注意:当記事ではPS2『侍』と、そのバージョンアップ版であるPS2『侍~完全版~』、さらにそのマイナーチェンジ移植版であるPSP『侍道ポータブル』について記載しております。いずれも判定は「なし」です。



【さむらい】

ジャンル アクションADV
対応機種 プレイステーション2
発売元 スパイク
開発元 アクワイア
発売日 2002年2月7日
定価 6,800円(税抜)
判定 なし
ポイント 侍の世が終わりを告げた明治時代が舞台のチャンバラ活劇
マルチエンド方式かつ主人公の立場がガラリと変わる豊富な選択肢
剣の腕はもちろん、それ以外でも"侍"らしさが問われるシステム
程よいおバカ要素の数々
バグの多さが悔やまれる
侍道シリーズ
侍(侍~完全版~)(侍道ポータブル) / 侍道2(ポータブル) / 侍道3(plus) / 侍道4(plus)

概要

『天誅』などのアクションADVを手がけるアクワイアが開発*1し、スパイク(現:スパイク・チュンソフト)からPS2向けに発売された作品。
プレイヤーは戊辰戦争後の明治時代初期を生きるさすらいの侍。彼と同じく時代に取り残された侍たちが寄り付く「六骨峠(ろっこつとうげ)」で、操業停止して久しい西洋式の高炉「アラヤシキ」を巡り、「黒生鉄心(くろふ てっしん)」を主とする武家「黒生家(くろふけ)」と、鉄心の勘当息子である「吉兆(きっちょう)」が率いる反政府組織「赤玉党(あかだまとう)」、その二勢力に虐げられる「宿場(しゅくば)」の住民、そして政府軍のそれぞれの陰謀が渦巻く二日間を生き抜いていく。

基本システム

  • 主人公はこれといった設定はなく、ゲーム開始時に名前や数種類の顔つきと服装を組み合わせて自由に設定可能。
  • 基本操作は一般的な3Dアクション方式で、峠を駆け回って様々なイベントをこなし、二日間を過ごしていく。
  • 六骨峠は8つのエリアで構成されている。時間帯は日中→夕方→夜の2セットで構成されており、特定の重要イベントをこなすことで時間が経過する。逆に言えばそのイベントを起こさなければいつまでも同じ時間帯で行動することもできる。
  • 本作の肝は会話時やイベント時の主人公の反応の多さ、そしてそれぞれに応じたストーリー分岐の豊富さにある。時間帯ごとに特定の人物に近づくと会話やイベントが発生し、主人公に発言の選択肢が現れるが、それぞれの発言や主人公の態度(無言でいる、抜刀もしくは会話相手に攻撃する、その場を立ち去る*2)により相手のリアクションや自分の立場が大きく変化する。
    • 選択肢一つひとつにより、相手の所属組織に加勢するか敵対するかが左右される。途中で裏切ったり、あるいは再度仲間になったりすることも可能。
  • マルチエンディング方式。最終的には黒生家・赤玉党・宿場のいずれかに所属し、六骨峠に襲い来る政府軍、そして軍の指導者である「玉川上水(たまがわ じょうすい)」と戦うことになる。
    • エンディング分岐は6つあり、それぞれの所属組織に応じたものが3つと、そこからの派生エンディングが3つ用意されている。
    • 中には政府軍に寝返るエンディングもあるが、実際に政府軍の一員として戦うことはない。

