュータントへの迫害による考え方の違いから、原作では一時期自らの意思でマグニートーの軍門に下ったりもしていた。格ゲーシリーズではタックルやコマ投げ、自らハイパーアーマーを付加してゴリ押すコテコテのパワータイプ。
    • 「パワータックル」で突進する。サイロックより画面上部から登場するため、対空としても使いやすく、攻撃の間隔が絶妙に間があるためにコンボに発展させやすい事や5回という回数の多さなどから、今作最強アシストと名高い。
  • U.S.エージェント
    • かつてキャップが政府との思想的対立により名前とコスチュームを返上して別のヒーローとして名乗っていた頃、彼に代わる代役として登場した政府お抱えのヒーロー。『MVC3』にて登場するタスクマスターから技を仕込まれたという設定があり、これでもかと言う程に正義のヒーローなキャップことスティーブとは裏腹に、正体を知るヴィランに一家を殺されたりもしたためかこちらは「人質がいればその人質ごと犯人を爆殺する様な性格」との事。そんな結果が全ての性格故にシビルウォーでは迷わず登録賛成派に付くし、遡るとインフィニティ・ガントレットで消されたりもした。前作ではキャプテンアメリカの完全コンパチ性能で隠しプレイアブルキャラクターとして登場。「だまれ、このゴミが!俺をニセモノと呼ぶな!」
    • 「チャージングスター」で突進する。突進系アシストの中では発生、移動距離ともに貧弱な部類。ヒット硬直の長さを利用して相手を固めるといった用途以外には使いにくい。
      • その上回数もサイロック・コロッサスと同じ。せめて多ければ差別化できたのだが…。
  • センチネル
    • X-MENに登場するミュータント抹殺ロボ。本来は乱入キャラクター専用だが、コマンドで使用可能。
    • 「ハードドライブ」で突進する。ジャガーノート以上の縦幅への攻撃判定があるものの、吹き飛び方向の関係で若干追撃が難しい。
+ CAPCOMサイドスペシャルパートナー
  • 名無しの超戦士1P(ロストワールド)
    • いかつい見た目にスカした台詞が有名な超戦士。2P側ではしっかり原作の超戦士2Pのカラーリングになるという芸が細かい点が光る。後に『ナムカプ』では1P・2Pでタッグを組んで参戦。
    • 従えたサテライトと共に銃撃を放つ。画面下半分をほぼ制圧する弾幕を一瞬で貼るため、使い勝手は良好。ゲージ貯め要因としての起用もアリ。
  • ルー&アカビー(ワンダー3 ルースターズ/チャリオット)
    • 3つのゲームを楽しめる『ワンダー3』から1P側の主人公ルーが精霊アカビーを引きつれ登場。2P側ではもう1人の主人公・シバのカラーリングになる。こちらも芸コマ。
      • シバは本作に出演こそ出来なかったものの、後に『ガンスパイク』の主人公のスケボー少年「シバ・シンタロウ」として大幅リファインされてまさかの登場。誰もが予期しなかったサプライズである。そちらでの衣装やキャラ付けは『スト3』のユンに似た感じとなっている。
    • ルーがボウガンで射撃、アカビーが炎を吐く。ボウガンの間隔が独特で、コンボの合間にアシストヒット>再度コンボを繋ぐといった変則的な使い方が可能。ルーの射撃に目が行きがちな点を逆手に取り、対空もしくは裏周りジャンプからの起き攻めに威力が非常に高いアカビーの炎を至近距離で当てるといった通な使い方も出来る。使用回数も8回と多め。
  • アーサー(魔界村
    • かの有名な中年騎士もサポートとして登場。『ナムカプ』では事実上主人公格の一人、『MVC3』にて晴れてプレイアブルキャラクターとして参戦した。
    • 前方に槍を3本投げ飛ばす。用途はルーのものとほぼ同じだが、打点が若干高い。攻撃を食らうと当然のようにパンツ姿を披露するという、ファンサービス精神旺盛な騎士様である。こちらもルー同様使用回数が8回と多い。
  • 想鐘サキ(クイズなないろDREAMS 虹色町の奇跡
    • クイズゲームからヒロインが参戦。虹色町の地球防衛軍隊員にして、実は地球外生命体。後に家庭用『タツノコ VS. CAPCOM』でプレイアブルデビュー。
    • 銃からビームを放つ。奥まで届くが、ダウンものけぞりも取れない。おまけに技後はポーズを決めるため、回転率にも劣る貧弱アシスト。だが可愛い
  • 東風(ストライダー飛竜)
    • 飛竜の宿敵ともいえる賞金稼ぎの女性。一説では春麗のモチーフにもなったという話も。今作以降でも『ナムカプ』を始め、『DS版カードファイターズ』や『2014年版ストライダー飛竜』にも出演。カードファイターズでは低コスト高火力速攻デッキ作成時にお世話になったプレイヤーも多いのでは?
    • 必殺の蹴り技を放つ。攻撃範囲が画面中央~やや上よりのX軸ほぼ全範囲を占めるため、適当に出すだけでもそれなりに厄介。使用回数が全アシスト中最多の9回というのも拍車をかける。単発故にヒット時のダメージにムラが無く、マグニートー同様にオンスロート戦で真価を発揮。
  • デビロット一味(サイバーボッツ フルメタルマッドネス)
    • 一部で人気の悪役お姫様とお付き二人のトリオ。モチーフはタイムボカンの三悪…と見せかけてサントハイム御一行
    • 地面からアグミススーパー8と共に出現して、時間経過で自爆。攻撃発生こそ遅いがなんとガード不能。ウロボロス中の飛竜との連携はまさに暴力。アドバンシングガードがあっても厳しい。
  • アニタ(ヴァンパイアハンター
    • ドノヴァンが引き取った超能力幼女。『MSH』ではぶっ飛んだお遊び隠れキャラクターだったが、今回は普通にアシストとして参戦。彼女もまた、『スーパーパズルファイターIIX』に隠しキャラとして出演した経歴を持つ。そちらでもドノヴァンを抜いて最強キャラとして君臨していた。 ぅゎょぅι゛ょっょぃ
    • 念動力で剣や絵など複数の物体を円状に回転させながら前方に飛ばす。ジュビリーと同じく画面制圧をする飛び道具、こちらは軌道が直線寄り。飛ばすものにはたまにドノヴァンも混じる。出現から飛び道具発動までに掛かる時間、更に技後の退却が非常に遅いので回転率は非常に悪いと言わざるを得ないが、発動の遅さを利用してスーパージャンプで画面を上空に移す事で、ガード方向を惑わせるという使い方も一応は可能。
  • 魔法使いピュア&ドラ猫ファー(アドベンチャークイズ カプコンワールド2)
    • クイズゲームからプレイヤーキャラがタッグを組んでアシスト参戦。後に『スターグラディエイター』のシークレットファイルや『ALL ABOUT ストリートファイターZERO2 ALPHA』のおまけ漫画において、カプコンに突撃取材する開発風景のレポーターとして登場している。
    • 上空から複数のサイコロ(とファー)を降らせる。範囲でアイスマンに劣るが、そちらよりも回数が1回多い。
  • ミシェルハート(アレスの翼
    • 縦シューティングと横スクロールアクションシューティングを融合させたゲームより参戦した、軍神アレスの翼を授かった勇敢な女性戦士。外部出演はネオジオポケットの『カードファイターズ』2作位。デザインはいいのに勿体無い…。『ナムカプ』ではシルフィー(ロストワールドの店員のお姉さん)のコスプレネタとして登場。
    • 敵の高さにサーチして3ウェイショットを放つ。画面制圧がしやすいものの、相手の現在位置をサーチして静止した位置から攻撃するため、場合によってはとんでもなく上方の空中に出現してしまう事も。
    • なお、本作では名前が「MIECHELE HEART」と誤植されている。ミーシェル?
  • シャドウ(MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER
    • シャドルーに改造されたナッシュ。本来は乱入キャラクター専用であり、隠しコマンドで使用可能。後に本家『ストリートファイターV』において設定や技が似た形で逆輸入されるとは誰が思っただろうか。
    • 「シャドウジャスティス(サマソ3連発)」で攻撃する。威力は非常に高くヒットしてしまえばコンボの繋げやすさは随一だが、発生&退却の遅さが最大のネック。シャドウといいサキといい、軍関連キャラは退却時にポーズをしないといけない決まりでもあるのか。また、使用回数もジャガーノート同様に最小の3回となる。

