ここでは『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』と『ファントムブレイカー:バトルグラウンド オーバードライブ』の2作品(判定は共に良作)を扱います。
また、通常版と『オーバードライブ』を纏めて“本作”とします


ファントムブレイカー:バトルグラウンド

【ふぁんとむぶれいかーばとるぐらうんど】

ジャンル 多人数同時プレイ可能アクション
対応機種 Xbox 360(Xbox LIVE ARCADE)
プレイステーション・ヴィータ(PlayStation Store)
Windows(Steam)
販売元 5pb.(MAGES.)Rocket Panda Games
開発元 リリースユニバーサルネットワーク
大谷幸夢店
販売日 【360】2013年2月27日
【PSV】2014年3月13日
【Win】2015年1月23日
定価 【360/PSV】1,200円(税別)324円(税込)
【PSV数量限定版*1】4,800円(税別)
【Win】1,180円(税別)
プレイ人数 オフライン:1~4人
オンライン:2~4人
※PSV版はオフライン:1人・オンライン:2~4人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
備考 配信終了
ポイント アクションゲームとしては良い出来
やっぱり影が薄いファントム爺さん
配信されなかった新モード
ファントムブレイカーシリーズ
ファントムブレイカー(アナザーコード)
バトルグラウンド(オーバードライブ) / エクストラ(オムニア)

概要

2D格闘ゲーム『ファンブレ』の続編である2ライン制ベルトスクロールアクション。
ダウンロードソフトとしてXBLAで販売が開始。のちにPSVでもプレイステーションストアにて販売が開始、その後Winでも販売が開始された。
ゲーム的には『パンツァーバンディット』を昇華させた物。『ファンブレ』シリーズ自体『あすか120%』シリーズのシステムを色濃く受け継いでいるが、実はこれらほぼ全て一部開発スタッフが同じである。

特徴

  • ゲームモードは以下の4つが存在する。
    • ストーリーに沿ってプレイする“ストーリーモード”。
    • 全ステージを通しプレイしてスコアアタックとタイムアタックを行う“アーケードモード”。
    • 協力プレイを行う“CO-OP.モード”。
    • 対戦を行う“バトルグラウンドモード”。
  • メインのプレイアブルキャラクター。
    • 仁科 美琴(にしな みこと)
      • 有名バイオリニストの主人公的存在。剣が武器のスタンダードタイプ。
    • 九紋 稚(くもん わか)
      • 戦う巨乳巫女。薙刀を振り回すロングレンジタイプ。
    • 神埜 唯月(こうの いつき)
      • 正義の味方のメイドさん。ハンマーでぶっ飛ばすパワータイプ。
    • 藤林 柚葉(ふじばやし ゆずは)
      • 高校生のくノ一。忍者刀&苦無で切り刻むスピードタイプ。
  • 条件を満たせばストーリーモード以外で一部ボスキャラなども使用可能。
  • 対戦を除き難易度を5段階選択可能。
  • 基本的な攻撃に使用するボタンは弱攻撃(L)・中攻撃(M)・強攻撃(H)・必殺技(SP)の4ボタン。これは前作から変わっていない。
    • 但し「L+Mでのオーバードライブ/エマージェンシー」「M+Hのアウトレンジ攻撃」「H+SPの必殺技&超必殺技」「方向キー上か下の2度押しでのライン移動」といったアクションがL&Rに割り振られており手軽に出せる様になっている。
    • 他にも掴み技(投げ)、バックアタック、スリップシフト、リフレクションなど多彩なアクションが存在する。
    • コンボを決めるとプレイキャラの上にヒット数が表示される。
  • 今作ではストーリーモード冒頭でプレイキャラの力が失われるので経験値アイテムを集めレベルアップさせて育てていく事になる。
    • 経験値アイテムは敵によって出現数が異なり難易度の上昇やコンボを繋いだり必殺技を使うなどの条件で出現数が増えていく。コイン(得点アイテム)もほぼ同様。難易度上昇の一環か、最高難易度では経験値アイテムは出現しない(ボーナスステージは除く)。
      • レベルアップするとスキルポイントを獲得でき“スキルセットアップ”でポイントを消費して攻撃力・防御力・素早さの上昇*2やスキルの修得を行える。
      • スキルを修得していく事で2段ジャンプやSPアタックなどが使用可能になっていく。
      • 尚、基本的にアイテムの大きさと効果は比例する。

