ジャック×ダクスター2

【じゃっくんだくすたーつー】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 Sony Computer Entertainment
開発元 Naughty Dog
発売日 2004年3月11日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個
レーティング CERO:全年齢対象
配信 【PS4】2017年12月6日/900円
判定 スルメゲー
賛否両論
ポイント 暴力的だが重厚感のあるストーリー
難易度が前作から大幅に上昇・死に覚えゲー化
ジャック×ダクスターシリーズ*1
1 / 2 / 3 / X / Daxter / エルフとイタチの大冒険
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

多彩なアクションを組み合わせることで、広大な世界を冒険し危険な敵と戦うという内容の『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』の続編となるアクションアドベンチャー。
近作では数多くの新要素、傾向を変えたシナリオが用意されており、より複雑なゲームに仕上がっている。


あらすじ

ゴルとマイアとの決戦の地で見つけた「旧世界の遺産」を故郷に持ち帰り、実験を始めたセイジィとジャック達。
しかしそこに突如謎の異空間と共に化け物が現れ襲いかかってきた為、ジャックは咄嗟に「遺産」を操縦し謎の異空間に突入してしまう。

仲間たちともはぐれ放り出された先は見知らぬ街ヘヴンシティ、ジャックは間もなく囚われの身となり、この街の独裁者バロンによる人間兵器を生み出すための残酷な実験の被験体とされてしまう。
実験は2年にも及んだが失敗となり「処分」される寸前となったところにかつての相棒ダクスターが助けにやってきた。

しかし、ジャックは実験の副作用で性格が変わりダークモンスターに変身できる能力を得てしまった。
独裁者バロンに復讐する為、そして行方不明になった仲間たちを探すため、ジャックはこの荒んだ異世界を冒険する。


システム

  • 基本的な操作方法
    • 前作と基本的な操作方法は同じ。ジャンプ、パンチ、回し蹴り、しゃがみを基調としたコンボの体術で敵を蹴散らしたりする。
  • エコによる強化・体力管理など
    • 体力は前作同様に残機制(最大値:8)で0になると直前のリスタート地点から即座にやり直しになる。敵の攻撃で1~2のダメージを受ける、緑のエコが詰まったライフパックを入手することで2回復できる(最大値を超えた分は切り捨て)ようになる。
    • 青・赤・黄エコを用いたアクションは廃止された。
    • 敵を倒した際にダークエコの粒がドロップするようになった。これらを100個回収すると、ダークジャックに変身して一時的に強化できるようになった(後述)。

新アクション

  • ダークジャック
    • 20秒間に闇のモンスターに変身し、ジャックの身体性能を強化できるようになった。
      • 地上で出すパンチに自動追尾性が付与される。
      • 特定の敵のドロップアイテムを集めることで、ダークジャックの性能を強化できる。敵からのダメージを全く食らわなくなったり、必殺技を習得できたりする(必殺技を使うと変身も強制解除される)。
  • モーフィングガン
    • 銃器を装備できるようになった。
    • ストーリーを進めるごとに散弾銃、遠距離用ライフル、DPSが高いマシンガン、一撃必殺級の電撃銃の4種類が順々に使えるようになる。
    • 銃器を装備していても問題なく体術は繰り出せるだけでなく、銃撃をジャックの体術と組み合わせてコンボ攻撃を繰り出すことも可能。
      • パンチした後に射撃すると、威力の高い追撃を行うことが出来る。回し蹴りをしながら落下し射撃すると乱れうちできる。
  • ジェッドボード
    • 地面や海面を滑るように移動できる。鉄パイプの上をグラインドで滑るなど、ジェットボードでないと進めない箇所がある。
    • ジャンプ中にスピン・宙返りと言ったアクションをきめることで加速させたり、敵に攻撃したりできる。