戦闘

  • 本作では刀を鞘にしまっている「納刀」と刀を抜き攻撃体勢を整える「抜刀」という2つの状態がある。納刀中は「蹴り*3」もしくは後述の道具でしか攻撃できず、戦闘では抜刀状態がメインとなる。
    • なお、戦闘時以外の状況での抜刀は周囲に敵意や恐怖心を与える行為に他ならず、普段は納刀状態でいることが推奨される。
  • 戦闘は3D格闘ゲームに近い方式が取られている。威力は低いが隙が小さい「小技」、威力は高いが隙の大きい「大技」、刀を眼前に構えての「防御」、防御不能の「蹴り」(技によっては蹴り以外の打撃技や飛び道具も含まれる)が基本要素となる。
    • 小技・大技・蹴り・ジャンプを特定の順や組み合わせで入力する、もしくは方向キー入力と組み合わせると刀それぞれの固有技や連続技として繰り出すことができる。
    • 自分・相手ともに攻撃を防御された際には無入力・前入力・後入力により「崩し」の攻防が発生する。前入力の「押し」は無入力の相手をのけぞらせて防御をこじ開け、後入力の「捌き」は押してくる相手を受け流してよろけさせ、無入力は相手の捌きを空振らせ隙を作る、といった三すくみが存在する。
    • 相手の攻撃が当たる瞬間にタイミングよく防御入力をすると「合わせ」が発動。「キンッ」という短い金属音とともに合わせが成功した側が黄色く光り、通常防御時とは違い相手の攻撃動作が終わる前に反撃に転じることができる。攻撃後の隙の大きい技ほど合わせた場合の恩恵が大きい。合わせはこちらが攻撃中・防御構え中・転倒中でなければいつでも使用可能。
      • 浮かせ技やダメージの大きい技を食らって吹き飛ばされている最中でも、合わせが成功すれば一瞬で体勢を整えられる。
      • 一部の技は合わせが成功した際に低確率で「見切り」が発生し、以降その攻撃に対して何も入力しなくとも自動的に合わせが発動するようになる。
  • 複数人を相手にする場合は、標的としている相手以外は攻撃してこず、1対1の体裁が守られている(こちらが納刀している場合や自由移動中を除く)。逆にこちらから複数人を同時に攻撃したり、自由移動で標的を変更することが可能。
  • 戦闘が発生する状況はイベントが主であるが、通行人として通りかかるザコ(黒生家家臣および赤玉党党員)に辻斬りで襲い掛かる、あるいは挑発的な発言を行い喧嘩を売ることでも発生する。
    • ザコを相手にした場合は果たし合うも途中で逃げるも自由に行えるが、主要人物を相手にした場合は決着のつけ方(殺害・負傷撤退・降参)があらかじめイベントごとに決まっている。こちらの降参や逃亡も同様であり、中には決着が付くまで別エリアへ逃げられなくなる戦闘イベントもある。
    • 相手が主要人物であればこの戦闘時にもセリフの選択肢が現れる。「待て」を選べば相手は思わず静止し、相手の容姿や腕前などをバカにした挑発セリフを選べば必殺の固有技を繰り出してくる(合わせや見切りを狙える)。ただし、何度も発言すると相手がひっかからなくなる。
    • 逆に主要人物が味方に付いている場合は、回復アイテムを要求したり、必殺技で援護を頼むことができる。ただし、前者についてはそれまでのイベントでその味方に好印象を残す振る舞いをしていることが条件となる(主人公に好印象がない場合や何度もねだった場合は激励の言葉が返ってくるのみ)。

刀について

  • 初期装備は「中庸刀(ちゅうようとう)」という刀で、他の刀は倒した敵から拾うことにより入手可能。
    • 刀は装備しているものも含め3本まで持ち歩くことができる。ゲームをクリアすることで「刀蔵(かたなぐら)」に所持していた刀が納められ、次回プレイ時に初期装備として持ち出すことが可能。
    • 主人公が死亡しゲームオーバーになると、そのとき持っていた刀は全て失ってしまう
  • 刀それぞれには硬度・体力・攻撃力・防御力が設定されている。
    • 硬度は画面下に体力ゲージとともに表示されており、戦闘で攻撃が相手に当たると硬度ゲージ上で負荷のゲージが貯まっていき、上限に達すると硬度ゲージが砕け散り、硬度が減少してしまう。負荷は攻撃しなければ自動的に下降するが、大技を防御される、複数人を同時に大技で攻撃するなどすると上昇しやすい。硬度が0になってしまうと刀身が砕け散り、ダメージを与えられなくなってしまう。
    • 体力・攻撃力・防御力はアイテムで上昇する他、「一本松」にいる「堂島軍二(どうじま ぐんじ)」という鍛冶屋に依頼することで、硬度も含めたステータスを変更することが可能。また、堂島には所持している刀を一本だけ刀蔵に預けてもらうこともできる。
  • 固有技・連続技は刀それぞれによって固定されている。戦闘を繰り返して刀の経験値を貯める、特定の技でとどめを刺す等特定の条件を満たせば新しい技を習得できる。刀によっては二者択一の習得技(一方を習得するともう一方が習得できない)も存在する。
  • 構えは中段・下段・上段・脇構え・片手・忍者構えの6種類が存在する。それぞれの構えにより攻撃スタイル(素早い動きで翻弄する、威力が高いなど)や技の傾向が概ね定まっている。