評価点

  • レトロゲームを意識しつつも現代的にまとめた見事な作風。
    • ゲーム中の文章やキャラなどは全てファミコンの様な昔のゲーム風のドット絵となっている。キャラが反対側を向くとそのグラフィックが反転したり全く同じ顔の人(雑魚敵)が沢山登場したりするのはまあ御愛嬌。
      • また、BGMもPSG音源となっており悪くは無い。
    • その一方でムービーなどは今風なアニメーションで、ステージは一部に3Dも使われており、ボイスは曇っていない質の良いものとなっている。上記の通り機種によるがオンラインだけでなくオフラインでも最大4人で協力・対戦可能。
  • ストーリーは「謎の男“ファントム”にさらわれた稚の妹を助け出せ!」と言うシンプルで分かり易い内容。結末(後述)以外は深く考える必要はない。
  • プレイキャラの特徴がちゃんと分けられておりきちんと差別化はされている。
    • 一見かぶっているように見えるキャラも微妙に異なる。
      • バランスは概ね良好。「このキャラが圧倒的に強い!」「そのキャラはあのキャラに弱い!」と言った理不尽は無い。
    • 男が“インフィニティ”一人にされた。美少女を売りにしていたシリーズの割に過去作では男キャラが複数いたため概ね好評。
    • マルチプレイでは同キャラ選択も可能。
    • 前作から引き続き、豪華な声優陣がフルボイスで盛り上げてくれる。
  • 敵のバリエーションも豊富。主に以下の4つに分けられる。
    • 影人(かげびと)
      • 頭部の仮面の様な寄生体で洗脳された人々。いわゆるオタクや時代遅れの山姥ギャルなどその人その人の攻撃をしてくる。
    • 『T‐DA(ティーディーエー)』のモンスター
      • シリーズ中のゲーム『トゥルーダークエイジ』から実体化したモンスター達。様々なタイプが居る。
    • ヴァールハイトのロボット部隊
      • 軍事用ロボ部隊。こいつらのみ倒した際爆発する。
    • ファントム直属の陰陽師
      • ファントムを信奉する陰陽っ娘達。宙に浮き術で攻撃してくる厄介な相手。
  • 協賛企業が豊富で登場するステージも凝っている。背景に牛丼の“吉野家”が在ったり“ソフマップ”の店頭には5pb.のゲームのポスターが貼ってあったり有名なゲームセンター“HEY”が舞台になるなど実際に存在する作品や店舗が多数登場。分かる人にはクスリと来る演出となっている。
    • アキバがチュートリアルステージとなっており、ストーリーモードではここのみステータスとスキルがフルの状態である。アクションゲームが苦手なプレイヤーへ十分に配慮がされている。
      • 因みに御馴染のゲストキャラを選ぶとアキバのBGMがそれぞれ専用のものになる。
    • 前作同様エリアは結界のようなバリアで囲われている*3
      • また、ボーナスステージAではスロー演出が入る特定のキャラのオーバードライブを行うとカウントダウンも遅くなる。
    • 難易度毎に一度到達したステージは自由に選択する事が可能。レベルが低くて行き詰っても戻ってレベル上げしてから再挑戦する事ができる。
  • 爽快感あふれるアクションと無双感。
    • 元々コマンド入力は簡単だったが、ベルトスクロールアクションになった事で複雑なコマンドを更に廃している。しかもコマンドは全キャラ共通なのでキャラ毎に一々覚える必要が無くキャラ選びで挫折しにくい。
      • 即死トラップなどは一切ない為協力プレイでは玄人が素人を引っ張って行くプレイも可能。プレイヤー間で険悪になる要素がかなり少なくライトゲーマーでも楽しめる。
    • 敵の大きさに関係なく掴み技を仕掛ける事が可能。どんなに大きくてもお構いなしである。
    • どのキャラも限界まで育てれば高い機動力で縦横無尽に動き回れる。誰でもできる事が多く「攻略の自由度は高い!」と言えるだろう。元が格ゲーだった事も隠れたポイントか。
  • 比較的パロディーが豊富。元ネタを知っていればより楽しめるだろう。
    • 回復アイテムの様々な飲食物や動くエレベーター上での戦いなど往年のベルトスクロールアクションで定番の要素もしっかりと押さえている。
      • 因みにプレイキャラ毎に好き嫌いが設定されており、各々ゲットした回復アイテムに応じて回復量が増減する拘り様。本シリーズの盛政樹プロデューサーがデータイースト在籍時に開発に関わっていた『ナイトスラッシャーズ』に因んでいるものと思われる。
    • 架空の店舗に関しても殆どがパロディーである。
    • 影人の中には攻撃せずに逃げ回る奴が居るが、これはシーフのパロディー。因みに姿形はデザイナーの知り合いがモデルらしい。
    • アキバでスタート直後に高くジャンプするとラジオ会館に人工衛星が刺さっているのが見える。
    • アキバの最後で吸い込まれる部分は『怒号層圏』のパロディー。
    • 新宿のとある壁に“いくのはやみろ”と落書きされてある。
    • 柚葉が魔空で「パンダココア?」と言うが、これは嘗てのゲーム雑誌『ゲーメスト』の投稿ネタにあった台詞の空耳である。
      • 因みに英語版でも「Pandacocoa?」と言うらしい。
    • 敵を倒した時のアイテムの出方が『ファンタジーゾーン』っぽい。
    • ファントムが新宿で『ワイルドファング』のゴリラの如く巨大な幻影として登場、左右からパンチで攻撃してくる。
    • 敵キャラに『ウォーザード』で見た様な鬼が居る。
    • 名称のみ登場する“アスクレー・セキュリティーサービス”は表向き製薬会社だが裏では(ヴァールハイトとして)兵器開発を行っている“アンブレラ”みたいな企業。
  • PSV版に関して。
    • Vita TVにも対応している。
    • PS4版販売開始に伴いクロスバイに対応。PS4版とDLCを共有可能に。

