ドラえもん2 のび太のトイズランド大冒険

【どらえもんつー のびたのといずらんどだいぼうけん】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 エポック社
開発元 エポック社
酒田エス・エー・エス (プログラム)
ポップハウス (グラフィック)
発売日 1993年12月17日
定価 8,000円(税別)
判定 なし
ポイント 前作に引き続き高い難易度と強いメッセージ性
基本的なシステムも変わらないが改善点はある
ドラミちゃん初登場
ドラえもんシリーズ


概要

ドラえもん のび太と妖精の国』に続く、ドラえもんゲームのSFC用ソフト第2作目。
ゲームのストーリーのテーマは「物の扱い」である。登場する敵は捨てられたおもちゃや遊具が多い。

ストーリー

スネ夫は自分が所持する大きなおもちゃのロボットの自慢話をしていた。
それに対しのび太は「もっと大きいおもちゃを持っている」とむきになってでたらめを語ってしまう。
スネ夫やジャイアンに「どうせドラえもんに頼んで出してもらうんだろう」と問いただされたのび太は「取りに行ってくる」と言いつけ帰宅。
ドラえもんに大きなおもちゃを出してもらおうとする。しかしドラえもんは留守だった。
と、その時突然小人風のしゃべる不思議なおもちゃが現れ、「トイズランド」と呼ばれる島へ招待される。
そこには大きなロボットもいると聞いたのび太は大喜び。小人風のおもちゃはのび太にトイズランドへ向かうために必要な笛を渡す。
てっきりドラえもんがひそかに用意していたものとのび太は思い込んでいたが、帰って来たドラえもんはのび太の持つ笛に目を白黒させ、
逆にのび太もトイズランドがドラえもんの仕業ではなかったことに驚く。のび太は早速、しずか、スネ夫、ジャイアンを呼んで、笛を吹く。
すると目の前に光り輝くドアが現れ、ドアをくぐると、たくさんのおもちゃがみんなを出迎えた。
トイズランドはドール博士が時空間に造った、おもちゃと子供たちが一緒に遊べる国。
ドール博士やおもちゃと一緒にカーニバルを楽しんでいたその時、突如空一面を暗雲が覆い、人間に恨みを持つおもちゃのロボット、キットラが現れる。
キットラは人間に捨てられたことを恨み、同じ境遇のおもちゃを率いて、人間の世界へ行き復讐しようと、
ドール博士が発明した「時空装置」の奪取を目論み、人質としてドール博士の孫娘サユリをさらっていたのだ。
キットラの目的を阻止しサユリを救出するため、ドラえもんたちのトイズランドでの冒険が始まる。
(WikiPediaより引用)


システム

  • 前作同様RPGパートとアクションパートが分かれており、システムもほぼ同じである。

RPGパート

  • ステージ1、2は前作同様に町の住民等から次のステージの入り口の情報を聞いて、その場所へ行きアクションステージに入ることとなる。
  • ステージ3はステージ2からRPGパートを挟まず連続してプレイすることとなる。ステージ4~9は入り口がワールドマップにそれぞれ配置されており、好きな順番でプレイすることができる。
  • ステージ4~9をクリアするとキットラ帝国に乗り込むことができるようになる。キットラ帝国に乗り込むとボス戦のみのステージ10が始まり、そのままステージ11は連続プレイとなる。
  • ステージ12、13は町の住民から情報を聞いてアクションステージを探す形式に戻る。
  • マップはのび太の町、トイズランド、キットラ帝国の三種類で、トイズランドとキットラ帝国はフィールドマップと町マップで構成される。トイズランドのフィールドマップのみタケコプターが使用可能。

アクションパート

  • 前作では終盤までドラえもんのみ操作可能だったが、本作では最初からドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんを選択して使用することができる。キャラ毎に微妙な性能差があるのも前作と同様。
    • ステージ1をクリアするとドラミちゃんを選択することができるようになる。SFCのドラえもんシリーズでは初登場となる。
  • 各ステージは2つのコースが用意されており、多くの場合は最後にボスが待ち受けている。
    • ステージ1、3、11にはボスがおらず、逆にステージ10はボスのみである*1。ラストダンジョンであるステージ13のみ3コース*2
      • 前作と同様にラスボスとは全員が順番に戦うことになる。トリを務めるのは勿論主人公であるドラえもん。
  • 攻撃ボタンを長押しして離すと使える「ミラクルアタック」という攻撃が追加されている。ミラクルアタックの挙動はキャラ毎に異なる。
    • ただ攻撃ボタンをチャージすれば使えるわけではなく、チャージ中は動いてはいけないため使い勝手は悪い。
      • しかししずかちゃんのミラクルアタックだけはチャージ中動けないというデメリットを差し引いても明らかに強力であり、これが有ると無いとでは明らかに難易度が変わる面が存在する。詳細は後述。

