大爆笑!!人生劇場 ドキドキ青春編

【だいばくしょうじんせいげきじょう どきどきせいしゅんへん】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 スーパーファミコン
メディア 10MbitROMカートリッジ
販売元 タイトー
発売元 ディスコ
開発元 タイトー
アクトジャパン
発売日 1993年7月20日
定価 8,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
周辺機器 マルチプレイヤー5、マルチタップ対応
判定 良作
爆笑!!人生劇場シリーズ


概要

タイトーの人生劇場シリーズのSFCにおける2作目、トータルで5作目にあたる作品
最大の目的はお金を稼ぐことではなく人生村にある人生学園(中高一貫)の6年間を舞台に様々な経験を積んで得られる『人生経験』を稼ぐことがこのゲームの目的である。


特徴・評価点

キャラメイクが細かい

  • 今までのシリーズでは名前と性別と血液型だけだったが、今作では苗字、名前、誕生日と長所、短所を設定できる。
    • 血液型と星座、そして長所と短所で初期パラメーターと口癖が決まる事になる。

1つのMAPの舞台とした様々な試み

  • 本作は過去のシリーズにおける時代毎のMAP移動がなくなり、月単位でルーレットを回し人生村を周回していく事になる。
    • プレイヤーは人間とCPU合わせて4人で固定。キャラメイク後に順番がランダムで決められ、それぞれの家からスタートとなる。
      • 1周して自分の家に帰ってくると、人生経験とお小遣いが貰える。周回数が多いほど多く貰える。
    • 特定の月(季節)になるとそれに応じてMAPの様相も変化し、これに関連したイベントが発生する場合もある。
      • 梅雨の時は運動系の部活が出来ない、秋は神社でお祭りが開かれるなど。

パラメーターが豊富

今までのシリーズでは知力、体力、つきの3種類しかなかったが今作では7種類+αに増えている。

+ 各パラメーター+α、長いので格納
  • 知力
    • プレイヤーの知力*1で、テストの成績や英会話のイベントに影響する。
    • 知力が低いと卒業テストの時に人生経験をもらえなくなる。
    • 知力が高くなると目が悪くなってしまうことも……
    • プレイヤーの力や体力を表し、サイコロバトル(後述)の時のHPにもなっている。
    • 力が低いと中学時代の運動会で不利になったり、修学旅行のイベントで車酔いしてしまいカッコ良さが減るばかりかストレスが下がらない。*2
  • ガッツ
    • プレイヤーの根性を示す。ガッツが高いとストレスが溜まりにくくなる。
    • プレイヤーが女性の場合はガッツが高すぎる+優しさが低いと男性化してしまう。
    • ガッツが低いと高校時代の修学旅行で先に寝てしまい、いたずらされて変な髪型*3にされてしまう。
    • 霊感と相反していて相互に上がったり下がったりしやすい。
  • カッコよさ
    • プレイヤーの魅力を示す。服を着替える事で大きく上がり、カッコ良さが高いと盛り場で警官に補導されそうになった時に20歳だと誤魔化せたりする。
    • 不良になった方がカッコ良さが上がりやすかったりもする。
    • カッコ良さが低いと恋人のラブラブ度の上がり方が小さくなったりする。
  • モラル
    • プレイヤーの道徳心を示す。高くなると風紀委員長に選ばれ、生徒会選挙でも有利になる。
    • モラルが低くなると不良になってしまう。最後まで不良のままだと最後の査定でペナルティをくらう。もう一度上げ直せば更生できる。
  • 優しさ
    • プレイヤーの優しさを示す。高くなると保健委員長に選ばれる。
    • プレイヤーが男性の場合、優しさが高すぎる+ガッツが低いとニューハーフになってしまう。
    • 優しさが低いとエンディングに悪影響を及ぼす。
  • 霊感
    • プレイヤーの霊感を示す。サイコロバトル(後述)の時の霊力(MP)にもなっている。
    • 霊感が低いと神社での願い事が神様に届かなかったりする。
  • ストレス
    • 勉強をしたりすると少しずつ溜まっていく。一定値を超えると体調を悪くしたり、イベントでインフルエンザに感染したりして病院行きになる。
    • 病院行きになると一回休みのうえステータスが大幅に下がってしまう。
    • 食事をしたり、休養するとストレスを解消することができる。