システム・特徴

今作のみのシステムを記載。

  • スペシャルパートナー
    • プレイヤーキャラ2名とは別枠で、アシスト専門のキャラクターを1名選択。アシストキャラは総勢20名+隠し2名。
      • ルーレット状になっているため通常はランダムで選択されるが、特定の同時押し操作をすることで目当てのキャラを確実に選べる。また、試合終了時に特殊な入力をする事で、次の試合で直前の相手が使用していたスペシャルパートナーを強奪して選択可能。
    • 前作や次回作のヴァリアブルアシストとは違い回数性。回数はキャラごとに固定かつ、試合中に回復は無い。
    • これに伴い、今作では元々のパートナーのヴァリアブルアシストが廃止されている。
  • ヴァリアブルクロス
    • 2ゲージ以上消費して、一定時間2人同時操作+ゲージ無制限。バランスなど初めから放棄したと言われても仕方のない新システムである。
    • 発動時に使用キャラクター2人の顔が半分ずつ合体するというインパクトのあるカットインが差し込まれる。発動後はHCを連発するもよし、挟み込んで永久コンボするもよしのやりたい放題である。
      • サウンドトラックのライナーノーツによると、元々は前々作『X-MEN VS. SF』の開発終盤、偶然バグによって2人同時に操作出来たという事があり、その時は時間が足りずに見過ごしたが、「こんな凄い事を放置するわけにはいかん」という事で、晴れて今回新システムとして導入した……はいいがバランスに関しては「まぁ、あんなもんです」の発言からお察しである事は想像に難くない。タイトル画面移行時のボイス、ひいてはこのゲームのキャッチコピーである「let's go crazy」に偽りなしである。
  • 勝利ポーズキャンセルボーナス
    • 試合終了後のスコアリザルトまでの間に勝利ポーズをキャンセルして動くことが出来るのは従来のシリーズ通りだが、今作では勝利メッセージ画面に移行する際に表示されるポーズによってさまざまなスコアボーナスが加算されるというお遊び要素が追加された。スコアは100pts~50,000ptsまで存在する。簡単に狙える基本必殺技はほとんどが1000ptsで、一瞬しか狙えない難易度の高い変なポーズほどスコアは上がる。
      • 当時のゲーメストではこのお遊びシステムのスコアの種類を集計しており、判明したデータからは相当な数の一枚絵にスコアが割り振られていた。現在そのデータベースが回覧出来るサイト等は存在せず、今となっては非常に貴重な情報となっている。