賛否両論点

  • ギャルゲームとしても『ファンブレ』としても御色気要素がかなり控えめ。「ギャルや御色気に抵抗がある人でも取っ付き易い」「パーティーゲームとして使い易い」とは言えるかもしれないが…。
    • まずパッケージの通り登場人物がデフォルメされている
      • 盛Pは自身のブログで「マリオなどは3頭身だから日本で作られたゲームだとアピールするには3頭身が適していると思っていた」と言うが…。
      • 『ファミ通』公式サイトでは「逃げないで」とコメントされた事も(現在は機能ごと削除)。
    • 折角の巨乳巫女もゲーム中はドットで小さく描かれる為乳揺れが分かり辛い残念な結果に。オープニングアニメで良く観れるのがせめてもの救い。
    • また、前作同様殆どの女キャラがミニスカートであるにも拘らずパンチラしない
      • 高層ビルの屋上から飛び降りるボーナスステージBでも不自然な位スカートは捲れない。よく見るとスカートを押さえている稚や唯月は兎も角、他は針金でも仕込んでるのか。
      • 尤も本シリーズは魔法みたいなものが存在する世界観なのでそれで何とかしてるのかもしれないが。
    • 因みにキャラクター原案はアダルトゲームSHUFFLE!』で一躍有名になった鈴平ひろ女史である。肌色率も低い為色気あるキャラでプレイできない事を惜しむ声も少なくない。
      • 盛Pはブログでフィンと『エクストラ』に登場したエンデ少年が活躍するPBディフェンスモード*4の配信を2014年1月27日に発表したが 何故か打ち切ってしまった (後述)。
      • 特にフィンは9歳の幼女ながら白いランニング型スクール水着同然の恰好をしている人気キャラで、ネタが豊富な為パロディーの意味でも「せめてフィンだけでも配信してほしい!」と参戦を望むファンは多かったが、そんなフォローすら無かった。PBディフェンスモードやフィンを期待して本作を買ったユーザーは損しかしていない。
      • その代わりのつもりかBGMを『オーバードライブ』のそれに切替えれるDLCが有料配信された。
    • せいぜい稚の乳揺れぐらいしかなく、何故レーティングが全年齢対象でないのか不思議な位である。一応美琴には穿いてない疑惑があるが…。
  • プレイキャラのカラーバリエーションは豊富だが、上述の事を知ったファンからは「違う所にもっと力を入れてほしい」との声が上がったのは言うまでもないだろう。
  • 難易度が低いと出現しなかったりたったの1エリアにしか登場しない敵キャラがおり「勿体無い」と言う声も。
  • トレーニングモードが無い。まあこれはベルトスクロールである以上「絶対無ければ困る」と言う程ではないだろう。
  • 前述の通り比較的パロディーが豊富だが、ネタの殆どが古い。それだけならまあいいのだが、その上でマニアック。「知らなくても楽しめる!」とは言え、「パンダココア?」なんてネタが分かる人が一体何人居るのか
  • Win版が発売当初オンライン未対応だった*5
    • しかも360以外のほとんどのコントローラーではボタン配置が滅茶苦茶になる。外部ツールなどでの対応やキーコンフィグもほとんどできなかった。
      • 2016年8月19日のVer.1.1.20でようやくオンラインプレイが可能となった。これにはDirectXコントローラーやXbox Oneコントローラー関連の改善も含まれている。
      • これと同日にケモノ耳コスチュームも配信。有料DLCだが配信時点で既にWin版を持っていたユーザーには無償配布された。
  • アイコン配信が360のみ。しかも有料。
    • また、限定版がPSVのみ。

