マリオ&ルイージRPG

【まりおあんどるいーじあーるぴーじー】

ジャンル ブラザーアクションRPG

対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 アルファドリーム
発売日 2003年11月21日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 【GBA】1人(マリオブラザーズは1~4人)
【WiiU】1人
セーブデータ 3個(EEPROM)
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
周辺機器 GBA専用通信ケーブル対応
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2014年4月30日/702円(税8%込)
判定 良作
ポイント ターン制だがアクション性の色濃いRPG
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

スーパーマリオRPG』『マリオストーリー』に続くRPGマリオシリーズの第三弾にして、「マリオ&ルイージRPGシリーズ」の第一作。
マリオ単独で冒険に出ていたそれまでのシリーズと異なり、緑の弟ことルイージが冒険に同行し、兄弟の力を合わせた様々なアクションを駆使して進んでいくのが大きな特徴となっている。

本作の開発を担当したアルファドリームは、かつて『スーパーマリオRPG』のディレクターだった藤岡千尋を始め元スクウェアのスタッフを中心に構成されている。
BGMも『スーパーマリオRPG』と同じく下村陽子氏が担当 *1 。後のマリルイシリーズでも彼女が引き続き音楽を担当する事になる。


ストーリー

ある日、マメーリア王国からの親善大使と名乗る人物がピーチ姫に謁見を求めてくる。
しかしそれは悪しき魔女ゲラゲモーナの罠であり、ピーチ姫は声を奪われ、出す声すべてが周囲を破壊するバクダン声になってしまった。
ピーチ姫の声を取り戻すためにお馴染みヒーローのマリオ、留守番を決め込むもののひょんな事から無理やり同行するハメになったルイージ、
そしてバクダン声ではさらう事もかなわぬと憤慨するクッパは、共にゲラゲモーナを追ってマメーリア王国へと向かう。


特徴

このシリーズでは、AボタンとBボタンの二つがそれぞれマリオとルイージのどちらかに対応するボタンとなり、その組み合わせで二人の協力技「ブラザーアクション」を繰り出すことが出来る。
これを使いこなし、「兄弟で力を合わせて進む」という独自性が本作のゲーム性の中核を担っている。

  • 単体で行えるアクションは、ジャンプ、ハンマー、ハンド(マリオはファイア、ルイージはサンダー)の3つだが、ブラザーアクションとしてマップ攻略用・バトル用の必殺技と言った多くの派生技が存在する。
    • マップ攻略に使うブラザーアクションはBボタンで始動するが、マリオとルイージのどちらが先頭になっているかで使えるものが異なる。STARTボタンで順番を入れ替えられるようになっており、謎解きではどのアクションを使うべきかを適宜、考える必要がある。
  • バトルではマリオはAボタン、ルイージはBボタンに必ず割り当てられ、攻撃時にタイミングよくボタンを押すことで本来の威力を引き出せる。
    • バトル中にBP(ブラザーポイント)を消費し、大ダメージを狙える様々な「ブラザーアタック」を放つことができる。なお、これもコマンド入力に失敗すると威力が弱くなってしまう(通常攻撃同様、入力ミス時のリアクションも面白いので一見の価値あり)
      • ブラザーアタックは使用する時にアクションのレベルを設定出来る。レベルが低いとBPの消費は大きいが、対応ボタンの表示やスローモーションが発生するので、アクションを成功させやすくなる。
        逆にレベルが高いと指示やスローモーションはなくなるが、BPの消費が減り攻撃力も高くなる。プレイヤーの熟練次第でダメージ効率を上げられるアクションRPGらしいシステムとなっている。
    • 何度もブラザーアタックを使っていると戦闘中に「アドバンスコマンド」を閃き、閃いた直後から使用可能になる。
      • コマンド入力時の特定のタイミングで違うボタンを入力することで追加効果を持った別の技に派生するというもので、あえてコマンド入力の派生を無視して元のブラザーアタックを使用することも可能。一部のアクションは攻撃範囲などが変わるため、意図的な使い分けも選択肢の内である。

