トラブル☆ウィッチーズAC ~アマルガムの娘たち~

【とらぶるうぃっちーずえーしー あまるがむのむすめたち】

トラブル☆ウィッチーズAC ~アマルガムの娘たち~ for NESiCAxLive

【とらぶるうぃっちーずえーしー あまるがむのむすめたち ふぉー ねしかくろすらいぶ】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード (Taito Type X、NESiCAxLive)
発売元 冒険企画局*1
開発元 スタジオシエスタ
プレイ人数 1~2人
稼動開始日 オリジナル:2009年7月1日
NESiCA版:2012年2月22日
判定 良作


概要

元は同人STGとして発売されたが、アーケード向けに移植されるという特殊な経緯を持つ横スクロール弾幕STG。
弾幕避けと稼ぎを兼ねた錬金システムやショップでの買い物が存在する稼ぎを重視した爽快感の高いタイトルである。
2012年にNESiCAxLiveで稼動が始まり、手軽にプレイ出来るようになった。
ちなみに似たようなタイトルの2Dシューティングやアダルトゲームなどがあるが、それらとは無関係である。

ストーリー

強大な魔法の力が秘められた黄金のリング。
それは、過去に災いをもたらした悪魔「ドラウプニール」を封じ込めた
禍々しい宝物として、エイヘムランドのお城の地下深くで厳重に保管されていました。

が、しかし!

あるとき、偉大な魔女「アマルガム」の手によって盗み出されてしまったのです!

突然の出来事にエイヘムランドは大混乱。
無残にも砕かれたリングのカケラを持つ「アマルガムの娘達」が、街のあちこちで迷惑この上ない事件を起こし始めました。

ドラウプニールの魔力を操る彼女たちにお城の兵士が太刀打ちできるわけもなく、ほとほと困った王様は、百万枚のビラに思いを込めてばら撒きました。
それらはやがて、アマルガムに負けず劣らずの才気を持つ五人の若き魔女のもとへと辿り着いたのです! (公式サイトより)

特徴

基本システム

  • 操作は1レバー+3ボタン。
    • Aでオートショット、Bで魔法陣展開、Cでミスティックカード(武器カード)の発動。
    • 全6面のライフ(残機)制。ライフはスコアエクステンドの他、後述するショップで購入することで増える。
    • 難易度を「ドキドキ」と「ゲロゲロ」の2段階から選択して開始できる。
  • 自機は7人+αの魔女っ子から選択できる。
    • AC版では同人版から続投の「プリル」「アクア」「ユーキ」、AC版の新キャラ「ルイ」「シンフィ」、タイムリリース解放の新キャラ「コノン」「ラーヤ」から選択。
      • NESiCA版では上記の7人に加え、同人版の隠しキャラ「シエス」が復活し計8人となった。
    • 最初から自機の周囲を移動する使い魔(オプション)がついており、キャラによってショットや使い魔の動作、移動速度、MP(後述)などが異なる。
    • Bボタンを押すと、使い魔を中心に魔法陣が展開される。この魔法陣に触れた敵弾は速度が極端に遅くなる。また、展開中は自機の移動速度が低下するため弾避けがしやすくなる。
    • 自機にはMPの概念があり、魔法陣展開中に徐々に消費する。MPの初期値や魔法陣展開中の消費量、回復の早さなどはキャラによって異なる。
    • Cボタンで最大3枚まで所持できるミスティックカードを順番に発動し、特殊ショットを撃つことが出来る。
      • どのカードも通常ショットより強力で、敵弾を消したり得点アイテムを出現させるようになるが、使用する順番はショップで購入した順番なので使用するタイミングなどを考える必要がある。
      • カード使用中に被弾しても効果が切れるだけで、即ミスにはならない。一種のバリアの役目も担っている。