他のプレイヤーとの関係

  • 他のプレイヤーとの関係が明確に書かれたのは今作が初である。
    • 各プレイヤーの間には「仲良し度」が設定されていて仲良くすれば上がり、不義理をすれば下がる。
    • 仲良し度は数値によって5段階に分けられている。他のパラメーターと違ってマイナスもある。初期値は0。
    • 仲が良くなれば相手の家に止まった時に大きいおにぎりをもらえるようになるが、仲が悪くなるとゲンコツをもらってストレスが溜まってしまう*4
      • これも最後の査定に関わってくる。仲が悪い人が多い(嫌われ者)だとマイナス査定になる。

恋人関係

  • 恋人は男女それぞれ6人ずついて、うち2人ずつ、計4人*5は対戦相手のCPUと兼任になっている(対戦相手として出た場合は恋人からは除外される。出なかった場合は恋人として登場)。
    • 恋人にはそれぞれ「ラブラブ度」と気にするパラメーターが設定されている。デートをしたりすれば上がり、嫌われれば下がる。
    • デートができるようになるのは高校生になってからなので、そこからが本番となる。デートスポットにも好みが設定されている。
    • ラブラブ度が高くなると12月にクリスマスデートのイベントが発生し、人生経験がもらえる。条件さえ満たせば12月になるたびに発生する。
      • 二人以上で同じ恋人を取り合った場合クリスマスイベントは両方に発生するが、エンディングでは片方が恋に破れることになる。

アイテム関係

  • 今までのシリーズにも増してアイテムがたくさんあり、いろいろな効果をもたらしてくれる。
    • ストレスを解消する物から他の人に挑戦したり悪戯したりする物、使えばストレスを解消できるが持ったままだとイベントが発生して高く売れる物等。
  • そして何と言っても最大の特徴はシリーズ初となる服による着替えであろう。
    • 服を着替える事でカッコよさを中心にパラメーターが大きく上がる。服や帽子は店やデパートで買えるが、一部入手が難しい物もある。
    • メガネもあるのだが、伊達メガネはなく目が悪くなってからでないと買えない。
      • 恋人とお揃いにしたり、女装したりとやりたい放題である*6

駅関係

  • 村には駅が2か所あり、ほかの場所へ行く事ができる*7
    • 今までのシリーズと同様それぞれに別マップが用意されている。
      • この別マップにいる間はストレスが溜まっていても病気にならないようになっている。
  • フロムB町
    • おもにバイトマスで占められており、お金を稼ぐために行く所である。
      • プレイヤーによっては最初のターンから行ける。
  • 青山町
    • ゲーム開始後しばらくすると行けるようになるショッピング街。
      • 2種類の店とデパートがあり、値段は高いが様々な服と帽子を買える。メガネは買えない。
  • ハワイ
    • ゲーム後半から行けるようになる観光地。値段はかなり高いが福引でチケットが当たればタダで行ける。
      • 観光するとストレスが下がりやすく、カッコ良さも上がりやすい。悪いイベントがほぼ存在しない。
      • 土産物屋もあり、お土産を買える。買ったお土産は自分で使う事もできるが、帰ってきたときに恋人などに渡せる。

豊富なミニゲーム

行く先々で発生するミニゲームも数が豊富で楽しいものが多い。

+ 各ミニゲーム、長いので格納
  • ヤシの実取り
    • サルのお尻をつついて木に登らせヤシの実を落とさせる、というもの。取った数に応じて力が上がる。
    • 叩く強さはゲージを止める事によって決まり、最大なら一気に半分以上登る。制限時間は60秒。
  • サルの仕返し
    • 直接つながっている訳ではないが、ヤシの実取りでお尻をつつかれた猿が仕返しをしてくる、というもの。
    • サルが落としてくるヤシの実やバナナを集める。制限時間は60秒でときどき一緒に落としてくる爆弾を取ると残り時間が減る。取った点に応じてお金がもらえる。
  • サイコロバトル
    • 他のプレイヤーと同じマスに止まった時にケンカを吹っ掛けたり、公園などで敵に絡まれたときに発生。
    • 前述の通り力がHP、霊感がMPとなり、サイコロを2個振ったり、霊力を使って相手にダメージを与えて倒す。
    • 時々ミスになったり、ラッキーパンチ(いわゆる会心の一撃だがダメージは20で固定)が出たりもする。
    • ここではおにぎりを回復アイテムとして使えるほか、持っていれば爆竹も使える(自爆あり)。
  • 正月イベント
    • 中学3年以降の1月に発生する全員参加のイベント。知力、力、ガッツの3種目があり、どれに参加するかはその時点で最下位(人生経験が1番少ない)の人が決める。
    • 力は綱引きで2対2に分かれ、勝った方が人生経験をもらえる。
    • ガッツはがまん対決で勝った人が人生経験をもらえる。力の綱引きとこれは全部自動で勝敗が決まるためミニゲームというよりイベントに近い。
    • 知力はクイズバトルとなり、全17問の早押しクイズに挑むことになる。
      • プレイヤーがボタンを押すとパラメーターによって自動で正解か不正解かを判定する。3回間違えると失格だが、優勝の権利は残る。
      • 17問のうち大半は知力重視の問題だが、ほかのパラメーターが問われるものもある。
      • 1位の人が人生経験をもらえるが、1位が複数いる場合はそれぞれが人生経験をもらえる。
  • 障害物競走
    • 高校1年と3年の時の運動会で行われるハードル走。プレイヤー全員によるトーナメント戦になる。
      • ハードルの配置は何種類かあり、難易度が違っている。
  • とれとれテレフォン
    • アルバイトで行う電話のベルを聞き分けて受話器を取るゲーム。
      • 電話の配置は固定で5種類あり、制限時間は60秒。お手付きは残り時間が減る。
      • 取った点数に応じてお金がもらえ、記録更新とノーミスでボーナスももらえるがこれが後述の問題点を引き起こしている。
  • カエルレース
    • 最後の年の3月に行われるギャンブル。
    • 5匹のカエルからどれが勝つかを予想し人生経験を賭ける。当たれば3倍になる。外れれば0だが全員外れた場合は戻ってくる。