ストーリー進行

  • ミッション
    • 本作はミッションをクリアすることでシナリオが進む仕組み。ミッションでするべき内容は前作と特に変わらないが難易度は大幅に変わっている。
    • ストーリーミッションは節目となるミッションによる順番縛りこそあるが、基本的に好きなものからこなせる。ただし同時進行はできない。
      • ストーリーミッションを発生させるにはマップに示されるアイコンの所へ行き、イベントを起こす必要がある。ミッションは一度発生させるとクリアするまでリトライが続くため、中断したい時は一旦メニューから「ミッションをあきらめる」必要がある。
    • ミッションの内容は、「敵に倒されずに特定の場所まで進む」「特定の誰かを守りつつ一定時間耐える」「指定された敵を見つけ出して殲滅する」「時間内に特定の作業を終える」「シティ内で開催されるズーマーのレースで優勝する」など多様。
  • やりこみ要素
    • オーブというタマゴ型のアイテムを集めるのがやりこみ要素となっている。
    • ステージに隠されていたり、ストーリーとは関係の無いミッション(バーニングバッシュミッション)をクリアすることで入手できる。
    • バーニングバッシュミッションはストーリーミッションの進捗状況に応じてこなせるようになる。舞台となるシティ各所にあるモニターに話しかけるとで挑戦可能で、基本的に一度クリアすると二度と同じものは受けられない(シナリオをクリアする事とは無関係)。
      • ボリュームは全体的にストーリーミッションよりも低め。時間内に目的地にたどり着くもの、アイテムを回収するもの、ときにはヘヴン・シティ内の危険な敵を殲滅するミッションなど内容は様々。
    • ミッションをクリアするか、ストーリーミッションの場合は発生イベントを起こすことで自動でセーブされる。
    • 今作は持っているオーブ数に応じて特典が解放される。オーブは交換などでなくなったりはせず、モード変換の特典は一度解放したプレイデータ内で好きな時にオンオフが可能。

ステージ

  • ヘヴンシティ
    • 作中では主にシティと呼ばれる。ジャックの復讐対象である独裁者バロンが支配する牢獄のような街。重労働・重税を市民に課しており、クリムゾンガードと呼ばれる武装集団が厳重な警備をしている。
    • 外部勢力「メタル・ヘッド」の侵攻にさらされないように、シティの外郭には巨大な壁が建設されている。
+ ヘブンシティの施設など
  • アラードモード
    • シティ内でジャックが犯罪行為(もしくはそのようにみなされる行為)をするとクリムゾンガードが一斉にジャックに襲い掛かってくる*2。本作を攻略する上での鬼門。
    • アラードモード中は右下のナビマップが赤く点滅する。
    • クリムゾンガードの攻撃にも段階があり、ジャックが下記の行動をし続けると彼らの攻撃も激化していく。
      • 初めは電撃を放つクリムゾンガードしか来ないが、段階が増えると銃撃する者が現れ、さらには乗り物(後述のズーマー等)に乗ったクリムゾンガードも攻撃に加わってくる。こうなると徒歩のジャックは間違いなく死亡する。
    • アラードモード化の原因となるもの一覧 ・同じ市民を2回以上殴る。
      ・シティ内で何度も発砲する。もしくは市民に1回以上銃撃を当てる。
      ・クリムゾンガードや、バロンが構成した兵器を攻撃する。
      ・ダークジャックに変身する。
      ・クリムゾンガードが運転するズーマー等を攻撃したり奪い取る。
      ・ミッションによる強制仕様。
  • 上記の要因のうち特に下2つは初見殺し要素であり、下3つはいきなり激しい攻撃をしかけてくるので質が悪い。
  • 追跡してきているクリムゾンガードを振り切るもしくはヘヴンシティ内の施設に入る、彼らに見られない状態で「壁張り付き」をし「クリムゾンガード全員がジャックを見失う」ことでアラードモードを解除できる。
  • ズーマー
    • 前作で登場した地面や海面スレスレを浮遊して移動する反重力バイク。
    • ヘヴンシティでは公共設備となっていて空をたくさんの数飛びまわっている。一部の例外はあるが誰がどのズーマーに乗っても良い。他人が運転しているものを奪い取っても良い。
      • 大型から小型までバリエーションが存在し、大型になるほど耐久力が高く加速や小回りが利きにくくなる。
    • また2段階の高さ調節ができるようになり、徒歩の市民と運転する市民が棲み分けをなしている。
      • ジャックが搭乗している間は、クリムゾンガードの猛攻の盾となってくれる、一部のミッションではほぼ必須。
      • また一定以上の速度がついている状態のズーマーには攻撃判定がある。高さ調節時の挙動で空中のズーマーに体当たりや、徒歩のクリムゾンガードを轢くことも可能。
    • ターボ機能を搭載し壊れにくく改造されたレース用ズーマーもある。
    • クリムゾンガード専用のズーマーもある。徒歩のジャックを上空から執拗に追い掛け回し銃撃できるほか、ズーマーに搭乗したジャックが高い高度を維持していると体当たりしてくる。
  • ウェイストランド
    • シティの管轄を外れた外の世界。メタルヘッドといったシティを攻撃しようとしている敵勢力が住み着いている。
    • ここではクリムゾンガードからの攻撃を受けるケースは少ない。
    • ストーリーミッションに応じて、ちょくちょく出向くことになる。
  • その他
    • ステージの拡大に合わせて、本格的なマップ機能が導入された。
    • 前作で隠しコマンド扱いだった音声字幕変換*3がメニューから好きな時に行えるようになった。
    • 前作とは異なり、イベントムービー中にスタートボタンを押すとシーンスキップ、四角ボタンを押すと字幕のオンオフ、セレクトボタンでポーズが出来るようになった。

