星霜鋼機ストラニア
【せいそうこうきすとらにあ】
ジャンル
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80年代風ロボットアクションシューティング
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対応機種
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Xbox360 (Xbox LIVE ARCADE) アーケード (NESiCAxLive) Windows(Steam)
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メディア
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【360/Win】ダウンロード専売ソフト 【AC】Taito Type X2
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発売・開発元
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グレフ
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発売日
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【360】2011年3月30日 【AC】2011年4月27日 【Win】2015年11月25日
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価格
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【360】800マイクロソフトポイント 【Win】1,480円
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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良作
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概要
2011年にグレフが発売した縦スクロールSTG。
2009年10月に秋葉原のHeyでロケテストを行ったが対応プラットフォームは未定とされ、1年後にXBLAでの発売を発表。後にNESiCAxLiveでの配信(アーケードでの稼働)も発表されるという紆余曲折を経て発売された。
2015年にはグレフのSteam参入第一弾としてXBLA版を元にしたWindows移植版が発表、配信された。
ロボットを操作し、様々な武装を駆使しながらステージを攻略していく歯ごたえのあるSTGである。
特徴
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操作はレバー+3ボタンだが、AC版は2ボタンになっている。
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Aでショット、Bで武器チェンジ、CでO/D(オーバードーズ)を使用する。AC版ではAとB同時押しでO/Dを発動するように変更されている。
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O/D オーバードーズは画面左上に表示されているO/Dゲージが最大になった時に使用できる緊急回避システム。O/Dゲージは時間経過や敵を破壊することで上昇する。
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発動中は無敵となり、得点に倍率がかかる。一定時間経過で終了し、終了に近づくほどより高い倍率となる。
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O/Dゲージが最大かつ攻撃行動を取ってない時に被弾するとオートで発動しダメージを回避できる。
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本作では一度に3つの武器を装備することが出来る。
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うち1つはストックに回され、実際に使用できるのは左右の腕に装備した2つ。左右で別々の攻撃が可能になっており、武器ボタンを押すたびに時計回りに武器を入れ替える。
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基本的にオートショットだが、近接武器のソードのみボタン連打で攻撃する。両手がソードの時のみフィニッシュ攻撃が追加される。
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自機は後述の陣営と1P、2Pで変化する全4機。使用する機体によってソード二刀流のフィニッシュ技が変化する。
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武器はアイテムキャリアから出現するが、特定の敵を倒すと所持していた武器を落とす事もある。
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特定の武器は同じ武器を取ることで強化可能。ただし、陣営によって強化できる武器が変化する。
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各武器ごとに段位認定が行われ、敵を破壊して経験値を得るとその武器の段位が上昇していく。段位が上がるとボーナスが入り、クリア時には初段以上を達成した武器数に応じてボーナスが入る。
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アーマー(ライフ)制で初期アーマーは3つ。全てのアーマーがなくなるとゲームオーバー。
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アーマーは敵の攻撃を受ける他、地形に一定時間接触すると減る。一定スコアに達するとエクステンド。
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家庭用版はコンティニュー回数に制限があるが、何度もプレイしていく事で回数が増えていき、最終的にフリープレイとなる。
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全6面+1かつ難易度選択制。
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難易度HARD以上を選択した場合のみ、6面クリア後に最終ミッションをプレイ出来る。
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ステージ中には特殊ミッションが課せられることがあり、達成すればボーナスが得られるが失敗してもペナルティはない。
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2人同時プレイが可能で、360版のみオンラインCO-OPに対応している。
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追加コンテンツ「サイド"バウワー"」
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敵側であるバウワー軍の視点でプレイ出来るモード。360版はDLC、AC版も後に配信された。Win版は最初から収録されている。