進化したアクションコマンドバトル

  • スーパーマリオRPG』や『マリオストーリー』同様、タイミングよくボタンを押すことでダメージ量を増やしたり、ガードできたりするアクションコマンドも勿論健在。
    • 本作では相応に進化しており、通常攻撃だけでなく敵攻撃の回避もジャンプかハンマーで行うようになっている。
      これによって、アクション次第ですべてのダメージを完全に無効化したり、一部の敵の攻撃にはカウンターを決めることもできるようになった。
      • 敵によっては回避・反撃の両方が可能だが、基本的に反撃を狙うとなるとタイミングは少々シビアになる。
        余裕を持って安全に回避するか、更にタイミングを合わせて早期決着を狙うか、という駆け引きが生まれる。
    • また、敵の攻撃には必ず前兆とある程度の法則があり(例:マリオを指差すとマリオを攻撃する、緑色に光るとルイージを攻撃するなど)、その法則をどれだけ早く見つけられるかで戦闘の有利・不利が大きく変わってくる。
    • 後半では、ダミーの動きをする敵やフェイントをかけてくる敵も出てくるため、緊張感のある戦いが繰り広げられる。
  • マリオかルイージのどちらかが戦闘不能になると、生き残った側が倒れた方を背負ってかばいながら戦う。
    • この状態ではブラザーアタックが使えなくなるばかりか、防御・回避・逃走がし難くなるというハンデを背負うことになる。
      • 戦闘不能状態は通常戦闘時であれば終了後にHP1の状態で、ボス戦後であればHP・BP双方が完全回復した状態で復活する。
  • 戦闘から逃げる際はマリオ、ルイージに対応したボタンの規定数連打が必要となり、その際にペナルティとして一定量のコインを失ってしまう。
    • 相手のレベルが高いほど逃げるのに時間がかかり、失うコインの量も多くなる。
  • レベルアップすると、上昇させたい能力を1つ選び、ルーレットで上昇する数値を選ぶことになる。
    • 同じ能力ばかり上げていると、ルーレットに出る数字が小さい数ばかりになってしまうため、よく考えて能力を上げなくてはならない。
    • ステータスのひとつである謎の項目「HIGE」は、そのものずばり、「ヒゲのツヤの度合い」。
      • 戦闘時にラッキークリティカルが出やすくなるという、他のRPGでいう「LUCK(運)」に相当する他、その素敵なHIGEの魅力で店員を魅了し、値引き・高価買取を促すことができるという独自の要素も併せ持つ。

その他の特徴

  • RPGでは珍しく宿屋がなく、回復ポイントがごく一部に限られている。回復は基本的にアイテムによる自給自足になる。
    • 一見不便に思えるかもしれないが、代わりに本シリーズは序盤から回復アイテムが手に入る?ブロックがより大量に設置されている他、敵も結構な確率で回復アイテムをドロップするようになっている。
    • さらに先述通り、アクションの腕次第でノーダメージでラスボスまで戦い切ることすら可能なゲームなので、ダメージを受けすぎなければアイテム不足に陥ることはない。
  • 本作に登場するキャラクターや地形、一部のアイテムの名称は笑い声から付けられているものが多い *2
  • また本作には、これまでの『スーパーマリオアドバンス』シリーズと同様に『マリオブラザーズ』も同時収録している。
    • マリオブラザーズのみ『スーパーマリオアドバンス』シリーズとの互換性があり、各々異なるカセット同士での通信プレイができる。
    • なお『スーパーマリオアドバンス』シリーズ以外のGBA版シリーズ作品で収録されているのは本作のみ。
  • ゲームボーイプレイヤーでプレイすると、オプションでコントローラーに振動機能を付けることができる。