問題点

  • プレイキャラに関して。
    • シリーズにゲストキャラとして出演していた『STEINS;GATE』の牧瀬紅莉栖が相変わらず有料。それ自体は過去作でも同じだったのだが…。
      • 特に問題なのはこのDLCが全プレイキャラのレベルキャップを99に上昇させる機能を同梱している事。つまりこれが無いと高難易度クリアが難しく事実上必須となっている。価格がそこまで高くないのがせめてもの救いだが…。
    • 新キャラがいない。
      • 条件を満たせば白美琴と稚の妹と影琉が使える様にはなるが、その内の2人はそれぞれ美琴・影霧と姿や声などが「全く」と言えるぐらい同じ為新鮮味がかなり薄い
      • 初参戦となる『ROBOTICS;NOTES』の神代フラウを使える様にはなったが、このキャラはおまけなしで紅莉栖と同額なので割に合っていない。
      • どちらにしても前作や原作などをやった事ある人等は特に新鮮味を感じない可能性もある。
    • CHAOS;HEAD』の咲畑梨深が登場していない。「フラウはその代わり」と言う事だろうか?
      • 因みにフラウの配信予定日は2015年9月だったが実際に配信が始まったのは2016年11月18日、なんと1年1ヶ月を越えた*6(後述の音源DLCはその詫びだろうか?)。
      • 360版に至っては不具合の存在を理由に2016年内配信予定のままの状況だったが結局延期された。その後2017年3月7日に配信が始まったが…。
      • また、公式サイトで詳しいキャラ紹介どころか技の解説すらされておらず、Switch版公式サイトでやっと紹介される始末である。
  • アクションに関して。
    • 真上への通常攻撃ができない。本作には空中の敵も多い為特にそいつらへの対処に苦労する。
      • また、十字キー左もしくは右それぞれ二回の技が出しにくい。しかもそれぞれ一回の技を出したい時に暴発する事がある。どうして素直に十字キー上にしてくれないのだろうか?
      • これ等は『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』など10年以上も前のアクションゲームでも出来ていた事なのだが…。
    • 実は空中で十字キー下+中OR強など(キャラによって異なる)で下への急降下攻撃が可能。
      • また、ある程度ダメージが蓄積した状態で攻撃を喰らうとピヨるが、レバガチャで回復を早める事が可能。
      • 問題なのはそれらの説明が何故か一切無い事。作中は勿論公式サイトでもされていない。
      • 他にも説明されていないアクションがある。気付いていないプレイヤーも多いのではないだろうか。
    • 前作同様強化必殺技・超必殺技を使うと使ったキャラのカットインが画面手前に入る。視覚的に邪魔
    • 他のキャラに比べ稚の超必殺技が使いにくい。盛Pのブログで修正依頼が寄せられた程。
      • まず敵に密着していないと発動すらしない、その関係上発動直後に敵に潰され易い、当然発動しなくても技ゲージは空っぽになる、発動できてもそのあと隙だらけになる…と三拍子どころか悪い意味で四拍子揃った有様。上手く決まれば強力だがリスクの方が大きく、離れた所から攻撃できる他のキャラに劣っている。
      • 因みに本作の稚は遠くまで届く飛び道具がなく、空中で出せる(強化)必殺技も敵を結界までぶっ飛ばす技も無い。巨乳リーチはあるもののそれ以外の個性に乏しく扱いにくいキャラと化している。超必殺技が少しでも役に立つ様にしてくれればまだ良かったのだが…。
    • フラウの技が微妙。