評価点

  • CAPCOM側のキャラが格ゲーを飛び越えて多彩になった。
    • 特にストライダー飛竜は大幅なリファイン、「冷徹なプロ」という一貫した性格付けを施され一躍人気キャラに。
    • 飛竜、キャプテン、ジン、ロックマン(およびコンパチのロール)に、MARVEL側のベノムと、格ゲー完全新規参戦のキャラが5+1キャラと多い。
    • 数少ない参戦枠を考え、これまでの似た性能の道着キャラ達(リュウ・ケン・豪鬼)を「モードチェンジ」でリュウ1枠にまとめてしまうという大胆な改変も、キャラバリエーションの豊かさを優先したと考えると英断である。
  • スペシャルパートナーによる未参戦キャラ・マニアックキャラの登場
    • 特に今まで呼ばれなかったことがおかしいレベルのンーさんことマイティ・ソーが『MVC3』に先駆けて参戦。但しMARVEL側はソーとジュビリーの2名以外は全員シリーズ登場キャラの再登場、そしてソーとUSエージェント以外全員X-MENの登場人物である。
    • 反面CAPCOM側は元々格ゲー出身のアニタとシャドウ以外は完全新規ドットで描かれている。アクションゲームのみならずシューティングやクイズゲーム等、マニアックなキャラがかなり多い。それこそ有名どころは魔界村のアーサーとヴァンパイアのアニタくらいであろう。『スパズル』にも登場したデビロット姫や、後に『タツカプ』に参戦する想鐘サキも参戦している。
    • 「プレイアブルが難しいキャラをアシストで出す」という方法は後に『KOF2000』や『電撃FC』、格闘ゲーム外ではガンダムVS.シリーズ等、多くのオールスターゲームに引き継がれる。
      • 元々のアイデアは「少ない容量でお祭り感を出すための手段」との事で、ハードの制約とキャラクターのバラエティ、両方の需要に見事に合致した画期的な新システムとなった。これこそWIN-WINの関係と言えるだろう。
  • 背景もクロスオーバーらしくお祭り騒ぎ。
    • 前作は前々作ステージの使いまわしも多く見受けられたが、今作は各キャラクターの原作を強く意識した新規ステージが多く書き下ろされた。
    • 悪巧みに精を出すワイリー一味や、ライブハウスで演奏を楽しむザベル・ザロックの姿が見れる。MARVEL側もX-MENやアヴェンジャーズの基地、デイリービューグル社の屋上等も存在。
    • 本田湯ステージでは右側の壁が壊れ、女湯に行けるギミックが存在。そこには今作未登場のさくら(と親友のケイ)の姿も。混浴じゃないんだから湯船にタオルを付けるなと
    • 「ロストワールド」をモチーフにした意外なステージもあり、そのステージの中央には天帝バイオスが鎮座しており、左右にはそれぞれ風神と雷神がそれぞれ月と地球を掲げている。ストライダー飛竜1面を再現したロシア帝都ステージでは上空の飛行船に「A.D.2048」と表示されるなど、ファンには馴染みある演出も。
    • 『EX EDITION』において、VSモードのステージ選択画面で各ステージのタイトルが判明した。
  • キャラクター名称の表記を原作のタイトルロゴで表現。
    • MARVELサイドは全キャラがコミック版タイトルロゴ、CAPCOMサイドのキャプテンコマンドー、ロックマン、飛竜はゲームでのタイトルロゴで表記しており、いっそうクロスオーバー感を演じるニクい演出となっている。
      • ロックマン&飛竜に至っては海外版では表記もそちらに準じたものとなる凝り様。また、リュウは『ストII』のタイトルロゴ風で表記されており原作リスペクトの意気込みは十分。
      • ジンは何故かサイバーボッツでのカタカナ表記は採用されず、後の『ストリートファイターIV』で見られる様な力強い筆風の英文字表記となっている。個性はやたら強くなったが。
  • 簡単操作でド派手なアクションを繰り出せるVS.シリーズの面白さは健在。
    • 前作までのカプコン側はSFシリーズのみで、あくまで格闘家の範疇を出ないキャラが多かった*15がアクションゲーム出身のキャプテンや飛竜、ロックマンに何故かガンダムファイターとなってしまったジンは今までの格闘ゲームにいなかったタイプのキャラ性能。特に飛竜はチェーンコンボの性能が非常に高く、適当にボタンを連打しているだけでも敵を切り刻めて爽快感抜群。
    • 今作では演出も強化され、派手さに拍車がかかっている。
  • BGMが秀逸
    • MARVEL側の楽曲は基本的に過去作のアレンジで構成。前作で新曲が与えられていたハルクも『MSH』のアレンジに戻る事になった。
    • ストリートファイター勢に関しては、春麗とザンギエフのBGMが過去作のアレンジに戻ったことで残念がる人も多いが、アレンジ自体のクオリティは高く、リュウは意外すぎる選曲ということもあり評価が高い。
    • 一方でCAPCOM側の新規参戦組は、ロックマンと飛竜は出典から大胆なアレンジが行われたもので、それ以外の3人は出典のBGMでは無く完全新曲になっており、そのいずれもがキャラの雰囲気に合った楽曲として良好な評価を得ている。
  • スタッフロール
    • 前作までは普通のスタッフロールだったが、今作はゲーム中のドットを使った寸劇が繰り広げられるようになった。
    • また、エンディングもバラエティ豊かで面白い。特にカプコン側の隠しキャラのシャドウレディやリリスは必見。
      • CAPCOMサイドのプレイアブルキャラ総出演の中で最後をビシッと〆るキャップ、原作のオンスロート最終盤の展開と似た寂しい結末のハルク、数多くない両社の絡みの中でもモリガンとアダルトな雰囲気になるガンビット、誰とも関わらず空気のウォーマシン、原作ED再現でアヴェンジャーズ基地に通信を入れ「I AM CAPTAIN COMMANDO.」で〆るシュールなギャグにも見えるキャプテンコマンドー、メカ化してブロディアに挑む天然ボケキャラが加速したザンギエフ、真っ当にオンスロートを玉砕覚悟で倒す展開が熱いのだが今作でのキャラ改変によってギャグにしか見えないジン、コマンドー同様原作ED再現の空気その2でもある飛竜etc。
      • スパイダーマンやベノムのエンディングでは、タッグに選んだキャラクターによって演出が変わるという芸の細かい点が光る。ベノムのEDで意気投合した直後にエゲつない言動を取るベノムに対する呆れキャラに回る相方は必見。特に飛竜とロール。
      • モリガンのエンディングはなんと『スパズル』ネタで、原作のプレイ画面がそのまま再現されている(さすがに操作はできないが)。
      • エンディング専用の1枚絵が存在せず、ドット絵のやりとりなのは少し味気ないかもしれないが、こちらはキャラクターが動くという側面が大きい。

