機動戦士ガンダム EXTREME VS-FORCE

【きどうせんしがんだむ えくすとりーむ ばーさす ふぉーす】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
メディア PS Vitaカード/ダウンロードソフト
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 バンダイナムコスタジオ(VSTG PROJECT)
ランカース
発売日 2015年12月23日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人(アドホック時2人)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 シリーズファンから不評
ポイント VSシリーズを利用した一人向け最大7機のRTSアクション
フルプライスなのに機体数激減&モード実質1つの極薄ボリューム
アップデートでマシにはなったが不足感は解決せず
and more
ガンダムVS.シリーズリンク


概要

ガンダムVSシリーズにおけるEXTREME VSシリーズの流れをくむ作品。VSシリーズとしては初の家庭用オリジナルタイトルとなる。
従来のシリーズでは2VS2のチームバトルアクションだったが、今作はプレイヤーが小隊長となり、最大7体(戦艦・MA含む)を引き連れて戦う小隊戦を中心として進めていくこととなる。
このため覚醒(エクストリームバースト)が削除され、フォースコマンドという全ユニットを強化したり敵に大ダメージを与える特殊アクションが条件を満たすことで出来るようになる。
1人用プレイに特化しつつも従来のVSシリーズの楽しみ方もできると告知されていたが、
これまでのEXVS VSシリーズ家庭用版に搭載されていたインターネット対戦は廃止され、代わりにEXTREME-FORCEモードが追加されていることなどから、実際のゲーム性は大きく異なる。

ストーリー

人類が衰退し、終焉へのカウントダウンが始まっている時代。
宇宙ステーション「アース0」においてこの状況を打破すべくある計画が進行していた。
過去の時代が収められたデータベースへとダイブしてデータを取得し、人類を進化させて復興する計画「FA計画(プロジェクト・フォース)」。
人工知能「アイレ」と「テレノ」によって進められていたその計画はダイブ用に構築された新たな人工知能の完成を以っていよいよ開始されようとしていた
プレイヤーは人工知能となり過去の時代、すなわち宇宙世紀における1年戦争から第3次ネオ・ジオン戦争までの時代にダイブし、人類進化に関わるデータを取得する役割を担うのである。


問題点

プレイアブル機体の大幅減少

  • 特典DLCのバルバトスとハイネデスティニーを加えても、わずか43機。
    • その後2016年3月9日のアップデートで6機体、同年6月1日に3機体追加され、現在は52機まで増えている。
    • EXTREME VSシリーズは多数の作品の多様な機体が使えるのが売りで、同時に稼動していた『マキシブースト』にいたっては160機近い機体が使用可能であり、ギャップが問題視されている。
    • 数だけ見れば多いように見えるし、携帯機移植のため減少も止むを得ない…とは言え、PSPの『ガンダムVSガンダム NEXT PLUS』の66機と比べても圧倒的に少ない。
    • さらに本作では「アムロ搭乗のリ・ガズィ」のプレイアブル化など、チョイスに疑問が残る機体も登場している。
  • 僚機専用機体を含めればそれなりに機体数は存在するが、あくまで僚機専用。プレイヤーが使えないので、単純にもどかしさだけが残る。
    • また、マキシブーストでプレイアブルであった「プル専用キュベレイ」の僚機専用への降格なども行われている。
    • ディジェなど、プレイアブル化を求められている機体もCPU専用機として登場している。内容としては既存機体のコンパチであるが。
  • 作品ごとの機体数の偏りも凄まじい。
    • 『初代』、『Z』、『UC』はメインとなるぶん1作品あたり6機と豊富だが、『F91』や『V』等それ以外の年代、『W』や『X』等のアナザーガンダムは『SEED DESTINY』を除き1機だけ。
      • 後のアップデートでアナザー系列の機体も増やされたが、『F91』『V』『SEED』『AGE』には追加はなかった。
    • 『ZZ』や『逆襲のシャア』はまだマシだが、それでも2~3機。そして『閃光のハサウェイ』『ASTRAY』『クロスボーン』など外伝の機体にいたっては全てゼロ。