評価点

  • 前作と異なり最初から攻撃用のひみつ道具が全て揃っており、最初から多彩な攻撃が可能。
    • 更に挙動にクセのある「たつまきストロー」「かみなりだいこ」といったひみつ道具は削除され、別の道具に入れ替わっている。「衝撃波ピストル」「転ばし屋」など、一部の扱いづらいひみつ道具は前作から続投しているが。
      • 「転ばし屋」を始めとするクセのある武器は一部のボスに有効なためあえて残された可能性もある。
    • 序盤のイベントで半分消失してしまうが、「ショックガン」や「スモールライト」といった最低限扱いやすい武器は手元に残る。また、後半のステージや街で再入手可能。
    • その他の個性としてブロックを壊せるか否かの違いがある。
  • ストーリーも中々の出来であり、物語を通して物を大切に使うことについて考えさせられる。
    • 終盤、ドラえもんがキットラの境遇に共感しつつも説得をする場面は必見である。
      • ラストバトルでは全員が一人ずつ戦い、最後は主人公のドラえもんで決着を付ける。という点は前作、次回作と同じだが、今作は「似た境遇を持つ同じロボットとして、彼の暴走を止める為に戦いを挑む」という理由が付加されており、更に熱いシチュエーションとなっている。
    • 前作のエンディングのように露骨なメッセージも表示されず、雰囲気が壊されることもない。
    • ステージの雑魚敵がおもちゃだったり、キットラ帝国の中にも平和に暮らしているおもちゃがいたりと、全体を通して明るめのシナリオだが、熱血漢のジャイアンなど大長編ドラえもんの雰囲気はしっかりと出ている。
      • ドラえもんよりもドラミちゃんの方が頼りになるシーンが多いが、これは原作通りであり、序盤でドラえもんがひみつ道具を無くす場面があるので仕方がない。
  • RPGパートのマップのクオリティが向上
    • 前作のRPGパートのマップはかなりドットが粗い上、建物と人物のサイズ差が全体的におかしかったが、今回は大幅に改善されている。のび太の家も原作に忠実なデザインで描かれている*3
  • ステージ4~9が自由に選択可能である点。
    • これらのステージはギミックが大きく違うため、得意なステージを先に攻略し、秘密道具やライフアップアイテムを集めてから苦手なステージをプレイする、といったことも可能。
    • アイテムを取り逃した場合の救済措置として、ステージ10に行く前ならクリア後に再チャレンジすることが可能。
  • 難易度が高いが、ポーズ中にセレクトボタンを押すことでライフが全快した状態で面を最初からやり直すことができる。
    • 穴に落ちそうになった急いでポーズをかけてやり直す……という事も可能。
    • ただしボス戦でこのコマンドを使うと前ステージからのやり直しとなる。
  • キャラクターのアクションにも個性が出ている。
    • アクションステージでしばらくの間全く操作せずに放置していると、ドラえもんとのび太は寝てしまう、ジャイアンとスネ夫はイライラして足を動かす、しずかちゃんは欠伸をする、ドラミちゃんはしゃがんでまばたきする、といったリアクションを取る。
    • また、足場の端や動く足場・消える足場の上にいると落ちそうになって慌てるのだが、度胸の据わったジャイアンだけは同じ状況でも無反応である。
    • ダメージを受けた時のSEも前作では共通だったが今作は各キャラ毎に異なる。
  • バリエーション豊かなステージ。
    • 前作はテーマがテーマなので不気味なステージが少なくなかったが、今回はおもちゃの国が舞台という事もあって明るいステージや賑やかなステージも増えている。
    • 敵やマップが音楽関係でパレードのようなBGMも流れるステージ7、まるで夜のテーマパークのようなステージ8、クリスマスツリーを登るステージ12と楽しいステージが多く、トイズランドを大いに堪能できる。
    • 一方、SFチックなステージ3、静かなステージ5、暗く緊迫感漂うステージ11などもあり、ただ明るく楽しいだけではないシリアスな一面も見せる。