評価点

  • アクションとしての作り込みはかなり高精度
    • 攻撃によるダメージ量および当たり判定、ノックバック判定は細かく設計されている。
    • ジャックの攻撃手段にもダメージが大きい物から小さいものまでの差がある。
    • また敵の殆どがワンパン出来ないようになった、銃弾を80発ほど撃ち込まないと倒れないような非常に体力が高い敵も存在する。前作にはあったジャックの攻撃後の硬直も解除されたので多彩なコンボを叩き込めるようになった。
      • 今作から使えるようになったモーフィングガンを用いたコンボも存在する。
      • パンチの後に発砲すれば連射になったり、回し蹴りで落下しながら発射すれば乱れ撃ちになる。前者は狙撃用の銃で行えば強力な単体攻撃になる。
    • ズーマー類が受けるダメージ管理は緻密であり、ダメージを与えた手段や受けた部位に応じて機体のポリゴンモデルがかなりリアルかつバリエーションに富んだ破損をする。
    • ヘヴンシティのカーチェイスや競技レース、通常の攻撃アクションとは異なる操作に関しても高い質を要求している。
      • もちろん競技レースで無謀な運転をすればズーマーは大破することに。
    • ズーマーそのものも攻撃手段になる。具体的には一定速度以上に加速したズーマーにはダメージとノックバック判定があり、高度調節の挙動もこれに該当するので体当たりや轢きつぶし攻撃に使える。また速度には相対速度が考慮されるので、スピードを上げたズーマーが正面衝突すればその分互いが受けるダメージも大きくなる。
  • 挙動の軽さ、快適性
    • イベント時に見られる登場人物の表情が自然で豊富。
    • 広大なマップを用意した本作だが、ロード時間がきわめて短い。ロードを必要とするのはヘヴンシティの外の世界に出る時のみ。
      • その際も画面暗転などは無しでジャックも自由に操作できる。
    • ミッションを失敗した際のリスタートロードが非常に速い。
  • 特典内容
    • ゲーム内の様々な時期で寄り道は可能だが、基本的に一本道のシナリオであることを考慮して、プレイヤーが好きなイベントをもう一度見たり、好きだったミッションを始めることが出来る。このプレイデータをセーブすることも可能。
      • ただし特典解放にはオーブを一定数集める必要があるほか、ダークジャックの強化はなし、持っているオーブの数は0という状態でスタートする。
    • 美術設定の案画を閲覧できるスクラップブックというコーナーもある。
    • シナリオクリア後(ヒーローモードはその限りではない)に「ダークジャック無制限」「弾薬無制限」「無敵」というモードも解放される。
      • 特に意味がある行為でもないが、シナリオで散々ひどい目に遭わされたクリムゾンガードに仕返しするというプレイも可能。
  • やりこみ要素の多さ
    • オーブの入手元であるB.B.ミッションは簡単な物から鬼畜難易度のものまで様々、内容も多様
    • ジャックの銃器やジェッドボードはハイスコアを出すとオーブがもらえるほか、オプションでいつでも記録が見られるので、突き詰めたプレイングにも対応している。
    • シナリオ以外は基本的に自由度が高いので、GTAシリーズに見られるようなプレイヤー独自が見出したやりこみ要素もある。