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本編「サイド"ストラニア"」とは逆順でステージを攻略していく事になる2周目に相当するモードとなっている。
評価点
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様々な武装を取り替えながら進む戦略性の高いゲーム性。
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いかに各場面で有効な武器を使うか、どの武器を使うかはプレイヤーの自由なので自分なりの攻略法を組みやすく、奥深い。
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O/Dによる緊急回避とスコア倍率の上昇も重要。タイミングよく使えば大量得点を獲得できるためアーマーエクステンドも近づき攻略しやすくなる。
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チュートリアルも丁寧に行われ、1面と2面はほぼチュートリアルステージとなっているので操作などはすぐに覚えられる。
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「80年代風」を謳っている通り、全体的に覚えて進むことが前提で程よくアドリブも必要な歯ごたえのあるバランス。
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STG初心者にはシステム面もあって少々厳しい難易度だが、繰り返しプレイして上達することで達成感をしっかり感じられるゲームとなっている。
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グラフィック、BGM、演出も良質。
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演出面では出撃シーンや道中の背景で味方と敵が交戦していたり、ボス登場演出も凝っていて格好いい。特にライバル機の登場時はライバル機が大映しになるため印象に残りやすい。
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メカデザインや敵弾のグラフィックもストラニア軍は角ばった外見に青系の配色、バウワー軍は丸みを帯びた外見に赤系の配色と対極になっている。
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ステージ中に課せられるミッションも味方輸送機を防衛しろなどストーリー性が高く、世界観の演出に一役買っている。
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BGMは『あすか120%シリーズ』などで有名な与猶啓至氏が担当。
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MSXやX68kで曲を作っていた氏らしい電子音を交えた格好いい楽曲が揃っている。ステージごとに異なるボス戦BGMやプレイヤーサイドによって異なるなど非常に凝った演出がされている。
賛否両論点
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コンティニューが戻り復活である。
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前述の通り、繰り返しプレイで敵の攻撃パターンを憶えて対処していくタイプのゲームなので練習には丁度いい半面、先を見たいというプレイヤーには厳しい。
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また、HARD以上で出現する最終面では残りクレジットに関わらずコンティニュー不可(途中参加も)。家庭用版では一度でも到達すれば練習モードで選択可能になるのが救いか。
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Win版ではその場復活の設定が追加されている。ただし、やはり最終面はコンティニュー不可。
問題点
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上記のような演出の弊害か、視認性に少々難がある。
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特にダメージを受けているのかどうかわかりづらい。
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ダメージを受けた時の演出が地味な上に効果音が「パキーン」と軽く、自機が爆発するのはゲームオーバーになった時だけなので、いつの間にかダメージを受けていたという事態が起こりやすい。
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武器の出現数が多いため、武器を取りたくない場面ではただのお邪魔アイテム化してしまい行動を制限されがち。
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操作は覚えやすいが、武器の種類が多いため各武器の特性を理解するのは時間がかかる。選択肢が多いこと自体は問題ないのだが。
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また、装備する方の腕の選択はアイテム入手時のガイドのみなので装備したかった腕と逆の方に装備してしまう事も起こる。この辺は慣れるしかない。
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バウワー編には「狭い通路内で弾や障害物、武器を精製する装置」という、このいやらしさを体現したようなボスも登場する。
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家庭用版はリプレイを記録することが出来ない。
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現在の家庭用STGでは当たり前の機能なので残念という声が多い。特に本作の場合、上述のようにプレイヤーによって攻略法が変化するため様々な攻略を見たいプレイヤーは多かった。
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AC版はO/Dがボタン同時押しになっているため、操作性に少々難がある。
総評
戦略性が高く、歯ごたえのある難易度は「80年代風」の名に偽りない。
ライバルとの戦いをはじめ、BGMと相俟って燃える展開の多い演出面も良質。
少々クセはあるものの、全体的なクオリティの高さが光る良作シューティングである。
余談
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2020年にexA-Arcadiaでマイナーチェンジ版の『星霜鋼機ストラニアEX』がリリースされた。
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武器性能に調整が入り、弱かった武器が強化されボス耐久力も低下し遊びやすさが向上。難易度ノーマルでも真のラスボスとの一騎打ちまで行けたり、エキスパートより上の難易度ヘルも追加されている。
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ただしexA-Arcadiaその物の出回りが悪く、本作を導入しているゲーセンが極めて少ないためプレイする機会が厳しいのが難点と言えるだろう。
最終更新:2021年05月06日 00:09