このページでは『デア ラングリッサー』とその移植版『デア ラングリッサーFX』の2作品について紹介しています。



デア ラングリッサー

【であらんぐりっさー】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 スーパーファミコン
発売元 メサイヤ (日本コンピュータシステム)
開発元 メサイヤ (日本コンピュータシステム)
プログラム: クロストーク
発売日 1995年6月30日
定価 10,800円(税別)
配信 バーチャルコンソール【Wii】
2009年4月14日/800Wiiポイント
プロジェクトEGG:2014年12月16日/500円(税別)
判定 良作
ポイント ベースとなったMD版『II』から大幅進化
しかし処理速度は遅め
ラングリッサーシリーズ

概要

  • 名作SRPG『ラングリッサー』シリーズのMD版『II』をSFCに移植した作品。
  • ただし移植と言っても大幅な改修が施されており、ほとんど別のゲームと言える程の内容になっている。
  • マルチシナリオ採用、ゲームバランスの大幅な見直し、新曲の追加、さらにロウガやソニアといった新キャラも追加された。また小説版『II』に登場したオリジナルキャラのファイアスも本作に逆移植されている。
  • タイトル頭の「デア」はアルファベットでは「der」と表記されるが、これはドイツ語の定冠詞(英語の「the」に相当)。

ストーリー

前作『I』においてバルディア王国王子レディンと聖剣ラングリッサーによって、闇の皇子ボーゼルと混沌の神カオスが倒され、世界に平和が戻ってから数百年もの年月が流れた。
そんな中、レイガルド帝国の皇帝ベルンハルトが、長らく封じられていた魔剣アルハザードを入手。復活した闇の皇子ボーゼル率いる闇の軍勢と同盟を結び、その強大な力によって世界各国へと侵攻を開始した。
魔剣アルハザードと皇帝ベルンハルト、そして帝国軍の力は圧倒的で、周囲の国々を次々と傘下に収めて行く。

一方その頃、レディンの子孫である青年エルウィンは、旅の途中で知り合ったヘインと共に当てのない旅をしていたのだが、立ち寄ったヘインの故郷の村において、青竜騎士団隊長レオン率いる帝国軍の襲撃を受けてしまう。
帝国軍の目的はヘインの幼馴染である少女リアナを捕らえる事。
何故レイガルド帝国がリアナを欲するのかは分からないが、エルウィンはヘインの懇願を受け、リアナを救う為に帝国軍へと立ち向かい、無事にリアナを救出。そして成り行きで帝国に敵対する光輝(ひかり)の軍勢に手を貸す事になるのだが、戦いの中でエルウィンの力とカリスマ性を認めたレオンもまた、力による統治こそが真の平和への近道なのだと、敵であるはずのエルウィンを帝国軍へと誘う。