賛否両論点

  • シナリオの方向性変化
    • あらすじにもあるように、本作の導入部分は生物兵器に改造された主人公が改造した本人に復讐するという物。ゲーム内容も基本的にクライムアクションというシフトチェンジを行った。
    • 前作のようなゆるい雰囲気を期待すると、後述の大幅に上昇した難易度も相まって大きなショックを受けることになる。
      • しかしこのようなシナリオの方向性変化に対してゲーム内できちんと正当な理由説明がなされており、シナリオの完成度の観点のみを見るならば前作よりも重厚感が増して大幅に見ごたえがある物に。
    • この路線変換に対応させるため、主人公ジャックの性格も大幅に変わっている。
    • バロンによる人体実験の末、前作では内気で全く喋らなかったジャックがワイルドで情熱的な性格になる(悪く言えば短気)。
  • 終盤の展開について
    + ネタバレ
  • 終盤、シティの征服を目論むメタルヘッドの介入によってバロンは殺害され、彼との決着が呆気なく終わる。
    • 大部分のシナリオにおいてヘヴンシティの人間を散々苦しめたうえ、ジャックの仇敵でもある彼を止めるというゲーム当初の目的に集中しすぎると肩透かしを食らう。
    • バロンの非道の理由が特に説明されていないので、彼の最期の言葉やイベントの言動も考慮すると、「今までずっとこのメタルヘッドから民を守るために残虐な独裁政治を行っていた」という解釈もできてしまうので、腑に落ちないプレイヤーもいるだろう。
    • ただしメタルヘッドは本編でもかなり早い段階から登場しているので超展開でもなく、話の整合性が損なわれているわけではない。むしろ話を〆る形としては古今東西のゲームの中では自然な方。
  • エピローグを迎えても物騒な警備体制は健在であり、このことは公式の攻略本からもツッコミを入れられている。もっともこの警備体制が無いと主に「B.B.ミッション」の難易度が激減したり、そもそも成立しなくなったりするのだが。
    • 前作のプリカーソル文明は本作でも登場するのだが、時折話題に上るだけでその本質に触れることはない。
      • プロローグでなぜセイジィがこのプリカーソルの遺産で実験を試みたのかという疑問が残る。これは前作の知識だけでは説明できない。
      • 終盤の展開からセイジィは多少未来で起こる事の予測がつくようにはなっているのだが、なりゆきで冒険して世界を救った前作とこの設定にかみ合わない部分がある。
        • やはり前作の設定を多少は知っていないとエピローグの展開のカラクリについて行くことが第一となってしまうので、展開に対する感動や反応が薄くなりがち。
  • BGM
    • BGMそのものは前作よりもバリエーションが減ったのは事実であり、聞きごたえが落ちたとする意見も。
    • ジャックが徒歩の状態、乗り物に搭乗している状態、敵に襲われている状態に応じてBGMのアレンジが変わり臨場感を高めてはいる。
    • 魅力的なBGMもいくつかあるが、本作はシナリオの暗さも影響してどこか物悲しいBGMが多いのも特徴。
  • 前作の冒険要素が低い
    • 自由度が前作に比べるとあまり高くない。ミッションも大まかな順番が決定されていて、特に序盤はヘブンシティの行ける範囲も狭い事からやれることが非常に限られている。
    • ステージが自然に溢れた前作に対して、今作は人工的で殺風景なステージが多い。
  • クライムアクションとアクションの折衷
    • 低年齢層にも発売できるようにしたため、シナリオには明確に「死亡」という概念は登場するもののグロシーンや演出は一切カットされている。
    • ジャックの攻撃で民間人は絶対に殺せないのは子供向けのアクションゲームとしては評価点でもあるのだが、GTAなどの本場のクライムアクションを期待した人からは物足りないという意見もある。
  • ヒーローモードの難易度調整
  • 特典に「敵の体力が2倍となり攻撃ではジャックの体力を必ず2マス削る」というヒーローモードがあるが、この敵強化はヘヴンシティの外のみである。
    • ヘヴンシティ内の敵は嫌というほど通常モードの壁として立ちはだかっており、彼らまで強化するとゲームバランスがおかしくなると判断された可能性もある。
    • しかしこのゲームをやりこんだプレイヤーからすれば物足りなかったのではないかという意見が強い。
      • 逆に「ドリルプラッツ」で自動砲台に乗りエコタンカーを迎撃するというミッションは本ゲーム中でも屈指の難関。