賛否両論点

  • カプコンキャラの改変。今作でキャラ付けが出来上がったと言っても過言ではない飛竜はともかく、ジン・サオトメとロックマンの改変については賛否が大きい。
    • そもそもジンは前述の通りロボット格ゲーのパイロットながら参戦した妙な立ち位置にある。そのキャラクター性は原典からして熱いキャラだったのだが、本作ではパロディが過ぎて色物に踏み込んでしまっている。後に参戦したドリームキャスト版『超鋼戦紀キカイオー』(隠し機体としてブロディアIIと共に参戦)でも、本作のキャラ付けを引き継いでいる。
      • ちなみに雑誌「ゲーメスト」で本作の開発者が秘話を語っていたが、「僕の中ではサイバーボッツで見たときから、ジンはこういうキャラだと思っています」と堂々とコメントしていた。Gガンダムのパロディがやりたかっただけではなかったのか?
    • ロックマンは普通に原作再現をしているキャラといえばそうなのだが、オンスロートに対して「君はワイリーの作ったロボットだな!」と一方的にワイリー黒幕基準で決めつける、ロールの勝利時にビートプレーンで現れて風圧でパンチラさせつつ笑顔でこちらを見るというひど過ぎるものがある、そして挑発の表情が「べろべろばー」とアヘ顔で馬鹿にしたり(ボイスがまたコケにしたトーン全開)と、正義のヒーローに似つかわしくない、むしろ「クソガキ」といわれても仕方のないくらいおそろしくムカつくものになっている。
      • シークレットファイルでは開発スタッフもあとがきで「ロックマンの挑発だけはやめた方がいいと思うよ」と発言している。それだけじゃないだろうに…
  • 参戦キャラクターがヒーロー・主人公に偏りすぎている。
    • いわゆる「ヴィラン(悪役)」はデフォルトだとベノムだけで、マグニートーやDr.ドゥーム、ベガ・パイロン・ジェダなど両側の悪役はプレイアブルにいない。そのベノムですら時にはスパイダーマンの味方になったり、勝利メッセージの内容から根っからの悪役ではないので、ストーリー的には「ヒーロー同士で戦っているだけ」とすら思えてくる。
      • 後述通り、原作「オンスロート」ではDr.ドゥームが活躍していたものの未参戦。
      • スペシャルパートナーを含めてもMARVEL側のヴィランはマグニートー・ジャガーノート・センチネルのみ。CAPCOM側も主人公・ヒロインなどが多く、原作での敵キャラは東風とデビロット一味くらい(ライバルポジションの東風はともかく、デビロット一味はかなりコメディ色が強いが)。
  • かなりの高火力ゲームであること。
    • 全体的に前作よりもすべての攻撃の火力が上がっており、数段のコンボを入れるだけで大きく体力を奪える。
    • 必殺技のケズリダメージも大きく、ハイパーコンボを絡めるとガードしただけで1割~2割と体力を削られてしまうことも。
    • その上、本作はヴァイタルソースとして残る赤ゲージが短めで、交代をして粘っても劇的な回復が望めない場合が多い。
    • 1試合にかかる時間は必然的に短く、たとえCPU戦で長引かせて遊んでも、コストパフォーマンスは良くない。ましてガチ対戦などやろうものなら、1ミスで1キャラがやられてしまうことも珍しくない。

問題点

  • 相変わらずのキャラ間のバランス
    • 特に強いと言われるキャラはストライダー飛竜に、ウルヴァリン、ウォーマシン、HAウォーマシン、ハイスピードベノム。飛竜以外はいつもの如くMARVEL側のキャラが強力。
    • そして弱いキャラはとことん弱い。ザンギエフやMSH性能ハルクは飛び道具キャラにはとことん相性が悪く、ロールは単発のダメージが低く、コンボも伸びない。
    • スペシャルパートナーは多様性を打ち出したがために、強力なものから使いにくいものまで様々。
      • 評価が高いのはコロッサス。防御にもコンボにも扱える万能キャラで、使用回数も5回と多い。大方のコンボ動画でも、ヒットした相手を画面端まで運搬してはプレイヤーの裏周り追撃~再度発動で往復を繰り返すのが最早お馴染みの光景。その性能の高さと延々と続く運搬コンボに付けられた異名は生かさずコロッサス。これ以上に的確な通称があるだろうか…
      • 突進力のサイロック、画面制圧性能の高いアイスマンと超戦士、攻めの起点として使いやすく回数の多いルー&アカビー/アーサー、9回も使える東風、上記飛竜との組み合わせでは、範囲が激狭ながらガード不能であるデビロット姫の評価が高い。
      • 逆に弱アシストと言われるのがサキ。ランダムで引いてしまう場合ならともかく、自ら選ぶ必要ははっきり言って無い。
    • 当然のようにバグを利用した永久コンボも健在。
      • 例えば、ウルヴァリンの屈伸バグを使ったコンボ。また、ガンビットの弱P弱Kコンボ。
  • ヴァリアブルクロス中に出せない技・ハイパーコンボが存在する。
    • ウォーマシンの飛行、飛竜の壁張り付き、春麗の七星閃空脚、ジンのブロディアバルカン、各種LV3ハイパーコンボが該当。
      • ウォーマシンは本作唯一の飛行持ちキャラだが、ただでさえ基本性能が高いのに加えてお手軽中下段のオンパレードを著しく促進するためか。飛竜の壁張り付きは画面端の区分が控えキャラの動き次第で無くなりおかしな位置になる事、春麗とジンのハイパーコンボはおそらくヒット時の演出による処理が問題になるためかと思われる。LV3ハイパーコンボに至っては出せたとしたら既に崩壊しているバランスが更に壊滅してしまうのは容易に想像が付く。
  • クロス中にLV3ハイパーコンボを入力した場合、豪鬼モードのリュウは滅殺豪波動、ザンギエフはファイナルアトミックバスター、モリガンはソウルイレイザーが代わりに発動する。シャドウレディには代わりに対応する技が無く、ファイナルミッションを入力してもスーパージャンプとなる。また、飛竜の壁張り付きはアメノムラクモに取って代わる事となる。

