電波人間のRPG3

【でんぱにんげんのあーるぴーじーすりー】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売・開発元 ジニアス・ソノリティ
発売日 2013年8月7日
定価 1,000円(税別)
判定 良作
ポイント ゲーム自体は正当進化
しかし、新機能、バランスの粗さが目立つ
ジュエルシステムは賛否両論
一部の新施設は好評
シナリオは期待を一部裏切ったが良質
コロシアム環境の大きすぎる変化
電波人間のRPGシリーズ : 1 - 2 - 3 - FREE!


概要

  • 人気シリーズ『電波人間のRPG』の3作目。
    • 前作『電波人間のRPG2』から1年弱でようやく配信開始した。基本的な仕様は前2作と変わらないのでそれらの記事を参照。

評価点

前作からの正当進化。前作のような大革新はなかったが良かったところを受け継ぎ問題点は改善している。

  • 新アンテナ「つかまえる」
    • 文字通りモンスターを捕獲して、もう一度魔法を使用するとそのモンスターの技をそのまま使える。
      • 技のバリエーションが大幅に増え、同時にコレクション要素にもなっている。
    • この他にも2属性混合などのアンテナも追加された。
  • 再戦の館
    • これまで要望の強かった、「ボスモンスターとの再戦」ができる施設。倒すまでのターン数によって景品がもらえる。
      • ここを利用すればラスボスを捕獲する事も可能。
  • バザー島・レンタル島
    • どちらも他のプレイヤーとアイテムや電波人間を取り引きする事が出来る。
      • レンタル島は自分の電波人間を登録すると他のプレイヤーが登録した電波人間を有料で雇える施設。
      • バザーでは手持ちのレア物を売って金策にしたり高額商品を格安で買ったり出来るが、大きな問題点が……
  • この他にも部屋の模様替え機能や釣りがゲーム形式になる等の生活要素も強化。
  • 村に入ると無料で自動的に体力が回復したり、フィールド上の敵のレベルが表示されたりと、細々とした所も改善されている。
  • 本作のストーリーは『2』の続きではなく『1』、『2』の前日談である。
    • これまでの話はあっさりしていたが、本作は長さも濃さもシリーズ中最も評価が高い(さすがにフルプライスのゲームほどではないが)。
    • 前作をプレイしていればニヤリと出来るシナリオも多数。また、この「3→1→2」という並びは『1』から続いている『ドラクエシリーズ』のオマージュの一環でもある。
      • しかし、『2』の続きが見たかった人がいるのも事実である…が、2014年7月23日に『2』の実質的続編の『Free』が配信された。

賛否両論点

  • ジュエルシステム
    • 近年はコンシューマゲームでも珍しくなくなった課金アイテム。本作にもそれが導入された。
      • 主な使い道は「ジュエルショップ」という店でジュエル専用のアイテムを購入すること。
    • 問題視されるのは、そのジュエルショップにオートアンテナ島などの建設やコロシアムで勝ち進むのにほぼ必須な装備品があること。上級者からは特に批判されている。
      • すれちがい通信のボーナスなど無料で入手でき、極一部ジュエルを落とす敵もいる為理論上は無限に入手できるが、確率は低いため無課金では実質限られると言ってよい。
  • コロシアム環境の大幅な変化
    • 状態異常耐性を完全にすることが不可能になった。さらにつかまえるによって強力な全体攻撃も可能に。
      • そのため、「マヒ」「こおり」などの行動制限の状態異常の需要が大幅に増加。
    • その結果、先に「みんなしびれさせる」で相手を「マヒ」にし、つかまえるの召喚による全体攻撃で一掃する…という戦法が大流行。
      • 一応、物理型も使えるのだが、装備揃えが難しく、フルーツが手に入りにくいため、根気がないと作りにくい。
      • しかも、つかまえるの最強クラスの召喚モンスターに「こおり」が付加されているため、「マヒ」しなかった敵の動きも止めることができる。
      • 氷+土の複合攻撃なので氷+土耐性でダメージは軽減しやすいが、耐性が最大でもダメージは無効化不可のため「こおり」の付加は防げない。
      • 結論は、前作では流行っていた物理型がほぼいなくなり、「みんなしびれさせる」をほとんど採用する様変化。このため、コロシアムを「マヒ撒きゲー」と思っている人も少なくはない。

問題点

  • 新システムの詰めが甘い
    • おそらく一番指摘されているのがバザー島の仕様。
    • 他のプレイヤーが先に購入した商品は商品リストに出るものの買うことが出来ない。問題なのは全ての商品が売り切れている出品者のデータも読み込まれてしまうことである。
      • 出品者の入れ替えが一日3回までとなっている為、特に批判される事となった(一日3回のルールはバザーやコロシアムでも適用されている)。
  • 電波人間キャッチについて
    • キャッチをしていると電波人間がペイントボールを投げてくるようになった。当たると視界が悪くなるので、撃ち落としたり躱したりしなければならない。「緊張感があってよい」という声もあるが、「余計」という声も。
    • それよりも問題なのは、息を吹きかけると表示されている電波人間が入れ替わるという機能。電波がたくさん飛んでいる所で様々な種類のを捕獲する為に追加された機能、だが…。
      • ちょっとした音や振動でもこれが機能して、狙っていたキャラが吹き飛んでしまう…という事がかなりある。レアな特技を持っていた時などは特に悲惨。
      • そしてこの機能をOFFにすることはできない。アイデア自体は悪くないのだが、切り替え出来るようにしなかったのが惜しい。
    • また、本体を閉じておくと条件に合った電波人間を自動で捕獲してくれるオートアンテナ塔という物があるが、これを有効にしておくと3DSのすれちがい通信がストップしてしまう。
      • 技術的な問題ではあるのだが、その仕様上移動中に利用する事が多いので……
  • パラメータのインフレがあまりにも激しい
    • 今作ではレベルの上限が199に引き上げられている。それに伴いHPなどの最大値は9,999になった。
      • プレイ時間を伸ばす工夫ともとれるが、苦痛とする人も。レベルを最大まで上げることを前提とした強さの敵もいる。
      • ステータス上げ用の「フルーツ」が手に入りにくくなった*1ことも加え、不評である。
      • レベルの上限が100上がっただけでパラメータの上限を10倍にするというのは如何なものか…

総評

新要素の粗はあれど、総合的には良作の範囲に入っており、電波人間のRPGがより楽しめるシステムも導入され、遊びやすくなった。
しかし、新たに追加されたジュエルシステムや、レベルのインフレなどは、賛否が分かれている。
それでも一定のクオリティは保っており、(本編クリアまでなら)難易度もほどほどなため、シリーズ未体験の人にもお勧めできる。

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最終更新:2023年10月16日 02:47

*1 前作は種があるショップで販売されていたが、本作は買えなくなった。一応フルーツが実る木はあるが、ジュエル販売限定であり一つ実るのに時間がかかる。