光輝の軍勢の一員として帝国と戦い続けるのか、かつての味方を敵に回してでも帝国軍に加わるのか…果たしてエルウィンはどのような道を選ぶのか…。

基本システム

  • 指揮官と傭兵で構成される複数の自軍ユニットを、個別で移動・攻撃の指示を与えていき敵を撃破していく。
    • 傭兵は指揮官同様に操作することも可能だが、未行動ならターン終了時に指揮官毎の「指令」設定に応じて自動的に行動してくれる。
      • 指令は、指揮官に追従して戦う戦闘モード、攻撃を仕掛ける突撃モード、指揮官に追従して攻撃は仕掛けない防御モード、フェイズ終了時に未行動でも自動操作なしの手動モードがある。
    • ターン制。自軍フェイズと敵軍フェイズを交互に行い、お互いのフェイズが終わると1ターン経過。自軍フェイズと敵軍フェイズを繰り返し、「敵の全滅」などといった勝利条件を達成するとステージクリア。
  • ステージ開始前に各指揮官ユニットに傭兵を雇える。
    • 傭兵は1ユニット10名で構成されており、数ユニット雇える。当然、1ユニット毎に金はかかる。ステージ中で使える兵種は1種類だけで、1キャラが複数の兵種を混成で雇うことはできない。
    • ステージ毎に傭兵は雇い直しになる。ステージクリア時に傭兵の数に応じて「指揮修正」が上昇するため、最大数まで雇って全員生存させることにメリットもある。
    • 指揮官の「指揮範囲」に所属する傭兵を納めると「指揮修正」(AT修正とDF修正)により傭兵の戦闘能力がプラスされる。また傭兵は所属の指揮官と隣接しているとターンの変わり目にHPが3回復する。
      • 指揮官の場合、「治療」コマンドでHP3とMP2回復できる。
  • 攻撃
    • 基本的には隣接して行なう(弓兵などは遠距離可能)。双方が同時に攻撃するという形。
      • 攻撃は移動後に実行できるが、魔法や治療はその場で動かずに実行する。
    • 表示される攻撃はただの演出ではなく、実際に遠距離攻撃は先制して攻撃しているし、近接攻撃は接敵した時点で行われている。一度に攻撃する兵種、複数回に分けて攻撃する兵種など攻撃タイミングは様々。
      • 傭兵はHP=人数なので、数が減れば攻撃性能も比例して減る。指揮官ユニットもHPが減れば攻撃性能が下がるが、ダメージの半分しか減らす、受けたばかりのダメージが現在の攻撃に反映されることもない。
      • 例えば防御力が低い魔法使い系指揮官は直接戦闘の攻撃方法が飛び道具で先制攻撃できるので、近接攻撃タイプの傭兵相手なら近接される前に相手の人数が減らせるし、飛び道具で攻撃してくるタイプ相手なら大ダメージを受けるし、敵が近接攻撃するタイプでも指揮官相手だと先制攻撃はできるが与えたばかりのダメージは攻撃力低下が反映されないので倒せればノーダメージだが倒せなければ大損害を受ける。
    • なお、各ユニットには歩兵>>槍兵>>騎兵>>歩兵と言うような3すくみや、弓兵は防御力は低いが一方的に遠距離戦闘が可能でまた飛行系に強い、僧兵は通常の歩兵より移動力や魔法耐性が高くまた魔物に強い、と言うように相性や特性を持つのでそれを活用して戦闘していく。
    • 敵を倒すと経験値と資金が得られる。傭兵が敵を倒した場合も経験値はその傭兵ユニットを指揮している指揮官に入る。敵がアイテムを装備していた場合、そのアイテムを奪うこともできる。
      • 指揮官が敵にやられると、その指揮官の傭兵も一緒に全滅してしまう。 経験値を稼ぎたい場合は、敵の指揮官ユニットを倒すのは傭兵も全滅させてからが基本になる。
  • 敵を倒したり、回復魔法を使用してHPを回復すると経験値が貯まる。経験値が貯まると指揮官はレベルアップし、攻撃力や防御力などの能力が上がる。
    • 指揮官がレベルが10になるとクラスチェンジすることになる。基本的にクラスチェンジ毎に2つの分岐があり、3回クラスチェンジできる。指揮官ごとにクラスチェンジの分岐は異なる。
      • 例えば主人公のエルウィンの場合、1回目のクラスチェンジではロードorシルバーナイト、2回目のクラスチェンジはロードからはハイロードorソードマン、シルバーナイトからはソードマンorハイランダー、というようになる。なおソードマンにはどちらからもなれるが、ロード経由とシルバーナイト経由では能力値上昇・雇用可能になる傭兵の種類・覚える魔法に違いがあるため異なる性能になる。
      • 最終クラスによっては分岐のない4回目のクラスチェンジがある。
    • ルーンストーンというアイテムを装備した状態でレベル10にすると初期クラスに戻ることができる。
      • 能力を上げたり、前とは違う分岐をたどって魔法を覚えたり雇える傭兵の種類を増やしたりできる。