総評

キャラゲー・お祭りゲーとしては高完成度。前作のノリマロのような「浮いた存在」もなくなった。ストライダー飛竜の人気上昇や「スペシャルパートナー」等、後続のゲームに与えた影響も多い。
続編がキャラゲーとしての要素が非常に薄いということもあり「こちらの方が好き」というファンもいる。
しかし日本での「VSシリーズ」の人気はやや陰りが見られ、前作・前々作を超える大ヒットとはならず、知名度も前作・次回作に挟まれて微妙なものである。


移植版

業務用を忠実移植したドリームキャスト版、容量の制限故に劣化が激しいものの家庭用独自にアレンジされたシステムで差別化を図ったプレイステーション版『EX EDITION』、北米版のみで国内配信は無いが、マーヴルスーパーヒーローズとのカップリングで移植されたPSN版及びXBLA版『Origins』が存在する。

  • DC版は業務用の忠実移植に加え、オリジナル要素としてプレイヤー4人でヴァリアブルクロスの2on2ができる「クロスフィーバーモード」を搭載*16
  • PS版については上記に示した通り、前作と同じく『EX EDITION』シリーズとして、シリーズ内でも最も多くのアレンジがかかっている。業務用やDC版とはほぼ別ゲーとなっているため、アレンジ移植版としてこのページでは別モノとして扱い下節で後述する。

余談

  • 企画段階においては本作のラスボスにはかのギャラクタスを出したかったが、マーヴル側の返答は「ヒーローや格闘家とサシで戦って負ける様な規模のキャラではない(直訳)」との事で、没となったらしい。
    • 他にも、ハワード・ザ・ダックも参戦候補に上がっていた事が、サウンドトラックのライナーノーツやPCで開いた際に表示される特別サイトの提示により明らかになっている。シークレットファイルによればハガー市長も上がっていたそうな。
    • 原作「オンスロート」ではDr.ドゥームがそれなりに目立って活動していたが、今作ではMSHでのドットグラフィックがあるにもかかわらず出演は見送りとなった。アイアンマンの事情と同じものかと思われるが、こちらはそういったソースが提示されていないため、詳細は不明。
    • また、ベノムも本来はNGだったのが、何度目かの打ち合わせの際に唐突にOKを貰えたとの事。もしそのまま没になっていたら、マーヴルサイドの人選は全く新キャラがいなかったのか、はたまた別の候補の新キャラが参戦したのか、想像が捗る所である。
      • ちなみに、前作ではマーヴルサイドに新キャラが参戦しなかった。サイクロップスの続投とオメガレッドの復活はそれらの代わりだったのかもしれない。
  • スペシャルパートナーのアーサーは、開発当初プレイヤーキャラクターとして設定されていた。没になった理由は絵的に確立できなかったこと、キャラクター特性がロックマンと全く同じだったためとのこと。
    • ちなみにその後釜に座ったのがジン・サオトメである。曰く「やつならロボットが呼べる筈だ!」との事。今回ロボット関連のキャラやたら多いな。
  • 今作以降もシリーズを通して唯一の皆勤賞であったウルヴァリンは、最新作『INFINITE』においてシリーズ初のプレイアブル選考外となった*17
  • そのウルヴァリンに関するゲーム内での相関図において、前作・前々作では記憶を失っていた過去に豪鬼との関わりを匂わせる描写があったのだが、今作は特に進展はなく、以降の共演作でも結局有耶無耶のまま流れてしまっている*18
  • ナッシュがシャドウとして登場したのは今作が最後であったが、UDONのアメコミ版ストリートファイターでは同様にシャドルーに洗脳されたナッシュが「エージェント・シャドウ」として登場していたり、本編でも『ストリートファイターV』において「謎の組織に蘇生された」という、前作や本作と似たような設定でナッシュが復活している。そちらはVSシリーズオリジナル技であったムーンサルトスラッシュまで実装している。
  • 弱P+弱K同時押しで発動出来る「共通エリアルレイヴ始動」コマンドは今作を最後に、次回作以降は他のシステムの兼ね合いやボタン数の関係で削除された。
  • 今作を皮切りに外部出演が増えたキャラが多い。
    • スペシャルパートナーの項目のCAPCOMサイドの注釈にある様に、今作は過去作からのカプコンキャラの発掘・発展という意味で、のちの様々なタイトルを繋ぐ橋渡し的な役目を果たした名誉あるタイトルと言えよう。
    • 元々有名なモリガンやロックマンはともかくとして、リファインされたストライダー飛竜はその人気から『ストライダー飛竜2』が製作された(実験作として開発側のスタンスはある種の「便利屋」的な扱いであったが…)り、MVC2から3に移るにあたっての新規キャラ軍の中で、アルティメット版で唯一、リストラされたキャラ軍の中から復活を果たしている。2014年2月には、リメイク版の本家新規タイトルも発売された。
    • 今ではすっかり暑苦しいキャラが定着したジンも、同じロボット格闘モノとしてDC版超鋼戦記キカイオーにゲスト参戦している。残念ながら独自のストーリーは持たないが、ドスの効いたトーンで「フルメタルチャージ!」「ブロディアキーック!」「プラネットスマッシャー!!」と迫力のある叫びを聴かせてくれる。
    • 意外にもキャプテンコマンドーは、『ナムカプ』や『プロジェクト クロスゾーン』に出演した以外ではネオジオポケットの『カードファイターズ』でのカード起用や、『UMVC3』におけるヒーロー&ヘラルドモードのカード位しか目立った登場は無かった。
    • 春麗・モリガンのコンパチ隠しキャラのシャドウレディやリリス風モリガンが『DS版カードファイターズ』においてカード化されている。
    • PSアーカイブスにおいて、『ロックマンシリーズ』『ヴァンパイアセイヴァー EXエディション』『サイバーボッツ』『ストライダー飛竜1&2』など、このゲームの新規キャラが出演しているオリジナルタイトルが配信中。また、2018年冬に発売した『カプコン ベルトアクションコレクション』には『キャプテンコマンドー』及びサイバーボッツの前身である『パワード ギア』が収録されている。本作を通じてカプコンのゲームに興味が湧いたなら、これらの原作に触れてみるのもいいだろう。
      • ちなみにキャプテンコマンドーに至っては単体タイトルでのPS版も存在するのだが、発売を担当したのがカプコンではない別会社であり、上記『カプコン ベルトアクション コレクション』の発売も手伝って、今後これらのPSアーカイブのラインナップの中にカプコンのタイトルとして加わる予定は無いと思われる。一応はBGM等に独自の差別化要素があり、PS版以外にもSFC版が発売されているので、中古ショップなどで見かけたら手に取ってみてはいかがだろうか。

MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES EX EDITION

【まーぶる ばーさす かぷこん くらっしゅ おぶ すーぱーひーろーず えっくす えでぃしょん】

ジャンル 格闘アクション
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売・開発元 カプコン
発売日 1999年11月11日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人~2人
セーブデータ 1ブロック使用
判定 スルメゲー
ポイント シリーズ伝統の交代不能&ハイパーキャンセル
パートナーヒーローズorスペシャルヒーローズに分けられた事で根本から別ゲー化
様々なシステムの制限を取り除いた結果、対戦バランスが逆に向上


対戦相手の幻影(シャドゥ)を味方に付けろ!



概要(EX)

ドリームキャストへの移植から8ヶ月後、プレイステーション向けにリリースされたアレンジ移植版。特徴は以下の通り。


変更点(EX)

  • 容量不足を補うべく、前作と同じように交代無しのラウンド制になっており、EXエディションシリーズ恒例のハイパーキャンセルも搭載。パートナーとして通常のキャラを選択する「パートナーヒーローズ」かスペシャルパートナーを1人だけ選ぶ「スペシャルヒーローズ」からどちらかのモードを選ぶ方式となり、業務用やDC版とは根本から別の仕様となった。
    • パートナーヒーローズを選択すると、ヴァリアブルカウンター、ヴァリアブルコンビネーション、ヴァリアブルクロスが使用可能。ヴァリアブルクロスは控えキャラでなく、相手と同じキャラを操作するというものにアレンジされた。なお当然ながら原作に無かったヴァリアブルアシストは本作でも使用できない。
      • 今作でのハイパーキャンセルは、ハイパーコンボ>別のハイパーコンボというルートでのキャンセルはコンボとして繋がらなかったり、持続部分の前半部分しか当たらなかったりと、前作に比べて非常に安定せず恩恵を受けていないキャラも多い。その分、必殺技>HCのキャンセルやHC>ヴァリアブルコンビネーションのキャンセルが生きる形となっているが、隙の軽減はともかくコンボとして使う事を考慮すれば、ベノム、ザンギエフ、飛竜などはほとんど利点が存在していない有様。
      • クロスに関しては容量上の限界故に搭載出来なかった可能性も十分にあった事を考えれば、制限があっても「相手毎にコンボレシピを変える必要がある」という独自の面白い仕様に生まれ変わって実装された事を素直に評価すべきだろう。特にモードチェンジを積極的に使うCPUリュウ相手の場合、Vクロスでリュウを呼び出そうとしたら直前にCPU側がモードチェンジを発動し、想定外のケンモードを呼び出すハメになったなど、「相手と同じキャラ」である仕様が大きな影響を受ける事もある。「対戦相手の幻影(シャドゥ)を味方に付けろ!」のキャッチコピーは伊達じゃない*19
    • スペシャルヒーローズでのパートナー選択はルーレットでなく任意セレクトな上に、回数無制限で好きなだけアシストを呼べる。こんな仕様ともあれば突進系パートナーに歯止めが利かなくなるのは当然で、「強力だが回数が少なくて使いづらい」といわれていたジャガーノートやセンチネルが最強のアシストとして君臨、逆に威力は低いが回数と使い勝手が強みのアシスト(サイクロップス、東風等)は相対的に地位が落ちた。せめてゲージ消費で回復位に止められなかったのだろうか…
      • ヴァリアブルカウンターに該当する「スペシャルカウンター」が使用可能。ガード硬直をキャンセルしてスペシャルパートナーを発動する。それだけでも発動ポーズの硬直が無い分強力であるのに、後述の仕様と合わせて地上での待ち戦法が露骨に強化されてしまった。
      • そして、ヴァリアブルクロスの擬似的な再現とも言える「スペシャルハイパーコンボ」という完全家庭用オリジナルシステムも実装された。2ゲージから全ゲージ消費、発動中はスペシャルパートナーが自動的に無限発動+ハイパーコンボ&ハイパーキャンセル無制限発動可能という、ゴリ押しに拍車をかけまくるモードである。おかげで大半の突進系アシストや画面制圧力に長けたアイスマン、名無しの超戦士などがますます自重しなくなってしまった上に、さらに「ゲージの都合上、キャンセル出来るのは最大2回まで」というハイパーキャンセルの制限が取り払われた事で、延々とHC>HC>HC>HC…という無限ハイパーキャンセル連携が可能となっている*20
  • EX EDITIONシリーズ共通の仕様として、HCゲージの蓄積割合が異様に高い。
    • 具体的に言うと、名無しの超戦士のアシストなどの7ヒット以上の飛び道具1回でゲージがまるまる1本溜まる。さらに、ヒット時よりガードさせた際の方が蓄積割合が多いので、防戦に徹しているとあっという間にゲージを溜められてしまう。そこからの無責任発動ヴァリアブルクロスでの全画面方位飛び道具系HC連発は、まさしく数の暴力である。
  • また、前作の『マヴスト』からEX EDITION独自の引き継ぎとして、ヴァリアブルカウンターがゲージ消費無しで無制限に発動可能という狂った仕様も搭載されている。スペシャルヒーローズにおいても同様で、スペシャルカウンターにゲージを消費することはない。
    • この仕様によってチェーンコンボやスペシャルハイパーコンボによるパワープレイを押し付ける固めから地上ガード中であれば簡単に反撃出来る様になった事で、相対的にザンギエフやジンなどの弱キャラが強化された。加えて空中に逃げるよりも地上でガードした方が反撃に転じやすくなるという逆転現象が起きた事で、対戦バランスは世紀末レベルのアッパー調整的な意味で結果的に向上する事となった。まぁそうでもしなければアシストが無限に使えるスペシャルヒーローズ一択だから…