      • 必殺技“ガンつく1大地に立つ”は前方の敵とその攻撃を弾くぐらいにしか使えない。強化必殺技だと範囲がでかくなるが焼け石に水。
      • 超必殺技の特徴が唯月とかぶっている
    • コントローラー毎にボタン配置の変更が可能だが、変更できるのは何故かL・M・HとSPのみ。何とも中途半端に感じてしまう。
    • その他、初期状態ではステータスとスキルが著しく制限されているのでアクションゲームとして若干掴みが弱い難点も。
  • 小さい回復アイテム・小さいパワーアップアイテムは当たり判定が凄く小さいのか、プレイキャラがダッシュ中だと当たった筈なのに取れていない事がある。
  • 何故か諸悪の根源であるファントムと直接戦う事ができず、最後のボスは前作に引き続きインフィニティである。またかよと思ったファンは少なくない。
    • 一応登場自体はするがオープニングアニメと、新宿で文字通り幻影として登場するのみ。以降は不自然な位登場しない。
      • 其の癖結末はあっさりしており、稚の妹と魔空から脱出したら終了。後腐れの無い終わり方ではあるものの、肝心のファントムはまるで蚊帳の外。何か忘れてませんか。
      • のちの『エクストラ』では美琴に半殺しにされて消息不明になった事になったが、諸悪の根源の割には扱いが雑である。続編を考慮しての事だとしても何かしらの決着を付けさせてほしかった所。
      • スタッフロールによるとシナリオを担当したのは盛Pであるらしい。確かにプロデューサーがシナリオを担当したゲームは多数あるものの、上述の事を考えると…。
  • エリアの敵を全滅させた際プレイキャラの立ち位置によっては勝手に次のエリアに進んでしまい折角出現したアイテムを取り逃してしまう。
    • エリアの端で車を破壊した時車が画面外へ吹っ飛んでしまいアイテムを回収できない場合がある。
    • ボス戦ではボスを倒したら終了。回収時間はわずかにあるだけ。その為ボスをよけつつ雑魚を先に倒す必要がある。
      • お台場ではボスを素早く始末しなければボーナスステージへ行く事ができない為かなり大変である。
  • 魔空は両方のラインの手前にも背景がある為キャラやアイテムが見にくい。場合によっては完全に見えなくなり、前述の小さいアイテムが取りづらい問題が大きく出てくる。
    • また、このステージのみ迷路の様な構造になっている。難易度が上がる度にさらに複雑になる上同じ風景のエリアが続くので慣れない内は迷う。
      • マルチプレイだとどこへ行くかで揉める原因にもなる。
  • 経験値がどれだけ溜まっているか確認するのに一々ステージを一つクリアしなければならない。
  • 対戦のルールが何故かバトルロイヤルのみ。『パンバン』には一応チームバトルも存在したのに…。
    • CPUと戦う事もできない。3人対戦ができる様にはなっているが、対戦ツールとしては今一で寧ろ劣化している。
      • 盛Pのブログには「チーム戦ができる様にしてほしい」との要望もあったのだが。
  • オンラインプレイだと途中でスキルセットアップに行く事ができない。
  • キャラの動作に効果音が無いものがある。今一迫力が無い。
    • そもそも効果音のバリエーションが少なく、打撃が当たった時の効果音が刃物が当たった時と何故か同じ。殴ったのに何故か“ズバッ!”みたいな音が鳴る。
  • 他のゲームに比べオンラインプレイ時に処理落ちやエラーがよく起こる。海外勢とマッチングすると特に発生し易い。
    • PSV版は無線でしかマルチプレイできないので尚の事問題。
  • 360版でフラウパック導入後、全キャラのレベルが99から82に下がるバグがある。原因は不明。
  • 360以外では体験版が用意されていない。