問題点

  • 相変わらず難易度が高い
    • 操作性も前作と全く変わっていないため制御が難しい。ただ、序盤は小さい足場や落とし穴は控えめである。その分後半の面の難易度が高いのだが……。
    • 前作と同様にステージ毎の中間ポイントは存在せず、ミスをするかポーズをかけてステージを出るとスタート地点からやり直しである。
    • 特に最終ステージの強制スクロール面は非常に難しく、小さい足場、落ちる足場、滑る床、即死トラップが当たり前のように登場し、明らかに子供向けの難易度ではない。大人もクリアするのに一苦労の難易度である。
  • ボスも強力な敵が多く、初見では対応が難しい相手が多い。また、やたらとタフで何度も攻撃する必要がある。
    • 例としては、ステージ8に登場する「ケンダマン」がかなりの強敵。高速で変形して銃弾を撃つ攻撃の回避が難しく、苦戦をしたプレイヤーが多いのではないだろうか。
      • 実はしゃがめば回避可能だが、初見で気がついたプレイヤーは少ないと思われる。
    • 一方で、ステージ6の「ポカポン」といった、遠距離攻撃をしているだけで勝ててしまう*4明らかに弱いボスも存在する。
  • セーブ機能がない。前作と同様、パスワードによる再開となっている。
    • パスワードを見ることそのものは前作と違ってゲームオーバーにならなくても可能となっている。
  • BGMは前作のアレンジが多い
    • 個別のステージは殆ど新規曲だが、のび太の町、タケコプター使用時、ボス戦などは前作のBGMのアレンジが使用されている。しかし音源のみのアレンジなので使い回し感が否めない。ラスボス曲まで前作の音源アレンジである。スタッフロールの曲もギガゾンビの逆襲の古代編フィールドの曲を行進曲風にアレンジしたものだが、原曲からして古代編は最後のフィールドで雰囲気が暗く、全体的に明るい雰囲気の本作にあっているとは言い難い。
    • 音源は良くなっているので、前作と比較すると洗練されているとも言える。
  • しずかちゃんのミラクルアタックが強力すぎる
    • しずかちゃんのミラクルアタックは「無敵状態になりつつ大ジャンプをする」というものなのだが、これが非常に便利。
    • 一部の面では地形を無視してショートカットができるほか、上方向への強制スクロールがある面を簡単に攻略することができる。
      • 尤も、その強制スクロール面はかなりシビアで、しずかちゃん以外でのクリアは困難なのだが。
    • それ以外のキャラの性能差は少なく、武器の攻撃力が高いドラえもんとドラミちゃん、武器の発射数が多いのび太が多少使いやすい程度。
      • 移動スピードが速いスネ夫はシビアな地形が多いため前作に続いてやや扱いにくい(ただし、ミラクルアタックは一部のボスに有効)。踏みつけダメージが大きいジャイアンも有効なボスはいるが、その特性を活かせる場面は限られる。
  • 前作に引き続き、隠しアイテムの鈴(12個中10個集めると攻撃力が倍になる)が登場しているが、相変わらず隠し場所がノーヒント。

総評

システムそのものはほぼ前作の使いまわしだが、シナリオ、キャラの扱い、不便だった細かい部分など、前作からの改善点も見られ、キャラゲーとしては中々の出来。
しかし「低年齢層向けでありながら高難易度」という根本的な問題点が改善されておらず、評価を下げてしまっている。
ゲームの出来自体は決して悪くない。難易度の高いアクションゲームに耐えられるプレイヤーから見れば十分良作と言える出来である。


余談

  • 上述の自由に選択可能なステージ4~9は全て洞窟の中のはずなのだが、5と7を除く4つのステージは何故か背景が空になっている。前作の妖精の国のような異空間か何かだろうか?
    • 一応「中から風が吹いている」といった普通の洞窟ではない事を暗示させる台詞はあるが、表示されるのは4ステージの内2ステージのみである。
    • また、ステージ5と7も洞窟というよりは巨大な建造物であり、洞窟らしいステージはこの中には一つも無い。
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最終更新:2022年12月11日 08:40

*1 ステージ10でボスと戦う場所はステージ11と同じ暗い溶岩地帯であり、実質的には10と11で「ボスとアクションステージの順番を入れ替えた一つのステージ」のようなもの。

*2 前作と同様に最終ステージには序盤の敵が登場する。

*3 何故か道路はアスファルトではなく土になっているが。

*4 踏みつけると踏みつけに対する反撃攻撃を行うが、踏みつけなければ問題ない。遠距離攻撃に対しては衝撃波で反撃してくるがジャンプで回避できる上、衝撃波そのものも踏みつけによる回避が可能。