評価点

  • マルチシナリオが採用された
    • MD版『II』では光輝ルートのみの一本道だったのだが、本作では光輝ルート以外にレイガルド帝国と手を組む帝国ルート、闇の軍勢の一員となる闇ルート、そしてこの3勢力全てを敵に回す独立軍ルートの4つの勢力の物語を楽しめるようになった。
    • さらに光輝ルートと帝国ルートにもそれぞれ大まかに2つのルートが用意されており*1、合計6つのルートが用意されている。
    • これによりMD版『II』と比較してボリュームが大幅に増加。1つのルートだけでも結構なボリュームがあるので、非常に長く楽しめる作品となった。
    • これはMD版『II』のアンケート葉書において「光輝だけじゃなくて帝国や闇の物語も見てみたかった」という意見があったからとのこと。
    • また裏技扱いだが、レベルや装備を維持したまま好きなシナリオを遊べる「シナリオセレクトモード」が搭載されているので、周回プレイもそれ程苦にならないようになっている。
  • ただの勧善懲悪ではない、各勢力ごとに込められた『想い』を描いた秀逸なシナリオ
    • 物語を進める中で、闇の軍勢と手を組み各国を支配下に置き、逆らう者は皆殺しにするという帝国の非道さを思い知らされる事になるのだが、これはいつまで経っても争いが無くならないこの世界から、少しでも早く争いを無くす為だという皇帝ベルンハルトの想い故だという事が明らかになっていく。
    • また、どう考えても悪党にしか見えない闇の軍勢もまた、「自分たちが魔族だというだけで人間たちに長年迫害を受け続けてきた」という経歴があり、彼らなりに真っ当な戦う理由が存在している。他の勢力のルートではただの悪人にしか見えないボーゼルもまた、独立軍ルートでは長年迫害を受け続けた闇の一族を、彼なりにどうにか救おうとしていた事が描かれているのである。
    • さらにこれら3勢力全てを敵に回してでも戦おうとする独立軍ルートでもまた、自分が覇王となって大陸を統一する事で「光輝や帝国は人間だけの、闇は魔族だけの世界を作ろうとするだろうが、俺たちなら人間と魔族が共存出来る世界を作れる」という、エルウィンの強い信念や想いが秀逸に描かれている。
    • 光輝ルートは光輝ルートで「力で脅して屈服させて掴み取る平和なんて間違ってる」という名目の下で帝国と戦う事になるのだが、「そんなぬるいやり方で平和を掴めるか」というレオンやベルンハルトの言い分もある意味正当な物ではあり、どちらが正義でどちらが悪かというのは簡単に議論し切れる物では無い。
    • どの勢力の言い分もきちんと筋が通っており、単純な勧善懲悪の物語になっていないのがポイント。話してみると決して悪い連中ばかりでは無いのだが、それでも自分達の正義を押し通す為には戦って倒さなければならない…これによりキャラに感情移入しやすくなり、物語に「深み」が増しているのである。
  • オリジナルキャラのロウガ、ソニア、ファイアスの追加
    • ロウガは元々MD版『II』の皇帝ベルンハルトのデザインとして作られた物が没になった物を、本作において新規キャラ用として採用された物なんだそうな。
    • ソニアはロウガの父違いの妹で、人間と魔族の混血の少女。人間たちに迫害された恨みから闇の軍勢に加わっているという経歴を持つ。
    • ファイアスは元々小説版『II』に登場したオリジナルキャラで、エルウィンの家族を殺した仇でもある。本作でも光輝ルートにおいて、闇の軍勢の一員としてエルウィンの前に立ちはだかる。
  • 大幅に見直されたゲームバランス
    • MD版『II』はバランス的には結構シビアであり、難易度は高めで万人向けとは言えない作品だったのだが、本作では光輝ルートにおいてはかなり簡単に進めるようになった。
    • MD版と異なり自軍の傭兵を混成部隊にすることはできなくなったが、もともと上限が6部隊だし、混成しても敵との戦闘の相性でかえって使いにくくなっていた(混成部隊を作りたいなら二人の指揮官で二種類の部隊を近くに配置した方が現実的)のでさほど問題視はされていない。
    • とはいえ簡単になったからと言って、何も考えずにゴリ押し出来る程甘くはないのだが。
    • 新たに追加された帝国、闇、独立ルートは難易度が高く万人向けとは言えないが、シナリオセレクトモードがあるのでクリアだけならそれほど苦労はしない。この辺は後述の問題点で解説していく。