アイテム

  • アイテムは回復アイテム(食べ物)・強化アイテム・金・道具に分類される。
    • 回復アイテムは大根・ひよこういろう・アジの塩焼き・キノコ/毒キノコの5種類で、マップごとにあらかじめ配置されており、入手後もエリアを移動すれば元の場所に復活する。また、敵を撃破した際にドロップする場合もある。このうちキノコは毒であるか否かは出入りするごとにランダムであり、さらに体力回復量・減少量にも幅がある。
    • 強化アイテムは刀の体力・攻撃力・防御力上昇の他、刀の習得技や見切り技を入手できるものも存在する。こちらは敵からのドロップでのみ入手可能。
    • 金は1円札と5円札の2種類。主な使い道は前述の刀の鍛錬の代金であり、他には一部のイベントで奪われる程度。アイテムとしては敵からのドロップでしか出現しないが、特定の依頼をこなすことで金を稼ぐこともできる。
    • 道具は持ちあげて凶器として投げつける・殴りつけるなどして攻撃できる。片手で持てる軽いものと両手で持ち上げ動作が遅くなる重いものの2種類が存在する。中には爆弾や大砲の不発弾、黒生家待望の跡取りの赤ん坊である「金太郎(きんたろう)」など、刀よりも大きなダメージを与えられるものも存在する。しかし納刀状態でなければ使用できず、刀に比べ隙が大きいため、戦闘では非推奨。こちらも一部除き回復アイテムと同様にマップごとに配置が固定で、持ち運んで位置をずらしてもエリアを出直せば復活する。
    • いずれも□ボタンで入手できるが、道具以外は蹴り上げることでも入手可能(回復アイテムの場合は食べるモーションが省略される)。納刀する余裕のない戦闘中は蹴りで入手したい。

侍偏差値

  • ゲーム中には「侍偏差値」という隠し数値があり、主人公のセリフや行動が侍としてふさわしかったかに応じて上下する。単なる善悪価値観のみならず「適切な状況以外でむやみに抜刀や攻撃をしない」「一度味方についた勢力に尽くし、裏切らない」「戦闘になれば必ず勝ち、降参しない」などの要素も判断基準に含まれる。
    • 侍偏差値はゲーム内で確認することはできないが、通行人のザコが主人公とすれ違った際の反応である程度判断できる。
  • ゲームをクリアするかゲームオーバーになると、侍偏差値の合計に応じた「侍度」と、それによる「称号」が表示される。ただし、称号の中には侍偏差値以外の特定の条件を満たさなければ得られないものも存在する。なお、これらはエンディング自体には影響しない。

対戦モード

  • 本作の戦闘システムを利用し、1対1の格闘ゲーム風の対戦が楽しめるモード。主人公を含めた本編登場キャラを選択可能。
    • 主人公は当モード選択直前の本編プレイ時の容姿が反映される。
    • 使用する刀はお互いに刀蔵から選ぶことができる。