圧倒的なボリューム不足

  • 小隊戦ができるEXTREME-FORCEモードがあるが、これしかモードがない。
    • 従来の2ON2も出来ると告知されていたが、EXTREME-FORCEモードの一部にそれっぽいステージがあるのとアドホック通信を利用した対戦でできるだけで、特にそれ専用のモードがあるわけではない。
    • あまりに殺風景すぎるメインメニューがネタにされる程であった。
  • EXTREME-FORCEモード自体も、寄り道をしなければ10時間程度でエンディング、全機体を揃えても15時間足らずという貧相なボリューム。
  • 後にアップデートで従来のVSモードに相当するフリーバトル、アーケードバトルに相当するコースバトルが追加された。

操作系の変更に伴う武装削除

  • 従来のVSシリーズでは射撃・格闘・ジャンプ・サーチの4ボタンと射撃+格闘のサブ射撃、射撃+ジャンプの特殊射撃、格闘+ジャンプの特殊格闘があった。
    • しかし本作では、Rボタン+射撃or格闘という特殊攻撃1と2にサブ射撃・特殊射撃・特殊格闘が統合され、多くの機体で一部の武装が削除されてしまっている。とくにアシスト系の武装はほぼ全て削除されてしまった。
    • ただでさえ武装減少によって操作性に難が生じてしまっているが、デルタプラスやユニコーンガンダムのように立ち回りの要となるキャンセルルートに絡むアシスト武装がなくなってしまった機体はもはや元の機体とは別物になってしまっている。
    • 加えてどの武装が特殊攻撃の1と2どちらに割り当てられるか機体によってまちまちで、元々のサブを出そうと特殊攻撃1を入力したら元々の特殊射撃が出たりと、従来のEXVSシリーズのプレイヤーほど直感的な操作ミスをしやすい仕様になっている。格闘ゲームで言うなら、波動拳コマンドを入力したつもりが昇龍拳が出てしまうような感じか。
      • また、アップデート前はキーコンフィグもなかったので、単純に操作がしにくいという問題も抱えていた

ゲーム性そのものの劣化

  • 一応コースバトルやフリーモードなどで2ON2もできるが、EXTREME VSシリーズの売りであったEXバーストもマキシブーストの目玉だったEXオーバードライブもなくなったため、純粋にゲーム性が薄れている。
    • 特にEXバーストによって特殊な効果を得る機体*1のほとんどがその効果を「耐久が一定以下に減少したときに自動で発動する仕様」に変更されたため、これらの機体は特に影響が大きい。
    • EXTREME-FORCEモードでもフォースコマンドは2ON2ステージでは使えないので、2ON2も純粋にやることが減ってしまった。

そもそものコンセプトの不一致

  • VSシリーズはタッグ戦をしてこそという声も多く、一人用に特化したゲームとして作られた事に関しては残念な声が多い。
    • VSシリーズのロック送りは、次の機体へ順番に移っていく仕様であるため、結構不便な仕様である。
      • 従来の2VS2であれば「今見ている相手」と「切り替えて見る相手」の2機しかいない為、視点切り替えですぐ見る対象を選べるのでこのシステムで問題ない。だが、3機以上に増えると一回視点切り替えしても見れない相手が出てくる為、咄嗟に見たい相手に視点を移せない問題が出てくる。
      • 前作まででもCPU戦では3機以上出る事はあったのだが、その際の視点切り替えの面倒さは指摘されていた。本作は多人数が基本なだけあってその点の面倒さはかなり目立つ。
      • 一応多数を相手にする事を考慮してか従来のロックボタンだけでなく右スティックでのロック切り替えにも対応している。左右での選択だけでなく上下での選択でボスや戦艦、拠点にすぐにロックを切り替える事は可能である。
      • ちなみにこの問題は後に3VS3を実装した『GUNDAM VERSUS』でも同様に問題視された。

強いられる特定機種の使用

  • 自由に小隊を組めるといわれていたが、実際は多くのステージで使用機体の強制がかかる。
    • プレイヤー機はアップデートで一度クリアすれば任意の機体で遊べるようにはなったが、やはり自由に選べないのは辛いところがある。