問題点

  • 敵軍行動時の処理速度が遅い
    • これはSFCというハードの性能上仕方が無い事ではあるのだが、とにかく敵の行動ターンの時に敵軍の思考速度、処理速度が遅いのである。
    • 具体的には「ユニット1つ動かすだけで3秒以上かかるなんて事はザラ」というレベル。たった3秒?と思うかもしれないが、本作のように1つのステージで大量のユニットが存在するゲームにおいては致命的な遅さだと言える。塵も積もれば山となるのだ。
    • FX版では大幅に改善されており、かなり快適に遊べるようになっている。
  • 新キャラのファイアスの扱いについて
    • 小説版『II』では女性だったのだが、何故か本作では男性になっている。小説版を知っている人の中には違和感を覚えた人も多い事だろう。ボーゼルの小指から生み出されたという小説版『II』の設定も全く活かされていない。
    • また顔グラフィックも新規に用意された物ではなく、汎用敵ユニットのバンパイアロードからそっくりそのまま流用した物である。
    • しかもファイアス自身も思わせぶりで登場した割には、光輝ルートの中盤で少し出番があるだけで、あっさりと退場してしまう。他のルートでは登場すらしないのである。最後の最後までエルウィンと死闘を繰り広げた小説版『II』と、あまりにも扱いに差があり過ぎる。
    • 折角小説版から逆移植したキャラなだけに、このモブ同然の扱いはあまりにも勿体無い。光輝ルートでのエルウィンとの因縁だけでなく、エルウィンが闇の軍勢に加担した際の2人の確執といった物語を、もっと壮大に描けなかった物だろうか。
    • ただ小説版『II』ではエルウィンに負け続けた事で、役立たずの烙印を押されボーゼルに処刑されてしまうのだが、本作ではちゃんとエルウィンの手で決着を付けさせる事が出来るのは救いではあるが。
  • 一度でも撃破された味方ユニットの後味の悪いバッドエンディング
    • 本作では味方ユニットが撃破されても、ゲーム進行の上では特にペナルティは無い*2のだが、一度でも撃破された味方ユニットはエンディングでの後日談が酷い有様になる。
    • 全てのステージで撤退即ゲームオーバーになるエルウィンは絶対にバッドエンドにならないのだが、他のキャラだと全員が死亡、行方不明といった後味の悪い後日談が描かれてしまう。
    • これはNPCではなく正式加入後に一度撃破されると登場しなくなるMD版の『I』よりは易しめではあるが、その『I』では存在しなかった問題点であり、『III』の隠しシナリオにおいてエルウィンがこの問題点をレディンに指摘された際に「それだけ俺たちの方が凝ってるって事だろうが」と文句を言うシーンがあるのだが…またこの仕様はPS・SS移植の『I』にも採用され、以降のシリーズの定番となってしまった。
    • これによって「エルウィン以外は別に撃破されても特にペナルティは無いが、幸せな結末のためにはEDまで残留する指揮官全員が、絶対に誰1人としてただの一度も撃破が許されない」というおかしな状況になってしまっているのである。
      • それぞれの撃破人数によっても各のキャラのエンディング内容は変わるので良いエンディングを見るためには敵をたくさん倒させる必要もある。
      • 撃破数256まで行くとオーバフローで0に戻ってしまう。
    • 味方ユニットが撃破された時の台詞は実は面によっても異なる。これも興味深い要素だが、上記のように見ることを敬遠されることとなる。実にもったいない。
    • そしてそのキャラの撤退数は、エンディングまで一切確認する事が出来ない。さらに撤退したままセーブしてしまうと、そのセーブデータでは二度と撤退数をリセット出来ない*3ので取り返しが付かない事態に。後味の悪い後日談が気に入らなければ、ゲームを最初からやり直すしかない。
  • 光輝ルート以外での難易度の高さ
    • 前述の通り光輝ルートではMD版『II』と比較して、かなり難易度が低く抑えられているのだが、他の3つのルートでは一転してSLG初心者お断りの厳しい難易度になる。
    • シナリオセレクトモードを駆使すれば無双は容易なのだが、使わずにまともに進めようとした場合、いきなり帝国軍の最初のシナリオから敵の強さが急激に跳ね上がるのである。SRPGに慣れていない人だと、ここで詰まってしまう人も多いのではないだろうか。特に独立軍はシリーズ屈指の高難易度。どのルートで誰がエルウィンと共に付いてくるかを考慮して育てておかないと厳しい展開となる。