隠し要素

  • 侍度は「GP」という数値として加算され、このGPが貯まることで主人公の容姿や対戦モードの使用キャラ・ステージなどの様々な隠し要素が解放されていく。
    • 主人公の容姿の中には漫画『無限の住人』の主人公・万次が含まれている(デフォルト装備も原作通り「妹守辰政(いものかみたつまさ)」に変化)。

その他

  • 登場人物はいずれも声優が当てられているがフルボイスのセリフはなく、発言時に短い言葉を発したり、攻撃時に掛け声を発するといった『ゼルダの伝説』シリーズに近い演出がとられている。

評価点

  • 侍の世が終わった明治時代に繰り広げられる、最後の侍たちの物語の濃密さ。
    • 武家の存続という現実問題を見据え、不本意ながらも政府への「アラヤシキ」の売却に臨む黒生家。その「アラヤシキ」を強奪して装備を整え、政府を打倒し再び侍の世を取り戻さんとする赤玉党。真っ向にぶつかり合う二勢力でありながら、ともに受け入れがたき新たな時代に向き合う侍の苦しみを強く感じさせる。
    • 全身に入れ墨を施したヤクザ気質の「坪内八郎(つぼうち はちろう、通称坪八)」、"人斬り=狩り"という危ない志向が人相からにじみ出た「刈部星雲(かりぶ せいうん)」を始め、登場人物一人ひとりがやたらと濃い。
      • この他、チャイナドレスに身を包んだイギリス出身の麗人剣士「チェルシー」や、武士道に傾倒する巨大アフロヘアーの黒人侍「ドナルド・ドナテロウズ(通称ドナドナ)」といった異国の人物が登場。侍活劇に明治時代の「洋」のテイストが溶け込んだ、独特の雰囲気が作り出されている。
      • 勢力の内外に関わらず、それぞれの人物の関係が複雑に絡み合っており、より一層ストーリーに深みを与えている。
  • 主人公の振る舞い方の自由度の高さ。
    • 真面目に相手の話を聞くのみならず、その場を立ち去ったり相手に蹴りを入れたりと、思うがままのリアクションをとれる。
    • 属する勢力を決めるも変えるも自分次第。本作の登場人物は少々騙されやすい傾向にあり、一度裏切って再度味方についても割とあっさり許してくれる。
      • 同じイベントでも、主人公の立場やリアクションによって目線や展開ががらりと変化する、多重構造となっている。
    • 己の信念や正義に基づいて行動するもよし、極悪非道の限りを尽くすもよしという、主人公の設定が存在しないゆえの自由さ。プレイごとに自分で主人公の性格を考えて行動するという楽しみ方もできる。
  • 40種類以上にもわたる刀の種類の豊富さ。プレイヤーの好みに応じて様々な戦闘スタイルを楽しめる。
    • 技に関しても純粋な剣術に限らず、「回転して体当たりを繰り出す」「野球のバットスイングのごとき一撃を繰り出す」といったユニークなものも存在する。
  • 単なる剣劇アクションにとどまらない"侍"の側面の描写。
    • 従来の侍題材作品では剣客としての描写のみがクローズアップされることが多かったが、本作では行動一つ一つが侍らしさという尺度で測られたり、刀の抜き差しによる周囲の反応の違いが明確に描写されているなど、剣の腕前以外の"侍"のあり方が随所に打ち出されている。
  • 時間帯や状況に応じたBGM。
    • 特に夕方に流れるBGMは、侍の世の終わりにふさわしい悲壮感を感じさせるメロディとなっている。
  • そこかしこに光るおバカ要素。
    • 解放される主人公の容姿に珍妙なロボットが含まれていたり、セリフの選択肢の中には明らかに空気の読めないぶっ飛んだものも存在するなど、遊び方によっては一気にお笑い物へと変貌する要素が見られ、堅苦しさや湿っぽさにとらわれない雰囲気が与えられている。
    • 一通りのイベントを経験した後は、「支離滅裂な言動で周囲を振り回し、戦闘ではショボい刀を振りかざすも文字通り太刀打ちできず命乞いを繰り返す」といった三枚目のアホ侍を演じるのもまた一興。
  • 多彩な隠しコマンド。
    • 体力全回復・硬度回復といった初心者救済策的なものあれば、主人公の容姿を作中登場人物に変更するといったコミカルものまで様々。本作をあらゆる面でより楽しませようとするスタッフの気遣いが感じられる。