評価点

  • マリオのRPG作品史上初の「マリオとルイージの一緒の冒険」
    • 「マリオは冒険、ルイージは留守番」という今までのマリオのRPG作品のパターンに対し、今作では「マリオとルイージが一緒に冒険」というありそうでなかった冒険が繰り広げられる。
    • 内容もコミカルな描写が多く、楽しんで冒険をすることが出来る。
  • シンプルながらもアクション要素が高く、奥が深い戦闘。
    • 「アクションが得意な人はブラザーアタックのレベルを上げて更に効率よく、苦手な人はレベルを下げる」といったように、アクションが得意なプレイヤーと苦手なプレイヤーへの配慮がされている。
    • 他のマリオRPGシリーズと比べ「体当たりをジャンプでかわして踏みつけ」「相手の弾をハンマーで弾き返す」など防御・回避が視覚的にも非常に分かりやすく、そして効果的。パラメータのバランスもアクションゲームに有りがちなシビアさは程々。
  • 兄弟愛が感じられる細かい描写。
    • 兄弟の協力技であるブラザーアクションがないと進めない箇所が多いのはもちろんだが、戦闘中に片方が戦闘不能になるともう片方が背負いながら戦う、戦闘中にアイテムで戦闘不能を回復してあげると互いにお礼を言い合う、お互い抱き合って再会を喜ぶ等兄弟の仲の良さが細かいところでも描かれている。
    • 公式イラストの一部やステータス画面でお互いをライバル視するかのように押し合っていたり、マリオとルイージの扱いの(ネタ的な意味における)差といった要素はあれど、根底ではやっぱり仲のいい兄弟なのだということをしっかりと感じさせてくれる。
  • グラフィックがよく出来ており、キャラクターがかわいらしく描かれている。マリオとルイージのリアクションも豊富。
    • マリオとルイージはボイスはいくつかあるものの掛け声程度でセリフは一切存在せず、リアクションはジェスチャー、絵文字のみ。
      だが、そのジェスチャーが非常に多彩かつオーバー、さらにコミカルなため台詞なしでも十分伝わってくる。
    • 戦闘のコマンド選択時にBGMに合わせて踊るマリオとルイージなど、多彩でかわいいアクションが多いので見ているだけで面白い。
    • 戦闘では多彩なアクションに成否判定があるという性質上、失敗時のアクションも同様に多い。
      • ハンマーの頭部が取れて棒だけでぶっ叩く・ハンドが暴発して黒コゲになるなど、失敗してもテンポが良く面白いリアクションを楽しめる。
  • キノコ王国とは別の国が冒険の舞台ということで、海外旅行を彷彿とさせる旅情感が強く、インターフェースのデザイン面にも反映されている。
    • 具体的には他のRPGのメニュー画面に相当するのがスーツケース、ステータス確認画面に相当するのがパスポート、といった具合。
    • そして歩き回れるマップもかなり広く、後述のようにあらすじは一本道だが寄り道要素が多く、観光気分はバッチリ味わえること請け合いである。
    • 為替や両替という概念も出てくる。為替の変動幅は常軌を逸しているが…
  • チュートリアルがしっかりと丁寧に行われるため、詰まることが少なく、初心者にも易しい作りになっている。
  • ファンサービスネタがとても多い。
    • 敵キャラとして登場してくる『Dr.MARIO』のウィルス、スーパースコープを装備したキラー、マリオシリーズ過去作のブロックを展示してある場所、『マリオブラザーズ』よろしく左右がループしている戦闘、ミニゲームの案内人として登場する『スーパーマリオRPG』のジーノや、とある場所で登場する『ルイージマンション』のオヤ・マー博士等。
      • なおジーノはスクウェア・エニックスが版権を持っているので、エンディングクレジットでジーノについてのスクエニのコピーライトがある。
    • さらに、『スーパーマリオブラザーズ3』と『スーパーマリオワールド』で中ボスを務めたコクッパ軍団が(セリフは一切無いとは言え)実に数年ぶりにボスキャラとして復活したことも特筆すべきだろう。 *3
    • 小技の「金的ジャンプ」も「キンタマリオ」のパロディとされている。
  • 下村氏の手によるBGMも良質。
    • 過去作のアレンジももちろん、オリジナルのBGMもコミカルな世界観にマッチしている。

問題点

  • ストーリーは割と短めな上にシナリオは一本道。
    • アイテムが隠されている寄り道スポット自体は存在するが、分岐や隠しダンジョン、ラスボスクリア後の追加要素といったものは無い。アドバンスコマンドを活用できれば20時間ぐらいでクリア可能。
      • 途中進め方が自由になるポイントはあり、またとあるバグを活用すればゲーム展開を無視した進め方も可能だが、正規の手段ではないためフリーズや詰みになる可能性がある。
  • 隠しブロックから出てくるアイテムがウフ豆というアイテムのみ。
    • このウフ豆は隠しブロックを除いてはサーフィンゲームでしか手に入らないため、収集が面倒。その代り、このミニゲーム豆自体は無尽蔵に入手可能なので、そこまで大きな問題ではない。
  • 各種豆で作れるドーピングアイテム
    • 各ドーピングアイテムに使用する豆はどれもミニゲームをクリアする必要があるが無尽蔵に入手可能であり、作れるドーピングアイテムにも使用制限がほとんど無いため、ゲームバランスが崩壊しかねない。
      • ミニゲームが苦手だという人でも、一番使うことになるアハ豆はマメーリア周辺の雑魚敵がドロップするし、デヘ豆もミニゲームのコツを掴めばこれまた大量にGETできる。
    • とはいえ、よほどドーピングしない限りそんな事態は発生し得ないのに加え、この仕様そのものが最強ステータスを目指すやり込み要素としても作用しているため、この辺りはプレイヤーによりけりである。
  • 移動のテンポが若干悪く、各地にある緑色の土管を使っての簡単なワープしか無い。
    • 付け加えるなら全体的にマップが広い上に通常のフィールドを移動するのにもブラザーアクションが必要とされる場所が多い(特にハイジャンプ)為、テンポの悪さにさらに拍車をかけてしまっている。
  • アドバンスコマンドの説明が不足している
    • アドバンスコマンドの分岐の詳細な条件は「コマンド発動中に『!』マークが出たタイミングで、マリオ側のコマンド入力時にはBボタン、ルイージ側のボタン入力時にAボタンを押す」というもの。
      • 分岐と入力ボタンを確認するには1度レベルを最低に下げなくてはならないのだが、上記の入力コマンドのタイミングと押すボタンの件含め、説明書・ゲーム中含めて説明が一切ないのでわかり難い。(公式サイトでもアドバンスコマンドの存在をほのめかす記述があるだけで具体的な解説はない)
  • とあるレギュラーキャラクターの扱いが悪い。
+ ネタバレ注意