錬金システムとショップ

  • 本作ではスコアの他に所持金が存在し、ステージ途中で出現するショップで買い物ができるのだが、このお金を稼ぐためのシステムが「錬金システム」である。
  • 敵を撃破した際、この敵の発射した弾が魔法陣に触れるとお金に換金される。
    • お金はそのままだとばら撒かれるが、一瞬ショットボタンから手を離すと自動回収してくれる。
  • ショップで購入できるのはミスティックカードやライフ回復アイテム、MPの最大値を上げるアイテムがある。
    • カードは同じショップでは1種類1枚ずつしか購入できない。また、購入すると値上がりする『ファンタジーゾーン』と同様のシステムを採用している。
  • カーソルを店番である「プッチーニ」に合わせてボタンを押すとアドバイスをくれるが、彼女に所謂「πタッチ」も可能。ただし、やりすぎると彼女の姉である「ペルゥ」に怒られて追い出される上に次のショップが出なくなるペナルティがある。
    • ごく稀に「ペルゥ」が店番になる事があり、この時は通常よりも商品の価格が大幅に安くなる。

評価点

  • 稼ぎを重視したシステムとゲームバランス。
    • 魔法陣を展開して弾幕を避け、敵を倒して錬金し、ショップでカードを買って強力な攻撃…とシステムがまとまっており理解しやすい。
    • カードをどの順番に購入するか、どのタイミングで使うかといった戦略性もあり、独自の攻略法を構築できる。
    • 錬金システムでのジャラジャラ感が気持ちよく、爽快感が高い。
      • キモなのは「魔法陣に触れると換金される」という点で、撃破するまで魔法陣を展開しつづける必要はなく、撃破後に一瞬だけ展開するのも有効。また、魔法陣に触れると敵弾が遅くなるのを利用して弾を溜めた状態で撃破し、一気に錬金したりとテクニックも多い。
      • 本来避けるものである弾幕が逆に稼ぎのチャンスとなっているため、細かい弾幕避けが苦手でもうまく錬金することで無効化して進みやすくなるのも良い。
    • ゲームバランスも同人版に比べるとかなり改善されており、当たり判定も常時表示されているのでAC用STGとしても遊びやすく攻略しやすい部類に入る。
      • 一方で大量の弾幕に見舞われるゲロゲロモードはかなりの難易度なので上級者でも楽しめる。
      • 各プレイヤーキャラの性能差も特徴があり、人数も多いので自分で遊びやすいキャラを探す楽しみもある。
  • グラフィックは全体的にアニメ調で統一されており親しみやすい。
    • 各キャラには声優がついており、様々な場面で喋ってくれる。ボス戦前には音声付会話デモもある。デモは飛ばせるので、テンポを削ぐようなこともない。
    • 各ステージの舞台も列車と並走、森の中、氷の大地など多彩。後述のような問題もあるが、基本的に描きこみや演出も細かい。
      • ステージ開始前にはタイトルが表示されたり、ボス戦開始時にはボスの名前が表示されるなど凝った演出も用意されている。
    • BGMも明るかったりメルヘンだったり雰囲気に合わせた曲が多く、主張はしないが雰囲気を出すのに貢献している。

問題点

  • キャラクターモノのSTGだが、ボスキャラのデザインが同人時代のままで微妙。
    • 全体的に顔が下膨れぎみで「ムーミン」などと呼ばれている。プレイヤーキャラは描きなおされているので、よけい目立ってしまっている。
  • システム面はどこかで見たようなシステムが散見される事もあってオリジナリティがやや乏しい。
    • 前述のとおり、組み合わせ自体はうまく噛み合っておりプレイ感覚は良好ではあるが。
  • 少々画面が見づらい時がある。
    • 背景が描きこまれているため少々ごちゃごちゃしており、大量の敵が登場すると何でもない弾に当たって気付かないうちにミスになってしまう事がある。
  • SEやボイスの音量が大きめなためか、少々BGMが聴き取りづらい。
    • これがBGMが主張しない理由でもある。
  • 同人版から削除されたシステムも存在する。
    • カードの使用順の切り替え機能や、魔法陣展開時の範囲調節、一部武器カードなど。
  • あまりにも悪すぎる出回りの為、希少すぎて遊ぶ機会を得たプレイヤー自体が少なかった。
    • 総売り上げ枚数は20~30枚ともいわれ、しかも秋葉原に複数設置の店舗があったため探すことすら困難だった。
    • NESiCA×Live移植後は比較的プレイしやすくなったが、格闘ゲームの稼働を前提にビデオゲームコーナーを構築する店がほとんどなため、一人で2筐体を占有することとなるSTGのインストールを拒否する店舗も多く、希少なことには違いはない。

総評

同人版から大幅に調整され、面白さが増した良作STG。
遊びやすく、見た目から一見インカムも稼げそうではあったが、出回りが悪かったためマイナーSTGに甘んじていた。
現在はNESiCAxLiveで手軽にプレイ出来るようになったので、機会があったらプレイしてみるといいだろう。


トラブル☆ウィッチーズねぉ!