賛否両論点

  • エンディング分岐条件は基本的にノーヒントであり、特にエンディング1の分岐条件は他のエンディングに比べ難しめ。
    • 黒生家・赤玉党の双方を介在してそれぞれが直接衝突するイベントを避け、それぞれの所属人物を全員生存させることが条件となる。
  • 周回プレイを前提としたゲーム性であるため、ストーリーが短い。
  • グッドエンディングであるエンディング1、2においても主要人物に必ず死者が出る構成となっている。
    • 一日目の夜のイベントで死者が出る可能性のあるイベントが二つ含まれており、一方を見殺しにせざるを得ないため。

問題点

  • バグが異様に多い。
    • 中にはゲーム進行不能になる致命的なものもあり、刀消失のペナルティと合わさって猛威を振るった。詳細はこちらを参照。
  • イベントスキップには非対応で足止めを食う場面が多く、既視のイベントが増えるほどテンポの悪さが際立つ。
  • 特定のエンディングを目指す場合、ストーリー分岐を誤ったり条件を満たせなかったりすると刀消失のペナルティを避けるため別のエンディングでクリアせざるを得なくなり、モヤモヤした気分を引きずったままのプレイを強要される。
    • あるコマンドを入力するとリセットして即座にタイトルに戻ることができるが、これを利用したときもゲームオーバー時と同様刀を失うことになる。
  • 特定箇所では固定視点が使用されているが、そのうち黒生屋敷内は部屋ごとにコロコロと視点が切り替わるため操作しにくい。
  • 刀は上位互換・下位互換がはっきり存在している他、二者択一の習得技にも使い勝手に差があるなどにより、戦闘を有利に進めるためには選択肢が絞られてくる。
  • 複数人との戦闘の際、相手側が密集すると攻撃時にターゲットが切り替わりやすく、もどかしさを感じさせる。
  • まとまった金を稼ぐ手段が黒生家に関わるイベントに偏っている。

総評

明治時代を舞台に据え、マルチエンディングや振る舞い一つ一つで主人公の立場が大きく揺らぐイベントの形式を通じ侍のあり方を問うという、チャンバラ中心であった従来の侍モノとは一線を画した作品。それでいて真面目さやシリアスさに振り切れることなく、ほどよいバカさ加減が清涼剤として機能している。バグの多さや不便さの目立つシステム面により良作には今一歩及ばないものの、その独特な作風は多くのプレイヤーを引き付けた。

余談

  • 主人公は掛け声とイベント中の発言以外にセリフを発しないのだが、とあるエンディング分岐ルートで吹き出しで「おう!」と発するシーンがある。
  • 開発段階では刈部は「相手の技を吸収し自分のものとする」という戦闘スタイルをもつ案があったが、刀それぞれで使用できる技が決められているシステムを導入したことにより、この案はボツとなった。

侍~完全版~

【さむらいかんぜんばん】

ジャンル アクションADV
対応機種 プレイステーション2
発売元 スパイク
開発元 アクワイア
発売日 2003年1月16日
判定 なし
ポイント 海外版『Way of the Samurai』の逆輸入バージョン
バグの修正や新装備・新イベント追加により正当進化
一部刀の仕様の変化により完全上位互換作品とは言えない面も

概要(完全版)

  • 『侍』の海外版である『Way of the Samurai』を日本国内に逆輸入した作品。『侍』と比較し、バグの修正やより遊びやすくするための変更が加えられている。

変更点(完全版)