賛否両論点

  • 恋人の設定。
    • 今までのシリーズでは恋人はすべてオリジナルキャラであったが、今作では実在の芸能人などをモデルにしたキャラが多い。
      • プレイヤーが女の時に出てくる男の恋人にロクな奴(イケメンとか)がいなかったりする。
      • 恋人の中に男女とも明らかなハズレがいる。
  • 学園の教師「おおこわ」
    • 熱血教師という設定で授業では不良が逃げたりしている。
      • 風紀や柔道部の活動で遅刻した時素直に謝っても「誤って済むんなら警察は要らん」と理不尽なお仕置きをしてくる。ただ、これはこれでキャラが立っている。

問題点

  • CPUがあまり頭がよくない。
    • 思考パターンが少なくワンパターンになりやすい。
  • とれとれテレフォンで稼ぎやすすぎる。
    • とれとれテレフォンでは慣れれば6万円以上、うまくいけば10万円近く稼げてしまい、一気に金持ちになれる。
      • 最後の査定でも貯金の多かった人という項目があり、これで数十万稼いでいればこの項目だけで勝ってしまう事もある。
  • 視力の悪化
    • 目が悪くなると強制的に『ダサいメガネ(ぐるぐるメガネ)』を押し付けられる。
      • 村のデパートに行けばいいメガネを買えるがデパートは1か所しかなく、タイミングによってはどうあがいても行けないことも多い。
      • たとえ行けるタイミングであってもルーレットを外して通り過ぎてしまえばそれまでである。

総評

人生劇場シリーズとしてお金にこだわらず新たな視点から作られた良作であり、前作の失敗を完全に取り戻したと言う事ができるだろう。


余談

  • ニンテンドウパワー*8では本作を差し置いて、シリーズ作品の『大爆笑人生劇場』『大爆笑人生劇場 ずっこけサラリーマン編』がラインナップに名を連ねており、本作はハブられている。
  • 奇々怪界シリーズ』から巫女の小夜ちゃんがゲスト出演。恋占いや募金活動をしている。
    • 本作に登場する幽霊のグラフィックは、同作のザコ敵「プカプカ」に準じた可愛らしいオバケ。それでも作中では怖がられる。
  • 次回作の『大江戸日記』もまた今作とは違った視点から作られている良作である。
+ タグ編集
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  • タイトー
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  • SFC
  • TBL
  • 爆笑!!人生劇場

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最終更新:2023年10月02日 19:36

*1 実は文系、理系などに細かく分けられていてその合計値。

*2 この時に友達から「ゲロリン」のあだ名を付けられてしまうが、これ自体に実害はなく、逆に合コンイベントで自慢話のネタにできる隠れたメリットがある。

*3 男ならカッパ頭、女なら大銀杏。

*4 仲が悪くなった原因が相手にある場合でもこうなってしまう

*5 えがわようすけ、たくしちろう、れんぼうあけみ、よしかわせいこ、の4人。

*6 ただし、男が女物を着たり、女が男物を着たりするとパラメーターの上がり方が小さくなり、ガッツや優しさに悪影響を及ぼすこともある。

*7 2か所の駅を行き来することはできない。

*8 ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書換て入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が時代遅れ同然だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが中古カセットを購入した方が安かったため尚の事利用されなかった。