    • 誰がどのルートで仲間になるかはキャラクターの設定を考えれば予測はつきやすいし、苦戦も裏切りの代償ともいえるのだが…。
    • 決して理不尽過ぎる難易度ではなく、どの勢力でも戦力のバランスを考えてきちんと計画的にキャラを育成し、きちんと戦略を立てて戦えば必ず勝てるという絶妙なバランスに調整されているのだが、折角マルチシナリオを売りにしているのだから、全ての勢力で万人向けに遊べるようにしても良かったのではないだろうか。
  • シナリオの突っ込み所
+ リアナ「お願い!!もう一度考え直して!!…ただしヘイン。てめえは駄目だ!!」
  • エルウィンがレオンから帝国軍への入隊を誘われた際に、レオンの誘いを承諾すると、ヘインはエルウィンの相棒だから、ロウガは妹のソニアが闇の軍勢にいるかもしれないからという理由で、エルウィンと共に帝国軍に入る事を表明するのだが、エルウィンに恋心を抱くリアナは必死にエルウィンを説得し、もう一度考え直して欲しいと懇願する。
  • ここでリアナの懇願を振り切るかどうかの選択肢が出るのだが、リアナの説得を受け入れればエルウィンとヘインは光輝の軍勢に残留するものの、ロウガはソニアの身を案じて結局帝国軍へと寝返ってしまう。
  • ここまでなら別に何て事の無いシナリオの流れのように思えるのだが、エルウィンの事は身体を張ってでも必死に繋ぎ止めようとする癖に、共に死線を潜り抜けてきた仲間であるヘインとロウガに関しては、誰一人として帝国行きを阻止しようとしないのである。
  • ロウガに関しては、妹のソニアが闇の軍勢にいるかもしれないから、闇の軍勢と同盟を結んでいる帝国軍に入れば手がかりを掴めるかもしれないという深い事情があるので、誰も残留要請をしないというのも納得がいくし、エルウィンも事情を察して惜しみながらも快くロウガを帝国軍に送り出している。
  • だがヘインにはそういった事情は特に無く、ただエルウィンとずっと一緒にいたいからという理由で帝国軍入りを表明したに過ぎない。にも関わらずエルウィンは必死に引き留める癖に、ヘインに関しては全く引き留めようとしないというのは一体どういう事なのか。これまで苦楽を共にしてきた仲間のはずなのに、あまりにも扱いが酷過ぎやしないだろうか…。
  • ていうかリアナ。君は確かヘインの幼馴染だよね…?
+ ロウガ「お前のような骨のある奴に出会えて本当に良かったぜ…」ソニア「お兄ちゃん、私はどうでもいいの?」
  • 光輝ルートでは終盤で帝国軍に寝返ったロウガと戦う事になるのだが、ここでエルウィンとロウガとの間で仲間だった頃を懐かしむ会話が繰り広げられながらも、結局は敵同士という立場から互いに戦わなければならなくなる。
  • もしかしたら俺はお前と戦ってみたかったのかもしれねえな…ロウガはエルウィンにそう呟くも、結局は死闘の末にエルウィンに敗北。死の間際に「お前のような骨のある奴に出会えて本当に良かった」と呟きながら絶命し、エルウィンは悲しみながらも涙を拭いて、増援として駆けつけてきたレオンに立ち向かう…。
  • ここまでなら戦争の悲劇を秀逸に描いたシナリオ…のように見えるのだが、エルウィンとロウガの会話のやり取りの中で、ロウガの妹のソニアの事が全く話題に出てこないのである。死の間際に「ソニア…」などといったセリフさえも一切無し。幾ら何でもソニアが哀れ過ぎるにも程がある。
  • …貴方一体何の為に帝国軍に寝返ったんでしたっけ?
  • SS版『ドラマティックエディション』で追加された真・光輝ルートでは改善され、エルウィンとロウガが戦闘中にソニアの身を案じる会話をするようになった。
+ ソニア「ボーゼルの洗脳が解けたのね!?」エルウィン「え!?こいつら洗脳されてたの!?」
  • 独立軍ルートに突入すると、ボーゼルを裏切ったからという理由で仲間だったエストとオストが敵に回るのだが、ボーゼルを倒すといきなり何の脈絡も無くソニアが「エストとオストの洗脳が解けた」とか言い出す。そしてソニアからの誘いを受けて2人はエルウィン率いる独立軍に加入する事になる。
  • しかしこれまでのシナリオの流れの中で、エストとオストがボーゼルに洗脳されている事を示す描写は全く無い。本当にいきなりの出来事なので、完全にユーザー置いてけぼりなのである。初めて独立軍ルートをプレイした人の中には、一体何が起こったのかしばらく理解出来なかった人も多かったのではないだろうか。