    • ヴァリアブルカウンターの性能でパートナーを選択するという明確なタッグ選考基準も生まれた。特にハルクやハイスピードベノムのカウンターは非常に強力で、カウンターのためだけの起用という選択肢も十分にありうる。カウンター後はメインでの操作キャラで追撃が可能なので、反撃からのコンボを狙うという目的で起用する、或いは飛び道具系のカウンターを持つキャラを遠距離からの反撃&攻めの拠点として使うなど、カウンターを絡めた戦術のバリエーションは豊富に存在する。
    • 対戦中の交代は不可能だが、パートナーヒーローズに限り先発交代(VS画面でP×3を維持、本作では実質主従交代)が可能な事から、EXエディションでのカウンターの仕様を熟知しているプレイヤーにとっては先発交代によるキャラ毎のカウンター性能差によって戦術を変える必要があるという読み合い、いわゆるラウンド0が生まれる事となった。ゲージ消費が無くなっただけで、ここまで戦術のバリエーションが増えるというのもそうそう無い話である。この仕様変更により、対戦バランスがまったく異なったものに変化している。
    • 両カウンターは共通してボタン1つで発動可能なので、PS純正コントローラーのデフォルト配置では入力が厳しい強P+強Kのみの組み合わせを意識せずとも、簡単に繰り出せる。業務用・DC版ではヴァリアブルアタックの暴発の危険性も伴っている事を踏まえれば、交代が削除されているEX EDITIONには必要のないボタン入力だったという事だろう。同様に、ヴァリアブルコンビネーションやクロスもボタン縦押しの組み合わせならば、弱中強どの組合せでも発動可能となっている。
    • 元々オリジナルと比較して交代出来ないという制限がある反動で、色々なシステムの制限を取り払う事で家庭用独自の「面白さ」を追求する方向にシフトした事は、開発側の精一杯の商品価値の掘り下げである。現に、交代出来ないという仕様には、先発交代によって相手側のVクロスで呼び出すキャラクターを変更させるという大きな影響をもたらしている。交代が出来ない事が不評点としてよく挙げられるEX EDITIONシリーズだが、その仕様はEX EDITION VS.シリーズ3部作最終タイトルとなる本作特有の戦略として確実に機能しているのである。「劣化移植」としての認識は間違いではない。しかし、「アレンジ移植」としての仕様を把握していくと、本作でしか味わう事が出来ない様々な要素が存在するのだ。
  • アーケードの2vs2を出来る限り再現した「クロスオーバーモード」もあるが、前作までのEX EDITION同様ミラーマッチしか遊べない。
    • また、今作では対コンピュータ戦も1戦のみとなった。
  • PS版オリジナルの隠しキャラクターとして「マグネティックロックマン」が追加された。バトルモードをロックマンでクリアすると使用可能になる。
    • 元々はロックマンのEDにて原作の「倒したボスの技が使える」をそのまま再現してマグネティックショックウェーブを修得するという演出があり、それを受けてPS版で実際に使えるようになった。
      • ……のはいいが、威力がやけに低い(本家のショックウェーブやガンマウェイブ、デスバイト同様、画面端に近い距離で出すと更に威力が下がる)、ハイパーキャンセルに組み込んでもほとんど後続に繋がらないなど、ぶっちゃけ性能は良くない。同じハイパーコンボの「ハイパーロックマン」と比較しても、発生が早い事と対空に使いやすい事位しか利点がない。
    • その他の性能は通常のロックマンと完全に同一。上記のように追加技があまり役に立たない性能のため、通常版とほぼ大差ない性能である。
    • なお、エンディングでは武器取得時にマグニートーっぽいカラーに変色していたが、実際にはこのカラーは使用できず通常版と同じカラーになる。残念。
  • 上記の他、隠しコマンドでリュウを最初からケンor豪鬼モードにしたり、ザンギエフを最初からメカザンギにすることも可能。
    • 初期状態が異なるのみで、通常通り変身系ハイパーコンボで元の姿に戻ることができる。ゲージ消費無しでいきなり使えるのが利点だが、EX EDITIONシリーズ特有のゲージ蓄積割合の多さ故にあまり影響は無い。しかし、先発交代と同時に入力する事で控えキャラを別モードに出来るのは利用価値がある。…と言うか、その同時仕込み入力でないと別モードとなったキャラを控えに回す事が出来ない。
      • 控えキャラの体力の概念が存在しない以上、地上ガード状態であれば何度でも発動出来る出し得のカウンターを出す際、通常のザンギエフとハイパーアーマーが付属したメカザンギエフのどちらを取るか…と問われれば、言わずもがなだろう。
      • 一方、リュウのカウンターはどのモードであろうが波動拳固定なため、こちらは控えに関して特にメリットはない。
    • なお上記のマグネティックロックマンも含め、AC版を再現したクロスオーバーモードではこれらの独自要素は無効となる。
  • エリアルレイヴ中及び投げが成立した場合に限り、画面がズームインして一連動作をクローズアップする「ダイナミックモード」というオプション項目が実装されている。
    • 唐突に画面が巨大化するので追撃やエリアルレイヴの繋ぎのタイミングが非常に狂いやすく、視認性の悪さ故にコンボの安定性とは遠ざかるので、しっかりとエリアルレイヴを練習するには非推奨。趣味の範囲のオマケと言える。
  • 元々の業務用がバグの苗床であるが、EX EDITION版ではキャプテンコマンドーに再現度100%のバグが発覚。
    • その内容は「キャプテンコレダーにハイパーキャンセルを掛けるとコレダーが2ヒットしてダメージが増加する」というもの。これによりEX EDITION版のコマンドーの強さに拍車が掛かる事となった。