BGM

  • 本作に収録された曲は全て劇中BGMで、主題歌は1曲も収録されていない。
    • 主題歌を流せるのは初代ガンガンから続く伝統であり評価点であったため、それが一切ないというのは手抜きと言わざるを得ない。
    • カスタムサントラは実装されているので原曲を持っている人は自分で設定すればいいのだが、EXTREME-FORCEモードの出撃準備メニューでしか変更できない。変更するにはそこまで行かなければならないうえ、曲を聞いて登録しないと変更そのものができない。
      • 同じくカスタムサントラが実装されているフルブでは最初からほぼ全ての曲が変更できるようになっていたので、何故こんな面倒な仕様にしたのか理解に苦しむ。

その他問題点

  • 小隊戦時にリスポーン地点が選べない。
    • 小隊戦で撃墜された場合、一定時間後に占拠した中継地点か戦艦から再出撃するがプレイヤーはその場所は選べず自動で決定されてしまう。
    • これにより進軍ルートを変える為に前線から離れた場所に再出撃する、戦艦に向かってくる敵を戦艦から再出撃して迎え撃つ等の対応が出来ない。
  • EXTREME-FORCEモードで自機と共に行動する僚機に命令が出来ない。
    • VSシリーズではお馴染みの僚機への集中、分散、回避等の命令変更を行う事が出来ない。
    • 小隊戦ではそれほど問題にならないかもしれないが戦力ゲージが存在する2on2ミッションでは致命的な問題となり僚機が足手まといとなる事がある。
    • 特に自機がコスト3000のフルアーマーユニコーン、僚機がコスト3000のバンシィ・ノルンで固定されるステージでは、総コスト6000の為どちらか1機しか撃墜される事が許されないのに命令不可の僚機が勝手に撃墜されコストを無駄に消費するという事が起きてしまう。
    • フリーバトル及びコースバトルモードでは従来通りの命令変更が可能。

賛否両論点

  • 本作独自のナビゲーター(ホロアクター)
    • EXAシリーズ*2のセシア・アウェアと同じような存在である女性キャラクターが2名登場する。EXAのキャラクターが好きなプレイヤーからはデザイン自体は「可愛い」と好評。
    • キャラクター性は人によってあざとく見える部分もあり、出しゃばっているように映るというプレイヤーも居る。とはいえ彼女たちにはストーリーテラーとしての役割もあるためそこは仕方ない。
      • デザイン・キャラクターともにそこそこ好評なのだが、ゲームクリア後は彼女たちの立ち絵が表示される機会がなくなってしまう。ナビゲーション用のフェイスグラフィックは見る事が出来るが。
  • 機体仕様の不統一
    • FA-ZZガンダムやゴッドガンダムなど、フルブーストからマキシブーストでコストが変化した機体がほぼフルブースト仕様で参戦している。
      • 『マキシブーストON』稼動直前タイミングでの発売にもかかわらず前作仕様、というどっちつかずの状態。マキシブーストの追加武装に慣れたプレイヤーからの不満が募る。
    • 逆にガンダムAGE-1はマキシブーストONの仕様*3になっており、先行して体験できる。アシストのウルフやイワークがいないので完全とは言えないが、単純にやれることの減った機体が多い中で自由度が上がっているのは稀有である。
    • 更にはガンダムバルバトスのように、マキシブーストONとも全く別の機体と言っていいほどに武装配置が変わっている機体も居る。
      • 滑空砲がメインではなく特殊攻撃1に配置されていて足が止まるようになっていたり、特殊射撃の特殊移動が特殊攻撃2ではなくメイン射撃に配置されてブースト0でも使えたり、格闘の派生もコマンド配置が異なり種類も少ないなど、全体的に開発途中のプロトタイプ的な仕様なのが分かる。
  • BGM、一部UI
    • EXVSシリーズを銘打ってるものの、BGMは従来の担当の制作ではなくUIの雰囲気もまるで違うなどシリーズのスタッフが手掛けたのか怪しい。
      • 今作のBGMに目立った悪い部分は無いが、従来のオリジナル曲の人気が高くここを気にする人は少なくない。
  • 急遽作られたようにも見えるアップデート
    • 無理に年末商戦に合わせた結果生まれてしまったと言われる本作だがアップデートで追加されたフリーバトル、コースバトルモードは一応形にはなっているものの粗が多く本当に「今は無理だから後で追加する」意図で作られたとは思えない突貫ぶり。当然システムに変更が無く、EXバーストなどがないのは本編のまま。
      • どうせ使えないフォースコマンドの枠にEXバーストや削除した武装を入れることも出来たのでは…?
      • 一部BGMがPS3家庭版からの流用なのも疑問を強めている。これは公式サイトの追加要素PVで使われているBGMも同じである。