ファントムブレイカー:バトルグラウンド オーバードライブ

【ふぁんとむぶれいかーばとるぐらうんど おーばーどらいぶ】

対応機種 プレイステーション4(PlayStation Store)
Nintendo Switch(ニンテンドーeショップ)
販売元 5pb.(MAGES.)Rocket Panda Games
開発元 リリースユニバーサルネットワーク
大谷幸夢店
販売日 【PS4】2015年7月21日
【Switch】2017年12月7日
定価 【PS4】1,500円(税別)972円(税込)
【Switch】1,000円(税8%込)
プレイ人数 オフライン:1~4人
オンライン:2~4人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
備考 ダウンロード専売(配信終了
ポイント 追加要素は概ね好評
相変わらず噛ませ犬なファントム
不具合は修正せずプレイヤー任せ
新モード?無いよ!

概要(オーバードライブ)

PS4向けにダウンロード販売されているグレードアップバージョン。
当初は販売日を「2015年春」と告知していたがいつの間にか夏に延期されていたりと、初報から長い事続報が無くあわや「開発中止か?」と騒がれたが無事に発売された。
2017年11月にはSwitch版の製作が決まり、同年12月7日に販売を開始した。

評価点(オーバードライブ)

  • PS4/Switchだけあって画質が良くなった。
  • ゲームバランスが崩壊しない程度の追加要素でやりこみ要素を深めている。
    • スキルセットアップに関してトリプルジャンプなどのスキルが追加。
      • ちなみに、レベル99でもポイントを全てに割り振る事ができない様に変えられたがその分遊びの幅が広がった。少なくともプレイに支障をきたす様なものにはなっていない。
    • 敵の出現数が大幅アップ。レベル99でも最高難易度を1人でクリアするのは至難の業。
  • 新たに“装備アイテム”を追加。“裏ルート(後述)”で特定の雑魚敵を倒すと出現するが全く出現しない事もある。
    • 様々なアウトレンジ攻撃を出せる“アウトレンジアイテム”。
      • 電撃:一部ボスも使用する通常版でもお馴染の初期装備。
      • 爆裂:発動が早く電撃同様敵を追尾する。
      • 氷壁:自分の周りに広がっていく様に攻撃する。
      • 隕石:自分の周りをランダムに攻撃するが威力が高い。攻撃は自分の向いている方向に斜めに落ちる。少数の敵相手には不向きか。
      • 回復:自分と仲間の体力を回復できる。仲間と距離が離れていても効果がある。滅多に出現しない。
    • 持っているだけで様々な効果を発揮する“オーラアイテム”。協力プレイ時はプレイキャラ全員に影響する。アウトレンジアイテム以上に出現しない。
      • 経験値プラス:大きい経験値アイテムが出現する確率が上昇。
      • コインプラス:大きいコインが出現する確率が上昇。
      • 攻撃プラス:攻撃力が上昇。協力プレイ時は装備しているキャラが多い程効果が上がる。
      • 防御プラス:防御力が上昇。協力プレイ時は同上。比較的入手しやすい。
  • 公式は何故か否定しているが、ストーリーモードが一部ボスキャラなどでもプレイ可能になっている。
    • 会話が無くエンディングが美琴のものになっているのは少々残念だが。
  • 新たにナレーションが追加されており、オーバードライブ時に「オーバードライブ!」と発するなどプレイをサポートしてくれる。

賛否両論点(オーバードライブ)

  • BGMがFM音源OPM系(アーケードやX68000で使われていたもの)に変更された。
    • 『あすか120%』ファンは嬉しいかもしれないが、「PSGの方が良かった」と言う声も。
      • のちに前述の音源切替えできるDLCが配信されたがやはり有料となってしまっている。
  • 難易度が低いと出現しなかったり1エリアにしか登場しない敵キャラについてはそのまま。
  • オンラインプレイに有料サービス加入が必要に。一応オフラインでもマルチプレイできるが…。
  • ただでさえ御色気要素がかなり控えめなのに、オープニングアニメが変更され御色気要素が全く無くなった。
  • 予め導入予定だったフラウが結局導入されずじまいに終わってしまった。
    • のちに有料配信が始まったが前述の通り技が微妙な事もあり「DLCで良かった」との声も。
      • ちなみにSwitch版は全てのDLCが予め組み込まれている。

問題点(オーバードライブ)