【とらぶるうぃっちーずねぉ】

ジャンル 魔女の錬金シューティング
対応機種 Xbox360 (Xbox LIVE ARCADE)
発売元 SNKプレイモア
開発元 冒険企画局
スタジオシエスタ
発売日 2011年4月27日
価格 800マイクロソフトポイント
備考 現在は配信終了
判定 良作

概要(ねぉ!)

  • Xbox LIVE ARCADE移植版。ACをそのまま移植したアーケードモードとXBLAオリジナルの360モードを搭載して配信された。

追加点

  • AC版とほぼ同じ感覚のオリジナルモードとストーリーモード、スコアアタックモード、ボスラッシュモードがプレイ出来る。
    • ストーリーモードはステージ間にイベントシーンが追加。会話はフルボイスになっている。音声は日本語と英語を選択可能。
    • 新キャラとして巫女風の「サクラコ」、DLCキャラに悪魔ッ娘の「リュッカ」の2名を追加。
    • 新ミスティックカード「デコイ」「ロール」を追加。
    • 新難易度「ラクラク」を追加。「ゲロゲロ」は難易度関係なく一度ALLクリアすると追加される。
    • グラフィックはHD化。バランスも調整されている。
  • ACモードは基本的にベタ移植。

評価点(ねぉ!)

  • パッケージソフトに勝るとも劣らぬボリューム。
    • ゲーム内容もAC版からさらに調整されて初心者でも遊びやすくなっている。
    • 追加キャラのサクラコは扱いやすく、ラクラクモードの追加と合わせて初心者が本作のシステムに慣れるのに一役買っている。
  • AC版で問題視されていたボスキャラのデザインもプレイヤーキャラ同様のクオリティに引き上げられている。
    • 各ステージのタイトル画面もボスの立ち絵だったのが専用のポーズに変更されており派手さが増した。

問題点(ねぉ!)

  • HD画質になっているが、少々見づらい点は変わっていない。
  • オンラインランキングのリプレイDLがモード別の総合上位10位のみの為、強キャラ以外の他プレイヤーのリプレイを見る機会が限られてしまっている。また、リプレイアップロードの関係からか、ストーリーモードではランキング登録が出来ない。
  • 諸事情によりショップでの「πタッチ」が出来なくなり、「プッチーニ」の帽子にタッチを繰り返す事で「ペルゥ」に追い出されるように変更されているのだが、人によっては何だか釈然としないものがあると感じるかもしれない。
  • 同人版隠しキャラの「シエス」がプレイヤーキャラとして使えず、同じ性能の代替キャラもいない。
    上記の通りAC版はNESiCAxLive配信の際に追加されたが、こちらはアップデートやDLCで追加される事もなく配信終了となった。

総評(ねぉ!)

豊富なボリュームと歯ごたえのあるゲーム内容から配信当時は大きく話題となり、ダウンロード数1位も獲得した。
それだけに配信終了は惜しまれており、ファンからは別の機会に復活することを期待されている。