総評(EX)

交代出来ない事や動きのパターン削減は確かに劣化である事には間違いないが、それはVS.シリーズのPS版『EX EDITIONシリーズ』においては恒例の仕様でもあり、3作目ともなれば発売前から分かっていた事であろう。
独自のシステムであるハイパーキャンセルやゲージ蓄積割合の増加は純粋に好評であり、進化の方向性として前作『マヴストEX』の時点で「ハイパーキャンセルでヴァリアブルコンビネーションへのキャンセルが可能」「ヴァリアブルカウンターのゲージ消費を削除」といった自由度を増やす方向へとシフトした事は「バランス以前に楽しさを追求した」という意味では確かな意味があったと言える。
今作ではその方向性がますますぶっ飛んでおり、ヴァリアブルクロスの独自仕様は風変わりだがキャラ別でのコンボのバリエーションを覚える必要があるという意味ではマンネリの打破に繋がっているし、スペシャルパートナー関連は特にクソゲーに両足を踏み入れていると言われても否定のしようがない…と思いきや、全キャラが同じ仕様で戦えるため、ビーム系VS重量系などの形式でありがちだった一方的な防戦といった構図に収まらず、カウンターを駆使すれば簡単に切り返す事が可能という風に、対戦バランスの逆転現象が生まれるに至ったのも面白い結果と言えよう。
総じて業務用やDC版とは別モノであるために、『EX EDITION』の独自仕様をゲームセンターで生かすという事は出来ないが、PSというハードの制約の中であらゆる部分を入念に吟味し、徹底的に楽しさを追求する方向のアレンジで完成させたという意味合いは非常に大きい。


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最終更新:2023年02月17日 02:47

*1 マキシマムスパイダーは初段がヒットした位置によっては追撃のロックが外れる事があり、クローラーアサルトは画面端密着状態での強攻撃以外では単体でコンボに組み込めず、ロックしないタイプの技。

*2 とは言え、弱Pの仰け反り時間が増えた事で「密着で弱P>弱ガンマスラム」といったコンボが可能になったり、そもそものチェーンの繋ぎはほぼ屈み中Kで補えるため、そこまで影響があるわけではない。

*3 同キャラの中Pやベノムの弱Kに対する下入力での「レバキャン」はアスペクトの攻略本に記載されているのに対し、この仕様はゲーメストの攻略記事に記載されたのみでアスペクトの攻略本には記載されていない。

*4 最近になってエドワード・ブロックと共生する前のシンビオートがデッドプールと共生していたというエピソード『デッドプール:バック・イン・ブラック』が語られ、厳密に「ヴェノム」を名乗る前の「スパイダーマンを逆恨みする初代の共生関係」ではなかった事になった。

*5 VS.シリーズのラスボスとして唯一、「巨大ボスがアシストキャラを持つ」という類を見ない仕様。

*6 試合開始時とEDにCPS2ドットというレアなグラフィックのショーンが登場する。

*7 前作ではケン→強昇龍拳、豪鬼→弱豪昇龍拳だった。

*8 ダブルラリアットで真上に飛んでいくシュールな技。打撃技なのに回転コマンドとなかなか珍しい技でもある。『スーパーストリートファイターIV』の「ウルトラコンボII」とは別物。

*9 ヴァンパイアシリーズではアナカリスを除いて全キャラ標準仕様。

*10 今作ではヴァリアヴルアシストが存在せず、「とりあえずアシストでコレダーだけ出す」ということは無い。

*11 DXシークレットファイル等の書籍での描写では、相当暑苦しい熱血漢としての扱いもそこそこ見受けられる。「技の名前を叫んで戦う癖がある」という表記もあり、この辺りの原作で描かれていない設定が過剰に取り入れられたのだろうか…。

*12 アマノムラクモ(日本神話に登場する神剣)、エクスカリバー(アーサー王伝説の聖剣)、グラム(北欧神話に登場する神剣)等。

*13 原作での数値設定は、ハルク→225cm、ジャガーノート→208cm。サイズ比率が適当というレベルではない。他にもサイクロップスとベノムが同じ数値(190cm)だったりするのでむしろギャグにすら思える。

*14 CPU戦でシャドウレディ乱入を狙う際には、逆にその回数の少なさに助けられる。

*15 無論ダルシム・ベガ等の例外はいるが。

*16 この「リアルで4人のプレイヤーと入り乱れて戦うタッグ対戦」仕様、格闘ゲームで最初に搭載したのはSNKの『風雲スーパータッグバトル』である。あちらは業務用のスペシャルバージョン限定、こちらはDC版専用と、絶妙に体感する機会に恵まれない残念な事に…

*17 この選考に関してはウルヴァリンは元より、大人の事情によるX-MEN所属のキャラクター全てに言える事だが…

*18 豪鬼は前作において、ウルヴァリンの長年の名前であった「ローガン」名義で彼を呼ぶ描写があるが、当の本人が豪鬼との関わりを末端の部分でしか覚えていない。近年のマーベルコミックス原作で「ジェームズ=ハウレット」という後付けによって新たに付けられた本名が明らかとなったが、続編の2・3で共演した際も、彼らのエンディングや勝利メッセージでの関わりは全く無かった。容量をパンパンにして無理やり詰め込んだ2はともかくとして、3での発展の無さ加減は如何なものか…

*19 オンスロート戦では使用不可。流石にオンスロートをヴァリアブルクロスで使用するなど出来る筈も無かった事は想像に難くないだろう。

*20 例:ケンモードのリュウで(昇竜裂破→疾風迅雷脚)×N、キャプテンアメリカで(ハイパースターズ&ストライプス→ハイパーチャージングスター)×Nを延々空中ガードさせ続ける、ウォーマシンで(プロトンキャノン→ウォーデストロイヤー)×Nで回避場所すら与えずに時間いっぱいまで画面制圧、etc…