  • グレードアップ前の問題点がそのまま。
    • 勿論ファントムはほったらかしである。PBディフェンスモードによるフォローも期待されていたのだが。
    • 装備アイテムに関してはMMORPGを意識しているらしいが、パロディーとしては別に最近のネタでもない。
    • 紅莉栖が本作PS4版でも有料になっている。レベル問題もそのまま。一応クロスバイに対応はしたが…。
  • PS4版はBGMの音量がデフォルトで大きめ。
    • オプションで調整可能だが、セーブデータの読み込みはメインメニューに入る時に行われるので起動時にオープニングを観る際は注意しなければならない。
  • 追加要素に関して。
    • モードなどに関係なく一度クリア後条件を満たす事によって裏ルートへ行く事が可能に。裏ルートは景色が少し変わり敵も色々変わる。
      • が、裏ルートへ行く条件がノーヒント。攻略本も出されていない。
      • 何かをすると次のエリアの裏へ行ける仕組みらしいが、確認された条件としては“車を破壊する” “一定数コンボを決める”。普通にプレイしていたらまず分からないものばかり。
      • 盛Pは『電撃オンライン』で「ネットで協力して攻略してほしい」と語ったが、攻略サイトは少なくどれも簡素な出来。そもそもプレイヤーに丸投げしているとも取れる。
      • 因みにPVでは裏ルートに関して“裏ワザ感がアップ!!”と書かれていた。裏技の意味を履き違えている。
    • 電撃・氷壁のアウトレンジ攻撃があまり役に立たない。
      • 電撃は敵を猛追尾するが威力が低い。威力があり当たれば必ずダウンさせる爆裂に劣っている。
      • 氷壁は空中の敵などには思うように当たらない。空中をカバーできる分隕石の方がまだ使いやすい。
    • 普通に戦い続けていても経験値は十分溜まっていく為経験値プラスの存在意義は今一。しかもレベルマックスになった途端使い道が無くなり死にアイテムと化す。
      • 変更しようにも装備アイテムは持っている物と拾う物を取り換えるシステムの為一々裏ルートまで行って探さなければならない。前述の通り裏ルートへ行く条件がノーヒントな上装備アイテムが必ず出現する訳ではないのでただ面倒なだけ。
      • Switch版では裏ルートが削除された。PS4版はそのままだが。
    • 早さプラスなどが無い事を残念がる声も。
  • 不具合も幾つか発見されている。
    • 敵がうじゃうじゃ居る状態でアウトレンジ攻撃をフルパワーで出したりするとキャラや攻撃グラフィックが点滅する処理落ちが発生する。PS4プロ×SSDのマシンパワーでも起こる。
      • 表示オーバーによるグラフィック点滅はレトロゲームあるあるだが、そんなとこまで再現されても困る。プレイ自体に特に支障はないが…。
    • オンラインプレイの接続関連とクロスバイに不具合がある。アップデートされたが特に改善されていない。
      • そしてフラウにも不具合が確認された。
    • たまに起こるバグ。以下通常版PS4ストーリーモードで確認。
      • 雑魚敵を倒すとアイテムを出さずに消滅する。
      • オブジェに攻撃を当てるとアイテムを出さずに消滅する。
      • 車を破壊するとアイテムを出さずに消滅、しかも先へ進めなくなる。こうなるとプレイを終了するしかない。
      • 紅莉栖が画面上部を浮遊する。
    • あるプレイヤーが盛Pのブログに消滅バグの修正依頼を出したが、盛Pは「原因は表示オーバーによるものと思われますので、アイテム等を出しすぎず、程よく回収するプレイをお願いいたします。」と回答。要するに「プレイヤーで解決してくれ!」と言う事。それを何とかしてもらおうとわざわざ盛Pのブログに依頼を出したのだが。
      • 依頼者もさすがに呆れてしまった様で「……何じゃそりゃ。」と笑えない突っ込みを入れていた。
      • 対策としてはできるだけマシンパワーを強くする事。そうすれば表示オーバーは何とか回避できる模様。
  • 完全新規の敵が作られていない。
    • 一応雑魚のカラーバリエーションは増えているが、出現数が増えただけに単調さが目立つ。前述の出番が少ない雑魚の出番を増やすなどの工夫も特にない。
  • 2023年12月14日にSwitch版がアップデートされオンラインに対応。
    • したのはいいが販売から6年以上経過している。幾ら何でも遅過ぎる。
  • 実は海外ではディスク版も販売されている。まさかの“逆おま国”である。

総評

所々引っかかる点はあるが過去の作品の問題が概ね改善されており、安価で手に入る事も含め十分な出来。上記の通り特定の機種では値下げがされており今なら格安で入手が可能。
ただ、体験版も含め公式は何故か前作の様に宣伝に力を入れていない。『オーバードライブ』での拡張部分が通常版に反映されない*7どころかアップデートやDLCによるフォローが少なかったのはボトルネックだろう。
未完成」と言える事実やそれを含めた企業態度の悪さで評価を落としている不遇な作品である。