余談

  • プレイヤーキャラのセンターを飾るのが見習い魔法使い(名前は「プリル」)だったり、ショップの店員がカボチャの妖精だったり、この辺りは往年の名作『マジカルチェイス』の影響なのだろう。
  • 2016年4月1日に公式からSteam版『トラブル☆ウィッチーズOrigin!』の開発が報じられた。
    • ただのエイプリルフールネタか本当かでファンやシューターの間で意見が割れていたが、同年11月22日より配信開始となり、2017年12月29日に資料集やサントラ等が付属した限定版のパッケージ版も発売された。通常版のパッケージ版も2018年05月25日に販売されている。
      • パッケージ版では後述する有料DLCの要素をパッケージ版では無料アップデートで導入する事ができる。
  • 『ねぉ!』をベースとしているが、一部UIの変更、2人同時プレイ機能の削除*2、ゲーム内の一部グラフィックとボイス全種が『Origin』独自の新規の物に差し替えられていたりと、変更されている点はそれなりに多い。もちろん『ねぉ!』で出来なかったショップでの「πタッチ」もバッチリ搭載された。
    • 『ねぉ!』ではプレイヤーキャラとしてリストラされた「シエス」もめでたく復活。一方中ボス版「シエス」が本作では「ツエス・キルティグ・ヴァイスヴァーサ」というシエスの色違い新規キャラに差し替えられた。
  • 『ねぉ!』の追加キャラであるサクラコとリュッカは未登場。恐らく『ねぉ!』のIPが発売元であるSNKプレイモア社寄りだったために、版権的な事情で参戦が難しかったのだろう。
  • ただしサクラコの代替キャラとして彼女の関係者である文忌寸(ふみのいみき)コザクラが登場。彼女のストーリーは教育係かつ理解者であった「オタクのおねえさま」*3を探しに行くという設定。
  • また、DLCキャラとしてサクセスのSTG『コットン』シリーズの主人公であるナタ・デ・コットンが登場している。それだけでなく、ゲーム内でコットンを使用時にゲーム内のBGMをAC版コットンのものに変更可能、ボス撃破後に原作と同じく「ティータイム」*4が挿入されるというファンサービスも。
    • DLCということもあってかリュッカを彷彿とさせる超高性能キャラであり、初心者救済用の役割も兼ねている。
  • 配信当初は未登場であった『AC』からの追加キャラであるシンフィー、ルイ、コノン、ラーヤも後にDLCとして追加されている。
    • ちなみにルイは『AC』、『ねぉ!』と比べて微妙に衣装が変わっている*5。ゲーム中の自機ドット絵もそれに合わせてグラフィックが僅かに描き変えられた。
  • 2020年3月1日には追加DLCとして新キャラのヨーコ、ペロペロの二人と、新モードの「ワルプルギスEdition」の配信が開始された。
  • 2022年9月にPlayStation 4/Nintendo Switch向けに『トラブル☆ウィッチーズ ふぁいなる! ~Episode 01 アマルガムの娘たち~』の発売が発表され、2023年7月6日に発売された。
    • 『Origin!』をベースにこれまでのバージョンで実装されたモードやキャラを可能な限り盛り込み、更にステージ背景のフルポリゴン化や新キャラ追加、アップデートで『ねぉ!』以来の2人同時プレイを実装などの集大成作品となる。
    • なお、残念ながら『ねぉ!』と同じくショップ店員へのπタッチはできない仕様になっている。
    • 2024年3月14日に追加DLCキャラとして新規キャラ「レミエル」と上記の「コットン」が配信開始された。
  • 同人版リリース後に続編となる『トラブル☆ウィッチーズ2 キモチをなくした竜の末裔』が発表されているが、2012年辺りから情報公開が止まり、現在でも音沙汰がない状態である。
    • スタジオシエスタの主要メンバーが立ち上げた「株式会社ロケットエンジン」のホームページには一応存在が確認できること、『Origin!』追加キャラのヨーコの設定に『2』と関連するものがある為、お蔵入りはまだしていないといえるが果たして…。
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最終更新:2024年03月15日 09:12

*1 良く同人サークルに間違われるが、正式な商号は「冒険支援株式会社」であり、れっきとした企業である。

*2 だが2020年3月1日のアップデートで、2人同時プレイを想定したと思われる演出がコンティニュー画面に追加されたため、アップデートで2人同時プレイが復活する可能性も残されている。

*3 作中ではボカされているが恐らくサクラコの事だと思われる。

*4 一定時間上から大量に降ってくる湯呑みを回収していくボーナスエリア。湯呑みの全て回避できるとシークレットボーナスが得られる要素があり、こちらでも再現されている。

*5 『AC』、『ねぉ!』では黒と黄色のタイツと藍色のスカートを着用していたが、『Origin』ではタイツが無くなり生足を晒す容姿になっている。スカートもホットパンツに変更されたが、こちらはカラーリングに変更はなく藍色のままである。それ以外は『AC』『ねぉ!』時代と同じである。