評価点

  • 発売当時アーケードで未参戦だった『Gのレコンギスタ』よりG-セルフ、『鉄血のオルフェンズ』よりガンダム・バルバトス(第4形態)が使用できる。
    • 本作を購入することで、アーケードの「マキシブースト」にてハイネ専用デスティニー、「マキブON」にてマックナイフといった先行解禁される機体もある。それ故に機体のおまけとも言われてしまったのだが。
    • また新規ボスとしてガンダムUCからネオ・ジオングが参戦。サイコシャードは一定時間武装弾数強制0という効果で再現されている。2016年3月末時点ではアーケードに登場しておらず本作でのみ対決が可能。
  • まがりなりにも携帯機でVSシリーズが遊べる。
    • EXTREME VSシリーズ以降は移植は家庭用機にシフトしたため、携帯機で遊べるVSシリーズはガンダムVSガンダムNEXTPLUS以来となる。
  • ポイント消費による強化が可能で、詰むことがほとんどない。
  • ストーリー自体は短いものの、ガンダムEXAの前日譚としてはむしろ悪くない内容。EXAシリーズのファンならば目を通しておくのもいい。
    • とはいえ結末はEXAのストーリーを知る人なら大方予想はつくかもしれないが、若干後味が悪いので注意。
  • 戦況を知らせる戦艦キャラのボイスは新録。特定キャラ操作時には台詞の変化もある。
    • 数は少ないが原作通りの組み合わせや時代違いのアムロとブライトなどの特定の組み合わせで発生する。
    • またアークエンジェルのみ艦長のマリューだけでなくオペレーターのミリアリアも喋る。

総評

鳴り物入りで発表された作品だが、いざ蓋をあけてみるとボリューム不足&PV詐欺と揶揄されることとなった未完成の作品という印象が強い。
低評価の理由は多種多様だが、その中でも従来のプレイヤーにとっては機体の操作練習にすらならず、一部のプレイヤーはお気に入りの機体すら使えないという二点は特に致命的たりうる欠点である。

昨今のネットワークの発達に伴いアップデートが容易になったのを逆手にとって、様々な要素を削除してでも年末商戦に合わせた発売を強行し、後に無償アップデートで削除してしまった分を補完しごまかす…という、所謂「未完成商法」を疑われてしまうのも仕方ない。
これを悲しい大人の事情と取るか、企業倫理の崩壊と取るかは個々人の判断にもよるだろうが。

それを考えるために本作を手にとってみるのもまた一興であろう。
幸いにして、Amazonでは発売1週間で定価の半額まで落ち込み、ついには新品が約1000円になった。早々に売られた中古品の価格も暴落している。


余談

  • 本作の公式サイトで随時参戦機体が発表されていたが、「and more」と発表を引っ張る演出がなされていた。しかし出る機体の数が異常に少なく、結局少ないままにこの表記が消えたことから、本作ではこのフレーズがネタにされた。
    • 後『GUNDAM VERSUS』においてもこの手法は使われており、悪夢の再来とも言われた(流石に本作よりはおおよそマシではあるが)。
  • 初回生産分には2016年1月31日までの期間限定で「RG 1/144 デスティニーガンダム ハイネ・ヴェステンフルス カラーメッキVer.」プレゼントキャンペーン用シリアルコードが封入されていた。
    • 上記アーケード版の機体先行解禁シリアルコードと合わせて、本作が「約7,000円の抽選券のおまけ」扱いされることもあるとか…。
  • 主題歌はT.M.Revolutionが担当。
    • 『NEXT』のGACKT以来、久々にガンダムとの縁が深いアーティストの参戦となる。
    • ハイネ機の参戦や、上記プラモの応募券等もあり西川氏推しが大きい作品でもある。
  • 2016年9月28日の電撃オンラインにおけるインタビュー記事にて本作は『エクストリームバーサス』シリーズではないことが判明した。