余談

  • ゲーム自体の問題ではないので評価からは除外するが、先にも触れた通りフラウやPS4版販売日など公式には有言不実行な面が非常に多く、宣伝や問題修正などもそうだがやる気が感じられない
    • PBディフェンスモードも初報以降続報が全く無かった。その上盛Pはこれに関する質問にも何故か対応しなかった(してもあやふやの返答をするのみ)。経過報告すら無かったのだからそりゃ文句の1つも出る。
      • ブログやTwitterを見る限り諦めてはいなかった*8らしいが、結局2019年7月9日にブログで打ち切りが発表され するする詐欺 で終わった*9。初報から5年以上経過しての事であった。だから遅過ぎるって!
      • 「仕様書もドット絵もとっくに出来てるけど開発人員が少なく仕事が遅過ぎる上新ゲームを優先した結果(要約)」と言い訳のおまけ付き。本来ならフラウよりも前に配信開始しなければいけなかった筈なのだが……ネットで協力云々や不具合修正もそうだが、フォローすらしないのは企業としてどうなのか。
    • 盛Pはフラウに関する質問にも何故か一切対応しなかったが、2017年1月31日になってようやく重い口を開いた。どうやら開発元でトラブルがあったらしいが…。
    • 因みにPS4版発売に合わせて実写のPVが作られ公開された。好評ではある様だが「他にやらねばならない事が多々あったのでは?」という指摘も。
    • そもそも盛P自体が問題の多い人で、かつての“クソゲーまとめ”にてソースコード盗用など彼の問題行為が纏められる程だった。
      • かつてトンキンハウスから発売された『D→A BLACK』『D→A WHITE』にも盛Pが関わっていたのだが、盛P(と志倉氏)の問題行動や発言が目立っていた。ゲーム自体の評価も様々な理由から低め。
      • そんな訳で当時を知るユーザーからは「盛Pの時点で信用ならない」と吐き捨てられている。重ねて言うが、本作自体は悪くはない。
  • リリースユニバーサルネットワークは名古屋にある本社が取り壊されたらしく、公式サイトも繋がらなくなっている。フェイスブックも2015年6月14日を最後に放置されており、盛Pの発言も考慮するに倒産した…かと思われたのだが、ルネサンス愛知の会社概要によると「商号を変更した」との事*10。開発元のトラブルとはこの事だろうか?
  • 雑魚にはプロペラ一つで空を飛ぶ戦闘ロボが居るが、実際にプロペラ一つだと本体が逆回転してしまいまともに飛べたものじゃない
    • 尤も本シリーズは魔法みたいな以下略
    • 尚、よく話題に上がるタケコプターは反重力発生装置である為装着対象は逆回転しない。昔はそんな設定無かった(所謂後付けである)が。
  • 『Dos/V Power Report』2017年10月号の「PCゲーム・絶対名作100」で『バトルグラウンド』が65位となった。微妙な順位だが、盛Pは喜んでいた。
  • 2013年9月19日に続編である2D格ゲー『エクストラ』がPS3と360で発売されたが、前作よりも評判が悪い。
  • その後『オーバードライブ』の後継作である『オウガテイル』がWinにて販売。PS4/One/Switchでも順次販売するらしいが、その後音沙汰無し。
    • 肝心の出来栄えは1ライン制でプレイ人数3人までなど何故か劣化。修正を含めアップデートは碌に行わずこれで価格が1,980円(税込)もする。公式サイトはスチームへのリンクを張るのみと、本シリーズにも負けず劣らずのやる気の無さである。まあ盛Pも関わっている時点で色々御察しだが。
    • その一方で、鈴平女史はアダルト“アクション”ゲーム『閃鋼のクラリアス』に携わっている。のちにアペンドデータコンテンツ『閃鋼のクラリアスF~グリムを紡ぎしもの~』も発売。御色気描写も多数。
  • そしてアメリカのRocket Panda Gamesから2D格ゲー『ファントムブレイカー:オムニア』が発売。DLCほっぽり出して新作である。
    • 2023年9月23日にRocket Panda Gamesから『ファントムブレイカー:バトルグラウンド アルティメット』を2024年の発売に向けて開発中である事が発表された。プラットフォームはWin(Steam、EGS)/PS5/PS4/XSX|S/XboxOne/Switch、クロスプラットフォームにも対応予定。
      • 尚、2022年6月に本シリーズの権利を当社が取得している為、嘗てのIP保有者であったMAGES.は監修としての関与に留まっている。PBディフェンスモードやフィンが実装されるか見ものである。
      • また、それに合わせて2024年3月4日をもってDLC含む本作の配信が終了する事をMAGES.が発表。『エクストラ』も配信が終了する。
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  • 2013年
  • Xbox360
  • ベルトスクロールアクション
  • ファントムブレイカー

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最終更新:2024年03月25日 07:32

*1 牧瀬紅莉栖DLコード&ケモノ耳コスチュームDLコードカード・ALL ABOUT PBBG(設定+攻略ガイドブック)・オリジナルサウンドトラックCD付き。

*2 攻撃力は上げるとその分敵を早く倒せてしまうのでコンボが繋げ難くなるデメリットがあるが…。

*3 オフラインでのマルチプレイでは画面端でもそれと同じエフェクトが発生してプレイキャラは画面外へ行けない。

*4 仕様書によれば元々は「ヘルモード」と言う名称だったらしい。

*5 その代わりかサウンドトラックがDLCとして販売、FLAC・MP3・WAVEの3種類の形式で収録されている。

*6 盛Pは当初延期した理由をブログにて「開発元の作業が遅れており色々働きかけている」(要約)で済まし、予定日から一年後の9月16日頃になって「フラウの開発“再開”」を宣言(止めてたんかい)するまで沈黙を守っていた。

*7 盛Pは『電撃オンライン』でする気が無い事をはっきり意思表示している。

*8 Switch版のインタビューで「これでひと段落」と発言している辺り盛Pが本当にそう思っていたかどうか怪しい所だが。

*9 前述の様に「未完成」と言われる最大の原因であり、ブログの盛Pの言動から開発再開は絶望的である。

*10 沿革には「2016年10月に現社名に商号を変更した」旨の記載がある。