  • 非常に高い難易度
    • アクションゲームに精通しているプレイヤーにとっても難易度が高い物となっており、ミッションで詰んでしまいシナリオを先に進められなくなる事もしばしば。
    • 本作から加わったアクション要素も多いので、基本的な動作が主だった前作をながら作業でもクリアできるぐらいの技術があっても良いほど、それぐらいに難易度は高い。
    • もっともこの難易度は敵の能力や配置が(一部例外はあるが)根本から極端なことが原因ではなく、本作独自のゲームシステムによるものが大半である。
+ 高難易度の要因となるもの
  • ヘヴンシティに馴染むまでが本作の大幅なウェイトを占める。 ・時間制限のあるミッションが多い
    • ミッションを受諾していない時の自由度自体は高いが、時間制限のあるミッションが多くかなり焦ることに。
    • 内容は時間以内にアイテムを回収しきる、特定の範囲から脱出する、敵を倒すなどがあるが、その設定時間はかなり厳しめにされている。 ・広く迷うマップ
    • ヘヴンシティのマップは非常に広く、中には制作陣が意図的に迷いやすくしたような構造もある。
      • ゲーム画面右下にはジャック周辺を記したナビマップがあり、目的となる対象もちゃんと表記されるので迷って詰む事はない、開始時からどこへでも行けるわけではなくイベントによって行ける場所が増える方式をとっているなどの配慮はある。
      • 全くマップが無かった前作からすれば大幅に改善した点ともいえるが。
      • しかし、制限時間が課せられたミッションではプレイヤーが焦ることが多いので、いちいちマップを見ている余裕が無いため、地形を覚えているか否かで難易度が大幅に変化する。 ・カーチェイス技術が必要
    • ジャックの立場上、ヘヴンシティ内のミッションでは頻繁にクリムゾンガードの追跡と銃撃の雨に見舞われることになる。
      • この手のミッションではシティ内のズーマーに乗って走り回るスタイルが基本となる。機体も銃撃を受け続けると壊れてしまうので、他人からズーマーを奪ってでも適切なタイミングで素早く機体を乗り換える技術は必須。
      • その他にもクリムゾンガードが操縦する小型機械の正面からの文字通り「特攻」を食らうと機体が連鎖爆発してダメージを受けてしまうので運転には工夫が必要。 ・ヘヴンシティに回復アイテムがない
    • 入手の為にはヘヴンシティ外の世界に出るか、内部にある監獄用の施設に入らなくてはならない。単に回復したいだけならむしろリロードするか死んだ方が早い。
    • 戦闘手段を持たない一般市民はともかく、主人公のジャックにとってはむしろ外のミッションの方が気楽だったりする。 ・多彩なアクション
    • 出来るアクションの選択肢が非常に多い。
      • 同じボタン入力でも、ジャックが置かれている状況(何かに搭乗しているか、銃を装備しているか、ダークジャックに変身しているかなど)で意味が変わってしまう。 ・ミッション中のチェックポイントの少なさ
    • 1つ1つのミッションは途中で失敗すると最初からやり直しとなる例が多い。
    • ヘヴンシティを舞台にしたミッションはほぼすべてがこれに該当し、外でのミッションもよほどマップが広くない限りリスタート地点がない。
  • システムに慣れるまで
    • 上述のように本作は操作方法を最低限説明し、プレイヤーに何度も失敗して覚えさせて攻略法を編み出させるスタイルをとっている。
      • 基本アクションも最初のミッションで一通り提示するだけでおさらいするモードがないので、前作未経験者にとって慣れるまでのハードルが特に高い。
    • ヘヴンシティの広大なマップと警備体制に馴染むまでに相当な時間がかかる。特にアラードモードになる条件も特に説明されないので、慣れないうちはなぜ彼らに殺されたのか全く分からない状況もありうる。
    • 失敗条件がいまいち分かりにくいミッション*4もある。
    • ただしゲーム中のキャラや敵の挙動にヒントがあることも少なくないので、単純に制作陣の説明不足というよりは、何度も失敗をさせプレイヤー自身に攻略法を見出させるスタイルに徹した結果だと考えられる。
      • しかしそれでも攻略のためのヒントを閲覧できる仕様が無いため不便とする声もある。
    • 逆に、この難しいシステムをひととおり理解することができれば、本来の精巧に作られたアクションゲームとしての魅力を存分に堪能できるだろう。