  • 『侍』で多くのプレイヤーを苦しめたバグが解消された。
  • 新しい装備の登場。斧や鎌、ノコギリなどいずれも純粋な刀ではない装備となっている。
    • この他、既存の刀の中にも技や仕様が変化したものがある。
  • 難易度「むずかしい」の登場。上記の新装備の中にはこの難易度でしか入手できないものもある。
  • イベントの追加・一部変更。概ねストーリーがより分かりやすくなるような描写となっている。
  • 戦闘時にターゲットとしている相手に紫のオーラが付加され、複数人を相手にしていても標的が分かりやすくなった。
  • 六骨峠のエリアの一つ「鉄道」の土砂でふさがれていた道が開通し、プレイ途中で六骨峠を去りゲームを終了させることが可能となった(クリア後・ゲームオーバー後と同様に侍度と称号が表示される)。これにより刀を持ち帰ってのやり直しがしやすくなった。
  • 既に見たイベントを中略できるセリフが大幅に増加。
  • 元の英語表記に合わせ、セリフのテキストが縦書きから横書きに変更された。

評価点(完全版)

  • バグの解消や新しい要素の導入により、通常プレイでもやりこみ方面でもネタ方面でもより遊びやすい進化を遂げた。

賛否両論点(完全版)

  • 一部の刀の仕様が変化してしまったため、『侍』のときとは使い勝手が変わってしまったものも見られる。
    • このため『侍』の完全上位互換とは言い切れないのが惜しいところ。
  • テキストが横書きに変更されたことで、「和」の雰囲気が少々薄れている。
    • ちなみに横書きテキスト自体は『侍道2』以降も引き継がれている。

問題点(完全版)

  • イベントスキップには相変わらず非対応。
    • イベントシーンの追加により、『侍』に比べかえってテンポが悪化した箇所もある。

総評(完全版)

『侍』の面白さをそのままに、さらなる遊びやすさを追求したバージョン。『侍』の刀に対してとりわけこだわりがなければ、本作を選ぶことをおすすめする。


侍道ポータブル

【さむらいどうぽーたぶる】

ジャンル アクションADV
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 スパイク
開発元 ゼロディブ、アクワイア
発売日 2008年9月18日
定価 3,990円(税5%込)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
配信 2009年8月10日/3,000円(税5%込)
廉価版 PSP the Best:2013年7月11日/1,800円(税5%込)
判定 なし
ポイント 『完全版』のPSP移植版
内容的にはベタ移植+αといったところ

概要(ポータブル)

  • 『侍~完全版~』をさらにPSP向けに移植した作品。

変更点(ポータブル)

  • アドホック通信によりユーザー間で対戦が行えるアドホック対戦モードの追加。
    • またアドホック通信を介してプレイヤー間で刀を交換すると、一部の刀の名前とステータスが変化する。
  • オープニングムービーのBGMがアレンジバージョンに変更された。
    • 特典として旧BGMのオープニングも収録。
  • 当時発売前であった『侍道3』の映像を特典として収録。
    • 主人公の容姿にも『侍道3』の主人公のものが追加されている。
  • クリア特典で使用できた隠しキャラ「万次」が削除され、代わりに妹守辰政を装備したすずが解禁される。
  • オートセーブが抑制され、PS2版ではセーブデータが消されていた場面でもセーブデータが残っており、以前のセーブデータから無事再開できる場面が増えた。
    • ゲームオーバーになってもセーブさえしなければ刀を失わずに済むようになった。
  • 浮かせ技をヒットさせても敵が浮きにくくなり、空中コンボが狙いにくくなった。
  • 主人公の移動速度が上昇した。

評価点(ポータブル)

  • 刀消失ペナルティを避けられるようになったため、より安心して周回できるようになった。

問題点(ポータブル)

  • 『侍』→『侍~完全版~』ほどの劇的な追加要素が見当たらず、『完全版』からのさらなる進化を期待すると肩透かしを食らう。

総評(ポータブル)

刀を失わない救済策や主人公の移動速度上昇などの改善点も見られるが、大部分は『侍~完全版~』と同一。テレビを使わずお手軽にプレイしたい場合は本作も選択肢にはなるだろう。