賛否両論点

  • ゲームバランス
    • 主人公エルウィンの能力はキャラメイクにより差もでるが、大抵他キャラとはズバ抜けた強さになる。具体的には4面の敵ボスであるバルガスと比較すると分かりやすいが、エルウィン(ロードにした場合)とバルガス(ハイロード)のステータスがほぼ同じ。クラス一つ違うのに対抗できるのである。ある程度「主人公無双」とでも呼ぶべき展開になるという点は否めない。初心者救済の点はあるが。
    • 味方キャラの傭兵雇用数上限はクラスチェンジで増減するが、魔術師系はクラスチェンジごとに-1されるクラスが多く、ずっと魔術師系だと最低数3のままになってしまう。一方戦士系だと+1が積み重なって上限数6で安定する。
      • またこの両者、オーバーフローにより想定外の数になってしまうことも(内部値0~2人なら最低数の3人だが、内部値0から下がると255になるため最大数の6人になる。そこから雇用人数が増えるクラスに行くと内部値255から0になってまた最低数の3人に戻る)。3が6になるのは嬉しいことだが。
    • 前作にもあった問題だが、クラスチェンジの選択によっては一部には上のクラスが存在し、クラスチェンジを一段階多く行える。そういったクラスを選んだ場合と選ばなかった場合の違いは歴然。ルーンストーンという能力がそのままで下位クラスに戻りさらに成長できるアイテムはあるが、マップに隠されている上入手個数は限られる。また指揮修正値は減ってしまう。
      • 一応裏技で隠しショップを出現させれば、幾らでもルーンストーンを入手可能ではある。
    • 魔法の強さ
      • 反撃されずに範囲攻撃できる攻撃魔法は強いし、補助魔法も瞬間移動可能なテレポートや再行動できるアゲインなど強力。

総評

  • 難易度はともかくシステムとしては既に完成されていたMD版『II』を、さらに遊びやすく進化させた名作。
  • 前述の通り光輝以外のルートでの尖った難易度は人を選ぶかもしれないが、それでも特に目立ったバグも無く、シナリオも非常に秀逸。
  • 現在はバーチャルコンソールで安価で配信されているので、興味を持った方は遊んでみては如何だろうか。

余談

  • 取扱説明書の表紙にはリアナがエルウィンにお姫様抱っこされるイラストが描かれているが、リアナがパンチラ(むしろパンモロ)している構図となっている。
    • 更にエルウィンの左手(リアナの上半身を支えている)が、どう見てもリアナのおっぱいを揉んでるようにしか見えない。うるし原先生、恐るべし…。
  • 本作に限り、スコットの顔グラが公式絵と大きく異なっている。
    • 公式絵は気弱そうなお坊ちゃんといった感じだが、ゲームではキリッとした顔つき。もはや別人レベル。



デア ラングリッサーFX

【であらんぐりっさー えふえっくす】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 PC-FX
発売元 日本電気ホームエレクトロニクス
開発元 メサイヤ (日本コンピュータシステム)
プログラム: クロストーク
発売日 1996年4月26日
定価 7,800円(税別)
判定 良作
ポイント SFC版からさらに大幅進化

概要(FX)

  • SFC版をPC-FXに移植した作品。
  • 当時PSやSSが既に台頭していた中で、両者と比較して敢えて普及率が低いFXでの移植となった。
  • しかしその優れた完成度は、まさに正当進化とも言える程の代物になっている。