問題点

  • ムービースキップについて
    • ムービースキップ機能はあるものの、それをするための手段について説明されていない。
    • 難易度が高く、幾度ものリトライが想定されるミッションもある中上記の手段を知らないと何度もムービーを見ることに。
  • 移動手段の制限、不親切な地図情報
    • 難易度とは別にヘヴンシティ内をワープで移動する手段がないので、不便とする声もある。
    • 地図を見ても地名を教えてくれるわけではなく、ミッションとは無関係な理由でプレイヤーが行きたい場所を登録するようなブックマーク機能もない。
    • ミッションが多彩だとはいえ、それ以外にすることはないので残念とする意見もある。これは前作にも該当する事項ではあるが、人によってはこの移動に飽きが来る。
      • 場所にもよるが、地上には大量の民間人が歩き空中には大量のズーマーも飛び回っていることもあるので単純に移動そのものがしづらいことも難点。ジェッドボードで下手に衝突すればアラードモードになってしまう。
      • セーブデータはセーブした場所も反映し、ロード時にはセーブ場所から最も近いリスタート地点からスタートとなる。ヘヴンシティにはこのリスタート地点が多いのでその点は便利。

総評

シリーズものとして考慮した時の前作とのギャップはあまりにも大きく、シナリオや世界観のダーク化だけでなく前作のような自由な冒険ができなくなった一方でストーリーに重厚感が加わったため、継続層の評価は大きく分断する結果となった。
本ゲーム単品で考慮しても、仕様説明が最低限で複雑な操作法を要求するという非常に高い難易度を備えており、初期はまともにプレイすることも困難である。

決して調整が悪い類ではなく非常によく作りこまれているアクションゲームなのだが、このプレイヤーに覚えさせるスタイルを不便に思うプレイヤーも存在する。
さらに、暴力系ダークファンタジーを素材としながら広い層へと売り出してもいるので、純粋なアクションゲームのファンとクライムアクションゲームのファンからどっちつかずという烙印を押されることもある。


余談

  • ゲーム性を物語ったものではあるのだがパッケージが非常に不気味であり、シリーズ未経験者が手を付けるにはやはりハードルが高かった。そもそも前作ほど宣伝されておらず、続編が出ていたことすら知らなかった人も少なくない。
    • 実際日本国内での売り上げはシナリオの路線変更の影響もあってかあまり芳しくなかったらしく、日本でのシリーズ作品は後にPSPで『ジャック×ダクスター ~エルフとイタチの大冒険~』が出るまで、5年半以上の長い沈黙を強いられる事となった。
  • 本場のアメリカでは高い人気を誇っており、続編の『Jak 3』の他レースゲームも制作された。続編のシナリオも本作の雰囲気を受け継いでいる。
    • なお日本でも、全編英語ではあるものの前作と今作そして『Jak 3』の3作をまとめたソフトが販売されている。
  • 北米版ではヘヴンシティにいる民間人はジャックの攻撃でも死んでしまうが、日本に売り出す際に日本の志向を考えてNaughty Dogがジャックの攻撃では絶対に死なないよう変更した。
    • なお、北米版のESRBレーティングはT(13歳以上対象)となっている。

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最終更新:2024年04月13日 00:01

*1 『3』『X』『Daxter』は国内未発売、『エルフとイタチの大冒険』はPSP版が日本で発売されている。

*2 口では逮捕と言っているが、投降しようとしても攻撃されるだけである。

*3 英語・日本語・韓国語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語の7か国語対応。

*4 護衛すべきキャラから離れすぎると問答無用で失敗になる、特定のズーマーを破壊される等。