悪役でお馴染みのクッパ。今回はRPGのように手伝ってくれると思いきや…。

  1. 序盤で自慢の戦艦カメジェットを敵に破壊された上に、落下先で大砲にハマりそこのボスに辱められた上に金銭せびりのカモにされ、最後には大砲でどこかへ飛ばされる
  2. 記憶喪失になった所を盗賊に利用され、その盗賊のしたっぱとして働く
  3. 記憶を取り戻したと思ったらゲラゲモーナに体を乗っ取られる
  4. 最後はマリオとルイージがゲラゲモーナを倒し、元に戻れたのはいいが気絶したまま放置され、クッパ城の爆発に巻き込まれる
    挙句の果てにEDではプレゼントボックスに入れられてキノコ王国に帰るピーチ姫の飛行機で吊り下げられたまま運ばれ、クッパ城に落される

…と、「こいつが本当にいままでのラスボスかよ!?」と思っても仕方が無いほど扱いが悪い。
クッパに関しては本作がマリオとルイージの二人の冒険がメインとなるため、同行しないこと自体は仕方ないが、 続編『マリオ&ルイージRPG2』では改善されるどころか扱いの悪さが加速していた
また、ルイージも既にいじられキャラが確立されつつあった時期とはいえ、金的、女装、催眠術、挙句の果てにハンマーで平べったく叩き潰されサーフボード代わりにされたりと、なかなか酷い扱いを受けているシーンが多く、
続編でも酷い扱いだった為『アルファドリームはルイージとクッパが嫌い』と言う噂まで広まってしまった。


総評

「マリオとルイージが協力し合いながら冒険する」という、今までになかった物語が描かれる本作。
単純な操作で簡単に遊ぶことが出来、シンプルながらもアクション性がそこそこ高いものになっている。
豊富なブラザーアクションを活かした奥が深い仕掛けも用意されているため、謎解きも悪くない出来である。
もちろん「アクションが苦手」「謎解きが苦手」といったプレイヤーへの配慮もきちんとなされているため、初心者にもとっつきやすい作りとなっている。

そしてマリオファンの心をくすぐる要素も多数盛り込まれた本作は、『マリオ』シリーズファンはもちろん、マリオ作品に初めて触れるプレイヤーにも問題なくプレイ出来る良作だと言えるだろう。


余談

  • 本作の好評を受け、以降も「携帯機用のマリオRPGシリーズ」として続編が順調にシリーズ化されていった。
  • ゲラゲモーナの1番弟子ゲラコビッツは海外で人気が出たらしく以降の『2』と『3』にも登場している。
  • ボツデータについて
    • 実はゲーム内にはフォックス・マクラウドキャプテン・オリマーなど多数の任天堂キャラクターの没になったグラフィックや没セリフが残されており、会話内容から察するに本来は前述のドーピングアイテムを生産する場所で多数のニンテンドーオールスターがゲスト出演する予定だったようだ。それが没になり、オヤ・マー博士だけが登場することになった様子。
    • また、日本版限定で入手可能なアイテムも存在する(海外版でもデータ自体は残されており、チートを使うことで入手が可能)。
    • その他にも「ジーニストジーンズ」や「セーフガード(4作目で採用)」など、本作では没になった装備品もいくつかデータに潜んでいたりする。
  • CMでは『HOT MARIO』と題し、SMAPの稲垣吾郎がマリオに扮して登場する。
    • 砂漠での過酷な冒険……と思いきや、園児がいっぱいいる公園の砂場であることに気づいてバンザイするというシュールな絵図。肝心のルイージがいないのはご愛嬌。
+ CM

  • 2017年にニンテンドー3DSでリメイク作『マリオ&ルイージRPG1 DX』が発売。
    • グラフィックが『4』以降準拠のものにリニューアルされ、新たに「クッパ軍団モード」が追加されている。