強化・評価点(FX)

  • アニメーションが大量に追加
    • PSやSSに比べて唯一勝っていると言われている、FXのアニメ描写機能を最大限に活かした、とても出来のよいアニメが要所で流れるようになった。
  • 豪華声優陣による熱演
    • エルウィン役に草尾毅氏、ヘイン役に山口勝平氏、リアナ役に國府田マリ子氏など、全てのメインキャラに非常に豪華な顔ぶれが揃っている。
    • あまり出番のない追加キャラのファイアスにも、ちゃんと声が当てられている程。担当声優は沼田祐介氏。
    • しかも「キャラのイメージに声が合っていない」「声優の演技が棒読み」というケースが全く見受けられない。余程念入りにオーディションでの検証を行ったのだろう。
    • 魔法を使う際の掛け声にすら、メインキャラほぼ全員分の声が入っている程。
  • CD音源を活かしたBGMの大幅アレンジ
    • メディアがCD-ROMになった事で、楽器による「生の演奏」をBGMとして使う事が可能となった。そのBGMのアレンジがとても素晴らしく、聴いていて全く違和感が無い。
    • 生演奏の収録故にどうしても曲がループせずに途中で途切れてしまうのだが、これは仕方が無いとしか言えないだろう。
  • 処理速度の大幅な改善
    • これがSFC版からの最大の改善点だと言っても過言ではない。
    • SFC版では敵軍フェイズの時に、敵のユニットが1つ動くだけで3秒近くかかっていたのが、本作ではほぼ一瞬で動くようになり、非常にテンポ良く遊べるようになった。その処理速度はまさに「爆速」と言っても差し支えない程。
    • SFC版をやり込んだ人たちの中には、あまりの速さに驚いた人も多いのではないだろうか。
  • 光輝ルートにおいて、リアナとシェリーがエルウィンに告白するイベントが追加された
    • ただし『III』以降の作品と違い、エルウィンと結ばれるのはリアナだけなのだが…。

問題点(FX)

  • セーブデータの作成に、FX本体の容量を全て使ってしまう
    • その為他のゲームのセーブデータを作りたい場合は、別売りのメモリーユニットを用意しなければならない。
  • 追加シナリオが一切無い
    • 前述のリアナとシェリーの告白イベント以外は、シナリオ面においてはほぼSFC版のベタ移植に過ぎないのである。
    • これは容量的にかなり厳しいと思われ、仕方が無かったのかもしれないが…。

総評(FX)

  • まさに正当進化と言っても差支えが無い、良移植のお手本とも言うべき作品。
  • 特に目立ったバグも無く、文句無しに名作と呼ぶに相応しい作品であり、今でも本作を「シリーズ最高傑作」と称する人までいる程。
  • 当時の電撃PCエンジンにおいて大々的に宣伝され、PSやSSに押され苦戦していたPC-FXを多少は盛り上げたとされ、本作の為だけに本体を買ったという人も多いようだが、残念ながらFXを爆発的に普及させるまでには至らなかった。
  • これはFXの作品全てに言える事なのだが、大手量販店でしかまともに販売されず、小さな店舗では取り扱ってすら貰えなかったというケースが後を絶たなかった。まさに歴史の陰に埋もれた惜しい作品だとしか言いようが無い。
  • 現在はゲームアーカイブスやバーチャルコンソールでも配信されていないので、本作を遊びたければ入手困難だが本体とソフトを探すしかない。

その後の展開(FX)

  • 後に『I』とのカップリング移植を果たしたPS版が『ラングリッサーI&II』というタイトルで発売されたのだが、こちらはFX版と比較して大幅な劣化移植となってしまった。

余談(FX)

  • 本作の製作が発表された当時は、レディン役に堀川亮(現:堀川りょう)氏、ジークハルト役に江原正士氏が起用される事が大々的に発表されたのだが、結局両者共に声無しキャラに変更になってしまった。
    • メーカーからの公式発表は無いが、元々両者共にほとんど出番が無い*4上に、FX版はかなり限界まで容量を使い切ってしまっているという事情から、止むを得ず声無しキャラにしたと思われる。